JP2011052858A - 焼結機 - Google Patents

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Abstract

【課題】方吸引式の焼結機において、高強度高品質の焼結鉱を、高歩留でかつ安全に製造することができる焼結機を提供する。
【解決手段】循環移動するパレット8と、パレット8上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層9を形成する原料供給装置と、装入層9の炭材に点火するための点火炉と、パレット8の下方に配設したウインドボックス13と、点火炉10の下流側に配設された、装入層9の上方で気体燃料を噴射し、空気と混合して希釈気体燃料として供給する気体燃料供給装置12a〜12cと、気体燃料供給装置を囲むフード16と、パレット8の前記装入層における焼結ケーキの温度を推定する焼結ケーキ温度推定部55a,55b及び56と、該焼結セーキ温度推定部で推定した推定温度に基づいて前記気体燃料供給装置の気体燃料供給量を制御する気体燃料供給制御装置61とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、下方吸引式のドワイトロイド(DL)焼結機を用いて、高強度高品質の焼結鉱を製造する焼結機に関するものである。
高炉製銑法の主原料である焼結鉱は、一般に、図13に示すような工程を経て製造される。原料は、鉄鉱石粉、製鉄所内回収粉、焼結鉱篩下粉(返鉱)、石灰石及びドロマイトなどの含CaO系副原料、生石灰等の造粒助剤、コークス粉や無煙炭などである。これらの原料は、ホッパー101・・・の各々から、コンベヤ上に所定の割合で切り出される。切り出した原料は、ドラムミキサー102等により適量の水を加えて混合し、造粒して、3.0〜6.0mmの平均径を有する擬似粒子である焼結原料とする。一方、整粒した塊鉱石を床敷ホッパー104から切り出して焼結機パレット108のグレート上に床敷層を形成させる。
焼結原料は、焼結機上に配置されているサージホッパー105からドラムフィーダー106と切り出しシュート107を介して、無端移動式の焼結機パレット108上の床敷層上に装入され、焼結ベッドともいわれる焼結原料の装入層109を形成する。装入層の厚さ(高さ)は通常400〜800mm前後である。その後、装入層109の上方に設置された点火炉110で、この装入層9の表層中の炭材に点火するとともに、パレット108の下に配設されているウインドボックス111を介して空気を下方に吸引することにより、該装入層中の炭材を順次燃焼させ、このときに発生する燃焼熱によって、前記焼結原料を燃焼、溶融して焼結ケーキを得る。このようにして得た焼結ケーキは、その後、破砕、整粒され、5.0mm以上の塊成物からなる成品焼結鉱として回収される。
前記製造プロセスにおいては、まず、点火炉110により装入層表層に点火が行われる。点火された装入層中の炭材は、ウインドボックス111により装入層の上層部から下層部に向かって吸引される空気によって燃焼を続け、その燃焼帯はパレット108の移動につれて次第に下層にかつ前方(下流側)に進行する。この燃焼の進行にともない、装入層中の焼結原料粒子中に含まれる水分は、炭材の燃焼で発生する熱によって気化し、下方に吸引されて、まだ温度が上昇していない下層の焼結原料中に濃縮し湿潤帯を形成する。その水分濃度がある程度以上になると、吸引ガスの流路である原料粒子間の空隙を、水分が埋めるようになり、通気抵抗を増大させる。なお、燃焼帯に発生する焼結化反応に必要な溶融部分も、通気抵抗を高める要因となる。
焼結機の生産量(t/hr)は、一般に、焼結生産率(t/hr・m2)×焼結機面積(m2)により決定される。即ち、焼結機の生産量は、焼結機の機幅や機長、原料堆積層の厚さ(装入層厚さ)、焼結原料の嵩密度、焼結(燃焼)時間、歩留などにより変化する。そして、焼結鉱の生産量を増加させるには、装入層の通気性(圧損)を改善して焼結時間を短縮する、あるいは、破砕前の焼結ケーキの冷間強度を高めて歩留を向上することなどが有効であると考えられている。
図14は、厚さが600mmの装入層中を移動する燃焼(火炎)前線が、該装入層のパレット上約400mm(装入層表面から200mm)の位置にあるときにおける装入層内の圧損と温度の分布を示したものである。このときの圧損分布は、湿潤帯におけるものが約60%、燃焼・溶融帯におけるものが約40%である。
図15は、焼結鉱の高生産時と低生産時の装入層内の温度分布を示したものである。原料粒子が溶融し始める1200℃以上の温度に保持される時間(以降、「高温域保持時間」と称する)は、低生産の場合にはt1、生産性を重視した高生産の場合にはt2で表されている。高生産の場合、パレットの移動速度を上げるため、高温域保持時間t2が低生産場合のt1と比べて短くなる。高温域保持時間が短くなると、焼成不足となって、焼結鉱の冷間強度の低下を招き、歩留が低下する。したがって、高強度焼結鉱の生産量を上げるためには、短時間の焼結においても、焼結ケーキの強度、即ち焼結鉱の冷間強度を上げて、歩留の維持、向上を図ることができる何らかの手段を講じる必要がある。なお、焼結鉱の冷間強度を表す指標としては、一般に、SI(シャッターインデックス)、TI(タンブラーインデックス)が用いられる。
図16(a)は焼結機パレット上の装入層における焼結の進行過程を、図19(b)は装入層内の焼結過程における温度分布(ヒートパターン)を、図16(c)は焼結ケーキの歩留分布を示したものである。図16(b)からわかるように、装入層の上部は下層部に比べて温度が上昇し難く、高温域保持時間も短くなる。そのため、この装入層上部では、燃焼溶融反応(焼結化反応)が不十分となり、焼結ケーキの強度が低くなるため、図16(c)に示すように、歩留が低く、生産性の低下を招く要因となっている。
こうした問題点に鑑み、装入層上層部に高温保持を付与するための方法が従来から提案されている。例えば、特許文献1は、装入層に点火後、装入層上に気体燃料を噴射する技術を開示している。しかし、上記技術は、気体燃料(可燃性ガス)の種類が不明であるが、プロパンガス(LPG)や天然ガス(LNG)であるとしても、高濃度のガスを使用している。しかも、可燃性ガスの吹き込みに際し、炭材量を削減していないため、焼結層内が、1380℃を超える高温となる。そのため、この技術では、十分な冷間強度の向上や歩留の改善効果を享受できていない。しかも、点火炉直後に可燃性ガスを噴射した場合には、可燃性ガスの燃焼により焼結ベッド上部空間で火災を起こす危険が高く、現実性に乏しい技術であって、実用化には至っていない。
また、特許文献2も、装入層に点火後、装入層に吸引される空気中に可燃性ガスを添加する技術を開示している。点火後、約1〜10分程度の供給が好ましいとされているが、点火炉での点火直後の表層部は、赤熱状態の焼結鉱が残存しており、供給の仕方によっては可燃性ガスの燃焼により火災を起こす危険が高く、また、具体的記述は少ないが、焼結済みの焼結帯で可燃ガスを燃焼させても効果は無く、焼結帯で燃焼すると、燃焼ガスによる温度上昇と熱膨張により通気性を悪化させるため、生産性を低減させてしまう傾向にあるので、これまで実用化には至っていない。
また、この技術にしても可燃性ガスの吹込みに際し、炭材量を削減していないため、焼結層内が1380℃を超える高温となる。そのため、十分な冷間強度の向上や歩留の改善効果を享受できない。さらに得られる焼結鉱にしても被還元性の悪い焼結鉱となる。
また、特許文献3は、焼結原料の装入層内を高温にするため、装入層の上にフードを配設し、そのフードを通じて空気やコークス炉ガスとの混合ガスを点火炉直後の位置で吹き込むことを開示している。しかし、この技術も、焼結層内の燃焼溶融帯の温度が1380℃を超える高温となるため、コークス炉ガス吹き込みの効果を享受できないとともに、可燃性混合ガスが焼結ベッド上部空間で発火し、火災を起こす危険性があり、実用化されていない。
さらに、特許文献4は、低融点溶剤と炭材や可燃性ガスを同時に、点火炉直後の位置で吹き込む方法を開示している。しかし、この方法もまた、表面に火炎が残留した状態で可燃性ガスを吹き込むため、焼結ベッド上部空間で火災になる危険性が高く、また、焼結帯の幅を十分に厚くできない(約15mm未満)ため、可燃性ガス吹き込みの効果を十分に発現することができない。さらに、低融点溶剤が多く存在するため、上層部において過剰な溶融現象を引き起こして、空気の流路となる気孔を閉塞してしまい、通気性を悪化させて、生産性の低下を招くことから、この技術もまた、現在に至るまで実用化されていない。
以上説明したように、これまで提案された従来技術は、いずれも実用化されておらず、実施可能な可燃性ガス吹込み技術の開発が切望されていた。
上記問題点を解決する技術として、本出願人は、特許文献5において、焼結機のパレット上に大切させた焼結原料の装入層の上から燃焼下限濃度以下に希釈した各種気体燃料を供給して装入層中に導入し、燃焼させることにより、装入層内の最高到達温度および高温域保持時間の何れか一方又は双方を調整する方法を提案している。
特開昭48−18102号公報 特公昭46−27126号公報 特開昭55−18585号公報 特開平5−311257号公報 WO2007−052776号公報
上記特許文献5の技術は、下方吸引式焼結機において、所定の濃度に希釈した気体燃料を装入層中に供給(導入)し、装入層内の目標とする位置で燃焼させる気体燃料供給を行うことにより、焼結原料の燃焼時の最高到達温度や高温域保持時間を適正に制御することができ、ひいては、熱量不足で焼結鉱の冷間強度が低くなりやすい装入層上層部のみならず、装入層中層部以下の任意の部分における焼結鉱強度を高めるような操業を行うことができる。
しかし、上記気体燃料供給焼結操業を行う場合、焼結ベッドや焼結ケーキのひび割れ部などの高温部が火種となって気体燃料に逆火し、気体燃が燃焼する(着火)おそれがある。このような引火状態で焼結操業を続けると(爆発の問題は別として)、気体燃料を装入層内に供給できなくなるばかりでなく、気体燃料の燃焼によって酸素が消費された酸素不足の大気が装入層中に供給(導入)されることになる。その結果、燃焼時の最高到達温度や高温域保持時間を制御できなくなるばかりでなく、燃焼不足を起こして、焼結鉱の強度低下を招き、歩留りや生産性を低下させるため、焼結操業に重大な悪影響を及ぼすことになる。
そこで、本発明は上記従来例の課題に着目してなされたものであり、下方吸引式の焼結機において、高強度高品質の焼結鉱を、高歩留りでかつ安全に製造することができる焼結機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る焼結機は、循環移動するパレットと、前記パレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する原料供給装置と、前記装入層の炭材に点火するための点火炉と、前記パレットの下方に配設したウインドボックスと、前記点火炉の下流側に配設された、前記装入層の上方で気体燃料を噴射し、空気と混合して希釈気体燃料として供給する気体燃料供給装置と、該気体燃料供給装置を囲むフードと、前記パレットの前記装入層における焼結ケーキの温度を推定する焼結ケーキ温度推定部と、 該焼結セーキ温度推定部で推定した推定温度に基づいて前記気体燃料供給装置の気体燃料供給量を制御する気体燃料供給制御装置とを備えていることを特徴としている。
また、請求項2に係る焼結機は、請求項1に係る発明において、前記焼結ケーキ温度推定部は、前記パレットの前記装入層を前記搬送方向に向かって左右両側で支持するサイドウォールの温度を検出するサーモカメラと、該サーモカメラの撮像データを画像処理して前記装入層の層厚方向の温度分布を計測し、焼結ケーキ内の温度分布を推定する画像処理装置とを備えていることを特徴としている。
また、請求項3に係る焼結機は、請求項1又は2に係る発明において、前記気体燃料供給制御装置は、前記焼結ケーキ温度推定部で推定した焼結ケーキ内の上層部の温度が所定温度範囲となるように前記気体燃料流量をフィードバック制御するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項4に係る焼結機は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記パレットの搬送速度を検出する搬送速度検出部を有し、前記気体燃料供給制御装置は、前記搬送速度検出部で検出したパレット搬送速度に基づいて前記気体燃料供給装置の気体燃料供給量をフィードフォワード制御するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項5に係る焼結機は、1乃至4の何れか1つに係る発明において、前記パレットの装入層から前記ウインドボックスに流出する熱風温度の当該パレットの搬送方向と直交する幅方向分布を検出する熱風温度分布検出部を有し、前記気体燃料供給装置は、前記パレットの搬送方向と直交する幅方向に気体燃料を噴射する複数の気体燃料供給ノズルを有し、前記気体燃料供給制御装置は、前記熱風温度分布検出部で検出した熱風温度分布に基づいて各気体燃料噴射ノズルの気体燃料噴射量を制御するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る焼結機は、請求項5に係る発明において、前記熱風温度分布検出部は、少なくとも前記パレットの幅方向の中央部を挟む左右対称位置に配設した熱風温度を検出する一対の熱電対を含んで構成されていることを特徴としている。
また、請求項7に係る焼結機は、請求項1乃至6の何れか1つに係る発明において、前記気体燃料は、高炉ガス、コークス炉ガス、高炉・コークス炉混合ガス、都市ガス、天然ガス、メタンガス、エタンガス、プロパンガスおよびそれらの混合ガスのうちから選ばれるいずれかの可燃性ガスであることを特徴としている。
本発明によれば、下方吸引式焼結機の操業において、パレットの装入層に形成される焼結ケーキの温度を推定して装入層の上方で気体燃料を噴射する気体燃料噴射装置の気体燃料噴射量を制御するようにしたので、焼結ケーキの温度を所定温度範囲に正確に制御することができるという効果が得られる。
本発明の一実施形態を示す概略構成図である。 気体燃料供給装置の概略構成を示す斜視図である。 気体燃料供給装置の焼結機パレットの幅方向の模式的横断面図である。 気体燃料供給装置の気体燃料噴射状態を示す説明図である。 気体燃料供給部を示す配管図である。 フード内の都市ガス濃度分布を説明する図である。 制御装置を示すブロック図である。 制御装置で実行する気体燃料供給制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 制御装置で実行する流量制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 焼結ケーキへの気体燃料供給位置の影響を調べる実験を説明する図である。 気体燃料の吐出速度、ノズル径が希釈気体燃料の濃度分布に及ぼす影響を示すグラフである。 気体燃料供給部囲繞フードの焼結機パレット搬送方向のシール機構を示す図である。 従来の焼結プロセスを説明する図である。 焼結層内における圧損と温度分布を説明する図である。 高生産時と低生産時の温度分布を比較した説明図である。 焼結機内における温度分布と歩留分布のグラフである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の焼結機を示す概略構成図であって、前述した従来例で記載したように、鉄鉱石粉、製鉄所内回収粉、焼結鉱篩下粉、石灰石及びドロマイトなどの含CaO系副原料、生石灰等の造粒助剤、コークス粉や無煙炭などの各原料を個々のホッパー1から切り出し、ドラムミキサー2a,2bにより適量の水を混合し、造粒して、3.0乃至6.0mmの平均径を有する擬似粒子である焼結原料を焼結機3のサージホッパー5に貯留すると共に、細粒の焼結鉱を床敷ホッパー4に貯留しておく。
この焼結機3は、床敷ホッパー4及びサージホッパー5の下方に配設された無端移動式の焼結機パレット8を有し、焼結機パレット8の移動に伴って、床敷ホッパー4から細粒の焼結鉱を切り出して焼結機パレット8のグレート上に床敷層を形成させ、この床敷層上にサージホッパー5からドラムフィーダー6と切り出しシュート7を介して、焼結原料が装入されて、焼結ベッドとも言われる400〜800mm程度の厚さ(高さ)の装入層9を形成する。ここで、床敷ホッパー4、サージホッパー5、ドラムフィーダー6及び切り出しシュート7で原料供給装置が構成されている。
そして、切り出しシュート7の下流側には、装入層9の上方に点火炉10が配設され、この点火炉10で、装入層9の表層中の炭材に点火する。この点火炉10には、製鉄所内のコークス炉で発生する所謂Cガスと称されるコークス炉ガスが供給されており、このコークス炉ガスを燃焼させることにより、装入層9の表層中の炭材に点火する。
この点火炉10の下流側には、保温炉11が配設され、この保温炉11の下流側に例えば3台の気体燃料供給装置12a〜12cが焼結機パレット8の搬送方向に直列に隣接して配設されている。
保温炉11は、点火炉10で点火された装入層9を予熱するために設けられており、例えば気体燃料として都市ガスが供給されている。
一方、気体燃料供給装置12a〜12cのそれぞれは、図1に示すように、点火炉10の下流側且つ燃焼・溶融帯が装入層9中を進行する過程におけるパレット進行方向の何れかの位置に一つ以上配設され、装入層9中への希釈気体燃料の供給は、装入層9中の炭材への点火後の位置で行われるのが好ましい。この気体燃料供給装置12a〜12cは、点火炉10の下流側で、燃焼前線が表層下に進行した以降の任意の位置に一つ又は複数個配設されるものであり、目標とする製品焼結鉱の冷間強度及び被還元性を調整する観点から、大きさ、位置、配置数が後述するように決められる。
なお、装入層9が形成された焼結機パレット8の下側には、装入層9の表層部の炭材に点火炉10で点火することにより形成される装入層9の燃焼・溶融帯を、焼結機パレット8の移動に伴って順次装入層9の下層側に移動させるための焼結機パレット8の上方から装入層9を通って空気を吸引するウインドボックス13が配設されている。
そして、気体燃料供給装置12a〜12cのそれぞれは、図2及び図3に模式的に示すように、焼結機パレット8の上部を囲う上端を開放したフード16で囲われている。このフード16は、焼結機パレット8の搬送方向の前後ウォール16aと、これら前後ウォール16aの左右端部間を連結する焼結機パレット8の搬送方向に沿う左右ウォール16bとで方形枠状に形成された基部16cと、この基部16cの上端に配設された透過率が例えば45%に設定されたパンチメタルで構成される飛散防止フェンス16dとで構成されている。
基部16内には焼結機パレット8の半双方向に沿って延長し、頂部を上方とする断面く字状の整流板17を焼結機パレット8の搬送方向と直交する幅方向に所定ピッチpを保って所定本数平行に配設した構成を有する例えば上下方向に3列の整流板列18a〜18cが配設されている。
ここで、整流板列18a〜18cの整流板17の幅は水平方向の間隔の2倍以上に設定することが好ましい。具体的には山形の整流板17の幅が100mm以上であり、整流板17の水平方向及び垂直方向の間隔が50mm以上、望ましくは100mm以上であることが好ましい。このように、整流板17の大きさを設定することによって、整流板17の表面における境界層形成による通気抵抗を小さくすることができる。
また、整流板17垂直方向の配列は、トーナメント状(千鳥状)又はラビリンス状に多段に配設することが好ましい。このような配列構造とすることにより、吸引される空気の流速が平均化され、空気の巻き込みによる渦流の形成を抑制することができる。ただし、整流板17の垂直方向の段数を多くし過ぎると開口部の圧力損失が大きくなって、空気を焼結機パレット8の下で吸引しているウインドボックス13の負荷が増大し、吸引空気量が減少するため、焼結操業に支障を来すことになりかねない。そこで、開口部への整流板列18a〜18cの設置による圧力損失は10mmH2O以下に制御することが好ましい。このため、開口部の内部に設置される整流板17は、幅300mmの整流板17を、水平方向に間隔100mmで配列され、さらに垂直方向に間隔300mmで3段、トーナメント状に配列されている。また、装入層9の下方では、ウインドボックス13で空気を吸引速度約0・9m/sで吸引している。
因みに、整流板列18a〜18cを設置しない場合には、気体供給部囲繞フード16内には渦流が形成され、その結果、後述するように整流板列18cの下側に気体燃料噴射ノズル31を配置して気体燃料を水平方向に噴射した場合に気体燃料が散逸する。
一方、上述したように整流板列18a〜18cを設置した場合、気体供給部囲繞フード16の開口部の圧力損失は若干上昇しているもののフード16内の渦流形成も抑制され、さらに最下段の整流板18cとその上端との間には気体燃料が微量認められるが、その上部では気体燃料は存在しない状態を作り出すことができる。その結果、気体燃料の散逸率(0.1%以下)も低減することができる。
したがって、整流板列18a〜18cによって、吸引された整流板列18a〜18c間を通過する空気と、気体燃料供給装置12a〜12cから供給される気体燃料との混合を図り、気体燃料を希釈できるとともに、希釈された希釈気体燃料が外部に漏洩することを防止する機能を持たせている。
そして、基部16cを構成する前後ウォール16a間に気体燃料供給装置12i(i=a〜c)が配設されている。この気体燃料供給装置12iは、図2及び図3に示すように、焼結機パレット8の搬送方向と直交する幅方向に所定ピッチを保って平行に配設された例えば7本の気体燃料噴射ノズル31と、これら気体燃料噴射ノズル31に気体燃料としての例えば都市ガスを供給する気体燃料供給部32とで構成されている。
気体燃料噴射ノズル31は、図2及び図3に示すように、各気体燃料噴射ノズル31の内、幅方向の両端の気体燃料噴射ノズル31については内側向きに気体燃料を水平方向に噴射する気体燃料噴出口31aが配設され、残りの気体燃料噴射ノズル31については隣接する気体燃料噴射ノズル31に対向する対称位置に焼結機パレット8の搬送方向に所定ピッチで所定数の気体燃料を水平方向に噴射する気体燃料噴出口31aが配設されている。
そして、隣接する気体燃料噴射ノズル31間で、図4に示すように、一方の気体燃料噴射ノズル31の気体燃料噴射口31aが他方の気体燃料噴射ノズル31の気体燃料噴射口31a間の中央位置に配置されるように隣接する気体燃料噴射ノズル31間で水平方向に気体燃料噴射口31aが千鳥状に配置されている。このため、隣接する気体燃料噴射ノズル31で噴射される気体燃料が互いに干渉することなく、均一に分散されて装入層9上に噴射されて空気と混合されて希釈気体燃料32となる。その後、焼結機パレット8下の図3に示すウインドボックス13の吸引力を利用して、装入層9の表層に生成した焼結ケーキを経て、装入層の深部(下層)にまで導入される。
また、気体燃料供給部32は、図5に示すように、都市ガス供給本管41から供給される気体燃料としての都市ガスが各気体燃料供給装置12a〜12cへの都市ガス供給枝管42a〜42cに分岐されて、個別気体燃料制御部43a〜43cに供給される。これら個別気体燃料制御部43a〜43cのそれぞれは、個別気体燃料制御部43aを例に説明するが、都市ガス供給枝管42aに遮断弁44が介挿され、この遮断弁44の下流側に分岐部45が配設されている。この分岐部45では、遮断弁44を介して供給される都市ガスを7本の気体燃料噴射ノズル31に供給するために7系統の分岐管46に分岐し、各分岐管46には、流量計47及び流量調節弁48がその順に介挿され、流量調節弁48の下流側に気体燃料噴射ノズル31が接続されている。
そして、フード16の左右ウォール16bにおける装入層(焼結ベッド)9と気体燃料噴射ノズル31との間に着火検知器51が配設されているとともに、フード内圧力を検出する圧力計52が配設され、さらに前後ウォール16a及び左右ウォール16bで構成される基部16cの四隅における下側の整流板列18cと気体燃料噴射ノズル31との間と、上側の整流板列18aの上方側とに、それぞれ左右ウォール16bに固定されてメタン(CH4)の濃度を検出するガス濃度計53が配設されている。
ここで、ガス分析計53を基部16cの四隅に配置する理由は、ウインドボックス13から吸引している状態で、気体燃料噴射ノズル31の気体燃料噴射口31aから気体燃料として都市ガスを水平方向に噴射した場合、気体燃料供給部囲繞フード16の上端が開放されていることから、この上端から空気が整流板列18a〜18cを通って気体燃料噴射ノズル31に供給される。このため、気体燃料噴射ノズル31から水平方向に噴射された都市ガスと空気とが混合されて希釈気体燃料32となり、この希釈気体燃料32がウインドボックス13の吸引力によって装入層(焼結ベッド)9内に導入される。
このときの、都市ガスの主要成分であるメタン(CH4)ガスの濃度は、図6に示すように、装入層9の幅方向に略均一となっているが、左右ウォール16bの近傍の極一部でメタン(CH4)ガス濃度が高い領域50が存在することが確認された。
このため、フード16の4隅の左右ウォール16b近傍で、高さ方向の2点の計8点においてメタン(CH4)ガス濃度をガス濃度計53で検出することにより、気体燃料濃度が異常となっているか否かを正確に把握することができる。
さらに、フード16の上端の4隅にメタンCH4の漏洩濃度が例えば50ppmを超えたことを検知するメタンCH4検知機で構成される漏洩検知機54が配置されている。
また、フード16の出側に、焼結機パレット8の左右のサイドウォール8aにそれぞれ対向してサーモカメラ55a及び55bが配設され、これらサーモカメラ55a及び55bでサイドウォール8aの温度分布を画像データとして撮像し、このサーモカメラ55a及び55bで撮像した画像データが画像処理装置56に供給される。この画像処理装置56では、サーモカメラ55a及び55bから入力される画像データを画像処理することにより、サイドウォール8aの上下方向の温度分布を測定し、測定したサイドウォール8aの温度分布に基づいて装入層9の上部側に形成されている焼結ケーキの温度Tsを推定し、推定した焼結ケーキ推定温度Tsを後述する制御装置に出力する。
さらに、焼結機パレット8の下方のウインドボックス13内に焼結機パレット8の搬送方向と直交する幅方向の中央部を挟む対称位置にウインドボックス13で吸引される熱風の温度を検出する熱電対57a及び57bが配設されている。
さらにまた、図1に示すように、焼結機パレット8を搬送駆動する駆動ローラ58に、焼結機パレット8の搬送速度Vpを検出する搬送速度検出部としてのパレット搬送速度センサ59が配設されている。
そして、個別気体燃料供給部43a〜43cに配設された流量計47の流量検出信号、着火検知機51、圧力計52、メタン濃度計53及び漏洩検知機54の検出信号、画像処理装置56から出力される焼結ケーキ推定温度Ts、熱電対57a及び57bで検出した熱風温度Tw、パレット搬送速度センサ59で検出した焼結機パレット搬送速度Vpが、図7に示すように、例えばマイクロコンピュータで構成される気体燃料供給制御装置としての制御装置61に入力されている。この制御装置61は、その出力側に個別気体燃料供給部43a〜43cに配設された遮断弁44を駆動制御する遮断弁駆動回路62が接続されているとともに、個別気体燃料供給部43a〜43cに配設された流量調節弁48を駆動制御する流量調節弁駆動回路63が接続されている。
この制御装置61は、図8に示す気体燃料供給制御処理及び図9に示す流量制御処理を実行する。
この気体燃料供給制御処理は、先ず、ステップS1で、個別気体燃料制御部43a〜43cに配設した流量計47の流量検出値、着火検知器51、圧力計52、メタンCH4濃度計53及び漏洩検知機54の各検出信号、画像処理装置56から出力される焼結ケーキ推定温度Ts、熱電対57a及び57bで検出した熱風温度Twa及びTwb、パレット搬送速度センサ59で検出したパレット搬送速度Vp等の各種検出信号を読込み、次いで、ステップS2に移行して、着火検知器53の検出信号が着火状態を検出しているか否かを判定し、着火状態を検知しているときには、ステップS3に移行して、着火状態を検知した気体燃料供給装置12iに配設された遮断弁44を閉状態に制御するオン状態の制御信号SCを遮断弁駆動回路62に出力してからステップS4に移行する。
一方、ステップS2の判定結果が、着火検知器51で着火状態を検知していないときにはステップS4に移行して、漏洩検知機54のいずれかで漏洩状態を検知しているか否かを判定し、何れかの漏洩検知機54で漏洩状態を検知したときには、ステップS5に移行して、漏洩状態を検知した漏洩検知機52の気体供給装置12iに配設された遮断弁44を閉状態に制御するオフ状態の制御信号SCを出力してからステップS6に移行する。
また、ステップS4の判定結果が全ての漏洩検知機54で漏洩状態を検知していないときには、ステップS6に移行して、圧力計52の圧力検出値のうち圧力検出値が所定範囲(例えばマイナス数mmH2O〜マイナス数十mmH2O)を超えている圧力計52が存在するか否かを判定し、圧力検出値が所定範囲を超えている圧力計52が存在する場合には、ステップS7に移行して圧力検出値の上限値を超えたか否かを判定し、圧力検出値の上限値を超えているときにはステップS8に移行して、該当する気体燃料供給装置12iの流量調節弁48の流量指令値Ftを所定値Δfpだけ減算した値を新たな流量指令値Ftとし、この新たな流量指令値Ftを流量調節弁駆動回路63に出力してからステップS10に移行し、圧力検出値の下限値を超えているときにはステップS9に移行して、該当する気体燃料供給装置12iの流量調節弁48の流量指令値Ftに所定値Δfpを加算した値を新たな流量指令値Ftとし、この新たな流量指令値Ftを流量調節弁駆動回路63に出力してからステップS10に移行する。
さらに、前記ステップS6の判定結果が、圧力検出値が所定範囲を超えていないときにはステップS10に移行して、メタンCH4濃度計53の検出信号のうちメタンCH4濃度が燃焼下限濃度の1/3を超えている検出信号が存在するか否かを判定し、メタンCH4濃度が燃焼下限濃度1/3を超えているメタンCH4濃度計53が存在する場合には、ステップS11に移行して、メタンCH4濃度の上限値を超えたか否かを判定し、上限値を超えているときにはステップS12に移行して、メタンCH4濃度が上限値を超えている側の3本と中央の1本の計4本の気体燃料噴射ノズル31に対する流量指令値Ftを所定値Δfcだけ減算した値を新たな流量指令値Ftとして算出し、算出した流量指令値Ftを該当する流量調節弁駆動回路63に出力してから前記ステップS1に戻り、メタンCH4濃度が下限値を超えているときにはステップS13に移行して、メタンCH4濃度が下限値を超えている側の3本と中央の1本の計4本の気体燃料噴射ノズル31に対する流量指令値Ftに所定値Δfcを加算した値を新たな流量指令値Ftとして算出し、算出した流量指令値Ftを該当する流量調節弁駆動回路63に出力してから前記ステップS1に戻る。
また、前記ステップS10の判定結果が各メタンCH4濃度計53の検出信号がメタンCH4濃度が燃焼下限濃度の1/3以下を表しているときには、そのまま前記ステップS1に戻る。
一方、流量制御処理は、図9に示すように、先ず、ステップS21に移行して、各個別気体燃料制御部43a〜43cの流量計47で検出した流量検出値Ftd、画像処理装置56で算出した焼結ケーキ推定温度Ts、熱電対57a及び57bで検出した熱風温度Twa,Twb及びパレット搬送速度センサ59で検出したパレット搬送速度Vpを読込み、次いでステップS22に移行して、パレット搬送速度Vpに基づいてフィードフォワード制御処理を行って、流量指令値Ftに対するフィードフォワード制御量FFFを算出してからステップS23に移行する。
このステップS23では、画像処理装置56で算出した焼結ケーキ推定温度Tsと目標焼結ケーキ温度Tstとに基づいて例えばPIDフィードバック制御処理を行って焼結ケーキ推定温度Tsを目標焼結ケーキ温度Tstに一致させるための流量フィードバック制御量FFBを算出してからステップS24に移行する。
このステップS24では、フィードフォワード制御量FFFとフィードバック制御量FFBとを加算して流量指令値Ftを算出し、次いでステップS25に移行して、熱電対57aで検出した熱風温度Twaから熱電対57bで検出した熱風温度Twbを減算した値の絶対値|Twa−Twb|が所定値Tth以下であるか否かを判定し、|Twa−Twb|≦Tthであるときには、ステップS26に移行する。
このステップS26では、流量指令値Ftを7で除算して個別流量指令値Ftmを算出し、次いでステップS27に移行して、算出した個別流量指令値Ftmと各分岐管46の流量計47の流量検出値Fdとの偏差に基づいてPID制御処理を行って各気体燃料噴射ノズル31に対する流量制御値Fcを算出し、次いでステップS28に移行して、算出した流量制御値Fcを各流量調節弁駆動回路63に出力してから前記ステップS21に戻る。
一方、ステップS25の判定結果が|Twa−Twb|>Tthであるときには、ステップS29に移行して、中央の気体燃料噴射ノズル31に対する個別流量指令値Ftc、左側3本の気体燃料噴射ノズル31に対する個別流量指令値Fta及び右側3本の気体流量噴射ノズル31に対する個別流量指令値Ftbを下記(1)〜(3)によって算出する。
Ftc=Ft/7 …………(1)
Fta=(Ft−Ftc){Twb/(Twa+Twb)} …………(2)
Ftb=(Ft−Ftc){Twa/(Twa+Twb)} …………(3)
次いでステップS30に移行して、個別流量指令値Ftc、Fta及びFtbと、これらに対応する各気体流量噴射ノズル31の流量計47で検出した流量検出値Fdとの偏差に基づいてPID制御処理を行って個別流量制御値Fcc、Fca及びFcbを算出し、次いでステップS31に移行して、個別流量制御値Fcc、Fca及びFcbを対応する流量調節弁駆動回路63に出力してから前記ステップS1に戻る。
このように、気体燃料供給装置12iは、気体燃料を、装入層9の上方で、大気中に高速で吐出させ、それによって周囲の空気と短時間で混合し、その気体燃料の燃焼下限濃度以下の濃度に希釈し、その後、装入層中にその希釈気体燃料32を導入する必要がある。
上記のように、気体燃料を燃焼下限濃度以下の濃度に希釈する理由は、下記による。
表1は、本発明で用いることができる代表的な気体燃料の燃焼下限濃度、供給濃度等を示したものである。焼結原料中に気体燃料を供給する時のガス濃度は、火災の発生を防止するためには、燃焼下限濃度より低いほど安全である。すなわち、常温状態では燃焼しない(できない)ようにして供給することが安全のため必要である。この点、都市ガスは、Cガス(コークス炉ガス)と燃焼下限濃度が近似しているが、熱量がCガスよりも高いことから、供給濃度を低くできる。したがって、安全性を確保する観点からは、供給濃度を低くすることができる都市ガスの方がCガスより優位である。
Figure 2011052858
表2は、気体燃料中に含まれる燃焼成分(水素,CO,メタン)と、それら成分の燃焼下限・上限濃度、層流、乱流時の燃焼速度等を示したものである。焼結中における火災発生を防止する、すなわち、焼結中に供給している気体燃料による火災発生を防止するためには、逆火防止を図る必要があるが、そのためには、少なくとも層流燃焼速度以上、好ましくは乱流燃焼速度以上の高速で気体燃料を吐出させれば良い。例えば、都市ガスの主要燃焼成分であるメタンを気体燃料とする場合には、3.7m/sを超える速度で吐出させれば、逆火の恐れはないわけである。
一方、水素ガスは、乱流燃焼速度がCOやメタンと比較して速いため、安全を確保するためには、その分、高速で吐出させる必要がある。この点から、表1に示した気体燃料を比較すると、水素成分を含まない都市ガスは、水素成分を59vol%も含有しているCガスと比較して、吐出速度を遅くすることができる点で有利である。
しかも、都市ガスは、CO成分を含まないので、ガス中毒を起こすおそれもなく安全である。したがって、安全性を確保する観点からは、都市ガスは、気体燃料として使用する上で好ましい特性を有すると言うことができる。Cガスも、気体燃料として使用することができるが、以上述べた問題があり、困難を伴う。本発明では、これらの点も合わせて解決する。
Figure 2011052858
表3は、気体燃料を供給する形式による得失を評価した結果を示したものである。表中、直上吹込みとは、都市ガスやCガス等の気体燃料を、そのまま供給(吐出)して周囲の大気を巻き込ませることにより所定の濃度に希釈し、装入層中に吸引(導入)させる形式、予混合吹込みとは、あらかじめ大気と気体燃料とを混合して所定の濃度まで希釈したものを装入層上に供給し、装入層中に吸引(導入)させる、いわゆるプレミックス形式をさす。直上吹込み形式では、上述した乱流燃焼速度以上の速度で気体燃料を吐出すれば、逆火防止は容易であるが、予混合吹込み形式では、濃度偏差が発生したとき、逆火を起こす可能性がある。一方、直上吹込み形式では、気体燃料を周囲の大気と混合し希釈させる際、濃度ムラが発生しやすいため、装入層中で燃焼ムラを起こす可能性が、予混合吹込み形式に比べて大きい。しかし、設備コストを含めて総合的に評価した場合には、都市ガスの直上吹込みが最も優位である。
Figure 2011052858
また、本発明では、気体燃料供給装置12iにより、気体燃料を、装入層9の上方で、大気中に高速で吐出させ、それによって周囲の空気と短時間で混合し、その気体燃料が有する燃焼下限濃度以下の濃度に希釈し、その後、装入層中にその希釈気体燃料を導入する必要がある理由は、下記による。
図10(a)に示したように、内径300mmφ×高さ400mmの焼結鍋に焼結ケーキを充填し、その焼結ケーキの中央部の上から深さ90mmの位置にノズルを埋め込んで、対空気で1vol%となるよう100%濃度のメタンガスを吹き込み、焼結ケーキ内の円周方向および深さ方向におけるメタンガス濃度を測定した結果を表4に示した。一方、図10(b)に示したように、同じノズルを用いて、焼結ケーキの上方350mmの位置からメタンガスを供給した場合について、上記と同様にしてメタンガス濃度の分布を測定した結果を表5に示した。これらの結果から、メタンガスを焼結ケーキ中に直接導入した場合には、メタンガスの横方向の拡散が不十分であるのに対して、メタンガスを焼結ケーキ上方で供給した場合には、焼結ケーキ内のメタンガス濃度はほぼ均一であり、十分に横方向に拡散していることがわかる。以上の結果から、気体燃料は、焼結ケーキの上方で空気中に供給することにより、装入層内に導入される前に、均一に希釈しておくことが好ましいことがわかる。
Figure 2011052858
Figure 2011052858
なお、上記気体燃料供給装置12iでの気体燃料の吐出は、装入層表面上方300mm以上の高さで行うことが好ましい。図11は、ノズル径が2mmφと1mmφの2種類のノズルからメタンガス(濃度:100%)を流速20〜300m/sの範囲で変化させて鉛直下方方向に吐出した時の、メタンガスの拡がりを測定した結果であり、ノズル先端から0.2m、0.4m、0.6mおよび0.8mの位置での拡がりを示したものである。これらの図から、ノズルの径は小さいほど、また、吐出させる気体燃料の速度は速いほど、周囲の空気との混合が起こりやすく希釈が促進されること、特に、増速による希釈促進効果は、ノズル先端からの距離が0.4mで大きくなっていることがわかる。そこで、本発明は、この結果と、吐出された気体燃料の装入層表面における跳ね返りを考慮し、気体燃料の大気中への供給は、装入層表面上方300mm以上の高さで行うこととする。
次に、本発明においては、気体燃料供給装置12iの気体燃料噴射ノズル31からの気体燃料の吐出速度は、逆火を防止する観点から高速で吐出させる必要があり、具体的には、その気体燃料の燃焼速度の2倍以上の速度、より好ましくは、その気体燃料の乱流燃焼速度の2倍以上の速度で吐出させることが望ましい。すなわち、本発明の焼結操業においては、焼結パレット内に燃焼・溶融帯を形成する、あるいは形成しつつある焼結層が存在し、常に火種を有する状態において、装入層9の上方で、気体燃料の吐出操作が行われる。上記気体燃料は、装入層表層に吸引・導入される段階までに、希釈されて大気中での燃焼下限濃度以下となっているが、逆火の可能性が常に付きまとうことになる。そこで、気体燃料側に着火しても、逆火しないようにするために、気体燃料の吐出速度は、その気体燃料が有する燃焼速度の2倍以上、より好ましくは、乱流燃焼速度の2倍以上の速度で吐出させるのが望ましい。
上記気体燃料の吐出速度を得るためには、気体燃料噴射ノズル23からの気体燃料の吐出圧力を、雰囲気圧力に対して300mmAq以上40000mmAq未満とすることが好ましい。
また、気体燃料を吐出させる気体燃料噴射ノズル31の噴射口31aが同一形状である場合、一般的に、燃料を供給元ヘッダーに近いほど、燃料が出やすく、遠くなるほど燃料が出にくくなる。そこで、長尺の配管を使用する場合には、
(a)配管内の断面積を徐々に小さくしたテーパー状配管を用いる
(b)燃料供給元ヘッダーより遠ざかるほど、開口断面積を大きくする
(c)燃料供給元ヘッダーより遠ざかるほど、開口部やノズルのピッチを狭め、単位配管長さ当りの開口部ないしノズル断面積の和が大きくする、
のいずれか1つを適用するか、これらを組み合わせて適用することにより、配管長さが長い場合でも、均等に燃料を供給することができる。
次に、本発明の気体燃料供給装置の横風対策について説明する。
本発明では、前述したように、焼結機パレット8の上部を覆い気体燃料供給装置12iを覆うフード16を設けている。このフード16によって横風による希釈気体燃料29の濃度分布に与える影響を抑制するようにしている。すなわち、本発明者等は、種々の検討を行った結果、フード16の設置は、横風対策として、衝立以上の効果があることが分かった。但し、このフード16は前述したように、上端を開放するか又は適当な透過率(空隙率)を有するものとし、この部分から、大気を取り入れることができる構造とする必要がある。これにより、フード16内部で、気体燃料噴射ノズル31から噴射された気体燃料と大気とが混合される。
また、フード16の下側と、焼結ベッド表面(装入層表面)との間には、必然的に間隙が生じるが、この間隙部分のシールが十分でないと、例えば、透過率が20〜30%あると、この部分からフード16内部に空気を巻き込み、希釈気体燃料の濃度分布の偏りを増大させることが分かった。したがって、フード16の下端からの空気の侵入を防止することは重要である。
このため、フード16の焼結機パレット8の搬送方向に沿う左右ウォール16bの下端とパレットサイドウォール8aとの間には、図3に模式的に示すように焼結機パレット8の搬送方向に延長するワイヤーブラシ間にシールシートを介挿したワイプレシール71が設置され、その外側にワイプレシール71を外側から覆うカバー72が設けられている。なお、シール材としてはワイプレシール71に限らず、チェーンカーテン、シールブラシ、密着シール等のシール材を適用することができる。また、上記シール材は、耐熱性があり、且つ、可撓性ないし変形の自由度が大きく、装入層9の表面を傷つけないものであることが好ましい。
一方、焼結機パレット8の搬送方向の上流側及び下流側でのフード16の前後ウォール16aの下端と装入層9の表面との間では、図12に示すようなフード16の前後ウォール16aに沿って空気通路73を配設し、この空気通路73の下方から空気を噴出させてエアカーテン74を形成することが好ましい。
また、気体燃料供給装置12iの設置位置、大きさ、配置数は以下のようにして設定される。
すなわち、装入層9中の炭材に点火された後に、希釈気体燃料32を装入層9上へ供給(導入)する。その理由は、点火直後の位置で希釈気体燃料32を供給しても、装入層9の表層上で燃焼するだけであり、希釈気体燃料32が燃焼層に何ら影響を与えることはないからである。したがって、装入層9の上部の焼結原料が焼成されて、焼結ケーキの層が形成された後に、希釈気体燃料32を装入層9へ供給する必要がある。なお、希釈気体燃料32の供給は、装入層9の表面に焼結ケーキの層が形成されていれば、焼結が完了するまでの任意の位置で行うことができる。希釈気体燃料32の供給を焼結ケーキの層が形成された後に行う上記以外の理由は、下記の通りである。
(a)装入層9の上部に焼結ケーキ(焼結層)が生成していない状態で希釈気体燃料32の供給を行うと、この装入層9の上で燃焼を起こす可能性がある。
(b)希釈気体燃料の供給は、焼結鉱の歩留りを向上させる必要のある部分に対して行う、即ち、焼結鉱の強度を上昇させたい部分で燃焼を起こすよう供給するのが好ましい。
希釈気体燃料32の装入層9の上方側で燃焼しないようにするには、装入層9の表層部に点火炉10による着火後、着火して焼結ケーキが表面に生成された後は、装入層9の表層部分に火種が無く逆火(引火)の確率は低くなる。この焼結ケーキは前述した図16(a)に示すように、焼結機パレット8が点火炉10から下流側に移動するに応じて厚みが厚くなることから、焼結ケーキの装入層9の表面からの厚みが20mm以上となると逆火を生じる可能性が十分に低く、焼結ケーキの厚みが50mm以上となると逆火を確実に防止することができる。
このように、焼結ケーキの厚みが20mm以上、好ましくは50mm以上となる希釈気体燃料の好適な吹込み位置は、点火炉10から下流側に5〜6mの位置となり、この位置に最初の気体燃料供給装置12aを配設する。複数の気体燃料供給装置12a〜12cを配設する場合には、最初の気体燃料供給装置12aの下流側であれば、装入層9の表面に火種が全くないので、任意の位置に気体燃料供給装置12b及び12cを設けることができ、本実施形態では燃焼炉10の下流側に保温炉11を介して3台の気体燃料供給装置12a〜12cが焼結機パレット8の搬送方向に沿って直列に配設されている。
また、装入層最高到達温度又は高温領域保持時間の何れか又は両方を調整するために、燃焼・溶融帯の厚みが少なくとも15mm以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上となった状態において、希釈気体燃料32の供給を行うことが好ましい。燃焼・溶融帯の厚みが15mm未満では、焼結ケーキ(焼結層)を通して吸引される空気と希釈気体燃料24による冷却効果によって、希釈気体燃料32を燃焼させてもその効果が不十分となり、燃焼・溶融帯の厚みの拡大を図れないからである。
一方、前記燃焼・溶融帯の厚みが15mm以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上となる段階で希釈気体燃料24を供給すると、燃焼・溶融帯の厚みが大きく拡大し、高温域保持時間を延長することができ、ひいては冷間強度の高い焼結鉱を得ることができる。
また、希釈気体燃料32の装入層9への導入は、燃焼前線が表層下に下がり、燃焼・溶融帯が表層から100mm以上、好ましくは200mm以上下がった位置、すなわち、装入層9の中・下層に生成した焼結ケーキ領域(焼結層)を燃焼することなく通過し、燃焼前線が表層から100mm以上移動した段階で燃焼するように供給するのが好ましい。その理由は、燃焼前線が表層から100mm以上下がった位置であれば、焼結層を通して吸引される空気による冷却の悪影響が軽減され、燃焼・溶融帯の厚みの拡大を図ることができるからである。さらに、燃焼・溶融帯が表層から200mm以上下がった位置であれば、空気による冷却の影響が略解消されて、燃焼・溶融帯の厚みを30mm以上に拡大することができる。また、希釈気体燃料32の供給は、歩留り低下の大きいパレット幅方向両端部の左右ウォール16b近傍で行うことがより好ましい。
なお、気体燃料供給装置12a〜12cは、焼結機の規模にもよって異なるが、例えば、生産量が約1.5万t/日で、機長が90mの規模の焼結機では、点火炉10の下流側約5m以降の位置に配置することが好ましい。
本発明では、装入層中への希釈気体燃料32の導入は、生成した焼結ケーキの再加熱を促進するものであることも意味している。即ち、この希釈気体燃料の供給は、もともと高温域保持時間が短く熱不足となりやすく、焼結鉱の冷間強度が低い部分に対して、固体燃料に比べて反応性の高い気体燃料を供給することによって、不足しやすいこの部分の燃焼熱を補填し、燃焼・溶融帯の再生−拡大を図るという意義を担うものだからである。
また、本発明では、点火後の装入層上部からの希釈気体燃料32の供給は、装入層9内に導入された希釈気体燃料32の少なくとも一部が未燃焼のまま、燃焼・溶融帯にまで到達して、燃焼熱の補填を図りたい目標位置で燃焼するようにするのが好ましい。それは、希釈気体燃料の供給、即ち装入層中への導入効果を単に装入層上部のみならず、厚み方向の中央部である燃焼・溶融帯にまで波及させることがより効果的と考えられるからである。つまり、希釈気体燃料32の供給が、熱不足(高温域保持時間の不足)になりやすい装入層の上層部で行われると、十分な燃焼熱を提供することになり、この部分の焼結ケーキの品質を改善することができ、さらに、希釈気体燃料32の供給作用を中層部以下の帯域にまで及ぶようにすると、本来の炭材による燃焼・溶融帯の上に希釈気体燃料32による再燃焼・溶融帯を形成するのと等しい結果となり、燃焼・溶融帯の上下方向の拡幅につながるので、最高到達温度を上げることなく、高温域保持時間の延長を果すことが可能になるので、パレットの移動速度を落すことなく十分な焼結が実現できるからである。その結果、装入層9全体の焼結ケーキの品質改善(冷間強度の向上)をもたらし、ひいては成品焼結鉱の品質(冷間強度)と生産性の向上につながる。
また、本発明において、希釈気体燃料32を装入層9中へ導入(供給)するに当っては、その供給位置を調整するだけでなく、燃焼・溶融帯自体の形態を制御し、ひいては、燃焼・溶融帯における最高到達温度および/または高温域保持時間をも制御するようにすることが好ましい構成である。
一般に、点火後の装入層9では、焼結機パレット8の移動に伴って燃焼(火炎)前線が次第に下方にかつ前方(下流側)に拡大していく中で、燃焼・溶融帯の位置が前述した図16(a)に示すように変化する。そして、図16(b)に示すように、焼結層内の焼結過程で受ける熱履歴は、上層、中層、下層で異なり、上層〜下層間では、高温域保持時間(約1200℃以上となる時間)は大きく異なる。その結果、パレット8内の位置別焼結鉱の歩留まりは、図16(c)に示すような分布を示す。即ち、表層部(上層部)の歩留は低く、中層、下層部で高い歩留分布となる。そこで、本発明方法に従って、前記希釈気体燃料32を供給すると、燃焼・溶融帯は、上下方向の厚みやパレット進行方向の幅などが拡大し、これが成品焼結鉱の品質向上に反映されるのである。そして、高い歩留分布となる中層部や下層部は、さらに高温域保持時間を制御できるため、歩留をより上昇させることができる。
前記希釈気体燃料32の供給(導入)位置を調整することにより、燃焼・溶融帯の形態、即ち、燃焼・溶融帯の高さ方向の厚さおよび/またはパレット進行方向の幅を制御できると共に、最高到達温度や高温域保持時間を制御することができる。これらの制御は、本発明の効果をより一層際立たせて、燃焼・溶融帯の上下方向の厚さやパレット進行方向の幅の拡大や、最高到達温度、高温域保持時間の制御を通じて、常に十分な焼成を果し、成品焼結鉱の冷間強度の向上に有効に寄与する。
また、本発明において、装入層9中への希釈気体燃料32の供給(導入)は、成品焼結鉱全体の冷間強度を制御するためであると言うこともできる。すなわち、希釈気体燃料32を供給するそもそもの目的は、焼結ケーキ、ひいては焼結鉱の冷間強度を向上させることにあり、とくに、希釈気体燃料32の供給位置制御や、焼結原料が燃焼・溶融帯に滞在する時間である高温域保持時間の制御、最高到達温度の制御を通じて、焼結鉱の冷間強度(シャッターインデックスSI)を75〜85%程度、好ましくは80%以上、より好ましく90%以上にすることである。
この強度レベルは、本発明では、とくに前記希釈気体燃料32の濃度、供給量、供給位置および供給範囲を、好ましく焼結原料中の炭材量を考慮した(投入熱量を一定にする条件下で)上で調整することによって、安価に達成することができる。なお、焼結鉱の冷間強度の向上は、一方で、通気抵抗の増大と生産性の低下を招くことがあるが、本発明では、そうした問題を最高到達温度や高温域保持時間をも制御することによって解消した上で、焼結鉱の冷間強度を向上させる。なお、実機焼結機によって製造された焼結鉱の冷間強度SI値は、鍋試験で得られる値よりもさらに10〜15%高い値を示す。
本発明において、パレット9の進行方向における前記希釈気体燃料32の装入層9中への導入位置は、装入層9中に生成した焼結ケーキから湿潤帯までの間の任意の帯域における焼結鉱の冷間強度をどのようにするかということを基準とする。この制御のために、本発明では、液体燃料噴射装置の規模(大きさ)、数、位置(点火炉からの距離)、ガス濃度を、好ましくは焼結原料中の炭材量(固体燃料)に応じて調整することにより、主として燃焼・溶融帯の大きさ(上下方向の厚さおよびパレット進行方向の幅)のみならず、高温到達温度、高温域保持時間をも制御し、このことによって、装入層9中に生成する焼結ケーキの強度を制御する。
下記の表6は、各種気体燃料の燃焼下限濃度と、その気体燃料の吹き込み上限濃度(燃焼下限濃度の75%、60%、25%)を示したものである。
例えば、プロパンガスは、燃焼下限濃度は2.2vol%であるから、75%に希釈したガス濃度上限は1.7vol%、60%に希釈したガス濃度上限は1.3vol%、25%に希釈したガス濃度は0.6vol%のものを用いるということである。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。なお、希釈したガス濃度の下限、即ち、気体燃料供給の効果が顕れる下限濃度は、プロパンガスの場合は0.05vol%である。
好ましい範囲(1): 2.2vol%〜0.05vol%
好ましい範囲(2): 1.7vol%〜0.05vol%
好ましい範囲(3): 1.3vol%〜0.05vol%
好ましい範囲(4): 0.6vol%〜0.05vol%
また、Cガスは、燃焼下限濃度は5.0vol%であるから、75%に希釈したガス濃度上限は3.8vol%、60%に希釈したガス濃度上限は3.0vol%、25%に希釈したガス濃度は1.3vol%のものを用いるということである。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。なお、Cガスの場合、気体燃料供給の効果が顕れる下限濃度は0.24vol%である。
好ましい範囲(1): 5.0vol%〜0.24vol%
好ましい範囲(2): 3.8vol%〜0.24vol%
好ましい範囲(3): 3.0vol%〜0.24vol%
好ましい範囲(4): 1.3vol%〜0.24vol%
また、LNGガスは、燃焼下限濃度は4.8vol%であるから、75%に希釈したガス濃度上限は3.6vol%、60%に希釈したガス濃度上限は2.9vol%、25%に希釈したガス濃度は1.2vol%のものを用いるということである。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。なお、LNGガスの気体燃料供給の効果が顕れる下限濃度は0.1vol%である。
好ましい範囲(1): 4.8vol%〜0.1vol%
好ましい範囲(2): 3.6vol%〜0.1vol%
好ましい範囲(3): 2.9vol%〜0.1vol%
好ましい範囲(4): 1.2vol%〜0.1vol%
また、高炉ガスは、燃焼下限濃度は40.0vol%であるから、75%に希釈したガス濃度上限は30.0vol%、60%に希釈したガス濃度上限は24.0vol%、25%に希釈したガス濃度は10.0vol%のものを用いるということである。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。なお、高炉ガスの気体燃料供給の効果が顕れる下限濃度は0.24vol%である。
好ましい範囲(1): 40.0vol%〜1.25vol%
好ましい範囲(2): 30.0vol%〜1.25vol%
好ましい範囲(3): 24.0vol%〜1.25vol%
好ましい範囲(4): 10.0vol%〜1.25vol%
Figure 2011052858
次に、上記実施形態の動作を説明する。
先ず、図1に示すように、床敷ホッパー4から整粒した塊鉱石を切り出して焼結機パレット8のグレート上に床敷層を形成し、この床敷層上にサージホッパー5からドラムフィーダー6で定量切り出しされた焼結原料が装入されて焼結ベッドとも言われる400〜800mm程度の装入層9を形成する。
そして、焼結機パレット8の搬送に伴って、点火炉10下に移動された装入層9の表層中の炭材に点火される。
点火後の装入層9では、保温炉11での加熱に伴って、焼結機パレット8の移動に伴って燃焼(火炎)前線が次第に下方にかつ前方(下流側)に拡大していく中で、燃焼・溶融帯の位置が前述した図16(a)に示すように変化する。そして、燃焼・溶融帯の位置が上層から中層に移行する表層から20mm程度に達するときに、焼結機パレット8が最初の気体燃料供給装置12aの位置に達する。
この気体燃料供給装置12aでは、焼結機パレット8の上方を覆うフード16内で気体燃料噴射ノズル23によって都市ガスが噴射される。
このとき、この気体燃料噴射ノズル31の噴射口31aが図4に示すように、隣接する気体燃料噴射ノズル31の噴射口31a同士が対向しないように隣接する気体燃料噴射ノズル31間で焼結パレット8の搬送方向に半ピッチずらして配置されているので、隣接気体燃料噴射ノズル31の噴射口31aから噴射される都市ガスが互いに干渉することなく焼結機パレット8の搬送方向に均一な噴射領域が形成される。
噴射された気体燃料は、整列板列18a〜18cの整流板17によって乱流とされた空気と混合されて常温における燃焼下限濃度の1/3以下に希釈され、装入層9の上方での燃焼を抑制することができる。
そして、気体燃料噴射ノズル31から噴射され空気で希釈された希釈気体燃料32は、焼結機パレット8の下側に配設されたウインドボックス13を介して空気を下方に吸引することにより、装入層9内に導入される。
装入層9内に導入された希釈気体燃料32は、表層部に生成された焼結ケーキを通過して表面から20mm以上下側の燃焼・溶融帯に達し、この燃焼・溶融層で燃焼される。このため、元々高温域保持時間が短く熱不足となりやすく、焼結鉱の冷間強度が低い上・中層域を1200℃以上の高温域に保持する高温域保持時間を長くすることができ、焼結鉱の冷間強度を向上させることができる。したがって、希釈気体燃料32の吹き込みを行わない場合の図16(c)に示す歩留りの低い上・中層部の歩留りを向上させることができる。
このように、希釈気体燃料32の供給作用を中層部以下の領域にまで及ぶようにすると、本来の炭材による燃焼・溶融帯の上に希釈気体燃料32による再燃焼・溶融帯を形成するのと等しい結果となり、燃焼・溶融帯の上下方向の拡幅につながるので、最高到達温度を上げることなく高温域保持時間の延長を果たすことが可能になるので、焼結機パレット8の移動速度を落とすことなく十分な焼結が実現できる。その結果、装入層9全体の焼結ケーキの品質改善(冷間強度の向上)をもたらし、ひいては焼結鉱の品質(冷間強度)と生産性の向上につながる。
この焼結操業状態が横風等の影響を受けない通常焼結操業状態であるときには、各気体燃料供給装置12a〜12cの気体供給部囲繞フード16内での気体燃料噴射ノズル31から噴射された気体燃料が整流板列20の各整流板17を通って供給される空気と混合されてメタンCH4濃度が燃焼下限濃度の1/3以下に制御されており、外部への漏洩や着火が生じることはない。
このため、制御装置で図11の気体燃料供給制御処理が実行されたときに、着火検知器51で着火状態が検知されず、漏洩検知機54でも漏洩状態が検知されず、さらに圧力計52で検出された圧力検出値が所定範囲内であるとともに、メタンCH4濃度計51で検出されたメタンCH4濃度が燃焼下限濃度の1/3以下であるので、各気体燃料供給装置12a〜12cの全ての気体燃料供給枝管42iに介挿された遮断弁44が開状態に制御されて、各分岐管46に接続された気体燃料噴射ノズル31から都市ガスが噴射され、これが空気と混合して希釈気体燃料32となり、この希釈気体燃料32がウインドボックス13の吸引によって装入層9に導入され、焼結・燃焼帯を拡幅し、高温域保持時間の延長を図ることができる。
ところが、通常では、装入層9の表層部に焼結ケーキが形成されて、焼結・燃焼帯が装入層9の表面から30mm好ましくは50mm下となった状態で、希釈気体燃料32が装入層9内に導入されるので、装入層9の上面には火種がなく、希釈気体燃料32が燃焼することはないが、何らかの原因で希釈気体燃料32が装入層9の上方側で燃焼することになると、これが着火検知器51で検出される。
このため、制御装置61の気体燃料供給制御処理で、ステップS2からステップS3に移行して、着火が検出された着火検知器51が配設されている気体燃料供給装置12iの遮断弁44を閉状態とする制御信号SCを出力して、該当する気体燃料供給装置12i内の遮断弁44が閉状態となることにより、分岐管46への都市ガスの供給が停止されて、各気体燃料噴射ノズル31から都市ガスの噴射が停止される。このため、希釈気体燃料32の燃焼が直ちに停止される。このとき、気体燃料噴射ノズル31からの都市ガスの噴射を停止させ、これに代えて窒素ガス等の不活性ガスを供給するようにしてもよい。
同様に、横風等の影響で、希釈気体燃料が外部に漏出した場合には、漏洩検知機54で検知されることにより、漏洩が発生した各気体燃料供給装置12iの個別気体燃料供給制御部43iの遮断弁44が閉状態に制御されて、希釈気体燃料や他の成分の漏洩が直ちに停止される。
さらに、圧力計52で検出した圧力検出値が所定範囲の上限値を超えた場合には、ステップS7からステップS8に移行して、流量調節弁48の流量指令値を所定値だけ減少させ、所定範囲の下限値を超えた場合にはステップS9に移行して流量調節弁48の流量指令値を所定値だけ加算するので、圧力変動が抑制される。
さらにメタンCH4濃度計53で検出したメタンCH4濃度が燃焼下限濃度の1/3を超えた場合には、図8の気体燃料供給制御処理で、ステップS10からステップS11に移行し、メタンCH4濃度が上限値を超えた場合には、ステップS12に移行する。このため、メタンCH4濃度が上限値を超えたメタンCH4濃度計53の側の3本の気体燃料噴射ノズル31に対する流量指令値が所定値だけ減少されて、メタンCH4濃度が減少制御される。逆に、メタンCH4濃度が下限値を超えた場合には、ステップS13に移行して、メタンCH4濃度が下限値を超えたメタンCH4濃度計53の側の3本の気体燃料噴射ノズル31に対する流量指令値が所定値だけ加算されて、メタンCH4濃度が加算制御される。
一方、焼結機パレット8のサイドウォール8aをサーモカメラ55a及び55bで撮像し、これらの撮像データが画像処理装置56に供給されるので、この画像処理装置56で撮像データに基づいてサイドウォール8aの上下方向の温度分布を算出し、算出したサイドウォール8aの温度分布に基づいて装入層9の上部側に形成される焼結ケーキの表面側の温度を推定し、推定した焼結ケーキ推定温度Tsを制御装置61に出力する。
また、熱電対57a及び57bで検出された焼結機パレット8からウインドボックス13に吸引される熱風温度Twa及びTwbが制御装置61に出力される。
このため、制御装置61では、図9の流量制御処理において、ステップS23で、パレット搬送速度センサ59で検出したパレット搬送速度Vpに基づいてフィードフォワード制御処理を行ってフィードフォワード流量制御値FFFを算出し、ステップS23で焼結ケーキ推定温度Tsと目標焼結ケーキ温度Tstとに基づいて例えばPIDフィードバック制御処理を行ってフィードバック流量制御量FFBを算出する。
このとき、熱電対57a及び57bで検出した熱風温度TwaからTwbを減算した値の絶対値が所定値Tth以下であるときには、焼結機パレット8の搬送方向と直交する幅方向の温度偏りがないものと判断して、フィードバック流量制御量FFBの1/7をフィードフォワード流量制御値FFFに加算して流量制御値Fcを算出し、算出した流量制御値Fcを全ての流量調節弁駆動回路63に出力する。
このため、気体燃料燃焼装置12iの全ての気体燃料噴射ノズル31から噴射される気体燃料噴射量が焼結ケーキ推定温度Tsを目標焼結ケーキ温度Tstに一致させるように制御される。すなわち、焼結ケーキ推定温度Tsが目標焼結ケーキ温度Tstより低い場合には、気体燃料噴射ノズル31から噴射される気体燃料噴射量が増加されて装入層9内に導入される希釈気体燃料32の気体燃料分が増加することにより、焼結ケーキの温度が目標温度に上昇される。
逆に、焼結ケーキ推定温度Tsが目標焼結ケーキ温度Tstより高い場合には、気体燃料噴射ノズル31から噴射される気体燃料噴射量が減少されて装入層9内に導入される希釈気体燃料32の気体燃料分が減少することにより、焼結ケーキの温度が目標温度に降下される。
また、熱電対57a及び57bで検出した熱風温度TwaからTwbを減算した値の絶対値が所定値Tthを超えている場合には、装入層9の燃焼温度に偏りがあるものと判断して、ステップS29に移行して、前述した(1)〜(3)式の演算を行って個別流量指令値Ftc、Fta及びFtbを算出し、算出した個別流量指令値Ftc、Fta及びFtbとこれらに対応する気体燃料噴射ノズル31の流量検出値Fdとに基づいて個別にPID制御処理を行って個別流量制御値Fcc,Fca及びFcbを算出し、算出した個別流量制御値Fcc、Fca及びFcbを対応する流量調節弁駆動回路63に出力することにより、燃焼温度の偏りを抑制しながら目標燃焼温度範囲に一致させる最適な流量制御を行うことができる。
このように、上記実施形態によると、希釈気体燃料32の噴射によるメタンCH4濃度が燃焼下限濃度の1/3の所定範囲を超えたとき又は圧力計52で検出されたフード内圧力検出値が所定範囲を超えたときに、相対移動機構25の油圧シリンダ25cが伸縮制御されて、メタンCH4濃度及びフード内圧力検出値の変動を抑制して安全な焼結操業を行うことができる。
また、漏洩検知機54を配置したので、気体燃料供給装置12a〜12cでのガス中毒(酸欠、CO中毒、臭気による不快感)の発生を確実に防止することができる。さらに、気体供給部囲繞フード16内に着火検知器51を配置したので、気体燃料噴射ノズル31での火炎の発生を確実に検知することができ、火災の発生を未然に防止することができる。
また、焼結ケーキ温度を推定し、この焼結ケーキ温度が目標温度となるように気体燃料噴射ノズル31へ供給する気体燃料流量を制御するようにしたので、焼結ケーキの燃焼温度を適正値に正確に制御することができる。このとき、熱電対57a及び57bを配置して焼結機パレット8の幅方向の燃焼温度の偏りを検出することができるので、この熱電対57a及び57bで検出した熱風温度Twa及びTwbに基づいて幅方向の燃焼温度偏りを抑制するように気体燃料流量を制御することができ、幅方向の燃焼温度分布を均一に制御することができる。
さらに、焼結機パレット8の搬送速度をパレット搬送速度センサ59で検出し、検出したパレット搬送速度Vpに基づいてフィードフォワード処理を行って、フィードフォワード流量制御量FFFを算出するので、焼結機パレット8の搬送速度が上昇して装入層9の燃焼・溶融帯での燃焼不足が生じたときには、この分フィードフォワード流量制御量FFFが増加して各気体燃料噴射ノズル31から噴射される気体燃料噴射量が増加して燃焼を促進させることができ、逆に焼結機パレット8の搬送速度が低下した場合には、気体燃料噴射ノズル31から噴射される気体燃料噴射量が減少して燃焼を抑制して、適正な燃焼・溶融帯での適正な燃焼温度を確保することができる。
なお、上記実施形態においては、焼結機パレット8の搬送速度を搬送速度センサ59で検出した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、焼結機パレット8の搬送を制御する搬送制御装置から焼結機パレット8の搬送速度指令値を入力するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、焼結機パレット8の搬送速度に基づいてフィードフォワード流量制御を行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、搬送速度に基づくフィードフォワード制御を省略するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、メタンCH4濃度を燃焼下限濃度の1/3以下で操業する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、操業時のメタンCH4濃度は安全面を考慮できれば任意の濃度に設定することができる。
また、上記実施形態においては、点火炉10の下流側に保温炉11を配置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、保温炉11を省略して、点火炉10の下流側に所定距離を保って気体燃料供給装置12aを配設する場合にも本発明を適用することができる。
さらに、上記実施形態においては、気体燃料として都市ガスを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他のプロパンガス、水素ガス、メタンガス、一酸化炭酸ガス(CO)、コークス炉ガス(Cガス)、高炉ガス(Bガス)、高炉・コークス炉混合ガス(Mガス)、LNGまたはこれらの混合ガスの何れかを適用することができる。この場合、適用する気体燃料に応じた濃度計を適用すればよく、炭酸ガス、コークス炉ガス、高炉ガスを適用する場合には、一酸化炭素を含むので、漏洩検知機52としてCO検知機を適用することが好ましい。
本発明の技術は、製鉄用、とくに高炉用原料として使われる焼結鉱の製造技術として有用であるが、その他の鉱石塊成化技術としても利用することができる。
1…原料ホッパー
2a,2b…ドラムミキサー
4…サージホッパー
5…床敷ホッパー
6…ドラムフィーダー
7…切り出しシュート
8…燒結機パレット
9…装入層
10…点火炉
12a〜12c…気体燃料供給装置
13…ウインドボックス
16…気体燃料供給部囲繞フード
16a…前後ウォール
16b…左右ウォール
16c…基部
17…整流板
18a〜18c…整流板列
31…気体燃料噴射ノズル
31a…気体燃料噴射口
41…都市ガス本管
42a〜42c…都市ガス供給枝管
43a〜43c…個別気体燃料供給制御部
44…遮断弁
45…分岐部
46…分岐管
47…流量計
48…流量調節弁
51…着火検知器
52…圧力計
53…メタンCH4分析計
54…漏洩検知機
55a,55b…サーモカメラ
56…画像処理装置
57a,57b…熱電対
61…制御装置
62…遮断弁駆動回路
63…流量調節弁駆動回路

Claims (7)

  1. 循環移動するパレットと、
    前記パレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する原料供給装置と、
    前記装入層の炭材に点火するための点火炉と、
    前記パレットの下方に配設したウインドボックスと、
    前記点火炉の下流側に配設された、前記装入層の上方で気体燃料を噴射し、空気と混合して希釈気体燃料として供給する気体燃料供給装置と、
    該気体燃料供給装置を囲むフードと、
    前記パレットの前記装入層における焼結ケーキの温度を推定する焼結ケーキ温度推定部と、
    該焼結セーキ温度推定部で推定した推定温度に基づいて前記気体燃料供給装置の気体燃料供給量を制御する気体燃料供給制御装置と
    を備えていることを特徴とする焼結機。
  2. 前記焼結ケーキ温度推定部は、前記パレットの前記装入層を前記搬送方向に向かって左右両側で支持するサイドウォールの温度を検出するサーモカメラと、該サーモカメラの撮像データを画像処理して前記装入層の層厚方向の温度分布を計測し、焼結ケーキ内の温度分布を推定する画像処理装置とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の焼結機。
  3. 前記気体燃料供給制御装置は、前記焼結ケーキ温度推定部で推定した焼結ケーキ内の上層部の温度が所定温度範囲となるように前記気体燃料流量をフィードバック制御するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結機。
  4. 前記パレットの搬送速度を検出する搬送速度検出部を有し、前記気体燃料供給制御装置は、前記搬送速度検出部で検出したパレット搬送速度に基づいて前記気体燃料供給装置の気体燃料供給量をフィードフォワード制御するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の焼結機。
  5. 前記パレットの装入層から前記ウインドボックスに流出する熱風温度の当該パレットの搬送方向と直交する幅方向分布を検出する熱風温度分布検出部を有し、前記気体燃料供給装置は、前記パレットの搬送方向と直交する幅方向に気体燃料を噴射する複数の気体燃料供給ノズルを有し、前記気体燃料供給制御装置は、前記熱風温度分布検出部で検出した熱風温度分布に基づいて各気体燃料噴射ノズルの気体燃料噴射量を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の焼結機。
  6. 前記熱風温度分布検出部は、少なくとも前記パレットの幅方向の中央部を挟む左右対称位置に配設した熱風温度を検出する一対の熱電対を含んで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の焼結機。
  7. 前記気体燃料は、高炉ガス、コークス炉ガス、高炉・コークス炉混合ガス、都市ガス、天然ガス、メタンガス、エタンガス、プロパンガスおよびそれらの混合ガスのうちから選ばれるいずれかの可燃性ガスであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の焼結機。
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