JP2011052727A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドリブンプーリ側にトルクカム機構が設けられるベルト式無段変速機において、部品点数および組付け工数の増加を回避するとともにコンパクト化を可能としつつ、過大トルク入力時に可動プーリ半体に作用する軸方向推力を低減可能とする。
【解決手段】トルクカム機構23Aは、固定プーリ半体20および可動プーリ半体21の一方側に設けられてそれらのプーリ半体20,21の軸方向に長く延びる長孔41で移動可能に支持されるトルクピン42と、該トルクピン42を嵌合せしめて固定プーリ半体20および可動プーリ半体21の他方に設けられる螺旋状のガイド凹部43と、減速比が小さくなるように可動プーリ半体21が移動する方向とは反対側にトルクピン42を付勢するトルクピン付勢手段44Aとを備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ドライブプーリと、出力部材に連結される固定プーリ半体ならびに該固定プーリ半体に対する近接、離反を可能とするとともに前記固定プーリ半体に近接する側に付勢される可動プーリ半体を有するドリブンプーリと、ドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられる無端状のベルトとを備え、前記固定プーリ半体および前記可動プーリ半体間に、前記固定プーリ半体および前記可動プーリ半体にかかる駆動トルクおよび相対回転位相差に応じて前記固定プーリ半体および前記可動プーリ半体に軸方向分力を作用せしめるトルクカム機構が設けられるベルト式無段変速機に関する。
ベルト式無段変速機において、ドリブンプーリの固定プーリ半体および可動プーリ半体に対するベルトの滑りを防止するために、固定プーリ半体および可動プーリ半体の相対回転位相差に応じて固定プーリ半体および可動プーリ半体に軸方向分力を作用せしめるトルクカム機構を備えるものが、特許文献1で既に知られている。
一方、固定プーリ半体側に可動プーリ半体を付勢する力が過大となることでベルトの側圧が必要以上に大きくなって動力伝達効率の低下を来すことがないようにするために、可動プーリ半体との間にばねを介在させて可動プーリの軸方向に移動可能な移動支持体と、固定プーリ半体に対する軸方向相対移動および軸線まわりの相対回転を不能としたケースとの間に遠心ガバナが設けられ、高速側で前記ばねから前記可動プーリ半体に作用するばね力を小さくするようにしたベルト式無段変速機が、特許文献2で知られている。
特開2007−131116号公報 実開昭63−193151号公報
ところが、ドリブンプーリ側にトルクカム機構が設けられるようにした特許文献1開示のベルト式無段変速機において、過大トルクが入力すると、トルクカム機構の働きによって可動プーリ半体には固定プーリ半体側に近接する側の軸方向推力が作用することになり、ベルトの側圧が必要以上に大きくなって動力伝達効率の低下を来す可能性がある。そこで特許文献2で開示された構成を適用することが考えられるが、特許文献2開示のものでは、遠心ガバナを用いるものであるため回転数に依存しており、過大トルク入力時に前記推力を低減することはできず、またキックダウン時においても前記推力を吸収してしまうので減速側に変速し難い場合があることが考えられる。しかも遠心ガバナを設けることでベルト式無段変速機がドリブンプーリの軸方向で大型化してしまい、部品点数が多くなるので組付け工数も増加してしまう。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ドリブンプーリ側にトルクカム機構が設けられるものにおいて、部品点数および組付け工数の増加を回避するとともにコンパクト化を可能としつつ、過大トルク入力時に可動プーリ半体に作用する軸方向推力を低減し得るようにしたベルト式無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ドライブプーリと、出力部材に連結される固定プーリ半体ならびに該固定プーリ半体に対する近接、離反を可能とするとともに前記固定プーリ半体に近接する側に付勢される可動プーリ半体を有するドリブンプーリと、ドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられる無端状のベルトとを備え、前記固定プーリ半体および前記可動プーリ半体間に、前記固定プーリ半体および前記可動プーリ半体にかかる駆動トルクおよび相対回転位相差に応じて前記固定プーリ半体および前記可動プーリ半体に軸方向分力を作用せしめるトルクカム機構が設けられるベルト式無段変速機において、前記トルクカム機構は、前記固定プーリ半体および前記可動プーリ半体の一方側に設けられてそれらのプーリ半体の軸方向に長く延びる長孔で移動可能に支持されるトルクピンと、該トルクピンを嵌合せしめて前記固定プーリ半体および前記可動プーリ半体の他方に設けられる螺旋状のガイド凹部と、減速比が小さくなるように前記可動プーリ半体が移動する方向とは反対側に前記トルクピンを付勢するトルクピン付勢手段とを備えることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記固定プーリ半体が固定される内筒で相対回転自在かつ軸方向相対移動自在に支持されて前記内筒を同軸に覆う外筒に、前記可動プーリ半体が固定され、前記内筒に前記長孔が設けられ、前記外筒に前記ガイド凹部が設けられることを第2の特徴とする。
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記トルクピンが、前記内筒の前記長孔を貫通するように配置され、前記トルクピン付勢手段が、前記内筒の外周よりも内方に配置されることを第3の特徴とする。
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、皿ばねおよびワッシャから成る前記トルクピン付勢手段が、前記トルクピンの内端部と、前記内筒との間に介装されるようにして該内筒の内方に配置されることを第4の特徴とする。
本発明は、第1〜第4の特徴のいずれかの構成に加えて、前記トルクピン付勢手段の付勢力が、前記可動プーリ半体を前記固定プーリ半体に近接する側に付勢する付勢力よりも大きく設定されることを第5の特徴とする。
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、コイルばねから成る前記トルクピン付勢手段が、前記トルクピンの内端部と、前記内筒との間に介装されるようにして該内筒の内方に配置されることを第6の特徴とする。
さらに本発明は、第3の特徴の構成に加えて、油圧式に構成される前記トルクピン付勢手段が、前記トルクピンの内端部と、前記内筒との間に介装されるようにして該内筒の内方に配置されることを第7の特徴とする。
なお実施の形態の出力軸13が本発明の出力部材に対応する。
本発明の第1の特徴によれば、過大トルクがベルトからドリブンプーリに入力したときには、可動プーリ半体が固定プーリ半体に対して相対回転することで、トルクピンはトルクピン付勢手段による付勢力に抗して長孔内を移動し、トルクカム機構によって可動プーリ半体に作用する軸方向推力を低減することができ、ベルトの側圧が必要以上に大きくなって動力伝達効率の低下を来すことがない。しかもトルクカム機構による推力を低減するのにあたって、固定プーリ半体および前記可動プーリ半体の一方側に長孔が設けられ、トルクピンをトルクピン付勢手段で付勢すればよいので、部品点数が大きく増加することはなく、組付け工数の増加を回避することができ、また遠心ガバナを増設するものに比べてコンパクト化を図ることができる。
また本発明の第2の特徴によれば、固定プーリ半体が固定される内筒に長孔が設けられ、内筒を同軸に覆う外筒にガイド凹部が設けられるので、従来のベルト式無段変速機におけるトルクカム機構に長孔およびトルクピン付勢手段を付加するだけで、過大トルク入力時にトルクカム機構が発生する推力を低減する機構を構成することができる。
本発明の第3の特徴によれば、トルクピン付勢手段をコンパクトに配置することでドリブンプーリの大型化を避けることができる。
本発明の第4の特徴によれば、トルクピン付勢手段が、皿ばねおよびワッシャから成るものであって内筒の内方に配置されるので、トルクピン付勢手段を単純な構造でコンパクトに構成することができる。
本発明の第5の特徴によれば、過大トルクが入力されない通常時にはトルクピン付勢手段による付勢力でトルクピンを長孔の端部に押しつけて、トルクピンの軸方向位置すなわち固定プーリ半体および可動プーリ半体の周方向相対位置を安定化することが可能となる。
本発明の第6の特徴によれば、トルクピン付勢手段が、コイルばねから成るものであって内筒の内方に配置されるので、トルクピン付勢手段を単純な構造でコンパクトに構成することができる。
さらに本発明の第7の特徴によれば、トルクピン付勢手段が、油圧式に構成されて内筒の内方に配置されるので、油圧を調整することでトルクピン付勢手段による付勢力を状況に応じて変化させることを可能としつつ、コンパクトに構成することができる。
実施例1のパワーユニットの基本構造図である。 ドリブンプーリを図1の2ー2線に沿う方向から見た縦断側面図である。 図2の3−3線断面図である。 図3の要部拡大図である。 図3の5−5線拡大断面図である。 図4の6−6線断面図である。 過大トルク入力時の図4に対応した断面図である。 実施例2の図3に対応した断面図である。 実施例3の図3に対応した断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
本発明の実施例1について図1〜図7を参照しながら説明すると、先ず図1において、このパワーユニットPは、たとえば自動二輪車に搭載されるものであり、ピストン11の往復摺動で回転駆動されるクランクシャフト12を有するエンジンEと、前記クランクシャフト12と平行な軸線を有する出力軸13間に設けられるベルト式無段変速機Mと、駆動輪である後輪Wおよび前記出力軸13間に設けられる減速ギヤ機構Gとで構成され、エンジンEのエンジン本体14に連なるミッションケース15に、前記ベルト式無段変速機Mおよび前記減速ギヤ機構Gが収納される。
前記ベルト式無段変速機Mは、前記クランクシャフト12に設けられるドライブプーリ16と、前記出力軸13に装着されるドリブンプーリ17と、ドライブプーリ16およびドリブンプーリ17に巻き掛けられる無端状のVベルトとを備え、ドライブプーリ16への前記Vベルト18の巻き掛け半径はクランクシャフト12の回転数増大に応じて大きくなり、ドリブンプーリ17への前記Vベルト18の巻き掛け半径はクランクシャフト12の回転数増大に応じて小さくなる。
図2〜図4において、ドリブンプーリ17は、出力軸13に遠心クラッチ19を介して連結される固定プーリ半体20と、該固定プーリ半体20に対する近接、離反を可能とする可動プーリ半体21と、該可動プーリ半体21を前記固定プーリ半体20に近接する側に付勢するコイルばね22とを備え、前記固定プーリ半体20および前記可動プーリ半体21間には、前記固定プーリ半体20および前記可動プーリ半体21の相対回転位相差に応じて前記固定プーリ半体20および前記可動プーリ半体21に軸方向分力を作用せしめるトルクカム機構23Aが設けられる。
前記出力軸13は、前記ミッションケース15で回転自在に支承されており、この出力軸13の一端部外周には、前記減速ギヤ機構Gの一部を構成する駆動ギヤ24が刻設される。また前記固定プーリ半体20は、前記出力軸13との間にニードルベアリング25およびボールベアリング26を介装して該出力軸13の軸方向中間部を同軸に囲繞する内筒28の一端に固定され、前記可動プーリ半体21は、相対回転自在かつ軸方向相対移動自在として前記内筒28で支持されるとともに該内筒28を同軸に囲繞する外筒29の一端に固定される。
遠心クラッチ19は、出力軸13の他端部に固定される椀状のクラッチアウタ30と、出力軸13と同軸の軸線まわりに回転することを可能として前記内筒28の他端部に固定されるドライブプレート31と、該ドライブプレート31の複数箇所に軸支される遠心ウエイト32…と、各遠心ウエイト32…および前記ドライブプレート31間に設けられるクラッチばね33…とを備え、ドライブプレート31の回転に応じて各遠心ウエイト32…に作用する遠心力が各クラッチばね33…のばね付勢力を上回ったときに遠心ウエイト32…がクラッチアウタ30の内周に摩擦係合することで、内筒28すなわち固定プーリ半体20とクラッチアウタ30すなわち出力軸13とが結合されることになる。すなわち遠心クラッチ19は、エンジン回転数が設定回転数を超えるのに伴って動力伝達状態となるようにして内筒28および出力軸13間に設けられる。
また円筒状のスリーブ34が、前記外筒29の外周との間にOリング35,36を介在させて該外筒29を同軸に覆うように配置されており、このスリーブ34の一端部は前記可動プーリ半体21に前記固定プーリ半体20とは反対側から当接される。しかもスリーブ34の一端部に当接される環状の第1ばね受け部材37と、前記ドライブプレート31に当接、支持される環状の第2ばね受け部材38との間に、前記外筒29および前記スリーブ34を同軸に覆う前記コイルばね22が縮設される。
図5および図6を併せて参照して、前記トルクカム機構23Aは、前記固定プーリ半体20および前記可動プーリ半体21の一方側に設けられてそれらのプーリ半体20,21の軸方向に長く延びる長孔41で移動可能に支持されるトルクピン42と、該トルクピン42を嵌合せしめて前記固定プーリ半体20および前記可動プーリ半体21の他方に設けられる螺旋状のガイド凹部43と、減速比が小さくなるよう(LOW側からTOP側に変速するよう)に前記可動プーリ半体21が移動する方向すなわちドリブンプーリ17へのVベルト18の巻き掛け半径を小さくするように前記可動プーリ半体21が前記固定プーリ半体20から離反する側に移動する方向とは反対側に、前記トルクピン42を付勢するトルクピン付勢手段44Aとを備える。
この実施例1において、前記内筒28の周方向に等間隔をあけたたとえば3箇所に前記長孔41…が設けられ、前記外筒29の前記各長孔41…に個別に対応した周方向複数箇所たとえば3箇所に、該外筒29の内面および外面間にわたる貫通孔であるガイド凹部43…が設けられる。ところで、ドリブンプーリ17は図2の矢印45で示す方向に回転するのであるが、前記ガイド凹部43…は、固定プーリ半体20および可動プーリ半体21にかかる前記矢印45で示す方向への駆動トルクが大きくなるにつれて、該ガイド凹部43…内で変化する前記トルクピン42…の位置が、可動プーリ半体21を固定プーリ半体20側に近接させる位置となるように形成される。つまり可動プーリ半体21の回転により、ガイド凹部43…からトルクピン42…に力が加わり、この反作用によって可動プーリ半体21が固定プーリ半体20側に移動する。
前記内筒28および前記出力軸13間には、環状の支持リング46が同軸に配置されており、前記長孔41…をそれぞれ貫通する複数個たとえば3個のトルクピン42…の内端部が前記支持リング46に固定される。また各トルクピン42の外端部に設けられるリング状の嵌合駒47…が前記ガイド凹部43…に嵌合される。
前記トルクピン付勢手段44Aは、減速比が小さくなるように前記可動プーリ半体21が移動する方向すなわち固定プーリ半体20から離反する側への前記可動プーリ半体21の移動方向と反対側に前記各トルクピン42を付勢するようにして前記内筒28の外周よりも内方に配置されるものであり、この実施例1では、前記トルクピン42…の内端部が固定される支持リング46と、前記トルクピン42…に関して前記可動プーリ半体21とは反対側で前記支持リング46側に臨むようにして前記内筒28の内面に形成される環状の段部28aとの間に介装されるようにして内筒28の内方に配置される。
しかもトルクピン付勢手段44Aは、前記段部28aに当接される第1ワッシャ48と、前記支持リング46に当接される第2ワッシャ49と、第1および第2ワッシャ48,49間に配置される第3ワッシャ50と、第1および第3ワッシャ48,50間に設けられる第1皿ばね51と、相互に重なって第3および第2ワッシャ50,49間に設けられる2枚の皿ばね52…とで構成される。
しかも前記トルクピン付勢手段44Aの付勢力は、前記可動プーリ半体21を前記固定プーリ半体20に近接する側に付勢するコイルばね22のばね付勢力よりも大きく設定される。
次にこの実施例1の作用について説明すると、トルクカム機構23Aは、固定プーリ半体20および可動プーリ半体21の一方側に設けられてそれらのプーリ半体の軸方向に長く延びる長孔41…で移動可能に支持されるトルクピン42…と、該トルクピン42…を嵌合せしめて固定プーリ半体20および可動プーリ半体21の他方に設けられる螺旋状のガイド凹部43…と、減速比が小さくなるように可動プーリ半体21が移動する方向とは反対側に前記トルクピン42…を付勢するトルクピン付勢手段44Aとを備えるので、過大トルクがVベルト18からドリブンプーリ17に入力したとき(出力軸13側からのキックバック等によって過大トルクが入力したとき)には、可動プーリ半体21が固定プーリ半体20に対して相対回転することで、ガイド凹部43…内のトルクピン42…に図2の矢印53で示す方向の力が外筒29から作用する。これによってトルクピン42…は、トルクピン付勢手段44Aによる付勢力に抗して、図7で示すように移動し、トルクカム機構23Aによって可動プーリ半体21に作用する軸方向推力を低減することができ、Vベルト18の側圧が必要以上に大きくなって動力伝達効率の低下を来すことがなく、またVベルト18の過負荷作用による劣化を防止することができる。しかもトルクカム機構23Aによる推力を低減するにあたって、固定プーリ半体20および前記可動プーリ半体21の一方側に長孔41…が設けられ、トルクピン42…をトルクピン付勢手段44Aで付勢すればよいので部品点数が大きく増加することはなく、組付け工数の増加を回避することができ、また遠心ガバナを増設するものに比べてコンパクト化を図ることができる。
また固定プーリ半体20が固定される内筒28で相対回転自在かつ軸方向相対移動自在に支持されて内筒28を同軸に覆う外筒29に可動プーリ半体21が固定され、内筒28に長孔41…が設けられ、外筒29にガイド凹部43…が設けられるので、従来のベルト式無段変速機におけるトルクカム機構に長孔41…およびトルクピン付勢手段44Aを付加するだけで、過大トルク入力時にトルクカム機構23Aが発生する推力を低減する機構を構成することができる。
またトルクピン42は、内筒28の長孔41…を貫通するように配置され、トルクピン付勢手段44Aが内筒28の外周よりも内方に配置されるので、トルクピン付勢手段44Aをコンパクトに配置することでドリブンプーリ17の大型化を避けることができる。
しかも第1および第2皿ばね51,52…と、第1〜第3ワッシャ48,49,50とから成るトルクピン付勢手段44Aが、前記トルクピン42の内端部が固定される支持リング46と、内筒28の内面に形成される環状の段部28aとの間に介装されるようにして内筒28の内方に配置されるので、トルクピン付勢手段44Aを単純な構造でコンパクトに構成することができる。
しかもトルクピン付勢手段44Aの付勢力が、可動プーリ半体21を固定プーリ半体20に近接する側に付勢するコイルばね22のばね付勢力よりも大きく設定されるので、過大トルクが入力されない通常時には、図4および図6で示すように、トルクピン付勢手段44Aによる付勢力でトルクピン42…を長孔41…の端部に押しつけて、トルクピン42の軸方向位置すなわち固定プーリ半体20および可動プーリ半体21の周方向相対位置を安定化することが可能となる。
なお前記トルクピン付勢手段44Aは、キックダウンによる推力によって縮むことはなく、通常駆動力の範囲中での必要推力に対しては作動することなく、可動プーリ半体21を減速方向に移動することができる。
本発明の実施例2について、図8を参照しながら説明するが、図1〜図7の実施例1に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
トルクカム機構23Bの一部を構成するトルクピン付勢手段44Bは、コイルばねから成るものであり、前記トルクピン42…の内端部が固定される支持リング46と、トルクピン42…に関して前記可動プーリ半体21とは反対側で前記支持リング46側に臨むようにして前記内筒28の内面に形成される環状の段部28aに当接されるリング状のばね受け板55との間に介装されて、内筒28の内方に配置される。
このトルクピン付勢手段44Bが発揮する付勢力により、各トルクピン42…は、減速比が小さくなるように可動プーリ半体21が移動する方向すなわち固定プーリ半体20から離反する側への前記可動プーリ半体21の移動方向と反対側に付勢される。
この実施例2によっても、上記実施例1と同様な効果を奏することができる。
本発明の実施例3について、図9を参照しながら説明するが、図1〜図7の実施例1に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
トルクカム機構23Cの一部を構成するトルクピン付勢手段44Cは、油圧式に構成されており、各トルクピン42…の内端部が固定される支持リング46と、トルクピン42…に関して可動プーリ半体21とは反対側で前記支持リング46側に臨むようにして前記内筒28の内面に形成される環状の段部28aとの間に介装されるようにして内筒28の内方に配置される。
すなわち内筒28の前記段部28aには、内筒28および出力軸13間に嵌合されるリング状の端壁部材56が当接され、該端壁部材56との間に環状の油圧室57を形成する支持リング58が各トルクピン42…の内端部を固定するようにして内筒28および出力軸13間に嵌合され、端壁部材56および支持リング58の外周には内筒28の内周に弾発接触するOリング59,60がそれぞれ装着され、端壁部材56および支持リング58の内周には出力軸13の外周に弾発接触するリップ付きの環状シール部材61,62がそれぞれ装着される。
また出力軸13には、前記油圧室57の油圧が設定圧以上になると開弁するリリーフ弁63が装着されるとともに、前記油圧室57に外部の油圧源(図示せず)からの油圧を導く油路64と、前記油圧室57および前記リリーフ弁63間を結ぶ油路65とが設けられる。
このトルクピン付勢手段44Cによっても、減速比が小さくなるように可動プーリ半体21が移動する方向すなわち固定プーリ半体20から離反する側への前記可動プーリ半体21の移動方向と反対側に各トルクピン42…が付勢される。
この実施例3によれば、実施例1および実施例3と同様の効果を奏することができ、しかも油圧を調整することでトルクピン付勢手段44Cによる付勢力を状況に応じて変化させることを可能としつつ、トルクピン付勢手段44Cをコンパクトに構成することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施例1〜3では、トルクピン付勢手段43A〜43Cが内筒28の内方に配置されていたが、内筒28に設けられる長孔21内にトルクピン付勢手段が設けられるようにしてもよい。また可動プーリ半体側にトルクピンを挿通、支持する長孔が設けられ、固定プーリ半体側にガイド凹部が設けられるようにすることも可能である。さらにガイド凹部が溝状に形成されるようにしてもよい。
13・・・出力部材である出力軸
16・・・ドライブプーリ
17・・・ドリブンプーリ
18・・・ベルト
20・・・固定プーリ半体
21・・・可動プーリ半体
23A,23B,23C・・・トルクカム機構
28・・・内筒
29・・・外筒
41・・・長孔
42・・・トルクピン
43・・・ガイド凹部
44A,44B,44C・・・トルクピン付勢手段
48,49,50・・・ワッシャ
51,52・・・皿ばね
M・・・ベルト式無段変速機

Claims (7)

  1. ドライブプーリ(16)と、出力部材(13)に連結される固定プーリ半体(20)ならびに該固定プーリ半体(20)に対する近接、離反を可能とするとともに前記固定プーリ半体(20)に近接する側に付勢される可動プーリ半体(21)を有するドリブンプーリ(17)と、ドライブプーリ(16)およびドリブンプーリ(17)に巻き掛けられる無端状のベルト(18)とで構成され、前記固定プーリ半体(20)および前記可動プーリ半体(21)間に、前記固定プーリ半体(20)および前記可動プーリ半体(21)にかかる駆動トルクおよび相対回転位相差に応じて前記固定プーリ半体(20)および前記可動プーリ半体(21)に軸方向分力を作用せしめるトルクカム機構(23A,23B,23C)が設けられるベルト式無段変速機において、前記トルクカム機構(23A〜23C)は、前記固定プーリ半体(20)および前記可動プーリ半体(21)の一方側に設けられてそれらのプーリ半体(20,21)の軸方向に長く延びる長孔(41)で移動可能に支持されるトルクピン(42)と、該トルクピン(42)を嵌合せしめて前記固定プーリ半体(20)および前記可動プーリ半体(21)の他方に設けられる螺旋状のガイド凹部(43)と、減速比が小さくなるように前記可動プーリ半体(21)が移動する方向とは反対側に前記トルクピン(42)を付勢するトルクピン付勢手段(44A,44B,44C)とを備えることを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 前記固定プーリ半体(20)が固定される内筒(28)で相対回転自在かつ軸方向相対移動自在に支持されて前記内筒(28)を同軸に覆う外筒(29)に、前記可動プーリ半体(21)が固定され、前記内筒(28)に前記長孔(41)が設けられ、前記外筒(29)に前記ガイド凹部(43)が設けられることを特徴とする請求項1記載のベルト式無段変速機。
  3. 前記トルクピン(42)が、前記内筒(28)の前記長孔(41)を貫通するように配置され、前記トルクピン付勢手段(44A,44B,44C)が、前記内筒(28)の外周よりも内方に配置されることを特徴とする請求項2記載のベルト式無段変速機。
  4. 皿ばね(51,52)およびワッシャ(48,49,50)から成る前記トルクピン付勢手段(44A)が、前記トルクピン(42)の内端部と、前記内筒(28)との間に介装されるようにして該内筒(28)の内方に配置されることを特徴とする請求項3記載のベルト式無段変速機。
  5. 前記トルクピン付勢手段(44A,44B,44C)の付勢力が、前記可動プーリ半体(21)を前記固定プーリ半体(20)に近接する側に付勢する付勢力よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のベルト式無段変速機。
  6. コイルばねから成る前記トルクピン付勢手段(44B)が、前記トルクピン(42)の内端部と、前記内筒(28)との間に介装されるようにして該内筒(28)の内方に配置されることを特徴とする請求項3記載のベルト式無段変速機。
  7. 油圧式に構成される前記トルクピン付勢手段(44C)が、前記トルクピン(42)の内端部と、前記内筒(28)との間に介装されるようにして該内筒(28)の内方に配置されることを特徴とする請求項3記載のベルト式無段変速機。
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