JP2011051503A - 航空機の地上操向装置及び航空機 - Google Patents

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Abstract

【課題】航空機の地上操向装置において正常/異常の判定を正確に行えるようにする。
【解決手段】異常判定部が、目標操向角の時間変化率の絶対値から実操向角の時間変化率の絶対値を引いた値が負でありかつ目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率が正でありかつ前記差の絶対値が所定角よりも大きいという条件、目標操向角の時間変化率が0以上でありかつ実操向角の時間変化率が0以下であるか又は目標操向角の時間変化率が負でありかつ前記実操向角の時間変化率が正であるとともに前記差の絶対値の時間変化率が正でありかつ前記差の絶対値が前記所定角よりも大きいという条件、及び、目標操向角の時間変化率の絶対値が正でありかつ実操向角の時間変化率の絶対値が0でありかつ前記差の絶対値が前記所定角よりも大きいという条件のうち少なくとも1つについて成立するか否かを判定して、該判定した条件のうち1つでも成立するときに異常と判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、航空機のステアバイワイヤ方式の地上操向装置及び該地上操向装置を備えた航空機に関する技術分野に属する。
一般に、航空機の地上操向装置では、ステアバイワイヤ(Steer By Wire)方式の操舵方式が採用されており、この方式では、ラダー等の操作部における操作量を、位置検出センサにより目標操向角として検出する。一方、操舵輪の方向を変更するための操向アクチュエータにも、位置検出センサが設けられており、この位置検出センサにより、操向アクチュエータの実際の駆動量を実操向角として検出する。そして、コントローラにより、その実操向角が前記目標操向角に一致するように前記操向アクチュエータを制御する。
前記地上操向装置では、該地上操向装置(特に操向アクチュエータや位置検出センサ)に異常が生じても、そのことを検出可能にするべく、例えば位置検出センサを二重ないし三重に設ける等して、冗長度を高くすることがなされる。
しかし、低コスト化や省スペース化等の観点からは、冗長度を出来る限り低くすることが望まれており、操作部及び操向アクチュエータにはそれぞれ1つの位置検出センサのみを設けて、それらからコントローラに入力される目標操向角と実操向角とに基づいて異常を判定するようにする試みがなされている。
例えば特許文献1では、目標操向角の時間変化率が、予め設定した下限値αよりも大きくかつ実操向角の時間変化率が、予め設定した下限値βよりも小さいか、又は、目標操向角の時間変化率が下限値αよりも小さくかつ実操向角の時間変化率が下限値βよりも大きい、という条件が成立するとともに、目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率が、予め設定した上限値ζを超えている、という条件が成立するときに、地上操向装置に異常が生じたと判定するようにしている。
特開2009−78781号公報
しかしながら、前記特許文献1の判定方法では、前記下限値α,βの設定が難しく、その値によっては誤判定となる場合がある。例えば、操縦者がラダー等を非常にゆっくりと操作した場合(目標操向角の時間変化率が下限値αよりも小さい場合)において、目標操向角と実操向角との差が所定角よりも大きくなったときに、コントローラが操向アクチュエータを駆動することとなり、この駆動により実操向角の時間変化率が下限値βよりも大きくなる場合がある。この場合、正常に作動しているにも拘わらず、異常が生じたと判定してしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、航空機の地上操向装置において、冗長度を出来る限り低くしながら、正常/異常の判定を正確に行えるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、この発明では、操作部の操作量に応じた操舵輪の目標操向角を検出する目標操向角検出手段と、前記操舵輪の向きを変更する操向アクチュエータと、前記操向アクチュエータによる操舵輪の実操向角を検出する実操向角検出手段と、前記目標操向角検出手段により検出された目標操向角と前記実操向角検出手段により検出された実操向角との差の絶対値が所定角よりも大きいときに、該実操向角が該目標操向角と一致するように前記操向アクチュエータを制御するアクチュエータ制御部と、を備えた航空機の地上操向装置を対象として、前記地上操向装置の異常の有無を判定する異常判定部を更に備え、前記異常判定部は、前記目標操向角の時間変化率の絶対値から前記実操向角の時間変化率の絶対値を引いた値が負でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率が正でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値が前記所定角よりも大きい、という第1条件、前記目標操向角の時間変化率が0以上でありかつ前記実操向角の時間変化率が0以下であるか、又は、前記目標操向角の時間変化率が負でありかつ前記実操向角の時間変化率が正であるとともに、前記目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率が正でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値が前記所定角よりも大きい、という第2条件、及び、前記目標操向角の時間変化率の絶対値が正でありかつ前記実操向角の時間変化率の絶対値が0でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値が前記所定角よりも大きい、という第3条件、のうちの少なくとも1つの条件について成立するか否かを判定して、該判定した条件のうち少なくとも1つの条件が成立するときに、前記地上操向装置が異常であると判定するように構成されているものとした。
前記の構成により、冗長度を出来る限り低くしながら、地上操向装置の正常/異常の判定を正確に行うことができるようになる。特に前記第1乃至第3条件の全ての条件について成立するか否かを判定して、前記第1乃至第3条件のうち少なくとも1つの条件が成立するときに、前記地上操向装置が異常であると判定することで、センサの数を最小限に抑えつつ、想定されるあらゆる場合において、地上操向装置の正常/異常の判定を常に正確に行うことができるようになる。
前記航空機の地上操向装置を備えた航空機では、冗長度を出来る限り低くすることができ、航空機の小型化及び低コスト化を図ることができ、しかも、正常/異常の判定を正確に行うことができる。
以上説明したように、本発明の航空機の地上操向装置及び該地上操向装置を備えた航空機によると、異常判定部が、目標操向角の時間変化率の絶対値から実操向角の時間変化率の絶対値を引いた値が負でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率が正でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値が所定角よりも大きい、という第1条件、前記目標操向角の時間変化率が0以上でありかつ前記実操向角の時間変化率が0以下であるか、又は、前記目標操向角の時間変化率が負でありかつ前記実操向角の時間変化率が正であるとともに、前記目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率が正でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値が前記所定角よりも大きい、という第2条件、及び、前記目標操向角の時間変化率の絶対値が正でありかつ前記実操向角の時間変化率の絶対値が0でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値が前記所定角よりも大きい、という第3条件、のうちの少なくとも1つの条件について成立するか否かを判定して、該判定した条件のうち少なくとも1つの条件が成立するときに、前記地上操向装置が異常であると判定するようにしたので、冗長度を出来る限り低くしながら、地上操向装置の正常/異常の判定を正確に行うことができるようになる。
本発明の実施形態に係る航空機の地上操向装置の概略構成図である。 コントローラの異常判定部による正常/異常の判定動作を示すフローチャートである。 図2のフローチャートのステップS9〜S13の処理に対応する論理回路である。 第1論理を示す図である。 第2論理を示す図である。 第1及び第2論理で誤判定が生じる場合の、目標操向角と実操向角との変化の例を示すグラフである。 第3論理を示す図である。 第4論理を示す図である。 第4論理で誤判定が生じる場合の、目標操向角と実操向角との変化の例を示すグラフである。 第5論理を示す図である。 第6論理を示す図である。 第7論理を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る航空機の地上操向装置の概略構成を示す。この地上操向装置は、航空機が地上を走行するときに、脚柱2の下端部に支持された左右一対の操舵輪1(前輪)の向きを、操作部の操作量に応じて変更するものである。
前記操作部は、本実施形態では、操縦室の操縦者によって操作されるラダー9(ペダル)及びティラー10(ステアリングハンドル)で構成される。これらラダー9及びティラー10には、LVDT21(Linear Variable Differential Transformer:線形可変差動変圧器)がそれぞれ設けられており、該各LVDT21は、操作部の操作量に応じた出力信号を出力する。そして、各LVDT21から出力される出力信号が、不図示の変換回路によりデジタルの操作信号に変換されて、該操作信号が、一般的なCPUやROM、RAM等を含む演算処理装置であるコントローラ41に入力されるようになっている。このコントローラ41に設けられたアクチュエータ制御部41aが、前記入力された操作信号に基づいて目標操向角TSA(Target Steering Angle:航空機が直進する状態を0とし、該状態から一方側への操向を+で表記し、他方側への操向を−で表記する)を演算する。このことで、LVDT21は、操作部の操作量に応じた操舵輪1の目標操向角を検出する目標操向角検出手段を構成することになる。
前記脚柱2は、航空機の機体に回転自在に支持されていて、左右一対の操向アクチュエータ5によって回転駆動されるように構成されている。この脚柱2の回転により、操舵輪1の向きが変更されることになる。
前記各操向アクチュエータ5は、本実施形態では、直線動作式の油圧シリンダーで構成されていて、各操向アクチュエータ5と油圧源8とを接続する油圧配管7に設けたコントロールバルブ6を介して供給される油圧により直線駆動されて、脚柱2に取り付けられたカラー3を介して脚柱2を回転駆動する。尚、カラー3は、操向アクチュエータ5の直線動作を脚柱2の回転動作に変換する部材である。
前記各操向アクチュエータ5にもLVDT22がそれぞれ設けられており、該各LVDT22は、当該操向アクチュエータ5の作動位置(実際の駆動量)に応じた出力信号を出力する。そして、各LVDT22から出力される出力信号が、不図示の変換回路によりデジタルのポジション信号に変換されて、該ポジション信号が前記コントローラ41に入力されるようになっている。そして、前記アクチュエータ制御部41aが、その入力されたポジション信号に基づいて実操向角ASA(Actual Steering Angle:目標操向角TSAに対応して+又は−で表記する)を演算する。このことで、LVDT22は、操向アクチュエータ5による操舵輪1の実操向角を検出する実操向角検出手段を構成することになる。
前記アクチュエータ制御部41aは、前記目標操向角TSAと前記実操向角ASAとの差DSA(Difference Steering Angle)の絶対値が所定角θ(deg(°))よりも大きいときに、実操向角ASAを目標操向角TSAに一致させるのに必要なバルブ駆動信号を生成してコントロールバルブ6に付与する。これにより、操向アクチュエータ5は、操舵輪1が操縦者の操作通りの向きになるように脚柱2を回転させる。尚、前記所定角θは、誤差等を考慮して目標操向角TSAと実操向角ASAとが実質的に同じ値であると見做せる最大値(例えば0.15°)である。
コントローラ41は、前記アクチュエータ制御部41aに加えて、当該地上操向装置の異常(特に前記LVDT21、LVDT22及び操向アクチュエータ5のうちの少なくとも1つの故障)の有無を判定する異常判定部41bを含む。尚、本実施形態では、アクチュエータ制御部41aと異常判定部41bとを同じコントローラ41に設けているが、別々のコントローラにそれぞれ設けるようにしてもよい。
前記異常判定部41bは、第1判定部41cと、第2判定部41dと、第3判定部41eとを有している。
前記第1判定部41cは、前記目標操向角の時間変化率の絶対値|d(TSA)/dt|から前記実操向角の時間変化率の絶対値|d(ASA)/dt|を引いた値が負でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率d|DSA|/dtが正でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値|DSA|が前記所定角θよりも大きい、という第1条件が成立するか否かを判定する。
前記第2判定部41dは、前記目標操向角の時間変化率d(TSA)/dtが0以上でありかつ前記実操向角の時間変化率d(ASA)/dtが0以下であるか、又は、前記目標操向角の時間変化率d(TSA)/dtが負でありかつ前記実操向角の時間変化率d(ASA)/dtが正であるとともに、前記目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率d|DSA|/dtが正でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値|DSA|が前記所定角θよりも大きい、という第2条件が成立するか否かを判定する。
前記第3判定部41eは、前記目標操向角の時間変化率の絶対値|d(TSA)/dt|が正でありかつ前記実操向角の時間変化率の絶対値|d(ASA)/dt|が0(誤差等を考慮して0と見做すことが可能な場合を含む)でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値|DSA|が前記所定角θよりも大きい、という第3条件が成立するか否かを判定する。
そして、異常判定部41bは、前記第1判定部41c乃至第3判定部41eにおいて、前記第1乃至第3条件の全ての条件について成立するか否かを判定した上で、前記第1乃至第3条件のうち少なくとも1つの条件が成立するときに、当該地上操向装置が異常であると判定する。一方、異常判定部41bは、前記第1乃至第3条件のいずれの条件も成立しないときには、当該地上操向装置は正常である(異常無し)と判定するように構成されている。
コントローラ41は、前記異常判定部41bにより異常があると判定したときには、アクチュエータ制御部41aによる操向アクチュエータ5の制御を停止するとともに、操向アクチュエータ5への油圧供給を遮断して脚柱2を自由回動可能な状態にする。或いは、操舵輪1を中立状態(航空機が直進する状態)になるように操向アクチュエータ5を駆動し、その中立状態で操向アクチュエータ5へ供給する油圧を固定して、操舵輪1の向きが中立状態から変化しないようにする。また、コントローラ41は、異常判定部41bにより異常があると判定したときには、地上操向装置に異常がある旨の警報表示(警報ランプの点滅等)を行ったり警報音を発したりする。
ここで、前記異常判定部41bによる正常/異常の判定動作について、図2のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS1では、目標操向角TSAから実操向角ASAを引いた値DSAを演算し、次のステップS2では、前記ステップS1のDSAの絶対値|DSA|を演算する。
次のステップS3では、目標操向角の時間変化率d(TSA)/dtを演算し、次のステップS4では、実操向角の時間変化率d(ASA)/dtを演算する。
次のステップS5では、前記ステップS2の|DSA|から、前記目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率d|DSA|/dtを演算し、次のステップS6では、前記ステップS3のd(TSA)/dtから、目標操向角の時間変化率の絶対値|d(TSA)/dt|を演算し、次のステップS7では、前記ステップS4のd(ASA)/dtから、実操向角の時間変化率の絶対値|d(ASA)/dt|を演算する。
次のステップS8では、前記ステップS6の|d(TSA)/dt|から前記ステップS7の|d(ASA)/dt|を引いた値を演算する。
次のステップS9では、前記ステップS2,S5,S8の演算結果を受けて、
|d(TSA)/dt|−|d(ASA)/dt|<0(YES:1、NO:0)、
d|DSA|/dt>0(YES:1、NO:0)、及び、
|DSA|>θ(YES:1、NO:0)
のAND(論理積)を演算する。この演算は、前記第1条件が成立するか否かを判定することに相当し、第1条件が成立するときには、演算結果が1となり、成立しないときには、演算結果が0となる。
次のステップS10では、前記ステップS3,S4の演算結果を受けて、
d(TSA)/dt≧0(YES:1、NO:0)、及び、
d(ASA)/dt>0(YES:1、NO:0)
のXOR(排他的論理和)を演算する。この演算は、前記第2条件のうち、前記目標操向角の時間変化率d(TSA)/dtが0以上でありかつ前記実操向角の時間変化率d(ASA)/dtが0以下であるか、又は、前記目標操向角の時間変化率d(TSA)/dtが負でありかつ前記実操向角の時間変化率d(ASA)/dtが正である、という条件が成立するか否かを判定することに相当し、該条件が成立するときには、演算結果が1となり、成立しないときには、演算結果が0となる。
次のステップS11では、前記ステップS2,S5,S10の演算結果を受けて、
ステップS10の演算結果(1又は0)、
d|DSA|/dt>0(YES:1、NO:0)、及び、
|DSA|>θ(YES:1、NO:0)
のAND(論理積)を演算する。この演算は、前記第2条件が成立するか否かを判定することに相当し、第2条件が成立するときには、演算結果が1となり、成立しないときには、演算結果が0となる。
次のステップS12では、前記ステップS2,S6,S7の演算結果を受けて、
|d(TSA)/dt|>0(YES:1、NO:0)、
|d(ASA)/dt|=0(YES:1、NO:0)、及び、
|DSA|>θ(YES:1、NO:0)
のAND(論理積)を演算する。この演算は、前記第3条件が成立するか否かを判定することに相当し、第3条件が成立するときには、演算結果が1となり、成立しないときには、演算結果が0となる。
次のステップS13では、ステップS9の演算結果が1であるか、又は、ステップS11の演算結果が1であるか、又は、ステップS12の演算結果が1であるか否かを判定する。すなわち、前記第1条件乃至第3条件のうちの少なくとも1つの条件が成立するか否かを判定する。
前記ステップS13の判定がNOであるときには、ステップS14に進んで、地上操向装置は正常であると判定し、しかる後に前記ステップS1に戻る一方、ステップS13の判定がYESであるときには、ステップS15に進んで、地上操向装置に異常があると判定する。これにより、異常判定部41bによる正常/異常の判定動作が終了する。この異常判定部41bによる、異常であるとの判定を受けて、コントローラ41は、前述の如く、操向アクチュエータ5の制御を停止するとともに、脚柱2を自由回動可能な状態にし、さらに、警報表示等を行う。
前記フローチャートのステップS9〜S13の処理を論理回路で示すと、図3のようになる。以下、このような論理回路となった経緯を説明することで、前記フローチャートの処理で正確な異常判定が行えることを説明する。
前記地上操向装置において、
A.目標操向角TSAの変化方向(左側又は右側)と実操向角ASAの変化方向(左側又は右側)とが逆になる(目標操向角と実操向角との差が小さくならない)。
B.目標操向角TSAが変化しているにも拘わらず、実操向角ASAが変化しない。
C.目標操向角TSAが変化しない状態で、実操向角ASAが変化する。
のうちのいずれかの現象が生じると、異常であると判定することができる。
実操向角ASAの時間変化率の絶対値が目標操向角TSAの時間変化率の絶対値よりも大きい場合には、前記現象Cに該当し、異常であると判定することができる。これを実現する論理を第1論理として図4に示す。
また、前記現象A及びBは、目標操向角TSAと実操向角ASAとの差の絶対値の時間変化率d|DSA|/dtにより監視することができ、その論理を第2論理として図5に示す。
第1及び第2論理で、誤判定が生じないかどうかを、目標操向角TSA及び実操作角ASAの作動の模擬状況を設定したモデルにより検討した。この検討結果を表1及び表2に示す。
Figure 2011051503
Figure 2011051503
尚、表1及び表2中、「TSAレート」及び「ASAレート」は、それぞれ、目標操向角TSAの時間変化率(つまり変化速度)の絶対値及び実操向角ASAの時間変化率(つまり変化速度)の絶対値である。また、「誤検出」とは、正常であるにも拘わらず、異常と誤判定することであり、「検出しない」とは、異常であるにも拘わらず、異常と判定せずに正常であると誤判定することである。
前記の検討結果より、正常であるにも拘わらず、異常と誤判定する場合がある。例えば図6に示すように、目標操向角TSAが先に止まり、ASAがそれに追いつこうと作動を続ける場合(時刻t1以降)、正常であるにも拘わらず、第1論理が1となって異常と判定することになる。
そこで、実操向角ASAの時間変化率の絶対値が目標操向角TSAの時間変化率の絶対値よりも大きく、かつ、前記目標操向角TSAと実操向角ASAとの差の絶対値の時間変化率d|DSA|/dtが正である場合に、異常とする。この論理を第3論理として図7に示す。
前記第3論理では、表1及び表2に示すように、正常であるにも拘わらず、異常と誤判定することはなくなる。しかし、異常であるにも拘わらず、正常であると誤判定する領域が存在する。そこで、第2論理の「誤検出」を防止し、第3論理の「検出しない」領域をカバーするため、第2論理の発展型を考える。
第2論理の「誤検出」は、操作量が大きい領域(低速時)で目標操向角TSAが急激に増えて、目標操向角TSAの時間変化率の絶対値が実操向角ASAの時間変化率の絶対値よりも大きくなった場合に発生する。そこで、目標操向角TSAの符号とd(ASA)/dtの符号とが一致する場合には、異常とならないようにする論理を設定する。この論理を第4論理として図8に示す。
しかし、表1及び表2に示すように、前記第4論理では、目標操向角TSA及び実操向角ASAが最大値(例えば+60°)から減少する場合(図9参照)、
d|DSA|/dt≧0→YES(1)
TSA≧0→YES(1)
d(ASA)/dt≧0→NO(0)
となり、異常であると判定してしまう。
そこで、第4論理に代えて、d(TSA)/dtの符号とd(ASA)/dtの符号とが一致する場合に、異常とならないようにする論理とする。この論理を第5論理として図10に示す。
前記第5論理では、目標操向角TSAが減少(又は−方向に増加)し続けている状態で、実操向角ASAが変化しない場合、
d|DSA|/dt≧0→YES(1)
d(TSA)/dt≧0→NO(0)
d(ASA)/dt>0→NO(0)
となり、異常であると判定することができない。これを回避するために、図11に示す第6論理を、第5論理とは別に設定する。
第5論理と第6論理とを組み合わせると、表1及び表2に示すように、「誤検出」はなくなる。「検出しない」領域も存在するが、更に第3論理と組み合わせる(第3論理、第5論理及び第6論理の論理和とする)ことで、「検出しない」領域はなくなり、全ての領域で正常/異常の判定を正確に行うことができるようになる。
ここで、第3論理、第5論理及び第6論理の各論理には、システム上実操向角ASAを目標操向角TSAに追従させない領域(目標操向角と実操向角との差の絶対値|DSA|が前記所定角θよりも大きい領域)において、目標操向角TSA又は実操向角ASAのみが動作しているという誤検出を防止するための論理が考慮されていない。そこで、各論理に、図12に示す第7論理をそれぞれ追加する必要がある。こうして完成した論理が、図3に示す論理となり、異常判定部41bが図2に示すフローチャートの如く動作すれば、正常であるにも拘わらず異常であると判定したり、異常であっても正常であると判定したりするようなことはなくなる。よって、LVDT21,22の数を最小限に抑えつつ、想定されるあらゆる場合において、地上操向装置の正常/異常の判定を常に正確に行うことができるようになる。
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。
例えば、前記実施形態では、異常判定部41bが、第1判定部41c乃至第3判定部41eにおいて、前記第1乃至第3条件の全ての条件について成立するか否かを判定した上で、前記第1乃至第3条件のうち少なくとも1つの条件が成立するときに、当該地上操向装置が異常であると判定するようにしたが、前記第1乃至第3条件のうちの少なくとも1つの条件について成立するか否かを判定して、該判定した条件のうち少なくとも1つの条件が成立するときに、当該地上操向装置が異常であると判定するようにしてもよい。判定する条件が1つ又は2つの場合、判定しない条件に関してそれを補うためのセンサ等を追加する必要が生じるが、追加するセンサの数は、1つ又は2つのレベルであり(判定する条件が多いほど追加するセンサの数は少なくて済む)、冗長度を出来る限り低くすることが可能である。
また、前記実施形態では、操舵輪1の目標操向角を検出する目標操向角検出手段及び操舵輪1の実操向角を検出する実操向角検出手段として、LVDT21,22を用いたが、これに限らず、操舵輪1の操作量や、操向アクチュエータ5の作動位置(又は脚柱2の回転角度)を検出可能なものであれば、どのようなもの(例えば、ポジションセンサ等の位置検出センサ)であってもよい。
さらに、前記実施形態では、左右一対の操向アクチュエータ5によって脚柱2を回転駆動して操舵輪1の向きを変更するようにしたが、1つの操向アクチュエータ5のみで脚柱2を回転駆動して操舵輪1の向きを変更するようにしてもよい。これは、特に小型の航空機に有利である。
本発明は、航空機のステアバイワイヤ方式の地上操向装置に有用である。
1 操舵輪
5 操向アクチュエータ
9 ラダー(操作部)
10 ティラー(操作部)
21 LVDT(目標操向角検出手段)
22 LVDT(実操向角検出手段)
41 コントローラ
41a アクチュエータ制御部
41b 異常判定部

Claims (3)

  1. 操作部の操作量に応じた操舵輪の目標操向角を検出する目標操向角検出手段と、
    前記操舵輪の向きを変更する操向アクチュエータと、
    前記操向アクチュエータによる操舵輪の実操向角を検出する実操向角検出手段と、
    前記目標操向角検出手段により検出された目標操向角と前記実操向角検出手段により検出された実操向角との差の絶対値が所定角よりも大きいときに、該実操向角が該目標操向角と一致するように前記操向アクチュエータを制御するアクチュエータ制御部と、を備えた航空機の地上操向装置であって、
    前記地上操向装置の異常の有無を判定する異常判定部を更に備え、
    前記異常判定部は、
    前記目標操向角の時間変化率の絶対値から前記実操向角の時間変化率の絶対値を引いた値が負でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率が正でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値が前記所定角よりも大きい、という第1条件、
    前記目標操向角の時間変化率が0以上でありかつ前記実操向角の時間変化率が0以下であるか、又は、前記目標操向角の時間変化率が負でありかつ前記実操向角の時間変化率が正であるとともに、前記目標操向角と実操向角との差の絶対値の時間変化率が正でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値が前記所定角よりも大きい、という第2条件、及び、
    前記目標操向角の時間変化率の絶対値が正でありかつ前記実操向角の時間変化率の絶対値が0でありかつ前記目標操向角と実操向角との差の絶対値が前記所定角よりも大きい、という第3条件、
    のうちの少なくとも1つの条件について成立するか否かを判定して、該判定した条件のうち少なくとも1つの条件が成立するときに、前記地上操向装置が異常であると判定するように構成されていることを特徴とする航空機の地上操向装置。
  2. 請求項1記載の航空機の地上操向装置において、
    前記異常判定部は、前記第1乃至第3条件の全ての条件について成立するか否かを判定して、前記第1乃至第3条件のうち少なくとも1つの条件が成立するときに、前記地上操向装置が異常であると判定するように構成されていることを特徴とする航空機の地上操向装置。
  3. 請求項1又は2記載の航空機の地上操向装置を備えたことを特徴とする航空機。
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