JP2011051405A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロックの密集配置によるパターンエッジの増大分に見合ったウェット性能の向上を図ることにより、ウェット性能とドライ性能との両立を高い次元で実現可能な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】少なくとも一方のショルダー領域Rsに、接地端TEを跨ってそれぞれ延びる外側ブロック8aと、内側ブロック8bからなるブロック群Gと、を備え、外側ブロック列L1の外側ブロック8aと、該外側ブロック列L1のタイヤ幅方向内側に隣接する第1の内側ブロック列L2の内側ブロック8bとのなす距離d1は、該第1の内側ブロック列L2の内側ブロック8bと、この第1の内側ブロック列L2のタイヤ幅方向内側に隣接する第2のブロック列L3の内側ブロック8bとのなす距離d2よりも大きい。
【選択図】図2

Description

この発明は、タイヤ赤道面を中心にしたトレッド接地幅の80%に相当する位置よりもタイヤ幅方向外側の両領域をそれぞれショルダー領域とし、少なくとも該ショルダー領域に複数のブロックを備える空気入りタイヤに関し、特に、ウェット性能及びドライ性能の両立を図ろうとするものである。
タイヤの安全面において重要な性能の一つにウェット性能がある。このウェット性能を向上する技術としてブロック系パターンを構成するブロック陸部内にサイプを刻んでパターンエッジを増大させたものが知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、ブロック陸部にサイプを刻むことはブロック剛性の低下につながるため、ウェット性能には効果的であるもののドライ路面での操縦安定性等、ドライ性能には逆に悪影響を与えることとなる。
特開2005−145128号公報
そこで発明者は、この相反する性能の両立を図るべく鋭意検討したところ、ブロックパターンを構成するブロック個々の大きさを小さくした上でこれらを多数密集させればブロック剛性の低下をある程度抑制しつつブロックエッジを増大させることができるとの知見を得ることができた。
しかしながら、発明者がかかるブロックパターンを採用した空気入りタイヤを試作し実験を繰り返したところ、従前のサイプ式のブロックパターンに比べてウェット性能が格段に向上することが確認されたものの、それでもブロックエッジの増大分に見合ったウェット性能の向上効果が十分発揮されていない可能性があることが判明した。
それゆえこの発明は、ブロックの密集配置によるパターンエッジの増大分に見合ったウェット性能の向上を図ることにより、ウェット性能とドライ性能との両立を高い次元で実現可能な空気入りタイヤを提供することにある。
この発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、この発明の空気入りタイヤは、タイヤ赤道面を中心にしたトレッド接地幅の80%に相当する位置よりもタイヤ幅方向外側の両領域をそれぞれショルダー領域とし、少なくとも該ショルダー領域に複数のブロックを密集配置してなる空気入りタイヤにおいて、少なくとも一方のショルダー領域にて、トレッドのタイヤ幅方向の接地端を跨ってそれぞれ延びて前記ブロックの一部を構成する外側ブロックを、互いにタイヤ周方向に並んで複数配置した外側ブロック列と、少なくとも該ショルダー領域に配置されて前記ブロックの一部を構成する内側ブロックを互いにタイヤ周方向に並んで複数配置した内側ブロック列の複数列からなるブロック群と、を備え、前記外側ブロック列における外側ブロックと、この外側ブロック列のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第1の内側ブロック列における内側ブロックとのなす距離を、該第1の内側ブロック列における内側ブロックと、この第1の内側ブロック列のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第2のブロック列における内側ブロックとのなす距離よりも大きくしたことを特徴とするものである。
ここで、「トレッド接地幅」とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格、例えばアメリカ合衆国ではThe Tire and Rim Association Inc.の“Year Book”、欧州ではThe European Tyre and Rim Technical Organisationの“Standard Manual”、日本では日本自動車協会の“JATMA Year Book”に記載の規格の適用サイズにおける標準リムにタイヤを組み付け、かかる規格の適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)及び最大荷重に対応する空気圧を適用した状態において、タイヤ表面が地面と接触する面の最大幅のことをいう。そしてタイヤ幅方向の「接地端」とは、このトレッド接地幅の、タイヤ幅方向最外位置をいう。
かかる空気入りタイヤにあっては、タイヤ赤道面を中心にしたトレッド接地幅の80%に相当する位置よりもタイヤ幅方向外側のショルダー領域に、ブロックを密集して配置したブロック群を設けたことから、ブロック剛性の低下をある程度回避しつつブロックエッジを増大することができる。
ここで、発明者は、ブロック群においてブロックの密集配置によるブロックエッジの増大分に見合ったウェット性能向上の効果が十分発揮されない原因について研究を重ねたところ、その原因が、タイヤの接地時にブロック群内のブロックを囲う溝が一部完全に閉じて隣接するブロックが一体化してしまい、ブロックエッジとしての機能が低下したり、ブロックによって除去された水が踏面外に効果的に排水されずにブロック表面と路面との間に進入したりするところにあることを突き止めた。タイヤの接地時に溝が閉じるメカニズムは、以下のとおりである。すなわち、図3に示すように、タイヤが接地すると、リムからの垂直荷重Fは、ビード部4、サイドウォール部3及びショルダー部2を介して路面に平行な水平方向に変換され、トレッドのタイヤ幅方向の接地端TE付近にはタイヤ幅方向内側へ向かう横力Pが発生する。そしてこの横力Pが接地端TE付近のブロックを剪断変形させてこれらのブロックを囲む溝(特に周方向に延びる溝)を閉塞させ、隣接するブロック同士を一体化させるのである。よってブロックを囲む溝の溝閉じ量は、接地端TEに近づくほど大きくなる。
そこで発明者はこれらの知見に基づき、外側ブロック列における外側ブロックと、この外側ブロック列のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第1の内側ブロック列における内側ブロックとのなす距離を、該第1の内側ブロック列における内側ブロックと、この第1の内側ブロック列のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第2のブロック列における内側ブロックとのなす距離よりも大きくしたのである。これにより、トレッドの接地端近くのブロック間の溝の溝閉じを抑制してブロックエッジを確実に機能させることができるとともに、溝本来の機能を発揮させることができるので、ブロックの密集配置によるブロックエッジの増大分に見合ったウェット性能向上の効果を発揮させるができる。
したがって、この発明の空気入りタイヤによれば、タイヤ接地時におけるブロック群内での溝閉じを抑制することによりブロックの密集配置によるブロックエッジの増大分に見合ったウェット性能の向上を図ることができるので、ウェット性能とドライ性能との両立を高い次元で実現させることができる。
なお、この発明の空気入りタイヤにあっては、ブロック群内に、第2の内側ブロック列のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第3の内側ブロック列を有し、第1の内側ブロック列における内側ブロックと、第2の内側ブロック列における内側ブロックとのなす距離は、該第2の内側ブロック列における内側ブロックと、第3の内側ブロック列における内側ブロックとのなす距離よりも大きいことが好ましい。
また、この発明の空気入りタイヤにあっては、ブロック群の幅をW(mm)、該ブロック群内の任意の内側ブロック列における内側ブロックの基準ピッチ長さをPL(mm)、該ブロック群の幅Wと該基準ピッチ長さPLとで区画されるブロック群の基準区域内に存在する内側ブロックの個数をa(個)、該基準区域内のネガティブ率をN(%)としたとき、S=a/{PL×W×(1−N/100)}で与えられる前記ブロック群の単位実接地面積当たりのブロック個数密度S(個/mm)を、0.003〜0.04の範囲内とすることが好ましい。
なおここでいう「ブロック群の幅」とは、ブロック群のタイヤ幅方向に沿う長さを指す。「内側ブロックの基準ピッチ長さ」とは、任意の内側ブロック列におけるタイヤ周方向の繰返しパターンの最小単位又は複数単位の長さを指すものとし、例えば1つの内側ブロックとこの内側ブロックに隣接する溝によってタイヤ周方向のパターンの繰り返し模様が規定されている場合は、内側ブロック1個分のタイヤ周方向長さとこの内側ブロックに隣接する溝の溝幅とを加算したものを内側ブロックの基準ピッチ長さとすることができる。「ブロック個数密度」とは、基準区域内の実接地面積(基準区域内に在る全内側ブロックの総表面積)あたりに何個の内側ブロックが存在するかを密度として表したものである。
この発明によれば、ブロックの密集配置によるブロックエッジの増大分に見合ったウェット性能の向上を図ることにより、ウェット性能とドライ性能との両立を高い次元で実現可能な空気入りタイヤを提供することが可能となる。
この発明に従う実施形態の空気入りタイヤをリムに組み付け所定の内圧を適用したタイヤ幅方向の断面図であり、(a)は接地してない状態を、(b)は接地した状態をそれぞれ示すものである。 この発明に従う一実施形態(実施例1のタイヤ)のタイヤのトレッドパターンを示した部分展開図である。 ショルダー領域にブロックを有する空気入りタイヤをリムに組み付け、所定の内圧を適用したときのタイヤ幅方向の断面図であり、(a)は接地していない状態を、(b)は接地した状態をそれぞれ示すものである。 この発明に従う他の実施形態の空気入りタイヤ(実施例2のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。 従来技術の空気入りタイヤ(従来例1のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。 比較としての空気入りタイヤ(比較例1、2のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。ここに図1は、この発明に従う実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という)をリムに組み付け所定の内圧を適用したタイヤ幅方向の断面図であり、(a)は接地してない状態を、(b)は接地した状態をそれぞれ示すものであり、図2は、この発明に従う一実施形態のタイヤのトレッドパターンを示した部分展開図である。
この実施形態のタイヤは、図1に示すように、タイヤの踏面を形成するトレッド部1、このトレッド部1の幅方向外側にショルダー部2を介して連なる一対のサイドウォール部3、及びこれらのサイドウォール部3の径方向内側に配置される一対のビード部4を備え、タイヤ内部に一対のビード部4、4間でトロイド状に延びるカーカス5と、このカーカス5のクラウン域の径方向外側に配置されたベルト層6とを備える慣例に従ったタイヤ構造を有するタイヤである。
図2に示すように、このタイヤは、トレッド部1に、タイヤ赤道面を中心にしたトレッド接地幅TWの80%に相当する位置よりもタイヤ幅方向外側の両領域をそれぞれショルダー領域Rsとし、ショルダー領域Rsよりタイヤ幅方向内側をセンター領域Rcとし、少なくともショルダー領域Rs(ここではショルダー領域Rs及びセンター領域Rc)に縦溝7a及び横溝7bにより区画された複数のブロック8を有するブロックパターンを備える。
各ショルダー領域Rsには、トレッド部1のタイヤ幅方向の接地端TEを跨ってそれぞれ延びる外側ブロック8aが、互いにタイヤ周方向に並んで複数配置されて外側ブロック列L1が形成されている。また、外側ブロック列L1のタイヤ幅方向内側には、内側ブロック8bが互いにタイヤ周方向に並んで複数配置されて複数の内側ブロック列L2〜L7が形成されている。ここで、外側ブロック列L1のタイヤ幅方向内側の内側ブロック列を、タイヤ幅方向外側から内側へ向けて順に内側ブロック列L2〜L7とする。内側ブロック列L2〜L5の内側ブロック8bは後述するブロック群Gを構成する。
内側ブロック8bの表面輪郭形状は任意の形状とすることができるが、特にブロック群G内の内側ブロック8bは多角形(ここでは略八角形)とするのが好ましい。この形状とすることで、タイヤ表面の接地面積を十分に確保することができるからである。また、個々の内側ブロック8bを独立に可動としつつ、隣接する内側ブロック8b同士で、内側ブロック8bの倒れ込みを相互に支え合うことができるからである。
また、ブロック群G内の内側ブロック8bはそれぞれ千鳥状に配置されている。すなわち、タイヤ幅方向に隣接する内側ブロック列L2〜L5を形成する各内側ブロック8b同士は、タイヤ周方向に位相が異なるように配置されている。ここで、「タイヤ周方向に位相が異なる」とは、例えば図2の例において、第1の内側ブロック列L2の内側ブロック8bと、第2の内側ブロック列L3の内側ブロック8bとが、半ピッチずつタイヤ周方向にずれた状態のことを言う。このような千鳥状配置を採用することで、ブロック群G内のブロック個数密度を容易に増大させることができるとともに、ブロック群G内の内側ブロック8bのタイヤ幅方向の接地タイミングをずらすことができるので、パターンノイズを低減することもできる。
ブロック群G内の内側ブロック8bの大きさを小さくすればするほど、また密集度を高くすればするほどパターントータルでのブロックエッジは増大するが、ブロック個数密度の好適範囲は以下の通りである。すなわち、ブロック群Gの任意の内側ブロック列L2〜L5における内側ブロック8bのタイヤ周方向の基準ピッチ長さをPL(mm)とし、各ブロック群Gの幅をW(mm)とし、これらの基準ピッチ長さPLとブロック群のWとで区画される基準区域Z(図2中斜線で示す領域)内に存在する内側ブロック8bの個数をa(個)とし、各基準区域Z内のネガティブ率をN(%)としたとき、
Figure 2011051405
として表される、ブロック群Gの単位実接地面積当りの内側ブロック8bの個数(ブロック個数密度S)は、0.003(個/mm)以上0.04(個/mm)以下である。ブロック個数密度Sは、ブロック群G内の全ての内側ブロック8bの実接地面積(溝分を除いた面積)中の単位面積(mm)当りに何個の内側ブロック8bがあるかということを密度として表現したものである。ちなみに、例えば通常のスタッドレスタイヤの場合には、この密度Sは概ね0.002以下となる。なお、ブロック群Gの基準区域Z内の内側ブロック8bの個数aをカウントするに際して、内側ブロック8bが基準区域Zの内外に跨って存在し、1個として数えることができない場合は、基準区域Zを跨る内側ブロック8bの表面積に対する、基準区域内に残った内側ブロック8bの残存面積の比率を用いて数えることとする。例えば、基準区域Zの内外に跨り、基準区域Z内にその半分しか存在しない内側ブロック8bの場合は、1/2個と数えることができる。
ブロック群Gにおけるブロック個数密度Sが0.003(個/mm)未満の場合は、サイプの形成なしには、ブロックエッジの増大を図ることは難しく、一方、ブロック個数密度Sが0.04(個/mm)を超えると内側ブロック8bの大きさが小さくなり過ぎて所要のブロック剛性の実現が難しい。また、ブロック群Gにおけるブロック個数密度Sを、0.0035〜0.03個/mmの範囲内とすれば、ブロック剛性の確保とブロックエッジ増大との両立をより高い次元で達成することができる。
なお、ブロック群Gにおけるネガティブ率Nは5%〜50%とすることが好ましい。ブロック群Gにおけるネガティブ率Nが5%未満の場合は、溝面積が小さ過ぎ排水性が不十分となる他、内側ブロック8b個々の大きさが大きくなり過ぎて本発明が狙いとするところのブロックエッジの増大を図り難くなり、一方、50%を超えると接地面積が小さくなり過ぎて、操縦安定性が低下するおそれがあるからである。
また、この実施形態では、センター領域Rcの内側ブロック列L6、L7の各内側ブロック8bの表面積は、ブロック群Gを構成する内側ブロック列L2〜L5の各内側ブロック8bの表面積よりも大きく、内側ブロック列L6、L7のブロック個数密度Sは0.003〜0.04(個/mm)の範囲外であるが、センター領域Rcにも、ブロック個数密度Sが0.003〜0.04(個/mm)の範囲内となるブロック群を設けても良い。
そしてこのタイヤの特徴とするところは、各ショルダー領域Rsにて、外側ブロック列L1における外側ブロック8aと、この外側ブロック列L1のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bとのなす距離d1(最小値)が、該第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bと、この第1の内側ブロック列L2のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第2のブロック列L3における内側ブロック8bとのなす距離d2(最小値)よりも大きいことである。
さらにこのタイヤでは、第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bと、第2の内側ブロック列L3における内側ブロック8bとのなす距離d2(最小値)は、該第2の内側ブロック列L3における内側ブロック8bと、第3の内側ブロック列L4における内側ブロック8bとのなす距離d3(最小値)よりも大きい。
かかる実施形態のタイヤにあっては、タイヤ赤道面を中心にしたトレッド接地幅の80%に相当する位置よりもタイヤ幅方向外側のショルダー領域Rsに、ブロック個数密度を0.003〜0.04(個/mm)とし、ブロック8a、8bを密集配置してなるブロック群Gを設けたことから、ブロック剛性の低下をある程度回避しつつ(つまりドライ性能を確保しつつ)、ブロックエッジを増大することができる。また、ブロック群Gにて内側ブロック8bの表面積を従来に比べて十分小さくすることができるので、内側ブロック8b個々の接地性を向上させるとともに、内側ブロック8bの表面における中央域から周縁までの距離を小さくしてブロック表面中央域での水膜をブロック接地時に効率的に除去することが可能となる。
また、外側ブロック列L1における外側ブロック8aと、この外側ブロック列L1のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bとのなす距離d1を、該第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bと、この第1の内側ブロック列L2のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第2のブロック列L3における内側ブロック8bとのなす距離d2よりも大きくしたことから、図1(b)に示すように、前述したトレッド接地端付近に生じる横力Pを受けた場合でも、トレッドの接地端TE近くのブロック間(外側ブロック8aと内側ブロック8bとの間、内側ブロック8bと内側ブロック8bとの間)の縦溝7aの溝閉じを抑制してブロックエッジの機能を発揮させることができるとともに、溝本来の機能を発揮させることができるので、ブロック群Gにおける内側ブロック8bの密集配置によるブロックエッジの増大分に見合ったウェット性能向上の効果を発揮させるができる。
したがって、このタイヤによれば、タイヤ接地時におけるブロック群G内での溝閉じを抑制することによりブロックの密集配置によるブロックエッジの増大分に見合ったウェット性能の向上を図ることができるので、ウェット性能とドライ性能との両立を高い次元で実現させることができる。
また、この実施形態のタイヤによれば、第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bと、第2の内側ブロック列L3における内側ブロック8bとのなす距離d2を、該第2の内側ブロック列L3における内側ブロック8bと、第3の内側ブロック列L3における内側ブロック8bとのなす距離d3よりも大きくしたことから、トレッド接地端TEに近づくに連れて上記溝閉じが大きくなるという特性に合わせて縦溝7aの溝幅を設定できるのでより効果的にウェット性能を高めることができる。
さらに、ショルダー領域Rcにブロック個数密度が0.003〜0.04(個/mm)となるブロック群を設けたタイヤは、転がり抵抗の低減に非常に有利となる。なぜなら、このような比較的小さな内側ブロック8bを設けることで、転がり抵抗に支配的となるベルト端近傍のトレッド部1を細分化でき(すなわちベルト端付近のトレッド部を柔軟にでき)、タイヤ負荷転動時のトレッド部1のエネルギーロスを顕著に低減することができるからである。
次いで、この発明の他の実施形態を図4を参照して説明する。この図に示すタイヤは、トレッド部1のショルダー領域Rsのタイヤ幅方向内側に隣接してタイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝10を配置したものである。外側ブロック8a及び内側ブロック8bのブロック高さは、周方向主溝10の溝深さの60〜100%とすることが好ましく、より好ましくは70〜90%である。周方向主溝10のタイヤ幅方向外側には、ブロック群Gを構成する内側ブロック列L2〜L4が配置される。外側ブロック列L1における外側ブロック8aと、内側ブロック列である第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bとのなす距離d1(最小値)は、該第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bと、第2のブロック列L3における内側ブロック8bとのなす距離d2(最小値)よりも大きく、さらに、上記距離d2(最小値)は、該第2の内側ブロック列L3における内側ブロック8bと、第3の内側ブロック列L4における内側ブロック8bとのなす距離d3(最小値)よりも大きい。これによれば、周方向主溝10によって十分な排水性を確保することができるので、ウェット性能をさらに高めることができる。
次に、この発明に従う実施例1、2のタイヤ、従来技術に従う従来例1のタイヤ及び比較例1、2のタイヤをそれぞれ試作し、各種の性能評価を行ったので、以下説明する。
実施例1のタイヤは、図2に示すトレッドパターンをトレッド部に有する、195/65R15サイズの乗用車用ラジアルタイヤである。このタイヤは、タイヤ赤道面を中心にしたトレッド接地幅の70%に相当する位置とタイヤ幅方向の接地端TEとの間に、縦溝7a及び横溝7bにより区画形成された独立した複数の内側ブロック8bを密集配置したブロック群Gを有する。また、センター領域Rcには、縦溝7a及び横溝7bによって区画形成された長方形のブロック8b(タイヤ周方向の長さ30mm、タイヤ幅方向の長さ20mm)が配置されている。内側ブロック8a及び外側ブロック8bのブロック高さは、6.7mmである。そして、ブロック群Gにおいて外側ブロック列L1における外側ブロック8aと、内側ブロック列である第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bとのなす距離d1(最小値)は、該第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bと、第2のブロック列L3における内側ブロック8bとのなす距離d2(最小値)よりも大きく、さらに、上記距離d2(最小値)は、該第2の内側ブロック列L3における内側ブロック8bと、第3の内側ブロック列L4における内側ブロック8bとのなす距離d3(最小値)よりも大きい。他の諸元は表1に示すとおりである。
実施例2のタイヤは、図4に示すトレッドパターンをトレッド部に有する、195/65R15サイズの乗用車用ラジアルタイヤである。このタイヤは、タイヤ赤道面を中心にしたトレッド接地幅の70%に相当する位置とタイヤ幅方向の接地端TEとの間に、縦溝7a及び横溝7bにより区画形成された独立した複数の内側ブロック8bを密集配置したブロック群Gを有する。内側ブロック8a及び外側ブロック8bのブロック高さは、6.7mmである。そして、ブロック群Gにおいて外側ブロック列L1における外側ブロック8aと、内側ブロック列である第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bとのなす距離d1(最小値)は、該第1の内側ブロック列L2における内側ブロック8bと、第2のブロック列L3における内側ブロック8bとのなす距離d2(最小値)よりも大きく、さらに、上記距離d2(最小値)は、該第2の内側ブロック列L3における内側ブロック8bと、第3の内側ブロック列L4における内側ブロック8bとのなす距離d3(最小値)よりも大きい。またこのタイヤは、タイヤ赤道面を中心にしたトレッド接地幅の65%に相当する両位置に、タイヤ周方向に沿って延び、12mmの溝幅、8.3mmの溝深さを有する周方向主溝10がそれぞれ配置されている。実施例2のタイヤにおける他の諸元は表1に示すとおりである。
比較のため、195/65R15サイズの乗用車用ラジアルタイヤであり、図5に示すトレッドパターンを有する従来例1のタイヤを併せて試作した。従来例1のタイヤは、実施例2のタイヤとセンター領域Rcの構成は同じものの、ショルダー領域Rsに、ブロック群に代えてタイヤ周方向に沿って延びるリブ状陸部15を配置したものである。該リブ状陸部15内には、タイヤ幅方向に延びる多数のサイプ16刻まれている。
さらに比較のため、195/65R15サイズの乗用車用ラジアルタイヤであり、トレッド部に図6に示すトレッドパターンを有する比較例1、2のタイヤについても併せて試作した。比較例1、2のタイヤは、実施例2のタイヤとトレッド部の基本的な構成は同じものの、距離d1、d2、d3を全て等しくしたものである。比較例1のタイヤと比較例2のタイヤは距離d1、d2、d3の大きさが相互に異なる。その他の諸元を表1に示す。
Figure 2011051405
(性能評価)
上記各供試タイヤについて、以下の試験を行って性能を評価した。
(1)ウェットブレーキ性能評価試験
ウェットブレーキ性能は、サイズ6JJ×15のリムに組み付け、210kPa(相対圧)としてアンチロックブレーキシステム搭載の車両に装着し、ドライバー1名乗車荷重の下、水深1.0mmの湿潤路面を時速80km/hからフル制動したときの制動距離を測定し、その測定した距離から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほどウェットブレーキ性能が良好であることを示す。
(2)転がり抵抗評価試験
転がり抵抗は、空気圧を210kPa(相対圧)、荷重4.41kNという条件で時速
80kmの転がり抵抗値を室内ドラム試験機にて測定した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど転がり抵抗が良好であることを示す。
(3)耐摩耗性能評価試験
耐摩耗性能は、サイズ6JJ×15のリムに組み付け、210kPa(相対圧)として車両に装着し、ドライバー1名乗車荷重の下、10,000km走行し(一般道:40%、高速路:50%、山坂路:10%の割合)、そのときの残溝量を測定して評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど耐摩耗性能が良好であることを示す。
Figure 2011051405
表2に示す結果から、本発明の適用により、比較例1のタイヤと比較してウェット性能が向上することが分かった。また、比較例2のタイヤのように、距離d1、d2、d3を単に大きくすれば、耐摩耗性能が低下することが分かる。したがって、実施例1、2のようにd1>d2>d3とすることにより、耐摩耗性能を確保しつつウェットブレーキ性能を向上させることができることが分かる。
かくしてこの発明によれば、ブロックの密集配置によるパターンエッジの増大分に見合ったウェット性能の向上を図ることにより、ウェット性能とドライ性能との両立を高い次元で実現することができる。
1 トレッド部
2 ショルダー部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 カーカス
6 ベルト層
7a 縦溝
7b 横溝
8a 外側ブロック
8b 内側ブロック
10 周方向主溝

Claims (3)

  1. タイヤ赤道面を中心にしたトレッド接地幅の80%に相当する位置よりもタイヤ幅方向外側の両領域をそれぞれショルダー領域とし、少なくとも該ショルダー領域に複数のブロックを密集配置してなる空気入りタイヤにおいて、
    少なくとも一方のショルダー領域にて、トレッドのタイヤ幅方向の接地端を跨ってそれぞれ延びて前記ブロックの一部を構成する外側ブロックを、互いにタイヤ周方向に並んで複数配置した外側ブロック列と、
    少なくとも該ショルダー領域に配置されて前記ブロックの一部を構成する内側ブロックを互いにタイヤ周方向に並んで複数配置した内側ブロック列の複数列からなるブロック群と、を備え、
    前記外側ブロック列における外側ブロックと、この外側ブロック列のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第1の内側ブロック列における内側ブロックとのなす距離を、該第1の内側ブロック列における内側ブロックと、この第1の内側ブロック列のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第2のブロック列における内側ブロックとのなす距離よりも大きくしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記空気入りタイヤは、前記ブロック群内に、前記第2の内側ブロック列のタイヤ幅方向内側に隣接する内側ブロック列である第3の内側ブロック列を有し、
    前記第1の内側ブロック列における内側ブロックと、前記第2の内側ブロック列における内側ブロックとのなす距離は、該第2の内側ブロック列における内側ブロックと、前記第3の内側ブロック列における内側ブロックとのなす距離よりも大きい、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ブロック群の幅をW(mm)、該ブロック群内の任意の内側ブロック列における内側ブロックの基準ピッチ長さをPL(mm)、該ブロック群の幅Wと該基準ピッチ長さPLとで区画されるブロック群の基準区域内に存在する内側ブロックの個数をa(個)、該基準区域内のネガティブ率をN(%)としたとき、S=a/{PL×W×(1−N/100)}で与えられる前記ブロック群の単位実接地面積当たりのブロック個数密度S(個/mm)を、0.003〜0.04の範囲内とした、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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