JP2011047824A - エンコーダーのオフセット値補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンコーダーを実際に使用する度にオフセット値を補正する場合でも、エンコーダー出力を大きく変動させることなく、オフセット値を適正な値に迅速に補正することのできるエンコーダーのオフセット値補正方法を提供すること。
【解決手段】エンコーダー1を工場から出荷した以降、エンコーダー1を実際に使用している期間中、オフセット値の更新を行なう。かかるオフセット値の更新を行なうにあたっては、エンコーダー1での検出動作を開始した際の出力信号の理想状態からのズレ量ΔA、ΔBを検出し、ズレ量ΔA、ΔBの一部を相殺するようにオフセット値を大きなゲインで補正する第1補正工程を行なった後、第1補正工程よりも小さなゲインでオフセット値を補正する第2補正工程を行なう。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転体の角度位置を検出するエンコーダーにおいて角度位置の検出結果の誤差を補正するためのオフセット値の補正技術に関するものである。
可動被検出物の変位量や変位の絶対値を検出する装置として、磁気式エンコーダーなどが知られている。かかる磁気式エンコーダーでは、例えば、可動被検出物に連動して1極対の永久磁石(回転体)を回転させ、その磁界変化をMR素子などのセンサ素子で検出することによって得られたSin信号およびCos信号をAD変換した後、Sin信号およびCos信号の逆正接(アークタンジェント)信号を計算し、その逆正接信号を利用することによって永久磁石の角度位置の絶対値を検出する。
ここで、逆正接信号の位相をパラメータとし、Sin信号を直交座標系のY座標、Cos信号を直交座標系のX座標としてプロットすると、いわゆるリサージュ波形が得られる(例えば、特許文献1参照)。
このようなリサージュ波形は、Sin信号とCos信号がノイズ等のない理想的な信号と仮定すると、中心ズレや歪のない円形となる。しかしながら、実際は、センサ素子のばらつき等によって、中心がずれた円形、すなわち、Y座標とX座標の交点からリサージュ波形の円周上までの距離が異なる場合がある。そのため、エンコーダーを工場から出荷する際には、オフセット値補正幅をかけておくのが一般的である。
特開2008−2904号公報
しかしながら、エンコーダーを工場から出荷する際にオフセット値補正幅をかけた場合でも、MR素子の温度特性や、MR素子の検出信号をAD変換器に入力するまでの増幅回路の温度特性等によって、角度位置の検出結果に誤差が発生するという問題点がある。より具体的には、出荷時のオフセット調整環境と異なる温度条件下でエンコーダーが使用されると、Sin信号とCos信号にオフセット誤差が生じるが、かかる誤差は、使用環境の影響を受けるため、予め予測して対処するのが困難である。
ここに本願発明者は、出荷以降、エンコーダーを実際に使用している間、オフセット値を逐次補正することを提案するものである。但し、エンコーダーを実際に使用している間にオフセット値を補正する場合、オフセット値を急峻に補正するとエンコーダー出力が大きく変動してエンコーダーを搭載した機器が誤作動するという問題がある一方、オフセット値の補正を緩やかに行なうと検出誤差が発生した状態がいつまでも続くという問題がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、エンコーダーを実際に使用する度にオフセット値を補正する場合でも、エンコーダー出力を大きく変動させることなく、オフセット値を適正な値に迅速に補正することのできるエンコーダーのオフセット値補正方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明を適用したエンコーダーのオフセット値補正方法では、回転体の回転に連動して変化するセンサ素子の出力信号に基づいて前記回転体の角度位置を検出するエンコーダーにおいて、前記角度位置の検出結果の誤差を解消するために前記出力信号を補正するオフセット値を最適化するにあたって、前記エンコーダーへの電源供給を開始する度に前記オフセット値を補正する補正工程を行ない、当該補正工程では、前記出力信号の理想状態からのズレ量を検出し、当該ズレ量に基づいて前記オフセット値を補正する第1補正工程と、該第1補正工程の後、当該第1補正工程よりも小さなゲインで前記オフセット値を補正する第2補正工程と、を行なうことを特徴とする。
本発明では、エンコーダーを工場から出荷した以降、エンコーダーを実際に使用している期間中、オフセット値の補正を行なう。このため、出荷時のオフセット調整環境と異なる温度環境下でエンコーダーが使用された場合でも、オフセット値は、かかる温度環境に応じた最適な値に更新される。このため、出荷時のオフセット調整環境と異なる温度環境下でエンコーダーが使用された場合でも、オフセット誤差が発生することを防止することができる。また、オフセット値を更新するにあたっては、エンコーダーでの検出動作を開始した際の出力信号の理想状態からのズレ量を検出し、当該ズレ量に基づいて第1補正工程を行なった後、第1補正工程よりも小さなゲインでオフセット値を補正する第2補正工程を行なう。このため、エンコーダーの動作を開始した直後、第1補正工程でオフセット値の補正を急峻に行い、その後、第2補正工程ではオフセット値を穏やかに補正することになる。このため、オフセット値を適正な値に迅速に補正することができるとともに、エンコーダーの出力が大きく変動するという事態が発生しない。
本発明において、前記第2補正工程では、該第2補正工程を行なう度に前記出力信号の理想状態からのズレ量を検出するとともに、当該ズレ量に基づいて、前記オフセット値を補正することが好ましい。
本発明において、前記第2補正工程では、前記出力信号の理想状態からのズレ量を検出する度に当該ズレ量の総和を算出し、当該総和に基づいて、前記オフセット値に対する補正幅を決定することが好ましい。このように構成すると、オフセット値を最適な値に徐々に近づけることができる。
本発明において、前記出力信号は、例えば、互いにπ/2の位相差あるいは略π/2の位相差を有するA相信号、およびB相信号であり、前記第1補正工程および前記第2補正工程では、前記A相信号と前記B相信号とに基づいてXY座標軸上にリサージュ波形を形成した際、当該リサージュ波形と前記Y軸とが交差する2つの交点のX軸からの距離が等しく、かつ、前記リサージュ波形と前記X軸とが交差する2つの交点のY軸からの距離が等しくなる方向に前記オフセット値を補正する。このように構成すると、回転体が電気角で270°回転するだけで、リサージュ波形がY軸およびY軸が交差する点を求めることができ、かかる検出結果からズレ量を算出することができる。
本発明において、前記A相信号はSin波であり、前記B相信号はCos波であることが好ましい。このように構成すると、Sin波のA相信号のピーク値、およびCos波のB相信号のピーク値が各々、リサージュ波形がY軸およびY軸が交差する点に相当する。従って、Sin波のA相信号のピーク値、およびCos波のB相信号のピーク値を求めるだけで、ズレ量を算出することができる。
本発明では、エンコーダーを工場から出荷した以降、エンコーダーを実際に使用している期間中、オフセット値の補正を行なう。このため、出荷時のオフセット調整環境と異なる温度環境下でエンコーダーが使用された場合でも、オフセット値は、かかる温度環境に応じた最適な値に更新される。このため、出荷時のオフセット調整環境と異なる温度環境下でエンコーダーが使用された場合でも、オフセット誤差が発生することを防止することができる。また、オフセット値を更新するにあたっては、エンコーダーでの検出動作を開始した際の出力信号の理想状態からのズレ量を検出し、当該ズレ量に基づいて第1補正工程を行なった後、第1補正工程よりも小さなゲインでオフセット値を補正する第2補正工程を行なう。このため、エンコーダーの動作を開始した直後、第1補正工程でオフセット値の補正を急峻に行い、その後、第2補正工程ではオフセット値を穏やかに補正することになる。このため、オフセット値を適正な値に迅速に補正することができるとともに、エンコーダーの出力が大きく変動するという事態が発生しない。
本発明の実施の形態に係るオフセット値補正方法が行われるエンコーダーのハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明を適用したエンコーダーで用いたマイクロコンピューターの機能を示すブロック図である。 本発明を適用したエンコーダーで用いたズレ量検出部でズレ量を検出する際に用いられるリサージュ波形の説明図である。 本発明を適用したエンコーダーで用いたズレ量検出部で行なわれるズレ量検出処理の内容を示すフローチャートである。 本発明を適用したエンコーダーにおいてオフセット値を補正した場合の具体例を示す説明図である。 本発明を適用したエンコーダーにおける永久磁石の検出誤差のシミュレーション結果を示す説明図である。
図面を参照しながら、本発明を適用したエンコーダーのオフセット値補正方法を説明する。
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るオフセット値補正方法が行われるエンコーダーのハードウェア構成を示すブロック図であり、図1(a)、(b)は、ハードウェア構成の概略を示す説明図、およびハードウェア構成のイメージ図である。
図1(a)、(b)に示すように、本発明を適用したエンコーダー1は、回転体の回転に連動して出力信号が変化するMR素子10(MR Element/センサ素子)と、マイクロコンピューター20とを有しており、本形態では、「回転体」として、S極とN極の磁極が一対着磁された永久磁石11が用いられている。このため、エンコーダー1では、MR素子10からマイクロコンピューター20に向けて、互いにπ/2の位相差あるいは略π/2の位相差を有するSin信号(A相信号)とCos信号(B相信号)とが入力される。より具体的には、MR素子10は、回転体の回転に対応して正弦波状のSin信号を出力するA相センサと、回転体の回転に対応して正弦波状のCos信号を出力するB相センサとを有している。なお、図1(a)では、A相センサおよびB相センサの一構成要素となるMR素子10しか図示していないが、その他、例えば、整流回路、ローパスフィルタ、差動増幅アンプ、MR素子10に励磁電流を供給するドライバなどの各種電気要素によって、A相センサおよびB相センサが構成される。マイクロコンピューター20は、Interpolatorと、RS422ドライバやオープンコレクタなどの電気要素を有しているが、その他如何なる要素を有していてもよい。
図1(a)に示すように、マイクロコンピューター20は、A/D変換部21を有しており、A/D変換部21によってアナログ信号はデジタル化される。また、図1では特に図示していないが、マイクロコンピューター20は、CPU、ROM、RAM等の各種電気要素を有しており、永久磁石11の角度位置を算出する機能、リサージュ波形を算出する機能に加えて、後述するオフセット値補正機能を有している。すなわち、マイクロコンピューター20では、RAM/ROM等の記憶媒体に上記の機能(永久磁石11の角度位置の算出、リサージュ波形の算出、オフセット値の補正)を実行する各種プログラムが格納されており、CPUは、適宜そのプログラムを読み出して、RAMをワーキングエリアとしつつ、各種処理を実行する。
[マイクロコンピューター20の構成]
図2は、本発明を適用したエンコーダーで用いたマイクロコンピューター20の機能を示すブロック図である。
図1に示すエンコーダー1では、MR素子10のばらつき等によって、永久磁石11(回転体)の回転と、MR素子10からの出力信号の波形との関係にズレが発生する場合があるため、エンコーダー1を工場から出荷する際、エンコーダー1には、オフセット値(固定オフセット値)が設定されている。但し、出荷時のオフセット調整環境と異なる温度環境下でエンコーダー1が使用された場合、出荷時に設定された固定オフセット値では、誤差が生じてしまう。そこで、本形態のエンコーダー1では、エンコーダー1を実際に使用している間、オフセット値を逐次補正することができるように、マイクロコンピューター20は以下のように構成されている。
まず、マイクロコンピューター20は、MR素子10からの出力信号(アナログ信号/A相信号およびB相信号)をデジタル信号に変換するA/D変換部21と、最新オフセット値をA/D変換部21の出力から減算するオフセット補正部50とを備えており、オフセット補正部50で算出された信号は角度位置検出部30に出力される。ここで、A/D変換部21は少数部を持たない10ビットのデータであるのに対して、オフセット補正部50で用いられるオフセット値は少数部をもつ14ビットのデータである。このため、MR素子10からの出力信号には、4ビット22が加算されて14ビットのデータに変換される。この4ビット22により0.0625(1/16)の分解能をもつようになる。また、角度位置検出部30は、CORDIC(Coordinate Rotation Digital Computor)アルゴリズムによる角度計算部33を備えている。このため、角度位置検出部30は、14ビットのデータに更に1ビット加算して15ビットに変換する変換部31を備えており、角度計算の精度を上げている。従って、永久磁石11が回転した際の磁界変化をMR素子10で検出し、かかる検出結果(Sin信号およびCos信号)に基づいて、角度計算部33がSin信号およびCos信号の逆正接信号を計算すれば、永久磁石11の角度位置の絶対値を検出することができる。それ故、オフセット補正部50で用いられるオフセット値として、工場出荷前に永久磁石11(回転体)の回転と、MR素子10からの出力信号の波形との関係にズレを補正するためのオフセット値(固定オフセット値COfsA、COfsB)を用いれば、工場出荷前にオフセット調整した環境と同一の温度条件下でエンコーダー1を使用する限り、永久磁石11の角度位置の絶対値を高い精度で検出することができる。
[オフセット値更新部の構成]
本形態では、出荷時のオフセット調整環境と異なる温度環境下でエンコーダー1が使用された場合でも、オフセット値を最適な値に設定することを目的に、エンコーダー1への電源供給を開始する度にオフセット値を補正するオフセット値更新部100が構成されている。かかるオフセット値更新部100は、後述するデータa1、a2とデータb1、b2がそれぞれX軸とY軸の交点から略等距離になるようにオフセット値を加減してそれぞれの誤差を補正するものである。
本形態において、オフセット値更新部100は概ね、永久磁石11(回転体)の回転と、MR素子10からの出力信号の波形との関係のズレ量ΔA、ΔBを検出するズレ量検出部60と、ズレ量検出部60で検出されたズレ量および固定オフセット値COfsA、COfsBに基づいて最新オフセット値NOfsA、NOfsBを決定する最新オフセット値決定部70と、最新オフセット値決定部70で決定された最新オフセット値NOfsA、NOfsBをオフセット補正部50に出力する最新オフセット値出力部80とを有している。
まず、ズレ量検出部60は、後述するデータa1、a2、b1、b2を取得するデータ取得部61と、データa1、a2、b1、b2が得られたか否かを判別するエラー判別部62と、データa1、a2、b1、b2が適正な位置にあるか否かを確認する取得結果確認部63と、データa1、a2、b1、b2の理想的な位置からのズレ量ΔA、ΔBを算出するズレ量算出部64とを備えている。
最新オフセット値決定部70は、ズレ量ΔA、ΔBに基づいて今回行なうオフセット更新の際のオフセット値補正幅ΔOfsA、ΔOfsBを決定するオフセット値補正幅決定部78と、オフセット値補正幅決定部78で決定されたオフセット値補正幅ΔOfsA、ΔOfsBに基づいて最新オフセット値NOfsA、NOfsBを算出する最新オフセット値算出部79とを備えている。本形態において、最新オフセット値算出部79は、オフセット値補正幅決定部78で決定されたオフセット値補正幅ΔOfsA、ΔOfsBと、固定オフセット値COfsA、COfsBとを加算して最新オフセット値NOfsA、NOfsBを算出する。
本形態において、オフセット値補正幅決定部78は、電源をオンした以降の補正回数nを監視する補正回数監視部75と、今回の補正が何回目の補正かによって所定のゲインでオフセット値補正幅ΔOfsA、ΔOfsBを算出するオフセット値補正幅算出部72とを備えている。また、本形態において、オフセット値補正幅決定部78は、2回目以降のズレ量ΔA、ΔBを加算してズレ量ΔA、ΔBの積分値SA、SBを求めるズレ量積分部71を備えている。
ここで、オフセット値補正幅算出部72および最新オフセット値算出部79は、補正回数監視部75での監視結果において、今回の補正が電源をオンした以降、1回目の補正である場合と、2回目以降の補正である場合とでは、処理条件を切り換える。具体的には、今回の補正が電源をオンした以降、1回目の補正である場合、オフセット値補正幅算出部72は、ズレ量ΔA、ΔBに乗じるゲイン2-xのxを1としてオフセット値補正幅ΔOfsA、ΔOfsBを算出し、最新オフセット値算出部79は、かかるオフセット値補正幅ΔOfsA、ΔOfsBと固定オフセット値COfsA、COfsBとを加算して最新オフセット値NOfsA、NOfsBを算出する。
これに対して、今回の補正が電源をオンした以降、2回目以降の補正である場合、オフセット値補正幅算出部72は、ズレ量積分部71で算出された値にゲイン2-xに乗じるとともに、ゲイン2-xのxを2としてオフセット値補正幅ΔOfsA、ΔOfsBを算出する。また、最新オフセット値算出部79は、1回目の補正では工場出荷前にオフセット調整された固定オフセット値COfsA、COfsBとし、2回目以降の補正では、1回目の補正で得られた最新オフセット値NOfsA、NOfsBを固定オフセット値COfsA、COfsBとし、かかる固定オフセット値COfsA、COfsBと、オフセット値補正幅ΔOfsA、ΔOfsBとを加算して最新オフセット値NOfsA、NOfsBを算出する。
(ズレ量検出部60の具体的な構成)
図3は、本発明を適用したエンコーダー1で用いたズレ量検出部60でズレ量ΔA、ΔBを検出する際に用いられるリサージュ波形の説明図である。図4は、本発明を適用したエンコーダー1で用いたズレ量検出部60で行なわれるズレ量検出処理の内容を示すフローチャートである。
本形態のエンコーダー1において、永久磁石11の回転とMR素子10からの出力信号の波形との関係のズレ量を検出するには、以下に説明するように、A相信号とB相信号とに基づいてXY座標軸上にリサージュ波形を形成した際のリサージュ波形とY軸とが交差する2つの交点のX軸からの距離の和に基づいてA相信号のズレ量ΔAが検出される、また、リサージュ波形とX軸とが交差する2つの交点のY軸からの距離の和に基づいてB相信号のズレ量ΔBが検出される。
より具体的には、まず、ズレ量検出部60において、データ取得部61は、図3(b)、(c)に示すリサージュ波形を算出する。この算出は、マイクロコンピューター20が、A/D変換部21により、所定のサンプリング周期でデジタル化されたSin信号(Sin値)とCos信号(Cos値)を取り込むことで行われる。次に、データ取得部61は、図3(b)、(c)に示すように、第1ステップで算出したXY平面上のリサージュ波形をもとに、リサージュ波形の円周上とX軸で交差する2点のそれぞれの近傍の2点のデータ(b1、b2)を取得する。また、同様にリサージュ波形とY軸で交差する2点のそれぞれの近傍の2点のデータ(a1、a2)を取得する。
より具体的には、図4(a)において、まず、Cos値がある基準値Lに対し、−L<Cos値<Lを満たすか否かを判断する(ステップS1)。ここで基準値Lは、Cos値が図3(a)に示す0近傍を特定するための値であって、次のような考えで基準値Lの範囲を設定する。図3(a)において、基準値Lの範囲内でのデータのサンプリング数は、永久磁石11の回転速度とA/D変換部21によるサンプリング周期により決定されるが、データa1、a2、b1、b2を特定するためには、データa1、a2、b1、b2の各々に対応する範囲に少なくとも1つ以上は基準値Lの範囲内にサンプリングされたデータが必要である。ここで、基準値Lの範囲を狭く設定した場合、X軸とY軸の「0」近傍により近い範囲を算出することが可能となる。しかしながら、基準値Lの範囲を狭く設定したことにより、サンプリングされたデータがこの基準値Lの範囲に入らない、すなわち、データの欠落のおそれがあり、データa1、a2、b1、b2を特定することができない。このようにデータの欠落が発生した場合には、補正計算が行われない、即ちオフセット値が新しく更新しないため、オフセット値の補正精度が悪くなってしまう。これに対して、基準値Lの範囲を広く設定した場合、サンプリングされたデータが基準値Lの範囲に入りやすくなり、データの欠落のおそれはなくなる。しかしながら、X軸とY軸の「0」近傍の範囲が広がってしまうため、データa1、a2、b1、b2を精度良く特定することができない。そのため、オフセット値の補正の精度も悪くなる。そのため、本実施の形態における基準値Lの範囲の設定は、永久磁石11の回転速度とA/D変換部21によるサンプリング周期の関係から、基準値Lの範囲内において、適切なサンプリング数が確保できるように設定している。
本形態では、図4(a)に示すステップS1の条件式を満たしていなければ(ステップS1:NO)、処理は終了する。一方、この条件を満たしていれば(ステップS1:YES)、データ取得部61は、2点のデータ(a1、a2)を取得する。次にSin値が0以上か否かを判断する(ステップS2)。そして、0以上である場合には(ステップS2:YES)、そのSin値をデータa1として特定し(ステップS3)、0より小さい場合には(ステップS2:NO)、そのSin値をデータa2として特定する(ステップS4)。その際、図2に示すズレ量検出部60において、エラー判別部62は、データa1、a2が適正に得られたか否かを判別し、取得結果確認部63は、データa1、a2の極性が逆であるか否かを確認する。そして、エラー判別部62がデータa1、a2が適正に得られ、かつ、取得結果確認部63がデータa1、a2の極性が逆であると確認したとき、データa1、a2が確定する。
こうして得られたデータa1、a2は、例えば、図3(b)、(c)に示すように、データa1、a2が略円形のリサージュ波形の円周上に位置する。ここで、オフセットがある場合、データa1、a2はそれぞれX軸とY軸の交点Dからの距離が異なる距離となることになる。すなわち、データa1に相当する位置からX軸までの距離と、データa2に相当する位置からX軸までの距離は異なっている。従って、図2に示すズレ量検出部60において、ズレ量算出部64は、データa1、a2のY座標を加算した値(=a1+a2)によりA相のズレ量ΔAを算出する。
一方で、マイクロコンピューター20のCPUは、図4(b)に示すように、Sin値が、−L<Sin値<Lを満たすか否かを判断する(ステップS11)。この条件式を満たしていなければ(ステップS11:NO)、処理は終了する。一方、この条件を満たしていれば(ステップS11:YES)、データ取得部61は、2点のデータ(b1、b2)を取得する。次にCos値が0以上か否かを判断する(ステップS12)。そして、0以上である場合には(ステップS12:YES)、そのCos値をデータb1として特定し(ステップS13)、0より小さい場合には(ステップS12:NO)、そのCos値をデータb2として特定する(ステップS14)。その際、図2に示すズレ量検出部60において、エラー判別部62は、データb1、b2が得られたか否かを判別し、取得結果確認部63は、データb1、b2の極性が逆であるか否かを確認する。そして、エラー判別部62がデータb1、b2が適正に得られ、かつ、取得結果確認部63がデータb1、b2の極性が逆であると確認したとき、データb1、b2が確定する。
こうして得られたデータb1、b2は、例えば、図3(b)、(c)に示すように、データb1、b2が第1ステップで算出した略円形のリサージュ波形の円周上に位置する。ここで、オフセットがある場合、データb1、b2はそれぞれX軸とY軸の交点Dからの距離が異なる距離となる。すなわち、データb1に相当する位置からY軸までの距離と、データb2に相当する位置からY軸までの距離は異なっている。従って、図2に示すズレ量検出部60において、ズレ量算出部64は、データb1、b2のX座標を加算した値(=b1+b2)によりB相のズレ量ΔBを算出する。
[オフセット値補正方法]
図5は、本発明を適用したエンコーダーにおいてオフセット値を補正した場合の具体例を示す説明図である。図6は、本発明を適用したエンコーダーにおける永久磁石11(回転体)の検出誤差のシミュレーション結果を示す説明図である。
本形態において、図2に示すオフセット値更新部100は、上記のデータa1、a2とデータb1、b2がそれぞれX軸とY軸の交点から略等距離になるようにオフセット値を加減してそれぞれの誤差を補正するものである。
本形態のエンコーダー1を機器に搭載した後は、エンコーダー1への電源供給を開始する度にオフセット値を補正する補正工程を行なう。その際、補正工程では、以下に説明するように、エンコーダー1での検出動作を開始した際の出力信号の理想状態からのズレ量ΔA、ΔBを検出し、ズレ量ΔA、ΔBを相殺するようにオフセット値を第1ゲインで補正する最初の第1補正工程と、第1補正工程の後、第1補正工程よりも小さな第2ゲインでオフセット値を補正する第2補正工程とを行なう。なお、A相信号およびB相信号に対するオフセット値の補正方法は同一であるため、以下の説明では、A相信号に対するオフセット値の補正方法のみを説明し、B相信号に対するオフセット値の補正方法の説明は省略する。
(第1補正工程)
まず、エンコーダー1への電源供給を開始し、永久磁石11が少なくとも135°回転すると、A相信号は、オフセット補正部50による補正が行なわれた後、角度位置算出部30に入力される。かかる最初の工程では、オフセット補正部50で用いられるオフセット値は、固定オフセット値COfsAである。
その際、まず、1回目のオフセット値更新工程(第1補正工程)を行なう。具体的には、オフセット値更新部100において、ズレ量検出部60は、図4を参照して説明したズレ量ΔAを検出する。次に、最新オフセット値決定部70において、補正回数監視部75が、今回の補正が電源供給を開始してから1回目の補正であると判断した場合(n=1)、オフセット値補正幅決定部78および最新オフセット値算出部79は各々、以下の手順でオフセット値補正幅ΔOfsAおよび最新オフセット値NOfsAを算出する。具体的には、オフセット値補正幅算出部72は、ズレ量ΔAに乗じるゲイン2-xのxを1としてオフセット値補正幅ΔOfsAを算出し、最新オフセット値算出部79は、かかるオフセット値補正幅ΔOfsAと固定オフセット値COfsAとを加算して最新オフセット値NOfsAを算出する。
ここで、図5に示すように、工場出荷時の固定オフセット値COfsAを「512」とし、今回、データa1、a2が以下の条件
a1+a2=0
を満たすようにオフセット値補正幅するためのオフセット値(最適オフセット値)を「516」とする。かかる条件の場合、ズレ量ΔA(=(a1+a2))は「8」である。
従って、最新オフセット値決定部70において、オフセット値補正幅算出部72は、ズレ量ΔA(=8)に対してゲイン2-x(x=1)を乗算して、オフセット値補正幅ΔOfsA(=4)を算出する。
次に、最新オフセット値決定部70において、最新オフセット値算出部79は、オフセット値補正幅決定部78で決定されたオフセット値補正幅ΔOfsA(=4)に対して固定オフセット値COfsA(=512)を加算し、最新オフセット値NOfsA(=516)を求め、最新オフセット値出力部80に出力する。その結果、最新オフセット値出力部80は、最新オフセット値NOfsA(=516)をオフセット補正部50に出力する。
かかる第1補正工程における各値は以下の条件
工場出荷時の固定オフセット値COfsA=512
最適オフセット値=516
ズレ量ΔA=8
オフセット値補正幅ΔOfsA=ΔA/ゲイン2-x=ΔA/2=4
最新オフセット値NOfsA
=固定オフセット値COfsA+オフセット値補正幅ΔOfsA
=516
となるので、最新オフセット値NOfsAは、最適オフセット値(=516)と一致することになる。このようにして、1回目のオフセット値更新工程でのオフセット値補正幅が完了する。
次に、永久磁石11が次の回転を行なうと、A相信号は、オフセット補正部50による補正が行なわれた後、角度位置算出部30に入力される。今回の工程では、オフセット値補正幅部50で用いられるオフセット値は、最新オフセット値NOfsA(=516)である。
(第2補正工程)
次に、2回目以降のオフセット値更新工程(第2補正工程)を説明する。2回目以降のオフセット値更新工程(第2補正工程)でも、オフセット値更新部100において、ズレ量検出部60は、1回目と同様、図4を参照して説明したズレ量ΔAを検出する。
次に、最新オフセット値決定部70において、補正回数監視部75が、今回の補正が電源供給を開始してから2回目の補正であると判断すると(n>2)、オフセット値補正幅決定部78および最新オフセット値算出部79は各々、以下の手順でオフセット値補正幅ΔOfsAおよび最新オフセット値NOfsAを算出する。具体的には、ズレ量積分部71は、2回目以降のズレ量ΔAを加算してズレ量ΔAの積分値SAを求め、オフセット値補正幅算出部72は、ズレ量ΔAに乗じるゲイン2-xのxを2としてオフセット値補正幅ΔOfsAを算出し、最新オフセット値算出部79は、かかるオフセット値補正幅ΔOfsAと固定オフセット値COfsAとを加算して最新オフセット値NOfsAを算出する。ここで、最新オフセット値算出部79は、1回目の補正で得られた最新オフセット値NOfsA(=516)を固定オフセット値COfsAとして最新オフセット値NOfsAを算出する。
かかる2回目の補正では、第1回目のオフセット値補正幅が既に実施され、かつ、最適オフセット値に変化がないため、積分値SAが0である。このため、各値は以下の条件
固定オフセット値COfsA=516
最適オフセット値=516
ズレ量ΔAの積分値=0
オフセット値補正幅ΔOfsA=ΔA/ゲイン2-x=ΔA/4=0
最新オフセット値NOfsA
=固定オフセット値COfsA+オフセット値補正幅ΔOfsA
=516
となる。従って、最新オフセット値算出部79は、最新オフセット値NOfsA(=516)を最新オフセット値出力部80に出力し、最新オフセット値出力部80は、最新オフセット値NOfsA(=516)をオフセット補正部50に出力する。その結果、A相信号は、オフセット値補正幅部50によって最新オフセット値NOfsA(=516)での補正が行なわれた後、角度位置算出部30に入力される。
次に、最新オフセット値決定部70において、補正回数監視部75が、今回の補正が電源供給を開始してから3回目の補正であると判断すると、オフセット値補正幅決定部78および最新オフセット値算出部79は各々、2回目の補正と同様の手順でオフセット値補正幅ΔOfsAおよび最新オフセット値NOfsAを算出する。かかる3回目の補正では、第1回目のオフセット値補正幅が既に実施され、かつ、最適オフセット値に変化がないため、積分値SAが0である。このため、各値は以下の条件
固定オフセット値COfsA=516
最適オフセット値=516
ズレ量ΔAの積分値=0
オフセット値補正幅ΔOfsA=ΔA/ゲイン2-x=ΔA/4=0
最新オフセット値NOfsA
=固定オフセット値COfsA+オフセット値補正幅ΔOfsA
=516
となる。従って、最新オフセット値算出部79は、最新オフセット値NOfsA(=516)を最新オフセット値出力部80に出力し、最新オフセット値出力部80は、最新オフセット値NOfsA(=516)をオフセット補正部50に出力する。その結果、A相信号は、オフセット値補正幅部50によって最新オフセット値NOfsA(=516)での補正が行なわれた後、角度位置算出部30に入力される。
次に、機器を継続動作させることにより、機器内部の温度が上昇しエンコーダー1での最適オフセットが変化した場合、例えば4回目のオフセット更新工程(第2補正工程)で最適オフセットが「516」から「520」に変化した場合を説明する。かかる条件では、ズレ量ΔAは「8」であるため、オフセット値補正幅決定部78のズレ量積分部71において、2回目以降のズレ量ΔAを加算して得たズレ量ΔAの積分値SAが「8」である。また、オフセット値補正幅決定部78のオフセット値補正幅算出部72は、ズレ量ΔAに乗じるゲイン2-xのxを2としてオフセット値補正幅ΔOfsAを算出し、最新オフセット値算出部79は、かかるオフセット値補正幅ΔOfsAと固定オフセット値COfsAとを加算して最新オフセット値NOfsAを算出する。ここで、最新オフセット値算出部79は、1回目の補正で得られた最新オフセット値NOfsA(=516)を固定オフセット値COfsAとして最新オフセット値NOfsAを算出する。従って、各値は以下の条件
固定オフセット値COfsA=516
最適オフセット値=520
ズレ量ΔAの積分値=8
オフセット値補正幅ΔOfsA=ΔA/ゲイン2-x=ΔA/4=2
最新オフセット値NOfsA
=固定オフセット値COfsA+オフセット値補正幅ΔOfsA
=518
となる。それ故、最新オフセット値算出部79は、最新オフセット値NOfsA(=518)を最新オフセット値出力部80に出力し、最新オフセット値出力部80は、最新オフセット値NOfsA(=518)をオフセット補正部50に出力する。その結果、A相信号は、オフセット値補正幅部50によって最新オフセット値NOfsA(=518)での補正が行なわれた後、角度位置算出部30に入力される。
次に、5回目のオフセット更新工程(第2補正工程)では、ズレ量ΔAは「4」であるため、ズレ量積分部71において、2回目以降のズレ量ΔAを加算して得たズレ量ΔAの積分値SAが「12」である。また、オフセット値補正幅算出部72は、ズレ量ΔAに乗じるゲイン2-xのxを2としてオフセット値補正幅ΔOfsAを算出し、最新オフセット値算出部79は、かかるオフセット値補正幅ΔOfsAと固定オフセット値COfsAとを加算して最新オフセット値NOfsAを算出する。ここで、最新オフセット値算出部79は、1回目の補正で得られた最新オフセット値NOfsA(=516)を固定オフセット値COfsAとして最新オフセット値NOfsAを算出する。従って、各値は以下の条件
固定オフセット値COfsA=516
最適オフセット値=520
ズレ量ΔAの積分値=12
オフセット値補正幅ΔOfsA=ΔA/ゲイン2-x=ΔA/4=3
最新オフセット値NOfsA
=固定オフセット値COfsA+オフセット値補正幅ΔOfsA
=519
となる。それ故、最新オフセット値算出部79は、最新オフセット値NOfsA(=519)を最新オフセット値出力部80に出力し、最新オフセット値出力部80は、最新オフセット値NOfsA(=519)をオフセット補正部50に出力する。その結果、A相信号は、オフセット値補正幅部50によって最新オフセット値NOfsA(=518)での補正が行なわれた後、角度位置算出部30に入力される。
次に、6回目のオフセット更新工程(第2補正工程)では、ズレ量ΔAは「2」であるため、ズレ量積分部71において、2回目以降のズレ量ΔAを加算して得たズレ量ΔAの積分値SAが「14」である。また、オフセット値補正幅算出部72は、ズレ量ΔAに乗じるゲイン2-xのxを2としてオフセット値補正幅ΔOfsAを算出し、最新オフセット値算出部79は、かかるオフセット値補正幅ΔOfsAと固定オフセット値COfsAとを加算して最新オフセット値NOfsAを算出する。ここで、最新オフセット値算出部79は、1回目の補正で得られた最新オフセット値NOfsA(=516)を固定オフセット値COfsAとして最新オフセット値NOfsAを算出する。従って、各値は以下の条件
固定オフセット値COfsA=516
最適オフセット値=520
ズレ量ΔAの積分値=14
オフセット値補正幅ΔOfsA=ΔA/ゲイン2-x=ΔA/4=3.5
最新オフセット値NOfsA
=固定オフセット値COfsA+オフセット値補正幅ΔOfsA
=519.5
となる。それ故、最新オフセット値算出部79は、最新オフセット値NOfsA(=519.5)を最新オフセット値出力部80に出力し、最新オフセット値出力部80は、最新オフセット値NOfsA(=519)をオフセット補正部50に出力する。その結果、A相信号は、オフセット値補正幅部50によって最新オフセット値NOfsA(=518)での補正が行なわれた後、角度位置算出部30に入力される。
それ以降の補正内容は図5に示すとおりである。従って、エンコーダー1が動作している限り、上記のオフセット値の第2補正工程が行なわれ、オフセット値は逐次、更新される。
このような補正方法によれば、図6に示すように、第1回目の補正(第1補正工程)でオフセット値補正幅が完了する、従って、本形態によれば、永久磁石11の回転角度が135°を通過した直後にオフセット値が最適な値に大きく近づく。そして、2回目以降の補正(第2補正工程)では、第1回目の補正での第1ゲイン(=1/2)より小さな第2ゲイン(=1/4)での補正を行なう。従って、4回以降の第2補正工程では、ズレ量ΔAは、8、4、2、1、0.5、0.25、・・と小さくなる一方、固定オフセット値COfsAを基準にしたオフセット値補正幅ΔOfsAは、2、3、3.5、3.75、3.875、3.9375、・・・と徐々に大きくなっていく。このため、永久磁石11の角度位置の結果の誤差は、徐々に小さな値となる。
なお、上記の補正工程は、エンコーダー1への電源供給が停止された時点で停止する。そして、エンコーダー1への電源供給が行われると、固定オフセット値COfsA以外の値が全て初期化されて、上記の補正工程が再び行なわれる。
[本形態の主な効果]
以上説明したように、本形態では、エンコーダー1を工場から出荷した以降、エンコーダー1を実際に使用している期間中、オフセット値の補正を行なう。このため、出荷時のオフセット調整環境と異なる温度環境下でエンコーダー1が使用された場合でも、オフセット値更新部100によって、オフセット値は、温度環境に応じた最適な値に更新される。このため、出荷時のオフセット調整環境と異なる温度環境下でエンコーダー1が使用された場合でも、オフセット誤差が発生することを防止することができるので、高い検出精度を得ることができる。
また、オフセット値を更新するにあたっては、エンコーダー1での検出動作を開始した際の出力信号の理想状態からのズレ量ΔA、ΔBを検出し、ズレ量ΔA、ΔBを相殺するようにオフセット値を大きな第1ゲインで最初の第1補正工程を行なった後、第2補正工程では、第1補正工程よりも小さな第2ゲインでオフセット値を補正する第2補正工程を行なう。このため、エンコーダー1の動作を開始した直後、第1補正工程でオフセット値の補正を急峻に行い、その後、第2補正工程ではオフセット値を穏やかに補正することになる。このため、オフセット値を適正な値に迅速に補正することができるとともに、エンコーダー1の出力が大きく変動するという事態が発生しない。
また、本形態では、A相信号がSin波でB相信号がCos波であるため、Sin波のA相信号のピーク値、およびCos波のB相信号のピーク値が各々、リサージュ波形がY軸およびY軸が交差する点に相当する。従って、Sin波のA相信号のピーク値、およびCos波のB相信号のピーク値を求めるだけで、ズレ量ΔA、ΔBを算出することができる。また、A相信号とB相信号は、π/2の位相差あるいは略π/2の位相差を有しているため、永久磁石11が135°回転するだけで、リサージュ波形がY軸およびY軸が交差する点を求めることができ、かかる検出結果からズレ量ΔA、ΔBを算出することができる。それ故、永久磁石11が電気角で270°回転するだけで第1補正工程を行なうことができる。
1 エンコーダー
10 MR素子
11 永久磁石(回転体)
20 マイクロコンピューター
21 A/D変換部
30 角度位置検出部
50 オフセット補正部
60 ズレ量検出部
61 データ取得部
62 エラー判別部
63 取得結果確認部
64 ズレ量算出部
70 最新オフセット値決定部
71 ズレ量積分部
72 オフセット値補正幅算出部
75 補正回数監視部
78 オフセット値補正幅決定部
79 最新オフセット値算出部
80 最新オフセット値出力部
100 オフセット値更新部

Claims (5)

  1. 回転体の回転に連動して変化するセンサ素子の出力信号に基づいて前記回転体の角度位置を検出するエンコーダーにおいて、前記角度位置の検出結果の誤差を解消するために前記出力信号を補正するオフセット値を最適化するにあたって、
    前記エンコーダーへの電源供給を開始する度に前記オフセット値を補正する補正工程を行ない、
    当該補正工程では、前記出力信号の理想状態からのズレ量を検出し、当該ズレ量に基づいて前記オフセット値を補正する第1補正工程と、該第1補正工程の後、当該第1補正工程よりも小さなゲインで前記オフセット値を補正する第2補正工程と、を行なうことを特徴とするエンコーダーのオフセット値補正方法。
  2. 前記第2補正工程では、該第2補正工程を行なう度に前記出力信号の理想状態からのズレ量を検出するとともに、当該ズレ量に基づいて、前記オフセット値を補正することを特徴とする請求項1に記載のエンコーダーのオフセット値補正方法。
  3. 前記第2補正工程では、前記出力信号の理想状態からのズレ量を検出する度に当該ズレ量の総和を算出し、当該総和に基づいて、前記オフセット値に対する補正幅を決定することを特徴とする請求項2に記載のエンコーダーのオフセット値補正方法。
  4. 前記出力信号は、互いにπ/2の位相差あるいは略π/2の位相差を有するA相信号およびB相信号であり、
    前記第1補正工程および前記第2補正工程では、前記A相信号と前記B相信号とに基づいてXY座標軸上にリサージュ波形を形成した際、当該リサージュ波形と前記Y軸とが交差する2つの交点のX軸からの距離が等しく、かつ、前記リサージュ波形と前記X軸とが交差する2つの交点のY軸からの距離が等しくなる方向に前記オフセット値を補正することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のエンコーダーのオフセット値補正方法。
  5. 前記A相信号はSin波であり、前記B相信号はCos波であることを特徴とする請求項4に記載のエンコーダーのオフセット値補正方法。
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