JP2015219096A - 多回転エンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点のずれが90?以上となる場合においても正確に多回転データの補正を行い、両基準点を一致させることのできる多回転エンコーダを得る。【解決手段】角度検出器100は、回転体の1回転内の位置を検出する。多回転検出器200は、回転体の回転に伴って生成される位相差60?の3相の信号を用いて回転体の回転数を多回転データとして検出する。多回転データ補正手段5は、位相差60?の3相の信号と1回転内の位置データから、多回転データを補正する。データ出力手段6は、角度検出器100が生成する1回転内の位置データと補正後の多回転データを出力する。【選択図】図1

Description

この発明は、モータ等における回転体の回転方向、回転数及び回転角度を検出する多回転エンコーダに関するものである。
近年、各種ロボットや工作機械等における位置制御には多回転エンコーダが使用されている。この多回転エンコーダは、1回転以内の回転角度の検出を行う角度検出器と回転数を検出する多回転検出器の2系統の検出器を備えている。この角度検出器の基準点(検出角度が0°となる位置)と多回転検出器の基準点(多回転データの変化点)がずれている場合、図12に示すように、この不整合領域内では多回転エンコーダが出力する位置データに1回転分の誤差が含まれてしまうため、両基準点を正確に一致させなければならない。
しかし、角度検出器が検出する1回転内位置データとして、20ビットを超える高分解能を持つものも出現しており、角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点とを正確に位置を合わせて組み立てることは非常に難しくなっている。更に、組み立て時に正確に両基準点を一致させても、その後の外乱によって回転ディスクそのものや基準点を検出するセンサなどがずれて両基準点が一致しなくなることがある。
そこで、従来の多回転エンコーダは、例えば、図13に示すように、角度検出器が生成する1回転内位置データの最上位2ビットとA相信号、B相信号の論理的な組み合わせによって多回転データの補正を行うことで両基準点を一致させていた(例えば、特許文献1参照)。
また、別の手段を用いた従来の多回転エンコーダとして、複数ビットのGRAYコードを生成するよう回転ディスクのスリットパターンを形成し、各GRAYコードのエッジ(変化点)で1回転内位置データをプリセットし、GRAYコードの内、A相/B相信号に相当する比較的周期の長いGRAYコード(GRAY6およびGRYA5)により多回転データを生成するものがあった(例えば、特許文献2参照)。この多回転エンコーダでは、周期の長いGRAYコードより求めた多回転データを、全てのGRAYコード(GRAY1〜GRAY6)を組み合わせた論理式から得られる補正値により補正することで、角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点を一致させていた。
これらの多回転エンコーダは、いずれも、角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点のずれが数度程度の場合を想定して考案されたものである。
特開平6−147814号公報 特開2002−5691号公報
しかしながら、上記従来の多回転エンコーダでは、角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点のずれが90°以上となる場合において、両基準点の位置を一致させることができないという問題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点のずれが90°以上となる場合においても正確に多回転データの補正を行い、両基準点を一致させることのできる多回転エンコーダを得ることを目的とする。
この発明に係る多回転エンコーダは、回転体の1回転内の位置を検出する角度検出器と、回転体の回転に伴って生成される位相差60°の3相の信号を用いて回転体の回転数を多回転データとして検出する多回転検出器と、位相差60°の3相の信号と1回転内の位置データから、多回転データを補正する多回転データ補正手段と、角度検出器が生成する1回転内の位置データと補正後の多回転データを出力するデータ出力手段とを備えたものである。
この発明の多回転エンコーダは、回転体の回転に伴って生成される位相差60°の3相の信号を用いて回転体の回転数を多回転データとして検出すると共に、位相差60°の3相の信号と1回転内の位置データから多回転データを補正するようにしたので、角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点のずれが90°以上となる場合においても正確に多回転データの補正を行い、両基準点を一致させることができる。
この発明の実施の形態1による多回転エンコーダを示す構成図である。 この発明の実施の形態1による多回転エンコーダの電圧パルス生成手段を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による多回転エンコーダの磁石の回転角度に対する発生パルスの説明図である。 この発明の実施の形態1による多回転エンコーダの多回転データ生成手段が用いる信号処理テーブルを示す説明図である。 この発明の実施の形態1による多回転エンコーダの回転角度に対する各信号の変化を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による多回転エンコーダの多回転データ補正手段が用いる信号処理テーブルを示す説明図である。 この発明の実施の形態1による多回転エンコーダの角度検出器の基準点に対して多回転検出器の基準点が120°先行している場合の多回転データ補正例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による多回転エンコーダの角度検出器の基準点に対して多回転検出器の基準点が120°遅行している場合の多回転データ補正例を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による多回転エンコーダの電圧パルス生成手段を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による多回転エンコーダの回転角度に対する各信号の変化を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による多回転エンコーダの多回転データ補正手段が用いる信号処理テーブルを示す説明図である。 角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点がずれた場合の出力データの説明図である。 従来の多回転データ補正方法を示す説明図である。 磁性ワイヤのソフト磁性体の外部磁界に対する磁化を表す説明図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による多回転エンコーダを示す構成図である。
図示のように、多回転エンコーダは、角度検出器100と、多回転検出器200と、多回転データ補正手段5と、データ出力手段6とを備えている。
角度検出器100は、回転体の1回転内の位置を検出する機器であり、二相正弦波信号生成手段1と一回転内位置データ生成手段2とを備えている。二相正弦波信号生成手段1は、回転体の回転に応じて、固有の波長の2相正弦波信号を生成する手段である。例えば、モータ回転軸に連結された、光学あるいは磁気パターンを形成した回転ディスクと、光学あるいは磁気パターンを読み取るための検出素子とで構成されている。ここで、2相正弦波信号は、正弦波信号と、その正弦波信号に対して90°の位相差を有する余弦波信号との組から成るものとする。図1には、1組の2相正弦波信号のみを記載しているが、波長の異なる複数組の2相正弦波信号を生成する構成としても良い。
一回転内位置データ生成手段2は、二相正弦波信号生成手段1が生成した2相正弦波信号を、所定の時間間隔で内挿処理し、1波長内を細分化した位置データを生成する。内挿処理の例として、正弦波信号と余弦波信号をそれぞれA/D(アナログ/デジタル)変換し、正弦波信号の最上位ビット(0または1)と余弦波信号の最上位ビット(0または1)との組み合わせで4つの象限の内のいずれかを限定することができる。また、正弦値と余弦値の絶対値の大小関係により、1つの象限を2分割した45°の領域のいずれに属するかを限定することができる。さらに、正弦値と余弦値より求める正接値または余接値をアドレスの一部として、図示していないROM(Read Only Memory)等に予め記憶している45°分の逆正接テーブルを参照することで、高精度な位置データに変換することができる。
二相正弦波信号生成手段1から波長の異なる複数組の2相正弦波信号が生成される場合は、それぞれ2相正弦波信号から1波長内を細分化した位置データを生成し、それらを論理的に合成することで、より高分解能を有する位置データを生成することができる。2相正弦波信号の波長の比が2のべき乗であれば、波長の比に応じて位置データに重み付け(ビットシフト)を行うだけで容易に合成ができる。
このようにして一回転内位置データ生成手段2により生成された1回転内位置データは、0°〜360°を所定の分解能で表す位置データとなる。
一回転内位置データ生成手段2での信号処理は、マイコンやCPUなどを用いたソフトウェア処理で実現可能であるが、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などによるハードウェア処理でも実現可能である。
多回転検出器200は、回転体の回転に伴って生成される位相差60°の3相の信号を用いて回転体の回転数を多回転データとして検出する機器であり、電圧パルス生成手段3と多回転データ生成手段4とを備えている。本実施の形態では、多回転検出器200として、バックアップ用電池を用いないバッテリーレス方式の多回転検出器を想定しており、電圧パルス生成手段3が出力する電圧パルスを電力として動作することを想定しているが、バックアップ用電池を用いる多回転検出器でも構わない。
電圧パルス生成手段3は、多回転データ生成手段4で補正前多回転データを生成するために必要な電圧パルスを生成する手段である。本実施の形態では、A相/B相/C相パルスを生成する。A相/B相/C相パルスの生成方法を図2に基づいて説明する。例えば、国際公開2013−157279号で示されるようなバッテリレス多回転エンコーダであれば、大バルクハウゼン効果を有する磁性ワイヤに検出コイルを巻き付けたものを60°間隔に配置し、回転体の回転に応じて磁石34が回転することで電圧パルスを発生させることができる。すなわち、回転体と共に回転する磁石の周囲に、磁性ワイヤを内包したコイルを設置することにより、回転体の回転速度に依存しない電圧のパルスをコイルから出力させることが可能となる。磁性ワイヤのソフト磁性体の外部磁界Hに対する磁化Mの関係は図14に示すようになっており、回転体の回転方向がCW(時計回り)かCCW(反時計回り)かによって、電圧パルスの発生位置が角度φだけずれるが、同じ回転方向では一定回転ごとに正負の電圧パルスが生じる。よって、この電圧パルスの電力を利用することにより、バックアップ用電池を必要としない多回転検出器を実現できる。
図2において、検出コイル31をA相用、検出コイル32をB相用、検出コイル33をC相用の電圧パルス検出コイルとすると、図3に示すような正負の電圧パルスが発生する。各電圧パルスの発生位置は各検出コイルが存在する0°、60°、120°、180°、240°、300°の位置ではなく、そこから角度φ/2だけずれた位置となる。磁石の回転方向がCWの場合、プラス方向に角度φ/2だけずれ(図3(a)参照)、磁石の回転方向がCCWの場合、マイナス方向に角度φ/2だけずれる(図3(b)参照)。これは、図14に示すように磁石による外部磁界が反転後、磁界がある一定の強度に達しないと磁性ワイヤの磁化反転が生じないためである。
多回転データ生成手段4は、A相/B相/C相パルスを用いて多回転データの更新を行う信号処理回路である。多回転データの更新を行うには、まず、A相/B相/C相の状態信号を生成する必要がある。A相/B相/C相の状態信号は、それぞれの検出パルスが正符号であれば、Highレベルを保持し、電圧パルスが負符号であればLowレベルを保持することで生成できる。すなわち、A相/B相/C相の状態信号はそれぞれのワイヤで発生した最後のパルスの符号を表す信号である。バッテリレス多回転検出器であれば、磁性ワイヤで発生したパルスを電力として信号処理回路を駆動させ、パルスの符号の検出を行い、その符号に応じて状態値(HighまたはLow)を図示しない不揮発メモリに記憶させる。
次に、多回転データ生成手段4における多回転データの更新処理について説明する。例えば、図2の角度検出器の基準点近くで多回転データを変化させる場合、A相状態信号がHighの状態でB相状態信号の立ち下がり(HighからLowへの変化)を検出すると多回転データを1増やし、A相状態信号がHighの状態でB相状態信号の立ち上がり(LowからHighへの変化)を検出すると多回転データを1減らせば良い。
他の方法として、C相状態信号がLowの状態でB相状態信号の立ち下がりを検出すると多回転データを1増やし、C相状態信号がLowの状態でB相状態信号の立ち上がりを検出すると多回転データを1減らすという方法でも良い。さらに他の方法として、A相状態信号がHighかつC相状態信号がLowの状態でB相状態信号の立ち下がりを検出すると多回転データを1増やし、A相状態信号がHighかつC相状態信号がLowの状態でB相状態信号の立ち上がりを検出すると多回転データを1減らすという方法でも良い。
バッテリレス多回転検出器であれば、磁性ワイヤで発生したパルスを電力として信号処理回路を駆動させ、まず、不揮発メモリに記憶されているA相/B相/C相の状態信号と多回転データを読み込む。例えば、A相/B相/C相の状態信号が(H,H,L)、多回転データが3、磁性ワイヤで発生したパルスがB相の負パルスとすると、この負パルスによりB相状態信号をHighからLowに更新する必要がある。また、A相状態信号がHighかつC相の状態信号がLowであるため、多回転データを1増やす必要がある。結局、A相/B相/C相の状態信号を(H,L,L)に更新すると共に、多回転データを4に更新し、それぞれを不揮発メモリに記憶させるという処理を行う。
しかし、大バルクハウゼン効果を有する磁性ワイヤを用いた多回転検出器では、磁性ワイヤの特徴として、閾値をわずかに超える印加磁界が与えられて磁化が反転し、電圧パルスを発生した状態から、回転体の反転等により、印加磁界が反転する場合、次に発生する電圧パルスが低下することがある。その減少量が大きい場合には多回転データを更新・記憶するための信号処理回路が駆動できず、電圧パルスの検出抜けが発生する可能性があることが知られている。検出抜けが発生した場合、同じ位置で電圧パルスが発生することはなく、次の電圧パルス発生位置まで電圧パルスは発生しない。
回転方向がCWの場合、本来、磁石基準点が図2の角度検出器の基準点の近くで負符号のB相パルスが発生するはずである。しかし、その電圧パルスが小さく、電圧パルスを検出できなかった場合、その位置でHighからLowに変化するはずのB相状態信号が変化せず、1増加するはずの多回転データも変化しない。このまま何も補正しなければB相状態信号と多回転データの異常状態が続くため、何らかの補正が必要である。この補正の方法として、最後にパルスが発生した時点でのA相/B相/C相の状態信号に加えて、時系列でその1回前にパルスが発生した時点での状態信号も利用することで1回のパルス検出抜けによる多回転異常を防止する。以下、最後にパルスが発生した時点での状態信号を最新状態信号と呼び、時系列でその1回前にパルスが発生した時点での状態信号を前回状態信号と呼ぶ。
図4に補正のための信号処理テーブルを示す。例えば、磁石基準点が図2の領域6から領域1に移動する時にB相の負パルスが正常に発生し、その直後に回転体が反転し、磁石基準点が領域1から領域6に戻る時にB相の正パルスの電圧が低く、正常にパルスを検出できず、そのまま同じCCW方向に回転し続け、磁石基準点が領域6から領域5に移動する時にC相の正パルスが正常に発生する場合の動作を順に説明する。
まず、磁石基準点が領域6から領域1に移動する時にB相の負パルスを正常に検出した場合、図4のNo.41またはNo.42に記載の通り、A相/B相/C相の最新状態を領域1(H,L,L)に、A相/B相/C相の前回状態を領域6(H,H,L)にそれぞれ更新し、多回転データを1増やす。磁石基準点が領域6の前に領域5に位置していた場合は図4のNo.41となり、磁石基準点が領域6の前に領域1に位置していた場合は図4のNo.42となる。
次に、磁石基準点が領域1から領域6に戻る時に、B相の正パルスを検出できず、磁石基準点が領域6から領域5に移動する時にC相の正パルスを検出した場合、図4のNo.8に記載の通り、A相/B相/C相の最新状態を領域5(H,H,H)、A相/B相/C相の前回状態を領域6(H,H,L)に更新し、多回転データを1減らす。磁石基準点が領域1から領域6に移動した時に正しくパルスを検出できなかったので、この時点でA相/B相/C相の最新状態、A相/B相/C相の前回状態および多回転データは正しくないが、磁石基準点が領域6から領域5に移動した時に正しくパルスを検出できれば、その時にA相/B相/C相の最新状態、A相/B相/C相の前回状態および多回転データを正しい値に補正することができる。
このように、バッテリレス多回転検出器において、磁性ワイヤの発生パルスの電圧が低く、パルスを正常に検出できない場合があっても、A相/B相/C相の最新状態とA相/B相/C相の前回状態を記憶しておくことで、その次に発生するパルスによって、A相/B相/C相の最新状態、A相/B相/C相の前回状態及び多回転データを正しい値に訂正することが可能である。
多回転データ生成手段4は、電圧パルス生成手段3で発生したパルスを電力として駆動する信号処理回路であり、超低消費電力で動作する必要があるため、一般的にはASICやFPGAなどのハードウェア処理が想定される。しかし、電力的な問題を解決できれば、マイコンやCPUなどを用いたソフトウェア処理であってもよい。
多回転データ補正手段5は、1回転内位置データの最上位複数ビットとA相/B相/C相の最新状態信号の組み合わせから論理的に多回転データを補正する。ここでは一例として1回転内位置データの最上位2ビットを用いることとする。図5は角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点が一致している場合の各データの値を示す図である。
1回転内位置データの最上位2ビットが(0,0)の場合、角度検出器100と多回転検出器200の基準点が完全に一致していれば、A相/B相/C相の最新状態は、領域1または領域2を示すのが正しい状態である。角度検出器100と多回転検出器200の基準点のずれが30°以下の場合、A相/B相/C相の最新状態は、領域1と領域2に加えて、図2において領域1の左側に図示する領域6にもなりうる。さらに両基準点のずれが60°以下の場合、A相/B相/C相の最新状態は、領域6、領域1、領域2に加えて、領域2の右側に図示する領域3にもなりうる。さらに両基準点のずれが90°以下の場合、A相/B相/C相の最新状態は、領域6、領域1、領域2、領域3に加えて、領域6の左側に図示する領域5にもなりうる。さらに両基準点のずれが120°以下の場合、A相/B相/C相の最新状態は、領域5、領域6、領域1、領域2、領域3に加えて、領域3の右側に図示する領域4にもなりうる。
両基準点のずれが120°を超える場合、A相/B相/C相の最新状態は、領域5の左側に図示する領域4にもなりうるため、前述の領域3の右側に図示する領域4との区別がつかない。つまり、角度検出器100の基準点に対して、多回転検出器200の基準点が先行して領域4になったのか、遅行して領域4になったのかの判別ができない。しかし、両基準点のずれが120°以下であれば、角度検出器100の基準点と多回転検出器200の基準点の位置関係は一意に決まる。つまり、角度検出器100の基準点に対して、多回転検出器200の基準点が先行しているのか遅行しているのかの判別ができる。従って、多回転データの補正が可能となる。例えば、1回転内位置データの最上位2ビットが(0,0)の場合、A相/B相/C相の最新状態が領域5または領域6であれば、角度検出器100の基準点に対して、多回転検出器200の基準点が遅行していると考えることができ、多回転データを1加算することで、見かけ上、両基準点を一致させることができる。
1回転内位置データの最上位2ビットが(0,1)、(1,0)、(1,1)の場合も同様に考えると図6に示す多回転データ補正テーブルとなる。多回転データ補正手段5がこの補正テーブルを用いることにより、角度検出器100の基準点と多回転検出器200の基準点のずれが120°以下であれば、確実に両基準点を一致させることができる。
図7は角度検出器100の基準点に対して、多回転検出器200の基準点が120°先行している様子を表す図である。図6に示す多回転データ補正テーブルに基づいて多回転補正を行えば、角度検出器100の基準点と多回転検出器200の基準点を一致させることができる。一方、図8は角度検出器100の基準点に対して、多回転検出器200の基準点が120°遅行している様子を表す図である。この場合も、図6に示す多回転データ補正テーブルに基づいて同様に多回転補正を行えば、角度検出器100の基準点と多回転検出器200の基準点を一致させることができる。
尚、多回転データ補正手段5の処理は、マイコンやCPUを用いたソフトウェア処理で実現可能であるが、ASICやFPGAなどによるハードウェア処理でも実現可能である。
データ出力手段6は、1回転内位置データと補正後の多回転データを上位装置に出力する。
以上説明したように、実施の形態1の多回転エンコーダによれば、回転体の1回転内の位置を検出する角度検出器と、回転体の回転に伴って生成される位相差60°の3相の信号を用いて回転体の回転数を多回転データとして検出する多回転検出器と、位相差60°の3相の信号と1回転内の位置データから、多回転データを補正する多回転データ補正手段と、角度検出器が生成する1回転内の位置データと補正後の多回転データを出力するデータ出力手段とを備えたので、角度検出器の基準点と多回転検出器の基準点のずれが90°以上となる場合においても120゜以下であれば、正確に多回転データの補正を行い、両基準点を一致させることができる。また、両基準点のずれの許容幅が広がることにより、生産工程における歩留まり向上や出荷後の経年変化等による不具合の発生確率を下げることができる。
また、実施の形態1の多回転エンコーダによれば、位相差60°の3相の信号を生成する手段として、大バルクハウゼン効果を有する磁性ワイヤを用い、磁性ワイヤから発するパルスを電力として多回転データを生成する信号処理回路を駆動するようにしたので、多回転検出器をバッテリなしで駆動することができ、バッテリの定期交換が不要となり、保守性を改善することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、図2に示すように、多回転データの変化点が角度検出器100の基準点(1回転内位置データの0°)の近くに設定されていたが、多回転データの変化点が角度検出器100の基準点から意図的に特定角度ずらしてもよく、これを実施の形態2として説明する。
図9は、1回転内位置データの180°で多回転データが更新されるようにした場合の位置関係を示す。図2と比べて明らかなように、多回転データ基準点を1回転内位置データの180゜の位置としている。また、多回転エンコーダとしての図面上の構成は図1と同様であるため、図1の構成を用いて説明する。実施の形態2では、角度検出器100と多回転検出器200の構成及びその処理は実施の形態1と同様であり、多回転データ補正手段5における多回転データの補正処理が異なる。
図10に1回転内位置データに対する各データの変化の様子を示す。図5と比較して、A相/B相/C相の最新状態、領域、多回転データの位相が180°先行しているのが分かる。この場合、多回転データ補正手段5で用いる多回転データ補正テーブルとして図11に示すテーブルを使用すればよい。
このように、1回転内位置データの180°で多回転データが更新されるように検出コイルの位置を合わせると、多回転データの補正値が「0」か「−1」の2値に限定することができ、ハードウェア回路で実現する場合の回路構成を容易にすることができる。なお、このような、多回転データの補正値を2値に限定することができるという効果を奏することができれば、180゜に完全に一致した角度ではなく、180゜付近の角度であってもよい。
以上説明したように、実施の形態2の多回転エンコーダによれば、多回転データの変化点を、1回転内位置データの180゜としたので、多回転データの補正値を2値とすることができ、ハードウェア回路構成を簡素化することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 二相正弦波信号生成手段、2 一回転内位置データ生成手段、3 電圧パルス生成手段、4 多回転データ生成手段、5 多回転データ補正手段、6 データ出力手段、31 A相パルス検出コイル、32 B相パルス検出コイル、33 C相パルス検出コイル、34 磁石、100 角度検出器、200 多回転検出器。

Claims (3)

  1. 回転体の1回転内の位置を検出する角度検出器と、
    前記回転体の回転に伴って生成される位相差60°の3相の信号を用いて前記回転体の回転数を多回転データとして検出する多回転検出器と、
    前記位相差60°の3相の信号と前記1回転内の位置データから、前記多回転データを補正する多回転データ補正手段と、
    前記角度検出器が生成する1回転内の位置データと補正後の多回転データを出力するデータ出力手段とを備えた多回転エンコーダ。
  2. 前記位相差60°の3相の信号を生成する手段として、大バルクハウゼン効果を有する磁性ワイヤを用い、当該磁性ワイヤから発するパルスを電力として前記多回転データを生成する信号処理回路を駆動することを特徴とする請求項1記載の多回転エンコーダ。
  3. 前記多回転データの変化点を、前記1回転内位置データの180゜としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の多回転エンコーダ。
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