JPH05280999A - 多回転位置検出装置 - Google Patents

多回転位置検出装置

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JPH05280999A
JPH05280999A JP10383592A JP10383592A JPH05280999A JP H05280999 A JPH05280999 A JP H05280999A JP 10383592 A JP10383592 A JP 10383592A JP 10383592 A JP10383592 A JP 10383592A JP H05280999 A JPH05280999 A JP H05280999A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で、回転検出器のカウント出力を
補正して正確な回転数をカウントできるようにする。 【構成】 回転検出器1の基準点1sと位置検出器2の
基準点2sとをこれら基準点1s,2sの近傍の不確定
領域が重ならないようにずらして配置すると共に、それ
ぞれの検出器1,2を2つの領域R1,R2,E1,E
2に分割し、それぞれの領域R1,R2,E1,E2を
区別する2つの出力を送出するようにし、両検出器1及
び2の出力の論理積にて両検出器1,2の基準点1s,
2sの間の不一致領域12を判定してその判定結果に基
づいて回転検出器1のカウント出力を補正するようにし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1回転以上の回転位置を
検出できる多回転位置検出装置の改良に関する。更に詳
述すると、本発明は、回転検出器の基準点と位置検出器
の基準点とのずれに起因するカウント数の誤差を補正す
る機構に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種ロボットや工作機械等におけ
る位置制御には多回転位置検出装置が使用されている。
この多回転位置検出装置は、1回転以内の位置の検出を
行う検出板と回転数を検出する検出板の2系統の検出器
(以下、前者を位置検出器、後者を回転検出器と言う)
を備えている。この位置検出器と回転検出器には原点位
置となる基準点がそれぞれ設けられており、回転検出器
のカウントを位置検出器の原点出力に同期させて多回転
角度空間を絶対位置を表示するため、これら基準点を正
確に一致させなければならない。したがって、これらの
基準点を組立て時に精密に位置合せをする必要がある。
【0003】しかし、回転検出器の基準点と位置検出器
の基準点とを正確に位置合せすることは非常に複雑なも
のであり難しい。また、組立て後に両基準点の位置を合
せる場合、その作業自体容易なものではない。更に、組
立て時正確に両基準点を一致させても、その後の外乱に
よって検出板そのものや基準点を検出するセンサなどが
ずれて両基準点が不一致となることがある。
【0004】これら基準点の不一致あるいは近接した配
置は多回転角度空間における絶対位置の表示を不可能と
する。これを回転検出器1と位置検出器2を同軸上に配
置した。図5及び図6の模式図に基づいて説明する。図
5は検出板の取付けそのものがずれている場合である。
この場合のずれは製造工程で位置検出器2が持ち得る固
有のずれである。図5の場合、反時計回転方向(以下C
CWと言う)に回転させると位置検出器2の基準点2s
の方が回転検出器1の基準点1sより先行しているの
で、位置検出器2の出力が基準点を過ぎてもハッチング
のかかった位置では回転検出器1が出力する回転数は加
算されない。逆に時計回転方向(以下CWと言う)の回
転の時は回転検出器1の回転数出力の方が位置検出器2
の出力より先に減算されてしまう。
【0005】一方、図6は温度変化や振動等の外乱によ
ってセンサなどがずれた場合である。このようなケース
では最悪の場合、1回転毎に回転検出器1の基準点出力
1sが位置検出器2の基準点出力2sより先行したり遅
延したりする。図6の例では位置検出器2のハッチング
で示された部分では、回転検出器1の回転数出力は位置
検出器2の本来あるべき回転数即ち位置検出器2の基準
点(原点)と同期した回転数を正確に表示しないことに
なる。
【0006】更に詳細に考えるならば、システム的な要
因で必然的に電気的な基準点がずれてしまうこともあり
える。上記のずれは機械的なずれと電気的なずれとの合
算したずれとして生じる場合もある。これら不一致は回
転検出器1と位置検出器2相互の出力値に束縛条件を設
けていないために生じるものである。
【0007】そこで、従来の多回転位置検出器は、例え
ば、位置検出器が保持している位置情報を4つの出力範
囲に分割し、回転検出器の出力との関係によって補正を
行ったり(特開昭62-261016 号)、回転カウンタを位置
検出器の基準位置信号でリセットし、さらに回転を1回
転中に2カウントし回転数が偶数か奇数かによって基準
位置のドリフトの補正を行っていた(特開昭63-3217
号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の補正方法は、回転数が2倍になり回転数を1/2
処理するなどの処理系が複雑になる問題がある。そし
て、処理系が複雑になれば、部品点数が増えコストアッ
プすることとなる。更に、従来の多回転位置検出器は補
正するとは言っても、回転検出器の基準点と位置検出器
の基準点をある程度の精度をもって合せ込む必要があ
り、生産効率もよくない。
【0009】本発明は、簡単な構成で回転数を正確にカ
ウントし得る多回転位置検出器を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明は、回転検出器と位置検出器とを有する多回
転位置検出装置において、前記回転検出器の基準点と前
記位置検出器の基準点とをこれら基準点の近傍の不確定
領域が重ならないようにずらして配置すると共に、前記
回転検出器及び前記位置検出器はそれぞれ2つの領域に
分割してそれら領域を固有化するような2つの出力を送
出する手段と、回転検出時の前記回転検出器の出力と前
記位置検出器の前記出力の論理積を判定する判定手段と
を有し、前記判定手段の判定結果に基づいて前記回転検
出器のカウント出力を補正し正確な回転数をカウントす
るようにしている。
【0011】
【作用】したがって、回転検出器の基準点と位置検出器
の基準点とをそれらの不確定領域が重ならないように配
置することによって回転検出器の基準点と位置検出器の
基準点との間に不一致領域が設定される。この不一致領
域は実際に回転検出器がカウントしている回転数と本来
位置検出器の基準点と同期していなければならないカウ
ント数とが不一致となる領域である。この不一致領域
は、回転検出器と位置検出器とがそれぞれ2つに分割さ
れた各領域を固有化するそれぞれの出力の論理積を求め
ることによって認識される。そして、この論理積の結果
を用いて回転検出器のカウント出力を補正する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0013】図1の(A),(B)に本発明の原理を示
す。この原理図からも明らかなように、この多回転位置
検出装置は、回転検出器1の基準点1sと位置検出器2
の基準点2sを双方の基準点1s,2s近傍の不確定領
域が重ならないようにずらして配置し、それらの間に不
一致領域12を設定している。この不一致領域12は、
実際に回転検出器1がカウントする回転数と本来位置検
出器2の基準点2sと同期していなければならないカウ
ント数とが一致していない補正を必要とする領域であ
る。位置検出器2と回転検出器1の出力はそれぞれ2つ
の領域に分割し、それぞれの領域を区別するE信号(信
号値E1,E2)およびR信号(信号値R1,R2)を
それぞれの出力に同期して送出する手段を設ける。もし
くはそれぞれの検出器の出力の一部をこの機能のために
引用する。回転数のカウントは回転検出器1によって専
ら行なわれる。ただし、本来の回転数は位置検出器2の
基準点2sに同期しなければならないものであるから、
回転検出器1のカウントを補正しなければならない角度
領域即ち不一致領域12が存在するが、この領域12は
回転検出器1の領域R1,R2と位置検出器2の領域E
1,E2の積集合領域として判定する。領域の区別はR
信号、E信号によって行われるから領域判定はE信号と
R信号の論理積で求められる。
【0014】更に、詳細に説明すると、多回転位置検出
器における問題は、回転検出器1の基準点1sと位置検
出器2の基準点相互2sの関係であるから、少なくとも
各々の基準点1s,2sによって各々の検出器1,2か
ら得られる情報が2種類に区別されている必要がある。
つまり、それぞれの検出器1,2を2つの領域に分割す
る。機械的にはこのように検出板上を2つの領域に分割
するというようにイメージすればよいが、一般性をもた
せるには回路まで含めたそれぞれの検出系の状態を2つ
の領域に分割するととらえ直した方がよい。尚、本実施
例の場合には、それぞれの検出器1,2は磁石によって
形成されており、半分がN極、他の半分がS極となって
2つの領域R1とR2、E1とE2に分割されている。
【0015】回転検出器1の2つの領域にはR1,R2
という記号を付し、位置検出器2の2つの領域にはE
1,E2という記号を付すことにする。ここで、仮に回
転検出器1と位置検出器2のそれぞれの基準点1s,2
sを一致させるようなシステムを考えるとするならば、
理想的なR1,R2とE1,E2の関係はR1−E1,
R2−E2でなければならないとする。即ち、R1とE
1、R2とE2とが対等な関係である。この関係を表1
に示す。
【0016】
【表1】 しかし、一般的には先に説明したような理由で基準点は
ずれるのでR1−E2,R2−E1という関係になって
しまう領域も存在する。図5、図6のハッチングの部分
がそれに当たる。いま、位置検出器のこの「不正な」領
域をE1´若しくはE2´とする。この位置ずれには表
2及び表3に示すような次の2通りが考えられる。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】 ここで、表2に示すケースAの場合の補正関係式は、
【0019】
【数1】Nc=N+1 (R2∩E1が成立するとき;R2とE1のAND条件
で1の時のみ)であり、表3に示すケースBの場合の補
正関係式は、
【0020】
【数2】Nc=N−1 (R1∩E2が成立するとき;R1とE2のAND条件
で1の時のみ)である。ただし、Ncは補正後の回転数
である。数式1と数式2は背反するので、図2のように
回転検出器1、位置検出器2相互の基準点1s,2sの
前後関係が一定しない場合はこれらの関係式を用いるこ
とはできない。
【0021】しかし、どのような状況においてもこの関
係が一定であるように回転検出器1と位置検出器2の位
置関係を設定できるのであれば、数式1若しくは数式2
のうちいずれか一方の関係式を用いることで回転数の補
正を行うことができる。
【0022】そこで、本発明は回転検出器1の基準点1
sと位置検出器2の基準点2sを初めから一致させるこ
とを考えずに、むしろ各基準点1s,2sの近傍の不確
定領域が重ならないように大幅にずらすことによって、
双方の基準点1s,2sの間に不一致領域12を設定す
るようにしている。例えば、E1とE1´、E2とE2
´の領域の面積が同程度になるように回転検出器と位置
検出器とをずらすことができれば理想的である。しか
し、このずれの量はケースAとケースBの状況が混在し
ない程度にマージンがあれば何等一定である必要はな
い。ここで、回転数は回転検出器1のカウント出力によ
って計数されるものであり、補正はそのカウント数に対
して実施される。
【0023】図1において、矢印の先端部が回転検出器
1、位置検出器2の各々の基準点1s,2sである。こ
の回転検出器1は回路が認識している検出板上の状態と
考える。この基準点1s,2sは上に述べたように約9
0°程度の角度をもって配置されている。この図では回
転検出器1の回転数カウンタが保持している値を修正す
べき領域はR2∩E1の領域である。この領域では回転
がCWならば、表2に示すように位置検出器2が本来カ
ウントすべき回転数の方が回転検出器1がカウントして
いる回転数に先行してカウント・アップされる。回転が
CCWであれば、回転検出器1のカウントの方が先にカ
ウント・ダウンされる。ゆえにこの領域では位置検出器
2が本来カウントしているであろう回転数より1だけ小
さい回転数を回転検出器1は保持していることになる。
【0024】ここでは位置検出器2の基準点2sを用い
て回転数をカウントするということは一切考えない。回
転数のカウントはあくまで回転検出器1にまかせてお
く。この値を補正すべきか否かはR2∩E1の関係が成
り立っているか否かで判断する。回転検出器1のカウン
タの内容を位置検出器2の基準点2sの情報で修正すべ
きではない。位置検出器2の基準点2sに同期している
はずの回転数と回転検出器1がカウントしている回転数
の関係が乱れてしまうからである。
【0025】更に、その動作を図2のタイムチャートを
基に説明する。図2において上段が位置検出器2の出力
であり、下段が回転検出器1の出力である。ハッチング
で示した部分が回転検出器1のカウントに補正を必要と
する部分、即ち不一致領域12である。理想的には回転
数は位置検出器2の値がリセットされる位置でカウント
されるべきであろうが、何らかの理由で絶対位置を検出
することが不可能な状況下においては、当然のことなが
ら位置検出器2の基準点2sを検出することも不可能で
ある。それに対して回転検出器1が常時動作可能である
とするならば、回転検出器1を用いて回転数のみを検出
していればよい。絶対位置が検出可能となったならば、
その時点で位置情報と回転検出器1の状態の関係、即ち
この場合R2∩E1という関係を満足しているか否かと
いう条件を用いて回転検出器1の出力を修正すべきか否
かを決定すればよい。
【0026】補正は回転数が必要な時にその都度行う方
がよい。具体的な状況として、停電時と電源復帰時の状
況を考えてみる。停電時には回転数を要求されないとす
るならば、停電時には不正な領域があろうがなかろうが
とにかく回転検出器1のみが動作していればよい。電源
復帰時には位置情報を得ることができるからR2∩E1
が成立しているか否かは即座に調べることができ、成立
していれば即座に修正することができる。もちろん回路
の遅延時間分の遅れは避けられない。回転数のカウント
は回転検出器1に一任してあるので正確な回転数は位置
センサ外部からの要求に応じてその都度補正が必要か否
かを判定し、必要ならば補正すればよい。
【0027】ここで問題となるのは位置検出器2が検出
する基準点2sがランダムにずれたならば補正方法は上
に述べた方法で正確に得られるかどうかということであ
る。あるいは、同様に回転検出器1の基準点1sがラン
ダムにずれた時はどうかという問題もある。特に後者の
問題は回転検出器1をパルス駆動にした場合、パルス間
隔と検出板の回転速度との関係が一定でない場合は電気
的な基準点は大きく変動するという状況に対応してい
る。
【0028】しかし、図2をみてみると、位置検出器2
の基準点2sと回転検出器1の基準点1sとの前後関係
が変化しないのであれば修正を必要とする領域即ち不一
致領域の面積が変化するのみで修正の手法そのものは変
更する必要がない。
【0029】位置検出器2の基準点2sが機械系の基準
点からランダムにずれるから回転数もその間は不正確で
あるという問題は問題の次元が異なる。この問題は位置
検出器2の精度や再現性等の問題である。つまり、補正
を必要とする領域の一方のエッジは位置検出器が認知し
うるベストな基準点に同期させ、もう片方のエッジは回
転検出器1が認知しうるベストな基準点に同期させると
いう点が重要なポイントである。
【0030】次に問題となるのはR1とR2、E1とE
2をどのように区別するかという問題である。回転検出
をする際には例えば1回転1周期の位相が90°ずれた
デューティ比50%の矩形波を用いる。その内の一方を
R1と2の識別に利用すればよい。本実施例において
は、位置検出器2の出力は鋸波状となっているが、実際
にはA/Dコンバータ(図示せず)によってこの出力は
デジタル化されている。したがって、位置検出器2の出
力は階段状となっている。即ち、E1とE2は回転内の
番地2n 重み付きバイナリ整数やグレイコードで割り付
けた場合は、最上位ビット(MSB)が半周で0、残り
の半周で1を出力するからこれを利用することができ
る。BCDコードの場合は若干複雑になるが最大値の1
/2の値の比較するコンパレータを利用するか、ビット
の組合せ論理を用いればよい。
【0031】次に、位置検出器2からの出力にバイナリ
整数を用いた場合の実施例を図3及び図2をもとに説明
する。ここではCW方向に回転した場合の動作を説明す
る。A相信号及びB相信号は回転検出器1に記録された
信号であり、分割領域R1,R2と考えても良い。本実
施例において回転検出器1の回転数のカウントは回転数
からカウンタ3によって行なわれる。即ち、回転数カウ
ンタ3にA相信号の立上りエッジが入力されることによ
って、この回転数カウンタ3がカウントアップして行
く。これはA相信号が一回転で1回生じる構成であるた
めである。本実施例ではA相信号の立上りエッジを計数
する構成としているが、B相信号の立上りエッジにて回
転数カウンタ3をカウントアップする構成としても良
い。回転数カウンタ3はバスライン8、スリースラート
バッファ6を介して全加算器(FA)7に接続されてい
る。位置検出器2はバイナリ整数化されると共に、その
MSBがインバータ5を介してANDゲート4に入力さ
れる構成となっている。A相信号はANDゲート4の他
の端子に入力される構成となっている。そして、反転さ
れたA相信号のMSBとこのA相信号の論理積がこのA
NDゲート4によって取られるように回路が作られてい
る。ANDゲート4の出力はバスライン8の最下位ビッ
ト(LSB)を介して全加算器(FA)7に入力され
る。そして、バスライン8のLSB、即ちANDゲート
4の出力が0の場合には回転数カウンタ3のカウント出
力がそのまま全加算器(FA)7より出力される。ま
た、バスライン8のLSBが1の場合には回転数カウン
タ3のカウント出力に(+1)の補正がかけられて出力
される構成となっている。全加算器(FA)7はキャリ
ービット出力が計られており、キャリーオーバーした場
合にこのキャリービットが立つ構成である。本実施例で
は位置検出器2の出力のMSBの反転ビットと、A相信
号出力の論理積が1の場合に図1におけるE1´の領域
となり、補正即ち回転数カウンタ3のカウント値を+1
する処理が行なわれる。停電対応を考えた場合には回転
数カウンタ3までをバッテリ等でバックアップすれば良
い。更に、CMOS等のディバイスで回路を構成した場
合にはバスコントローラであるスリースラートバッファ
は省いても良い。更に、本実施例では全加算器(FA)
7を使用しているが、通常の加算器を使用しても速度的
には問題ないが、特に高速処理、即ち高回転が要求され
る場合にはキャリールックヘッド型の加算器を使用すれ
ば良い。
【0032】次に、反時計方向の回転(CCW)の場合
にはA相信号若しくはB相信号の立下りエッジで回転数
カウンタ3のカウントダウンを行うと共に、ANDゲー
ト4の出力が1の場合には回転数カウンタ3のカウント
値より−1カウントして補正を行えば良い。そしてま
た、ANDゲート4の出力が0の場合には回転数カウン
タ3のカウント値をそのまま出力すれば良い。本実施例
ではディバイスを使用して回路を構成し補正をする構成
としたが、ソフトにて対応できることは言うまでもな
い。
【0033】次に、第2の実施例を図4のタイミングチ
ャートをもとに説明する。本実施例では停電時の平均消
費電流を抑えるために回転検出系をパルス駆動としてい
る。1段目、2段目のA相信号、B相信号は回転検出器
1に記録された信号である。これをクロックBuCkで
サンプリングし、BA信号(A相信号に対応)、BB信
号(B相信号に対応)を得る。クロックBuCkは多回
転位置検出器全体を統括するシステム・クロックとは異
なるクロックであるが、何からの同期が取られている。
このBA信号とBB信号を基準にして、回転数のカウン
トとその補正を行ってゆく。補正を必要とする領域は今
までの議論と何等変わることなく、E1∩R2を満たす
領域においてN+1なる操作を行えばよい。
【0034】回路は第1の実施例と同一のものが利用で
きる。しかし、A相信号、B相信号の代わりにBA信
号、BB信号を入力する必要がある。ここで、問題は検
出器1の回転速度の変化に対して補正領域の境界を定め
るBA信号のライズエッジ rEがE1領域を逸脱してE
2領域へ侵入する可能性があるかどうかということであ
る。回転速度の変化はクロックの周波数の変化と考え直
すことができる。即ち、回転速度が遅くなるという状態
は、クロックの周波数が高くなると考えることができ
る。逆に回転速度が速くなるという状態は、クロックの
周波数が低くなると考えることができる。
【0035】さて、このような考えの下で図4を見直
す。実は図4の状態は極限の状態にあり、クロックの周
波数をこれ以上おとすことはできない。即ち、1回転で
4パルスは必要である。もし、これ以上クロックを遅く
すると、例えば1回転で3パルスしかない場合、A相信
号、B相信号の位相関係をBA信号・BB信号に反映さ
せることができなくなる。そうなってしまえば、補正領
域を規定することができなくなってしまう。
【0036】一方、クロック周波数を上げた場合を考え
る。この場合はサンプリング問題が狭くなるため、BA
信号、BB信号の波形はA相信号、B相信号に近づく。
即ち、補正領域たる不一致領域を規定しているBA信号
のライズエッジ rEは図6の一点鎖線の時刻へ近づく。
しかし、位置検出器2と回転検出器1の基準点が約90
°ずれていれば、これを越えてE2領域へ食い込むこと
はない。A相信号のエッジの近傍に近づけてもE2領域
へ食い込むことがないかも知れないが、A相信号のエッ
ジの両端は外乱によって不確定となり易いから、極端に
近づけることは避けるべきである。このマージンが5°
程度であるとしても残りの±85°以内に位置検出器2
の基準位置が納まっていればよいことになる。このこと
は組立工程で厳しい位置合せを行う必要がないことを示
している。このように機械系のずれも電気系のずれもす
べて合算した結果に対して補正を行うことができるため
基準位置の位置精度や再現性は位置検出器2の精度のみ
に依存することになる。
【0037】以上のように最低1回転中に4パルスのク
ロックを確保できる回転速度まで回転速度を上げても正
常動作すると考えられる。しかし、クロックのエッジが
A相信号、B相信号のエッジとレーシングを起こしてし
まうとパルスの機能を失うので、4パルスでは危険であ
る。最悪の場合、4つのパルスがA相信号、B相信号そ
れぞれのエッジでレーシングする可能性があるから、パ
ルス数は好ましくは8パルス以上にすべきである。
【0038】したがって、Nrpmまで機能を補償する
のであれば、クロック周波数fは次の式で表される周波
数以上にすべきである。
【0039】
【数3】f=(2/15)N 例えば、3000rpmでは400Hz以上で駆動する
必要がある。ただし、回転検出器1の回転によってクロ
ックBuCkの周波数が変化する構成としておけば良
い。
【0040】以上の説明は数式1の関係式を用いた構成
であるが、数式2の関係式を用いた構成も可能である。
数式2の関係式を用いる場合は回転検出板対する位置検
出板の基準点の位置を上記の位置から180°ずれた位
置に設定すればよい。また、回路は減算を行うようにす
ればよいのであるが、通常、減算は2の補数を全加算器
(FA)7へ投入することで行われることを考えれば、
図5に示した回路図においてグランドへの接続すべてV
ddに接続し、ANDゲートをNANDゲートにすれば
よい。図6で行われた議論は位置情報を180°遅らせ
れば、そのまま成り立つ。
【0041】尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施例ではエンコーダ方式による多回転
位置検出器について主に説明しているが特にこれに限定
されるものではなく、レゾルバを用いた多回転位置検出
器にも利用できる。むしろ、基準点が明瞭でないレゾル
バへの適用は効果的である。また、本実施例では、磁気
を利用して回転・位置を検出するようにしているが、特
にこれに限定されるものではなく、スリットや反射板な
どを用いて基準点を形成し、これを光学的に検出するよ
うにしても良い。
【0042】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の多回転位置検出装置は、回転検出器の基準点と前記位
置検出器の基準点とをこれら基準点の近傍の不確定領域
が重ならないようにずらして配置すると共に、前記回転
検出器及び前記位置検出器はそれぞれ2つの領域に分割
してそれら領域を固有化するような2つの出力を送出す
る手段と、回転検出時の前記回転検出器の出力と前記位
置検出器の前記出力の論理積を判定する判定手段とを有
し、前記判定手段の判定結果に基づいて前記回転検出器
のカウント出力を補正し正確な回転数をカウントしてい
るので、位置検出器、回転検出器双方の基準位置近傍の
不確定領域が重ならないように回転検出器と位置検出器
の基準位置を配置するだけで常に正確な回転数を位置検
出器の基準位置に同期させて求めることができる。即
ち、基準位置の位置精度・再現性等の特性は位置検出器
の精度のみに依存することになる。
【0043】また、本発明の多回転位置検出装置におい
て、補正回路は基本的には例えばANDゲート(インバ
ータが必要なケースも有り得る)と1カウント・インタ
リメンタで構成できるから部品点数が少なくコストを削
減することができ、また消費電流も小さくできる。
【0044】更に、本発明の多回転位置検出装置は、基
準位置近傍の不確定領域は角度にして数分であるから禁
止される位置検出器と回転検出器の位置関係は、きわめ
て微少なものとなり、位置検出装置の組立工程において
これらの位置関係を厳しく管理する必要もなく、生産効
率をアップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す説明図で、(A)は斜視
図、(B)は(A)の矢視方向から見た図である。
【図2】本発明の一実施例におけるタイムチャート図で
ある。
【図3】本発明の実施例における回路図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すタイムチャート図で
ある。
【図5】検出板そのものがずれている場合の状態を示す
説明図である。
【図6】センサ等が外乱でずれた場合の状態を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 回転検出器 2 位置検出器 1s 回転検出器の基準点 2s 位置検出器の基準点 12 不一致領域 R1,R2 回転検出器を2分する領域 E1,E2 位置検出器を2分する領域

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転検出器と位置検出器とを有する多回
    転位置検出装置において、前記回転検出器の基準点と前
    記位置検出器の基準点とをこれら基準点の近傍の不確定
    領域が重ならないようにずらして配置すると共に、前記
    回転検出器及び前記位置検出器はそれぞれ2つの領域に
    分割してそれら領域を固有化するような2つの出力を送
    出する手段と、回転検出時の前記回転検出器の出力と前
    記位置検出器の前記出力の論理積を判定する判定手段と
    を有し、前記判定手段の判定結果に基づいて前記回転検
    出器のカウント出力を補正し正確な回転数をカウントす
    ることを特徴とする多回転位置検出装置。
JP10383592A 1992-03-31 1992-03-31 多回転位置検出装置 Expired - Lifetime JP2719480B2 (ja)

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