JP2013238431A - レゾルバ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レゾルバが等速度で回転しているときだけでなく、レゾルバが加速又は減速をしているときにおいても、レゾルバの回転角の誤差を補正可能なレゾルバ装置を提供する。
【解決手段】 本発明のレゾルバ装置は、レゾルバが等速度で回転しているときに推定される推定回転角であって一定割合で増加又は減少するレゾルバの回転角を予測回転角とするときに、レゾルバの位相情報を用いてレゾルバの回転角を補正する演算部は、レゾルバが等速度で回転しているときの位相情報の回転角と予測回転角との差分であるレゾルバ誤差量をレゾルバの回転角毎に記憶する誤差情報テーブルと、レゾルバが等速度で回転しているときにレゾルバ誤差量を算出して誤差情報テーブルを更新するレゾルバ誤差量算出部と、誤差情報テーブルに記憶されているレゾルバ誤差量を位相情報の回転角に加算又は減算してレゾルバの補正回転角を算出する補正回転角算出部と、を有する。
【選択図】 図4
【解決手段】 本発明のレゾルバ装置は、レゾルバが等速度で回転しているときに推定される推定回転角であって一定割合で増加又は減少するレゾルバの回転角を予測回転角とするときに、レゾルバの位相情報を用いてレゾルバの回転角を補正する演算部は、レゾルバが等速度で回転しているときの位相情報の回転角と予測回転角との差分であるレゾルバ誤差量をレゾルバの回転角毎に記憶する誤差情報テーブルと、レゾルバが等速度で回転しているときにレゾルバ誤差量を算出して誤差情報テーブルを更新するレゾルバ誤差量算出部と、誤差情報テーブルに記憶されているレゾルバ誤差量を位相情報の回転角に加算又は減算してレゾルバの補正回転角を算出する補正回転角算出部と、を有する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、ロータの回転角を検出するレゾルバ装置に関する。
ロータの回転角を検出する回転角センサとしてレゾルバが知られている。レゾルバの出力信号から得られる回転角には、実際のロータの回転角と比較した誤差が含まれるので、レゾルバの回転角の誤差を補正する必要がある。レゾルバの回転角の誤差を補正するレゾルバ装置の一例として、例えば、特許文献1及び2に挙げられる発明が知られている。特許文献1に記載の発明では、予めレゾルバを所定の等速度で回転させて、レゾルバの回転速度を補正する速度補正係数を算出している。そして、速度補正係数を用いてレゾルバの回転速度を補正することにより、レゾルバの回転速度誤差を低減している。
特許文献2に記載の発明では、レゾルバの回転角の補正を行う電気角1周期を現在周期とし、現在周期の直前の1周期を第1直前周期とし、直前周期のさらに1周期前を第2直前周期とするときに、第1直前周期及び第2直前周期からレゾルバの速度変化率を算出している。そして、第1直前周期で得られたレゾルバの回転角と速度変化率を考慮して算出された理想回転角との差分を用いて、現在周期におけるレゾルバの回転角を補正している。
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、レゾルバが1回転する間に加減速する場合には、レゾルバが等速度で回転していると誤検知する可能性がある。特に、レゾルバが低速度で回転するときに誤検知の可能性が高く、レゾルバによって検出された回転速度と実際のロータの回転速度との速度誤差を正確に補正することができない可能性がある。また、特許文献2に記載の発明では、レゾルバの回転加速度が一定であることを前提として理想回転角を算出しているため、レゾルバの回転加速度が変化する場合には、レゾルバの回転角の誤差を正確に補正することができない可能性がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、レゾルバが等速度で回転しているときだけでなく、レゾルバが加速又は減速をしているときにおいても、レゾルバの回転角の誤差を補正可能なレゾルバ装置を提供することを課題とする。
請求項1に係るレゾルバ装置は、ロータの回転角を検出するレゾルバと、レゾルバに励磁信号を印加する励磁部と、レゾルバの出力信号をデジタル信号に変換する出力信号変換部と、変換されたレゾルバの位相情報を用いてレゾルバの回転角を補正する演算部と、を備えるレゾルバ装置であって、レゾルバが等速度で回転しているときに推定される推定回転角であって一定割合で増加又は減少するレゾルバの回転角を予測回転角とするときに、演算部は、レゾルバが等速度で回転しているときの位相情報の回転角と予測回転角との差分であるレゾルバ誤差量をレゾルバの回転角毎に記憶する誤差情報テーブルと、レゾルバが等速度で回転しているときにレゾルバ誤差量を算出して誤差情報テーブルを更新するレゾルバ誤差量算出部と、誤差情報テーブルに記憶されているレゾルバ誤差量を位相情報の回転角に加算又は減算してレゾルバの補正回転角を算出する補正回転角算出部と、を有することを特徴とする。
請求項2に係るレゾルバ装置は、請求項1において、レゾルバ誤差量算出部は、電気角の少なくとも2周期以上においてレゾルバの回転速度が変化しない所定回転数以上のときにレゾルバ誤差量を算出して誤差情報テーブルを更新する。
請求項3に係るレゾルバ装置は、請求項1又は2において、レゾルバ誤差量は、ローパスフィルタが掛けられている。
請求項1に係るレゾルバ装置によれば、演算部は、誤差情報テーブル及びレゾルバ誤差量算出部を有するので、レゾルバが等速度で回転しているときにレゾルバ誤差量を算出して誤差情報テーブルを更新することができる。さらに、演算部は、補正回転角算出部を有するので、誤差情報テーブルに記憶されているレゾルバ誤差量を用いてレゾルバの補正回転角を算出することができる。そのため、レゾルバが等速度で回転しているときだけでなく、レゾルバが加速又は減速をしているときにおいても、レゾルバの位相情報に含まれるレゾルバ誤差を補正することができる。
請求項2に係るレゾルバ装置によれば、レゾルバ誤差量算出部は、電気角の少なくとも2周期以上においてレゾルバの回転速度が変化しない所定回転数以上のときにレゾルバ誤差量を算出して誤差情報テーブルを更新するので、レゾルバが等速度で回転しているか否かの判定が容易である。
請求項3に係るレゾルバ装置によれば、レゾルバ誤差量は、ローパスフィルタが掛けられているので、レゾルバの出力信号に含まれるノイズを除去することができる。そのため、ノイズによって補正回転角の算出が不正確になることを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図は概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。
(1)レゾルバ装置の構成
図1は、レゾルバ装置の概略構成を示す構成図である。図2は、レゾルバの一例を模式的に示す説明図である。本実施形態のレゾルバ装置は、ロータ15の回転角を検出するレゾルバ1と、レゾルバ1に励磁信号を印加する励磁部2と、レゾルバ1の出力信号をデジタル信号に変換する出力信号変換部3と、変換されたレゾルバ1の位相情報を用いてレゾルバ1の回転角を補正する演算部4と、を備えている。
図1は、レゾルバ装置の概略構成を示す構成図である。図2は、レゾルバの一例を模式的に示す説明図である。本実施形態のレゾルバ装置は、ロータ15の回転角を検出するレゾルバ1と、レゾルバ1に励磁信号を印加する励磁部2と、レゾルバ1の出力信号をデジタル信号に変換する出力信号変換部3と、変換されたレゾルバ1の位相情報を用いてレゾルバ1の回転角を補正する演算部4と、を備えている。
レゾルバ1は、公知のレゾルバを用いることができ、励磁コイルの数及び出力コイルの数は限定されない。例えば、1相励磁2相出力のレゾルバを用いることができる。図2に示すように、レゾルバ1は、励磁コイル11、第1出力コイル12及び第2出力コイル13を有している。励磁コイル11は断面楕円形状のロータ15(回転軸14)に設けられ、ロータ15の回転に同期して回転可能に軸支されている。励磁コイル11には励磁部2から励磁信号が印加される。
第1出力コイル12及び第2出力コイル13は、ステータ16に固定されており、電気角で90°離間して配されている。励磁コイル11に交流の励磁信号が印加されると、第1出力コイル12及び第2出力コイル13には、電磁誘導によって励磁信号と同一周波数の交流信号が誘起される。励磁コイル11の回転角をφとし、励磁コイル11に印加される電圧の振幅を1とすると、第1出力コイル12及び第2出力コイル13に出力される電圧の振幅は、それぞれsinφ、cosφになる。本明細書では、第1出力コイル12及び第2出力コイル13にそれぞれ誘起される交流信号をsin信号、cos信号という。なお、同図では、励磁コイル11、第1出力コイル12及び第2出力コイル13は模式的に示されている。
励磁部2は、励磁信号を励磁コイル11に印加することができる。励磁信号は、一定周波数の交流信号であれば良く、例えば、正弦波信号を用いることができる。励磁信号を生成する励磁回路は、公知の励磁回路を用いることができ、例えば、正弦波発生回路、信号を増幅する増幅回路などを用いて励磁回路を構成することができる。
出力信号変換部3は、レゾルバ1の出力信号をデジタル信号に変換することができる。出力信号変換部3は、例えば、公知のレゾルバデジタルコンバータを用いることができ、励磁部2を内蔵することもできる。アナログ信号のsin信号及びcos信号は、励磁信号と共に出力信号変換部3に入力される。出力信号変換部3は、励磁信号、sin信号及びcos信号からデジタル信号の位相情報及び0点情報を生成する。
位相情報は、sin信号とcos信号との位相差を用いて生成することができる。位相情報は、励磁コイル11の回転角θrであり、ロータ15の回転に同期する。0点情報は、パルス信号であり、励磁コイル11の回転角θrが0°(基準角)の位置を示している。基準角は、0°以外に、例えば、180°等の任意の角度を用いることができる。出力信号変換部3によって生成された位相情報及び0点情報は、演算部4に出力される。なお、位相情報は、レゾルバ1の経年変化による誤差、レゾルバ1の個体差による誤差、偏芯などレゾルバ1を取り付ける際の誤差、出力信号変換部3のデジタル変換処理に伴う誤差などにより、ロータ15の実際の回転角と比較した誤差を含んでいる。
演算部4は、図示しないCPU及びメモリを備えるマイクロコンピュータ並びに通信インターフェースを有しており、出力信号変換部3との間で各種データ及び制御信号を送受信することができる。通信方式は、例えば、シリアル通信、パラレル通信又はデータバスを用いたバス通信等の公知の通信方式を用いることができる。各種データには、位相情報及び0点情報が含まれ、出力信号変換部3から送信された位相情報及び0点情報は、メモリに順次記憶される。
図3は、演算部の制御ブロックの一例を示すブロック図である。図4は、補正回転角を算出する手順の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、演算部4は、制御ブロックとして捉えると、誤差情報テーブル40、初期化処理部41、回転数判定部42、回転周期算出部43、等速度回転判定部44、予測回転角算出部45、レゾルバ誤差量算出部46及び補正回転角算出部47を有している。
演算部4は、メモリ内に格納されたプログラムを実行することによって、レゾルバ1(励磁コイル11)の補正回転角θaを算出することができる。プログラムは、図4に示すフローチャートに従って所定時間の経過毎に繰り返し実行される。つまり、ステップS11で初期化処理を行い、ステップS12で回転数判定を行う。レゾルバ1の回転数が所定回転数以上のときは、ステップS13に進み回転周期の算出を行い、ステップS14で等速度判定を行う。一方、レゾルバ1の回転数が所定回転数より低いときは、ステップS18に進み補正回転角θaの算出を行う。
ステップS14でレゾルバ1が等速度で回転していると判定されるときは、ステップS15に進み予測回転角θpの算出を行い、ステップS16でレゾルバ誤差量θeの算出を行う。そして、ステップS17でレゾルバ誤差量θeの修正を行い、ステップS18で補正回転角θaの算出を行う。一方、ステップS14でレゾルバ1が等速度で回転していないと判定されるときは、ステップS18に進み補正回転角θaの算出を行う。なお、ステップS11の初期化処理は、プログラムの開始時に1度実行され、プログラムが所定時間の経過毎に繰り返し実行される際には、初期化処理は行われない。
初期化処理は初期化処理部41が行い、回転数判定は回転数判定部42が行う。回転周期の算出は回転周期算出部43が行い、等速度判定は等速度回転判定部44が行う。予測回転角θpの算出は予測回転角算出部45が行い、レゾルバ誤差量θeの算出及びレゾルバ誤差量θeの修正はレゾルバ誤差量算出部46が行う。補正回転角θaの算出は補正回転角算出部47が行う。以下、演算部4について詳細に説明する。
(2)演算部
誤差情報テーブル40は、レゾルバ1が等速度で回転しているときの位相情報の回転角θrと予測回転角θpとの差分であるレゾルバ誤差量θeをレゾルバ1の回転角毎に記憶することができる。予測回転角θpは、レゾルバ1が等速度で回転しているときに推定される推定回転角であり、一定割合で増加又は減少する。予測回転角θpが増加するか又は減少するかは、レゾルバ1の回転方向による。
誤差情報テーブル40は、レゾルバ1が等速度で回転しているときの位相情報の回転角θrと予測回転角θpとの差分であるレゾルバ誤差量θeをレゾルバ1の回転角毎に記憶することができる。予測回転角θpは、レゾルバ1が等速度で回転しているときに推定される推定回転角であり、一定割合で増加又は減少する。予測回転角θpが増加するか又は減少するかは、レゾルバ1の回転方向による。
図5は、位相情報の回転角と補正回転角の関係を説明する説明図である。同図は、位相情報の回転角θrと予測回転角θpの時間変化を示しており、横軸は時間を示し、縦軸は回転角を示している。また、同図では0点情報の時間変化が併記されている。同図では、位相情報の回転角θrは、実線の曲線L10、L11及びL12で示されており、予測回転角θpは、破線の直線L20、L21及びL22で示されている。また、0点情報は、実線の曲線L0で示されている。
ここで、レゾルバ1の回転角の補正を行う電気角1周期を現在周期T0Pとし、現在周期T0Pの直前の1周期を第1直前周期T1Pとし、直前周期T1Pのさらに1周期前を第2直前周期T2Pとする。第2直前周期T2Pは、時刻t3から時刻t2までの時間であり、直前周期T1Pは、時刻t2から時刻t1までの時間である。現在周期T0Pは、時刻t1から起算される。各周期は、電気角における1周期であり、同図では、時刻t3から時刻t0までの位相情報の回転角θr、予測回転角θp及び0点情報が示されている。
例えば、直前周期T1Pの1周期においてレゾルバ1が等速度で回転しているとする。このとき、時刻t21における位相情報の回転角θrをθ11とし、予測回転角θpをθ12とする。この場合、レゾルバ1は等速度で回転しているので、これらの差分θ11−θ12が検出誤差になる。本明細書では、この検出誤差をレゾルバ誤差といい、位相情報の回転角θrと予測回転角θpとの差分をレゾルバ誤差量θeという。
誤差情報テーブル40は、レゾルバ1の回転角毎にレゾルバ誤差量θeを記憶することができる。なお、誤差情報テーブル40における位相情報の回転角θrは離散値であり、テーブルとして用意されていない回転角θrに対するレゾルバ誤差量θeは、例えば、直近の2つのテーブル値から線形補間等によって算出することができる。
初期化処理部41は、誤差情報テーブル40にレゾルバ誤差量θeの初期値を設定する。レゾルバ誤差量θeの初期値は、予め計算機シミュレーション、実機による計測によって導出することができ、例えば、レゾルバ装置の設計時(出荷時)のレゾルバ誤差量を設定することができる。
回転数判定部42は、レゾルバ1の回転数が所定回転数以上であるか否かを判定する。ここで、所定回転数は、電気角の少なくとも2周期以上においてレゾルバ1の回転速度が変化しない回転数をいい、所定回転数は、予め計算機シミュレーション、実機による計測等によって導出することができる。レゾルバ1の回転数が所定回転数以上であるか否かは、例えば、単位時間あたりの0点情報のパルス信号数によって判定することができる。回転数判定部42は、単位時間あたりの0点情報のパルス信号数が所定数以上のときは、レゾルバ1の回転数が所定回転数以上であると判断して、回転周期算出部43の演算処理に移行する。
一方、単位時間あたりの0点情報のパルス信号数が所定数より少ないときは、回転数判定部42は、レゾルバ1の回転数が所定回転数より低いと判断して、補正回転角算出部47の演算処理に移行する。レゾルバ1の回転数が所定回転数より低いときは、電気角の少なくとも2周期においてレゾルバ1が加速又は減速をして回転数変動を起こし、レゾルバ1が一定速度で回転することが困難になる。そのため、レゾルバ1の回転数が所定回転数より低いときは、後述する誤差情報テーブル40の更新を行わないで、補正回転角算出部47による補正回転角θaの算出を行う。
回転周期算出部43は、第1直前周期T1P及び第2直前周期T2Pを算出する。回転周期算出部43は、出力信号変換部3から0点情報のオン信号が入力されると、図示しないタイマによる計時を開始する。そして、再度0点情報のオン信号が入力されると、タイマによる計時を終了する。これにより、レゾルバ1の電気角1周期を計時することができる。現在周期T0Pの計時が終了すると、第1直前周期T1Pは第2直前周期T2Pとしてメモリに記憶され、計時された現在周期T0Pは、第1直前周期T1Pとしてメモリに記憶される。そして、タイマは、新たに現在周期T0Pの計時を開始する。
等速度回転判定部44は、回転周期算出部43で算出された第1直前周期T1P及び第2直前周期T2Pの差分(周期差)を算出する。周期差が所定閾値以下の場合、等速度回転判定部44は、レゾルバ1が等速度で回転していると判断して、予測回転角算出部45の演算処理に移行する。一方、周期差が所定閾値より大きい場合、等速度回転判定部44は、レゾルバ1が加速又は減速していると判断して、補正回転角算出部47における演算処理に移行する。等速度回転判定部44による判定は、レゾルバ1の回転数が所定回転数以上のときに行うので、電気角の少なくとも2周期においてレゾルバ1が加速又は減速しているにも関わらずレゾルバ1が等速度で回転していると誤検知することが防止される。
予測回転角算出部45は、レゾルバ1が等速度で回転しているときに予測回転角θpを算出する。第1直前周期T1Pにおける予測回転角θpは、例えば、時刻t2及び第1直前周期T1Pから算出することができる。時刻をX、予測回転角θpをYとすると、図5に示す直線L21を表す数式は、下記数1で示される。
(数1)
Y=360/T1P×(X−t2)
(数1)
Y=360/T1P×(X−t2)
予測回転角算出部45は、例えば、数1から予測回転角θpを算出することができる。第2直前周期T2Pにおける予測回転角θpも第1直前周期T1Pにおける予測回転角θpと同様に算出することができる。この場合、第2直前周期T2Pにおける予測回転角θpは、時刻t3及び第2直前周期T2Pから算出することができる。また、第1直前周期T1Pにおける予測回転角θp及び第2直前周期T2Pにおける予測回転角θpを用いて、レゾルバ誤差量θeを算出する際に使用する予測回転角θpを修正することもできる。本実施形態では、現在周期T0Pに直近の第1直前周期T1Pにおける予測回転角θpを用いて、レゾルバ誤差量θeを算出する。
レゾルバ誤差量算出部46は、レゾルバ1が等速度で回転しているときにレゾルバ誤差量θeを算出して誤差情報テーブル40を更新する。既述のとおり、レゾルバ誤差量θeは、位相情報の回転角θrと予測回転角θpとの差分から算出することができ、レゾルバ1の回転角毎に算出される。レゾルバ誤差量算出部46は、算出されたレゾルバ誤差量θeに対して、ローパスフィルタを掛けて誤差情報テーブル40を更新する。
ローパスフィルタは、レゾルバ誤差量θeを入力信号とした場合に、入力信号のうちカットオフ周波数よりも低い周波数帯域の入力信号のみを通過させる。そのため、ノイズ等によって入力信号が急峻に変化した場合であっても、出力信号を緩やかに入力信号に追従させることができる。ローパスフィルタは、例えば、公知のデジタルフィルタを用いることができ、デジタルフィルタは、例えば、公知のFIRフィルタを用いることができる。FIRフィルタは、過去の入力信号の移動平均を算出することによって、容易にローパスフィルタを実現することができる。カットオフ周波数は、レゾルバ1の回転数等に基づいて、計算機シミュレーションや実機による計測によって予め算出することができる。
本実施形態では、レゾルバ誤差量θeは、ローパスフィルタが掛けられているので、レゾルバ1の出力信号に含まれるノイズを除去することができる。そのため、ノイズによって補正回転角θaの算出が不正確になることを抑制することができる。また、本実施形態では、レゾルバ誤差量算出部46は、電気角の少なくとも2周期以上においてレゾルバ1の回転速度が変化しない所定回転数以上のときにレゾルバ誤差量θeを算出して誤差情報テーブル40を更新するので、等速度回転判定部44は、レゾルバ1が等速度で回転しているか否かの判定が容易である。
補正回転角算出部47は、誤差情報テーブル40に記憶されているレゾルバ誤差量θeを位相情報の回転角θrに加算又は減算してレゾルバ1の補正回転角θaを算出する。補正回転角θaは、レゾルバ1の回転角毎に算出される。例えば、レゾルバ誤差量算出部46にて、位相情報の回転角θrから予測回転角θpを減じてレゾルバ誤差量θeを算出する場合は、位相情報の回転角θrからレゾルバ誤差量θeを減じて補正回転角θaを算出する。一方、レゾルバ誤差量算出部46にて、予測回転角θpから位相情報の回転角θrを減じてレゾルバ誤差量θeを算出する場合は、位相情報の回転角θrにレゾルバ誤差量θeを加算して補正回転角θaを算出する。算出された補正回転角θaは、電力変換器50に出力される。
電力変換器50は、例えば、公知のインバータ等を用いることができる。電力変換器50は、図示しない電流指令部が生成する駆動信号に基づくモータ電流をモータ60に供給することにより、モータ60を駆動することができる。電流指令部は、補正回転角θaを用いて駆動信号を生成する。電力変換器50の駆動信号は、例えば、PWM制御におけるパルスのON幅とOFF幅の比であるデューティ比で表すことができる。PWM制御においては、スイッチング素子がONのときに対応する相にモータ電流が流れ、スイッチング素子がONしている時間(ON幅)に応じてモータ電流が変化する。つまり、ON幅が長くなるとモータ電流は大きくなり、ON幅が短くなるとモータ電流は小さくなる。
本実施形態では、演算部4は、誤差情報テーブル40及びレゾルバ誤差量算出部46を有するので、レゾルバ1が等速度で回転しているときにレゾルバ誤差量θeを算出して誤差情報テーブル40を更新することができる。さらに、演算部4は、補正回転角算出部47を有するので、誤差情報テーブル40に記憶されているレゾルバ誤差量θeを用いてレゾルバ1の補正回転角θaを算出することができる。そのため、レゾルバ1が等速度で回転しているときだけでなく、レゾルバ1が加速又は減速をしているときにおいても、レゾルバ1の位相情報に含まれるレゾルバ誤差を補正することができる。
(3)その他
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、レゾルバの出力コイルをロータに設け、レゾルバの励磁コイルをステータに設けることもできる。また、本実施形態では、等速度回転判定部44は、第1直前周期T1P及び第2直前周期T2Pの2つの周期からレゾルバ1の等速度判定を行うが、3つ以上の周期からレゾルバ1の等速度判定を行うこともできる。この場合、例えば、隣接する2つの周期の周期差をそれぞれ算出して、各周期差が所定閾値以下であるか否かによってレゾルバ1の等速度判定を行うことができる。
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、レゾルバの出力コイルをロータに設け、レゾルバの励磁コイルをステータに設けることもできる。また、本実施形態では、等速度回転判定部44は、第1直前周期T1P及び第2直前周期T2Pの2つの周期からレゾルバ1の等速度判定を行うが、3つ以上の周期からレゾルバ1の等速度判定を行うこともできる。この場合、例えば、隣接する2つの周期の周期差をそれぞれ算出して、各周期差が所定閾値以下であるか否かによってレゾルバ1の等速度判定を行うことができる。
1:レゾルバ
2:励磁部
3:出力信号変換部
4:演算部
40:誤差情報テーブル 46:レゾルバ誤差量算出部
47:補正回転角算出部
θp:予測回転角 θr:位相情報の回転角 θe:レゾルバ誤差量
θa:補正回転角
2:励磁部
3:出力信号変換部
4:演算部
40:誤差情報テーブル 46:レゾルバ誤差量算出部
47:補正回転角算出部
θp:予測回転角 θr:位相情報の回転角 θe:レゾルバ誤差量
θa:補正回転角
Claims (3)
- ロータの回転角を検出するレゾルバと、前記レゾルバに励磁信号を印加する励磁部と、前記レゾルバの出力信号をデジタル信号に変換する出力信号変換部と、前記変換された前記レゾルバの位相情報を用いて前記レゾルバの回転角を補正する演算部と、を備えるレゾルバ装置であって、
前記レゾルバが等速度で回転しているときに推定される推定回転角であって一定割合で増加又は減少する前記レゾルバの回転角を予測回転角とするときに、
前記演算部は、前記レゾルバが前記等速度で回転しているときの前記位相情報の回転角と前記予測回転角との差分であるレゾルバ誤差量を前記レゾルバの回転角毎に記憶する誤差情報テーブルと、
前記レゾルバが前記等速度で回転しているときに前記レゾルバ誤差量を算出して前記誤差情報テーブルを更新するレゾルバ誤差量算出部と、
前記誤差情報テーブルに記憶されている前記レゾルバ誤差量を前記位相情報の回転角に加算又は減算して前記レゾルバの補正回転角を算出する補正回転角算出部と、
を有することを特徴とするレゾルバ装置。 - 前記レゾルバ誤差量算出部は、電気角の少なくとも2周期以上において前記レゾルバの回転速度が変化しない所定回転数以上のときに前記レゾルバ誤差量を算出して前記誤差情報テーブルを更新する請求項1に記載のレゾルバ装置。
- 前記レゾルバ誤差量は、ローパスフィルタが掛けられている請求項1又は2に記載のレゾルバ装置。
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