JP6779227B2 - 角度検出装置および電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような回転軸端部において角度を検出する構成の角度検出装置は、軸方向の寸法が長くなり大型になるという問題がある。
一方、回転軸の周囲にセンサマグネットを配置し、センサマグネットの周囲に磁気抵抗型の半導体センサを配置する場合には、空間的な磁界の歪が大きくなり、角度検出精度が悪化してしまうという課題がある。
極に着磁され、軸方向下面が軸方向上面と逆に着磁された両面4極着磁であり、回転角度を検出するための角度検出用磁界を発生するリング状のセンサマグネットと、センサマグネットと対向する面の回転軸を中心としたセンサマグネットの外径よりも小さい円周上において基板上に回転軸に対して同一半径で角度が90[deg]離れた位置に配置され、角度検出用磁界に応じた信号を出力する第1のセンサおよび第2のセンサで構成され、回転軸が一回転した時の回転磁界方向の大きさと向きの変化として、第1のセンサおよび第2のセンサのそれぞれが半径方向成分を余弦信号で出力し、周方向成分を正弦信号で出力するセンサと、第1のセンサの余弦信号および正弦信号から逆正接関数または変換テーブルを用いて算出した第1の回転角の信号並びに第2のセンサの余弦信号および正弦信号から逆正接関数または変換テーブルを用いて算出した第2の回転角の信号を用いて回転角を演算する角度演算部を備えた角度検出装置において、第1のセンサおよび第2のセンサが角度検出用磁界に応じて出力する信号は正弦信号と余弦信号であり、角度演算部は第1のセンサが出力する正弦信号のKs倍と前記第2のセンサが出力する余弦信号のKc倍の和または差から得られる補正後正弦信号と、第1のセンサが出力する余弦信号のKc倍と第2のセンサが出力する正弦信号のKs倍の和または差から得られる補正後余弦信号から回転角を算出し、正弦信号または余弦信号に乗算するゲインKsまたはKcのうちのいずれか一方は1であり、もう一方は正弦信号と余弦信号の(2p+1)次成分(pは自然数)の比に基づいている。
図1は、本実施の形態1における角度検出装置の構成を示す断面図である。
永久磁石モータの回転軸1の周囲部分に、センサマグネット2とセンサマグネット2を固定するホルダ3が、回転軸1に一体に固定されている。
センサマグネット2は例えば射出成形ネオジウムボンド磁石であり、ホルダ3と一体にリング形状に成形される。センサマグネット2は通称、両面4極着磁であり、軸方向上面2aの半分がそれぞれN極S極に着磁され、軸方向下面2bは前記上面2aと逆の極に着磁される。すなわち、センサマグネット2の作る磁界は、矢印のようにN極から軸方向に流れ、軸方向からS極に流れる磁界分布となる。ここでは、軸方向に着磁されたものについて説明するが、半径方向など別の方向に着磁されたものであっても同様の作用効果を得ることができる。
センサマグネット2の前記上面2aに対向して、磁気抵抗型の半導体センサであるセンサ10aとそれを実装する基板11が配置されている。角度検出装置を構成する他の電子部品や配線パターンや取付穴などは省略して要部のみを図示している。
CPU(Central Processing Unit)12は、センサ10aによって得られた信号を基に回転角を算出する。例えば、本実施の形態の角度検出装置をブラシレスモータなどの交流回転機に搭載した場合には、この回転角を基に制御を行うことになる。
センサは図1、図2に示すように、センサマグネット2と対向する面となる基板11上にセンサマグネット2の外径よりも小さい円周上において回転軸1に対して同一半径の90[deg]離れた位置に配置されたセンサ10aとセンサ10bから構成される。センサ10bの構成は上述したセンサ10aと同じある。なお、図2ではホルダ3と基板11およびCPUを省略して図示している。
例えば、センサ10aが半径方向成分Brを余弦信号Vcos1で出力し、周方向成分Bθを正弦信号Vsin1で出力し、またセンサ10bが半径方向成分Brを余弦信号Vcos2で出力し、周方向成分Bθを正弦信号Vsin2で出力するセンサである場合について説明する。なお、以下の説明においては、正弦信号Vsin、余弦信号Vcosを表すのに、単にVsin、Vcosのみを用いて表現する箇所もある。
余弦信号Vcos1では基本波(図4に示す太破線)の振幅が信号(図4に示す細破線)の振幅に比べて大きくなっており、正弦信号Vsin1では基本波(図4に示す太実線)の振幅が信号(図4に示す細実線)の振幅に比べて小さくなっている。基本波同士を比較すると、Vcos1とVsin1では基本波振幅に大きな差がある。つまり、基本波の振幅比が1では無いため、2次の角度誤差として表れる。また、元信号と基本波の差が誤差信号ということになるが、基本波と元信号の大小関係を見ると、1回転に3回大小関係が入れ替わることから、信号誤差は主に3次成分が大きい。また、Vcos1に含まれる3次成分はVsin1に含まれる3次成分よりも位相がほぼ90[deg]進んでいて振幅はほぼ等しいことから、こちらも2次の角度誤差として表れる。つまり、この場合には図5のようにほぼ2次の角度誤差となる。
例えば、以下のような手順で算出すればよい。式(1)のように、Vcos1およびVsin1から回転角θ1を算出する。
なお、正弦信号と余弦信号を出力せずに角度を出力するセンサであっても、磁気抵抗によって角度を検出するものであれば、図11のように回転角θ1と回転角θ2を検出するセンサ10aa、センサ10baを設けた構成としてもよく、角度演算部13aで式(3)のように回転角θを算出することで同様の効果を得られる。
なお、Vcos1、Vsin1、Vcos2、Vsin2には(2q−1)次の信号誤差が重畳されていることが多いため、回転角θ1または回転角θ2を算出する際にはそれらの次数成分誤差を補正したものを使用してもよい。信号誤差は回転角によって定まるので回転角に基づいて補正量を決定できるが、信号から回転角を算出するので信号を補正する時点では回転角は算出できていない。低回転域では前回算出した回転角からの変化量は小さいため、前回の回転角値を使用して信号誤差補正量を決定してもよい。高次成分を補正する場合には、高回転域では期待の信号誤差補正量からのずれが大きくなるため、前回の回転角値、回転数および前回算出した回転角からの変化量に基づいた推定回転角を使用して信号誤差補正量を決定してもよい。
本実施の形態においては、回転軸を中心としてこの回転軸と一体に回転し、回転角度を検出するための角度検出用磁界を発生するセンサマグネットと、回転軸を中心とした円周上において角度が90[deg]離れた位置に配置され、角度検出用磁界に応じた信号を出力する第1のセンサおよび第2のセンサと、第1のセンサおよび第2のセンサからの信号を用いて回転角を演算する角度演算部を備えている。また、第1のセンサおよび第2のセンサが角度検出用磁界に応じて出力する信号は角度であり、角度演算部は第1のセンサが出力した角度と第2のセンサが出力した角度の平均を回転角としている。また、第1のセンサおよび第2のセンサが角度検出用磁界に応じて出力する信号は正弦信号と余弦信号であり、角度演算部は第1のセンサが出力した正弦信号と余弦信号から算出した角度と、第2のセンサが出力した正弦信号と余弦信号から算出した角度との平均を回転角としている。
本実施の形態2では、実施の形態1を示す図10のブロック図において角度演算部13の代わりに式(6)、式(7)に基づき回転角θを算出する角度演算部(図示せず、便宜上角度演算13cともいう)を用いる。
センサ10aが出力する余弦信号Vcos1および正弦信号Vsin1は近似すると、式(7)のように表現できる。ここで、anおよびdn(nは自然数)は正または0の値である。
角度演算部13cでは、Vcos1と−Vcos2から回転角θ1を、Vsin1とVsin2から回転角θ2を算出する。いずれの組合せも基本波を含めて各次数成分の振幅が等しいもの同士となっているため、(4n−2)次の角度誤差が出ず、回転角θ1に含まれる角度誤差は図14、回転角θ2に含まれる角度誤差は図15のようになる。最も大きい4次の角度誤差の位相は180[deg]異なるものになっており、2つの平均を回転角θとすることで図16のように角度誤差を低減できる。
なお、Vcos1、Vsin1、Vcos2、Vsin2に含まれる(2q−1)次の信号誤差を、前回の回転角値あるいは推定回転角に基づく信号誤差補正量によって補正してからを回転角θ1または回転角θ2を算出してもよい。
本実施の形態においては、第1のセンサおよび第2のセンサが角度検出用磁界に応じて出力する信号は正弦信号と余弦信号であり、角度演算部は第1のセンサが出力する正弦信号と第2のセンサが出力する正弦信号から算出した角度と第1のセンサが出力する余弦信号と第2のセンサが出力する余弦信号から算出した角度との平均を回転角としている。また、角度演算部は、回転角を算出するのに使用する正弦信号、余弦信号、補正後正弦信号、または補正後余弦信号の少なくとも1つは、(2q−1)次(qは自然数)の信号誤差を補正したものである。また、角度演算部は、前回の回転角値により信号誤差を補正している。
本実施の形態では、図10のブロック図において角度演算部13の代わりに式(9)に基づいて回転角θを算出する角度演算部(図示せず、便宜上角度演算部13eともいう)を用いる。
前述の式(6)および式(7)から、検出角を逆正接関数によって算出する際には、余弦信号としてVcos1の代わりにVcos1+Vsin2を、正弦信号としてVsin1の代わりにVsin1−Vcos2を使用してもよい。
角度演算部13eでは、Vcos1+Vsin2とVsin1−Vcos2から式(9)に基づいて、θを算出する。
さらに、実施の形態1と同様に回転角θに対して式(4)あるいは式(5)のような補正式を用いて回転角θ’あるいは回転角θ’’を算出する角度演算部(図示せず、便宜上角度演算部13fともいう)としてもよい。角度演算部13fを用いることで、補正前の時点で図19、図20のように角度誤差が小さいため、図21、図22のように式(4)による補正効果が顕著に出てくる。
なお、Vcos1+Vsin2、Vsin1−Vcos2に含まれる(2q−1)次の信号誤差を、前回の回転角値あるいは推定回転角に基づく信号誤差補正量によって補正してから回転角θを算出してもよい。
なお、Vsin1とVcos2、Vcos1とVsin2が同じ軸成分を示すものであればよいので、図17のような配置としても、同様の効果が得られることはいうまでも無い。
本実施の形態においては、角度演算部は、補正後正弦信号と補正後余弦信号の基本波振幅の比をいずれかの信号に乗算してから回転角を算出している。また、角度演算部は、前回の回転角値に基づいた推定回転角により信号誤差を補正している。
本実施の形態では、図10のブロック図において角度演算部13の代わりに式(11)に基づき回転角θを算出する角度演算部(図示せず、便宜上角度演算部13gともいう)を用いる。
Vcos1+Vsin2およびVsin1−Vcos2に含まれる信号誤差のうち、最も大きいのは5次成分となるが、Vcos1およびVsin1の4n−1次成分の信号誤差(a3とd3、a7とd7、…)は差異があるため3次成分も比較的大きい場合がある。
角度演算部13gでは、センサ10aおよびセンサ10bから得られた信号を用いて、Vcos1+kVsin2とkVsin1−Vcos2を算出する。aとdの2n+1次成分(nは自然数)の比は、類似のものとなっているため、例えばkは式(10)で与えられる。
さらに、実施の形態1と同様に回転角θに対して補正を行う角度演算部(図示せず、便宜上角度演算部13hともいう)としてもよい。角度演算部13hを用いることで、ここでは、4n−1次成分の相殺を狙って振幅を調整して回転角を算出しているため、角度誤差の補正には式(12)を用いればよい。ただし、図23、図24のように4次の振幅が実施の形態3に比べると大きいため、角度誤差を大きく低減したい場合には式(13)などで複数回の補正をするとよい。
なお、Vcos1+kVsin2、kVsin1−Vcos2に含まれる(2q−1)次の信号誤差を、前回の回転角値あるいは推定回転角に基づく信号誤差補正量によって補正してから回転角θを算出してもよい。
なお、Vsin1とVcos2、Vcos1とVsin2が同じ軸成分を示すものであればよいので、図17のような配置としても、同様の効果が得られることはいうまでも無い。
本実施の形態においては、第1のセンサおよび第2のセンサが角度検出用磁界に応じて出力する信号は正弦信号と余弦信号であり、角度演算部は第1のセンサが出力する正弦信号のKs倍と第2のセンサが出力する余弦信号のKc倍の和または差から得られる補正後正弦信号と、第1のセンサが出力する余弦信号のKc倍と第2のセンサが出力する正弦信号のKs倍の和または差から得られる補正後余弦信号から回転角を算出している。また、正弦信号または余弦信号に乗算するゲインKsまたはKcのうちのいずれか一方は1であり、もう一方は正弦信号と余弦信号の(2p+1)次成分(pは自然数)の比に基づいている。
センサ10aまたはセンサ10bのうちの1つが故障によって取得できない場合について、本実施の形態では、図10のブロック図において角度演算部13の代わりに回転角θに対する補正量を考慮して回転角θを算出する角度演算部(図示せず、便宜上角度演算部13iともいう)を用いる。ここでは、センサ10bが故障した場合について説明する。
センサ10bが出力する信号が取得できないため、センサ10aが出力するVcos1およびVsin1によって回転角を算出する必要がある。ただし、Vcos1およびVsin1に含まれる信号誤差が大きいため、この2つの信号から得られる角度に含まれる誤差も図5で示したように大きいものとなる。図5の横軸である回転角は角度真値であり、実際に補正に用いることができる検出によって得られる回転角を横軸とした場合には、図25のような歪んだ形になる。角度演算部13iでは、図25の波形を補正テーブルとして持ち、Vcos1とVsin1から算出した回転角θに対して補正量δを算出する。回転角θから補正量δを減算することにより、補正後の回転角θ’を算出する。回転角θ’に含まれる角度誤差は図26、図27に示すとおり、微小なものに低減できる。
なお、本実施の形態5では補正テーブルを用いて補正をしたが、式(12)などのような式によって補正しても同様の効果が得られることはいうまでも無い。
なお、Vcos1、Vsin1に含まれる(2q−1)次の信号誤差を、前回の回転角値あるいは推定回転角に基づく信号誤差補正量によって補正してから電気角θを算出してもよい。
本実施の形態においては、角度演算部13iは、センサのうちの一方の余弦信号が故障したときに正弦信号と90[deg]離れた位置の正弦信号から回転角を算出し、またはセンサのうちの一方の正弦信号が故障したときに余弦信号と90[deg]離れた位置の余弦信号から回転角を算出している。また、角度演算部は、センサのうちの一方が故障したときに他方のセンサ出力情報から回転角を算出し、回転角に対して2n次(nは自然数)の角度誤差を補正してm回補正後(mは自然数)の回転角を算出している。
センサ10aおよびセンサ10bから得られる4つの信号のうちの1つが故障によって取得できない場合について、本実施の形態では、図10のブロック図において角度演算部13の代わり回転角θに対する補正量を考慮して回転角θを算出する角度演算部(図示せず、便宜上角度演算部13jともいう)を用いる。ここでは、センサ10bの正弦信号が故障した場合について説明する。
センサ10aが出力するVcos1およびVsin1、センサ10bが出力するVcos2によって回転角を算出する必要がある。Vcos1とVsin1では基本波振幅の差異が大きく、非常に大きい2次の角度誤差を生じる。一方、Vcos2とVcos1では搭載ばらつきなどで小さい差異はあるものの基本波振幅がほぼ等しいため、図14のように2次の角度誤差を抑制できる。補正を実施する場合においても、補正前の誤差が小さいほど補正後の精度を確保できることから、本実施の形態の角度演算部13jでは、Vcos1とVcos2から算出した回転角θに対して補正量δを算出する。補正量δは、補正テーブルあるいは補正式によって算出すればよい。回転角θから補正量δを減算することにより、補正後の回転角θ’を算出する。
回転角θ’に含まれる角度誤差は図28、図29に示すとおり、センサ10aの2つの信号を用いて算出した図26、図27に対して、さらに微小なものに低減できる。
なお、本実施の形態6では補正テーブルを用いて補正をしたが、式(12)などのような式によって補正しても同様の効果が得られることはいうまでも無い。
なお、Vcos1、Vsin1、Vcos2、Vsin2に含まれる(2q−1)次の信号誤差を、前回の回転角値あるいは推定回転角に基づく信号誤差補正量によって補正してから回転角θを算出してもよい。
また、Vsin1とVcos2、Vcos1とVsin2が同じ軸成分を示すものであればよいので、図17のような配置としても、同様の効果が得られることはいうまでも無い。
本実施の形態においては、角度演算部13jは、センサのうちの一方が故障したときに他方のセンサ出力情報から回転角を算出し、回転角に対して2n次(nは自然数)の角度誤差を補正してm回補正後(mは自然数)の回転角を算出している。
本実施の形態では、図10のブロック図において角度演算部13の代わりに式(9)に基づいて回転角θを算出する角度演算部(図示せず、便宜上角度演算部13kともいう)を用いる。
センサマグネット2の磁界の歪みが大きい場合には、式(6)および式(7)の項以外に偶数次の成分が信号に表れる。このとき、センサ10aが出力する余弦信号Vcos1および正弦信号Vsin1は式(14)、センサ10bが出力する余弦信号Vcos2および正弦信号Vsin2は式(15)のように表現できる。
角度演算部13kでは、式(16)に示すVcos1+Vcos2とVsin1+Vsin2から式(17)に基づいて、θを算出する。
逆正接関数はテーブルなどを用いて演算することが多いため、元信号から一旦角度を算出する必要が無い分、処理負荷を低減できるという従来に無い効果を得られる。さらに、他の実施の形態と同様に回転角θに対して更なる補正をすることで、補正効果がより顕著に出てくることはいうまでも無い。
前記実施の形態では角度検出装置について説明したが、該角度検出装置と運転者の操舵を補助するためのアシストトルクを発生する交流回転機とを備えた電動パワーステアリング装置に適用しても良い。
図30は、この発明の実施の形態8における電動パワーステアリング装置の構成を示す図である。図30において、電動パワーステアリングは、ステアリングホイール101と、ステアリングシャフト102と、ラック・ピニオンギヤ103と、車輪104、105と、交流回転機106と、減速ギヤ107と、角度検出装置108と、トルクセンサ109と、電源(バッテリ)110と、車速センサ111と、制御装置112が設けられている。
図30において、図示しない運転者からステアリングホイール101に加えられた操舵トルクは、トルクセンサ109のトーションバー、ステアリングシャフト102を通り、ラック・ピニオンギヤ103を介して、ラックに伝達され、車輪104、105を転舵させる。
交流回転機106は、減速ギヤ107を介してステアリングシャフト102と連結している。交流回転機106から発生する出力トルクは、減速ギヤ107を介してステアリングシャフト102に伝達され、操舵時に運転者が加える操舵トルクを軽減する。この交流回転機106は、例えば、永久磁石型同期回転機、界磁巻線型同機回転機、誘導機などを使用する。
トルクセンサ109は、運転者がステアリングホイール101を操舵することによりトーションバーに加わった操舵トルクを検出する。この操舵トルクによってトーションバーには操舵トルクにほぼ比例した捩れが生じるので、この捩れ角を検出し、操舵トルク信号τ0に換算する。車速センサ111は、車両の走行速度を検出した信号である車速Vxを出力する。
また、角度検出装置108は、前記実施の形態のいずれかのものであり、交流回転機106の回転軸に取り付けられ、交流回転機106の回転角を出力する。
制御装置112は、トルクセンサ109で検出した操舵トルク信号τ0と、角度検出装置108で得られた回転角θと、車速センサ111で検出した車速に応じて、交流回転機106が出力する出力トルクに相当する電流指令の方向と大きさを決定し、この出力トルクを交流回転機106に発生させるべく、電流指令に基づいて電源110から交流回転機106に流す電流を制御する。
この種の装置においては、定格回転数を超える高回転域では、出力を向上させるために弱め界磁制御を利用することが多い。その場合、回転n次(nは自然数)の角度誤差δがあると、電流絶対値I、電流位相角β、トルク定数Kt、d軸電流Idを用いて式(18)で表される振幅のトルクリプルが生じる。
Claims (9)
- 回転軸を中心としてこの回転軸と一体に回転し、軸方向上面の半分がそれぞれN極、S極に着磁され、軸方向下面が前記軸方向上面と逆に着磁された両面4極着磁であり、回転角度を検出するための角度検出用磁界を発生するリング状のセンサマグネットと、
前記センサマグネットと対向する面の前記回転軸を中心とした前記センサマグネットの外径よりも小さい円周上において基板上に前記回転軸に対して同一半径で角度が90[deg]離れた位置に配置され、前記角度検出用磁界に応じた信号を出力する第1のセンサおよび第2のセンサで構成され、前記回転軸が一回転した時の回転磁界方向の大きさと向きの変化として、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサのそれぞれが半径方向成分を余弦信号で出力し、周方向成分を正弦信号で出力するセンサと、
前記第1のセンサの余弦信号および正弦信号から逆正接関数または変換テーブルを用いて算出した第1の回転角の信号および前記第2のセンサの余弦信号および正弦信号から逆正接関数または変換テーブルを用いて算出した第2の回転角の信号を用いて回転角を演算する角度演算部を備えた角度検出装置において、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが前記角度検出用磁界に応じて出力する信号は正弦信号と余弦信号であり、前記角度演算部は前記第1のセンサが出力する正弦信号のKs倍と前記第2のセンサが出力する余弦信号のKc倍の和または差から得られる補正後正弦信号と、前記第1のセンサが出力する余弦信号のKc倍と前記第2のセンサが出力する正弦信号のKs倍の和または差から得られる補正後余弦信号から回転角を算出し、前記正弦信号または前記余弦信号に乗算するゲインKsまたはKcのうちのいずれか一方は1であり、もう一方は前記正弦信号と前記余弦信号の(2p+1)次成分(pは自然数)の比に基づくことを特徴とする角度検出装置。 - 前記角度演算部は、前記補正後正弦信号と前記補正後余弦信号の基本波振幅の比をいずれかの信号に乗算してから回転角を算出することを特徴とする請求項1に記載の角度検出装置。
- 前記角度演算部は、前記センサのうちの一方の前記余弦信号が故障したときに正弦信号と90[deg]離れた位置の正弦信号から回転角を算出し、または前記センサのうちの一方の前記正弦信号が故障したときに余弦信号と90[deg]離れた位置の余弦信号から回転角を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の角度検出装置。
- 前記角度演算部は、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの信号より算出した前記回転角に対して、4n次(nは自然数)の角度誤差を補正してm回補正後(mは自然数)の回転角を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の角度検出装置。
- 前記角度演算部は、回転角を算出するのに使用する正弦信号、余弦信号、補正後正弦信号、または補正後余弦信号の少なくとも1つは、(2q−1)次(qは自然数)の信号誤差を補正したものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の角度検出装置。
- 前記角度演算部は、前回の回転角値により前記信号誤差を補正することを特徴とする請求項5に記載の角度検出装置。
- 前記角度演算部は、前回の回転角値に基づいた推定回転角により前記信号誤差を補正することを特徴とする請求項5に記載の角度検出装置。
- 前記角度演算部は、前記センサのうちの一方が故障したときに他方のセンサ出力情報から回転角を算出し、前記回転角に対して2n次(nは自然数)の角度誤差を補正してm回補正後(mは自然数)の回転角を算出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の角度検出装置。
- 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の角度検出装置と、運転者の操舵を補助するためのアシストトルクを発生する交流回転機とを備えた電動パワーステアリング装置。
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