JP4429888B2 - 補償機能を備えた角度検出センサ - Google Patents

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Description

本発明は、GMR素子に代表される磁気抵抗効果素子を用いた角度検出センサに係わり、特に磁気抵抗効果素子から出力される信号間に位相誤差や歪み誤差などを含んでいる場合にも検出される出力角度の検出精度を高めることを可能とした補償機能を備えた角度検出センサに関する。
自動車のステアリングホイールなど出力角度の検出は、ステアリングシャフトなどの回転部材に同期して回転するホイールと角度検出センサなどを用いて行われる。前記角度検出センサのセンサ部には磁気を感知して出力信号を出力する磁気抵抗効果素子が採用されており、このような磁気抵抗効果素子を用いた角度検出センサの先行技術文献としては、例えば以下の特許文献1、2、3および4などが存在している。
図11は角度検出センサ100の構成を示す平面図であり、角度検出センサ100は前記回転中心Oに対して回転するホイール102とその内部にパッケージ101とが設けられている。
前記パッケージ101内には前記回転中心Oに対して対称の位置(回転中心Oの回りに互いに90°ずれた位置)に4つのチップ基板(ウェハ)K1,K2,K3,K4がそれぞれ設けられている。一つのチップ基板には、交換バイアス層(反強磁性体層)と、固定層(ピン止め層)と、非磁性層と、自由層(フリー磁性層)とが積層された構造を基本とする磁気抵抗効果素子としてのGMR素子(個別にG1ないしG8で示す)が2ヶづつ設けられている。
すなわち、前記チップ基板K1にはGMR素子G1とG2が設けられ、チップ基板K2にはGMR素子G3とG4が設けられ、チップ基板K3にはGMR素子G5とG6が設けられ、チップ基板K4にはGMR素子G7とG8が設けられている。各チップ基板K1〜K4に搭載された各GMR素子G1〜G8は、GMR素子G1とGMR素子G4とが直列接続され且つGMR素子G3とGMR素子G2とが直列接続された状態で両者が並列に接続されて第1のブリッジ回路が構成されている。同様にGMR素子G5とGMR素子G8とが直列接続され且つGMR素子G7とGMR素子G6とが直列接続された状態で両者が並列に接続されて第2のブリッジ回路が構成されている(図1参照)。
磁石M1,M2は前記ホイール102の内面に固着されている。一方の磁石M1はN極が回転中心Oに向けられ且つ他方の磁石M2はS極が回転中心Oに向けられた状態で固着されており、前記磁石M1と磁石M2の間には一定の外部磁界Hが発生している。
被測定物である回転部材が回転して前記ホイール102が回転させられると、前記磁石M1,M2がパッケージ101の回りを周回する。このとき、前記外部磁界Hに応じて各GMR素子G1〜G8の自由層の磁化の向きが変化させられる。これにより前記各GMR素子G1〜G8の抵抗値が、前記自由層の磁化の向きと前記固定層の磁化の向きとのなす角に応じて変化するため、前記第1のブリッジ回路から+sin信号と−sin信号が出力され、同時に前記第2のブリッジ回路からは第1のブリッジ回路の±sin信号から位相が90°ずれた+cos信号と−cos信号が出力される。
制御部は、これら4つの信号のうち、前記+sin信号と−sin信号とを差動増幅してSIN信号(正弦波信号)を生成し、且つ前記+cos信号と−cos信号とを差動増幅してCOS信号(余弦波信号)を生成する。次に、前記制御部は前記SIN信号(正弦波信号)とCOS信号(余弦波信号)とから正接値(tan)を計算し、さらに逆正接値(arctan)を求めることにより、前記回転部材の出力角度を検出することが可能となっている。
特開2002−303536号公報 特開2000−35470号公報 特開2003−106866号公報 特開2003−66127号公報
前記角度検出センサ100では、回転部材の回転角を高精度に検出するためには、前記正弦波信号と余弦波信号との間の位相差90°を高精度に保つことが必要である。そして、そのためには同一のチップ基板に設けられた2ヶのGMR素子の前記固定層の磁化方向(磁化の向き)eは同一方向で製造されるものであるから、例えばチップ基板K1の磁化方向eを+Y方向とすると、チップ基板K2の磁化方向eは−Y方向、チップ基板K3の磁化方向eは+X方向、チップ基板K4の磁化方向eは−X方向、というように隣り合うチップ基板間で前記磁化方向eが互いに高い精度の90°間隔でずれるように実装する必要がある。
しかし、GMR素子G1〜G8の固定層の磁化方向eは目視によって確認することが不可能であるため、前記磁化方向eが正確に90°ずれるように各チップ基板K1〜K4をパッケージ上に実装することは困難であり、前記90°を正確に設定することができない場合には、位相誤差αが90°±αとして発生し前記回転部材の回転角(出力角度)を高精度に検出できなくなるという問題があった。
また各チップ基板が高い精度で切り出されており、且つGMR素子G1〜G8の磁化方向eがチップ基板の一辺に対して高い精度で平行に形成されている場合には、例えば画像認識装置などの実装角度を補正する装置を駆使してパッケージ上にチップ基板どうしを90°に実装することにより前記磁化方向eを正確に90°ずらすことが可能であるが、この場合には前記チップ基板の製造コストが高騰しやすく、また実装時の組み立て工手が複雑になって組み立て時間や組み立てコストが増大するという問題がある。
一方、上記角度検出センサ100では、出力角度φが、前記ホイール102が回転する入力角度(磁石回転角度)θに正確に比例して出力されることが理想的であるが、実際の出力角度φは一次関数で変化する直線上に正弦波状の信号が重畳した歪み誤差が現れるものとなり、前記出力角度φが前記入力角度θに正確に比例しないことがある(図6参照)。
このような歪み誤差が発生する原因は、前記GMR素子特有の抵抗値歪みに起因することが知られており、前記角度検出センサ100の出力である前記4つの信号波形に各々このような歪み誤差が生じると、前記SIN信号およびCOS信号にも歪み誤差が発生し、ひいては前記正接値(tan)や逆正接値(arctan)の計算においても前記歪み誤差の影響を受けるため、角度検出センサから検出される出力角度φの精度を高めることができないという問題があった。
前記位相誤差αや歪み誤差βは所定の関数で近似することができ、その近似関数を用いて前記角度検出センサ100のから出力される出力角度φを角度ごとに補償することができれば、前記出力角度φの精度を大幅に高めることが可能である。しかし、所定の関数を構成する補正係数を容易に算出することができず、上記特許文献1、2、3および4にも補正係数を得る方法に関する記載は存在しない。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、磁気抵抗効果素子から出力される4つの信号に、上記のような位相誤差および/または歪み誤差による誤差信号が含まれているような場合にも、これらの影響を少なくして検出される出力角度の検出精度を高めることを可能とした補償機能を備えた角度検出センサを提供することを目的としている。
また本発明は位相誤差αや歪み誤差βを近似的に示す位相補償値および歪み補償値を容易に算出することが可能な補償機能を備えた角度検出センサを提供することを目的としている。
本発明は、被測定物に与えられた回転に応じて回転磁界を発生するとともに前記回転磁界を感知して前記回転の入力角度に応じた複数の出力信号を出力するセンサ部と、前記出力信号から前記被測定物が回転した角度を出力角度として算出する信号処理部と、を備えた角度検出センサにおいて、
前記信号処理部には、前記出力信号から所定の位相差を有する2種類の信号を生成する信号変換手段と、前記2種類の信号から前記被測定物の補償前における出力角度を算出する第1の関数演算手段と、前記補償前の出力角度に含まれている誤差信号を除去する補償値を算出する補償手段と、前記補償手段が前記補償値を算出するときに用いる補償係数を予め取得して記憶しておくメモリ手段と、前記メモリ手段の記憶されている補償係数を読み出して前記補償手段に与える制御部と、が設けられ、
前記誤差信号が、前記センサ部が有する特性に基づいて発生する歪み誤差であり、前記補償手段には前記歪み誤差を減少させる歪み補償値を生成する歪み補償部が設けられていることを特徴とするものである。
また本発明は、被測定物に与えられた回転に応じて回転磁界を発生するとともに前記回転磁界を感知して前記回転の入力角度に応じた複数の出力信号を出力するセンサ部と、前記出力信号から前記被測定物が回転した角度を出力角度として算出する信号処理部と、を備えた角度検出センサにおいて、
前記信号処理部には、前記出力信号から所定の位相差を有する2種類の信号を生成する信号変換手段と、前記2種類の信号から前記被測定物の補償前における出力角度を算出する第1の関数演算手段と、前記補償前の出力角度に含まれている誤差信号を除去する補償値を算出する補償手段と、前記補償手段が前記補償値を算出するときに用いる補償係数を予め取得して記憶しておくメモリ手段と、前記メモリ手段の記憶されている補償係数を読み出して前記補償手段に与える制御部と、が設けられ、
前記誤差信号が、前記2種類の信号間に存在する前記所定の位相差を超えたことによって発生する位相誤差および前記センサ部が有する特性に基づいて発生する歪み誤差であり、前記補償手段には前記位相誤差を減少させる位相補償値を生成する位相補償部および前記歪み誤差を減少させる歪み補償値を生成する歪み補償部が設けられているものである
上記において、前記メモリ手段には、前記補償前の出力角度に含まれる誤差信号をサンプリングして取得したデータに対し離散フーリエ変換を行って得られる値が補償係数として記憶されているものが好ましい。
上記において、前記補償係数が、位相補償係数歪み補償係数の少なくとも一方である。
この場合、前記位相補償係数に与えられる正負の符号が、前記離散フーリエ変換を行って得られた高調波を複素数で表したときの実数の符号により決定することができる。
例えば、前記位相補償係数が2次高調波成分から得られるものとすることができ、前記歪み補償係数が4次高調波成分から得られるものとすることができる。
本発明では、角度検出センサの出力角度の精度を高める位相補償値と歪み補正値とを容易に求めることができる。
しかも、位相補償係数とその符号、および歪み補償係数を記憶しておくだけでよいため、データ量が少なく、その読み出し時間も大幅に短縮することが可能である。よって、角度検出センサの出力角度をリアルタイムで検出することが可能となる。
図1は本発明の角度検出センサの構成を示すブロック構成図、図2は2組のブリッジ回路から出力される4つの信号の関係を理想的な場合として示す波形図である。以下に説明する角度検出センサは、自動車のステアリングシャフトなどの回転部材の出力角度を検出するものである。
図1に示す角度検出センサは、センサ部1と前記センサ部1から出力される出力信号の処理を行う信号処理部10を有している。なお、図示P−P線より左側がセンサ部1を示し、右側が信号処理部10を示している。
前記センサ部1の構成は上記「背景技術」の欄において説明したものと同様である。すなわち、図11に示すように前記センサ部1は回転中心Oに対して回転自在に設けられたホイール102と、前記ホイール102の内部に4つのチップ基板(ウェハ)K1,K2,K3およびK4を搭載したパッケージ103とを有している。前記4つのチップ基板K1〜K4は、前記パッケージ103内において前記回転中心Oに対して対称の位置、すなわち回転中心Oの回りに互いに90°間隔でずれた位置にそれぞれ設けられている。
一つのチップ基板には、交換バイアス層(反強磁性体層)と、固定層(ピン止め層)と、非磁性層と、自由層(フリー磁性層)とが積層された構造(図示せず)を基本とする磁気抵抗効果素子としてのGMR素子(個別にG1ないしG8で示す)が2ヶづつ設けられている。
前記チップ基板は、一つの大型の基板上に複数のGMR素子が成膜された状態で外部磁場を掛け、前記固定層の磁化の向き(磁化方向)が一定の方向に揃えられた後に個々のチップ基板K1〜K4に切り分けられるため、1つのチップ基板上に設けられた2つのGMR素子の固定層の磁化方向は同一である。そして、各チップ基板K1〜K4は前記磁化方向が隣り合う基板間でほぼ90°の関係を有すように、前記パッケージ101内に固定されている。なお、前記90°の関係は正確な方が好ましいが、後述する位相補償回路により必ずしも高精度に90°の関係である必要はない。
前記チップ基板K1〜K4に搭載された各GMR素子G1〜G8は、第1のブリッジ回路WB1と第2のブリッジ回路WB2とを構成している。図1に示すように、第1のブリッジ回路WB1は前記回転中心Oに対して軸対称に設けられたチップ基板K1とチップ基板K2に搭載されたGMR素子G1,G2およびG3,G4で構成されている。すなわち、第1のブリッジ回路WB1は前記GMR素子G1とGMR素子G4とを直列に接続した回路と、前記GMR素子G3とGMR素子G2とを直列に接続した回路とが、並列に接続されて形成されている。同様に第2のブリッジ回路WB2は前記回転中心Oに対して軸対称に設けられたチップ基板K3とチップ基板K4に搭載されたGMR素子G5,G6およびG7,G8で構成されている。第2のブリッジ回路WB2は前記GMR素子G5とGMR素子G8とを直列に接続した回路と、前記GMR素子G7とGMR素子G6とを直列に接続した回路とが、並列に接続されて形成されている。
そして、前記並列に接続された第1のブリッジ回路WB1と第2のブリッジ回路WB2の一方の端部が電源Vccに接続され、他方の端部がグランドGNDに接地されている。
前記ホイール102と被測定物である回転部材(ステアリングシャフトなど)とは例えばギヤなどを介して連結されており、回転部材の回転に応じて前記ホイール102が回転されられるように構成されている。よって、前記回転部材を回転させると、前記ホイール102が回転させられるため、前記磁石M1,M2が前記パッケージ101の周囲を周回できるようになっている。
このとき前記磁石M1,M2間に発生している外部磁場Hが、前記パッケージ101内の各GMR素子G1〜G8に対して回転磁界を与えるため、各GMR素子G1〜G8を形成する自由層の磁化の向きが変化させられる。これにより前記各GMR素子G1〜G8の抵抗値が、前記自由層の磁化の向きと前記固定層の磁化の向きとのなす角に応じて変化する。よって、前記第1のブリッジ回路WB1を構成するGMR素子G3とGMR素子G2との接続部と、GMR素子G1とGMR素子G4との接続部とから互いの位相が180°異なる正弦波状の2つの信号が出力される。同時に前記第2のブリッジ回路WB2を構成するGMR素子G7とGMR素子G6との接続部と、GMR素子G5とGMR素子G8との接続部とからも互いの位相が180°異なる正弦波状の2つの信号が出力される。
ただし、回転中心Oに軸対称に配置されたチップ基板K1,K2と同じく回転中心に軸対称に配置されたチップ基板K3,K4とは、さらに前記回転中心Oに対しほぼ90°異なる位置に配置されているため、前記第1のブリッジ回路WB1から出力される2つの信号を+sin信号,−sin信号とすると、前記第2のブリッジ回路WB2から出力される2つの信号は+cos信号,−cos信号となる(図2参照)。
この実施の形態に示すように、例えば前記ホイール102が時計回り方向に回転したときに前記第1のブリッジ回路WB1のGMR素子G3とGMR素子G2の接続部から出力される正弦波状の信号を+sin信号とすると、前記GMR素子G1とGMR素子G4の接続部からは−sin信号が出力されることになる。このとき前記第2のブリッジ回路WB2の前記GMR素子G7とGMR素子G6の接続部からは+cos信号が出力され、前記GMR素子G5とGMR素子G8の接続部からは−cos信号が出力されることになる。
信号処理部10は、主として制御手段11、第1の信号変換手段12Aおよび第2の信号変換手段12B、信号調整手段13、第1の関数演算手段14、メモリ手段15、補償手段20などを有している。
前記制御手段11はCPUを主体に構成され、前記信号調整手段13、第1の関数演算手段14および補償手段20などにおける一連の信号処理を統括する機能を有している。前記第1,第2の信号変換手段12A,12Bは差動増幅手段12a,12aおよびA/D変換手段12b,12bを有している。前記第1の信号変換手段12Aの差動増幅手段12aは、前記第1のブリッジ回路WB1から出力される前記2種類の+sin信号と−sin信号とを差動増幅して2倍の振幅からなるsin信号を生成するとともに、前記A/D変換手段12bが増幅後の信号を所定のサンプリング周期でA/D変換したSIN信号(デジタル信号)に変換する。同様に前記第2の信号変換手段12Bの差動増幅手段12aは、前記第2のブリッジ回路WB2から出力される前記2種類の+cos信号と−cos信号とを差動増幅して2倍の振幅からなるcos信号を生成するとともに、前記A/D変換手段12bが増幅後の信号をA/D変換したCOS信号(デジタル信号)に変換する。
ここで、例えばA1,A2,B1およびB2を振幅係数、a1,a2,b1およびb2をオフセット係数とし、前記+sin信号を+A1・sinθ+a1、前記−sin信号を−A2・sinθ−a2、前記+cos信号を+B1・cosθ+b1、前記−cos信号を−B2・cosθ−b2で表すと、前記第1の信号変換手段12Aで生成される前記SIN信号は、(+A1・sinθ+a1)−(−A2・sinθ−a2)=(A1+A2)・sinθ+(a1+a2)となる。同様に前記第2の信号変換手段12Bで生成されるCOS信号は、(+B1・cosθ+b1)−(−B2・cosθ−b2)=(B1+B2)・cosθ+(b1+b2)となる。
前記信号調整手段13は、前記SIN信号とCOS信号のオフセット調整や利得調整を行い、両信号の振幅方向の基準(0点)と量(振幅量)とを一致させる機能を有している。すなわち、上記の例でいえば、利得調整とはA1+A2=B1+B2とすることにより、前記SIN信号とCOS信号の振幅係数を同じ値にすることを意味し、オフセット調整とはa1+a2=b1+b2=0として振幅の基準が原点位置(0点)に一致するようにしてバイアス電圧が重畳することによるずれを無くすことを意味している。よって、この時点におけるSIN信号は(A1+A2)・sinθとなり、COS信号は(B1+B2)・cosθとなっている(ただし、A1+A2=B1+B2)。
前記第1の関数演算手段14は、sin,cos,tan,tan−1=arctan,sinh,cosh,exp,logなどの関数値の計算を行うソフトウェア、例えば周知のCORDIC(Coordinate Rotation Digital Computer)アルゴリズムを用いた数値計算ソフトウェアを搭載しており、ここでは前記SIN信号を前記COS信号で除することにより正接値(tan=SIN信号/COS信号=sinθ/cosθ)を計算するTAN処理と、前記TAN処理で求めた値から逆正接値(arctan(sinθ/cosθ))を計算して被測定物の補償前の出力角度φ[°]を求めるATAN処理とを有している。
この実施の形態における補償手段20は位相補償部20A、歪み補償部20B、加算手段27、減算手段28などを有している。前記位相補償部20Aは、第1の倍角手段21と、第2の関数演算手段22と、位相補償値生成手段23とで構成されている。また前記歪み補償部20Bは第2の倍角手段24と、第3の関数演算手段25と、歪み補償値生成手段26とで構成されている。なお、前記第2の関数演算手段22と第3の関数演算手段25とは、上記前記第1の関数演算手段14同様のCORDICアルゴリズムを用いた関数演算手段で構成されている。
第1の倍角手段21は前記第1の関数演算手段14のATAN処理により求めた補償前の出力角度φを2倍化(2φ)して出力する機能を有している。また第2の倍角手段24は、前記第1の倍角手段21が2倍化した補償前の出力角度2φを、さらに2倍化(合計4倍化(4φ))して出力する機能を有している。なお、前記第1,第2の倍角手段21,24は例えばシフトレジスタなどで構成されており、2進法で表記される前記補償前の出力角度φに相当するデータを左に1ビットシフトすることにより2φ(2倍化)することができ、さらに1ビット左にシフトすることにより容易に4φ(4倍化)することが可能とされている。
前記第2の関数演算手段22では、CORDICアルゴリズムを用いて前記第1の倍角手段21から出力された信号2φからcos(2φ)を生成し出力する。同様に、前記第3の関数演算手段25は、CORDICアルゴリズムを用いて前記第2の倍角手段24から出力された信号4φからsin(4φ)を生成し出力する。
なお、前記第1の関数演算手段14、第2の関数演算手段22および第3の関数演算手段25とが一つの関数演算手段を共有する構成であり、上記の各計算が前記関数演算手段を用いて前記制御手段11の制御に基づいて行われる構成であってもよい。
前記位相補償値生成手段23は、第2の関数演算手段22から出力される前記cos(2φ)と前記メモリ手段15に記憶されている位相補償係数αおよびその符号を読み出して位相補償値(Δφαcompを生成する。また前記歪み補償値生成手段26は、第3の関数演算手段25から出力される前記sin(4φ)と前記メモリ手段15に記憶されている歪み補償係数βを読み出して歪み補償値(Δφβcompを生成する。
なお、前記位相補償値(Δφαcompおよび歪み補償値(Δφβcompを得る具体的な方法については後述する。
前記加算手段27は位相補償値(Δφαcompと歪み補償値(Δφβcompを加算して減算手段28に与える。そして、前記減算手段28は、前記第1の関数演算手段14のATAN処理で求めた補償前の出力角度φから前記位相補償値(Δφαcompと歪み補償値(Δφβcompを減算することにより、精度の高い出力角度φOUTを出力する機能を有している。なお、前記加算手段27と減算手段28に代わるその他の構成としては、前記補償前の出力角度φから最初に前記位相補償値(Δφαcompと歪み補償値(Δφβcompの一方を減算し、次に他方を減算するものであってもよい。
これにより前記SIN信号とCOS信号との間の位相誤差αを無くして両者の関係を高精度で90°に保つことができ、同時に前記補償前の出力角度φに含まれる抵抗値歪に基づく歪み誤差βを取り除くことができ、精度の高い出力角度φOUTを得るこができる。
次に、前記位相補償値(Δφαcompを得る具体的な方法について説明する。
図3はブリッジ回路の出力であるSIN信号とCOS信号との間に位相誤差を含む場合を示す波形図である。
チップ基板K1〜K4に設けられたGMR素子G1ないしG8を構成する前記固定層の磁化方向が隣り合う基板間において90°の関係が維持されない場合には、前記第1,第2の信号変換手段12A,12Bからそれぞれ出力されるSIN信号とCOS信号とは元々の位相差(90°)からずれている。
前記ホイール102の出力角度、すなわち前記角度検出センサ100に入力される入力角度をθ、このときの位相誤差(位相差90°からのずれ量)をα度とし、且つ前記第2のブリッジ回路WB2から出力される+cos信号を+cosθ、−cos信号を−cosθとする。なお、ここでは説明の都合上、前記振幅係数A1,A2,B1およびB2をA1=A2=B1=B2=1、前記オフセット係数a1,a2,b1およびb2をa1=a2=b1=b2=0としている。このようにしても、結局は前記信号調整手段13やTAN処理によって同様の効果、すなわち前記各係数が消去されてしまうため、特に問題はない。
前記第2のブリッジ回路WB2から出力される+cosθと−cosθを基準とすると、前記第1のブリッジ回路WB1から出力される+sin信号は+sin(θ+α)、−sin信号は−sin(θ+α)と表すことができる。よって、前記第1の信号変換手段12Aから出力されるSIN信号は+sin(θ+α)−(−sin(θ+α))=2sin(θ+α)となり、前記第2の信号変換手段12Bから出力されるCOS信号は+cosθ−(−cosθ)=2cosθとなり、これを図示すると図3のように表される。なお、図3以下においては、前記位相誤差αの例としてα=+5度とした場合を示している。
前記第1,第2の信号変換手段12A,12Bから出力された前記SIN信号とCOS信号は前記信号調整手段13においてオフセット調整と利得調整とが行われる。次に、前記第1の関数演算手段14のTAN処理によって正接値(tan=SIN信号/COS信号)が2sin(θ+α)/2cosθ=sin(θ+α)/cosθとして計算される。さらにATAN処理によって逆正接値(arctan)が計算されるが、位相誤差αが生じている場合の前記第1の関数演算手段14の出力である被測定物の補償前の出力角度をφαとすると、φα=arctan(sin(θ+α)/cosθ))である。
図4は位相誤差を含む場合において、ATAN処理後の補償前の出力角度φαを連続的な関数として示す波形図、図5は補償前の出力角度φαと入力角度θとの差を検出位相誤差Δφα(=φα−θ)として示す波形図である。
図4では、入力角度θと補償前の出力角度φαが一対一で対応している。しかし、ATAN処理後の補償前の出力角度φαは理想的な出力角度である一次直線(φ=θ)に三角関数が重畳した形となっている。
ここで前記補償前の出力角度φαから入力角度θを差し引くことにより検出される位相の差(φα−θ)を検出位相誤差Δφαとして求めてみると、入力角度θと検出位相誤差Δφα(=φα−θ)との関係は図5に示すような正弦波状の周期関数(三角関数)として表される。なお、前記検出位相誤差Δφαは、最初に与えておいた位相誤差αに基づいて発生したものであり、つまりはチップ基板K1〜K4に設けられたGMR素子G1ないしG8を構成する前記固定層の磁化方向が隣り合う基板間において90°の関係が維持されないことによる影響を受けて発生したものである。
前記周期関数からなる検出位相誤差Δφαを分析してみると、前記4つの信号(+sin信号、−sin信号、+cos信号、−cos信号)又は前記SIN信号及びCOS信号は1周期を360°とするものである(図2及び図3参照)のに対し、前記検出位相誤差Δφαは1周期を180°とするものである(図5参照)。すなわち、前記検出位相誤差Δφαは、前記4つの信号または前記SIN信号及びCOS信号を基本信号とした場合に、この基本信号に対して2倍の周波数(1/2の周期)からなる三角関数であることがわかる。
よって、検出位相誤差Δφαは以下に数1で示す三角関数で近似することが可能であり、これを位相補償値(Δφαcompと称する。
Figure 0004429888
なお、前記位相補償値(Δφαcompのピークトウピークの振幅量は前記位相誤差αに相当するが、これを位相補償係数αと称する。
次に、抵抗値歪みに基づく歪み補償値(Δφβcompを得る方法について説明する。
図6は抵抗値歪みに基づく歪み誤差が含まれている場合における補償前の出力角度φβを示す波形図、図7は検出歪み誤差Δφβ(=φβ−θ)を示す波形図である。なお、図7では検出歪み誤差Δφβの例として、歪み誤差βがβ=5度の場合を示している。
前記第1のブリッジ回路WB1および第2のブリッジ回路WB2を構成する各GMR素子G1〜G8は、それぞれGMR素子特有の抵抗値歪みを有している。このため、前記第1,第2のブリッジ回路WB1,WB2から出力される前記4つの信号には前記抵抗値歪みに基づいて発生する検出歪み誤差Δφβがそれぞれ含まれている。そして、このような検出歪み誤差Δφβを含む4つの信号を用いて上記と同様の方法、すなわちTAN処理およびATAN処理を行うことにより算出した補償前の出力角度φβは、理想的な出力角度として一点鎖線で示す一次直線(φ=θ)に正弦波状の誤差信号(歪み誤差)が重畳した形として表され(図6参照)。
ここで、上記位相誤差の場合同様に、前記補償前の出力角度φβから前記一次関数φ=θを減算(φβ−θ)して両者の角度ずれに相当する検出歪み誤差Δφβを求めてみると、図7に示すような正弦波状の周期関数(三角関数)として表すことができる。
同様に、前記周期関数である検出歪み誤差Δφβを分析してみると、1周期を360°とする基本信号(4つの信号又は前記SIN信号及びCOS信号)に対し、前記検出歪み誤差Δφβは1周期を90°とするものである(図7参照)。すなわち、前記検出歪み誤差Δφβは、前記基本信号に対して4倍の周波数(1/4の周期)からなる三角関数であることがわかる。よって、検出歪み誤差Δφβは以下に数2で示す三角関数で近似することが可能であり、これを歪み補償値(Δφβcompと称する。
Figure 0004429888
なお、前記歪み補償値(Δφβcompの振幅に相当するβを歪み補償係数と称する。
図8は総誤差信号Δφ(=Δφα+Δφβ)を示す波形図である。
実際の角度検出センサの出力角度(補償前の出力角度)φには、上記の検出位相誤差Δφαと検出歪み誤差Δφβの2つの誤差信号が合成された状態で同時に重畳している。前記検出位相誤差Δφαと検出歪み誤差Δφβの両者を含むトータルの誤差信号を総誤差信号Δφとすると、総誤差信号Δφ(=Δφα+Δφβ)は図8に示すような1周期を180°とする周期関数からなる信号となり、このような総誤差信号Δφが理想的な出力角度として示される一次直線(φ=θ)上に重畳している。
したがって、第1の関数演算手段14においてATAN処理後の信号(補償前の出力角度φ)から総誤差信号Δφに相当する前記位相補償値(Δφαcompと歪み補償値(Δφβcompを除去することができれば、精度の高い出力角度を検出することができるはずである。
しかし、上記のように検出位相誤差Δφαは基本信号に対し2倍の周波数からなる上記数1の三角関数で近似できること、および検出歪み誤差Δφβは基本信号に対し4倍の周波数からなる上記数2の三角関数で近似できることまでは判明しているが、図8に示すように総誤差信号Δφを構成する検出位相誤差Δφαと検出歪み誤差Δφβとは合成された状態で存在しているため、前記総誤差信号Δφからその振幅の大きさを求めること、すなわち上記位相補償係数αおよび歪み補償係数βを求めることは困難である。つまり、前記位相誤差αに一致する位相補償係数αおよび前記歪み誤差βに一致する歪み補償係数βを見つけることができれば、前記位相補償値(Δφαcompと歪み補償値(Δφβcompを確定することができ、精度の高い出力角度を検出することができることになる。
そこで、以下には検出位相誤差Δφαの位相補償係数αおよび検出歪み誤差Δφβの歪み補償係数βを求める方法について説明する。
図9は総誤差信号Δφの離散周期信号を示す波形図である。
前記総誤差信号Δφの1周期分に相当する180[°]を、例えば2n(nは自然数)個のデータ数で、サンプリング周期T=180/2n[°/個]で離散的にサンプリングすることにより、離散周期信号x(t)を得る(図9参照)。
ここで、Nを整数とすると前記離散周期信号x(t)(総誤差信号Δφ)の1周期はNTとなり、またデルタ関数をδ(t)とすると、前記離散周期信号x(t)は以下の数3で表すことができる。
Figure 0004429888
そして、前記離散周期信号x(t)をフーリエ変換することにより、以下の数4に示す離散フーリエ変換式X(f)が得られる。
Figure 0004429888
ここで、f=k/NTと置き換えると、離散フーリエ変換(DFT)を示す式が以下の数5として得られる。
Figure 0004429888
ただし、コンピュータなどを用いて電気的に信号処理を行うときには、サンプリング信号を有限長の長さで打ち切って計算する必要がある。サンプリングされた離散周期信号x(n)が有限長で、x(0)からx(N−1)までN個のデータを有するとき、離散フーリエ変換X(k)を求めるための公式は、以下の数6に示すものとなり、実数部と虚数部とからなる複素数で表示することが可能となる。
Figure 0004429888
なお、離散フーリエ変換X(k)の実数部をX=Re(X(k))、虚数部をX=Im(X(k))とすると、離散フーリエ変換X(k)の振幅ペクトル|X(k)|と位相スペクトル∠X(k)は、以下の数7および数8で示される。
Figure 0004429888
Figure 0004429888
次に、前記総誤差信号Δφの1周期分について、所定のサンプリング周期Tでサンプリングすることにより得た離散周期信号x(n)のN個のデータについて離散フーリエ変換(DFT)を求めたので、その一部を以下の表1に示す。
Figure 0004429888
図10は総誤差信号Δφを離散フーリエ変換した結果として、高調波次数に対するDFTの絶対値をスペクトルとして示すグラフである。
表1および図10に示すように、前記総誤差信号Δφを離散フーリエ変換すると、2次高調波成分と4次高調波成分に対するスペクトルが高く現れ、その他の次数の高調波成分が低く現れることがわかる。すなわち、前記総誤差信号Δφは、主として1次の基本信号に対して2倍の周波数成分からなる信号(検出位相誤差Δφα)と4倍の周波数成分からなる信号(検出歪み誤差Δφβ)により構成されていることを確認することができる。
しかも、2次高調波の絶対値から位相補償値(Δφαcompの位相補償係数αとしてα≒+5度を得ることができ、4次高調波の絶対値から歪み補償値(Δφβcompの歪み補償係数βとしてβ≒+5度を得ることができる。
ただし、位相補償係数αは正負の符号を有するが、2次高調波の絶対値からだけではその符号を知ることはできない。すなわち、上記において説明したように前記第2のブリッジ回路WB2から出力される+cosθと−cosθを基準としたときに、前記第1のブリッジ回路WB1から出力される+sin信号および−sin信号と前記+cosθおよび−cosθ信号との間の位相誤差(位相差90°からのずれ量)αが正の値(+)の場合には、前記位相補償係数αの符号も正(+)となり、前記位相誤差αが負の値(−)の場合には、前記位相補償係数αの符号も負(−)となるが、前記位相補償係数αの符号を間違えると、前記補償前の出力角度φから正しい位相補償値(Δφαcompを除去することができず、精度の高い出力角度を検出することができなくなる。
そこで、位相補償係数αの符号を正しく検知することが必要となるが、位相補償係数αと複素数で表された前記DFTの実数部との間には、前記DFTの実数部の符号が正(+)の場合には位相補償係数αの符号も正(+)となり、前記DFTの実数部の符号が負(−)の場合には位相補償係数αの符号も負(−)となるという特徴を有している。このため、前記複素数表示されたDFTの実数部の符号を調べることにより、位相補償係数αの符号を正しく検知することが可能である。
一方、抵抗値歪みに基づく歪み補償係数βは、前記チップ基板K1〜K4に搭載された各GMR素子G1〜G8の構造上、常に一方向の値(正の値)のみしか持たないため、符号を調べることなく4次高調波の絶対値を前記歪み補償値(Δφβcompの歪み補償係数βとすることが可能である。
以上の方法により取得した位相補償値(Δφαcompを構成する位相補償係数αと符号に関するデータ、および歪み補償値(Δφβcompを構成する歪み補償係数βは、予め前記メモリ手段15に記憶されている。制御手段11は前記メモリ手段15にアクセスすることにより、いつでも前記各データを取得して位相補償値生成手段23および歪み補償値生成手段26に供給することが可能とされている。なお、前記位相補償係数αと符号に関するデータおよび歪み補償係数βに関するデータの取得とメモリ手段15への書き込みは、例えば角度検出センサ100の組立てが完成した後で、且つ工場出荷の前の段階で行っておくことが好ましい。
以上のように、本願発明の角度検出センサ100では第1の信号変換手段12Aから出力されるSIN信号と第2の信号変換手段12Bから出力されるCOS信号との間に位相誤差αが発生している場合、すなわちチップ基板K1〜K4に設けられたGMR素子G1ないしG8を構成する前記固定層の磁化方向が隣り合う基板間において正確に90°の関係が維持されていない場合、およびGMR素子G1ないしG8が各々有する抵抗値歪みに基づく歪み誤差が発生している場合であっても、回転部材の出力角度φOUTを高精度に検出することが可能となる。
またチップ基板K1〜K4をパッケージ101内に高精度に配設する必要がなくなるため、製造工程を簡略化することができ、あるいは高精度に配設するための製造設備を不要とすることができる。
また入力角度θごとの位相補償値(Δφαcompおよび歪み補償値(Δφβcompをメモリ手段15に記憶させておき、回転入力があるたびに前記メモリ手段15から読み出して補償する構成も考えられるが、データ量が膨大となるため記憶容量の大きなメモリ手段15を必要とする点で好ましいものとはいえない。しかも、データ量が多い場合には、データを読み出し時間が延びやすくなるため、出力角度φOUTをリアルタイムで検出することが困難となる。
しかし、本願発明では、前記メモリ手段15は入力角度θごとの位相補償値(Δφαcompおよび歪み補償値(Δφβcompそのものではなく、位相補償係数α(2次高調波のDFT絶対値)とその符号および歪み補償係数β(4次高調波のDFT絶対値)を記憶しておくだけでよいため、データ量が少なく、その読み出し時間も大幅に短縮することが可能である。しかも、補償前の出力角度φから前記位相補償係数αとその符号および歪み補償係数βを基にして前記数1および数2から容易に位相補償値(Δφαcompおよび歪み補償値(Δφβcomp算出することができるため、前記出力角度φOUTをリアルタイムで検出することが可能である。
本発明の角度検出センサの構成を示すブロック構成図、 2組のブリッジ回路から出力される4つの信号の関係を理想的な場合として示す波形図、 ブリッジ回路の出力であるSIN信号とCOS信号との間に位相誤差を含む場合を示す波形図、 位相誤差を含む場合において、ATAN処理後の補償前の出力角度φαを連続的な関数として示す波形図、 補償前の出力角度φαと入力角度θとの差を検出位相誤差Δφα(=φα−θ)として示す波形図、 抵抗値歪みに基づく歪み誤差が含まれている場合における補償前の出力角度φβを示す波形図、 検出歪み誤差Δφβ(=φβ−θ)を示す波形図、 総誤差信号Δφ(=Δφα+Δφβ)を示す波形図、 総誤差信号Δφの離散周期信号を示す波形図、 総誤差信号Δφを離散フーリエ変換した結果として、高調波次数に対するDFTの絶対値をスペクトルとして示すグラフ、 角度検出センサの構成を示す平面図、
符号の説明
1 センサ部
10 信号処理部
11 制御手段
12A 第1信号変換手段
12B 第2信号変換手段
13 信号調整手段
14 第1の関数演算手段
15 メモリ手段
20 補償手段
20A 位相補償部
20B 歪み補償部
21 第1の倍角手段
22 第2の関数演算手段
23 位相補償値生成手段
24 第2の倍角手段
25 第3の関数演算手段
26 歪み補償値生成手段
27 加算手段
28 減算手段
100 角度検出センサ
101 パッケージ
102 ホイール
e 固定層の磁化方向(磁化の向き)
G1〜G8 GMR素子
H 外部磁界
K1,K2,K3,K4 チップ基板
M1,M2 磁石
WB1 第1のブリッジ回路
WB2 第2のブリッジ回路
α 位相誤差
β 歪み誤差
α 位相補償係数
β 歪み補償係数
θ 入力角度
φα 補償前の出力角度(位相誤差が生じている場合)
φβ 補償前の出力角度(歪み誤差が生じている場合)
φ 補償前の出力角度(=φα又は=φβ又は=φα+φβ
φOUT 角度検出センサの出力角度
Δφα 検出位相誤差(=φα−θ)
Δφβ 検出歪み誤差(=φβ−θ)
Δφ 総誤差信号(=Δφα+Δφβ
(Δφαcomp 位相補償値
(Δφβcomp 歪み補償値

Claims (7)

  1. 被測定物に与えられた回転に応じて回転磁界を発生するとともに前記回転磁界を感知して前記回転の入力角度に応じた複数の出力信号を出力するセンサ部と、前記出力信号から前記被測定物が回転した角度を出力角度として算出する信号処理部と、を備えた角度検出センサにおいて、
    前記信号処理部には、前記出力信号から所定の位相差を有する2種類の信号を生成する信号変換手段と、前記2種類の信号から前記被測定物の補償前における出力角度を算出する第1の関数演算手段と、前記補償前の出力角度に含まれている誤差信号を除去する補償値を算出する補償手段と、前記補償手段が前記補償値を算出するときに用いる補償係数を予め取得して記憶しておくメモリ手段と、前記メモリ手段の記憶されている補償係数を読み出して前記補償手段に与える制御部と、が設けられ、
    前記誤差信号が、前記センサ部が有する特性に基づいて発生する歪み誤差であり、前記補償手段には前記歪み誤差を減少させる歪み補償値を生成する歪み補償部が設けられていることを特徴とする補償機能を備えた角度検出センサ。
  2. 被測定物に与えられた回転に応じて回転磁界を発生するとともに前記回転磁界を感知して前記回転の入力角度に応じた複数の出力信号を出力するセンサ部と、前記出力信号から前記被測定物が回転した角度を出力角度として算出する信号処理部と、を備えた角度検出センサにおいて、
    前記信号処理部には、前記出力信号から所定の位相差を有する2種類の信号を生成する信号変換手段と、前記2種類の信号から前記被測定物の補償前における出力角度を算出する第1の関数演算手段と、前記補償前の出力角度に含まれている誤差信号を除去する補償値を算出する補償手段と、前記補償手段が前記補償値を算出するときに用いる補償係数を予め取得して記憶しておくメモリ手段と、前記メモリ手段の記憶されている補償係数を読み出して前記補償手段に与える制御部と、が設けられ、
    前記誤差信号が、前記2種類の信号間に存在する前記所定の位相差を超えたことによって発生する位相誤差および前記センサ部が有する特性に基づいて発生する歪み誤差であり、前記補償手段には前記位相誤差を減少させる位相補償値を生成する位相補償部および前記歪み誤差を減少させる歪み補償値を生成する歪み補償部が設けられていることを特徴とする補償機能を備えた角度検出センサ。
  3. 前記メモリ手段には、前記補償前の出力角度に含まれる誤差信号をサンプリングして取得したデータに対し離散フーリエ変換を行って得られる値が補償係数として記憶されている請求項1または2記載の補償機能を備えた角度検出センサ。
  4. 前記補償係数が、位相補償係数歪み補償係数の少なくとも一方である請求項記載の補償機能を備えた角度検出センサ。
  5. 前記位相補償係数に与えられる正負の符号が、前記離散フーリエ変換を行って得られた高調波を複素数で表したときの実数の符号により決定される請求項記載の補償機能を備えた角度検出センサ。
  6. 前記位相補償係数が2次高調波成分から得られる請求項4または5記載の補償機能を備えた角度検出センサ。
  7. 前記歪み補償係数が4次高調波成分から得られる請求項4記載の補償機能を備えた角度検出センサ。
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