JP2020016439A - 角度センサの補正装置および角度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】第1および第2の検出信号の各々がN+1次の信号誤差成分を含むことによって生じるN次の角度誤差成分を、簡単な処理で低減する。【解決手段】角度センサは、第1の検出信号S1および第2の検出信号S2に基づいて角度検出値を生成する。補正装置3は、第1の検出信号S1に第1の補正値C1を加えて第1の補正後検出信号S1cを生成すると共に第2の検出信号S2に第2の補正値C2を加えて第2の補正後検出信号S2cを生成する補正処理を行う。検出対象の角度が周期Tで変化する場合、補正処理が行われないと、角度検出値は、T/Nの周期で変化するN次の角度誤差成分を含む。第1および第2の検出信号S1,S2の各々は、N+1次の信号誤差成分を含んでいる。第1および第2の補正値C1,C2の次数はN−1である。【選択図】図6

Description

本発明は、検出対象の角度と対応関係を有する角度検出値を生成する角度センサにおける誤差を補正するための補正装置、ならびに補正装置を含む角度センサに関する。
近年、自動車におけるステアリングホイールまたはパワーステアリングモータの回転位置の検出等の種々の用途で、検出対象の角度と対応関係を有する角度検出値を生成する角度センサが広く利用されている。角度センサとしては、例えば磁気式の角度センサがある。磁気式の角度センサが用いられるシステムでは、一般的に、対象物の回転や直線的な運動に連動して方向が回転する回転磁界を発生する磁界発生部が設けられる。磁界発生部は、例えば磁石である。磁気式の角度センサにおける検出対象の角度は、例えば磁石の回転位置に対応する角度である。磁気式の角度センサは、例えば、上記回転磁界を検出して、角度検出値として、基準平面内において基準位置における回転磁界の方向が基準方向に対してなす角度を表わす値を生成する。
角度センサとしては、互いに位相が90°異なる第1および第2の検出信号を生成する検出信号生成器を有し、第1および第2の検出信号を用いた演算によって角度検出値を生成するものが知られている。検出信号生成器は、第1の検出信号を出力する第1の検出回路と、第2の検出信号を出力する第2の検出回路とを有している。第1および第2の検出回路の各々は、少なくとも1つの磁気検出素子を含んでいる。磁気検出素子は、例えば、磁化方向が固定された磁化固定層と、回転磁界の方向に応じて磁化の方向が変化する自由層と、磁化固定層と自由層の間に配置された非磁性層とを有するスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子(以下、MR素子とも記す。)を含んでいる。
磁気式の角度センサでは、検出対象の角度が一定の角速度で変化する場合、第1および第2の検出信号の各々の波形は、理想的には、正弦曲線(サイン(Sine)波形とコサイン(Cosine)波形を含む)になる。しかし、各検出信号の波形は、正弦曲線から歪む場合がある。この場合、第1の検出信号は、理想的な正弦曲線を描くように変化する第1の理想成分と、それ以外の1つ以上の信号誤差成分とを含んでいる。また、第2の検出信号は、理想的な正弦曲線を描くように変化する第2の理想成分と、それ以外の1つ以上の信号誤差成分とを含んでいる。各検出信号の波形が歪むと、角度検出値に誤差が生じる場合がある。以下、角度検出値に生じる誤差を、角度誤差と言う。
検出対象の角度が周期Tで変化する場合、Nを1以上の整数として、角度誤差は、T/Nの周期で変化する成分を含む場合がある。以下、この成分を、N次の角度誤差成分と言う。
ここで、検出対象の角度をθとし、第1の理想成分はsinθに比例し、第2の理想成分はcosθに比例するものとする。また、Mを0以上の整数とし、αを所定の角度とする。第1の検出信号は、sin(Mθ+α)に比例する信号誤差成分を含む場合がある。また、第2の検出信号は、cos(Mθ+α)に比例する信号誤差成分を含む場合がある。以下、これらの信号誤差成分をM次の信号誤差成分と言う。また、Mを、信号誤差成分の次数と言う。
角度誤差は、第1および第2の検出信号が、同じ次数の信号誤差成分を含むことによって生じる場合がある。この場合における角度誤差を低減するための一般的な方法は、第1の検出信号の信号誤差成分をキャンセルするような第1の補正値を第1の検出信号に加え、第2の検出信号の信号誤差成分をキャンセルするような第2の補正値を第2の検出信号に加えることである。この方法において、第1の補正値は、第1の検出信号の信号誤差成分の周期と同じ周期で変化する値であり、第2の補正値は、第2の検出信号の信号誤差成分の周期と同じ周期で変化する値である。
特許文献1には、第1および第2の検出信号の各々が3次の信号誤差成分を含む場合に、第1の補正値を第1の検出信号に加え、第2の補正値を第2の検出信号に加える技術が記載されている。この技術では、第1および第2の補正値の各々は、3次の信号誤差成分の周期と同じ周期で変化する値である。
特開2008−304249号公報
1つのN次の角度誤差成分は、第1および第2の検出信号の各々がN+1次の信号誤差成分を含むことによって生じる場合がある。以下、この場合におけるN次の角度誤差成分を低減する方法について考える。
この場合、前述の一般的な方法では、N+1次の信号誤差成分の周期と同じ周期で変化する第1および第2の補正値を、それぞれ第1および第2の検出信号に加えることになる。しかし、この方法では、特にNの値が大きい場合に、第1および第2の補正値が複雑になり、その結果、N次の角度誤差成分を低減するための処理も複雑になるという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、第1および第2の検出信号の各々がN+1次の信号誤差成分を含むことによって生じるN次の角度誤差成分を、簡単な処理で低減することができるようにした角度センサの補正装置および角度センサを提供することにある。
本発明の角度センサの補正装置は、それぞれ検出対象の角度と対応関係を有する第1の検出信号と第2の検出信号を生成する検出信号生成器と、第1および第2の検出信号に基づいて検出対象の角度と対応関係を有する角度検出値を生成する角度検出器とを備えた角度センサに用いられ、第1および第2の検出信号を補正するための装置である。本発明の角度センサは、上記検出信号生成器と、上記角度検出器と、本発明の補正装置とを備えている。
本発明の補正装置は、第1の検出信号に第1の補正値を加えて第1の補正後検出信号を生成すると共に第2の検出信号に第2の補正値を加えて第2の補正後検出信号を生成する補正処理を行う補正プロセッサを備えている。
ここで、検出対象の角度をθとし、Nを1以上の整数とし、A0,AHを0以外の実数とし、αを所定の角度とする。第1の検出信号は、A0sinθで表される第1の理想成分と、−AHsin((N+1)θ+α)で表される第1の信号誤差成分とを含み、第2の検出信号は、A0cosθで表される第2の理想成分と、−AHcos((N+1)θ+α)で表される第2の信号誤差成分とを含んでいる。
また、補正処理が行われない場合における角度検出値を未補正角度検出値θpとする。未補正角度検出値θpは、誤差を含んでいる。検出対象の角度θが所定の周期Tで変化する場合、未補正角度検出値θpの誤差は、第1および第2の信号誤差成分に起因した成分であってT/Nの周期で変化する成分を含む。
本発明の補正装置において、第1の補正値は−ALsin((N−1)θp+α)と表され、第2の補正値はALcos((N−1)θp+α)と表される。ALは、|AH+AL|が|AH|よりも小さくなるような実数である。|AH+AL|は、|AH|×0.5以下であってもよいし、0であってもよい
本発明の角度センサにおいて、第1の検出信号は、回転磁界角度の正弦と対応関係を有していてもよく、第2の検出信号は、回転磁界角度の余弦と対応関係を有していてもよい。回転磁界角度は、検出対象の角度と対応関係を有する角度であって、基準平面内において基準位置における回転磁界の方向が基準方向に対してなす角度である。
本発明の補正装置および角度センサによれば、第1および第2の補正値が簡単になるため、第1および第2の検出信号の各々がN+1次の信号誤差成分を含むことによって生じるN次の角度誤差成分を、簡単な処理で低減することができるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態に係る角度センサを含む角度センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態における基準平面を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る角度センサの構成を示すブロック図である。 図3における検出信号生成器の構成を示す回路図である。 図4における1つの磁気検出素子の一部を示す斜視図である。 図3における補正装置の構成を示す機能ブロック図である。 補正処理が行われない場合に角度検出値に生じる角度誤差の波形の第1の例を示す波形図である。 補正処理が行われない場合に角度検出値に生じる角度誤差の波形の第2の例を示す波形図である。 補正処理が行われない場合に角度検出値に生じる角度誤差の波形の第3の例を示す波形図である。 補正処理が行われない場合に角度検出値に生じる角度誤差の波形の第4の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態における補正情報決定手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態の第1の実施例における未補正角度検出値の誤差の波形の一例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第1の実施例における角度誤差の波形の第1の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第1の実施例における角度誤差の波形の第2の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第2の実施例における未補正角度検出値の誤差の波形の一例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第2の実施例における角度誤差の波形の第1の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第2の実施例における角度誤差の波形の第2の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第3の実施例における未補正角度検出値の誤差の波形の一例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第3の実施例における角度誤差の波形の第1の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第3の実施例における角度誤差の波形の第2の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第4の実施例における未補正角度検出値の誤差の波形の一例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第4の実施例における角度誤差の波形の第1の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第4の実施例における角度誤差の波形の第2の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第5の実施例における未補正角度検出値の誤差の波形の一例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第5の実施例における角度誤差の波形の第1の例を示す波形図である。 本発明の一実施の形態の第5の実施例における角度誤差の波形の第2の例を示す波形図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る角度センサを含む角度センサシステムの概略の構成について説明する。
図1に示した角度センサシステムは、磁界発生部と、本実施の形態に係る角度センサ1とを備えている。角度センサ1は、特に磁気式の角度センサである。
図1には、磁界発生部が円柱状の磁石5である例を示している。磁石5は、円柱の中心軸を含む仮想の平面を中心として対称に配置されたN極とS極とを有している。この磁石5は、円柱の中心軸を中心として回転する。これにより、磁石5は、回転磁界MFを発生する。回転磁界MFは、円柱の中心軸を含む回転中心Cを中心として回転する磁界である。
角度センサ1は、検出対象の角度と対応関係を有する角度検出値θsを生成するものである。以下、検出対象の角度を、対象角度と言い、記号θで表す。本実施の形態における対象角度θは、磁石5の回転位置に対応する角度である。
角度センサ1は、回転磁界MFを検出して、角度検出値θsとして、対象角度θと対応関係を有する回転磁界角度θMを表す値を生成する。回転磁界角度θMは、基準平面P内において基準位置PRにおける回転磁界MFの方向DMが基準方向DRに対してなす角度である。図2には、基準平面P、基準位置PR、回転磁界MFの方向DM、基準方向DRおよび回転磁界角度θMを示している。
ここで、図1および図2を参照して、本実施の形態における方向の定義について説明する。まず、図1に示した回転中心Cに平行で、図1における下から上に向かう方向をZ方向とする。図2では、Z方向を図2における奥から手前に向かう方向として表している。次に、Z方向に垂直な2方向であって、互いに直交する2つの方向をX方向とY方向とする。図2では、X方向を右側に向かう方向として表し、Y方向を上側に向かう方向として表している。また、X方向とは反対の方向を−X方向とし、Y方向とは反対の方向を−Y方向とする。
基準平面Pは、磁石5の一方の端面に平行な仮想の平面である。基準位置PRは、角度センサ1が回転磁界MFを検出する位置である。基準方向DRは、基準平面P内に位置して、基準位置PRと交差する。また、基準位置PRにおける回転磁界MFの方向DRは、基準平面P内に位置する。角度センサ1は、磁石5の上記一方の端面に対向するように配置される。本実施の形態では、X方向を基準方向DRとする。基準平面P内において、回転磁界MFの方向DMは、基準位置PRを中心として回転する。本実施の形態では、回転磁界MFの方向DMは、図2において反時計回り方向に回転するものとする。回転磁界角度θMは、基準方向DRから反時計回り方向に見たときに正の値で表し、基準方向DRから時計回り方向に見たときに負の値で表す。
本実施の形態において、磁石5が理想的な回転磁界MFを発生する場合には、回転磁界角度θMは、対象角度θと一致する。図2には、この場合における対象角度θを示している。しかし、回転磁界角度θMは、磁石5の着磁のばらつき等によって、理想的なものにならずに、対象角度θとはわずかに異なる場合がある。このことは、角度検出値θsに誤差が生じる原因の一つである。
なお、本実施の形態における角度センサシステムの構成は、図1に示した例に限られない。本実施の形態における角度センサシステムの構成は、基準位置PRにおける回転磁界MFの方向DMが角度センサ1から見て回転するように、磁界発生部と角度センサ1の相対的位置関係が変化する構成であればよい。例えば、図1に示したように配置された磁石5と角度センサ1において、磁石5が固定されて角度センサ1が回転してもよいし、磁石5と角度センサ1が互いに反対方向に回転してもよいし、磁石5と角度センサ1が同じ方向に互いに異なる角速度で回転してもよい。
また、磁界発生部として、磁石5の代わりに、1組以上のN極とS極が交互にリング状に配列された磁石を用い、この磁石の外周の近傍に角度センサ1が配置されていてもよい。この場合には、磁石と角度センサ1の少なくとも一方が回転すればよい。
また、磁界発生部として、磁石5の代わりに、複数組のN極とS極が交互に直線状に配列された磁気スケールを用い、この磁気スケールの外周の近傍に角度センサ1が配置されていてもよい。この場合には、磁気スケールと角度センサ1の少なくとも一方が、磁気スケールのN極とS極が並ぶ方向に直線的に移動すればよい。
上述の種々の角度センサシステムの構成においても、角度センサ1と所定の位置関係を有する基準平面Pが存在し、この基準平面P内において、回転磁界MFの方向DMは、角度センサ1から見て、基準位置PRを中心として回転する。
図3は、角度センサ1の構成を示すブロック図である。図3に示したように、角度センサ1は、それぞれ対象角度θと対応関係を有する第1の検出信号S1と第2の検出信号S2を生成する検出信号生成器2と、第1および第2の検出信号S1,S2に基づいて対象角度θと対応関係を有する角度検出値θsを生成する角度検出器4と、本実施の形態に係る補正装置3とを備えている。
本実施の形態では特に、第1の検出信号S1は回転磁界角度θMの正弦と対応関係を有し、第2の検出信号S2は回転磁界角度θMの余弦と対応関係を有する。
補正装置3は、第1および第2の検出信号S1,S2を補正するための装置である。補正装置3は、第1の検出信号S1を補正して第1の補正後検出信号S1cを生成し、第2の検出信号S2を補正して第2の補正後検出信号S2cを生成し、これら第1および第2の補正後検出信号S1c,S2cを角度検出器4に与える。角度検出器4は、第1および第2の補正後検出信号S1c,S2cを用いて角度検出値θsを生成する。
図1に示したように、検出信号生成器2は、第1の検出信号S1を生成する第1の検出回路10と、第2の検出信号S2を生成する第2の検出回路20とを含んでいる。図1では、理解を容易にするために、第1および第2の検出回路10,20を別体として描いているが、第1および第2の検出回路10,20は一体化されていてもよい。また、図1では、第1および第2の検出回路10,20が回転中心Cに平行な方向に積層されているが、その積層順序は図1に示した例に限られない。第1および第2の検出回路10,20の各々は、回転磁界MFを検出する少なくとも1つの磁気検出素子を含んでいる。
次に、図4を参照して、検出信号生成器2の構成について詳しく説明する。図4は、検出信号生成器2の構成を示す回路図である。前述の通り、検出信号生成器2は、第1の検出信号S1を生成する第1の検出回路10と、第2の検出信号S2を生成する第2の検出回路20とを含んでいる。
第1の検出回路10は、ホイートストンブリッジ回路14と、差分検出器15とを有している。ホイートストンブリッジ回路14は、4つの磁気検出素子R11,R12,R13,R14と、電源ポートV1と、グランドポートG1と、2つの出力ポートE11,E12とを含んでいる。磁気検出素子R11は、電源ポートV1と出力ポートE11との間に設けられている。磁気検出素子R12は、出力ポートE11とグランドポートG1との間に設けられている。磁気検出素子R13は、電源ポートV1と出力ポートE12との間に設けられている。磁気検出素子R14は、出力ポートE12とグランドポートG1との間に設けられている。電源ポートV1には、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランドポートG1はグランドに接続される。差分検出器15は、出力ポートE11,E12の電位差に対応する信号を第1の検出信号S1として出力する。
第2の検出回路20の回路構成は、第1の検出回路10と同様である。すなわち、第2の検出回路20は、ホイートストンブリッジ回路24と、差分検出器25とを有している。ホイートストンブリッジ回路24は、4つの磁気検出素子R21,R22,R23,R24と、電源ポートV2と、グランドポートG2と、2つの出力ポートE21,E22とを含んでいる。磁気検出素子R21は、電源ポートV2と出力ポートE21との間に設けられている。磁気検出素子R22は、出力ポートE21とグランドポートG2との間に設けられている。磁気検出素子R23は、電源ポートV2と出力ポートE22との間に設けられている。磁気検出素子R24は、出力ポートE22とグランドポートG2との間に設けられている。電源ポートV2には、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランドポートG2はグランドに接続される。差分検出器25は、出力ポートE21,E22の電位差に対応する信号を第2の検出信号S2として出力する。
磁気検出素子R11〜R14,R21〜R24の各々は、直列に接続された複数の磁気抵抗効果素子(MR素子)を含んでいてもよい。複数のMR素子の各々は、例えばスピンバルブ型のMR素子である。このスピンバルブ型のMR素子は、磁化方向が固定された磁化固定層と、基準位置PRにおける回転磁界MFの方向DMに応じて磁化の方向が変化する磁性層である自由層と、磁化固定層と自由層の間に配置されたギャップ層とを有している。スピンバルブ型のMR素子は、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子でもよいし、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子でもよい。TMR素子では、ギャップ層はトンネルバリア層である。GMR素子では、ギャップ層は非磁性導電層である。スピンバルブ型のMR素子では、自由層の磁化の方向が磁化固定層の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°のときに抵抗値は最小値となり、角度が180°のときに抵抗値は最大値となる。図4において、塗りつぶした矢印は、MR素子における磁化固定層の磁化の方向を表し、白抜きの矢印は、MR素子における自由層の磁化の方向を表している。
第1の検出回路10では、磁気検出素子R11,R14に含まれる複数のMR素子における磁化固定層の磁化の方向はY方向であり、磁気検出素子R12,R13に含まれる複数のMR素子における磁化固定層の磁化の方向は−Y方向である。この場合、回転磁界角度θMの正弦に応じて、出力ポートE11,E12の電位差が変化する。従って、第1の検出信号S1は、回転磁界角度θMの正弦と対応関係を有する。回転磁界角度θMは対象角度θと対応関係を有するため、第1の検出信号S1は、対象角度θと対応関係を有する。
第2の検出回路20では、磁気検出素子R21,R24に含まれる複数のMR素子における磁化固定層の磁化の方向はX方向であり、磁気検出素子R22,R23に含まれる複数のMR素子における磁化固定層の磁化の方向は−X方向である。この場合、回転磁界角度θMの余弦に応じて、出力ポートE21,E22の電位差が変化する。従って、第2の検出信号S2は、回転磁界角度θMの余弦と対応関係を有する。回転磁界角度θMは対象角度θと対応関係を有するため、第2の検出信号S2は、対象角度θと対応関係を有する。
なお、検出回路10,20内の複数のMR素子における磁化固定層の磁化の方向は、MR素子の作製の精度等の観点から、上述の方向からわずかにずれていてもよい。
ここで、図5を参照して、磁気検出素子の構成の一例について説明する。図5は、図4に示した検出信号生成器2における1つの磁気検出素子の一部を示す斜視図である。この例では、1つの磁気検出素子は、複数の下部電極62と、複数のMR素子50と、複数の上部電極63とを有している。複数の下部電極62は図示しない基板上に配置されている。個々の下部電極62は細長い形状を有している。下部電極62の長手方向に隣接する2つの下部電極62の間には、間隙が形成されている。図5に示したように、下部電極62の上面上において、長手方向の両端の近傍に、それぞれMR素子50が配置されている。MR素子50は、下部電極62側から順に積層された自由層51、ギャップ層52、磁化固定層53および反強磁性層54を含んでいる。自由層51は、下部電極62に電気的に接続されている。反強磁性層54は、反強磁性材料よりなり、磁化固定層53との間で交換結合を生じさせて、磁化固定層53の磁化の方向を固定する。複数の上部電極63は、複数のMR素子50の上に配置されている。個々の上部電極63は細長い形状を有し、下部電極62の長手方向に隣接する2つの下部電極62上に配置されて隣接する2つのMR素子50の反強磁性層54同士を電気的に接続する。このような構成により、図5に示した磁気検出素子は、複数の下部電極62と複数の上部電極63とによって直列に接続された複数のMR素子50を有している。なお、MR素子50における層51〜54の配置は、図5に示した配置とは上下が反対でもよい。
次に、図6を参照して、補正装置3の構成について詳しく説明する。図6は、補正装置3の構成を示す機能ブロック図である。補正装置3は、アナログ−デジタル変換器(以下、A/D変換器と記す。)31,32と、補正プロセッサ33とを備えている。補正プロセッサ33および角度検出器4では、デジタル信号が用いられる。A/D変換器31は、第1の検出信号S1をデジタル信号に変換する。A/D変換器32は、第2の検出信号S2をデジタル信号に変換する。
補正プロセッサ33および角度検出器4は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)またはマイクロコンピュータによって実現することができる。
補正プロセッサ33は、補正処理を行う。補正処理は、A/D変換器31によってデジタル信号に変換された第1の検出信号S1に第1の補正値C1を加えて第1の補正後検出信号S1cを生成すると共に、A/D変換器32によってデジタル信号に変換された第2の検出信号S2に第2の補正値C2を加えて第2の補正後検出信号S2cを生成する処理である。以下、補正処理で扱う第1の検出信号S1は、A/D変換器31によってデジタル信号に変換された第1の検出信号S1を指し、補正処理で扱う第2の検出信号S2は、A/D変換器32によってデジタル信号に変換された第2の検出信号S2を指す。
前述の通り、第1および第2の補正後検出信号S1c,S2cは、角度検出器4に与えられる。角度検出器4は、第1および第2の補正後検出信号S1c,S2cを用いて角度検出値θsを生成する。
補正プロセッサ33は、加算部34,35と、補正値生成部36と、補正情報保持部37とを含んでいる。加算部34は、第1の検出信号S1に第1の補正値C1を加えて第1の補正後検出信号S1cを生成する処理を行う。加算部35は、第2の検出信号S2に第2の補正値C2を加えて第2の補正後検出信号S2cを生成する処理を行う。
補正値生成部36は、第1および第2の補正値C1,C2を生成し、第1の補正値C1を加算部34に与え、第2の補正値C2を加算部35に与える。補正情報保持部37は、補正値生成部36が第1および第2の補正値C1,C2を生成するために必要な補正情報を保持し、この補正情報を補正値生成部36に与える。補正値生成部36は、第1および第2の検出信号S1,S2と補正情報を用いて、第1および第2の補正値C1,C2を生成する。補正処理の内容については、後で詳しく説明する。
次に、第1および第2の検出信号S1,S2の誤差成分と、それによって角度検出値θsに生じる誤差について説明する。
前述の通り、本実施の形態では、第1の検出信号S1は回転磁界角度θMの正弦と対応関係を有し、第2の検出信号S2は回転磁界角度θMの余弦と対応関係を有する。A0を0以外の実数とすると、理想的には、第1の検出信号S1はA0sinθで表され、第2の検出信号S2はA0cosθで表される。本実施の形態では、A0sinθを第1の理想成分と言い、A0cosθを第2の理想成分と言う。
実際には、第1の検出信号S1は、第1の理想成分と、それ以外の1つ以上の誤差成分を含み、第2の検出信号S2は、第2の理想成分と、それ以外の1つ以上の誤差成分を含む。本実施の形態では、第1および第2の検出信号S1,S2の各々が含む1つ以上の誤差成分を、1つ以上の信号誤差成分と言う。
第1および第2の検出信号S1,S2の各々が1つ以上の信号誤差成分を含む原因には、大きく分けて、回転磁界MFによる第1の原因と、検出信号生成器2による第2の原因とがある。第1の原因は、前述の通り、磁石5の着磁のばらつき等によって、回転磁界角度θMが理想的なものにならずに、対象角度θとはわずかに異なることによるものである。第2の原因の具体例としては、MR素子50の自由層51がMR素子50の磁化固定層53の磁化方向の磁気異方性を有することや、MR素子50の磁化固定層53の磁化方向が回転磁界MF等の影響によって変動することや、第1の検出回路10のMR素子50の自由層51と第2の検出回路20のMR素子50の自由層51が同じ方向の磁気異方性を有することや、磁石5と検出信号生成器2の位置関係がずれていることが挙げられる。
第1および第2の検出信号S1,S2の各々における1つ以上の信号誤差成分は、第1の原因と第2の原因の少なくとも一方によって生じ得る。
補正処理が行われない場合には、第1および第2の検出信号S1,S2の各々が1つ以上の信号誤差成分を含むことによって、角度検出値θsに誤差が生じる場合がある。本実施の形態では、角度検出値θsに生じる誤差を角度誤差と言う。
対象角度θが所定の周期Tで変化する場合、Nを1以上の整数として、角度誤差は、T/Nの周期で変化する成分を含む場合がある。以下、この成分を、N次の角度誤差成分と言う。
ここで、Mを0以上の整数とし、αを所定の角度とする。第1の検出信号S1は、sin(Mθ+α)に比例する信号誤差成分を含む場合がある。また、第2の検出信号S2は、cos(Mθ+α)に比例する信号誤差成分を含む場合がある。以下、これらの信号誤差成分をM次の信号誤差成分と言う。また、Mを、信号誤差成分の次数と言う。本実施の形態では、Mの値によって信号誤差成分を区別する。
以下、信号誤差成分と角度誤差成分との関係に関して、本願の発明者による研究によって分かったことについて説明する。まず、説明を簡単にするために、第1の検出信号S1は、第1の理想成分(A0sinθ)と1つのM次の信号誤差成分のみを含み、第2の検出信号S2は、第2の理想成分(A0cosθ)と1つのM次の信号誤差成分のみを含むものとする。また、第1の検出信号S1のM次の信号誤差成分と第2の検出信号S2のM次の信号誤差成分は、Mの値が同じで振幅が等しいものとする。この場合、B0を0以外の実数とすると、第1の検出信号S1と第2の検出信号S2は、式(1)および(2)の組、または式(3)および(4)の組で表される。
S1=A0sinθ−B0sin(Mθ+α) …(1)
S2=A0cosθ+B0cos(Mθ+α) …(2)
S1=A0sinθ−B0sin(Mθ+α) …(3)
S2=A0cosθ−B0cos(Mθ+α) …(4)
式(1)および(2)の組では、第1の検出信号S1と第2の検出信号S2とで、M次の信号誤差成分の項の正負の記号が異なる。なお、式(1)および(2)では、第1の検出信号S1のM次の信号誤差成分の項の正負の記号を“−”とし、第2の検出信号S2のM次の信号誤差成分の項の正負の記号を“+”としているが、これらの記号は反対であってもよい。
式(3)および(4)の組では、第1の検出信号S1と第2の検出信号S2とで、M次の信号誤差成分の項の正負の記号が同じである。なお、式(3)および(4)では、第1の検出信号S1のM次の信号誤差成分の項の正負の記号と第2の検出信号S2のM次の信号誤差成分の項の正負の記号を、いずれも“−”としているが、これらの記号はいずれも“+”であってもよい。
本願の発明者は、信号誤差成分と角度誤差成分との関係に関して、以下の第1ないし第3の特徴を見出した。第1の特徴は、第1および第2の検出信号S1,S2が式(1)および(2)の組で表される場合には、補正処理が行われないと、角度検出値θsには主にM+1次の角度誤差成分が生じるのに対し、第1および第2の検出信号S1,S2が式(3)および(4)の組で表される場合には、補正処理が行われないと、角度検出値θsには主にM−1次の角度誤差成分が生じることである。
第2の特徴は、第1および第2の検出信号S1,S2が式(1)および(2)の組で表される場合と、第1および第2の検出信号S1,S2が式(3)および(4)の組で表される場合とで、B0に対する主な角度誤差成分の振幅の比率が変わらないことである。
第3の特徴は、第1および第2の検出信号S1,S2が式(1)および(2)の組で表される場合と、第1および第2の検出信号S1,S2が式(3)および(4)の組で表される場合のいずれにおいても、B0が正の値の場合と負の値の場合とで、主な角度誤差成分の位相が逆になることである。
以上の第1ないし第3の特徴は、Mが0以上の整数であれば、Mの値に関わらずに成り立つ。
ここで、図7ないし図10に、上記の第1ないし第3の特徴を表す具体例を示す。この例では、Mを3とし、A0を1とし、B0を0.02または−0.02とし、αを0として、補正処理が行われない場合に角度検出値θsに生じる角度誤差を求めている。図7ないし図10は、角度誤差の波形の第1ないし第4の例を示している。図7ないし図10において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差を示している。
図7は、B0が0.02であって、第1および第2の検出信号S1,S2が式(1)および(2)の組で表される場合における角度誤差の波形を示している。図8は、B0が0.02であって、第1および第2の検出信号S1,S2が式(3)および(4)の組で表される場合における角度誤差の波形を示している。
図7および図8は、上記の第1および第2の特徴を表している。すなわち、図7に示した角度誤差は主に4次の角度誤差成分を含み、図8に示した角度誤差は主に2次の角度誤差成分を含んでいる。また、図7における4次の角度誤差成分の振幅と図8における2次の角度誤差成分の振幅は等しい。
図9は、B0が−0.02であって、第1および第2の検出信号S1,S2が式(1)および(2)の組で表される場合における角度誤差の波形を示している。図10は、B0が−0.02であって、第1および第2の検出信号S1,S2が式(3)および(4)の組で表される場合における角度誤差の波形を示している。
図9および図10も、上記の第1および第2の特徴を表している。また、図7および図9は、上記の第3の特徴を表している。すなわち、図7と図9では、4次の角度誤差成分の位相が逆になっている。図8および図10も、上記の第3の特徴を表している。すなわち、図8と図10では、2次の角度誤差成分の位相が逆になっている。
上記の第1の特徴から、第1および第2の検出信号S1,S2が式(3)および(4)の組で表される場合、第1および第2の検出信号S1,S2の各々がN+1次の信号誤差成分を含むことによって、補正処理が行われないと角度検出値θsにN次の角度誤差成分が生じることが分かる。本実施の形態に係る補正装置3は、このような場合におけるN次の角度誤差成分を低減するために、第1および第2の検出信号S1,S2を補正するものである。
次に、本実施の形態における補正処理について詳しく説明する。本実施の形態では、A0,AHを0以外の実数としたときに、第1の検出信号S1は、A0sinθで表される第1の理想成分と、−AHsin((N+1)θ+α)で表される第1の信号誤差成分とを含んでいる。また、第2の検出信号S2は、A0cosθで表される第2の理想成分と、−AHcos((N+1)θ+α)で表される第2の信号誤差成分とを含んでいる。
第1の信号誤差成分と第2の信号誤差成分は、式(3)および(4)における信号誤差成分に相当するN+1次の信号誤差成分である。
以下、説明を簡単にするために、第1の検出信号S1は第1の理想成分と第1の信号誤差成分のみを含み、第2の検出信号S2は第2の理想成分と第2の信号誤差成分のみを含むものとする。この場合、第1および第2の検出信号S1,S2は、下記の式(5)および(6)で表される。
S1=A0sinθ−AHsin((N+1)θ+α) …(5)
S2=A0cosθ−AHcos((N+1)θ+α) …(6)
対象角度θが所定の周期Tで変化する場合、補正処理が行われないと、角度検出値θsは、第1および第2の信号誤差成分に起因した成分であってT/Nの周期で変化する成分すなわちN次の角度誤差成分を含む。
本実施の形態では、前述の第1ないし第3の特徴を利用して、以下のようにして、N次の角度誤差成分を低減する。
ここで、仮に、補正処理において、第1の補正値C1を−ALsin((N−1)θ+α)とすることができ、第2の補正値C2をALcos((N−1)θ+α)とすることができるとすれば、前述の第1ないし第3の特徴から、ALを、|AH+AL|が|AH|よりも小さくなるような実数とすることにより、N次の角度誤差成分の振幅を小さくすることができる。しかし、補正プロセッサ33は、対象角度θを知ることはできないため、第1および第2の補正値C1,C2を上記のように決定することはできない。
そこで、本実施の形態における補正処理では、補正値生成部36において、対象角度θの代わりに未補正角度検出値θpを用いて、下記の式(7)、(8)によって表される第1および第2の補正値C1,C2を決定する。未補正角度検出値θpは、補正処理が行われない場合における角度検出値である。ALは、|AH+AL|が|AH|よりも小さくなるような実数である。|AH+AL|は、|AH|×0.5以下であることが好ましく、0であることがより好ましい。
C1=−ALsin((N−1)θp+α) …(7)
C2=ALcos((N−1)θp+α) …(8)
ここで、対象角度θが周期Tで変化するときに第1および第2の補正値C1,C2の周期がT/Dである場合、第1および第2の補正値C1,C2の各々の次数がDであると言う。本実施の形態では特に、第1および第2の補正値C1,C2の各々の次数はN−1である。
補正情報保持部37は、補正情報としてN、ALおよびαの各値を保持し、これらを補正値生成部36に与える。補正値生成部36は、N、ALおよびαの各値を用いて、式(7)、(8)によって表される第1および第2の補正値C1,C2を決定する。
補正値生成部36は、第1および第2の検出信号S1,S2を用いて、下記の式(9)によって未補正角度検出値θpを算出してもよい。そして、補正値生成部36は、補正情報であるN、ALおよびαの各値と、算出した未補正角度検出値θpを、式(7)、(8)に代入して、第1および第2の補正値C1,C2を決定してもよい。なお、“atan”は、アークタンジェントを表す。
θp=atan(S1/S2) …(9)
θpが0°以上360°未満の範囲内では、式(9)におけるθpの解には、180°異なる2つの値がある。しかし、S1,S2の正負の組み合わせにより、θpの真の値が、式(9)におけるθpの2つの解のいずれであるかを判別することができる。補正値生成部36は、式(9)と、上記のS1,S2の正負の組み合わせの判定により、0°以上360°未満の範囲内でθpを求める。
なお、補正値生成部36では、未補正角度検出値θpを算出しなくても第1および第2の補正値C1,C2を決定することができる場合がある。例えば、Nが1の場合には、式(7)、(8)における(N−1)θpが0になるため、第1および第2の補正値C1,C2は、いずれも、未補正角度検出値θpによって変化しない一定値になる。
また、Nが2の場合には、式(7)、(8)における(N−1)θpはθpになる。この場合には、sinθpとcosθpを変数としてC1,C2を表すように式(7)、(8)を変形することができる。ここで、sinθpとcosθpは、それぞれ、振幅が1になるように規格化した第1の検出信号S1と第2の検出信号S2の値である。従って、この場合には、未補正角度検出値θpを算出しなくても、第1および第2の検出信号S1,S2に基づいて、第1および第2の補正値C1,C2を決定することができる。
Nが3以上の場合においても、sinθpとcosθpを変数としてC1,C2を表すように式(7)、(8)を変形することができる場合には、未補正角度検出値θpを算出しなくても、第1および第2の検出信号S1,S2に基づいて、第1および第2の補正値C1,C2を決定することができる。
補正値生成部36は、第1の補正値C1を加算部34に与え、第2の補正値C2を加算部35に与える。加算部34は、第1の検出信号S1に第1の補正値C1を加えて第1の補正後検出信号S1cを生成する。加算部35は、第2の検出信号S2に第2の補正値C2を加えて第2の補正後検出信号S2cを生成する。第1および第2の補正後検出信号S1c,S2cは、下記の式(10)、(11)で表される。
S1c=S1+C1
=A0sinθ−AHsin((N+1)θ+α)
−ALsin((N−1)θp+α) …(10)
S2c=S2+C2
=A0cosθ−AHcos((N+1)θ+α)
+ALcos((N−1)θp+α) …(11)
第1および第2の補正後検出信号S1c,S2cは、図3に示した角度検出器4に与えられる。角度検出器4は、第1および第2の補正後検出信号S1c,S2cを用いて、下記の式(12)によって、角度検出値θsを生成する。
θs=atan(S1c/S2c) …(12)
θsが0°以上360°未満の範囲内では、式(12)におけるθsの解には、180°異なる2つの値がある。しかし、S1c,S2cの正負の組み合わせにより、θsの真の値が、式(12)におけるθsの2つの解のいずれであるかを判別することができる。角度検出器4は、式(12)と、上記のS1c,S2cの正負の組み合わせの判定により、0°以上360°未満の範囲内でθsを求める。
補正情報保持部37が保持する補正情報は、角度センサ1の出荷前または使用前に、角度センサ1の外部の図示しない制御部を用いて決定され、補正情報保持部37に与えられる。この手順を、補正情報決定手順と言う。以下、図11を参照して、補正情報決定手順について説明する。図11は、補正情報決定手順を示すフローチャートである。
補正情報決定手順は、角度センサ1の出荷前または使用前に実行される。補正情報決定手順は、制御部が対象角度θを認識できる状況で行われる。この状況は、例えば、制御部の指令によって対象角度θを変化させる場合や、制御部が対象角度θの情報を取得できる場合に得られる。
補正情報決定手順では、始めに、手順S101で、対象角度θが1周期だけ変化する間、A/D変換器31,32によってデジタル信号に変換された第1および第2の検出信号S1,S2を取得する。手順S101では、更に、対象角度θが1周期だけ変化する間、前出の式(9)によって未補正角度検出値θpを算出すると共に、下記の式(13)によって未補正角度検出値θpの誤差Epを算出する。
Ep=θp−θ …(13)
補正情報決定手順では、次に、手順S102で、対象角度θが1周期だけ変化する間における誤差Epを解析して、誤差Epに含まれる主要な成分であって、対象角度θの周期Tの1/Nの周期で変化する成分を抽出し、この成分に対応するNの値を、補正情報としてのNの値として決定する。誤差Epの解析は、例えばフーリエ解析を用いて行われる。
補正情報決定手順では、次に、手順S103で、対象角度θが1周期だけ変化する間における第1および第2の検出信号S1,S2を解析して、手順S102で決定したNの値に対応する第1および第2の信号誤差成分を抽出する。第1および第2の検出信号S1,S2の解析は、例えばフーリエ解析を用いて行われる。手順S103では、更に、抽出した第1および第2の信号誤差成分を解析して、AHおよびαの各値を求める。手順S103で求めたαの値は、補正情報としてのαの値となる。
補正情報決定手順では、次に、手順S104で、手順S103で求めたAHに基づいてALを決定する。ALは、|AH+AL|が|AH|よりも小さくなるように決定される。これにより、補正情報決定手順は終了する。ALは、|AH+AL|が|AH|×0.5以下になるように決定されることが好ましく、0になるよう決定されることがより好ましい。
|AH+AL|が|AH|よりも小さければ、補正処理が行われない場合に比べて、N次の角度誤差成分の振幅を小さくすることができる。|AH+AL|が|AH|×0.5以下であれば、N次の角度誤差成分の振幅を、補正処理が行われない場合に比べて約2分の1まで小さくすることができる。|AH+AL|が0であれば、N次の角度誤差成分の振幅をほぼ0にすることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る補正装置3および角度センサ1によれば、補正処理が行われない場合に比べて、N次の角度誤差成分を低減することができる。本実施の形態における補正処理は、Nが1以上の整数であれば、Nの値に関わらずに適用することができる。
本実施の形態では、第1および第2の検出信号S1,S2の各々がN+1次の信号誤差成分を含んでいる。この場合における角度誤差を低減するための一般的な方法は、第1の検出信号S1のN+1次の信号誤差成分をキャンセルするようなN+1次の第1の補正値を第1の検出信号S1に加え、第2の検出信号S2のN+1次の信号誤差成分をキャンセルするようなN+1次の第2の補正値を第2の検出信号S2に加えることである。しかし、この方法では、特にNの値が大きい場合に、第1および第2の補正値が複雑になり、その結果、N次の角度誤差成分を低減するための処理も複雑になる。
これに対し、本実施の形態では、第1および第2の検出信号S1,S2の各々がN+1次の信号誤差成分を含んでいるにも関わらず、第1および第2の補正値C1,C2の各々の次数はN−1である。そのため、本実施の形態では、第1および第2の補正値C1,C2が簡単になり、その結果、補正処理も簡単になる。
以上のことから、本実施の形態によれば、第1および第2の検出信号S1,S2の各々がN+1次の信号誤差成分を含むことによって生じるN次の角度誤差成分を、簡単な補正処理で低減することができる。
本実施の形態は、N次の角度誤差成分の原因が、第1および第2の検出信号S1,S2のN+1次の信号誤差成分のみであるか、ほとんどN+1次の信号誤差成分である場合に効果的である。
なお、第1および第2の検出信号S1,S2の各々が主にN−1次の信号誤差成分を含むことによってN次の角度誤差成分が生じる場合に、N+1次の第1および第2の補正値C1,C2によって、N次の角度誤差成分を低減することも可能である。しかし、この場合は、第1および第2の補正値C1,C2の次数が信号誤差成分の次数よりも高くなるため、本実施の形態の効果は得られない。
以下、本実施の形態における第1ないし第5の実施例について説明する。また、以下、本実施の形態における角度検出値θsの誤差である角度誤差を、記号Esで表す。角度誤差Esは、下記の式(14)で表される。
Es=θs−θ …(14)
[第1の実施例]
第1の実施例は、Nが1の場合の例である。Nが1の場合、式(7)、(8)は、下記の式(15)、(16)に変わる。
C1=−ALsinα …(15)
C2=ALcosα …(16)
式(15)、(16)から理解されるように、Nが1の場合には、第1および第2の補正値C1,C2は、いずれも未補正角度検出値θpに応じて変化しない一定値である。Nが1の場合における補正値C1,C2の周期は、無限大であると言うことができる。
Nが1の場合、式(10)、(11)は、下記の式(17)、(18)に変わる。
S1c=A0sinθ−AHsin(2θ+α)−ALsinα …(17)
S2c=A0cosθ−AHcos(2θ+α)+ALcosα …(18)
以下、具体例として、A0が1、AHが0.02、αが30°である場合の例について、図12ないし図14を参照して説明する。
図12は、未補正角度検出値θpの誤差Epの波形を示す波形図である。図12において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は誤差Epを示している。
図13は、ALを−0.01とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図13において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.01とした場合、|AH+AL|は|AH|×0.5と等しい。この場合、角度誤差Esの絶対値の最大値は、図12に示した誤差Epの絶対値の最大値の約2分の1である。
図14は、ALを−0.02とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図14において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.02とした場合、|AH+AL|は0である。この場合、角度誤差Esの絶対値は、θに関わらずに0である。
[第2の実施例]
第2の実施例は、Nが2の場合の例である。Nが2の場合、式(7)、(8)は、下記の式(19)、(20)に変わる。
C1=−ALsin(θp+α) …(19)
C2=ALcos(θp+α) …(20)
式(19)、(20)から理解されるように、Nが2の場合には、第1および第2の補正値C1,C2は、いずれも未補正角度検出値θpに応じて変化する。
Nが2の場合、式(10)、(11)は、下記の式(21)、(22)に変わる。
S1c=A0sinθ−AHsin(3θ+α)−ALsin(θp+α) …(21)
S2c=A0cosθ−AHcos(3θ+α)+ALcos(θp+α) …(22)
なお、前述のように、Nが2の場合には、sinθpとcosθpを変数としてC1,C2を表すように式(19)、(20)を変形することができる。式(19)、(20)を変形すると、下記の式(23)、(24)が得られる。この場合には、前述のように、未補正角度検出値θpを算出しなくても、第1および第2の検出信号S1,S2に基づいて、第1および第2の補正値C1,C2を決定することができる。
C1=−AL{sinθp・cosα+cosθp・sinα} …(23)
C2=AL{cosθp・cosα−sinθp・sinα} …(24)
以下、具体例として、A0が1、AHが0.02、αが30°である場合の例について、図15ないし図17を参照して説明する。
図15は、未補正角度検出値θpの誤差Epの波形を示す波形図である。図15において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は誤差Epを示している。
図16は、ALを−0.01とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図16において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.01とした場合、|AH+AL|は|AH|×0.5と等しい。この場合、角度誤差Esの絶対値の最大値は、図15に示した誤差Epの絶対値の最大値の約2分の1である。
図17は、ALを−0.02とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図17において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.02とした場合、|AH+AL|は0である。この場合、角度誤差Esの絶対値の最大値は、図15に示した誤差Epの絶対値の最大値に比べて非常に小さい。
[第3の実施例]
第3の実施例は、Nが3の場合の例である。以下、具体例として、A0が1、AHが0.02、αが30°である場合の例について、図18ないし図20を参照して説明する。
図18は、未補正角度検出値θpの誤差Epの波形を示す波形図である。図18において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は誤差Epを示している。
図19は、ALを−0.01とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図19において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.01とした場合、|AH+AL|は|AH|×0.5と等しい。この場合、角度誤差Esの絶対値の最大値は、図18に示した誤差Epの絶対値の最大値の約2分の1である。
図20は、ALを−0.02とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図20において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.02とした場合、|AH+AL|は0である。この場合、角度誤差Esの絶対値の最大値は、図18に示した誤差Epの絶対値の最大値に比べて非常に小さい。
[第4の実施例]
第4の実施例は、Nが4の場合の例である。以下、具体例として、A0が1、AHが0.02、αが30°である場合の例について、図21ないし図23を参照して説明する。
図21は、未補正角度検出値θpの誤差Epの波形を示す波形図である。図21において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は誤差Epを示している。
図22は、ALを−0.01とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図22において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.01とした場合、|AH+AL|は|AH|×0.5と等しい。この場合、角度誤差Esの絶対値の最大値は、図21に示した誤差Epの絶対値の最大値の約2分の1である。
図23は、ALを−0.02とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図23において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.02とした場合、|AH+AL|は0である。この場合、角度誤差Esの絶対値の最大値は、図21に示した誤差Epの絶対値の最大値に比べて非常に小さい。
[第5の実施例]
第5の実施例は、Nが5の場合の例である。以下、具体例として、A0が1、AHが0.02、αが30°である場合の例について、図24ないし図26を参照して説明する。
図24は、未補正角度検出値θpの誤差Epの波形を示す波形図である。図24において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は誤差Epを示している。
図25は、ALを−0.01とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図25において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.01とした場合、|AH+AL|は|AH|×0.5と等しい。この場合、角度誤差Esの絶対値の最大値は、図24に示した誤差Epの絶対値の最大値の約2分の1である。
図26は、ALを−0.02とした場合の角度誤差Esの波形を示す波形図である。図26において、横軸は対象角度θを示し、縦軸は角度誤差Esを示している。ALを−0.02とした場合、|AH+AL|は0である。この場合、角度誤差Esの絶対値の最大値は、図24に示した誤差Epの絶対値の最大値に比べて非常に小さい。
なお、Nが6以上の場合の具体例は示さないが、本実施の形態は、Nが6以上の場合においても、Nが5以下の場合と同様の効果を発揮する。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明は、磁気検出素子として、ホール素子等、磁気抵抗効果素子以外の磁界を検出する素子を用いた磁気式の角度センサにも適用することができる。
また、本発明は、磁気式の角度センサに限らず、光学式の角度センサ等を含む角度センサ全般に適用することができる。光学式の角度センサは、角度センサに対する光学的スケールの相対的な位置を検出するものであってもよい。この場合、検出対象の角度は、光学的スケールの1ピッチを360°として角度センサに対する光学的スケールの相対的な位置を角度で表したときのその角度であってもよい。
1…角度センサ、2…検出信号生成器、3…補正装置、4…角度検出器、5…磁石、10…第1の検出回路、20…第2の検出回路、14,24…ブリッジ回路、31,32…A/D変換器、33…補正プロセッサ、34,35…加算部、36…補正値生成部、37…補正情報保持部。
本発明の補正装置において、第1の補正値は−ALsin((N−1)θp+α)と表され、第2の補正値はALcos((N−1)θp+α)と表される。ALは、|AH+AL|が|AH|よりも小さくなるような実数である。|AH+AL|は、|AH|×0.5以下であってもよいし、0であってもよい
基準平面Pは、磁石5の一方の端面に平行な仮想の平面である。基準位置PRは、角度センサ1が回転磁界MFを検出する位置である。基準方向DRは、基準平面P内に位置して、基準位置PRと交差する。また、基準位置PRにおける回転磁界MFの方向DMは、基準平面P内に位置する。角度センサ1は、磁石5の上記一方の端面に対向するように配置される。本実施の形態では、X方向を基準方向DRとする。基準平面P内において、回転磁界MFの方向DMは、基準位置PRを中心として回転する。本実施の形態では、回転磁界MFの方向DMは、図2において反時計回り方向に回転するものとする。回転磁界角度θMは、基準方向DRから反時計回り方向に見たときに正の値で表し、基準方向DRから時計回り方向に見たときに負の値で表す。

Claims (5)

  1. それぞれ検出対象の角度と対応関係を有する第1の検出信号と第2の検出信号を生成する検出信号生成器と、前記第1および第2の検出信号に基づいて前記検出対象の角度と対応関係を有する角度検出値を生成する角度検出器とを備えた角度センサに用いられ、前記第1および第2の検出信号を補正するための補正装置であって、
    前記補正装置は、前記第1の検出信号に第1の補正値を加えて第1の補正後検出信号を生成すると共に前記第2の検出信号に第2の補正値を加えて第2の補正後検出信号を生成する補正処理を行う補正プロセッサを備え、
    前記検出対象の角度をθとし、Nを1以上の整数とし、A0,AHを0以外の実数とし、αを所定の角度としたときに、前記第1の検出信号は、A0sinθで表される第1の理想成分と、−AHsin((N+1)θ+α)で表される第1の信号誤差成分とを含み、前記第2の検出信号は、A0cosθで表される第2の理想成分と、−AHcos((N+1)θ+α)で表される第2の信号誤差成分とを含み、
    前記補正処理が行われない場合における前記角度検出値を未補正角度検出値θpとしたときに、前記未補正角度検出値θpは誤差を含み、前記検出対象の角度θが所定の周期Tで変化する場合、前記未補正角度検出値θpの誤差は、前記第1および第2の信号誤差成分に起因した成分であってT/Nの周期で変化する成分を含み、
    前記第1の補正値は−ALsin((N−1)θp+α)と表され、前記第2の補正値はALcos((N−1)θp+α)と表され、ALは、|AH+AL|が|AH|よりも小さくなるような実数であることを特徴とする角度センサの補正装置。
  2. |AH+AL|は、|AH|×0.5以下であることを特徴とする請求項1記載の角度センサの補正装置。
  3. |AH+AL|は0であることを特徴とする請求項1記載の角度センサの補正装置。
  4. それぞれ検出対象の角度と対応関係を有する第1の検出信号と第2の検出信号を生成する検出信号生成器と、
    前記第1および第2の検出信号に基づいて前記検出対象の角度と対応関係を有する角度検出値を生成する角度検出器と、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の補正装置とを備えたことを特徴とする角度センサ。
  5. 前記第1の検出信号は、回転磁界角度の正弦と対応関係を有し、
    前記第2の検出信号は、前記回転磁界角度の余弦と対応関係を有し、
    前記回転磁界角度は、前記検出対象の角度と対応関係を有する角度であって、基準平面内において基準位置における回転磁界の方向が基準方向に対してなす角度であることを特徴とする請求項4記載の角度センサ。
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