JP2015206614A - エンコーダ装置および補正方法 - Google Patents

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基一郎 山邉
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Abstract

【課題】エンコーダ装置の検出精度をより高められるようにする。
【解決手段】エンコーダ装置が、被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号に基づく速度信号を取得する速度取得部と、前記速度信号にローパスフィルタを適用した信号を積算する積算部と、前記積算部が積算した信号と、前記周期的信号との差分を求める減算部と、前記差分に基づいて、前記周期的信号に含まれる誤差の周波数成分を求める成分取得部と、前記成分取得部が取得した前記誤差の周波数成分に基づいて、前記周期的信号に対する補正を行う補正部と、を具備する。
【選択図】図8

Description

本発明は、エンコーダ装置および補正方法に関する。
近年、エンコーダ装置の高分解能化が進む一方で、スケールピッチの細かさには光学設計や加工における限界がある。そこで、より高い分解能を得るために、二相のセンサがスケールから各々検出する正弦波信号を用いた内挿処理が行われている。
かかる内挿処理に際して、正弦波信号の振幅の変動など、センサからの信号が予定されている信号からずれると、エンコーダ装置による検出精度が低下してしまう。これに対して特許文献1では、正弦波の振幅の平均値を用いて次の周期の正弦波の振幅を補正する技術が記載されている。
特許第3592432号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、センサからの信号の振幅以外のずれを補正することは困難である。センサからの信号のずれには、振幅のずれ以外にもアンプ特性による信号レベルのずれ(オフセット)など、要因に応じた他のずれも考えられる。振幅以外のずれを補正できれば、エンコーダ装置の検出精度をより高めることができる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、検出精度をより高めることのできるエンコーダ装置および補正方法を提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるエンコーダ装置は、被測定物の移動量に対応した信号に基づく速度信号を取得する速度信号取得部と、前記速度信号と当該速度信号にローパスフィルタを適用した信号との差分に応じた信号に基づいて、前記被測定物の移動量に対応した信号に対する補正を行う補正部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による補正方法は、エンコーダ装置の補正法であって、被測定物の移動量に対応した信号に基づく速度信号を取得する速度取得ステップと、前記速度信号と当該速度信号にローパスフィルタを適用した信号との差分に応じた信号に基づいて、前記被測定物の移動量に対応した信号に対する補正を行う補正ステップと、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、エンコーダ装置の検出精度をより高めることができる。
本発明の第1の実施形態におけるエンコーダ装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における信号のレベルずれの例を示す説明図である。 同実施形態において信号レベルずれが生じている場合の、内挿誤差の例を示す説明図である。 同実施形態における信号の振幅ずれの例を示す説明図である。 同実施形態において振幅ずれが生じている場合の、内挿誤差の例を示す説明図である。 同実施形態において波形歪が生じている信号の例を示す説明図である。 同実施形態において波形歪が生じている場合の、内挿誤差の例を示す説明図である。 同実施形態における補正量計算部の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態において区間分割部が用いる区間の例を示す説明図である。 同実施形態においてA相信号の補正を行うタイミングの第1の例を示す説明図である。 同実施形態において図10に示すタイミングで補正を行った時の、補正のθへの影響の例を示す説明図である。 同実施形態においてA相信号の補正を行うタイミングの第2の例を示す説明図である。 同実施形態において図12に示すタイミングで補正量を変更したときの、補正のθへの影響の例を示す説明図である。 同実施形態において、補正量更新部が3次ひずみに対する補正量の更新を行う際の領域分割の例を示す説明図である。 同実施形態における、0度と45度を動かさずに中間の角度を変化させる補正の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態におけるエンコーダ装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における補正量計算部の機能構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第3の実施形態におけるエンコーダ装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における補正量計算部の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態において区間分割部が用いる区間の例を示す説明図である。 同実施形態において補正量更新部が更新の抑制を行わない場合の補正値の更新例を示す説明図である。 同実施形態において補正量更新部が更新の抑制を行う場合の補正値の更新例を示す説明図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態におけるエンコーダ装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、エンコーダ装置100は、A相センサ部111と、A相増幅部112と、A相A/D変換部113と、B相センサ部121と、B相増幅部122と、B相A/D変換部123と、カウンタ部131と、補正部141と、内挿部142と、速度取得部151と、ローパスフィルタ152と、補正量計算部161と、通信部171とを具備する。
エンコーダ装置100は、例えばモータに用いられてモータの回転量を検出する。この場合、モータが被測定物の一例に該当し、モータの回転量が被測定物の移動量の一例に該当する。
エンコーダ装置100を用いるモータは、例えばロボットに使用される。エンコーダ装置100がモータの回転量を詳細に検出することで、ロボットに対する精密な制御が可能となる。
A相センサ部111は、被測定物の移動量に対応した周期的信号を出力する。具体的には、A相センサ部111は光センサを有し、被測定物に設けられた格子状のスケールからの光を電気に変換する。被測定物の移動に伴いスケールからの光の量が周期的に増減することで、A相センサ部111は、正弦波形状の電気信号を出力する。
A相増幅部112は、A相センサ部111からの電気信号を増幅する。
A相A/D変換部113は、A相センサ部111が出力しA相増幅部112が増幅した信号をデジタル信号に変換する。以下では、A相A/D変換部113が出力する信号をA相信号と称する。
B相センサ部121は、A相センサ部111と同様、被測定物の移動量に対応した周期的信号を出力する。具体的には、B相センサ部121は、A相センサ部111と同様、被測定物の移動に応じて正弦波形状の電気信号を出力する。B相センサ部121は、A相センサ部111が出力する正弦波形状の電気信号と位相が90度(°)異なる電気信号を出力する位置に設けられている。
B相増幅部122は、B相センサ部121からの電気信号を増幅する。
B相A/D変換部123は、B相センサ部121が出力しB相増幅部122が増幅した信号をデジタル信号に変換する。以下では、B相A/D変換部123が出力する信号をB相信号と称する。また、A相信号とB相信号とを合わせて二相信号と称する。
カウンタ部131は、A相A/D変換部113やB相A/D変換部123からの正弦波形状の信号の周期をカウントする。カウンタ部131のカウント値は、被測定物の移動量を信号の周期単位で示す。
補正部141は、A相A/D変換部113やB相A/D変換部123からの正弦波形状の信号のひずみを補正する。補正部141は、補正量計算部161が算出する補正量に基づいて補正を行う。
内挿部142は、補正部141が補正した二相信号から位相情報(位相信号)を取得する。内挿部142が取得する位相情報は、A相センサ部111やB相センサ部121が出力する信号の周期より細かい分解能(従って、被測定物に設けられたスケールのピッチより細かい分解能)で、被測定物の移動量を示す。
以下では、内挿部142が取得する位相情報の示す位相を、内挿位置と称する。また、以下では、内挿位置を位相平面における角度にてθで示すことがある。
速度取得部151は、内挿部142からの位相情報の一階差分を求める。これにより、速度取得部151は、被測定物の速度情報(速度信号)を取得する。すなわち、速度取得部151が取得する情報は、被測定物の移動量の微分を示す点で、被測定物の速度を示している。
以下では、速度取得部151が取得する速度情報の示す速度をωで示すことがある。
ローパスフィルタ152は、速度取得部151からの速度情報に含まれる高周波成分をひずみ成分として除去する。以下では、ローパスフィルタ152が歪成分を除去した速度情報の示す速度を、理想速度と称する。また、理想速度をω(バー)で示すことがある。
ローパスフィルタ152は、補正対象の二相信号(すなわち、A相信号やB相信号)の周波数の下限より低い遮断周波数を有する。あるいは、ローパスフィルタ152が、現在の周波数に応じて遮断周波数を変更するようにしてもよい。また、ローパスフィルタ152は、1次のローパスフィルタであってもよい。
エンコーダ装置100が、他の目的で位置データや速度データに対するローパスフィルタを有している場合、その出力を理想速度として用いるようにしてもよい。この場合、エンコーダ装置100はローパスフィルタ152を具備していなくてもよい。
補正量計算部161は、A相A/D変換部113やB相A/D変換部123が出力する正弦波形状の信号に対する補正量を算出して補正部141へ出力する。
通信部171は、他の装置との通信を行う。特に通信部171は、エンコーダ装置100が取得した被測定物の位置情報を他の装置へ送信する。
次に、図2〜図7を参照して、内挿誤差の成分について説明する。ここでいう内挿誤差とは、内挿部142が取得する位相情報が示す被測定物の移動量の、被測定物の実際の移動量に対する誤差である。
A相A/D変換部113やB相A/D変換部123が出力する信号は、理想的には位相差が90度で同じ周期および同じ振幅を有する正弦波信号である。この理想的な信号に対する実際の信号のひずみが、内挿誤差の原因となる。
内挿誤差の大きさ、あるいは内挿誤差のk次の成分の大きさは、内挿誤差を示す誤差曲線のp-p(両振幅)やその半分(片振幅)で表すことができる。ここでいう内挿誤差のk次の成分とは、誤差曲線をフーリエ級数展開して得られる第k項である。以下では、内挿誤差のk次の成分を、k次の誤差とも称する。
ここで、xを時刻として、誤差曲線f(x)のフーリエ級数展開は式(1)のように示される。
Figure 2015206614
但し、Lは、1周期分の時間を示す。また、a、a、a、・・・、および、b、b、・・・は、いずれも定数の係数である。
内挿誤差のk次の成分は、式(2)のように示される。
Figure 2015206614
係数aや係数bが、内挿誤差のk次の成分の片振幅を示している。
A相信号またはB相信号のレベルがずれた場合、1次の誤差が生じる。ここでいうレベルのずれは、オフセット、すなわち、正弦波の中心がレベル0からずれることである。
A相信号のゼロクロスを内挿位置情報の原点とすると、A相信号のレベルずれによって、1次の誤差のcos(コサイン)成分が現れる。1次の誤差のcos成分の片振幅は、式(1)において係数aにて示されている。
また、A相信号のゼロクロスを内挿位置情報の原点とすると、B相信号のレベルずれによって、1次の誤差のsin(サイン)成分が現れる。1次の誤差のsin成分の片振幅は、式(1)において係数bにて示されている。
図2は、信号のレベルずれの例を示す説明図である。同図の横軸は時刻を示す。縦軸は二相信号の信号レベルを示す。また、線L101はA相信号を示す。線L102はB相信号を示す。
図2の例において、線L101の示すA相信号の中心は横軸よりも上にある。すなわち、図2のA相信号はレベルずれしている。一方、線L102の示すB相信号の中心は、横軸の位置にある。すなわち、B相信号はレベルずれしていない。
また、A相信号はB相信号に対して位相が進んでいる。
図2のようにB相信号に対して位相が進んでいるA相信号が、オフセットにて上側(信号レベルの高い側)へずれると、A相信号とB相信号とが交わるクロスポイントのうち、信号レベルが正の側の点P101は、オフセットがない場合よりも時刻が遅い側へずれる。
一方、信号レベルが負の側のクロスポイントを示す点P102は、オフセットがない場合よりも時刻が早い側へずれる。
図3は、信号レベルずれが生じている場合の、内挿誤差の例を示す説明図である。
同図の横軸は1周期分の時間を示す。縦軸は、二相信号の1周期分に対応する被測定物の移動量を示す。また、線L103は、内挿位置を示す。線L104は、理想的な内挿位置を示す。ここでいう理想的な内挿位置とは、二相信号にひずみがなく、被測定物の移動量を正確に反映する内挿位置を得られた場合の、内挿位置である。すなわち、理想的な内挿位置とは、内挿位置が本来示すべき位置である。
図2におけるクロスポイントの点P101およびP102と同様に、図3において、線L103の示す内挿位置は、線L104の示す理想的な内挿位置に対して、周期の前半は遅れ、周期の後半は進んでいる。
また、内挿位置の示す速度と図3の1周期との関係では、1周期を4分割した最初の時間は、線L103の傾きが線L104の傾きよりも小さく、速度が遅い。一方、1周期の4分割のうち2番目および3番目の時間は、線L103の傾きが線L104の傾きよりも大きく、速度が速い。1周期の4分割のうち4番目の時間は、線L103の傾きが線L104の傾きよりも小さく、速度が遅い。
このように、二相信号のオフセットによる内挿誤差は、二相信号の周期と同じ周期の成分である1次の誤差として現れる。
一方、A相信号の片振幅とB相信号の片振幅とが一致していない場合、2次の誤差が生じる。この場合、主に2次の誤差のsin成分が現れる。2次の誤差のsin成分の片振幅は、式(1)において係数bにて示されている。
また、A相信号とB相信号との位相差が90度からずれている場合も、2次の誤差が生じる。この場合、特に、2次の誤差のcos成分が現れる。2次の誤差のcos成分の片振幅は、式(1)において係数aにて示されている。
図4は、信号の振幅ずれの例を示す説明図である。同図の横軸は時刻を示す。縦軸は二相信号の信号レベルを示す。また、線L111はA相信号を示す。線L112はB相信号を示す。
図4の例において、線L112の示すB相信号は、線L111の示すA相信号よりも振幅が小さい。
図5は、振幅ずれが生じている場合の、内挿誤差の例を示す説明図である。
同図の横軸は1周期分の時間を示す。縦軸は、二相信号の1周期分に対応する被測定物の移動量を示す。また、線L113は、内挿位置を示す。L114は、理想的な内挿位置を示す。
図5において、線L113の示す内挿位置は、線L114の示す理想的な内挿位置に対して、1周期を4分割した最初の時間と3番目の時間で遅れ、2番目の時間と4番目の時間とで進んでいる。
また、内挿位置の示す速度と図5の1周期との関係では、1周期を8分割した最初、4番目、5番目および8番目の時間は、線L113の傾きが線L114の傾きよりも小さく、速度が遅い。一方、1周期の8分割のうち2番目、3番目、6番目および7番目の時間は、線L113の傾きが線L114の傾きよりも大きく、速度が速い。
このように、二相信号の振幅ずれによる内挿誤差は、二相信号の周期の半分の周期の成分である2次の誤差として現れる。
A相信号とB相信号とに3次高調波が乗っている場合、4次の誤差が生じる。3次高調波が乗ることで、波形が、例えば三角波または矩形波のようになる。
特に、A相信号とB相信号とが同じように歪んでいる場合に、4次の誤差が生じる。一方、A相信号とB相信号とで歪み方が異なる場合、4次の誤差に加えて2次の誤差も発生する。
3次高調波が乗っている場合、主に4次の誤差や2次の誤差のsin成分が現れる。4次の誤差のsin成分の片振幅は、式(1)において係数b4にて示されている。
図6は、波形歪が生じている信号の例を示す説明図である。同図の横軸は時刻を示す。縦軸は二相信号の信号レベルを示す。また、線L121はA相信号を示す。線L122はB相信号を示す。
図6の例において、線L121の示すA相信号と線L122の示すB相信号とは、どちらも同じように、やや矩形っぽく歪んでいる。
図7は、波形歪が生じている場合の、内挿誤差の例を示す説明図である。
同図の横軸は1周期分の時間を示す。縦軸は、二相信号の1周期分に対応する被測定物の移動量を示す。また、線L123は、内挿位置を示す。L124は、理想的な内挿位置を示す。
図7において、線L123の示す内挿位置は、線L124の示す理想的な内挿位置に対して、1周期を8分割した最初、3番目、5番目、7番目の各時間で進み、2番目、4番目、6番目、8番目の各時間で遅れている。
また、内挿位置の示す速度と図7の1周期との関係では、1周期を16分割した最初、4番目、5番目、8番目、9番目、12番目、13番目、16番目の各時間は、線L123の傾きが線L124の傾きよりも大さく、速度が速い。一方、1周期の16分割のうち2番目、3番目、6番目、7番目、10番目、11番目、14番目および15番目の時間は、線L113の傾きが線L114の傾きよりも小さく、速度が遅い。
このように、3次高調波が二相信号に乗った波形ひずみによる内挿誤差は、二相信号の周期の4分の1の周期の成分である4次の誤差として現れる。
A相信号とB相信号とに2次高調波が乗っている場合、3次の誤差が生じる。
なお、エンコーダ装置が差動信号を差動増幅する場合、基本的にはA相信号やB相信号に2次高調波は乗らない。
次に、図8を参照して、補正量計算部161の機能構成について説明する。
図8は、補正量計算部161の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、補正量計算部161は、区間分割部162と、理想走行距離用アキュムレータ163と、減算部164と、区間別アキュムレータ165と、成分量計算部166と、補正量更新部167とを具備する。
区間分割部162は、内挿位置θのデータを監視し、二相信号の1周期分の位相を分割した区間毎に、当該区間内における内挿位置の移動距離を求める。以下、区間分割部162が求める移動距離を実走行距離と称する。
図9は、区間分割部162が用いる区間の例を示す説明図である。同図の横軸は、A相信号の信号レベルを示す。縦軸は、B相信号の信号レベルを示す。
同図において、A相信号の信号レベルとB相信号の信号レベルとの組み合わせを示す位相平面が、区間0〜区間7の8つの区間に分割されている。また、区間0は、縦軸から始まるのではなく縦軸を中心にプラスマイナス22.5度の範囲を占めている。
図9に示す内挿位置θは、A相信号のゼロクロスを基準として、A相信号の信号レベルおよびB相信号の信号レベルの現在値の位相を示している。この位相は被測定物の移動量に対応している。この点において、内挿位置θは被測定物の移動量を示している。
区間分割部162は、区間0〜8の各々について、当該区間内における内挿位置θの移動量を算出する。具体的には区間5に示す例のように、区間分割部162は、内挿位置θが区間i(iは0≦i≦7の整数)に入ってから当該区間iを出る直前のサンプリング時刻までの、内挿位置θの移動量を求める。
以下では、区間分割部162が区間毎に求める内挿位置θの移動量を実区間走行距離と称する。
なお、区間分割部162が行う分割は、図9に示すように等間隔の分割であってもよいし、区間毎に間隔(中心角度)が異なっていてもよい。
区間分割部162は、内挿位置θが区間境界をまたいだ時のステップ量を実区間走行距離に含めない。あるいは、区間分割部162は、内挿位置θが区間に入る際のステップ量と、当該区間から出る際のステップ量との両方を実区間走行距離に含める。入るステップと出るステップのいずれか片方だけを含めると区間との系統的なずれが生じ、補正量を求める際の位相がずれてしまうからである。
また、区間分割部162は、内挿位置θの回転方向に応じて符号を修正することで、移動量の絶対値を求める。
また、区間分割部162は、ω(バー)を積算している理想走行距離用アキュムレータ163を制御し、理想区間走行距離を出力させる。
理想走行距離用アキュムレータ163は、区間分割部162の制御に従って、ある区間について区間分割部162が実区間走行距離の求める時間と同じ時間で、ローパスフィルタ152からの理想速度を積算する。これにより、理想走行距離用アキュムレータ163は、理想区間走行距離を算出する。ここでいう理想区間走行距離とは、区間分割部162が実区間走行距離の求める時間と同じ時間だけ理想速度で移動した場合の移動量である。
区間分割部162と同様、理想走行距離用アキュムレータ163は、理想区間走行距離を算出する際、回転方向に応じて符号を修正することで絶対値を取る。また、内挿位置θが区間境界を跨いだときの積算の有無も、区間分割部162と同様である。
理想区間走行距離を出力した理想走行距離用アキュムレータ163は、次の区間の計算の準備のためクリアされる。
理想走行距離用アキュムレータ163は、積算部の一例に該当する。
減算部164は、区間分割部162が取得する実区間走行距離から、理想走行距離用アキュムレータ163が取得する理想区間走行距離を減算する。減算部164は、得られた減算結果を区間別アキュムレータ165へ出力する。
区間別アキュムレータ165は、区間0〜7の各々に対応するアキュムレータを有する。以下では、区間i(iは、0≦i≦7の整数)に対応するアキュムレータをアキュムレータiと表記する。
区間別アキュムレータ165は、区間分割部162の制御に従って、実区間走行距離から理想区間走行距離を減算した差を、該当区間に対応するアキュムレータに加算する。
所定周期が経過したとき、アキュムレータ0〜7の値は、それぞれ、対応する区間における速度誤差に比例する値を示している。
ここでいう所定周期が経過したときとは、アキュムレータ0〜7のいずれにも同じ回数の加算が行われたときである。ここでの所定周期は1周期であってもよいし、2周期以上であってもよい。例えば、4周期が経過したときとは、アキュムレータ0〜7の各々に4回加算が行われたときである。
また、ここでいう速度誤差とは、実際の速度から理想速度を減算した差である。以下では、区間iにおける速度誤差をcと表記する。例えば、cは、0°の位置に対応する区間0での速度誤差を示す。
区間別アキュムレータ165は、c〜cを成分量計算部166へ出力する。そして、区間別アキュムレータ165は次の所定周期の計算の準備のために、アキュムレータ0〜7をクリア(ゼロリセット)する。
成分量計算部166は、式(1)のaやbで示される、内挿誤差の成分の片振幅を求める。より具体的には、成分量計算部166は、式(1)の両辺をxに関して微分した式(3)の項に基づいて、内挿誤差の成分の片振幅を求める。
Figure 2015206614
ここで、f’(x)は、理想速度から実際の速度を減算した値を示す。
式(3)によれば、位置指令値またはフィルタ処理した位置データなどの理想位置データと、実施の位置データとではなく、理想速度データと実際の速度データとがあれば、係数aや係数bの値を得ることができる。
これらの係数の値を得ることで、上述したレベルずれや振幅の大きさのずれなど、誤差が生じている原因を把握して補正することができる。
理想速度データは、ローパスフィルタ152が速度に対してフィルタ処理を行うことで得られる。速度データは循環しないので、ローパスフィルタ152が用いるフィルタとして公知のフィルタを用いることができる。
なお、式(1)における定数項aは、補正に関係ないので無視する。
成分量計算部166は、式(4)に基づいて、速度誤差の1次のsin成分の片振幅aを求める。
Figure 2015206614
1次のsin成分は、1周期のうちに、0から始まって1になり再び0になり−1になり、その後0になる。式(4)では、cの係数を0とし、cの係数を√0.5、cの係数を1というように、sinの1周期に応じて係数が設定されている。
但し、式(4)における√0.5の値は、必ずしも正確である必要はない。他の次数の成分もあるため、√0.5の値の誤差の影響が比較的小さいからである。式(4)において、√0.5に代えて0.75としてもよいし、0.5としてもよいし、1としてもよい。
また、成分量計算部166は、式(5)に基づいて、速度誤差の1次のcos成分の片振幅bを求める。
Figure 2015206614
さらに、成分量計算部166は、式(6)に基づいて、速度誤差の2次のsin成分の片振幅aを求める。
Figure 2015206614
成分量計算部166は、式(7)に基づいて、速度誤差の2次のcos成分の片振幅bを求める。
Figure 2015206614
成分量計算部166は、式(8)に基づいて、速度誤差の3次のsin成分の片振幅aを求める。
Figure 2015206614
成分量計算部166は、式(9)に基づいて、速度誤差の3次のcos成分の片振幅bを求める。
Figure 2015206614
成分量計算部166は、式(10)に基づいて、速度誤差の4次のcos成分の片振幅bを求める。
Figure 2015206614
エンコーダ装置100が差動信号を差動増幅する場合など、内挿誤差の3次の成分が小さくて補正する必要がない場合、成分量計算部166が、内挿誤差の3次の成分の片振幅の計算を行わないようにしてもよい。これにより、成分量計算部166の処理負荷を軽減させることができる。
あるいは、成分量計算部166が、内挿誤差の3次の成分の片振幅を求め、当該片振幅の大きさが所定値以上の場合にエンコーダ装置100が警報を出力するようにしてもよい。
成分量計算部166は、成分取得部の一例に該当する。
補正量更新部167は、速度誤差の1次のsin成分を内挿位置誤差の1次のcos成分に換算して、当該cos成分の片振幅aを求める。そして、補正量更新部167は、得られた片振幅aに基づいて、A相信号のレベルに対する補正量αaを更新する。
補正量更新部167が補正量αaを更新する方法として、幾つかの方法を用いることができる。
例えば、補正量更新部167が、現在の補正量αaに、aに応じた補正量を単純に加算するようにしてもよい。この場合、A相信号の振幅やB相信号の振幅によって角度θへの影響が異なる。具体的には、振幅が小さければ同じ補正量でもθが大きく変化する。
かかる振幅の影響を避けるため、A相信号の振幅やB相信号の振幅が、所定の仕様の範囲内に含まれるようにする。例えば、補正部141が、A相A/D変換部113からの信号やB相A/D変換部123からの信号に基づいて、振幅が仕様の範囲にあるか否かを判定する。仕様の範囲にないと判定した場合、エンコーダ装置100が警報を出力するようにする。
または、振幅の影響を避けるため、補正部141が、A相A/D変換部113からの信号やB相A/D変換部123からの信号に対して、振幅が一定となるように正規化するようにしてもよい。
内挿位置誤差の3次の成分の補正についても、同様である。一方、内挿位置誤差の2次の成分の補正や、4次の成分の補正では、A相信号の振幅やB相信号の振幅は、補正量とθとの関係に影響しない。
このように、補正量更新部167が、現在の補正量αaに、aに応じた補正量を単純に加算する方法によれば、より速くA相信号やB相信号の補正を行うことができる。
あるいは、誤差成分の符号が所定の回数(例えば16回)連続して同じであった場合に、補正量更新部167が、補正量αaに所定量の加算を行うようにしてもよい。
さらに、符号の計数にも不感帯を設けるようにしてもよい。例えば、誤差成分の値が0.5以下の場合、補正量更新部167が、+の回数に数えないようにしてもよい。
誤差成分の符号が所定の回数連続して同じであった場合、補正量更新部167は、その符号の方向に補正量を所定の量だけ変化させる。ここでの所定の量は、例えば、補正処理の入力の最小単位として設定されている量である。
この方法によれば、急加速やノイズにより誤差成分が一時的に変動しているときに、一時的な変動に応じて補正量が更新されるのを抑制することができる。
A相信号またはB相信号の補正量を変化させる際、補正量を変化させるタイミングを調整することで、補正量が突然変化することによる位置情報の不連続の問題を緩和することができる。この点について、図10〜図13を参照して説明する。
図10は、A相信号の補正を行うタイミングの第1の例を示す説明図である。同図の横軸は時刻を示す。縦軸は信号レベルを示す。また、線L131は、A相信号の信号レベルを示す。線L132は、B相信号の信号レベルを示す。
同図は、B相信号が中心レベルにあるとき以外のタイミングでA相信号のレベルの補正量を変更する場合の一例として、B相信号がレベル最小のときにA相信号のレベルの補正量を変更する例を示している。
図11は、図10に示すタイミングで補正を行った時の、補正のθへの影響の例を示す説明図である。同図の横軸はA相信号のレベルを示す。縦軸はB相信号のレベルを示す。
図11において、A相信号のレベルの補正量を変更した際に、θの値が急変してしまう。
図12は、A相信号の補正を行うタイミングの第2の例を示す説明図である。同図の横軸は時刻を示す。縦軸は信号レベルを示す。また、線L141は、A相信号の信号レベルを示す。線L142は、B相信号の信号レベルを示す。
同図の例では、B相信号が中心レベルにあるときにA相信号のレベルの補正量を変更している。
図13は、図12に示すタイミングで補正量を変更したときの、補正のθへの影響の例を示す説明図である。同図の横軸はA相信号のレベルを示す。縦軸はB相信号のレベルを示す。
図12に示されるように、A相信号のレベルの補正量が変更された際、B相信号のレベルはゼロである。このため、図13において、A相信号のレベルの補正量変更による変化は、横軸に沿った変化となっており、θに影響しない。
例えば、補正量更新部167は、B相信号が中心レベルをまたぐのと同時、または、その直後に、A相信号の補正量を変更する。そして、補正部141は、補正量更新部167が設定した補正量に従って、A相A/D変換部113から出力されるデジタル化されたA相信号や、B相A/D変換部123から出力されるデジタル化されたB相信号の補正を行う。これにより、θの急変を回避し得る。
同様に、補正量更新部167は、B相信号の補正量を変更する場合は、A相信号が中心レベルをまたぐのと同時、または、その直後に、B相信号の補正量を変更する。
他の補正量についても、同様のタイミングで変更することが考えられる。例えば、振幅補正量を変更する場合、補正量更新部167は、A相信号またはB相信号のいずれかが中心レベルにあるタイミングで、補正量の変更を行う。
位相差の補正量を変更する場合、A相信号とB相信号とのいずれの位相を変化させるかに応じたタイミングで補正量を変化させる。例えば、A相信号の位相を変化させる場合、補正量更新部167は、B相信号が中心レベルにあるタイミングで補正量を変化させる。一方、B相信号の位相を変化させる場合、補正量更新部167は、A相信号が中心レベルにあるタイミングで補正量を変化させる。また、A相信号の位相とB相信号の位相とを均等に変化させる場合、補正量更新部167は、θが45度(°)のタイミングなど、縦軸と横軸との真ん中に位置するタイミングで、補正量を変化させる。
同様に、補正量更新部167は、速度誤差の1次のcos成分から換算して求めた内挿位置誤差の1次のsin成分b1を用いて、B相信号のレベル補正量αbを更新する。また、補正量更新部167は、速度誤差の2次のsin成分から換算して求めた内挿位置誤差の2次のcos成分a2を用いて、位相差補正量βpを更新する。また、補正量更新部167は、速度誤差の2次のcos成分から換算して求めた内挿位置誤差の2次のsin成分b2を用いて、振幅差補正量βaを更新する。また、補正量更新部167は、速度誤差の4次のcos成分から換算して求めた内挿位置誤差の4次のsin成分b4を用いて、3次ひずみ補正量δqを更新する。
区間分割部162は、θがひとつの区間にいる時間をカウントする。カウントした時間から得られる速度が仕様外の速度である場合、区間分割部162は、補正量計算部161の各部を制御して、補正量の変更が行われないようにする。また、この場合、区間分割部162は、走行距離の測定を中止する。
仕様外の速度の例として、二相信号の周波数がローパスフィルタ152の遮断周波数を下回り理想速度を算出できない速度が挙げられる。また、仕様外の速度のもう1つの例として、これ以上周波数が上がると前段のAC特性の影響が大きくなるため補正値の更新を中止すべき速度が挙げられる。例えば、補正したい高調波成分まで含めて位相が平坦である必要があり、高調波成分の位相が遅れたらcos成分をsin成分と誤認識するなど誤作動の原因となり得る。そこで、センサ部(111、121)や、増幅部(112、122)や、A/D変換部(113、123)のAC特性(アナログ特性)によりひずみが大きくなると予想される速度において、補正値の更新を中止する。
また、区間の途中でθの変化方向が反転した場合や、θの変化方向とω(バー)の符号とが一致しない場合、区間分割部162は、補正量計算部161の各部を制御して、補正量の変更が行われないようにする。また、この場合、区間分割部162は、走行距離の測定を中止する。
また、区間分割部162が、所定の周期連続して走行距離測定を行い、区間別アキュムレータ165が区間0〜区間7それぞれにおける速度誤差を成分量計算部166に出力した後、区間分割部162は、直ちに次の走行距離測定を開始するようにしてもよい。あるいは、区間分割部162が、1区間分またはそれ以上の時間経過を待って、次の走行距離測定を開始するようにしてもよい。
例えばモータの軸ずれ、コギングトルク、またはベアリングの摩耗などにより、速度が一定でなく加速度の変化を繰り返している場合には、所定周期の開始付近の変化と終了付近の変化がフーリエ係数の誤差(本来求めたい二相の周期的信号の誤差からのずれ)となって表れてしまう。これに対し、1区間分またはそれ以上の時間経過を待って、次の走行距離測定を開始するようにすれば、所定周期の開始する区間が毎回変化するので、誤差の影響が出る方向を散らすことができ、補正量が大きく変化することを軽減することができる。
特に、図10〜図13を参照して説明したように、補正量更新部167が、θの急変をさけるために補正量の更新タイミングを待つ場合、区間分割部162が、少なくとも更新タイミングに至るまで待って次の走行距離測定を開始するようにしてもよい。これにより、補正の効果を得られる前に更なる補正を行う補正のし過ぎ(オーバーシュート)や発振のおそれを低減させることができる。
補正部141は、二相信号のレベル補正や振幅補正や位相差補正を行う。補正部141は、例えば、式(11)に基づいて、A相信号に対する補正を行う。
Figure 2015206614
但し、Aは、A相A/D変換部113からのA相信号のレベルを示す。Aは、補正後のA相信号のレベルを示す。また、上述したように、αaは、A相信号のレベルの補正量を示す。
また、補正部141は、例えば、式(12)に基づいて、B相信号に対する補正を行う。
Figure 2015206614
但し、Bは、B相A/D変換部123からのB相信号のレベルを示す。Bは、補正後のB相信号のレベルを示す。また、上述したように、αbは、B相信号のレベルの補正量を示す。βaは、振幅差補正量を示す。βpは、位相差補正量を示す。
但し、補正部141が二相信号の補正を行う方法は、式(11)および式(12)に基づく方法に限らない。例えば、補正部141が、A相信号の位相や振幅を調整する補正を行うようにしてもよい。
4次のsin成分の補正について、補正量更新部167が、Aの3次ひずみとBの3次ひずみとを変化させる補正量設定を行うようにしてもよいが、3乗の計算が必要になる。
そこで、補正量更新部167は、位相平面を45度ずつに分割した領域毎に補正量の更新を行う。
図14は、補正量更新部167が3次ひずみに対する補正量の更新を行う際の領域分割の例を示す説明図である。同図は位相平面を示しており、横軸はA相信号のレベルを示す。縦軸はB相信号のレベルを示す。
同図に示す位相平面は、原点を中心に45度ずつ8つの領域に分割されている。
補正量更新部167は、x軸またはy軸からの角度をtan−1(P/Q)にて求める。但し、PおよびQは、A相信号のレベルおよびB相信号のレベルを、0≦P/Q≦1となるように置き換えた値である。0≦P/Q≦1となるように、P、Qの向きを、領域毎に矢印で示す向きにする。矢印を示していない領域についても、0≦P/Q≦1となるように、P、Qの向きを設定する。
内挿位置誤差の4次のsin成分を打ち消す補正は、0度と45度を動かさずに中間の角度を変化させることで行える。例えば、補正部141は、例えば式(13)に基づいてQに対する補正(従って、A相信号のレベルまたはB相信号のレベルのいずれか一方に対する補正)を行う。
Figure 2015206614
但し、Qは、補正後のQの値を示す。また、上述したように、δqは、3次ひずみ補正量を示す。
ここで、図15は、0度と45度を動かさずに中間の角度を変化させる補正の例を示す説明図である。同図は位相平面のうち0度〜45度の部分を示しており、横軸はA相信号のレベルを示す。縦軸はB相信号のレベルを示す。図14を参照して説明した例のように、図15の横軸はQの値を示し、縦軸はPの値を示す。また、線L151は補正前の信号レベルを示し、線L152は補正後の信号レベルを示す。
図15の例において、補正部141は、式(13)に基づいてQの値を(Q−P)・δqだけ減少させている。位相が0度(Q軸上)の場合、補正によって信号レベルはQ軸に沿って移動する。従って、位相0度のタイミングは補正の前後で動いていない。また、位相が45度の場合、Q−P=0となり補正量が0になる。これにより、位相45度のタイミングも補正の前後で動いていない。
一方、点P151は、補正によって点P152へ移動する。この移動により、原点からみた角度がθ151だけ大きくなっている。このように、0度より大きく45度より小さい位相に関しては、補正により当該位相のタイミングが変化する。
内挿位置誤差の4次のsin成分は、二相信号の周期の4分の1(従って、90度周期)のsin波となるので、0度と45度を動かさずに中間の角度(位相タイミング)を変化させる補正により打ち消すことができる。
あるいは、補正部141が、P、Qの両方に対して補正を行うようにしてもよい。
例えば、補正部141は、式(14)に基づいてPに対する補正(従って、A相信号のレベルまたはB相信号のレベルのいずれか一方に対する補正)を行う。
Figure 2015206614
但し、Pは、補正後のPの値を示す。
そして、補正部141は、式(15)に基づいてQに対する補正(従って、A相信号のレベルまたはB相信号のレベルのうち残りの一方に対する補正)を行う。
Figure 2015206614
正確には、当該補正は純粋な4次のsin成分にはならず12次の成分を含んでいるが、実用上十分である。
このように、A相信号のレベルおよびB相信号のレベルを、PおよびQに置き換えることで、θの値が0〜π/4の範囲に含まれる。これにより、補正する成分を簡単な関数で表すことができ、補正部141の負荷の増大を抑制することができる。また、内挿部142が内挿位置θを求めるためのarctan(アークタンジェント)処理も容易になり、内挿部142の負荷の増大を抑制することができる。
さらに、内挿部142が4次のcos成分の片振幅aに相当する補正量δsにより補正を行うようにしてもよい。この場合、上述したtan−1(P/Q)を用いると、4次の余弦波は、cos(4・tan−1(P/Q))として求めることができる。
そこで、内挿部142は、式(16)に基づいてθに対する補正を行う。
Figure 2015206614
但し、θは、補正後のθの値を示す。このように、内挿部142は、内挿位置θが区間0〜7のいずれに位置するかを知る必要無しに4次の余弦波cos(4θ)を求めて、θに対する補正を行うことができる。
このcosは定義域が0〜πであり、あまり精度を要求されない場合は、例えば2次関数2個で近似することができる。
3次成分の補正については、補正量更新部167は、AおよびBの2次ひずみを変化させて行う。
例えば、3次のcos成分の補正の場合、補正量更新部167は、式(17)に基づいて、Aに対する補正を行う。
Figure 2015206614
但し、Arrは、Aに対してさらに補正を行った値である。また、γaは、A相信号の2次ひずみ補正量を示す。二相信号の2次ひずみによってθに生じる誤差は3次成分となり、このA相信号の2次ひずみ補正量は、内挿位置誤差の3次のcos成分の補正量を示す。
また、R2は、Aの片振幅の2乗、Bの片振幅の2乗、A +B 、または、固定値のいずれかとする。特に、補正部141が二相信号の振幅を正規化する場合や、二相信号の振幅が規格により規定されている場合、R2として固定値を用いることが考えられる。
なお、式(17)におけるR2・0.25・〜の項は、内挿位置誤差の1次のcos成分を生じさせないようにするためのものである。単純にA・Aを加えると、A相信号のレベルが全体的に上がってしまい、内挿位置誤差の1次のcos成分が生じてしまうため、R2・0.25・〜の項の項を設けている。
但し、内挿位置誤差の1次のcos成分が生じる場合でも、生じた誤差を補正するようにαaが更新されるため、最終的に補正は正常に行われる。
あるいは、補正量更新部167が、AおよびBに対する補正を行うようにしてもよい。例えば、補正量更新部167は、式(18)に基づいて、Aに対する補正を行う。
Figure 2015206614
そして、補正量更新部167は、式(19)に基づいて、Bに対する補正を行う。
Figure 2015206614
但し、Brrは、Bに対してさらに補正を行った値である。
3次のsin成分の補正の場合、補正量更新部167は、式(20)に基づいて、Bに対する補正を行う。
Figure 2015206614
但し、γbは、B相信号の2次ひずみ補正量を示す。このB相信号の2次ひずみ補正量は、内挿位置誤差の3次のsin成分の補正量を示す。
あるいは、補正量更新部167が、AおよびBに対する補正を行うようにしてもよい。例えば、補正量更新部167は、式(21)に基づいて、Aに対する補正を行う。
Figure 2015206614
そして、補正量更新部167は、式(22)に基づいて、Bに対する補正を行う。
Figure 2015206614
また、式(18)や式(22)におけるR2・0.25・〜の項は、式(11)等で行うレベル補正と同様の効果を有する。そこで、R2・0.25・〜の項を削除し、代わりに、補正量更新部167が、γaやγbを更新する際に、αaやαbも更新するようにしてもよい。
具体的には、上述した、補正量更新部167が現在の補正量αaにaに応じた補正量を加算す方式の場合、補正量更新部167が、γaにaを加算する際に同時にαaにR2・0.25・aを加算するようにしてもよい。
上述した、補正量更新部167が補正量を最小単位ずつ変化させる方式の場合、αaの更新に手を加えず、レベル補正のフィードバック制御のままとしてよい。
なお、エンコーダ装置100が、各成分の補正量が予め書き込まれた不揮発性メモリを具備するようにしてもよい。これにより、補正量更新部167は、当該不揮発性メモリに書き込まれている補正量を、補正量の初期値として用いることができる。
また、補正量更新部167が、サーボアンプで通常使用するPWM(Pulse Width Modulation)の周波数に近い周波数の成分について補正量の更新を抑制するようにしてもよい。例えば、エンコーダ装置100が、サーボアンプで通常使用するPWMの周波数が予め書き込まれた不揮発性メモリを具備する。そして、補正量更新部167は、補正対象となっている成分のいずれかの周波数と、PWMの周波数との差が所定範囲内にある場合、当該成分の補正量の更新を抑制する。
不揮発性メモリは、記憶部の一例に該当する。
以上のように、速度取得部151は、被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号に基づく速度信号を取得する。そして、理想走行距離用アキュムレータ163は、速度信号にローパスフィルタを適用した信号を積算する。また、減算部164は、理想走行距離用アキュムレータ163が積算した信号と、被測定物の移動量に対応した信号との差分を求める。また、成分量計算部166は、差分に基づいて、周期的信号に含まれる誤差の周波数成分を求める。そして、補正部141は、成分取得部が取得した誤差の周波数成分に基づいて、周期的信号に対する補正を行う。
これにより、エンコーダ装置100は、誤差の様々な成分を抽出して補正することが可能である。当該補正により、エンコーダ装置100の検出精度を高めることができる。
また、成分量計算部166は、周期的信号の周期を分割した区間毎の前記差分に基づいて、周期的信号に含まれる誤差の周波数成分を求める。
これにより、エンコーダ装置100は、差分演算やローパスフィルタといった比較的簡単な処理にて二相信号の補正を行うことができる。
また、成分量計算部166は、周期的信号の周期を周期とする誤差の周波数成分を求める。そして、補正部141は、周期的信号の周期を周期とする誤差の周波数成分に基づいて、周期的信号のオフセットを補正する。
これにより、エンコーダ装置100は、周期的信号のオフセットに対してより的確に補正を行うことができる。
また、成分量計算部166は、周期的信号の周期の半分を周期とする誤差の周波数成分を求める。そして、補正部141は、周期的信号の周期の半分を周期とする誤差の周波数成分に基づいて、少なくとも周期的信号の振幅または二相の位相差を補正する。
これにより、エンコーダ装置100は、周波数の振幅や位相差をより的確に補正することができる。
また、成分量計算部166は、周期的信号の周期の4分の1を周期とする誤差のsin成分を求める。そして、補正部141は、sin成分を、より狭い値域で近似する関数に基づいて補正を行う。
これにより、エンコーダ装置100は、より簡単な演算にて補正を行うことができる。
また、成分量計算部166は、周期的信号の周期の4分の1を周期とする前記誤差のcos成分を求め、補正部141は、cos成分を、より狭い定義域で近似する関数に基づいて補正を行う。
これにより、エンコーダ装置100は、より簡単な演算にて補正を行うことができる。
また、補正部141は、前記周期的信号に対する補正を所定量ずつ行う。
これにより、補正部141は、急加速やノイズによる補正値の不要な変動の生じにくい少量ずつ補正を行って、検出精度を高めることができる。
また、補正部141は、二相の周期的信号のうち補正対象でない信号の値がゼロのときに補正を行う。これにより、エンコーダ装置100は、内挿位置の急変を防止することができる。
また、不揮発性メモリが所定周波数帯を示す情報を記憶しておく。そして、補正部141は、不揮発性メモリの記憶する情報の示す所定周波数帯に該当する周波数成分の補正を抑制する。
これにより、エンコーダ装置100は、例えばサーボアンプのPWMの周波数など、ノイズの混入しやすい周波数について、ノイズにより誤って補正することは回避できる。
<第2の実施形態>
図16は、本発明の第2の実施形態におけるエンコーダ装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、エンコーダ装置200は、A相センサ部111と、A相増幅部112と、A相A/D変換部113と、B相センサ部121と、B相増幅部122と、B相A/D変換部123と、カウンタ部131と、補正部141と、内挿部142と、速度取得部151と、ローパスフィルタ152と、通信部171と、補正量計算部261とを具備する。
同図において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分に同一の符号(111〜113、121〜123、131、141、142、151、152、171)を付して説明を省略する。
エンコーダ装置200は、補正量計算部261が二相信号に基づく補正量計算処理を行う点で、エンコーダ装置100と異なる。
図17は、補正量計算部261の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、補正量計算部261は、区間分割部162と、理想走行距離用アキュムレータ163と、減算部164と、区間別アキュムレータ165と、成分量計算部166と、補正量更新部267と、ピークホールド部268と、レベル・振幅計算部269とを具備する。
同図において、図8の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(162〜166)を付して説明を省略する。
補正量計算部261は、エンコーダ装置200の起動時や、エンコーダ装置100では補正が抑制される低速動作時に、二相信号に基づく補正量計算を行う。
具体的には、ピークホールド部268が、A相信号、B相信号のピーク値を一定に保持する。レベル・振幅計算部269は、A相信号やB相信号と、ピークホールド部268からのピーク値一定の信号とに基づいて、A相信号、B相信号のそれぞれについて、レベルの補正量および振幅の補正量を算出する。
レベル・振幅計算部269は、振幅計算部の一例に該当する。
補正量更新部267は、補正量更新部167(図8)と同様の機能を有する。加えて、補正量更新部267は、低速動作時など、内挿位置データおよび理想速度データに基づく補正が抑制されているときは、レベル・振幅計算部269が算出した補正量に基づいて補正量の更新を行う。当該補正量は、内挿位置データおよび理想速度データに基づく補正における補正量の初期値としても用いられる。
また、補正量更新部267は二相信号に基づいてレベル・振幅計算部269が算出する補正量と、内挿位置データおよび理想速度データに基づく最新の補正量と比較する。ある値以上の差を検出した場合、補正量更新部267は、アラームを出力しかつ/または補正値更新を停止する。これによりエンコーダ装置200は、ノイズ等で補正値が大きく狂うことを防止し、信頼性の高い補正処理を行える。
補正量更新部267は、相違時処理部の一例に該当する。
以上のように、レベル・振幅計算部269は、二相の周期的信号の振幅を求める。そして、レベル・振幅計算部269が求めた振幅に基づく補正量と、成分量計算部166が取得した成分に基づく補正量との差が所定閾値以上である場合、補正量更新部267は、少なくとも警報の出力または補正値の更新の停止のいずれかを行う。
これにより、これによりエンコーダ装置200は、ノイズ等で補正値が大きく狂うことを防止し、信頼性の高い補正処理を行える。
<第3の実施形態>
図18は、本発明の第3の実施形態におけるエンコーダ装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、エンコーダ装置300は、A相センサ部111と、A相増幅部112と、A相A/D変換部113と、B相センサ部121と、B相増幅部122と、B相A/D変換部123と、カウンタ部131と、補正部141と、内挿部142と、速度取得部151と、ローパスフィルタ152と、通信部171と、速度誤差補正部343と、補正量計算部361と、を具備する。
同図において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分に同一の符号(111〜113、121〜123、131、141、142、151、152、171)を付して説明を省略する。
エンコーダ装置300は、速度誤差補正部343を具備する点、および、補正量計算部361が行う処理において、エンコーダ装置100と異なる。
図19は、補正量計算部361の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、補正量計算部361は、区間分割部362と、理想走行距離用アキュムレータ163と、減算部164と、区間別アキュムレータ365と、成分量計算部366と、補正量更新部367とを具備する。
同図において、図8の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(163、164)を付して説明を省略する。
速度誤差補正部343は、補正量計算部361からの指示に従って、内挿位置θを補正する量を調整する。そして、速度誤差補正部343は、補正後の内挿位置θ’を速度取得部151と通信部171とに出力する。
区間分割部362は、区間分割部162と同様、位相平面を分割した領域毎に、実走行距離を算出する。
図20は、区間分割部362が用いる区間の例を示す説明図である。同図の横軸は、A相信号の振幅を示す。縦軸は、B相信号の振幅を示す。
同図において、A相信号の振幅とB相信号の振幅との組み合わせを示す領域が、区間0〜区間15の16個の区間に分割されている。また、区間0は、縦軸から始まっている。
区間別アキュムレータ365は、位相平面の区間の16分割に応じて、16個のアキュムレータ0〜15を有する。
補正量更新部366は、区間0〜区間15に対応する内挿誤差c0〜c15を区間別アキュムレータ365から取得する。そして、補正量更新部365は、補正量更新部165(図8)と同様、内挿誤差の成分の片振幅を求める。
補正量更新部367は、補正量更新部167(図1)と同様、補正量の更新を行う。加えて補正量更新部367は、図20の各点でどれぐらいθを動かすかを示すe0〜e15を速度誤差補正部343へ出力する。補正量更新部367は、速度誤差取得部の一例に該当する。
e0〜e15を全て同じ数だけ変化させると、出力が単純に増えるだけで誤差は変わらない。そこで、以下の説明ではe0=0とおく。
また、以下では、補正量更新量をd0〜d15と表記する。例えば、d(n+1)−dn=cnとすることが考えられる。但し、nは0≦n≦15の整数である。また、d(15+1)はd0を示す。dnは、区間nの始点における位置の誤差を示す。また、cnは、区間nの間における位置の誤差の変化を示す。従って、d(n+1)=dn+cnであり、上記のd(n+1)−dn=cnとなる。
d0=0とすると、上記d(n+1)−dn=cnより、dn=c0+…+c(n−1)となる。但し、d16=c0+…+c15=0なので、補正量更新部367は、dn=c0+…+c(n−1)−(c0+…+c15)・n/16と計算する。この各dnを対応するenに反映させる。これにより4次より高次の成分まで補正が可能になる。
このe0〜e15だけで低次の成分の補正を行うことは可能である。但し、16分割の折れ線で4次の成分を表現した場合、折れ線により高次の誤差成分が生じてしまう。
そこで、補正量更新部367は、高次の補正についてはe0〜e15の出力による補正を試みる。一方、低次の補正については、補正量更新部367は、補正量更新部167と同様に処理を行う。
ここで、図21および図22を参照して、補正量更新部367が行うe0〜e15の更新の抑制について説明する。
図21は、補正量更新部が更新の抑制を行わない場合の補正値の更新例を示す説明図である。同図の例において、補正量更新366は同一符号を16回検出すると、補正量を1(最小単位)ずつ更新していく。
ここで、エンコーダ装置300の動作中にA相信号のレベルが変わったとする。
補正量更新部366は、c0〜c15が変化してθの1次の成分が増えたことを検出し、αaを1ずつ増加させる。その一方で、補正量更新部366は、e0〜e1についても補正を行う。その結果、一時的に高次の誤差と補正の行きすぎが生じてしまう場合がある。
これを避けるために、補正量更新部367は、フィードバックされる成分補正量αa等のいずれかが更新される場合、e0〜e15の更新を抑制する。
図22は、補正量更新部が更新の抑制を行う場合の補正値の更新例を示す説明図である。
更新の抑制により図14のe0〜e15は変化しなくなる。また、補正後の内挿位置θ’はθと一致する。
なお、複数連続の符号の一致でαa等を更新する場合、連続回数を短くするなど、比較的早めに更新を行う設定にすることで、先に0〜e15の更新が行われることを抑制できる。
以上のように、補正量更新部366は、周期的信号の周期を分割した区間毎に、周期的信号が示す速度の誤差を求める。そして、速度誤差補正部343は、速度誤差が求めた誤差に従って周期的信号を補正する。
これにより、エンコーダ装置300は、内挿位置を補正して、測定精度を高めることができる。
以上説明した実施形態の実現方法は、様々方法によることができる。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いてもよいし、FPGA(Field Programmable gate array)を用いてもよいし、パソコン(Personal Computer ;PC)状のソフトウェアを用いてもよい。
また、エンコーダ装置100、200または300の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、コンパクトディスク等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
100、200、300…エンコーダ装置、111…A相センサ部、112…A相増幅部、113…A相A/D変換部、121…B相センサ部、122…B相増幅部、123…B相A/D変換部、131…カウンタ部、141…補正部、142…内挿部、151…速度取得部、152…ローパスフィルタ、161、261、361…補正量計算部、162、362…区間分割部、163…理想走行距離用アキュムレータ、164…減算部、165、365…区間別アキュムレータ、166…、366成分量計算部、167、267、367…補正量更新部、171…通信部、268…ピークホールド部、269…レベル・振幅計算部、343…速度誤差補正部

Claims (13)

  1. 被測定物の移動量に対応した信号に基づく速度信号を取得する速度信号取得部と、
    前記速度信号と当該速度信号にローパスフィルタを適用した信号との差分に応じた信号に基づいて、前記被測定物の移動量に対応した信号に対する補正を行う補正部と、
    を具備することを特徴とするエンコーダ装置。
  2. 前記速度信号取得部が取得した速度信号にローパスフィルタを適用した信号を積算する積算部と、
    前記積算部が積算した信号と、前記被測定物の移動量に対応した信号との差分を求める減算部と、
    前記差分に基づいて、前記被測定物の移動量に対応した信号に含まれる誤差の周波数成分を求める成分取得部と、
    を具備し、
    前記速度信号取得部は、前記速度信号として、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号に基づく速度信号を取得し、
    前記減算部は、前記積算部が積算した信号と、前記被測定物の移動量に対応した信号との差分を求め、
    前記成分取得部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号に含まれる誤差の周波数成分を求め、
    前記補正部は、前記成分取得部が取得した前記誤差の周波数成分に基づいて、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号に対する補正を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ装置。
  3. 前記成分取得部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の周期を分割した区間毎の前記差分に基づいて、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号に含まれる誤差の周波数成分を求める、ことを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ装置。
  4. 前記成分取得部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の周期を周期とする前記誤差の周波数成分を求め、
    前記補正部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の周期を周期とする前記誤差の周波数成分に基づいて、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号のオフセットを補正する、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエンコーダ装置。
  5. 前記成分取得部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の周期の半分を周期とする前記誤差の周波数成分を求め
    前記補正部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の周期の半分を周期とする前記誤差の周波数成分に基づいて、少なくとも前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の振幅または前記二相の位相差を補正する、ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のエンコーダ装置。
  6. 前記成分取得部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の周期の4分の1を周期とする前記誤差のsin成分を求め、
    前記補正部は、前記sin成分を、より狭い値域で近似する関数に基づいて補正を行うことを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載のエンコーダ装置。
  7. 前記成分取得部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の周期の4分の1を周期とする前記誤差のcos成分を求め、
    前記補正部は、前記cos成分を、より狭い定義域で近似する関数に基づいて補正を行うことを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載のエンコーダ装置。
  8. 前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の振幅を求める振幅計算部と、
    前記振幅計算部が求めた振幅に基づく補正量と、前記成分取得部が取得した成分に基づく補正量との差が所定閾値以上である場合、少なくとも警報の出力または補正値の更新の停止のいずれかを行う相違時処理部と、
    を具備することを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載のエンコーダ装置。
  9. 前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号の周期を分割した区間毎に、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号が示す速度の誤差を求める速度誤差取得部と、
    前記速度誤差取得部が求めた誤差に従って前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号を補正する速度誤差補正部と、
    を具備することを特徴とする
    請求項2から8のいずれか一項に記載のエンコーダ装置。
  10. 前記補正部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号に対する補正を所定量ずつ行うことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のエンコーダ装置。
  11. 前記補正部は、前記被測定物の移動量に対応した二相の周期的信号のうち補正対象でない信号の値がゼロのときに前記補正を行うことを特徴とする請求項2から10のいずれか一項に記載のエンコーダ装置。
  12. 所定周波数帯を示す情報を記憶する記憶部を具備し、
    前記補正部は、前記記憶部の記憶する情報の示す所定周波数帯に該当する周波数成分の補正を抑制することを特徴とする請求項2から11のいずれか1項に記載のエンコーダ装置。
  13. エンコーダ装置の補正法であって、
    被測定物の移動量に対応した信号に基づく速度信号を取得する速度取得ステップと、
    前記速度信号と当該速度信号にローパスフィルタを適用した信号との差分に応じた信号に基づいて、前記被測定物の移動量に対応した信号に対する補正を行う補正ステップと、
    を具備することを特徴とする補正方法。
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