JP4941707B2 - 角度検出装置 - Google Patents
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従来、この種の角度検出装置として、種々のものが提案されている。例えば、特許文献1には、ホール素子などの磁場の強度を検出可能なセンサ素子と、N極領域及びS極領域を設けた回転部材とを備えた技術が開示されている。
この角度検出装置は、センサ素子が、回転部材の回転に伴う磁場の強度の変化を検出することにより角度を検出する。
前記回転中心の周りに、周方向に沿って前記所定ピッチの1/2倍であって22.5°の間隔で配置され、前記N極領域及び前記S極領域が形成する磁場の向きを検出する第1センサ素子及び第2センサ素子と、
前記回転部材の回転に際し、前記第1センサ素子および前記第2センサ素子の検出結果の平均や和に基づいて、前記第1センサ素子および前記第2センサ素子に対する前記回転部材の径方向位置及びスラスト方向位置の変化による磁場の変動を補正し、前記回転部材の回転角度を算出する演算手段とを備えた点にある。
このため、第1センサ素子と第2センサ素子とを、前記所定ピッチの1/2倍であって22.5°の間隔で配置することにより、前記距離の変化に伴う検出結果の変動が、第1センサ素子と第2センサ素子とで反対になる。
したがって、第1センサ素子及び第2センサ素子の検出結果に基づき、例えば双方の検出結果の和や平均をとることで、検出結果の変動を低減することができる。この結果、回転軸のふれによる磁場の変動を容易に補正して、正確な角度を算出することができる。
(角度検出装置の概要)
図1に示すように、本発明に係る角度検出装置6は、被検出物3である回転軸31に一体回転可能に取り付けられる回転部材1と、回転部材1の周方向に沿って、固定側の部材5に固定された二つのセンサ素子2(第1センサ素子21及び第2センサ素子22)とを備える。
回転部材1は、例えばリング状の磁性体であり、N極性を有するN極領域N及びS極性を有するS極領域Sが回転軸31の周りに所定ピッチで交互に配置されている。具体的には、N極領域N及びS極領域Sは、径(ラジアル)方向の異方性を付与されて表面磁束密度がステップ的に変化するように着磁されたものであってもよく、外周側面の表面磁束密度が概ね正弦波的に分布するような着磁であってもよい。
第1センサ素子21及び第2センサ素子22は、例えばホールICなどの前記回転部材1からの磁場の向き及び強さを検出可能な素子で構成されている。具体的には、例えばMelexis社のMLX90316などの磁場検出素子が挙げられる。この磁場検出素子は直交する2方向の磁場強度を検出し、この2方向の磁場強度の比に基づいて磁場の向き
を検出する。2方向の磁場強度の比に基づいて磁場の向きを検出するので、磁場強度の変動による影響をキャンセルすることができる。
演算手段4は、上述の磁場の変動に対して、第1センサ素子21の検出結果の変動及び第2センサ素子22の検出結果の変動に基づいて、磁場の変動による検出結果の変動を補正し、回転部材1の回転角度を算出する。
図2は、本発明に係る回転部材1及び、各センサ素子2の配置の一例を示す図である。
回転部材1には、N極領域N及びS極領域Sが回転中心Cの周りに所定の配置ピッチαで交互に配置してある。図2においてはα=45°であり、N極領域NとS極領域Sとが交互に4つずつ設けてある。
回転部材1の外周側には、第1センサ素子21及び第2センサ素子22が、前記回転部材1の周方向に沿ってN極領域N及びS極領域Sの配置ピッチαの(1/2+整数)倍の間隔で配置してある。図2においては、前記配置ピッチαの1/2倍の間隔(すなわち、22.5°)で配置してある。
グラフ中の黒丸印は、適正位置より、回転部材1に近接した場合(前記半径が14mmの位置に移動した場合)の結果を示す。また、白丸印は、適正位置より、回転部材1から離間した場合(前記半径が16mmの位置に移動した場合)の結果を示す。
図3に示すように、何れの場合においても、変動量は回転部材の周方向における位置に応じて周期的に変化し、その周期は45°(すなわち、ピッチα)であった。また、22.5°(すなわち、αの1/2倍)の間隔をおいた2位置における変動量の絶対値が概ね等しく、符号が反対になった。
このため、第1センサ素子21及び第2センサ素子22をピッチαの(1/2+整数)
倍の間隔で配置することにより、回転部材1と第1センサ素子21及び第2センサ素子22との径方向位置の変化に伴う磁場の変動が反対になる。
図4に示すように、変動量は回転部材の周方向における位置に応じて周期的に変化し、その周期は45°(すなわち、ピッチα)であった。また、22.5°(すなわち、αの1/2倍)の間隔をおいた2位置における変動量の絶対値が概ね等しく、符号が反対になった。
このため、第1センサ素子21及び第2センサ素子をピッチαの(1/2+整数)倍の
間隔で配置することにより、回転部材1と第1センサ素子21及び第2センサ素子22とのスラスト方向位置の変化に伴う磁場の変動が反対になる。
整数)倍の間隔で配置することにより、径方向位置の変化及びスラスト方向位置の変化による磁場の変動が反対になる。
このため、例えば第1センサ素子21及び第2センサ素子22の検出結果の平均や和に基づいて、径方向位置及びスラスト方向位置の変化による磁場の変動の影響を低減することができる。
したがって、回転軸31のふれによる磁場の変動を容易に補正することができる。この結果、回転軸31のふれによる磁場の変動の影響を受けにくく、正確な回転角度を検出できる角度検出装置を得ることができる。
図5は、第1センサ素子21及び第2センサ素子22の別の配置例を示す図である。回転部材1には、N極領域N及びS極領域Sが回転中心Cの周りに所定ピッチで交互に配置してある。図5においてはα=45°であり、N極領域NとS極領域Sとが交互に4つずつ設けてある。
回転部材1の外周側には、第1センサ素子21及び第2センサ素子22が、前記回転部材1の回転中心Cを挟んで対向する位置(すなわち、180°のピッチ)に配置してある。
したがって、第1センサ素子及び第2センサ素子の検出結果に基づき、例えば双方の検出結果の和や平均をとることで、検出結果の変動を低減することができる。この結果、回転軸31のふれによる磁場の変動を容易に補正することができ、正確な回転角度を算出することができる。
図6は、第1センサ素子21及び第2センサ素子22の別の配置例を示す図である。回転部材1には、N極領域N及びS極領域Sが回転中心Cの周りに所定ピッチで交互に配置してある。図6においてはα=45°であり、N極領域NとS極領域Sとが交互に4つずつ設けてある。
回転部材1の外周側には、第1センサ素子21及び第2センサ素子22が、前記第1センサ素子21の位置における前記磁場の向きと、第2センサ素子22の位置における前記
磁場の向きとが180°異なるように配置してある。具体的には、本実施形態の回転部材1において、第1センサ素子21と第2センサ素子22を最も近接させて配置する場合、各センサ素子間の間隔を約34°異なるように配置すると、磁場の向きが180°異なることとなる。
一方、第2センサ素子22が検出する磁場は、回転部材1からの磁場B’と外部磁場Gとの和である磁場W’である。回転部材1からの磁場B’と比較した変動量は-θである
。
図8は、回転部材1のN極領域N及びS極領域S、及び各センサ素子2の別の配置例を示す図である。
回転部材1には、N極領域N及びS極領域Sが回転中心Cの周りに交互に配置してある。図8において、軸線Yから右側の領域と左側の領域とで、N極領域NとS極領域Sとが非対称に設けてある。
回転部材1の外周側には、第1センサ素子21及び第2センサ素子22が、前記回転部材1の回転中心Cを挟んで対向する位置(すなわち、180°のピッチ)に配置してある。また、初期位置において、第1センサ素子21が回転部材1の回転中心CとN極領域Nの中央部との延長線上に位置し、第二センサが前記回転中心CとN極領域N及びS極領域Sの境界部分との延長線上に位置するよう、N極領域N及びS極領域Sが配設されている。
第1センサ素子21及び第2センサ素子22に対する径方向位置やスラスト方向位置が変化した場合の磁場の変動が、第1センサ素子21及び第2センサ素子22で反対になる。このため、例えば、第1センサ素子21及び第2センサ素子22の検出結果の和や平均に基づいて角度を検出することにより、変動の影響を低減することができる。
この結果、回転軸3のふれによる磁場の変動を容易に補正することができ、正確な回転角度を算出することができる。
図9は、第1センサ素子21及び第2センサ素子22の別の配置例を示す図である。
回転部材1には、N極領域N及びS極領域Sが回転中心Cの周りに所定の配置ピッチα
で交互に配置してある。図9においてはα=36°であり、N極領域NとS極領域Sとが交互に5つずつ設けてある。
回転部材1の外周側には、第1センサ素子21及び第2センサ素子22が、転部材1の周方向に沿って90°の間隔で配置してある。
このため、回転軸のふれによる磁場の変動及び外部磁場の影響による磁場の変動の両方の補正を容易に行うことができる。
回転部材1は、上述の構成に限るものではなく、例えば磁性体のリング部材の一部にN極領域N及びS極領域Sを交互に設けたものや、円筒形のヨークの周方向に設けられた磁性体保持空間に、磁性体を保持して、N極領域N及びS極領域Sを設けたものであってもよい。
また、第1センサ素子21及び第2センサ素子22を回転部材1の外周に配置する例を示したが、上述の構成に限られるものではない。例えば、双方のセンサ素子21,22を、回転部材1の内周側若しくは同径でスラスト方向に配置するなど、上述以外の構成であってもよい。
上述の実施形態において、角度検出装置はセンサ素子を二つ備えている。しかし、センサ素子の個数は二つに限られるものではない。回転部材1の周方向に沿って、三つ以上のセンサ素子を備えてもよい。このようにすることにより、被検出物3の特性などに応じて選択された二つのセンサ素子2を第1センサ素子21及び第2センサ素子22として角度を検出することができる。
2 センサ素子
4 演算手段
21 第1センサ素子
22 第2センサ素子
6 角度検出装置
C 回転中心
N N極領域
S S極領域
α 所定ピッチ(配置ピッチ)
Claims (1)
- N極性を有するN極領域及びS極性を有するS極領域が回転中心の周りに交互に所定ピッチで配置された回転部材と、
前記回転中心の周りに、周方向に沿って前記所定ピッチの1/2倍であって22.5°の間隔で配置され、前記N極領域及び前記S極領域が形成する磁場の向きを検出する第1センサ素子及び第2センサ素子と、
前記回転部材の回転に際し、前記第1センサ素子および前記第2センサ素子の検出結果の平均や和に基づいて、前記第1センサ素子および前記第2センサ素子に対する前記回転部材の径方向位置及びスラスト方向位置の変化による磁場の変動を補正し、前記回転部材の回転角度を算出する演算手段とを備えた角度検出装置。
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