JP2014013209A - 角度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転角度の検出精度の向上及び低コスト化を実現可能な角度検出装置を提供する。
【解決手段】磁界センサ部から入力される正弦信号及び余弦信号をデジタル変換する信号変換手段と、デジタル変換後の正弦信号及び余弦信号に含まれる誤差を補正する信号補正手段と、補正後の正弦信号及び余弦信号に基づいて回転角度の属する象限を判定する象限判定手段と、補正後の正弦信号と余弦信号との比を逆正接演算して得られる回転角度を、補正後の正弦信号と余弦信号に対応付けて格納してなる逆正接テーブルを予め記憶するテーブル記憶手段と、補正後の正弦信号と余弦信号に対応する回転角度を逆正接テーブルから探索して取得するテーブル探索手段と、逆正接テーブルから得られた回転角度を象限の判定結果に応じて補正する角度補正手段とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】磁界センサ部から入力される正弦信号及び余弦信号をデジタル変換する信号変換手段と、デジタル変換後の正弦信号及び余弦信号に含まれる誤差を補正する信号補正手段と、補正後の正弦信号及び余弦信号に基づいて回転角度の属する象限を判定する象限判定手段と、補正後の正弦信号と余弦信号との比を逆正接演算して得られる回転角度を、補正後の正弦信号と余弦信号に対応付けて格納してなる逆正接テーブルを予め記憶するテーブル記憶手段と、補正後の正弦信号と余弦信号に対応する回転角度を逆正接テーブルから探索して取得するテーブル探索手段と、逆正接テーブルから得られた回転角度を象限の判定結果に応じて補正する角度補正手段とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、角度検出装置に関する。
従来から、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)を利用して回転体の回転角度を検出する角度センサが知られている。下記非特許文献1には、耐熱性に優れたスピンバルブGMR素子を採用し、ピン層の磁化方向が直交するように配置された2組のホイートストンブリッジ回路を有する角度センサが開示されている。
この非特許文献1に記載の角度センサによると、一方のブリッジ回路の出力電圧Vsin(回転角度θの正弦に対応する正弦信号)と、他方のブリッジ回路の出力電圧Vcos(回転角度θの余弦に対応する余弦信号)との比を逆正接演算することにより、回転角度θ(=arctan(Vsin/Vcos))を得ることができる。
下記特許文献1及び2には、GMR素子を利用した角度センサの異常を検出する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術では、角度センサの出力信号+sinθと−sinθの加算信号、或いは角度センサの出力信号+cosθと−cosθの加算信号のいずれかが閾値を超えた場合に角度センサが異常と判断する。また、特許文献2に記載の技術では、角度センサから出力される正弦信号と余弦信号とのリサージュ波形を求め、このリサージュ波形の振幅及び通過象限に基づいて角度センサが異常か否かを判断する。
阿部他、「スピンバルブGMR膜を用いた回転角センサーの特性」、日立金属技報、Vol.25(2009)
ところで、車載用の角度センサは、広範囲の温度に亘る温度環境下での使用が想定されており、さらに耐湿性及び耐腐食性が求められ、使用環境によって出力特性が変動しないことが要求される。この点、従来のGMR素子を利用した角度センサは、使用環境や取り付けによる出力特性の変動に起因して回転角度の検出精度が低下するという問題があった。
また、上記の非特許文献1及び特許文献1に記載された技術では、回転角度の検出にあたって、回転角度の正弦信号と余弦信号との比を逆正接演算する必要があるため、マイコン等の演算装置の処理負荷が大きくなり、低コストのマイコンではリアルタイムの処理が間に合わず、必然的に高コストの高性能マイコンが必要であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、回転角度の検出精度の向上及び低コスト化を実現可能な角度検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、角度検出装置に係る第1の解決手段として、回転軸が回転することによる磁気変化を検出する素子を用いて形成されたブリッジ回路により、前記回転軸の回転角度の正弦に対応する正弦信号と前記回転角度の余弦に対応する余弦信号とを出力する磁界センサ部と、前記磁界センサ部から入力される前記正弦信号及び前記余弦信号に基づいて前記回転角度を算出する信号処理部と、を備えた角度検出装置において、前記信号処理部は、前記磁界センサ部から入力される前記正弦信号及び前記余弦信号をデジタル変換する信号変換手段と、前記デジタル変換後の正弦信号及び余弦信号に含まれる前記磁界センサの出力特性の変動に起因する誤差を補正する信号補正手段と、前記補正後の正弦信号及び余弦信号に基づいて前記回転角度の属する象限を判定する象限判定手段と、前記補正後の正弦信号と余弦信号との比を逆正接演算して得られる前記回転角度を、前記補正後の正弦信号と余弦信号に対応付けて格納してなる逆正接テーブルを予め記憶するテーブル記憶手段と、前記補正後の正弦信号と余弦信号に対応する前記回転角度を前記逆正接テーブルから探索して取得するテーブル探索手段と、前記逆正接テーブルから得られた前記回転角度を前記象限の判定結果に応じて補正する角度補正手段とを備える、という手段を採用する。
また、本発明では、角度検出装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記テーブル記憶手段は、前記補正後の正弦信号と余弦信号との比を逆正接演算して得られる前記回転角度を、前記補正後の正弦信号と余弦信号に対応付けて1つの象限分だけ格納してなる逆正接テーブルを予め記憶する、という手段を採用する。
また、本発明では、角度検出装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記信号補正手段は、前記デジタル変換後の正弦信号及び余弦信号に含まれる前記磁界センサの出力特性の変動に起因する誤差として、オフセット誤差と振幅誤差を補正するために、前記デジタル変換後の正弦信号及び余弦信号の中性点が所定の基準値となるようオフセット補正を行うと共に、両信号のピーク・ピークが同じ値となるようゲイン補正を行う、という手段を採用する。
また、本発明では、角度検出装置に係る第4の解決手段として、上記第1〜第3のいずれか一つの解決手段において、前記象限判定手段は、前記補正後の正弦信号及び余弦信号と前記所定の基準値との比較によって前記回転角度の属する象限を判定する、という手段を採用する。
また、本発明では、角度検出装置に係る第5の解決手段として、上記第1〜第4のいずれか一つの解決手段において、前記逆正接テーブルを構成する前記補正後の正弦信号及び余弦信号には前記所定の基準値が加算されている、という手段を採用する。
本発明によれば、信号処理部が、磁界センサ部から入力される正弦信号及び余弦信号に基づいて回転角度を算出するに当たって、これら正弦信号及び余弦信号に含まれる磁界センサの出力特性の変動に起因する誤差を補正するので、回転角度の検出精度(算出精度)を向上させることができる。
また、本発明によれば、信号処理部が、上記誤差補正後の正弦信号と余弦信号に対応する回転角度を予め用意された逆正接テーブルから探索して取得し、この逆正接テーブルから得られた回転角度を象限の判定結果に応じて補正するので、従来のように回転角度を算出するために逆正接演算を行う必要がなく、信号処理部として処理速度の遅い安価なマイコンを使用できるようになる。
すなわち、本発明によれば、回転角度の検出精度の向上及び低コスト化を実現可能な角度検出装置を提供できる。
また、本発明によれば、信号処理部が、上記誤差補正後の正弦信号と余弦信号に対応する回転角度を予め用意された逆正接テーブルから探索して取得し、この逆正接テーブルから得られた回転角度を象限の判定結果に応じて補正するので、従来のように回転角度を算出するために逆正接演算を行う必要がなく、信号処理部として処理速度の遅い安価なマイコンを使用できるようになる。
すなわち、本発明によれば、回転角度の検出精度の向上及び低コスト化を実現可能な角度検出装置を提供できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る角度検出装置1のブロック構成図である。この図1に示すように、本実施形態に係る角度検出装置1は、例えばモータ100の回転軸101の回転角度θを検出するものであり、GMRセンサ部2(磁界センサ部)と信号処理部3とから構成されている。
図1は、本実施形態に係る角度検出装置1のブロック構成図である。この図1に示すように、本実施形態に係る角度検出装置1は、例えばモータ100の回転軸101の回転角度θを検出するものであり、GMRセンサ部2(磁界センサ部)と信号処理部3とから構成されている。
GMRセンサ部2は、回転軸101が回転することによる磁気変化を検出するGMR素子を用いて形成されたブリッジ回路により、回転軸101の回転角度θの正弦に対応する正弦信号Vsin(sinθを示すアナログ電圧値)と回転角度θの余弦に対応する余弦信号Vcos(cosθを示すアナログ電圧値)とを出力するものである。このGMRセンサ部2としては、例えば非特許文献1に記載のスピンバルブGMR素子を利用した角度センサや、特許文献1に記載の角度センサ等を用いることができる。
信号処理部3は、GMRセンサ部2から入力される正弦信号Vsin及び余弦信号Vcosに基づいて回転角度θを算出するものであり、第1のA/D変換部31(信号変換手段)、第2のA/D変換部32(信号変換手段)、記憶部33(テーブル記憶手段)及び演算部34を備えている。
第1のA/D変換部31は、GMRセンサ部2から入力される正弦信号Vsinをデジタル変換し、デジタル変換後の正弦信号DVsinを演算部34に出力する。第2のA/D変換部32は、GMRセンサ部2から入力される余弦信号Vcosをデジタル変換し、デジタル変換後の余弦信号DVcosを演算部34に出力する。
記憶部33は、例えばフラッシュメモリ或いはEEPROM等の不揮発性メモリであり、演算部34にて実行されるプログラムや設定データ等を予め記憶している。なお、詳細は後述するが、この記憶部33には、回転角度θの算出に利用される逆正接テーブル33a(図4参照)が予め記憶されている。
演算部34は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部33に記憶されているプログラムに従って、正弦信号DVsin及び余弦信号DVcosから回転角度θを算出するために必要な処理を実行し、その回転角度θの算出結果を外部に出力する。具体的には、この演算部34は、上記プログラムの実行によって実現されるソフトウェア的な機能として、信号補正部34a(信号補正手段)、象限判定部34b(象限判定手段)、テーブル検索部34c(テーブル検索手段)及び角度補正部34d(角度補正手段)を備えている。
詳細は後述するが、信号補正部34aは、正弦信号DVsin及び余弦信号DVcosに含まれるGMRセンサ部2の出力特性の変動に起因する誤差を補正する。象限判定部34bは、補正後の正弦信号DVsin及び余弦信号DVcos(補正正弦信号DVs及び補正余弦信号DVc)に基づいて回転角度θの属する象限を判定する。
また、テーブル探索部34cは、補正正弦信号DVs及び補正余弦信号DVcに対応する回転角度θ1を、記憶部33に記憶されている逆正接テーブル33aから検索して取得する。角度補正部34dは、上記の逆正接テーブル33aから得られた回転角度θ1を象限判定部34bによる象限判定結果に応じて補正することで最終的な回転角度θを得る。
なお、上記のように、第1のA/D変換部31、第2のA/D変換部32、記憶部33及び演算部34を備える信号処理部3は、例えばマイクロコンピュータ(マイコン)等の、入出力インターフェイスやメモリ、A/Dコンバータ、CPU等が一体的に組み込まれた小型の演算処理装置によって実現することができる。
以下、上記のように構成された角度検出装置1による角度検出動作について説明する。
図2は、信号処理部3の演算部34が、記憶部33に記憶されているプログラムに従って実行する角度検出処理を示したフローチャートである。なお、角度検出装置1の動作中において、GMRセンサ部2から信号処理部3に対してアナログ信号である正弦信号Vsin及び余弦信号Vcosが連続的に入力される一方、第1のA/D変換部31及び第2のA/D変換部32から演算部34に対しては、デジタル信号である正弦信号DVsin及び余弦信号DVcosが離散的に(一定のサンプリング間隔で)入力される。
図2は、信号処理部3の演算部34が、記憶部33に記憶されているプログラムに従って実行する角度検出処理を示したフローチャートである。なお、角度検出装置1の動作中において、GMRセンサ部2から信号処理部3に対してアナログ信号である正弦信号Vsin及び余弦信号Vcosが連続的に入力される一方、第1のA/D変換部31及び第2のA/D変換部32から演算部34に対しては、デジタル信号である正弦信号DVsin及び余弦信号DVcosが離散的に(一定のサンプリング間隔で)入力される。
つまり、演算部34は、一定のサンプリング間隔で、換言すればサンプリングタイミングが到来する毎に、図2に示すフローチャートに従って角度検出処理を実行するものである。この図2に示すように、演算部34は、今回のサンプリングタイミングが到来すると、まず、デジタル信号である正弦信号DVsin及び余弦信号DVcosの今回値をサンプリングする(ステップS1)。
続いて、演算部34の信号補正部34aは、サンプリングした正弦信号DVsin及び余弦信号DVcosに含まれるGMRセンサ部2の出力特性の変動に起因する誤差を補正する(ステップS2)。具体的には、信号補正部34aは、GMRセンサ部2の出力特性の変動に起因する誤差として、オフセット誤差と振幅誤差を補正するために、正弦信号DVsin及び余弦信号DVcosの中性点が所定の基準値となるようオフセット補正を行うと共に、両信号のピーク・ピーク(peak to peak)が同じ値となるようゲイン補正を行う。
ここで、図3(a)に示すように、余弦信号DVcosのオフセット誤差は、余弦信号DVcosの平均値VcRefと電圧値0(V)との差分として得られる。同様に、図3(a)では図示を省略しているが、正弦信号DVsinのオフセット誤差も、正弦信号DVsinの平均値VsRefと電圧値0(V)との差分として得られる。このようなオフセット誤差は、主に使用環境の温度による影響を受けて発生する。
正弦信号DVsinの中性点が所定の基準値Voy(例えば2.5(V))となるようオフセット補正を行うには、正弦信号DVsinから平均値VsRefを減算して基準値Voyを加算すれば良い。つまり、オフセット補正後の正弦信号DVsinをDVs-offsetとすると、DVs-offsetは下記(1)式により算出できる。
DVs-offset=DVsin−VsRef+Voy ・・・(1)
DVs-offset=DVsin−VsRef+Voy ・・・(1)
一方、余弦信号DVcosの中性点が所定の基準値Vox(例えば2.5(V))となるようオフセット補正を行うには、余弦信号DVcosから平均値VcRefを減算して基準値Voxを加算すれば良い。つまり、オフセット補正後の余弦信号DVcosをDVc-offsetとすると、DVc-offsetは下記(2)式により算出できる。
DVc-offset=DVcos−VcRef+Vox ・・・(2)
DVc-offset=DVcos−VcRef+Vox ・・・(2)
なお、正弦信号DVsinの平均値VsRefと余弦信号DVcosの平均値VcRefの算出式は、下記(3)式及び(4)式で表される。従って、これらの平均値VsRef、VcRefを算出するには、回転軸101を1回転させる必要がある。
VsRef=(DVsin最大値−DVsin最小値)/2 ・・・(3)
VcRef=(DVcos最大値−DVcos最小値)/2 ・・・(4)
VsRef=(DVsin最大値−DVsin最小値)/2 ・・・(3)
VcRef=(DVcos最大値−DVcos最小値)/2 ・・・(4)
そこで、角度検出装置1の実使用前に、予め、正弦信号DVsinの平均値VsRefと余弦信号DVcosの平均値VcRefの初期値を求めておき、その初期値を記憶部33に記憶しておけば、少なくとも角度検出装置1の実使用時に初めの数回転分については上記(1)式及び(2)式の演算によってオフセット補正を行うことができる。角度検出装置1の実使用中は、回転軸101が1回転或いは数回転する毎に、正弦信号DVsinの平均値VsRefと余弦信号DVcosの平均値VcRefを新たに算出して更新すれば良い。
また、振幅誤差は、正弦信号DVsinのピーク・ピークと、余弦信号DVcosのピーク・ピークとの間に発生する差分(ズレ)として得られる。このような振幅誤差は、主に、GMRセンサ部2が備えるブリッジ回路の抵抗バラツキや回転軸101に対する取り付け位置の影響を受けて発生する。このような振幅誤差を補正するには、正弦信号DVsinのピーク・ピークと、余弦信号DVcosのピーク・ピークとを算出して、両信号のピーク・ピークが同じ値となるようゲイン補正を行えば良い。
なお、正弦信号DVsinのピーク・ピークDVsp-pと、余弦信号DVcosのピーク・ピークDVcp-pの算出式は、下記(5)式及び(6)式で表される。従って、正弦信号DVsinのピーク・ピークDVsp-pと、余弦信号DVcosのピーク・ピークDVcp-pを算出するには、回転軸101を1回転させる必要がある。
DVsp-p=DVsin最大値−DVsin最小値 ・・・(5)
DVcp-p=DVcos最大値−DVcos最小値 ・・・(6)
DVsp-p=DVsin最大値−DVsin最小値 ・・・(5)
DVcp-p=DVcos最大値−DVcos最小値 ・・・(6)
そこで、角度検出装置1の実使用前に、予め、正弦信号DVsinのピーク・ピークDVsp-pと、余弦信号DVcosのピーク・ピークDVcp-pを算出して、両信号のピーク・ピークが同じ値となるようなゲイン(乗数)の初期値を求めておき、その初期値を記憶部33に記憶しておけば、少なくとも角度検出装置1の実使用時に初めの数回転分については、ゲインの初期値をDVs-offset及びDVc-offsetに乗算することにより、ゲイン補正を行うことができる。角度検出装置1の実使用中は、回転軸101が1回転或いは数回転する毎に、正弦信号DVsinのピーク・ピークDVsp-pと、余弦信号DVcosのピーク・ピークDVcp-pを算出すると共に、両信号のピーク・ピークが同じ値となるようなゲインを新たに算出して更新すれば良い。
以下では、上記のようにオフセット補正及びゲイン補正を実施した後に得られる正弦信号DVsin及び余弦信号DVcosを、補正正弦信号DVs及び補正余弦信号DVcと称す。
続いて、演算部34の象限判定部34bは、補正正弦信号DVs及び補正余弦信号DVcと、オフセット補正に使用した基準値(Vox、Voy)との比較によって、回転角度θの属する象限を判定する(ステップS3)。具体的には、象限判定部34bは、図3(b)に示すような基準値(Vox、Voy)を原点とし、DVcを横軸、DVsを縦軸とする2次元空間において、DVs>Voy且つDVc>Voxならば、回転角度θが第1象限に属すると判定する。
また、象限判定部34bは、同じく図3(b)に示す2次元空間において、DVs>Voy且つDVc<Voxならば、回転角度θが第2象限に属すると判定する。また、象限判定部34bは、同じく図3(b)に示す2次元空間において、DVs<Voy且つDVc<Voxならば、回転角度θが第3象限に属すると判定する。また、象限判定部34bは、同じく図3(b)に示す2次元空間において、DVs<Voy且つDVc>Voxならば、回転角度θが第4象限に属すると判定する。
続いて、演算部34のテーブル探索部34cは、補正正弦信号DVs及び補正余弦信号DVcに対応する回転角度θ1を、記憶部33に記憶されている逆正接テーブル33aから検索して取得する(ステップS4)。図4に、逆正接テーブル33aの一例を示す。この図4に示すように、逆正接テーブル33aは、補正正弦信号DVsと補正余弦信号DVcとの比を逆正接演算して得られる回転角度θ1を、補正正弦信号DVs及び補正余弦信号DVcに対応付けて第1象限分だけ格納したものである。
回転角度θ1は、下記(7)式を用いた演算によって算出できるが、逆正接演算による処理負荷が大きくなるため、本実施形態では、上記のような逆正接テーブル33aを用いて回転角度θ1を得る。この逆正接テーブル33aは、三角関数の性質により、第1象限分だけ用意すれば良いので、フルサイズの1/4のデータ量で済む。また、図4では、逆正接テーブル33aの一例として、基準値(Vox=2.5(V)、Voy=2.5(V))を原点とする縦16×横16サイズのテーブルを図示しているが、精度向上のためには、縦256×横256サイズのテーブルとすることが好ましい。
θ1=arctan(|DVs−Voy|/|DVc−Vox|) ・・・(7)
θ1=arctan(|DVs−Voy|/|DVc−Vox|) ・・・(7)
テーブル探索部34cは、例えば、補正正弦信号DVsが3.75(V)、補正余弦信号DVcが3.8(V)の場合、図4に示す逆正接テーブル33aから回転角度θ1として45°を取得する。なお、逆正接テーブル33aの縦軸及び横軸を構成する補正正弦信号DVs及び補正余弦信号DVcには、オフセット補正に用いた基準値(Vox=2.5(V)、Voy=2.5(V))が加算されているので、補正正弦信号DVs及び補正余弦信号DVcをそのまま用いて逆正接テーブル33aを参照すれば回転角度θ1を得られる。
続いて、演算部34の角度補正部34dは、上記の逆正接テーブル33aから得られた回転角度θ1を象限判定部34bによる象限判定結果に応じて補正することで最終的な回転角度θを得る(ステップS5)。具体的には、角度補正部34dは、象限判定結果が第1象限の場合、回転角度θ1を最終的な回転角度θとし、象限判定結果が第2象限の場合、180°から回転角度θ1を減算した値を最終的な回転角度θ(=180−θ1)とし、象限判定結果が第3象限の場合、回転角度θ1に180°を加算した値を最終的な回転角度θ(=180+θ1)とし、象限判定結果が第4象限の場合、360°から回転角度θ1を減算した値を最終的な回転角度θ(=360−θ1)とする。
以上のように、本実施形態によれば、信号処理部3が、GMRセンサ部2から入力される正弦信号及び余弦信号に基づいて回転角度を算出するに当たって、正弦信号及び余弦信号に含まれるGMRセンサ部2の出力特性の変動に起因する誤差を補正するので、回転角度の検出精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、信号処理部3が、上記誤差補正後の正弦信号と余弦信号に対応する回転角度を予め用意された逆正接テーブル33aから検索して取得し、この逆正接テーブル33aから得られた回転角度を象限判定結果に応じて補正するので、従来のように回転角度を算出するために逆正接演算を行う必要がなく、信号処理部3として処理速度の遅い安価なマイコンを使用できるようになる。
すなわち、本実施形態によれば、回転角度の検出精度の向上及び低コスト化を実現可能な角度検出装置1を提供できる。
また、本実施形態によれば、信号処理部3が、上記誤差補正後の正弦信号と余弦信号に対応する回転角度を予め用意された逆正接テーブル33aから検索して取得し、この逆正接テーブル33aから得られた回転角度を象限判定結果に応じて補正するので、従来のように回転角度を算出するために逆正接演算を行う必要がなく、信号処理部3として処理速度の遅い安価なマイコンを使用できるようになる。
すなわち、本実施形態によれば、回転角度の検出精度の向上及び低コスト化を実現可能な角度検出装置1を提供できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、逆正接テーブル33aを第1象限分だけ用意する場合を例示したが、第2象限、第3象限或いは第4象限のいずれか1つ或いは複数の象限分の逆正接テーブルを用意しても良い。この場合、角度補正部34dによる角度補正の方法が異なるだけである。
1…角度検出装置、2…GMRセンサ部(磁界センサ部)、3…信号処理部、31…第1のA/D変換部(信号変換手段)、32…第2のA/D変換部(信号変換手段)、33…記憶部、33a…逆正接テーブル、34…演算部、34a…信号補正部(信号補正手段)、34b…象限判定部(象限判定手段)、34c…テーブル検索部(テーブル検索手段)、34d…角度補正部(角度補正手段)、100…モータ、101…回転軸
Claims (5)
- 回転軸が回転することによる磁気変化を検出する素子を用いて形成されたブリッジ回路により、前記回転軸の回転角度の正弦に対応する正弦信号と前記回転角度の余弦に対応する余弦信号とを出力する磁界センサ部と、
前記磁界センサ部から入力される前記正弦信号及び前記余弦信号に基づいて前記回転角度を算出する信号処理部と、を備えた角度検出装置において、
前記信号処理部は、
前記磁界センサ部から入力される前記正弦信号及び前記余弦信号をデジタル変換する信号変換手段と、
前記デジタル変換後の正弦信号及び余弦信号に含まれる前記磁界センサの出力特性の変動に起因する誤差を補正する信号補正手段と、
前記補正後の正弦信号及び余弦信号に基づいて前記回転角度の属する象限を判定する象限判定手段と、
前記補正後の正弦信号と余弦信号との比を逆正接演算して得られる前記回転角度を、前記補正後の正弦信号と余弦信号に対応付けて格納してなる逆正接テーブルを予め記憶するテーブル記憶手段と、
前記補正後の正弦信号と余弦信号に対応する前記回転角度を前記逆正接テーブルから探索して取得するテーブル探索手段と、
前記逆正接テーブルから得られた前記回転角度を前記象限の判定結果に応じて補正する角度補正手段と、
を備えることを特徴とする角度検出装置。 - 前記テーブル記憶手段は、前記補正後の正弦信号と余弦信号との比を逆正接演算して得られる前記回転角度を、前記補正後の正弦信号と余弦信号に対応付けて1つの象限分だけ格納してなる逆正接テーブルを予め記憶することを特徴とする請求項1に記載の角度検出装置。
- 前記信号補正手段は、前記デジタル変換後の正弦信号及び余弦信号に含まれる前記磁界センサの出力特性の変動に起因する誤差として、オフセット誤差と振幅誤差を補正するために、前記デジタル変換後の正弦信号及び余弦信号の中性点が所定の基準値となるようオフセット補正を行うと共に、両信号のピーク・ピークが同じ値となるようゲイン補正を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の角度検出装置。
- 前記象限判定手段は、前記補正後の正弦信号及び余弦信号と前記所定の基準値との比較によって前記回転角度の属する象限を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の角度検出装置。
- 前記逆正接テーブルを構成する前記補正後の正弦信号及び余弦信号には前記所定の基準値が加算されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の角度検出装置。
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