JP2011047629A - 氷の気泡含有率の高いオゾン氷、該オゾン氷の製造方法及び製造装置 - Google Patents

氷の気泡含有率の高いオゾン氷、該オゾン氷の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】氷の気泡含有率の高いオゾン氷、該オゾン氷の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】原料からオゾンを発生させるオゾン発生段階と、オゾン含有気体のマイクロバブルを水槽内の水中に混入するバブル混入水生成段階と、バブル混入水を供給して製氷面にバブルを捕捉させるオゾン氷生成段階のオゾン氷の製造方法及び製造装置によって、氷の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするオゾン氷の製造が達成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、氷の気泡含有率の高いオゾン氷、該オゾン氷の製造方法及び製造装置に関する。
現在、生鮮食品の鮮度保持において殺菌・脱臭作用のあるオゾンガスを水に溶解させたオゾン水が効果的であることが確認され、その利用が拡大している。しかし、オゾンは時間経過により酸素に分解することから、安全である反面、その効果の保持が困難である。そこでオゾンの保持と保冷効果を目的としてオゾンを氷中に気泡として封入させたオゾン氷が注目されている(例えば、特許文献1、2参照)。このオゾン氷が高い気泡含有率を有し、容易および安価に製造されれば、食品の輸送及び貯蔵効率(コストを含む)が飛躍的に向上し、食品流通システムに大きな貢献をもたらすことが期待される。
特開2007−225127 特開2005− 77040
特許文献1では、容器の内部にマイクロバブルを含んだ水を注入し、あるいは容器の内部に注入した水にマイクロバブルを混入し、周囲から冷却して、マイクロバブルを含んだ状態で水を凍結して気体含有氷(オゾン氷)を製造する方法が開示されている。しかしながら、該文献1では、上面が開放され、側面に加熱手段及び冷却手段が設けられた筒状の氷製造容器にマイクロバブル発生器と水供給器を接続した構造の製造装置を用いており、筒状の氷製造容器の周囲から冷却して(図1〜図3参照)、筒状の氷製造容器内部の水にマイクロバブルがほぼ均等に分布した状態で水を凍結することで、マイクロバブルが局所的に偏在化することのない氷の気泡含有率の高いオゾン氷が得られるというものであります。具体的には、従来の空気を溶存させた水から生成した氷の気体含有率が3%であるのに対し、空気のマイクロバブルを含んだ水から生成した氷の気体含有率が6%(従来技術の2倍)に高められるというものであります。また、この際のオゾン氷中のオゾン含有率は最大で30mg/l(体積換算で1.4%)になることが記載されている。
しかしながら、引用文献1では、上面が開放された筒状の氷製造容器の周囲から冷却しながら、筒状の氷製造容器内部の水にマイクロバブルがほぼ均一に分散されて含有された水を凍結させてオゾン含有氷を作製するため、氷中へのマイクロバブルの補足効率が悪く、その結果、氷の気泡含有率は実験値で最大6体積%を実現することしかできておらず、より高い気泡含有率を有する氷は生成するのは装置構成上ないし製法上極めて困難であるという問題があった。
一方、オゾン氷生成方法には密閉加圧式があり、2005年に製品化されており、引用文献2に記載の製造方法も当該方式を用いている。この方法は、一方側に開閉可能な密閉蓋を備えた筒状容器を有し、筒状容器の一方側又は他方側にはポンプによって供給されるオゾンが、水にオゾンを加圧して溶存(溶解)しているオゾン水の注入口を有し、しかも直立状態で配置される筒状容器の上部には、内部の気体の放出が可能でかつ外部からオゾン又は酸素の注入が可能な注排気口を備え(図1)、筒状容器に注入したオゾン水を加圧状態で冷却して凍らせ、その過程で発生するオゾンを含む気泡を微細化したオゾン氷を生成するというものである。
しかしながら、この方法においては、高圧であるほど、冷却速度が大きいほど、氷中のオゾン濃度は高くなる。そのため、高濃度のオゾン氷を生成する装置は、耐高圧化、低温での冷却、氷サイズの微小化(製氷管数の増加;ここで、製氷管については、特開2008−64356の図1等参照)などの理由から、大型化かつ低製氷効率(低い気泡含有率のオゾン氷しかできないこと)となる。以上のことから密閉加圧式のオゾン氷生成装置は初期および運用コストの削減が困難である。
更に、引用文献2では、オゾン含有のマイクロバブル混入水を用いることなく、水にオゾンを加圧して溶存(溶解)しているオゾン水のみを用いているため、氷の気泡含有率を高めることができない問題があった。具体的には、図3及び段落「0050」よりオゾン氷中のオゾン濃度は最大で5.37mg/lであり、引用文献1と同様の体積換算で0.2〜0.3体積%に過ぎない。引用文献1のオゾン含有のマイクロバブルを用いたオゾン氷の1/5程度の濃度しかオゾンを含有できないという問題があった。
そこで本発明は、氷の気泡含有率の高いオゾン氷、該オゾン氷の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
また、本発明のオゾン氷の製造装置及び製造方法では、10μm〜100μm程度(通常、20μm程度が粒径分布の中心)のオゾンマイクロバブル径を水中に混入し製氷面にバブルを捕捉させることによって、氷の気泡含有率の高いオゾン氷を生成することのできる製造装置及び製造方法の開発を目的とする。
また、本発明のオゾン氷の製造装置では、加圧容器を用いることなく常圧下で製氷が可能であり、製氷速度も最適に制御できる装置を提供することを目的とする。
また、本発明のオゾン氷の製造方法では、液中のマイクロバブル量を制御することにより、オゾンの濃度を、最適に制御できる方法を提供することを目的とするものである。
そこで、本発明の目的は、(1) 氷の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするオゾン氷により達成されるものである。
本発明の目的は、(2) 前記氷の気体含有率(体積割合)が7〜42体積%の範囲であることを特徴とする上記(1)に記載のオゾン氷によっても達成されるものである。
本発明の目的は、(3) 前記氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値が、70〜135μmの範囲であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のオゾン氷によっても達成されるものである。
本発明の目的は、(4) 前記氷が、水道水または地下水から塩素を除去した水を用いてなることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のオゾン氷によっても達成されるものである。
本発明の目的は、(5) 氷スラリー中の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするオゾン氷スラリーにより達成されるものである。
本発明の目的は、(6) 前記氷スラリー中の気体含有率(体積割合)が7〜42体積%の範囲であることを特徴とする上記(5)に記載のオゾン氷スラリーによっても達成されるものである。
本発明の目的は、(7) オゾン氷スラリー化し得る添加剤が、0体積%を超えて25体積%まで含有されてなることを特徴とする上記(5)または(6)に記載のオゾン氷スラリーによっても達成されるものである。
また、本発明の目的は、(8) 上記(1)〜(4)のオゾン氷からハーベスト法を用いて生成されてなることを特徴とする上記(5)または(6)に記載のオゾン氷スラリーによっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(9) オゾン原料部と、
該オゾン原料部から供給される原料からオゾンを発生させるオゾン発生装置と、
該オゾン発生装置で発生されたオゾン含有気体と、水槽から供給されるオゾン水および/または外部から供給される水とから、マイクロバブル混入水を生成させるマイクロバブル混入装置と、
前記マイクロバブル混入水から浮揚するマイクロバブルを冷却部材の冷却面下に捕捉し得るように、(a)前記マイクロバブル混入装置で生成されたマイクロバブル混入水を供給する配管の先端部が槽内の下部に設置され、尚且つ(b)前記冷却部材が槽内の上部ないし中央部に配置された水槽と、
少なくとも前記冷却部材の冷却面を冷却するために、前記冷却部材内部の循環流路に冷媒を循環させる冷媒循環装置と、
を有する事を特徴とするオゾン氷の製造装置により達成されるものである。
本発明の他の目的は、(10) 前記冷却部材の冷却面角度が、0°〜60°の範囲に設置された平板状の冷却部材であることを特徴とする上記(9)に記載のオゾン氷の製造装置によっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(11) 前記冷却部材の冷却面角度が、10°〜15°の範囲に設置された平板状の冷却部材であることを特徴とする上記(10)に記載のオゾン氷の製造装置によっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(12) 前記冷却部材に電圧を印加するための電源装置を更に備えてなることを特徴とする上記(9)〜(11)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置によっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(13) 前記電源装置を用いて冷却部材の冷却面に印加する直流電圧が、100〜300Vであること特徴とする上記(12)に記載のオゾン氷の製造装置によっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(14) 前記マイクロバブル混入装置に外部から水道水を供給する経路上に、更に必要に応じて、前記マイクロバブル混入装置に前記水槽からオゾン水が供給(循環)される経路上に、塩素除去手段が設置されてなることを特徴とする上記(9)〜(13)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置によっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(15) 前記マイクロバブル混入装置で生成されたマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径が10〜100μmであり、尚且つ該マイクロバブル径の平均値が20μmであることを特徴とする上記(9)〜(14)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置によっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(16) 前記水槽内に供給されたマイクロバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した成分を水槽内から系外に排気するための排気管および/または前記マイクロバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した成分を水槽内から前記オゾン発生装置に供給するための供給管と、を更に有する事を特徴とする上記(9)〜(15)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置により達成されるものである。
本発明の他の目的は、(17) 前記オゾン発生装置にマイクロバブル混入水中のマイクロバブルが水槽の液面上に浮揚してガス化した成分を供給する経路内に、水分除去手段を更に備えてなることを特徴とする上記(9)〜(16)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置によっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(18) 前記水分除去手段として、前記ガス化した成分の供給経路内に拡径した箇所を設け、当該拡径した箇所に前記ガス化した成分を冷却、除湿するためのペルチェ素子、および/または、前記ガス化した成分の供給経路内に、前記ガス化した成分から水分を吸着除去するための吸湿剤が設置されてなることを特徴とする上記(17)に記載のオゾン氷の製造装置によっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(19) 上記(9)〜(18)に記載の製造装置に、更にオゾン氷スラリー化し得る添加剤の貯蔵部と、該貯蔵部からマイクロバブル混入装置に、当該混入装置に供給される水に対して所定の割合(体積比率)で前記添加剤を供給するために流量調整装置を備えた供給経路と、を備えてなることを特徴とするオゾン氷スラリーの製造装置によっても達成されるものである。
本発明の他の目的は、(20) 上記(9)〜(18)に記載の製造装置に、更に冷却部材の冷却面上に生成されたオゾン氷に対して、(a)ハーベスト法にて剥離させた該オゾン氷を削り取りスラリー化するための氷削装置、または(b)掻き取り法にて直接掻き取りスラリー化するための氷掻取装置を備えてなることを特徴とするオゾン氷スラリーの製造装置によっても達成されるものである。
本発明の更に他の目的は、(21) オゾン原料部から供給される原料をオゾン発生装置にてオゾンを発生させるオゾン発生段階と、
前記オゾン発生段階で発生されたオゾン含有気体と、水槽から循環(供給)される水および/または外部から供給される水とをマイクロバブル混入装置に導入して、マイクロバブル混入水を生成させるバブル混入水生成段階と、
前記マイクロバブル混入水から浮揚するマイクロバブルを冷却部材の冷却面下に捕捉し得るように、(a)前記マイクロバブル混入装置で生成されたマイクロバブル混入水を供給する配管の先端部が槽内の下部に設置され、尚且つ(b)前記冷却部材が槽内の上部ないし中央部に配置された水槽に、前記バブル混入水生成段階で生成されたマイクロバブル混入水を供給するバブル混入水供給段階と、
前記水槽内のオゾン水をマイクロバブル混入装置に戻して(供給して)生成(再生)されたバブル混入水を再度水槽内に供給・循環することで、冷却部材の冷却面側にマイクロバブルが貯まった(捕捉された)状態を保持しながら、冷却部材内部の循環流路に冷媒循環装置より冷媒を循環させて、少なくとも該冷却部材の冷却面を冷却させ、該冷却面側に気泡を含有したオゾン氷を生成するためのオゾン氷生成段階と、
を有することを特徴とするオゾン氷の製造方法により達成されるものである。
また、本発明の更に他の目的は、(22) 前記冷却部材が、平板状の冷却部材であって、該冷却部材の冷却面角度が、0°〜60°の範囲に設置されていることを特徴とする上記(21)に記載のオゾン氷の製造方法によっても達成されるものである。
また、本発明の更に他の目的は、(23) 前記冷却部材の冷却面角度が、10°〜15°の範囲に設置されていることを特徴とする上記(22)に記載のオゾン氷の製造方法によっても達成されるものである。
本発明の更に他の目的は、(24) 前記オゾン氷生成段階中に、前記冷却部材に電源装置を用いて電圧を印加する電圧印加工程を更に有すること特徴とする上記(21)〜(23)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法によっても達成されるものである。
本発明の更に他の目的は、(25) 前記電圧印加工程において、冷却部材の冷却面に電源装置を用いて印加する直流電圧が、100〜300Vであること特徴とする上記(24)に記載のオゾン氷の製造方法によっても達成されるものである。
また、本発明の更に他の目的は、(26) 前記バブル混入水生成段階において、前記マイクロバブル混入装置に外部から水道水を供給する経路上に、更に必要に応じて、前記マイクロバブル混入装置に前記水槽からオゾン水が供給(循環)される経路上に設置されてなる塩素除去装置を用いて塩素除去を行う工程を、更に有することを特徴とする上記(21)〜(25)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法によっても達成されるものである。
本発明の更に他の目的は、(27) バブル混入水生成段階にて、前記マイクロバブル混入装置により生成されるマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径が10〜100μmであり、尚且つ該マイクロバブル径の平均値が20μmであることを特徴とする上記(21)〜(26)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法によっても達成されるものである。
本発明の更に他の目的は、(28) 前記オゾン氷生成段階中に、水槽内に供給されたバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した成分(オゾン+酸素)を水槽内から系外に排気するための排気工程および/または該マイクロバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した成分を水槽内から前記オゾン発生装置に供給するガス化した成分の再利用工程を、更に有することを特徴とする上記(21)〜(27)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法により達成されるものである。
本発明の他の目的は、(29) 前記オゾン氷生成段階中に、前記オゾン発生装置にマイクロバブル混入水中のマイクロバブルが水槽の液面上に浮揚してガス化した成分を供給する経路内に設置した水分除去装置を用いて、該ガス化した成分から水分除去を行う工程を更に有することを特徴とする上記(21)〜(28)のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法によっても達成されるものである。
本発明の更に他の目的は、(30) 前記水分除去手段として、(a)前記マイクロバブルがガス化した成分の供給経路内に拡径した箇所を設け、当該拡径した箇所に前記ガス化した成分を冷却、除湿するためのペルチェ素子、および/または、(b)前記マイクロバブルがガス化した成分の供給経路内に前記ガス化した成分から水分を吸着除去するための吸湿剤が設置されてなることを特徴とする上記(29)に記載のオゾン氷の製造方法によっても達成されるものである。
また、本発明の更に他の目的は、(31) 上記(21)〜(30)に記載の製造方法において、前記バブル混入水生成段階中に、更に、オゾン氷スラリー化し得る添加剤の貯蔵部からマイクロバブル混入装置に流量調整装置を備えた供給経路を通じて、該混入装置に供給される水の流量に対して所定の割合(体積比率)で前記添加剤を供給する工程を有することを特徴とするオゾン氷スラリーの製造方法によっても達成されるものである。
また、本発明の更に他の目的は、(32) 上記(21)〜(30)に記載の製造方法において、更に冷却部材の冷却面上に生成されたオゾン氷に対して、(a)ハーベスト法にて剥離させた該オゾン氷を氷削装置を用いて削り取りスラリー化する段階、または(b)掻き取り法にて直接氷掻取装置を用いて掻き取りスラリー化する段階を有することを特徴とするオゾン氷スラリーの製造方法によっても達成されるものである。
また、本発明の更にまた他の目的は、(33) 上記(9)〜(20)のいずれか1項に記載の製造装置を用い、上記(21)〜(32)のいずれか1項に記載の製造方法を利用して、製氷または製氷スラリー化されてなる気泡含有の氷または氷スラリーであって、該氷または氷スラリーの気泡含有率(体積割合)が6体積%より高いことを特徴とする氷または氷スラリー。
また、本発明の更にまた他の目的は、(34) 上記(9)〜(20)のいずれか1項に記載の製造装置を用い、上記(21)〜(32)のいずれか1項に記載の製造方法を利用して、果汁または果汁濃縮還元液または無果汁飲料に、フレーバーのあるガスを注入して製氷または製氷スラリー化されてなる気泡含有の氷または氷スラリーからなる味と香りのある氷菓であって、該氷または氷スラリーの気泡含有率(体積割合)が6体積%より高いことを特徴とする味と香りのある氷菓によっても達成されるものである。
また、本発明の更にまた他の目的は、(35) 上記(9)〜(20)のいずれか1項に記載の製造装置を用い、上記(21)〜(32)のいずれか1項に記載の製造方法を利用して、水または食品添加物による着色液に、色のついたガスを注入して製氷または製氷スラリー化されてなる着色された気泡含有の氷または氷スラリーからなる着色された氷菓であって、該氷または氷スラリーの気泡含有率(体積割合)が6体積%より高いことを特徴とする着色された氷菓によっても達成されるものである。
本発明のオゾン氷によれば、特許文献1の更に2倍の高い氷の気体含有率(体積割合)を実現することが可能となる。また、通常の安価な氷と本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷とを適当な割合で混ぜて使用することで、所望の殺菌・脱臭作用を有効に発現させることも使用用途(生鮮食品の種類や保存・輸送方法など)によっては十分可能となる。その結果、全体として輸送及び貯蔵効率(コストを含む)が飛躍的に向上し、食品流通システムに大きな貢献をもたらすことができる。
本発明のオゾン氷の製造装置及び該装置を用いた製造方法によれば、平均20μm程度のオゾンマイクロバブルを水中に混入し冷却部材の冷却面(製氷面)にオゾンマイクロバブルを捕捉させることによって、高い氷の気体含有率を有するオゾン氷を生成する装置及び製法の開発を目的とする。マイクロバブの形態で水中に混入すると、その比表面積が大きいために、水との接触面積が増え、水の中に溶け込みやすくなる。また、本発明の製造装置及び製造方法では、常圧下で製氷が可能であり、製氷速度も小さくすることが可能である。そのため、製氷効率の高いシステムとなり、小型のシステムも構築可能である。また、液中のマイクロバブル量を制御することにより、オゾンの濃度を制御することもできる。また、本発明の製造装置は、非常に小型化できるため、既存の西方装置に付随して設置することも十分可能である。その結果、上記したように通常の安価な氷と本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷とを適当な割合で混ぜて使用する上で、双方の氷を移動(移送)して行う必要がなく、通常の安価な氷を生産する既存のシステム(製造装置、製法)の使用を含めた、全体的な生産システム(製造装置、製法)を、より生産性に優れたシステム(製造装置、製法)として構築することができる。
本発明に係るオゾン氷の製造装置の代表的な一実施形態を模式的に表した概略図面であって、冷却部材として平板状の冷却部材を備えた装置である。 図2Aは、本発明に用いられる冷却部材の代表的な実施形態を模式的に表した概略図であり、このうち図2A1は、平板状の冷却部材の概略図である。 図2A2は、平板状の冷却部材を水平(冷却部材の冷却面角度0°;下向き冷却))に水槽に備えた状態を表す概略図である。 図2A3は、平板状の冷却部材の冷却面角度10°(下向き冷却)に水槽に備えた状態を表す概略図である。 図2A4は、従来例として特許文献1等の既存の製造装置と同様に、円筒状容器(水槽)の内部に注入した水にマイクロバブルを混入し、該容器(水槽)の周囲から冷却するのを模して、水槽内部に平板状の冷却部材の冷却面角度が90°(横向き冷却=容器周囲からの冷却)となるように水槽内の周辺(側面)近傍に配置した状態を表す概略図である。 図2B1は、半球状の冷却部材の概略図である。 図2B2は、図2B1の半球状の冷却部材を球切断面が水平な底面(内側に氷を生成)となるように水槽に備えた状態を表す概略図である。 図2C1は、球の表面から直径の1/3の深さで水平に切断して上部球体状の冷却部材の概略図である。 図2C2は、図2C1の上部球体状の冷却部材を球切断面が水平な底面(内側に氷を生成)となるように水槽に備えた状態を表す概略図である。 図2D1は、円筒状の冷却部材の概略図である。 図2D2は、図2D1の円筒状の冷却部材を横向き(円筒中心軸が平行:内側に氷を生成)になるように水槽に備えた状態を表す概略図である。 図2E1は、三角屋根の形状(平板を側面が三角形になるように二つ折りしてなる形状)の冷却部材の概略図である。 図2E2は、図2E1の平板を側面が三角形になるように二つ折りしてなる形状の冷却部材を三角屋根の頂頭部が上部になるように水槽に備えた状態を表す概略図である。 図2F1は、湾曲させた平板状の冷却部材27dの概略図である。 図2F2は、図2F1の湾曲させた平板状の冷却部材27dを湾曲した平板の逆U字状(下向き冷却)にして水槽33に備えた状態を表す概略図である。 図2G1は、半円筒状の冷却部材27dの概略図である。 図2G2は、図2G1の半円筒状の冷却部材27dを横向き(横端面を逆U字状とし半円筒中心軸が平行;内側に氷を生成)になるように水槽33に備えた状態を表す概略図である。但し、図2A1〜図2G1のいずれの冷却部材27もその内部の冷媒流路の図示は省略している。 実験例1において、冷却部材として平板状の冷却部材を水平(冷却面角度が0°=水平壁)とした冷却部材と、該冷却部材を垂直(冷却面角度が90°=垂直壁)とした際の氷内気泡含有率(体積%)の表す図面(グラフ)である。 実験例2において、冷却部材として、平板状の冷却部材を水平(冷却面角度が0°=水平壁)とした冷却部材から該冷却部材を垂直(冷却面角度が90°=垂直壁)とした冷却部材まで冷却面角度(°)を変化させた際の氷内気泡含有率(体積%)の変化の様子を表す図面(グラフ)である。 図4Aは、図3の冷却部材の冷却面角度が0°(水平壁)で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図4Bは、図4Aの氷の側断面(横断面)を横から撮影した写真を表す図面である。ここで、図4Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。 図5Aは、図3の冷却部材の冷却面角度が10°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図4Bは、図4Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図5Aの図面上部が10°傾けた際の下部側であり、図面下部が10°傾けた際の上部側である。図5Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。 図6Aは、図3の冷却部材の冷却面角度が15°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図6Bは、図6Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図6Aの図面上部が15°傾けた際の下部側であり、図面下部が15°傾けた際の上部側である。図6Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。 図7Aは、図3の冷却部材の冷却面角度が20°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図7Bは、図7Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図7Aの図面上部が20°傾けた際の下部側であり、図面下部が20°傾けた際の上部側である。図7Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。 図8Aは、図3の冷却部材の冷却面角度が25°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図8Bは、図8Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図8Aの図面上部が25°傾けた際の下部側であり、図面下部が25°傾けた際の上部側である。図8Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。 図9Aは、図3の冷却部材の冷却面角度が30°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図9Bは、図9Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図9Aの図面上部が30°傾けた際の下部側であり、図面下部が30°傾けた際の上部側である。図9Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。 図10Aは、図3の冷却部材の冷却面角度が45°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図10Bは、図10Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図10Aの図面上部が45°傾けた際の下部側であり、図面下部が45°傾けた際の上部側である。図10Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。 図11Aは、図3の冷却部材の冷却面角度が90°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図11Bは、図11Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図11Aの図面上部が90°傾けた際の下部側であり、図面下部が90°傾けた際の上部側である。図11Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。 図12Aは、冷却部材への印加電圧(V)を0V(無印加)〜400Vの範囲で変化させた際の、冷却部材への印加電圧(V)と冷却部材の壁面(冷却面ないし製氷面)での平均気泡割合(体積%)の関係を表した図面(グラフ)である。 図12Bは、冷却部材への印加電圧(V)を0V(無印加)とした際の冷却面角度が0°(水平壁)と90°(垂直壁)での氷の気泡補足率(%)の関係を表す図面(グラフ)である。 無次元オゾン水濃度の経時変化を表した図面(グラフ)である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[I]オゾン氷
(1)氷の気体含有率(体積割合)
本発明のオゾン氷は、氷の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするものである。氷の気体含有率(体積割合)は、好ましくは7〜42体積%、より好ましくは20〜33体積%、なかでも22〜28体積%である。氷の気体含有率(体積割合)が6体積%以下の場合には、オゾン氷内の気体含有率(オゾン濃度)が十分でなく、オゾン氷による所望の殺菌・脱臭作用の有効期間が短く、高価なオゾン氷のみを大量使用してもなお生鮮食品の輸送や貯蔵時に十分な保冷と共に十分な殺菌・脱臭作用を保持し得ないという問題があった。またオゾン氷内の気体含有率(オゾン濃度)が十分でない為、通常の安価な氷と混ぜて使用することは極めて困難であり、高価なオゾン氷のみを大量供給し、尚且つ頻繁に補充しなければならず、生鮮食品の保存・輸送時の保冷及び殺菌・脱臭作用に要するコストが非常に高くなる問題がある。その結果、全体として輸送及び貯蔵効率(コストを含む)が低下し、食品流通システムへの十分な貢献をもたらすことができないといえる。一方、氷の気体含有率(体積割合)の上限値は制限されるものではなく、42体積%を超える範囲であっても本発明の作用効果を損なわない限り、より一層利用価値の高いものとなる。即ち、気体含有率が高いほどオゾン濃度も高まる点では極めて有効である。その反面、気体含有率の高いオゾン氷では、単位体積中の氷の占める割合は相対的に減少し、保冷時間が低下する傾向にあり、双方のメリット・デメリットを比較考量して、最適な氷の気体含有率(体積割合)を適宜決定すればよい。なお、本発明の製造方法及び製造装置を用いることで、氷の気体含有率(体積割合)が42体積%を超える更に高い値のオゾン氷を十分に製氷可能である。例えば、図3の冷却面角度0°のときの気泡含有率28体積%及び10°のとき22体積%に対し、図12Aに示すように冷却部材への電圧印加により、無印加時に比してさらに約1.5倍以上(28×1.5=42体積%以上、22×1.5=33体積%以上)の気体の含有が可能といえ、更に製氷時間や製氷時の冷却温度などを調整することでより高い気泡含有率を得ることができる。更に水道水の塩素除去や排出されたオゾンガスの再利用を行うことで更に気体中のオゾン濃度も高めることが可能である。
これまで、氷中に取り込まれる気泡に関する研究は、微粒子や溶存空気の析出(特許文献2参照)に関するもののみである。本発明が対象とする水中の気泡に関するものは特許文献1に開示があるのみで、尚且つ引用文献1では実現不可能であった氷の気体含有率6体積%の5倍近い28体積%という高い気体含有率(=高いオゾン含有濃度)を非常に短い製氷時間(40分間;実施例1の図2A参照)で実現した点で、本発明のオゾン氷は非常に独創的かつ有意義(有用)である。
(1a)殺菌・脱臭効果のあるオゾン水濃度
(a)オゾン水の殺菌効果は、大腸菌に対しては、0.3〜0.5ppmで30〜60秒であり、乳酸菌に対しては、0.3〜1.0ppmで30〜60秒である。オゾン水の脱臭効果は、0.5〜5ppmである。
(b)オゾンガスの殺菌・脱臭効果は、0.1〜1ppm程度である。
(c)オゾン半減期
水中では、数分から十分程度、気体では数時間〜数十時間である。ただし、条件よって大きく異なる為、使用用途ごとに事前実験を行い、十分な保冷及び殺菌・脱臭効果がどの程度の時間継続しているか、確認するのが望ましい。
(d)0℃でのオゾン氷の気泡中のオゾン濃度とオゾン氷溶存オゾン濃度
オゾン氷の溶存オゾン濃度と気泡含有オゾン濃度の合計が、現状、概ね25ppm程度である。オゾン氷の溶存オゾン濃度と気泡含有オゾン濃度の合計が1〜5ppm程度であれば、気泡含有オゾンと溶解した際のオゾン水により殺菌・脱臭作用を十分に発揮することができる。また、通常の氷との混合氷としても利用可能である。一方、オゾン氷の溶存オゾン濃度が飽和濃度以下であれば、過飽和状態となることなく、飽和濃度で溶存させることができ、溶解した際のオゾン水の高い殺菌・脱臭作用を長期間にわたり十分に発揮することができる。また、通常の氷との混合氷としても利用可能である。
気泡中のオゾン濃度は測定困難であるが、最大オゾン発生装置で得られるオゾンガスと同程度の濃度であると考えられ、本測定装置により生成されたオゾン氷の高い気泡含有率を考慮すると、十分な気泡中のオゾン濃度が得られる。したがって、オゾン氷が完全に溶解後も食品の保冷容器の機密性を確保しておけば、上記(c)のオゾン半減期の気体で数時間〜数十時間であり、オゾン氷製造後、素早く生鮮食品の保冷及び殺菌・脱臭用に使用すれば、最長で数十時間という長期間、保冷及び殺菌・脱臭作用の維持が可能と言える。
(2)氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値
本発明の氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値は、70μm〜135μm、好ましくは70μm125μm、より好ましくは70〜80μmの範囲であることが望ましい。氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値が、上記範囲内であれば、オゾン氷中に略均等に分布した状態で含有されており、解氷時に適度な間隔で各独立気泡がはじけて(崩壊して)、周囲の生鮮食品に適度な量のオゾン含有気体を徐放(供給)し続けることができ、生鮮食品の保存・輸送時の長期間の保冷及び殺菌・脱臭を有効に作用継続できる点で優れている。ただし、本発明の作用効果を損なわない限り、上記範囲に何ら制限されるものではない。
なお、氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値は、オゾンマイクロバブル混入水の注入法を連続的にするか、間欠的にすることで制御(調整)することができる。特に間欠時間及び間欠回数を調整することで、氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値を制御することができる。但し、本発明の作用効果を損なわない限り、上記範囲に何ら制限されるものではない。
また、氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値は、氷を切断し、その断面を写真にして、該写真を画像解析処理し、これを粒子解析処理にかけて算出(計測)することができる。
(3)塩素除去した水道水製のオゾン氷
本発明のオゾン氷は、水道水または地下水から塩素を除去した水を用いて製氷されてなることが望ましい。蒸留水やイオン交換水等の純水は水道水や地下水に比して製造コストが高く、非常に高コストになる。一方、安価な水道水または地下水を用い、浄水器に用いられている中空糸(繊維束)フィルターや紫外線照射により塩素を吸着ないし分解、除去した水を用いるのが安価である。また塩素を除去した水道水または地下水を用いることで、オゾン水中のオゾンと塩素との反応によりオゾンが分解され、オゾン濃度の低下を招くのを効果的に防ぐことができ、水に溶存したオゾンおよびオゾン含有マイクロバブル量の増加効果が得られる点でも優れている(実施例5及び図4参照)。
(4)本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷と通常の安価な氷との組合せ(混合氷の調整)
本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷と通常の安価な氷とを適当な割合で混ぜて使用することで、所望の殺菌・脱臭作用を有効に発現させることも使用用途(生鮮食品の種類や保存・輸送方法など)によっては十分可能となる。その結果、全体として輸送及び貯蔵効率(コストを含む)が飛躍的に向上し、食品流通システムに大きな貢献をもたらすことができる。特に上記した(1a)殺菌・脱臭効果のあるオゾン水濃度、(a)オゾン水の殺菌効果、(b)オゾンガスの殺菌・脱臭効果、及び(c)オゾン半減期等を十分勘案して、使用用途に応じた保冷及び殺菌・脱臭効果を長期間保持し得て、尚且つより安価な混合氷を調整すればよい。これにより、保冷及び殺菌・脱臭効と低コスト化の双方を満足する混合氷を調整することができる点で優れている。
(5)使用用途
本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷や上記混合氷の使用用途は、主に生鮮食品の鮮度保持のための保冷効果及び殺菌・脱臭作用にある。本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷や上記混合氷を使用し得る生鮮食品としては、特に制限がなく、例えば、生鮮魚貝類、生鮮野菜・果物(この場合には野菜・果物(例えば、葉野菜など)が水に濡れて痛みやすくなるのを防ぐ目的で気体(特にオゾンガス)透過性フィルム等で包装して使用するのがよい。この場合、オゾン氷の気泡に含まれるオゾンガスのみが有効に作用することになる。)、生肉(この場合も生肉、例えば、牛肉等が水に濡れて痛みやすくなるのを防ぐ目的で気体(特にオゾンガス)透過性フィルム(ラップフィルム)等で包装して使用するのがよい。この場合にも、オゾン氷の気泡に含まれるオゾンガスのみが有効に作用することになる。)などが挙げられる。
[Ia]オゾン氷スラリー
(1)オゾン氷スラリーの気体含有率(体積割合)
本発明のオゾン氷スラリーは、氷スラリー中の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするものである。本実施形態では、オゾン氷スラリー中の気体含有率(体積割合)は、好ましくは7〜42体積%、より好ましくは20〜33体積%、なかでも22〜28体積%の範囲であるのが望ましい。オゾン氷スラリーの気体含有率(体積割合)が6体積%以下の場合には、オゾン氷スラリー内の気体含有率(オゾン濃度)が十分でなく、オゾン氷スラリーによる所望の殺菌・脱臭作用の有効期間が短く、高価なオゾン氷スラリーのみを大量使用してもなお生鮮食品の輸送や貯蔵時に十分な保冷と共に十分な殺菌・脱臭作用を保持し得ないという問題があった。またオゾン氷スラリー内の気体含有率(オゾン濃度)が十分でない為、通常の安価な氷スラリーと混ぜて使用することは極めて困難であり、高価なオゾン氷スラリーのみを大量供給し、尚且つ頻繁に補充しなければならず、生鮮食品の保存・輸送時の保冷及び殺菌・脱臭作用に要するコストが非常に高くなる問題がある。その結果、全体として輸送及び貯蔵効率(コストを含む)が低下し、食品流通システムへの十分な貢献ももたらすことができないといえる。一方、オゾン氷スラリー中の気体含有率(体積割合)の上限値は制限されるものではなく、45体積%を超える範囲であっても本発明の作用効果を損なわない限り、より一層利用価値の高いものとなる。即ち、気体含有率が高いほどオゾン濃度も高まる点では極めて有効である。その反面、気体含有率の高いオゾン氷スラリーでは、単位体積中のオゾン氷スラリーの占める割合は相対的に減少し、保冷時間が低下する傾向にあり、双方のメリット・デメリットを比較考量して、最適なオゾン氷スラリーの気体含有率(体積割合)を適宜決定すればよい。なお、本発明の製造方法及び製造装置を用いることで、オゾン氷スラリーの気体含有率(体積割合)が45体積%を超える更に高い値のオゾン氷スラリーを十分に製氷可能である、例えば、図3の冷却面角度0°のときの気泡含有率28体積%及び10°のとき22体積%に対し、図12Aに示すように冷却部材への電圧印加により、無印加時に比してさらに約1.5倍以上(28×1.5=42体積%以上、22×1.5=33体積%以上)の気体の含有が可能といえ、更に製氷時間や製氷時の冷却温度などを調整することでより高い気泡含有率を得ることができる。更に水道水の塩素除去や気化したガスの再利用を行うことで更に気体中のオゾン濃度も高めることが可能である。
(2)オゾン氷スラリーの添加物及びその濃度
本発明のオゾン氷スラリーは、プロピレングリコールまたはエタノールまたは所定濃度の塩水等のオゾン氷スラリー化し得る添加剤を、0体積%を超えて25体積%まで含有してなるものが利用可能である。特にオゾン氷スラリー化(水溶液化)のために食品添加物であるプロピレングリコール(PG)またはエタノール(EtOH)または所定濃度の塩水等を使用することで、その添加濃度の調整により、冷蔵温度を制御できる。特に氷の冷蔵温度(0℃)よりも低い冷蔵温度領域下で制御することができ、食品冷蔵が可能となる点で優れている。該添加物の添加濃度は、本発明の作用効果を損なわない範囲内であれば、特に制限されるものではない。好ましくは5体積%以上、より好ましくは10〜15体積%、更に好ましくは20〜25体積%の範囲である。該添加物の添加濃度が、25体積%であれば、通常の食品冷蔵に必要な−18℃程度まで幅広い温度域での食品の冷蔵が可能となる。なお、−18℃程度に冷蔵する場合、こうした食品は水分や油脂が凍結・凝固する程の低温にすることができ微生物の活動を抑え、長期間(社団法人日本冷凍食品協会によると−18℃以下であれば製造後1年程度)にわたって保存することもでき、長期の輸送・保存が実現できる点でも優れている。
(3)オゾン氷から氷削りまたは氷掻取りにより生成されてなるオゾン氷スラリー
本実施形態のオゾン氷スラリーは、上記した本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷から、(a)ハーベスト法にて剥離させた氷を氷削装置を用いて削り取り、オゾン氷スラリーを生成してなるもの、または掻き取り法にて氷掻取装置を用いて掻き取り、オゾン氷スラリーを生成してなるものであってもよい。詳しい製造方法については、後述するが、いずれの方法も、生成されたオゾン氷(溶解オゾン及びオゾン気泡を含む)から削り取るか、あるいか掻き取ることで、オゾン氷スラリーを生成することができる点で、簡単に生成でき、添加剤を含まず添加剤に要するコストが不要であり、また溶解後は水になるため、後処理(洗浄、回収等)も不要である点で優れている。
(4)使用用途
本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷スラリーや上記混合氷スラリーの使用用途は、主に生鮮食品の鮮度保持のための保冷効果及び殺菌・脱臭作用にある。本発明の高い氷の気体含有率を有するオゾン氷スラリーや上記混合氷スラリーは、流動性がよく、熱負荷追従性がよく、鮮魚などに隙間無くオゾン氷スラリーを行き渡らせることができる。該オゾン氷スラリーを使用し得る生鮮食品としては、特に制限がなく、例えば、生鮮魚貝類、生鮮野菜・果物(特に皮の厚いキュウリ、トマト、スイカ、メロン等には直接適用可能である(一方、皮の厚くない場合には野菜・果物(例えば、葉野菜や桃や葡萄など)が水に濡れて痛みやすくなるのを防ぐ目的で気体(特にオゾンガス)透過性フィルム等で包装して使用するのがよい。この場合、オゾン氷スラリーの気泡に含まれるオゾンガスのみが有効に作用することになる。)、生肉(この場合も生肉、例えば、牛肉等が水に濡れて痛みやすくなるのを防ぐ目的で気体(特にオゾンガス)透過性フィルム(ラップフィルム)等で包装して使用するのがよい。この場合にも、オゾン氷スラリーの気泡に含まれるオゾンガスのみが有効に作用することになる。)などが挙げられる。
また、オゾン氷スラリーでは、ポンプ輸送が可能な為、離れた場所(製造箇所と使用箇所)を輸送することができる点で優れている。
(5)利用する製造装置、及び製造方法
また、本発明の高い気泡含有のオゾン氷またはオゾン氷スラリーは、以下に示す製造装置を用い、以下に示す製造方法を利用して、製氷または製氷スラリー化されてなる気泡含有のオゾン氷またはオゾン氷スラリーであって、該オゾン氷またはオゾン氷スラリーの気泡含有率(体積割合)が6体積%より高いことを特徴とするものである。以下にその製造装置および製造方法を説明する。
[II]オゾン氷の製造装置
本発明のオゾン氷の製造装置は、オゾン原料部と、
該オゾン原料部から供給されるオゾン原料からオゾンを発生させるオゾン発生装置と、
該オゾン発生装置で発生されたオゾン含有気体(酸素+オゾン)と、水槽から循環されるオゾン水および/または外部から供給される水とから、マイクロバブル混入水を生成させるマイクロバブル混入装置と、
冷却部材の冷却面(製氷面)下にマイクロバブルを捕捉し得るように、前記マイクロバブル混入装置で生成されたマイクロバブル混入水を供給する配管先端部と、前記冷却部材と、が槽内部に配置された水槽と、
少なくとも前記冷却部材の冷却面を冷却し得るように、前記冷却部材内部の循環流路に冷媒を循環させる冷媒循環装置(冷却装置)と、
前記水槽内に供給されたマイクロバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した(オゾン+酸素)成分を水槽内から系外に排気するための排気管および/または前記マイクロバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した(オゾン+酸素)成分を水槽内から前記オゾン発生装置に供給するための供給管と、
を有する事を特徴とするものである。
本発明に係るオゾン氷の製造装置では、加圧する容器が必要ないので、小型化かつ高効率化が可能なオゾン氷生成装置の開発が可能となる。更に、本発明によって提案するオゾン氷の製造装置は、ガス溶解度の影響を受けにくいため、あらゆるガスを氷中内に封入可能であり、他の用途での利用も期待できる。
以下、図面を用いて本発明のオゾン氷の製造装置の代表的な実施形態につき説明する。
図1は、本発明に係るオゾン氷の製造装置の代表的な一実施形態を模式的に表した概略図面であって、冷却部材として平板状の冷却部材を備えた装置である。以下、図1の本実施形態のオゾン氷の製造装置につき、主要な構成要件を中心に詳しく説明する。
(1)オゾン原料部11
図1に示すように、本実施形態のオゾン氷の製造装置10は、まずオゾン原料部11を有する。
ここで、本発明では該オゾン原料部11としては、特に制限されるものではなく、オゾン発生装置15のオゾンガスの発生方式に応じて、例えば、放電式(酸素を利用;図1の例)や紫外線ランプ式の場合には、酸素ボンベ(図1の例)、酸素製造装置等の酸素貯蔵部を利用することができる。上記酸素製造装置としては、特に制限されるものではなく、例えば、空気等の酸素含有ガスから酸素のみを選択的に透過する酸素透過膜を備えた酸素分離回収装置、水の電気分解により発生する酸素を用いる酸素発生装置などを用いることができる。比較的安価かつ省スペース化が可能な酸素ボンベを用いるのが便利であるが、連続的に大量生産する場合には、適当な酸素製造装置を用いいてもよい。
オゾン発生装置15のオゾンガスの発生方式が電解式の場合には、オゾン発生原料部11として、貯水槽などの水貯蔵部あるいは水道(水道水)を利用することができる。
(2)オゾン発生装置15
次に、本実施形態のオゾン氷の製造装置10では、前記オゾン原料部11の1種である酸素貯蔵部(酸素ボンベ)から配管13を通じて供給されるオゾン原料(酸素)からオゾンを発生させるオゾン発生装置15を有する。
ここで、配管13としては特に制限されないが、例えば、オゾン原料部11である酸素貯蔵部に高圧酸素ボンベを用いる場合には、耐圧性に優れ、少なくとも配管内面がオゾン及び酸素に対し不活性な材料を用いるのが望ましい。なお、オゾン原料部11に水貯蔵部や水道水を用いる場合には特に制限されるものではなく、軽量で耐食性などに優れる各種樹脂製(例えば、塩化ビニル製)配管などを用いてもよいし、耐食可能を施した強度に優れる金属製(SUS製)配管のいずれを用いてもよい。
尚、使用用途によっては、オゾン原料部11を大気雰囲気=空気(酸素含有気体)として、配管13を介することなく、空気(酸素含有気体)をそのままオゾン発生装置15に供給してオゾンを発生させてもよい。本実施形態のオゾン氷の製造装置10では既存の製造装置に比して極めて高い気体含有率(5〜10倍程度)を有することができる。その結果、空気中の酸素からオゾンを発生させた場合であっても所期の目的を達成することができるためである。
上記オゾン発生装置15としては、特に制限されるものではなく、オゾンガスの発生方式で大別すると、放電式(酸素を利用)、電解式(水を利用)、紫外線ランプ式のいずれを用いてもよい。また既に市販の各方式の各種オゾン発生装置を用いることができ、使用用途やオゾン発生量などに応じて適宜決定すればよい。
オゾン発生装置15で発生されたオゾン含有気体(=オゾン+酸素)中のオゾン濃度(オゾンの生成量)は、オゾン発生装置15の種類(方式)や性能や使用条件などにより異なるが、供給酸素に対して2.5体積%、5.0体積%、7.5体積%(いずれも製品カタログ値)程度である。以下の各種実験では、オゾン発生装置15で発生されたオゾン含有気中のオゾン濃度が、供給酸素に対して7.5体積%(製品カタログ値)の装置を用いて行った。但し、本実施形態の装置10では、該マイクロバブル混入水中のマイクロバブルがガス化した成分(オゾン+酸素)を水槽33から前記オゾン発生装置15に配管39を通じて供給(再利用)する場合もあり、そうした場合には、上記したオゾン濃度よりも高い濃度のオゾンガスを生成することができる。
(3)マイクロバブル混入装置23
次に、本実施形態のオゾン氷の製造装置10では、前記オゾン発生装置15から配管17を通じて供給されるオゾン含有気体(=オゾン+酸素)と、水槽33から配管19を通じて供給(循環)されるオゾン水および/または外部から配管21を通じて供給される水とから、マイクロバブル混入水を生成させるマイクロバブル混入装置23を有する。
ここで、マイクロバブル混入装置23としては、特に制限されるものではなく、例えば、マイクロバブル発生方式として、加圧溶解式(図1の例)、気液混合せん断式、超音波を利用する方式、SPG(シラス多孔質)を利用する方式などを利用する装置等が挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。後述する実験例に示すように、マイクロバブル混入装置23として、加圧溶解式を用いた場合と、気液混合せん断式を用いた場合とで、マイクロバブルの特性に大きな差はなく、気液混合せん断式でも十分に同様な結果が得られる。さらに気液混合せん断式では、マイクロバブル29がせん断による発生する静電気により、より帯電し易くなると考えられ、よって、電圧印加でマイクロバブル29の割合を増加させるのにはより効果的である点で優れている。
これらのマイクロバブル混入装置23を用いることで、オゾンの水への溶解度は、装置構成や条件などによっても異なるが、本実施形態の装置構成を考慮すると、本実施形態の装置10で得られたオゾン水(マイクロバブル混入水)のオゾン濃度(溶解度)は、飽和濃度といえる。
また、マイクロバブル混入装置23である加圧溶解式装置(図1の例)で得られるマイクロバブル混入水中のマイクロバブル内のオゾン濃度(平均値)については、後述する製造方法において説明する。
マイクロバブル混入装置23である加圧溶解式装置(図1の例)で得られるマイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の含有(混入)量についても、後述する製造方法において説明する。
また、マイクロバブル混入装置23である加圧溶解式装置(図1の例)で得られるマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布は、10μm〜100μm(製品カタログ値及び実測地)の範囲である。該マイクロバブル径およびその平均値の測定方法は、レーザー回折散乱法などを用いることができる。ただし、水中のマイクロバブルは、経時的に粒子同士が結合して合一していくため、非常に計測が困難であるため、本発明では、市販のマイクロバブルの測定装置のカタログ値(算出方法)を基づき、実測し規定したものである。
即ち、本発明では、前記マイクロバブル混入装置で生成されたマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径が10〜100μm、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmであり、尚且つ該マイクロバブル径の平均値が好ましくは10〜30μm、より好ましくは15〜25μm、特に好ましくは20μm程度である。マイクロバブル径が100μmの範囲を超えて大きくなる場合、製氷時にオゾン氷に取り込まれる気泡サイズが大きくなりすぎ、保冷及び殺菌・脱臭を行う際に、大きな気泡が弾けることで、一度に大量のオゾンガスが大気開放されてしまう。そのため、微小気泡が徐々に弾ける場合の除放効果による長期の保冷及び殺菌・脱臭作用が得られにくくなる恐れがある。一方、マイクロバブル径を10μmより小さくすることは装置の性能上困難である。但し、本発明の作用効果を損なわない範囲内であれば、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル径及びその平均値が上記範囲を外れる範囲であっても本発明の技術範囲に含まれ得るものである。
また、配管17としては、特に制限されるものではなく、酸素+オゾンに対し不活性な材料を用いればよく、一般的な樹脂製の配管などを利用することができる。また、配管19としては、特に制限されるものではなく、オゾン水に対し不活性な材料を用いればよく、一般的な樹脂製の配管などを利用することができる。更に、配管21としては、特に制限されるものではなく、水、例えば、水道水に対し不活性な材料を用いればよく、一般的な樹脂製の配管などを利用することができる。
なお、水槽33から配管19を通じて供給されるオゾン水および/または外部から配管21を通じて供給される水としたのは、装置を連続稼動させる場合には、定期的にオゾン氷39として取り出される水量に見合う水を、外部から配管21を通じて供給する必要があるためである。一方、オゾン氷39を製氷する間は、水槽33に必要量の水が満たされた状態から製氷装置(例えば、冷媒循環装置37)を稼動するため、外部からの水の補充は必要なく、むしろ水槽33から配管19を通じてオゾン水を供給し、循環されるのが望ましい。これは、上記したようにオゾン半減期が水中では十分程度であり、1つのオゾン氷の作製時間を40分間(実施例参照)とする場合、こうした循環なく水槽33中のオゾン水31を用いてオゾン氷39を作製する場合、徐々にオゾン水39中のオゾンが分解しオゾン水31のオゾン濃度が低下する為、水槽33中のオゾン水31を循環して、新たなマイクロバブル混入水を生成し、供給するのが望ましいためである。一方、オゾン含有マイクロバブル29に関しては、気体中のオゾンの半減期が数時間〜数十時間と長く、せっかく冷却部材27の冷却面(製氷面、伝熱面)27aに補足したオゾン含有マイクロバブル29を抜き取る必要がない。そのため、図1や図2A2〜図2G2に示すように、マイクロバブル混入水の供給サイドとは反対側(最も離れた位置)の水槽33の下部からオゾン含有マイクロバブル29が混入しないオゾン水31を抜き出して、再生させるべく、マイクロバブル混入装置23に供給し、飽和濃度のオゾン水(マイクロバブル混入水)に再生して、水槽33に戻すようにするのが望ましい。なお、オゾン氷39の溶存オゾンの半減期もオゾン水31中のオゾンの半減期よりも長く、オゾン氷39中に取り込むことで、長期間、保冷及び殺菌・消臭効果を発現させることができるものいえる。
(3a)塩素除去装置47
本実施形態のオゾン氷の製造装置10では、前記マイクロバブル混入装置23に水槽33から循環される水を供給する配管19の経路上および/または外部から水を供給する配管21の経路上に塩素除去装置47を設置してなるのが望ましい。図1では、配管21の経路上に塩素除去装置47を設けた例を示す。
上記塩素除去装置47は、とりわけ塩素を含む水道水を用いてオゾン氷39を製氷する場合に有効である。水道水を利用する場合、蒸留水を使用した場合に比べてコスト削減効果が大きく有利である。さらに、水道水からの塩素除去により、溶存オゾン及び気泡含有マイクロバブル29中のオゾン量、さらにはマイクロバルブ2量自身の増加効果が得られる(図13参照)。
したがって、本製造装置10の稼動開始当初から水槽33に必要量のオゾン水31が満たされるまでは、外部から水道水を供給する配管21経路を通じてマイクロバブル混入装置23を経て水槽33に必要量の水(オゾン水)を供給される。そのため、配管21の経路上に塩素除去装置47を設置することで、効果的に塩素を取り除くことができ、該塩素によりオゾンの分解を極めて有効に防止することができるものであえる。
一方、水槽33に必要量の水(オゾン水)を供給された後、当該配管21経路からの水道水の供給を停止し、水槽33からオゾン水を供給する配管19経路を通じてマイクロバブル混入装置23にオゾン水を供給し、混入装置23で得られたマイクロバブル混合水を水槽33に供給し、循環される。この際に、配管21経路を通じて供給された水道水中の塩素が配管21の経路上の塩素除去装置47で完全に除去し切れていない場合に限り、配管19の経路上にも塩素除去装置(図示せず)を設置することで、オゾン水にわずかに残留する塩素を分解するのに有効に機能し得るものである。
前記水中の塩素を除去し得る塩素除去装置47としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜利用することができる。具体的には、紫外線照射装置、中空糸膜を用いた浄水装置、活性炭やゼオライトを充填した装置などを利用することができる。但し、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
(4)水槽33
次に本実施形態のオゾン氷の製造装置10では、冷却部材27の冷却面下27aに該マイクロバブル29を捕捉し得るように、前記マイクロバブル混入装置23で生成されたマイクロバブル混入水を供給する配管先端部25aと、前記冷却部材27とが槽内部に配置された水槽33を有する。
言い換えれば、(i)前記マイクロバブル混入装置23で生成されたマイクロバブル混入水を水槽33内に供給する配管25が設けられ、該配管25の先端部が水槽33内の下部であって、冷却部材27下方の冷却面(製氷面)27a下にマイクロバブル29を捕捉しやすい位置まで連通(貫通)して配置されており、(ii)前記冷却部材27下部の冷却面(製氷面)27a下に該マイクロバブル29を捕捉し得るように該冷却部材27が設置(配備)されてなる水槽33を有するともいえる。
ここで、配管25特に制限されるものではなく、オゾン水に対し不活性な材料を用いればよく、一般的な樹脂製の配管などを利用することができる。
ここで、冷却部材27下部の冷却面(製氷面)27a下とは、冷却部材27下部の冷却面(製氷面)27aの直下(製氷初期)のほか、図1、図2A2、図2A3、図2B2、図2C2、図2D2、図2E2、図2F2、図2G2に示すように、製氷により冷却部材27下部の冷却面27aにオゾン氷39が生成することにより、該冷却面27a下のオゾン氷39を介した下側(下部ないし下方)であってもよい。
また、該バブル混入水の供給配管25の先端部25aと、前記冷却部材27とを、冷却部材27の冷却面27a下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、水槽33内部に配置することで、製氷時に冷却面27a下でオゾン氷39が徐々に成長(生成)していく過程で、オゾン氷39内にマイクロバブル29を効率よく取り込んで、幾つかのマイクロバブル29が結合した(成長した)大きさの気泡を多数含有することができるようにするためである。
また、配管25の先端部は、図1〜図2に示すように、水槽33内の下部であって、冷却部材27下部の冷却面(製氷面)27a下にマイクロバブル29を有効に捕捉しやすい位置まで貫通(連通)されてなる(伸長されている)のが望ましい。かかる構成により、配管25の先端部から供給されるマイクロバブル混入水の流れに沿って浮上(浮遊)しながら、冷却部材27下部の製氷面(冷却面)27a下に該マイクロバブル29を有効(=大量)に捕捉することができるためである(図10参照のこと)。したがって、配管25の先端部は、マイクロバブル混入水の流速(流量)や水槽の大きさ、冷却部材の構造、配置などに応じて最適な位置になるように、適宜、調整できるように、前後に伸縮自在で上下左右に曲げ伸ばし自在な構造とするのが望ましい。
また、水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給は、連続的または間欠的に行う(この点は、製造方法及び実施例で説明する)ことができるように、配管25上の適当な位置に開閉バルブないし流量調整バルブ等の各種バルブ(図示せず)やポンプ(図示せず)、さらにこれらを制御する為に必要な各種センサや計測部及び制御部を設けた制御機構)(システム)(いずれも図示せず)を設けてもよい。なお、これらの配管上の適当な位置への開閉バルブないし流量調整バルブ等の各種バルブ(図示せず)やポンプ(図示せず)、さらにこれらを制御する為に必要な各種センサや計測部及び制御部を設けた制御機構(システム)(いずれも図示せず)の設置は、他の配管や水槽、各種装置等にも設置し、装置全体の制御機構(システム)を構築するのが、装置の大型化、工業化(商業化)を図る上で有効である。
前記水槽33には、図1、図2A2、図2A3、図2B2、図2C2、図2D2、図2E2、図2F2、図2G2に示すように、冷却部材27下方の製氷面(冷却面)27a下に該マイクロバブル29を捕捉するように該冷却部材27が備えられてなるものである。更に、冷却部材27の配置は、図1、図2A2、図2A3、図2B2、図2C2、図2D2、図2E2、図2F2、図2G2に示すように、冷却部材27の冷却面が水槽33内の液面下になるように配置すればよい。
ここで、上記水槽33は、開閉ないし着脱自在な蓋部33aを有する密閉式の水槽を用いるのが好ましい。但し、上部が開放(開口)系の水槽を用いてもよいなど、本発明の作用効果を損なわない範囲であれば、特に制限されるものではない。
なお、製氷開始前の水槽33に必要量のオゾン水31を貯えるには、外部からオゾン水を事前に供給しておいてもよいが、本製造装置10を利用して貯えるのが望ましい。例えば、前記オゾン原料部11と、該オゾン原料部11から供給される原料からオゾンを発生させるオゾン発生装置15と、該オゾン発生装置15で発生されたオゾン含有気体と、外部から供給される水とから、マイクロバブル混入水を生成させるマイクロバブル混入装置23とを用いて、マイクロバブル混入水を水槽33に供給し、必要量のオゾン水31を確保すると同時に製氷の作製を進めるのが望ましいと言える。必要量のオゾン水が確保できたら、上記したように水槽33からオゾン水を再生すべくマイクロバブル混入装置23に供給し、得られたマイクロバブル混入水を水槽33に供給(循環、再生)するのが望ましい。
(5)冷却部材27
上記水槽33には、冷却部材下方の製氷面(冷却面=伝熱面)27a下に該マイクロバブル29を捕捉するように、平板状の冷却部材27が水平(水平な液面に対して平行)に備えられてなるものである。
但し、本発明では、冷却部材27の形状、冷却面角度、材質などは、本発明の作用効果を損なわない範囲内であれば、特に制限されるものではなく、自由な形状、任意の角度に設置可能である。
(a)冷却部材27の(伝熱面の)形状
冷却部材27の形状としては、四角形(矩形)の平板状(図2A1)のほか、三角形、菱形、五角形、六角形などの任意の角形の平板状(いずれも下向き冷却)、円形、楕円形などの平板状(いずれも下向き冷却)、波板状(下向き冷却)、半球状(図2B1)等の球の表面から直径の1/2までの任意の深さで水平に切断した上部球体状(図2C1)(いずれも下向き冷却)、半円筒状(図2G1)、円筒状(図2D1)、断面が三角、四角等の任意角の筒状(内側に氷を生成)などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。例えば、図2E1に示すような三角屋根の形状(平板を側面が三角形になるように二つ折りしてなる形状)、図2F1に示すような湾曲させた平板状の形状など、本願発明の作用効果を損なわない範囲内であれば、冷却部材の冷却面下にマイクロバブルが捕捉し得るような形状であれば、如何なる形状であってもよい。
以下、本発明の冷却部材27の形状の具体的な例を図2に幾つか示す。即ち、図2は、本発明に用いられる冷却部材の代表的な実施形態を模式的に表した概略図である。
このうち、図2A1は、平板状の冷却部材27aの概略図である。図2A2は、平板状の冷却部材27aを水平(冷却部材の冷却面角度0°;下向き冷却)に水槽33に備えた状態を表す概略図である。図2A3は、平板状の冷却部材27aの冷却面角度10°(下向き冷却)に水槽33に備えた状態を表す概略図である。
図2B1は、半球状の冷却部材27bの概略図である。図2B2は、半球状の冷却部材27bを球切断面が水平な底面(下向き冷却、内側に氷を生成)となるように水槽33に備えた状態を表す概略図である。
図2C1は、球の表面から直径の1/3の深さで水平に切断して上部球体状の冷却部材27cの概略図である。図2C2は、上部球体状の冷却部材27cを球切断面が水平な底面(下向き冷却、内側に氷を生成)となるように水槽33に備えた状態を表す概略図である。
図2D1は、円筒状の冷却部材27dの概略図であり、図2D2は、円筒状の冷却部材27dを横向き(円筒中心軸が平行:内側に氷を生成)になるように水槽33に備えた状態を表す概略図である。但し、いずれの冷却部材もその内部の冷媒流路の図示は省略している。
図2E1は、三角屋根の形状(平板を側面が三角形になるように二つ折りしてなる形状)の冷却部材の概略図であり、図2E2は、(平板を側面が三角形になるように二つ折りしてなる形状)の冷却部材を三角屋根の頂頭部が上部(下向き冷却;内側に氷を生成)になるように水槽に備えた状態を表す概略図である。
図2F1は、湾曲させた平板状の冷却部材27dの概略図であり、図2F2は、湾曲させた平板状の冷却部材27dを湾曲した平板の逆U字状(下向き冷却、内側に氷を生成)にして水槽33に備えた状態を表す概略図である。
図2G1は、半円筒状の冷却部材27dの概略図であり、図2G2は、半円筒状の冷却部材27dを横向き(横端面を逆U字状とし半円筒中心軸が平行;下向き冷却、内側に氷を生成)になるように水槽33に備えた状態を表す概略図である。但し、図2A1〜図2G1のいずれの冷却部材27もその内部の冷媒流路の図示は省略している。
(b)平板状の冷却部材27の冷却面角度(伝熱面姿勢)
また、本発明の冷却部材27の冷却面角度も、本発明の作用効果を損なわない範囲内であれば、特に制限されるものではなく、任意の角度に設置可能である。
図3Aは、冷却部材として、平板状の冷却部材を水平(冷却面角度が0°=水平壁)とした冷却部材から該冷却部材を垂直(冷却面角度が90°=垂直壁)とした冷却部材まで冷却面角度(°)を変化させた際の氷内気泡含有率(体積%)の変化の様子を表す図面(グラフ)である。図3Bは、図3Aの冷却面角度が0°(水平壁)と90°(垂直壁)での氷の気泡補足率(%)の関係を表す図面(グラフ)である。
図4Aは、図3Aの冷却部材の冷却面角度が0°(水平壁)で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図4Bは、図4Aの氷の側断面(横断面)を横から撮影した写真を表す図面である。ここで、図4Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。
図5Aは、図3Aの冷却部材の冷却面角度が10°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図4Bは、図4Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図5Aの図面上部が10°傾けた際の下部側であり、図面下部が10°傾けた際の上部側である。図5Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。
図6Aは、図3Aの冷却部材の冷却面角度が15°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図6Bは、図6Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図6Aの図面上部が15°傾けた際の下部側であり、図面下部が15°傾けた際の上部側である。図6Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。
図7Aは、図3Aの冷却部材の冷却面角度が20°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図7Bは、図7Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図7Aの図面上部が20°傾けた際の下部側であり、図面下部が20°傾けた際の上部側である。図7Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。
図8Aは、図3Aの冷却部材の冷却面角度が25°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図8Bは、図8Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図8Aの図面上部が25°傾けた際の下部側であり、図面下部が25°傾けた際の上部側である。図8Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。
図9Aは、図3Aの冷却部材の冷却面角度が30°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図9Bは、図9Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図9Aの図面上部が30°傾けた際の下部側であり、図面下部が30°傾けた際の上部側である。図9Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。
図10Aは、図3Aの冷却部材の冷却面角度が45°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図10Bは、図10Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図10Aの図面上部が45°傾けた際の下部側であり、図面下部が45°傾けた際の上部側である。図10Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。
図11Aは、図3Aの冷却部材の冷却面角度が90°で生成された氷の平面(表面)を上方から撮影した写真を表す図面である。図11Bは、図11Aの氷の側面から撮影した写真を表す図面である。ここで、図11Aの図面上部が90°傾けた際の下部側であり、図面下部が90°傾けた際の上部側である。図11Bの図面上部が表面側であり、図面下部が冷却面(製氷面)側である。
上記図1〜図11(特に図3)より、本発明の平板状の冷却部材27の冷却面角度(伝熱面姿勢)は、好ましくは0°(水平)〜60°、好ましくは0°〜45°、より好ましくは10〜45°、特に好ましくは10〜15°の範囲である。図3Aより、冷却面角度が増加するに伴い、気泡含有率(体積%)が減少していくことがわかる。冷却面角度が0°のときが気泡含有率約28体積%であるのに対して、冷却面角度が90°では気泡含有率が7体積%程度である。ここで、冷却面角度とは、図2A2、図2A3、図2A4に示すように、平面(水平面)と平板状の冷却部材27の冷却面27aとがなす角度を言う。具体的には、図2A2に示すように平面(水平面)と水平な冷却面27aとがなす角度が0°の場合、冷却面角度0°である。図2A3に示すように平面(水平面)と冷却面27aとがなす角度が20°の場合、冷却面角度20°である。図2A4に示すように平面(水平面)と垂直な冷却面27aとがなす角度が90°の場合、冷却面角度90°である。なお、平板状の冷却部材27以外の形状の場合、例えば、図2B〜Gの冷却部材27でも冷却面27aの多く部分が0°(水平)〜60°の角度の範囲となるように配置するのが望ましいが、上記範囲を外れても冷却面27a下(近傍)にマイクロバブルを補足し得るものであれば特に制限されるものではない。
しかしながら、図4の冷却面角度が0°の氷の写真(図面)を見ると、表面に大きな穴があいており、その穴の影響で気泡含有率(体積%)の測定結果が上昇したと思われる。しかしながら、冷却面角を徐々に傾けていくと、図5〜8において示されるように、表面の大きな穴は次第に減少する傾向にある。
詳細に傾向を見ていくと、冷却面角度が10〜15°の場合は、冷却面角度が20°の場合に比べて、気泡含有率は大きく上昇する(図3参照)。冷却面角度が20〜45°では、気泡含有率は殆ど変化がなく、冷却面角度が90°では、冷却面角度が20〜45°の場合に比べて気泡含有率は、半分程度に低下する。なお、氷中の白い所が含有気泡である。よって、図3より、気泡含有率を考慮すると、冷却面角度は10〜15°が最適であるといえる。その角度での気泡含有率は22体積%程度である。この値は、これまで報告されてきた6体積%(特許文献1参照)の約4倍の大きさである。
なお、上記冷却面角度は、冷却部材27が平板状の例であり、他の三角形、五角形、六角形などの多角形状、円盤状、波板状等の形状の場合には、図3〜11に示す実験に沿った予備実験を行って、最適な冷却面角度を適宜決定すればよい。
また、半球状等の球の表面から直径の1/2までの任意の深さで水平に切断して上部球体状、円筒状、断面が三角、四角等の任意角の筒状の場合には、筒状本体を水平角度を0°としてその傾斜角度を変化させて、最適な傾斜角度を適宜決定すればよい。
なお、半球状等の球の表面から直径の1/2までの任意の深さで水平に切断して上部球体状、円筒状、断面が三角、四角等の任意角の筒状の場合には、図2D2に示すように、筒状本体を水平角度0°として設置した場合、円筒内部全体が冷却面(製氷面)となる為、上部側は、本発明のオゾン氷39、即ち、オゾン含有気泡と溶存オゾンとを有する氷となるが、下部側は、オゾン含有気泡は含まれない、溶存オゾンを有する氷39bとなり、本発明のオゾン氷39とはならない。
したがって、本発明の高い気泡含有率のオゾン氷がもっぱら必要な場合には、上部側のみを使用すればよい。この場合、筒状本体内部の上部にのみを冷却面(製氷面)とし、筒状本体内部の下部は冷却面(製氷面)とならないように、筒状本体内部に通じる冷媒流路を筒状本体内部の上部にのみ設けてもよい。
一方、本発明のオゾン氷と通常の氷を併用して利用するような場合には、上部側の本発明のオゾン氷39(オゾン含有気泡29aと溶存オゾンとを有する氷)と、下部側のオゾン含有気泡29aは含まれない、溶存オゾンのみを有する氷39bを通常の氷の代替として有効利用してもよい。この場合には、無駄になる氷が無く、内且つ下部側のオゾン氷39bも溶存オゾンを有するため、保冷と共にある程度の殺菌・脱臭効果があり、通常の氷を用いるよりも殺菌・脱臭効果に優れる。
(c)冷却部材27の(冷却面=伝熱面側の)材質
冷却部材27の材質としては、特に制限されるものではなく、銅、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼板(SUS)などが利用可能である。なかでも熱伝導性、展延性(加工性)に優れる銅などが有効に利用可能である。これは、冷却速度が速い方が、気泡を氷内に補足(含有)し易い。そのために熱伝導率の高い銅が好ましい。但し、銅の場合、表面にオゾンによる腐食を防止するために、無電解ニッケルメッキ等の熱伝導性、オゾン耐性に優れる皮膜を施すのがより望ましい。また、アルミニウム、鉄もメッキを施す必要がある。逆に熱伝導率は銅に比べて1/25程度であるが耐食性に優れるSUS等も連続生産するような場合には、メンテナンスや交換時期が遅くても良いので利用しやすいといえる。なお、冷却部材27全体を熱伝導性に優れる部材とする必要は必ずしもなく、例えば、図1では、冷却部材27の下半分(冷却面=伝熱面側)のみを熱伝導性に優れる部材とし、冷却部材27の上半分は、断熱性に優れる材料や熱を反射する材料として冷媒による冷却効果を高める構造としても良い。また、製氷後にオゾン氷を冷却部材27から簡単に剥がしやすいように、剥離性のよいポリマーフィルム等を熱伝導性に影響与えない程度の薄膜フィルムとして冷却部材27の冷却面=伝熱面側に被覆してもよい。
また、図2D1に示すような筒形状の冷却部材27では、上部の半円筒体27mと下部の半円筒体27nとを組み合わせた構造体を用いてもよい。かかる構造体27を用いる場合には、製氷により得られた本発明の高い気泡含有率のオゾン氷39と溶存オゾン含有のオゾン氷39bとを簡単に分離して素早く取り外すことができる点で優れている。また、得られた本発明の高い気泡含有率のオゾン氷39を簡単かつ素早く取り外すと言う点においては、図2B1や図2C1の球状の冷却部材27についても、右半分の球状部材27mと左半分の球状部材27nとを組み合わせた構造体を用いてもよい。また図2E1の三角屋根の形状冷却部材27についても、右半分の平板部材27mと左半分の平板部材27nとを組み合わせた構造体を用いてもよい。
(5a)電源装置47
本実施形態のオゾン氷の製造装置10では、前記冷却部材27に電圧を印加するための電源装置47を更に備えてなることが望ましい。これは、本発明で発生させるマイクロバブルは帯電しており、冷却部材27への電圧印加により、液面上に浮揚していたマイクロバブル29についても、冷却面27a下に電気的に引き付け補足した状態で保持しておくことができる(冷却面27a下でのバブル量が増加する)点で優れている。
前記電源装置47としては、特に制限されるものではなく、直流電源(図1の例)を用いることができるが、この他にも交流電源を用いてもよいし、交流から直流への変換を行う整流器またはコンバータを用いてもよいし、直流から交流への変換を行うインバータを用いてもよいし、直流電圧を変換するDC−DCコンバータを用いてもよいなど各種変電器等を用いることもできる。
冷却部材27に印加する電圧(好ましくは直流電圧)は、特に制限されるものではなく0Vを超える電圧値であればよいが、好ましくは50V以上、好ましくは100V以上、より好ましくは100〜300V、特に好ましくは200〜300Vの範囲である。印加電圧の大きさ等の条件によっては、冷却部材27の冷却面27aでのマイクロバブル量は30体積%程度まで増加させることができる(図12A参照)。また、平板状の冷却部材27を水平に設置した場合に、印加電圧の大きさ等の条件によって、水中の気泡濃度に対する氷の気泡含有率を110〜150%程度に高めることができる。一方、平板状の冷却部材27を垂直に設置した特許文献1の例では、印加電圧の大きさ等の条件によっても、水中の気泡濃度に対する氷の気泡含有率を30〜60体積%(オゾン氷の気体含有率6%)程度しかならず、冷却部材27への電圧印加による効果を何ら享受できない結果となる(図12B参照)。
(6)冷媒循環装置(冷却装置)37
次に本実施形態のオゾン氷の製造装置10では、少なくとも前記冷却部材27の冷却面27aを熱伝導効果を利用して冷却するために、前記冷却部材27内部の循環流路35に冷媒(図示せず)を循環させる冷媒循環装置(冷却装置)37を有する。但し、本発明では、上記実施形態に何ら制限されるものではない。
ここで、上記冷媒(ブライン;不凍液を含む)としては、下記冷却部材27の冷却面27aを下記に示す冷却温度域まで冷却できるものであれば、特に制限されるものではない。具体的には、エチレングルコール、エタノールなどのブライン、アンモニア、炭酸ガス、亜硫酸ガス、代替フロンなどの冷媒などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。該塩化物やエチレングルコール等の溶液(ブライン)では、その濃度を調節することにより凍結温度を調整することができ、冷却部材27の冷却面27aを下記に示す冷却温度域まで冷却できる。
上記冷媒(図示せず)を用いた冷却部材27の冷却面27aの冷却温度は、−6.8〜−13℃、より好ましくは−10〜−13℃の範囲である。該冷却温度が−6.8℃を超える高温の場合に所定の厚さに製氷するまでに長持間を要し、生産コストが高くなるほか、製氷速度の低下に伴う気泡の取り込み量が低下するなど望ましくない。一方、該冷却温度の下限値は特に制限されないが、−13℃より低温の場合には、使用できる冷媒が制限され、高価な冷媒を必要とし、ランニングコストも高くなる。
冷却部材27内部の循環流路35は、冷却部材27の熱伝導性が良いため、単純なU字型の循環流路で十分であるか、業務用や家庭用の冷蔵庫やエアコンなどの冷却部材のように複雑な波形状の循環流路などでもよいなど、本発明の作用効果に影響しない範囲内であれば、如何なる形状の循環流路であってもよい。また、循環経路35を冷却部材27とは異なる材料で形成してもよく、そうした場合でも、該循環経路35の材料には熱伝導性の高い材料を用いるのが良い。
冷媒循環装置(冷却装置)37としては、特に制限されるものではなく、例えば、往復動式圧縮機、ロータリー式圧縮機、振動式圧縮機、吸収式冷凍機、圧縮式冷凍機、蒸気圧縮式冷凍機などを用いることができる。但し、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
(7)排気管41および/または供給管43
次に本実施形態のオゾン氷の製造装置10では、前記水槽33内に供給されたマイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が水槽33の液面上に浮揚してガス化した成分(オゾン+酸素)を水槽33内から系外に排気するための排気管41および/または前記マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分(オゾン+酸素)を水槽33内から前記オゾン発生装置15に供給するための供給管43を有する。
前記排気管41としては特に制限されるものではなく、ガス化した成分(オゾン+酸素)に対し不活性な材料を用いればよく、一般的な樹脂製の配管などを利用することができる。また、排気管41の取り出し口は、図1に示すように水槽33の上部蓋体33aの上面側に設置するのが望ましいが、上部蓋体33aの側面(但し、液面よりも上方)に設置してもよい。
さらに該排気管41を設けることなく、密閉式の水槽33ではなく、上部蓋体33aのない水槽33上部を開放系(開口部)とすることで、自然排気させてもよい。
前記供給管43としては、特に制限されるものではなく、ガス化した成分(オゾン+酸素)に対し不活性な材料を用いればよく、一般的な樹脂製の配管などを利用することができる。また、供給管43の取り出し口は、図1に示すように水槽33の上部蓋体33aの上面側に設置するのが望ましいが、上部蓋体33aの側面(但し、液面よりも上方)に設置してもよい。
(7a)水分除去手段45
また、本実施形態のオゾン氷の製造装置10では、前記マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分(オゾン+酸素)中に水蒸気(水分)が含まれている場合がある。そうした場合には、前記オゾン発生装置15(特に放電式オゾン発生装置の場合)に前記ガス化した成分を供給する配管43の経路内に水分除去手段45を更に備えてなるのが望ましい。ガス化した成分中の水分除去後の再利用により、オゾン発生装置15からマイクロバブル混入装置23を経て得られるマイクロバブル混合水中の溶存オゾン濃度およびマイクロバブル内のオゾン濃度、更に該マイクロバブル量自身も増加し得る点で優れている。また、ガス化した成分中に水分(湿度)を含むオゾンは腐食性が高い為、マイクロバブル混入装置23内に供給する前に、できれば水槽から取り出した直後に水分除去を行うのが望ましい(図1の設置位置参照のこと)。
上記水分除去手段45としては、特に制限されるものではなく、従来公知の水分除去手段を適宜用いることができる。好ましくは、水分除去手段45として、(a)前記ガス化した成分の供給管43の経路の一部に、着脱自在な拡径した箇所43aを設け、当該拡径した箇所43に、該ガス化した成分を冷却、除湿(して水分除去)するためのペルチェ素子45aが配置されてなるのが望ましい。あるいは(b)供給管43内部に該ガス化した成分から水分を吸着除去するためのシリカゲル等の吸湿剤45bが充填されてなるのが望ましい。更に前記(a)、(b)を組み合せた構成として、(c)前記拡径した箇所43にペルチェ素子45aを配置し、更にその前方および/または後方の配管43内部にシリカゲル等の吸湿剤45bが充填されてなるものであってもよい。但し、本発明がこれらに何ら制限されるものではない。また、これら水分除去手段45は、1箇所に配置する場合に何ら制限されるものではなく、複数の箇所に多数設置しても良い。
[IIa]第1実施形態のオゾン氷スラリーの製造装置
本発明の第1実施形態のオゾン氷スラリーの製造装置は、[II]で上述したオゾン氷の製造装置10に、更に、オゾン氷スラリー化し得る添加剤の貯蔵部51と、該貯蔵部51からマイクロバブル混入装置23に、当該装置23に供給される水に対して所定の割合(体積比率)で前記添加剤を供給するために流量調整装置53を備えた供給経路(配管)55と、を備えてなることを特徴とするものである。かかる構成のオゾン氷スラリーの製造装置では、オゾン氷39を水溶液化することで、液温が下がりオゾン溶解度を増加させることができる。また、オゾン氷スラリー(39a)は流動性を有し、熱負荷追従性が良い。そのため、鮮魚などの形状に沿って隙間無くオゾン氷スラリー(39a)を充填(供給)することができ、保冷性および殺菌・消臭効果を格段に高めることができる。また熱負荷追従性がよく、生成食品の最適貯蔵ないし輸送温度に適合する温度域のオゾン氷スラリー(39a)を提供することができ、生成食品の鮮度保持効果を格段に高め、長期間安定して鮮度保持が可能となる。また、必要があれば、生鮮食品を急速冷凍(−18℃以下)に保存して鮮度保持する場合にも、当該熱負荷追従性がよく、例えば、前記添加剤として食品添加物の一種であるプロピレングリコール(PG)を用いる場合、該PGの初期濃度を25体積%以上にすることで−18℃以下の温度域での冷蔵が可能なオゾン氷スラリー(39a)を提供することができる。
(1)貯蔵部51
本実施形態のオゾン氷スラリーの製造装置10Aでは、オゾン氷をスラリー化し得る添加剤の貯蔵部51を有する。
該貯蔵部51では、オゾン氷をスラリー化し得る上記添加剤を適当な割合で、マイクロバブル混入装置51に供給できるように貯蔵し得るものであればよく、特に制限されるものではない。塩水を用いる場合には、塩水に対し耐腐食性を有する材料(例えば、ステンレス(SUS304)など)を用いるのが望ましい。
(a)添加剤
上記添加剤としては、オゾン氷スラリー化し得るものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、プロピレングリコール(PG)またはエタノールまたは所定濃度の塩水(好ましくは、オゾン氷スラリー中に塩分濃度を海水中の塩分の濃度になるように調整)等が挙げられる。ただし、これらに何ら制限されるものではない。
上記に例示した添加剤であるPGまたはエタノールまたは所定濃度の塩水はいずれも食品添加物であり、オゾン氷スラリー中に取り込まれた場合であっても、生鮮食品などの貯蔵や輸送時の保冷に問題なく利用することができる。また、2種以上の上記添加剤を適当に組み合わせて用いてもよい。
また、該添加剤の濃度の調整により、冷蔵温度(オゾン氷スラリー温度)を制御できる。例えば、PGでは初期濃度5体積%に調整することで、−4℃程度の温度域での冷蔵が可能なオゾン氷スラリーが製造可能であり、PG濃度を高めるにつれ、より低温での冷蔵が可能なオゾン氷スラリーが製造可能となる。例えば、PG初期濃度25体積%に調整することで、冷凍可能な−18℃程度の温度域での冷蔵(冷凍保存)が可能なオゾン氷スラリーが製造可能である。
また、所定濃度の塩水を用いたオゾン氷スラリーでは、氷スラリーが水溶液化した際に海水の濃度になるように調整しておくことで、特に海洋性の魚貝類の鮮度保持に適している。また塩水を用いたオゾン氷スラリーは、真水氷より優れた低温保持性能を持つ点で優れている。さらに、オゾン氷スラリーにすることで、上記の通り流動性が高くなり、高密度熱輸送が可能になる。また、魚一匹に対する接触面積が大きくなるので、魚を均一かつ急速に冷却できる。この事により、塩水を用いたオゾン氷スラリーは、魚の鮮度保持に適していると言える。特に海洋深層水は表層水に比べ腐敗菌が少なく、衛生的にも良好な塩水を用いたオゾン氷スラリーができる点で優れている。また海洋深層水の温度は年間を通じて8〜10℃、表層水は16〜25℃であり、温度差が大きく、深層水を製氷する場合、少ない電力量で製氷することができる点でも優れている。
上記したように、上記添加剤濃度は、一義的に規定するのは困難であり、本発明の作用効果を損なわない範囲内で、上記した添加剤ごとの特性を利用して、各用途に最適な濃度に適宜調整して用いればよい。各用途に最適な濃度は、予め予備実験などを行って最適値を求めておくのが望ましいと言える。
(2)流量調整装置53を備えた供給経路(配管)55
本発明の装置10では、前記貯蔵部51からマイクロバブル混入装置23に、当該装置23に供給される水に対して所定の割合で前記添加剤を供給するために流量調整装置53を備えた供給経路(配管)55を有する。
上記流量調整装置53としては、特に制限されるものではなく、例えば、流量調整バルブなどを例示することができるが、これらになんら制限されるものではない。
上記給経路(配管)55としても、特に制限されるものではなく、添加剤の種類に応じて耐食性のある材料を適宜選択して用いればよい。なお、添加剤のマイクロバブル混入装置23への供給は、スラリー作製初期に外部から配管21を通じて水(水道水)が供給されている間に、当該水に対して所定の濃度になるように素早く行なう(完了する)のが望ましく、その後、必要量のオゾン水を貯えた水槽33から配管19を通じて供給される所定濃度に調整された添加剤含有オゾン水に対しては、更に添加剤を供給しなくてもよいように調整するのが、均質なオゾン氷スラリーの製氷に適している。但し、エタノールなど製造中にマイクロバブル29と共にガス化し易い添加剤の場合には、ガス化による減少分を配管19を通じて供給される所定濃度に調整された添加剤含有オゾン水に対して適時適量の添加剤を供給するようにしてもよい。
[IIb]第2実施形態のオゾン氷スラリーの製造装置
本発明の第2実施形態のオゾン氷スラリーの製造装置は、[II]で上述したオゾン氷の製造装置10に、更に冷却部材27の冷却面27a上に生成されたオゾン氷39を、(a)ハーベスト法にて剥離させた氷を削り取る氷削装置、または(b)掻き取り法にて掻き取る装置(図示せず)を備えてなることを特徴とするものである。
熱媒剥離法(ハーベスト法)とは、冷却部材27に循環させていた冷媒を熱媒に換えて、冷却部材27の冷却面27aからオゾン氷を剥離させる方法である。
該熱媒剥離法(ハーベスト法)にて剥離させた氷を削り取る氷削装置としては、特に宣言されるものではなく、例えば、氷削機、カッター、鉋刃(いずれも平板状の冷却部材27の冷却面27a上に生成されたオゾン氷39削り取るのに有効)、ローター(円筒状の冷却部材27の冷却面27a上に生成したオゾン氷を削り取るのに有効)などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。
掻き取り法にて掻き取る装置、例えば、回転羽板、羽根を持つロッド、オーガーと呼ばれるスクリューなどの回転体(円筒状の冷却部材27の冷却面27a上に生成したオゾン氷を掻き取るのに有効)などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。
[III]オゾン氷の製造方法
本発明のオゾン氷の製造方法は、上記した[II]本発明のオゾン氷の製造装置を利用して、所望のオゾン氷を製造する方法である。そのため、本製造方法に用いる装置構成(更には製造条件の一部)については、既に、上記した[II]において詳しく説明しているため、ここでの説明は省略する。
本発明のオゾン氷の製造方法は、オゾン原料部から供給される原料をオゾン発生装置にてオゾンを発生させるオゾン発生段階と、
前記オゾン発生段階で発生されたオゾン含有気体と、水槽から供給される水および/または外部から供給される水とをマイクロバブル混入装置に導入して、マイクロバブル混入水を生成させるバブル混入水生成段階と、
前記バブル混入水生成段階で生成されたマイクロバブル混入水を、冷却部材の冷却面下にマイクロバブルが捕捉し得るように、該バブル混入水の供給配管の先端部と、前記冷却部材と、が槽内部に配置された水槽に供給するバブル混入水供給段階と、
前記バブル混入水供給段階により、冷却部材の冷却面側にマイクロバブルが捕捉された状態で、冷却部材内部の循環流路に冷媒循環装置より冷媒を循環させて、少なくとも該冷却部材の冷却面を冷却させ、該冷却面側に気泡を含有したオゾン氷を生成するためのオゾン氷生成段階と、
前記オゾン氷生成段階中に、水槽内に供給されたバブル混入水中のマイクロバブルがガス化した成分を水槽から系外に排気するための排気工程、および/または、該バブル混入水中のバブルがガス化した成分を前記オゾン発生装置に供給管を通じて供給するガス化成分の再利用工程と、
を有することを特徴とするものである。
本発明のオゾン氷の製造方法によれば、オゾン氷が容易および安価に製造可能なシステムが構築でき、食品の輸送及び貯蔵効率(コストを含む)が飛躍的に向上し、食品流通システムに大きな貢献をもたらすことができる。例えば、貯蔵・輸送可能期間が長くなるためトラックから鉄道への所謂「モーダルシフト」が図られる。また、冷凍から冷蔵へ転換することが可能な食品が増加することができる。加えて、食品工場や食品販売店で殺菌洗浄を次亜塩素酸ナトリウムなどの代替にオゾン氷を用いれば、廃水による環境負荷の著しい低減が可能となる。以上のように、輸送・貯蔵エネルギーの削減および従来の殺菌剤への代替などの観点から、本発明のオゾン氷及びその製造装置を用いた製造方法が環境に十分貢献できるためである。
以下、図1を用いて、オゾン氷の製造方法につき、各段階(工程)ごとに説明する。
(1)オゾン発生段階
まず、本発明のオゾン氷の製造方法では、オゾン原料部11から配管13を通じて供給される原料をオゾン発生装置15にてオゾンを発生させるオゾン発生段階を有する。
ここで、オゾン発生装置15として放電式(酸素を利用)の場合、オゾン原料部11から配管13を通じて供給される酸素量は、使用する水槽33の大きさ、冷却部材27の冷却面の大きさなどによっても異なるため、一義的に規定できない。但し、概ね、実施例で用いた水槽33容積が30L(リットル)に貯えたマイクロバブル混入水量20L、水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量5L/min、冷却部材27の冷却面27aの面積64cmの場合、オゾン原料部11からの供給酸素量は、0.44〜0.46L/minである。
上記オゾン発生段階(1)でのオゾン発生装置15で発生されたオゾン含有気体(=オゾン+酸素)中のオゾン濃度(オゾンの生成量)としては、オゾン発生装置15の種類(方式)や性能や使用条件、使用目的や用途などによっても異なるが、高ければ高いほど、殺菌・脱臭効果が高められる為好ましいと言える。具体的には、オゾン発生装置15として放電式(酸素を利用)の場合、供給酸素に対して2.5体積%以上、好ましくは2.5〜7.5体積%、好ましくは5.0体積%以上、より好ましくは7.5体積%程度とするのが望ましい。供給酸素に対して2.5体積%未満の場合には、生成されたオゾン氷のオゾン濃度が殺菌・脱臭に必要なオゾン濃度に達しない恐れがある。なお、7.5体積%を超えるオゾン濃度(オゾンの生成量)であっても、何ら問題なく利用可能であるが、連続的に生産可能なオゾン発生装置の高価かつ使用機種が大幅に制限され、また装置が大型化する傾向にあるため、製造コストやランニングコストが高くなる恐れがある。なお、放電式(酸素を利用)以外の方式のオゾン発生装置15を用いる場合でも、該オゾン発生装置15で発生されたオゾン含有気体中のオゾン濃度(オゾンの生成量)としては、上記放電式(酸素を利用)でのオゾン濃度(オゾンの生成量)と同様とするのが望ましい。以下の各種実験では、オゾン発生装置15で発生されたオゾン含有気中のオゾン濃度が、供給酸素に対して7.5体積%(製品カタログ値)の装置を用いて行った。該供給酸素に対するオゾン含有気体(=オゾン+酸素)中のオゾン濃度の測定方法は、KI法(JIS B7957で定められたヨウ化カリウム(KI)法)などを用いて計測できる。
但し、本オゾン発生段階では、該マイクロバブル混入水中のマイクロバブルがガス化した成分(オゾン+酸素)を水槽33から前記オゾン発生装置15に配管39を通じて供給(再利用)する場合もあり、そうした場合には、上記したオゾン濃度よりも高い濃度のオゾンガスを生成することができる。
(2)バブル混入水生成段階
次に、本発明のオゾン氷の製造方法では、前記オゾン発生段階のオゾン発生装置15で発生されたオゾン含有気体(=オゾン+酸素)と、水槽33から配管19を通じて供給(循環)される水および/または外部から配管21を通じて供給される水と、をマイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水を生成させるバブル混入水生成段階を有する。
マイクロバブル混入装置23に導入されるオゾン含有気体に対して供給される水の供給量は、本発明の作用効果を損なわない範囲内(所望の高い気泡含有率を有するオゾン氷を作成し得る範囲内)であれば、特に制限されるものもではない。オゾン含有気体に対して供給される水の供給量が上記範囲内であれば、得られるマイクロバブル混入水の溶存オゾン濃度を飽和濃度とすることができ、尚且つマイクロバブル混入水マイクロバブル29内のオゾン(ガス)濃度(平均値)を下記に示す好適な範囲内にコントロールすることができる。また、オゾン含有気体に対して供給される水の供給量が上記範囲内であれば、オゾン含有気体が過剰となることなく、水へのオゾン含有気体をマイクロサイズのバブル(気泡)として高分散させて混入させることが容易となる点でも優れている。さらに、オゾン含有気体に対して供給される水の供給量が上記範囲内であれば、小型のマイクロバブル混入装置23を利用することができ、装置10全体小型化が可能となり、生鮮食品の輸送機関である保冷機能付のトラックや貨物列車内部や国内及び海外航空貨物便や国内及び海外貨物船に設置することができ、輸送途中でも生鮮食品に常に一定量以上のオゾン氷を供給することができる点で優れている。
マイクロバブル混入装置23でのオゾンの水への溶解度は、装置構成や条件などによっても異なるが、本実施形態の装置構成を考慮すると、本実施形態の装置10で得られたマイクロバブル混入水の溶存オゾン濃度(オゾンの水への溶解度)(平均値)は、飽和濃度といえる。即ち、水にバルク状のオゾン含有気体を加えて溶解させる場合に比べて、本発明では、水にマイクロバブル状のオゾン含有気体を加えて溶解させるため、水とマイクロバブル表面との接触面積が格段に大きく、素早く飽和濃度にまで溶解させることができるものと言える。
また、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の含有率(体積%)(言い換えれば、水槽33のオゾン水31中のマイクロバブル29の含有量)(平均値)は、8〜11体積%である。マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の含有率(体積%)が8体積%以上であれば、上記した冷却部材27の冷却面27aの形状及ぶ配置等との組み合わせにより、本発明の高い気泡含有率を有するオゾン氷を製氷することができるものである。一方、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の含有率(体積%)が11体積%以下であれば、オゾン含有気体が過剰となり、配管25内を搬送中にマイクロバブル29同士が結合してバブルサイズの大型化することを抑制することができ、マイクロバブル混入水中に所望のサイズのマイクロサイズを高分散させて水槽内まで搬送、注入させることができ、本発明の高い気泡含有率を有するオゾン氷を製氷することが容易となる点で優れている。該マイクロバブル混入水中のマイクロバブルの含有率(体積%)の測定方法は、気泡の含有による体積増加量を測定する方法などを用いて計測することができる。
さらにマイクロバブル混入水中溶存オゾン濃度とマイクロバブル29内のオゾン(ガス)濃度の合計が1ppm以上、好ましくは1〜5ppm、より好ましくは5ppmである。但し、30ppm以上の高濃度であってもよいことは言うまでもない。マイクロバブル混入水中溶存オゾン濃度とのマイクロバブル29内のオゾン(ガス)濃度の合計が1〜5ppmであれば、製氷により得られる本発明の高い気泡含有率を有するオゾン氷に保冷性と共に高い殺菌・脱臭作用を長期間保持させる上で大いに有効かる効果的に貢献し得る。一方、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29内のオゾン(ガス)濃度の上限値は、特に制限されるものではなく、高ければ高いほど、製氷により得られる本発明の高い気泡含有率を有するオゾン氷に保冷性と共に高い殺菌・脱臭作用を長期間保持させる上で大いに有効かつ効果的である。但し、上記した装置構成上、放電式等のオゾン発生装置15の持つオゾン発生量(性能)には限界があり、こうしたオゾン発生装置15を使用する場合、溶存オゾン濃度とマイクロバブル混入水中のマイクロバブル29内のオゾン(ガス)濃度の合計は、現装置では、概ね30ppm以上である。但し、放電式等のオゾン発生装置15を多数併用したり大型化することで、得られるオゾン発生量も増加することができる。但し、装置の大型化を招き、設備コストやランニングコスト(生産コスト)が高くなるおそれがあり、使用目的に応じて、最適な規模のオゾン発生装置15を選択するのが望ましいと言える。
また、本発明の製造方法に用いることのできるマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布は、マイクロバブル混入装置23に加圧溶解式装置(図1Aの例)を用いる場合、10μm〜100μmの範囲である。該マイクロバブル径およびその平均値の測定方法は、レーザー回折散乱法などを用いることができる。
即ち、本発明の製造方法に用いることのできるマイクロバブル混入装置23で生成されたマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径は、10〜100μm、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
マイクロバブル径が100μmの範囲を超えて大きくなる場合、製氷時にオゾン氷に取り込まれる気泡サイズが大きくなりすぎ、保冷及び殺菌・脱臭を行う際に、大きな気泡が弾けることで、一度に大量のオゾンガスが大気開放されてしまう。そのため、微小気泡が徐々に弾ける場合の除放効果による長期の保冷及び殺菌・脱臭作用が得られにくくなる恐れがある。一方、マイクロバブル径を10μmより小さくすることは装置の性能上困難である。但し、本発明の作用効果を損なわない範囲内であれば、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル径及びその平均値が上記範囲を外れる範囲であっても本発明の技術範囲に含まれ得るものである。
本発明の製造方法でも、水槽33から配管19を通じて供給されるオゾン水および/または外部から配管21を通じて供給される水としたのは、装置を連続稼動させる場合には、定期的にオゾン氷39として取り出される水量に見合う水を、外部から配管21を通じて供給する必要があるためである。一方、オゾン氷39を製氷する間は、水槽33に必要量の水が満たされた状態から製氷装置(例えば、冷媒循環装置37)を稼動するため、外部からの水の補充は必要なく、むしろ水槽33から配管19を通じてオゾン水を供給し、循環されるのが望ましい。これは、上記したようにオゾン半減期が水中では十分程度であり、1つのオゾン氷の作製時間を40分間(実施例参照)とする場合、こうした循環なく水槽33中のオゾン水31を用いてオゾン氷39を作製する場合、徐々にオゾン水39中のオゾンが分解しオゾン水31のオゾン濃度が低下する為、水槽33中のオゾン水31を循環して、新たなマイクロバブル混入水を生成し、供給するのが望ましいためである。一方、オゾン含有マイクロバブル29に関しては、気体中のオゾンの半減期が数時間〜数十時間と長く、せっかく冷却部材27の冷却面(製氷面、伝熱面)27aに補足したオゾン含有マイクロバブル29を抜き取る必要がない。そのため、図1や図2A2〜図2G2に示すように、マイクロバブル混入水の供給サイドとは反対側(最も離れた位置)の水槽33の下部からオゾン含有マイクロバブル29が混入しないオゾン水31を抜き出して、再生させるべく、マイクロバブル混入装置23に供給し、飽和濃度のオゾン水(マイクロバブル混入水)に再生して、水槽33に戻すようにするのが望ましい。なお、オゾン氷39の溶存オゾンの半減期もオゾン水31中のオゾンの半減期よりも長いため、オゾン氷39中に取り込むことで、長期間、保冷及び殺菌・消臭効果を発現させることができるものいえる。
(2a)塩素除去工程
また、本発明の製造方法では、バブル混入水生成段階(2)において、前記オゾン発生装置15に水槽33から供給される水を供給する配管19の経路上および/または外部から供給される水を供給する配管21の経路上に設置された塩素除去装置49を用いて水中の塩素(塩素含有成分)除去を行う工程(塩素除去工程)を有するのが望ましい。
塩素除去工程では、とりわけ塩素を含む水道水を用いてオゾン氷39を製氷する場合に有効である。水道水を利用する場合、蒸留水を使用した場合に比べてコスト削減効果が大きく有利である。さらに、水道水からの塩素除去により、溶存オゾン及び気泡含有マイクロバブル29中のオゾン量、さらにはマイクロバルブ量自身の増加効果が得られるためである(図13参照)。なお、通常、水道水には、多くの残留塩素やトリハロメタンなどが含まれている。この残留塩素は、浄水場での殺菌に使用した塩素や、水道水が家庭の給水管に入るまでの間に細菌などが繁殖しないようにするための塩素が残ったものである。この残留塩素が、水道水を安全に保つと同時に、カラダにとってはとても危険な物質となっている。そのため、給水栓(=玄関の脇などにある、水道メーターのついているところ。各戸への水道の入り口。)における水は、遊離残留塩素(=水道水中に残っている、次亜塩素酸イオン(ClO))を0.1mg/リットル(結合残留塩素(=水道水中に残っている、クロラミン(NHClやNHClなど))の場合は、0.4mg/リットル)以上保持するように塩素消毒をすることになっている。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物もしくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は、0.2mg/リットル(結合残留塩素の場合は、1.5mg/リットル)以上とすることになっている。以上ことから、水道水に含まれる塩素とは、残留塩素のほか、遊離残留塩素、結合残留塩素等の他、トリハロメタン等を含むものとする。これは、トリハロメタンが、浄水場で塩素殺菌を行う際に発生する発ガン性物質であり、塩素由来物質である為である。水源が汚染されている場合、多くの塩素を投入することで、それだけ多くのトリハロメタンが発生する可能性が多くなること、またトリハロメタンも塩素と同様にオゾンと反応して無害化(オゾン消毒)できるが、その分、マイクロバブル混入水中のオゾン濃度が低下するため、マイクロバブル混入装置23の手前で除去するのが望ましい。
したがって、本発明の塩素除去工程では、装置10の稼動開始当初から水槽33に必要量のオゾン水31が満たされるまでは、外部から水道水を供給する配管21経路を通じてマイクロバブル混入装置23を経て水槽33に必要量の水(オゾン水)31を供給される。そのため、配管21の経路上に塩素除去装置49を設置することで、効果的に塩素を取り除くことができ、該塩素によりオゾンの分解を極めて有効に防止することができるものであえる。
一方、水槽33に必要量の水(オゾン水)を供給された後、当該配管21経路からの水道水の供給を停止し、水槽33からオゾン水を供給する配管19経路を通じてマイクロバブル混入装置23にオゾン水31を供給し、混入装置23で得られたマイクロバブル混合水を水槽33に供給し、循環される。この際に、配管21経路を通じて供給された水道水中の塩素が配管21の経路上の塩素除去装置49で完全に除去し切れていない場合に限り、配管19の経路上にも塩素除去装置(図示せず)を設置することで、オゾン水31にわずかに残留する塩素を分解するのに有効に機能し得るものである。
(3)バブル混入水供給段階
次に、本発明の製造方法では、前記バブル混入水生成段階(2)で生成されたマイクロバブル混入水を、連続的または間欠的に、冷却部材27の冷却面27a下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、該バブル混入水の供給配管25の先端部25aと、前記冷却部材27と、が槽内部に配置された水槽33に供給するバブル混入水供給段階を有する。
(a)マイクロバブル混入水の注入法
マイクロバブル混入水を、連続的に水槽33内に注入(供給)する場合には、間欠的に供給する場合に比して、含有オゾンマイクロバブル量が増加し、得られるオゾン氷39中への取り込み量の増加につながり、結果的に高い気泡含有率を有するオゾン氷39を形成できる点で優れている。一方、マイクロバブル混入水を、間欠的に水槽33内に注入(供給)する場合には、連続的に供給する場合に比して、マイクロバブル混入水の停止時間や停止時期を調整することで、高い気泡含有率を有するオゾン氷39中の含有バブル(気泡)径の制御が可能となる。その結果、使用用途に応じたオゾンガスの除放効果が得られるオゾン氷39を提供することができる。
(b)供給配管25の先端部25aと、前記冷却部材27の水槽33内部の配置
バブル混入水の供給配管25の先端部25aと、前記冷却部材27とを水槽33内部に配置して、図1、図2A2、図2A3、図2B2、図2C2、図2D2、図2E2、図2F2、図2G2に示すように、製氷時に、冷却部材27の冷却面27a下に大多数(水槽内中の略全量・略全数)のマイクロバブル29群を集中的に集めて(塊まった状態もしくは集合または集積または凝集した状態に)捕捉した状態を保持することにより、冷却面27a下でオゾン氷39が成長(生成)していく過程で、製氷面に常に大多数のマイクロバブル29郡が存在(集合)した状態を維持できる為、オゾン氷39内に大量のマイクロバブル29を効率よく取り込んで、幾つかのマイクロバブル29同士が結合した大きさの気泡を多数含有させることができる。
(b1)供給配管25の先端部25aの配置
そのため、上記配管25の先端部25aは、図1、図2A2、図2A3、図2B2、図2C2、図2D2、図2E2、図2F2、図2G2に示すように、水槽33内の下部であって、平板状の冷却部材27では、その冷却面(製氷面)27a下部(下側)に、また筒状の冷却部材27では、その冷却面(製氷面)27aの内側(内部)にマイクロバブル29を有効に捕捉しやすい位置まで貫通(連通)されてなる(伸長されている)のが望ましい。かかる構成により、配管25の先端部から供給されるマイクロバブル混入水の流れに沿って浮上(浮遊)しながら、冷却部材27下部の製氷面(冷却面)27a下側(または内側)に該マイクロバブル29を有効(=大量)に捕捉することができるためである(図1、図2参照のこと)。したがって、配管25の先端部25aは、マイクロバブル混入水の流速(流量)や水槽33の大きさ、冷却部材27の構造、配置などに応じて最適な位置になるように、適宜、調整できるように、前後方向に伸縮自在で、上下・左右方向に曲げ伸ばし自在な構造とするのが望ましい。
(b2)冷却部材27の配置
冷却部材27の配置は、図1、図2A2、図2A3、図2B2、図2C2、図2D2、図2E2、図2F2、図2G2に示すように、冷却部材27の冷却面が水槽33内の液面下になるように配置すればよい。
(b3)平板状の冷却部材27の冷却面角度(伝熱面姿勢)
上記図1〜図11(特に図3)より、本発明の平板状の冷却部材27の冷却面角度(伝熱面姿勢)は、好ましくは0°(水平)〜60°、好ましくは0°〜45°、より好ましくは10〜45°、特に好ましくは10〜15°の範囲である。図3Aより、冷却面角度が増加するに伴い、気泡含有率(体積%)が減少していくことがわかる。冷却面角度が0°のときが気泡含有率が約28体積%であるのに対して、冷却面角度が90°では気泡含有率が7体積%程度である。
しかしながら、図4の冷却面角度が0°の氷の写真(図面)を見ると、表面に大きな穴があいており、その穴の影響で気泡含有率(体積%)の測定結果が上昇したと思われる。しかしながら、冷却面角を徐々に傾けていくと、図5〜8において示されるように、表面の大きな穴は次第に減少する傾向にある。
詳細に傾向を見ていくと、冷却面角度が10〜15°の場合は、冷却面角度が20°の場合に比べて、気泡含有率は大きく上昇する(図3参照)。冷却面角度が20〜45°では、気泡含有率は殆ど変化がなく、冷却面角度が90°では、冷却面角度が20〜45°の場合に比べて気泡含有率は、半分程度に低下する。なお、氷中の白い所が含有気泡である。よって、図3より、気泡含有率を考慮すると、冷却面角度は10〜15°が最適であるといえる。その角度での気泡含有率は22体積%程度である。この値は、これまで報告されてきた6体積%(特許文献1参照)の約4倍の大きさである。
なお、上記冷却面角度は、冷却部材27が平板状の例であり、他の三角形、五角形、六角形などの多角形状、円盤状、波板状等の形状の場合には、図3〜11に示す実験に沿った予備実験を行って、最適な冷却面角度を適宜決定すればよい。
(c)マイクロバブル混入水の注入量
マイクロバブル混入水の注入量は、水槽33の大きさ、冷却部材27の形状、該冷却面(製氷面)27aの大きさや形状、製氷温度、製氷速度などから、マイクロバブル混入水により水槽33に注入される必要なマイクロバブル29の供給量が決まる。即ち、水槽33に備えられた却部材27の冷却面(製氷面)27aの下側(または内側)に、製氷速度により、単位時間当たりにオゾン氷39内部に取り込まれるマイクロバブル29の量が決まる為、それを補うだけのマイクロバブル29の量を供給(補充)すればよく、マイクロバブル29の供給量が決まる。そこで、こうしたマイクロバブル29の供給量を補充するのに必要なマイクロバブル混入水の注入量を適宜決定すればよい。即ち、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の量は任意に調節可能であるため、必要なマイクロバブル29の供給量が決まれば、適当なマイクロバブル混入水の注入量も自ずと決定し得るものである。大体の目安としては、水槽33へのマイクロバブル混入水の流量は、5L/minである。これは、オゾン水31を配管19を通じてマイクロバブル混入装置23へ供給する際の供給流量であり、更にマイクロバブル混入装置23から再び配管25を通じて水槽33への供給(循環)に至るマイクロバブル混入水の循環速度(供給流量)といえるものである。水槽33へのマイクロバブル混入水の流量が5L/min程度であれば、水槽33へのマイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の却部材27の冷却面(製氷面)27aの下側(または内側)への供給が十分であり、高い気泡含有率を有するオゾン氷を製法することができる。水槽33へのマイクロバブル混入水の流量が5L/min程度であれば、水槽33へのマイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が過剰となって、補足し切れずに液面上に浮揚しガス化してしまうマイクロバブル量を抑制でき、高い気泡含有率を有するオゾン氷を製法することができる。
(d)マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の量
ここで、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の量は、特に制限されるものではないが、現行装置では8〜11体積%である。但し、現行装置での上記範囲内に何ら制限されるものではなく、上記範囲外であっても本発明の作用効果を奏する事ができる範囲内であれば、本発明の技術範囲に含まれるものであることは言うまでもない。マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の量が現行装置で8体積%未満の場合には、マイクロバブル混入水の注入速度(=配管19からマイクロバブル混入装置23を経て配管25から水槽33への供給に至る循環速度全体)を高めて、必要なマイクロバブル29の供給量を補う必要があり、強力な循環装置(ポンプ)が必要となる他、マイクロバブル混入装置23への負荷が増大し、装置のメンテナンスや交換時期が早まる等のコストアップにつながるおそれがある。マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の量が現行装置で11体積%を超える場合には、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29量が大きく高密度化し、尚且つマイクロバブル混入水の注入速度(=配管19からマイクロバブル混入装置23を経て配管25から水槽33への供給に至る循環速度全体)が遅くなるため、配管25を緩やかに搬送される途中にマイクロバルブ29同士が結合して気泡サイズが大きくなるものが増加する恐れがある。また、大量のマイクロバルブ29を含む気液混合水を移送する必要上、強力な循環装置(ポンプ)が必要となる。マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29の量の測定方法が、気泡の含有による体積増加量の測定などにより計測することができる。
(4)オゾン氷生成段階
次に本発明の製造方法では、前記バブル混入水供給段階(3)により、冷却部材27の冷却面27の下側(または内側)にマイクロバブル29が捕捉された状態で、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より冷媒を循環させて、少なくとも該冷却部材27の冷却面27aを冷却させ、該冷却面27の下側(または内側)に気泡29aを含有したオゾン氷39を生成するためのオゾン氷生成段階を有する。
(a)冷却面27aの冷却に用いる冷媒
ここで、上記冷媒(ブライン;不凍液を含む)としては、下記冷却部材27の冷却面27aを下記に示す冷却温度域まで冷却できるものであれば、特に制限されるものではなく、上記製造装置で説明したものと同様のものが利用できる。具体的には、エチレングルコール、エタノールなどのブライン、アンモニア、炭酸ガス、亜硫酸ガス、代替フロンなどの冷媒などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。該塩化物の溶液(ブライン)では、その濃度を調節することにより凍結温度を調整することができ、冷却部材27の冷却面27aを下記に示す冷却温度域まで冷却できる。
(b)冷媒の温度
また、冷媒の温度は、−20〜−22℃の範囲である。該冷媒の温度が−20℃を超える高温の場合には、熱伝導性の良い銅製の冷却部材27を用いたとしても、所定の厚さに製氷するまでに長持間を要し、生産コストが高くなるほか、冷却面温度の上昇により冷却速度が低下し、その結果、気泡の取り込み量が低下するなど望ましくない。一方、該冷媒の温度の下限値は特に制限されないが、−22℃より低温の場合には、使用できる冷媒が制限され、高価な冷媒を必要とし、ランニングコストも高くなる。また、冷媒の粘性の低下による熱伝達率の低下などの問題がある。
(c)冷却部材27の冷却面27aの温度
冷媒を用いた冷却部材27の冷却面27aの温度は、−6.8〜−13℃、より好ましくは−10〜−13℃の範囲である。該冷却面27aの温度が−6.8℃を超える高温の場合に所定の厚さに製氷するまでに長持間を要し、生産コストが高くなるほか、製氷速度の減少に伴う気泡取り込み量の低下が生じるなど望ましくない。一方、該冷却面27aの温度の下限値は特に制限されない。冷却面27aの温度が低いほど、但し、−13℃より低温の場合には、使用できる冷媒の種類や冷却部材の種類が制限され、高価な冷媒を必要とし、また,ランニングコストも高くなる。
(4a)排気工程/再利用工程
本発明の製造方法では、前記オゾン氷生成段階(4)中に、水槽33内に供給されたバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から系外に排気管41通じて排気するための排気工程および/または該マイクロバブル混入水中のマイクロバブル9が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から前記オゾン発生装置15に配管19を通じて供給するガス化した成分の再利用工程を実施する。
(a)排気工程
排気工程では、水槽33内に供給されたバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から系外に排気管41通じて排気することで、密閉式の水槽33の内圧が上昇し、水槽33や各種配管の接合部などから液漏れしたりするのを防止するものである。かかる排気工程を実施することで、高圧(加圧)条件下で製氷を行う必要がなく、耐圧性の水槽(容器)や配管を用いる必要がなく小型で安価な装置を利用できる点で優れている。よって、本発明の排気工程では、排気管41を設けることなく、密閉式の水槽33ではなく、上部蓋体33aのない水槽33上部を開放系(開口部)とすることで、自然排気させてもよい。
但し、オゾンガスが含まれる為、作業環境が悪化し内容に排気管により、作業現場から離れた安全な地域に排気するのが望ましい。
(b)再利用工程
再利用工程では、水槽33内に供給されたマイクロバブル混入水中のマイクロバブル9が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から前記オゾン発生装置15に配管19を通じて供給することで、ガス化した成分の再利用(再生)を図ることができるものである。
更に本再利用工程でも、密閉式の水槽33の内圧が上昇し、水槽33や各種配管の接合部などから液漏れしたりするのを防止するものである。かかる再利用工程を実施することで、高圧(加圧)条件下で製氷を行う必要がなく、耐圧性の水槽(容器)や配管を用いる必要がなく小型で安価な装置を利用できる点で優れている。
(4b)水分除去工程
本発明の製造方法では、前記オゾン氷生成段階(4)中に、上記(4a)の再利用工程を実施する場合には、前記オゾン発生装置15にマイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が水槽33の液面上に浮揚してガス化した成分(オゾン+酸素)を供給する配管43経路内に設置した水分除去装置45を用いて、該ガス化した成分から水分除去を行う工程(水分除去工程)を併用するのが望ましい。
これは、前記マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分(オゾン+酸素)中に水蒸気(水分)が含まれている場合(ウエットガス)がある。そうした場合には、前記オゾン発生装置15(特に放電式オゾン発生装置の場合)に前記ガス化したウエットガス成分を供給する配管43の経路内に水分除去手段45を備えることで、こうした水分を効果的に除去し、ドライガス成分とすることができるものである。ガス化した成分中の水分除去後の再利用により、オゾン発生装置15に供給するガス化した成分(ドライガス成分)に対し、オゾン濃度を高めることができる。その結果、オゾン発生装置15からマイクロバブル混入装置23を経て得られるマイクロバブル混合水中の溶存オゾン濃度およびマイクロバブル内のオゾン濃度、更に該マイクロバブル量自身も増加し得る点で優れている。
(a)水分除去手段45
水分除去手段45としては、特に制限されるものではなく、本発明の製造装置[II]で説明したように、従来公知の水分除去手段を適宜用いることができる。これは湿度(水分)を含んだオゾンは非常に腐食性が高い為、オゾン発生装置15に戻す前に、好ましくは水槽から取り出し直後に水分除去を行い、腐食を防止するのが望ましい為である。好ましくは、水分除去手段45として、(a)前記ガス化した成分をオゾン発生装置15に供給する配管43経路の一部に、着脱自在な拡径した箇所43aを設け、当該拡径した箇所43に、該ガス化した成分を冷却、除湿(して水分除去)するためのペルチェ素子45aが配置されてなるのが望ましい。あるいは(b)供給管43内部に該ガス化した成分から水分を吸着除去するためのシリカゲル等の吸湿剤45bが充填されてなるのが望ましい。更に前記(a)、(b)を組み合せた構成として、(c)前記拡径した箇所43にペルチェ素子45aを配置し、更にその前方および/または後方の配管43内部にシリカゲル等の吸湿剤45bが充填されてなるものであってもよい。但し、本発明がこれらに何ら制限されるものではない。また、これら水分除去手段45は、1箇所に配置する場合に何ら制限されるものではなく、複数の箇所に多数設置しても良い。特に、定期的な交換が不要なペルチェ素子45aを適当に配置するのが望ましい。シリカゲル等の吸湿剤45bを充填する場合には、水分吸着により徐々に吸湿(水分除去)能が低下するため、オゾン発生装置15に供給するガス化した成分(ドライガス成分)中の水分含有率も経時的に変化するなど、定期的な交換が必要となり、ペルチェ素子に比して、オゾン発生装置15への負荷が発生するおそれがあり、また製造コストが僅かながら高くなる恐れがある。
(b)水分除去率
マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分(オゾン+酸素)中に水蒸気(水分)が含まれているウエットガスからの水分除去工程による水分除去率は、95〜99%、より好ましくは98〜99%である。言い換えれば、水分除去工程による水分除去後のドライガス中の水分含有率は、5%以下、より好ましくは1%以下である。水分含有量が高いほど、オゾン発生装置15の配管が腐食し易くなる。水分除去工程による水分除去後のドライガス中の水分含有率を5%以下にすることで、オゾン発生装置15に供給するガス化した成分(ドライガス成分)に対し、オゾン濃度を高めることができる。その結果、オゾン発生装置15からマイクロバブル混入装置23を経て得られるマイクロバブル混合水中の溶存オゾン濃度およびマイクロバブル内のオゾン濃度、更に該マイクロバブル量自身も増加し得る点で優れている。
(4c)電圧印加工程
本発明の製造方法では、前記オゾン氷生成段階(4)中に、前記冷却部材27に電源装置47を用いて電圧を印加する電圧印加工程を実施するのが望ましい。電圧印加の大きさ等の条件によっては、冷却部材27の冷却面27aでのマイクロバブル29の量は、50%以上増加させることができるためである(図12参照)。
(a)印加電圧
冷却部材27に印加する電圧(好ましくは直流電圧)は、特に制限されるものではなく、上記製造装置で説明したものと同様の電圧値を利用できる。具体的には、0Vを超える電圧値であればよいが、好ましくは50V以上、好ましくは100V以上、より好ましくは100〜300V、特に好ましくは200〜300Vの範囲である。印加電圧の大きさ等の条件によっては、冷却部材27の冷却面27aでのマイクロバブル量は30体積%程度まで増加させることができる(図12A参照)。なお、図12Aの縦軸の壁面(冷却面27a)での気泡の割合(体積%)の平均値は、実際に冷却部材27の冷却面27a下のマイクロバブル(気泡)をシリンジでとって、その中を画像で見て気泡を球体と過程して、画像解析処理して算出した値(サンプル数10回の平均値)を用いたものである。
また、平板状の冷却部材27を水平に設置した場合に、印加電圧の大きさ等の条件によって、水中の気泡濃度に対する氷の気泡含有率を110〜150%程度に高めることができる。一方、平板状の冷却部材27を垂直に設置した特許文献1の例では、印加電圧の大きさ等の条件によっても、水中の気泡濃度に対する氷の気泡含有率を30〜60体積%(オゾン氷の気体含有率6体積%)程度しかならず、冷却部材27への電圧印加による効果を何ら享受できない結果となる(図12B参照)。
なお、上記印加電圧は、製氷中、一定電圧値で実施してもよいし、上記範囲内であれば、製氷中、可変自在可能である。また、印加電圧は、製氷中、連続的に印加しても良いし、断続的(間欠的)に印加しても良い。
[IIIa]第1実施形態のオゾン氷スラリーの製造方法
本発明の第1実施形態のオゾン氷スラリーの製造方法は、[III]で上述した本発明のオゾン氷の製造方法に、更にオゾン氷スラリー化し得る添加剤の貯蔵部51からマイクロバブル混入装置23に流量調整装置(例えば、流量調整バルブ等)53を備えた供給経路(=配管55)を通じて、該混入装置23に供給される水の流量に対して所定の割合(体積比率)で前記添加剤を供給する段階を有することを特徴とするものである。
第1実施形態のオゾン氷スラリーの製造方法では、オゾン氷39を水溶液化することで、液温が下がりオゾン溶解度を増加させることができる。また、オゾン氷スラリー(39a)は流動性を有し、熱負荷追従性が良い。そのため、鮮魚などの形状に沿って隙間無くオゾン氷スラリー(39a)を充填(供給)することができ、保冷性および殺菌・消臭効果を格段に高めることができる。また熱負荷追従性がよく、生成食品の最適貯蔵ないし輸送温度に適合する温度域のオゾン氷スラリー(39a)を提供することができ、生成食品の鮮度保持効果を格段に高め、長期間安定して鮮度保持が可能となる。また、必要があれば、生鮮食品を急速冷凍(−18℃以下)に保存して鮮度保持する場合にも、当該熱負荷追従性がよく、例えば、前記添加剤としてプロピレングリコール(PG)を用いる場合、該PGの初期濃度を25体積%以上にすることで−18℃以下の温度域での冷蔵が可能なオゾン氷スラリー(39a)を提供することができる。
(1)オゾン氷スラリーの添加物
上記添加剤としては、オゾン氷スラリー化し得るものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、プロピレングリコール(PG)またはエタノールまたは所定濃度の塩水(好ましくは、オゾン氷スラリー39a中に塩分濃度を海水中の塩分の濃度になるように調整)等が挙げられる。ただし、これらに何ら制限されるものではない。上記に例示した添加剤であるPGまたはエタノールまたは所定濃度の塩水はいずれも食品添加物であり、オゾン氷スラリー39a中に取り込まれた場合であっても、生鮮食品などの貯蔵や輸送時の保冷に問題なく利用することができる。また、2種以上の上記添加剤を適当に組み合わせて用いてもよい。
(a)オゾン氷スラリーの添加物濃度
オゾン氷スラリーの添加物濃度、即ち、混入装置23に供給される水の流量に対する添加剤濃度(割合;体積比率)としては、5〜25体積%で、好ましくは15〜25体積%、より好ましくは20〜25体積%の範囲である。該添加物濃度が、25体積%であれば、通常の食品冷蔵に必要な−15〜−18℃程度まで幅広い温度域での食品の冷蔵が可能となる為である。なお、−18℃程度に冷蔵する場合、こうした食品は水分や油脂が凍結・凝固する程の低温にすることができ微生物の活動を抑え、長期間(社団法人日本冷凍食品協会によると−18℃以下であれば製造後1年程度)にわたって保存することもでき、長期の輸送・保存が実現できる点でも優れている。
なお、添加物が溶存したオゾン水溶液は、凍結に伴い氷部分から溶質(添加物)が水溶液中に排出されるので、生成される氷スラリー中の液(未凍結部)の濃度は添加物初期濃度より高くなる。
また、該添加剤の初期濃度の調整により、冷蔵温度(オゾン氷スラリー温度)を制御できる。例えば、PGでは初期濃度5体積%に調整することで、−4℃程度の温度域での冷蔵が可能なオゾン氷スラリー39aが製造可能であり、PG濃度を高めるにつれ、より低温での冷蔵が可能なオゾン氷スラリー39aが製造可能となる。例えば、PG初期濃度25体積%に調整することで、冷凍可能な−18℃程度の温度域での冷蔵(冷凍保存)が可能なオゾン氷スラリーが製造可能である。
また、所定濃度の塩水を用いたオゾン氷スラリーでは、氷スラリーが水溶液化した際に海水の濃度になるように調整しておくことで、特に海洋性の魚貝類の鮮度保持に適している。また塩水を用いたオゾン氷スラリーは、真水氷より優れた低温保持性能を持つ点で優れている。さらに、オゾン氷スラリーにすることで、上記の通り流動性が高くなり、高密度熱輸送が可能になる。また、魚一匹に対する接触面積が大きくなるので、魚を均一かつ急速に冷却できる。この事により、塩水を用いたオゾン氷スラリーは、魚の鮮度保持に適していると言える。特に海洋深層水は表層水に比べ腐敗菌が少なく、衛生的にも良好な塩水を用いたオゾン氷スラリーができる点で優れている。また海洋深層水の温度は年間を通じて8〜10℃、表層水は16〜25℃であり、温度差が大きく、深層水を製氷する場合、少ない電力量で製氷することができる点でも優れている。
上記したように、上記添加剤初期濃度は、一義的に規定するのは困難であり、本発明の作用効果を損なわない範囲内で、上記した添加剤ごとの特性を利用して、各用途に最適な濃度に適宜調整して用いればよい。各用途に最適な濃度は、予め予備実験などを行って最適値を求めておくのが望ましいと言える。
[IIIb]第2実施形態のオゾン氷スラリーの製造方法
本発明の第1実施形態のオゾン氷スラリーの製造方法は、[III]で上述した本発明のオゾン氷の製造方法に、更に冷却部材の冷却面上に生成されたオゾン氷を、(a)ハーベスト法にて剥離させた氷を氷削装置を用いて削り取り、スラリー化する段階、または掻き取り法にて氷掻取装置を用いて掻き取り、スラリー化する段階を有することを特徴とするものである。いずれの方法も、生成されたオゾン氷(溶解オゾン及びオゾン気泡を含む)から削り取るか、あるいは掻き取ることで、オゾン氷スラリーを生成することができる点で、簡単に生成でき、添加剤を含まず添加剤に要するコストが不要であり、また溶解後は水になるため、後処理(洗浄、回収等)も不要である点で優れている。
[V]高い氷の気体含有率(体積割合)を有する味と香りのある氷菓
本発明の味と香りのある氷菓は、上記した本発明の製造装置を用い、上記した本発明の製造方法を利用して、果汁または果汁濃縮還元液または無果汁飲料に、フレーバーのあるガスを注入して製氷または製氷スラリー化されてなる気泡含有の氷または氷スラリーからなる味と香りのある氷菓であって、該氷または氷スラリーの気泡含有率(体積割合)が6体積%より高いことを特徴とするものである。
本発明の高い氷の気体含有率(体積割合)を有する味と香りのある氷菓は、氷の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするものである。好ましくは、氷の気体含有率(体積割合)が7〜42体積%、より好ましくは8〜33体積%である。氷の気体含有率(体積割合)が6体積%未満の場合には、氷菓類のフレーバーのあるガスの含有率(気体含有率)が十分でなく、所望の味と香りのある氷菓としての有効期間が短く、さらに気泡による着色作用、氷の気体含有率(体積割合)を有する氷菓を食した際の口内で気泡が弾ける際の新食感が十分に得られない恐れがある。一方、本発明の味と香りのある氷菓は、フレーバーのあるガスの含有率(気体含有率)は高く、尚且つ氷から氷スラリー(シャベット)までのあらゆる形態を、上記[II][IIa][IIb]に示す製造装置を用いて、(例えば、図12Aに示すように冷却部材への電圧印加により、無印加時に比してさらに約1.5倍(=42体積%)以上の気体の含有が可能といえる。そのため、氷菓として、実際の果実の味と香りを実現できる。
[VI]高い氷の気体含有率(体積割合)を有する着色された氷菓
また、本発明の着色された氷菓は、上記した本発明の製造装置を用い、上記した本発明の製造方法を利用して、水または食品添加物による着色液に、色のついた(更にはフレーバーのある)ガスを注入して製氷または製氷スラリー化されてなる着色された気泡含有の氷または氷スラリーからなる着色された(更には香りのある)氷菓であって、該氷または氷スラリーの気泡含有率(体積割合)が6体積%より高いことを特徴とするものである。
本発明の高い氷の気体含有率(体積割合)を有する着色された(更には香りのある)氷菓は、氷の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするものである。好ましくは氷の気体含有率(体積割合)が7〜42体積%、より好ましくは8〜33体積%である。氷の気体含有率(体積割合)が6体積%未満の場合には、氷菓の色のついた(更にはフレーバーのある)ガスの含有率(気体含有率)が十分でなく、所望の色味に着色された氷菓の有効期間が短く、さらに気泡による所望の色味の着色作用(更には香りによる芳香作用)、氷の気体含有率(体積割合)を有する氷菓を食した際の口内で気泡が弾ける際の新食感が十分に得られない恐れがある。一方、本発明の着色された(更には香りのある)氷菓は、色のついた(更にはフレーバーのある)ガスの含有率(気体含有率)は高く、尚且つ氷から氷スラリー(シャベット)までのあらゆる形態を、上記[II][IIa][IIb]に示す製造装置を用いて、(例えば、図12Aに示すように冷却部材への電圧印加により、無印加時に比してさらに約1.5倍(=42体積%)以上の気体の含有が可能といえる。そのため、氷菓として、実際の果実の色味、更には香りを実現できる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実験例1;平板状の冷却部材の水平下面冷却→含有オゾン気泡含有割合の増加効果について)
本実験例1では、図1に示すオゾン氷の製造装置10を用いた製造方法において、平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面とした場合(図2A2;実施例1)と、垂直側面とした場合(図2A4;比較例1)とで、氷内の気泡含有割合を測定した。ここで、本実験例の実施例1及び比較例1では、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が30L(リットル)であった。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入水の量は、満水時20L(製氷により水量及び液面は低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は64cmのものを用いた。マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給されるオゾン水の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)は2.5〜3.0℃に低下していた。
(1)オゾン発生段階
まず、本実験例の実施例1及び比較例1では、オゾン発生段階(1)では、上記冷却部材27を上記図2A2または図2A4のように設置した装置10を用いて、まず、オゾン原料部(酸素ボンベ)11から配管13を通じて酸素供給量0.45L/min程度で供給される酸素を放電式のオゾン発生装置15にてオゾンを発生させた。
前記オゾン発生段階(1)で発生されたオゾン含有気体(=オゾン+酸素)中のオゾン濃度は、供給酸素に対して7.5体積%(カタログ値)であった。該供給酸素に対するオゾン含有気体(=オゾン+酸素)中のオゾン濃度の測定方法は、KI法を用いて計測できる。
(2)バブル混入水生成段階
次に、本実験例の実施例1及び比較例1では、バブル混入水生成段階(2)では、前記オゾン発生段階(1)で発生されたオゾン含有気体と、外部から配管21を通じて供給される水道水を、マイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水を生成させた。なお、マイクロバブル混入装置23には加圧溶解式装置を用いて行った。
また、本実験例では、水槽33に必要量のマイクロバブル混入水(オゾン水)が供給された時点で、外部から配管21を通じて供給していた水道水を停止すると共に、水槽33から配管19を通じて供給(循環)されるオゾン水をマイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水の生成を継続した。
ここで、マイクロバブル混入装置23に導入されるオゾン含有気体に対して供給される水の供給量は、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布が10μm〜100μmとなるように適当に調整して行った。
また、マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23で得られるマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布は、10μm〜100μmの範囲であり、該マイクロバブル径の平均値は20μmであった。該マイクロバブル径およびその平均値の測定方法は、レーザー回折散乱法を用いて計測できる。
また、該マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23を用いることで、マイクロバブル混入水中の溶存オゾン濃度(オゾンの水への溶解度)(平均値)は、飽和濃度であった。また、溶存オゾン濃度とマイクロバブル混入水中のマイクロバブル内のオゾン濃度の合計は、マイクロバブルの利用によるガス注入のために高い気泡含有率が実現でき、十分な気泡中のオゾン濃度が得られ、その合計濃度は、30ppm以上であった。該マイクロバブル混入水中のオゾン濃度の測定方法は、KI法を用いて計測できる。
また、マイクロバブル混入水中のマイクロバブルの含有率(体積%)は平均9.8体積%程度であった。該マイクロバブル混入水中のマイクロバブルの含有率(体積%)の測定方法は、気泡の含有による体積増加量の測定を用いて計測した。
(3)バブル混入水供給段階
(a)実施例1:平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面とした場合
実施例1のバブル混入水供給段階(3)では、前記バブル混入水生成段階(2)で生成されたマイクロバブル混入水を、平板状の冷却部材27の冷却面27aの水平下面下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、該バブル混入水の供給配管25の先端部25aと、前記冷却部材27とが図2A2に示す位置関係となるように槽内部に配置された水槽33に供給した。水槽33へのマイクロバブル混入水の流量は、5L/minとなるとうに調整して行った。
実施例1では、図2A2に示すように、平板状の冷却部材27を水平(冷却部材の冷却面角度0°;下向き冷却))に水槽33上部に設置した。特に図2A2に示すように、水槽33に必要量のマイクロバブル混入水が供給された時点で、冷却部材27の冷却面27aが常に水面下にあるように、平板状の冷却部材27の略下半分が水中に浸る位置に配置した。バブル混入水の供給配管25の先端部25aは、水槽33下方に内部に位置し、冷却面27aの水平下面下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、前後方向に伸縮ないし、上下・左右方向に曲げ伸ばして、位置調整を行った。
(b)比較例1:平板状の冷却部材27の冷却面27aを垂直横面とした場合
比較例1のバブル混入水供給段階(3)では、特許文献1等の既存の製造装置と同様に、容器(水槽)の内部に注入した水にマイクロバブルを混入するのに変えて、前記バブル混入水生成段階(2)で生成されたマイクロバブル混入水を注入し、容器(水槽33)の周囲から冷却する構成を模して実験を行った。具体的には、図2A4に示す位置関係となるように、水槽33内部に平板状の冷却部材27の冷却面角度が90°(=容器周囲からの冷却;横向き冷却)となるように水槽33内の周辺(側面)近傍に配置した水槽33に前記バブル混入水生成段階(2)で生成されたマイクロバブル混入水を、供給配管25の先端部25aより供給した。水槽33へのマイクロバブル混入水の流量は、5L/minとなるとうに調整して行った。
なお、バブル混入水の供給配管25の先端部25aは、平板状の冷却部材27を配置した水槽33側面と対峙する水槽33側面の下方内部に位置し、水槽33内部全体にマイクロバブル29が略均等(均一)に分散し得るように、前後方向に伸縮ないし、上下・左右方向に曲げ伸ばして、位置調整を行った。
(4)オゾン氷生成段階
(a)実施例1:平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面とした場合
前記バブル混入水供給段階(3)により、冷却部材27の冷却面27a下にマイクロバブルが捕捉された状態で、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より冷媒(ブライン)としてエチレングルコールを用い、該冷媒の温度を−20〜−22℃に調整して循環させて、該冷却部材27の冷却面27aを−13℃に冷却させて、製氷時間40分間として、該冷却面側に気泡を含有したオゾン氷を生成させた。
(b)比較例1:平板状の冷却部材27の冷却面27aを垂直横面とした場合
前記バブル混入水供給段階(3)により、水槽33内部全体にマイクロバブル29が略均等(均一)に分散された状態で、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より冷媒としてエチレングリコールを用い、該冷媒の温度を−20〜−22℃に調整して循環させて、該冷却部材27の冷却面27aを−6.8℃に冷却させて、製氷時間40分間として、該冷却面側に気泡を含有したオゾン氷を生成させた。
(4a)排気工程
本実験例の実施例1及び比較例1では、前記オゾン氷生成段階(4)中に、再利用工程として該マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から前記オゾン発生装置15に配管43を通じて供給することなく、排気工程として、水槽33内に供給されたバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から排気管41を通じて系外に排気させながら実験を行った。
実験例1の実施例1、比較例1でそれぞれ得られたオゾン氷39内の気泡含有率(体積%)を測定した結果を、図3Aの図面(グラフ)に示す。
図3Aより、冷却部材27の冷却面27aが垂直横面(垂直壁)より水平下面(水平壁)の方が2.5倍程度、オゾン氷39内の気泡含有率(割合)が大きいことが確認できた図3Aより、図1に示す製造装置10において、オゾン氷39の気泡含有率(割合)は水平下面(水平壁)で11体積%であり、先の特許文献1の約2倍、特許文献1中に従来技術として記載されていた技術を用いた場合の約4倍にオゾン(ガス)含有の気泡含有率の増加効果が顕著に得られることが確認できた。
(実験例2;平板状の冷却部材の冷却面角度による氷の気泡含有率について)
本実験例2でも、図1に示すオゾン氷の製造装置10を用いた製造方法において、冷却部材29として、平板状の冷却部材29を水平(冷却面角度が0°=水平壁)とした冷却部材29から、冷却面角度が10°、15°、20°、25°、30°、45°更には垂直(冷却面角度が90°=垂直壁)とした冷却部材29まで冷却面角度(°)を変化させた際のオゾン氷39内の気泡含有率(体積%)の変化の様子を測定した。その結果を図3Bに示すと共に、得られたオゾン氷の平面からの写真と側面(断面)からの写真を表した図面を図4〜図11に示した。ここで、本実験例でも、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が20L(リットル)のものを用いた。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入水の量は、満水時20L(製氷により水量及び液面低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は64cmのものを用いた。また、マイクロバブル混入装置23に外部から供給した水道水の温度は約20℃であった。一方、マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給されるオゾン水の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)は2.5〜3.0℃に低下していた。
なお、本実験例2では、実験例1の実験条件のうち、実験装置の冷却部材の冷却面の温度を−13℃(実施例1)及び−6.8℃(比較例1)としたものを、−7〜−13℃程度に変更した。ここで冷却面の温度に幅が生じるのは、冷却面角度の違いによる冷却面近傍の熱伝達率の変化のためである。
また、本実験例2では、オゾンガスマイクロバブルではなく、酸素ガスマイクロバブルを使用した。但し、冷却面角度が0°のときは、空気マイクロバブルを使用した。実験条件を下記表1に示す。本実施例では、予備実験として、酸素ガスマイクロバブル及び空気マイクロバブルを使用して、実験例1の実施例1及び比較例1の追実験を行った。その結果、実験例1の実施例1及び比較例1のオゾンガスマイクロバブルを使用した際のオゾン氷の気泡含有率(実施例1で11体積%、比較例1で6体積%)と、酸素ガスマイクロバブルを使用した際の酸素氷の気泡含有率(実施例1の追実験で11体積%、比較例1で追実験で6体積%)とで差異がない事を確認できたため、本実験例2では、簡易的に酸素ガスマイクロバブル及び空気マイクロバブルを使用したものである。但し、本実験例2では、冷却面角度が0°のとき空気を用い、マイクロバブル混入装置23へのガス流量(下記表1参照)を制限せずに実施したため、実施例1の追実験とはならず、大量ガス(空気)供給がなされた結果、図4に示すように、表面に大きな穴があいており、その穴の影響で気泡含有率の測定結果が上昇した(空気氷の気泡含有率28体積%)と思われる。その証拠に、大量のガス供給により各表1に示すとおり氷の質量は他の冷却面角度での実験例に比して格段に低くなっており、冷却面角度が0°のとき空気を使用した際の空気氷の気泡含有率は参考値程度に留めるべきものと思われる。
(1)バブル混入水生成段階
本実験例では、実験例1のオゾン発生段階を行うことなく、バブル混入水生成段階を行った。
本実験例2では、記冷却部材27を上記図2A2、図2A3、図2A4のように冷却面角度を0〜90°で変えながら設置した製造装置10を用いて、酸素ボンベ11を配管17に接続し、該配管17を通じて酸素供給量0.45L/minで供給される酸素と、外部から配管21を通じて供給される水道水を、マイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水を生成させた。但し、冷却面角度が0°のときは、酸素ボンベ11に変えてポンプ(図示せず)を用いて、配管19を通じて空気供給量を制限せずに供給した空気と、外部から配管21を通じて供給される水道水を、マイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水を生成させた。なお、マイクロバブル混入装置23には加圧溶解式装置を用いて行った。
また、本実験例2では、水槽33に必要量のマイクロバブル混入水が供給された時点で、外部から配管21を通じて供給していた水道水を停止すると共に、水槽33から配管19を通じて供給(循環)される空気溶存水または酸素溶存水をマイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水の生成を継続した。
ここで、マイクロバブル混入装置23に導入される酸素ガスに対して供給される水の供給量は、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布が10μm〜100μmとなるように適当に調整して行った。一方、マイクロバブル混入装置23に導入される空気に対して供給される水の供給量も、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布が10μm〜100μmとなるように適当に調整して行った。
また、マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23で得られるマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布は、10μm〜100μmの範囲であり、該マイクロバブル径の平均値は20μmであった。該マイクロバブル径およびその平均値の測定方法は、実験例1と同様にした。
また、該マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23を用いることで、マイクロバブル混入水中の溶存酸素(酸素の水への溶解度)(平均値)は、飽和濃度であった。マイクロバブル混入水中の溶存空気(空気の水への溶解度)(平均値)も、空気を大量供給したことから、飽和濃度であった。該マイクロバブル混入水中の溶存酸素又は空気濃度の測定方法は、実験例1と同様にした。
また、マイクロバブル混入水中の酸素マイクロバブルの含有率(体積%)は平均9.8体積%程度であった。一方、大量供給した空気では、マイクロバブル混入水中の空気マイクロバブルの含有率(体積%)は11体積%程度であった。該マイクロバブル混入水中の酸素または空気マイクロバブルの含有率(体積%)の測定方法は、実験例1と同様にした。
(2)バブル混入水供給段階
バブル混入水供給段階(2)では、前記バブル混入水生成段階(1)で生成されたマイクロバブル混入水を、平板状の冷却部材27の冷却面角度が0°(=水平壁)、10°、15°、20°、25°、30°、45°までは冷却面下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、該バブル混入水の供給配管25の先端部25aと、前記冷却部材27とが、例えば、図2A2や図2A3に示すように槽内部に配置された水槽33に供給した。水槽33へのマイクロバブル混入水の流量は、5L/minとなるとうに調整して行った。
(a)平板状の冷却部材27の冷却面角度0°〜45°の場合
本実施例2では、図2A2や図2A3に示すように、平板状の冷却部材27の冷却面角度を0°〜45°(詳しくは、0°(=水平壁)、10°、15°、20°、25°、30°、45°;いずれも下向き冷却)まで傾斜させて水槽上部に設置した。特に図2A2や図2A3に示すように、水槽33に必要量のマイクロバブル混入水が供給された時点で、冷却部材27の冷却面27aが常に水面下にあるように、平板状の冷却部材27が略液面下に浸る位置に配置した。バブル混入水の供給配管25の先端部25aは、水槽33下方に内部に位置し、冷却部材の冷却面角度を0°〜45°(下向き冷却)まで傾斜させた冷却面27下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、前後方向に伸縮ないし、上下・左右方向に曲げ伸ばして、位置調整を行った。
(b)平板状の冷却部材27の冷却面角度90°の場合
平板状の冷却部材27の冷却面角度を90°(横向き冷却)まで傾斜させて場合においては、図2A4に示すように、水槽33内部に設置した。具体的には、実験例1の比較例1と同様の構成とした。即ち、バブル混入水供給段階(2)では、特許文献1等の既存の製造装置と同様に、容器(水槽)の内部に注入した水にマイクロバブルを混入するのに変えて、前記バブル混入水生成段階(2)で生成されたマイクロバブル混入水を注入し、容器(水槽33)の周囲から冷却する構成を模して実験を行った。具体的には、図2A4に示す位置関係となるように、水槽33内部に平板状の冷却部材27の冷却面角度が90°(=容器周囲からの冷却;横向き冷却)となるように水槽33内の周辺(側面)近傍に配置した水槽33に前記バブル混入水生成段階(1)で生成されたマイクロバブル混入水を、供給配管25の先端部25aより供給した。水槽33へのマイクロバブル混入水の流量は、5L/minとなるとうに調整して行った。
なお、バブル混入水の供給配管25の先端部25aは、平板状の冷却部材27を配置した水槽33側面と対峙する水槽33側面の下方内部に位置し、水槽33内部全体にマイクロバブル29が略均等(均一)に分散し得るように、前後方向に伸縮ないし、上下・左右方向に曲げ伸ばして、位置調整を行った。
(3)オゾン氷生成段階
(a)平板状の冷却部材27の冷却面角度0°〜45°の場合
前記バブル混入水供給段階(2)により、冷却部材27の冷却面27a下にマイクロバブルが捕捉された状態で、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より冷媒としてエチレングリコールを用い、該冷媒の温度を−20〜−22℃に調整して循環させて、該冷却部材27の冷却面27aを−7.5〜−13℃に冷却させて、製氷時間40分間として、該冷却面側に気泡を含有した酸素含有また空気含有氷を生成させた。
(b)平板状の冷却部材27の冷却面角度90°の場合
前記バブル混入水供給段階(2)により、水槽33内部全体にマイクロバブル29が略均等(均一)に分散された状態で、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より冷媒としてエチレングリコールを用い、該冷媒の温度を−20〜−22℃に調整して循環させて、該冷却部材27の冷却面27aを−6.8℃に冷却させて、製氷時間40分間として、該冷却面側に気泡を含有した酸素含有氷を生成させた。
(4a)排気工程
本実験例でも、前記オゾン氷生成段階(3)中に、再利用工程として該マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から前記オゾン発生装置15に配管43を通じて供給することなく、排気工程(4a)として、水槽33内に供給されたバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から排気管41を通じて系外に排気させながら実験を行った。
実験例2で平板状の冷却部材27の冷却面角度0°〜90°まで変化させて、それぞれ得られた酸素含有氷または空気含有氷内の気泡含有率(体積%)を測定した結果を、図3Bの図面(グラフ)に示す。また、そのときの生成された氷の写真を図4〜11に示す。
なお、表1中の冷却面角度が0°のときのガス流量[L/min]の欄の「−」とは、大気を供給したという意味である。
図3Bより、冷却面角度が増加するに伴い、気泡含有率が減少していくことが分る。0°のときが約28%であるのに対して、90°では7%程度である。しかしながら、図4の0°の氷の写真を表す図面を見ると、表面に大きな穴があいており、その穴の影響で気泡含有率の測定結果が上昇したと思われる。しかしながら、冷却面角度を徐々に傾けていくと、図5〜8において示されるように、表面の大きな穴は次第に減少する傾向にある。詳細に傾向を見ていくと、冷却面角度が10〜15°の場合は冷却面角度が20°に比べて、気泡含有率は大きく上昇する(図3B参照)。冷却面角度が20〜45°では、気泡含有率は殆ど変化がなく、冷却面角度が90°では、冷却面角度が20〜45°に比べて気泡含有率は低下する。なお、図4〜11の写真を表した図面の氷中の白い所が含有気泡である。よって、図3Bより、気泡含有率を考慮すると、冷却面角度は10〜15°が妥当であると考えられる。その角度での気泡含有率は22体積%程度である。この値は、実験例1(及び本実験例2)の冷却面角度0°での気泡含有率11体積%の2倍の大きさであり、特許文献1の6体積%の約4倍の大きさである。
(実験例3;平板状の冷却部材の冷却面への電圧付与⇒冷却面でのオゾンマイクロバブル平均増加割合及び冷却面でのオゾン氷中のオゾン気泡含有割合の増加・抑制効果について)
本実験例3では、図1に示すオゾン氷の製造装置10を用いた製造方法において、平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面とした場合(図2A2)と、垂直側面とした場合(図2A4)において、該冷却部材27冷却面27aへの印加電圧(0〜400V)と、オゾン水中の冷却面でのオゾンマイクロバブル平均増加割合の関係及び(オゾン氷中の含有気泡率)/(オゾン水中の冷却面でのマイクロバビル含有率)の割合を測定した。ここで、本実験例でも、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が30L(リットル)であった。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入水の量は、満水時20L(製氷により水量及び液面低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は64cmのものを用いた。また、マイクロバブル混入装置23に外部から供給した水道水の温度は約20℃であった。一方、マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給されるオゾン水の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)は2.5〜3.0℃に低下していた。
(1)オゾン発生段階
まず、本実験例3では、実験例1の実施例1及び比較例1と同様にしてオゾン発生段階(1)を実施した。
(2)バブル混入水生成段階
次に、本実験例3では、実験例1の実施例1及び比較例1と同様にしてバブル混入水生成段階(2)を実施した。
(3)バブル混入水供給段階
次に、本実験例3では、実験例1の実施例1及び比較例1と同様にしてバブル混入水供給段階(3)を実施した。
(4)オゾン氷生成段階
次に、本実験例3では、実験例1の実施例1及び比較例1と同様にしてオゾン氷生成段階(4)を実施した。但し、本実験例2では、製氷時間(40分間)中に直流電源装置47を冷却部材27に接続し、冷却部材27の冷却面27aに、0V、100V、200V、300V及び400Vの電圧をそれぞれ印加して、該冷却面側に気泡を含有したオゾン氷を生成させた。
(4a)排気工程
次に、本実験例3では、実験例1の実施例1及び比較例1と同様にして、前記オゾン氷生成段階(4)中に、再利用工程を実施することなく、排気工程(4a)を実施して実験を行った。
実験例3で冷却部材27冷却面27aへの印加電圧(0〜400V)と、オゾン水中の冷却面でのオゾンマイクロバブル平均増加割合の関係及を測定し、得られた結果を図12Aに示した。また冷却部材27冷却面27aへの印加電圧400Vとしたときの、(オゾン氷中の含有気泡率)/(オゾン水中の冷却面でのマイクロバビル含有率)の割合の関係を測定し、得られた結果を図12Bに示した。なお、図12Aでは、実験例1の実施例1と同様にして実験を行った例のみを示す。
図12Aより、平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面(冷却面角度0°;下方を冷却)とした場合(図2A2)、印加電圧の大きさを0Vから400Vまで増加させる(変化させる)ことによって、オゾン水中の冷却部材27の冷却面27aでのオゾンマイクロバブルの量は、50体積%以上増加することが確認できた。また、図12Bより、平板状の冷却部材27の冷却面27aが、垂直横面(垂直壁)より水平下面(水平壁)の方が、(オゾン氷中の含有気泡率)/(オゾン水中の冷却面でのマイクロバビル含有率)の割合が1.3倍程度大きいことが確認できた。特に水平下面(水平壁)では、縦軸が100%を超えている(平均で130%程度である)ことから、オゾン水中の冷却面でのオゾンマイクロバブル含有率よりもオゾン氷中の含有気泡率の方が大きいことが確認できる。これは、オゾン水中の冷却面下で増量したオゾンマイクロバブルを効率よくオゾン氷内に補足(含有)することができ、液面上に浮揚させずに、より長い時間、冷却面27a下に留めておく事ができるためであるといえる。一方、垂直横面(垂直壁)では、縦軸が100%を大幅に下回っている(平均で50%に満たない程度である)ことから、オゾン水中の冷却面近傍でのオゾンマイクロバブル含有率よりもオゾン氷中の含有気泡率の方が小さいことが確認できる。これは、オゾン水中に均等にオゾンマイクロバブルが分散される構造である為、冷却面近傍にマイクロバブルを集める(補足する)ことさえ困難であり、冷却面近傍の分散されたマイクロバブルを留めることができず、簡単に液面上への浮揚を許す結果、バブルが安定して留まり補足され易い状態に比して、バブルが浮揚力を伴って移動しながら上昇し、補足され難い状態になるため、オゾン氷内に含有(補足)できる気泡は極めて限定されるものといえる。
(実験例4;オゾンマイクロバブル混入水の注入法について)
本実験例4では、図1に示すオゾン氷の製造装置10を用いた製造方法において、平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面とした場合(図2A2)において、オゾンマイクロバブル混入水の注入法を連続的または間欠的に行って、得られるオゾン氷39中の気泡径の変化の様子を測定した。ここで、本実験例4でも、実験例1と同様に、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が30L(リットル)であった。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入水の量は、満水時20L(製氷により水量及び液面低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は64cmのものを用いた。また、マイクロバブル混入装置23に外部から供給した水道水の温度は約20℃であった。一方、マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給されるオゾン水の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)は2.5〜3.0℃に低下していた。
(1)オゾン発生段階
まず、本実験例4では、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン発生段階(1)を実施した。
(2)バブル混入水生成段階
次に、本実験例4では、実験例1の実施例1と同様にしてバブル混入水生成段階(2)を実施した。
(3)バブル混入水供給段階
次に、本実験例4では、実験例1の実施例1と同様にしてバブル混入水供給段階(3)を実施した。但し、本実験例では、連続的に注入する実施例Aと、間欠的に注入する実施例として、15分注入1分停止を繰り返す実施例Bと、30分注入1分停止を繰り返す実施例Cとを行った。なお、注入、停止、注入(再開)、・・の操作は、図1中には図示していないが、配管13、17、19(または21)、25にはいずれも連動式の開閉バルブが設置されており、オゾンマイクロバブル混入水の注入を開始(始動)する場合には、これら全てのバルブが連動して開くようにコントロールした。次に、オゾンマイクロバブル混入水の注入を停止する場合には、これら全てのバルブが連動して閉じ、更にその後、オゾンマイクロバブル混入水の注入を再開(再始動)する場合には、これら全てのバルブが連動して開くようにコントロールして、間欠的にオゾンマイクロバブル混入水の注入を実施した。
(4)オゾン氷生成段階
次に、本実験例4では、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン氷生成段階(4)を実施した。
(4a)排気工程
次に、本実験例4では、実験例1の実施例1と同様にして、前記オゾン氷生成段階(4)中に、再利用工程を実施することなく、排気工程(4a)を実施して実験を行った。
本実施例4では、オゾンマイクロバブル混入水の注入法を連続的にすることで、間欠的にする場合に比して、得られるオゾン氷39中の含有にオゾン気泡量の増加効果が認められた。一方、オゾンマイクロバブル混入水の注入法を間欠的にすることで、連続的にする場合(オゾン氷中のオゾン気泡径(平均値)120μm)に比して、得られるオゾン氷39中のオゾン気泡径を変化させる(停止時間や停止回数を変えることで、オゾン氷中のオゾン気泡径(平均値)70〜135μmの範囲で任意に制御させる)ことができることが確認できた。なお、間欠的にする場合、停止時間や停止回数を更に変えていくことで、オゾン氷中のオゾン気泡径(平均値)を上記範囲以外にも制御可能であることが確認できた。以上のことから、オゾンマイクロバブル混入水の注入法により、オゾン氷中の気泡径をある程度制御可能であることが確認できた。このことから、使用用途に応じて、オゾン氷39が溶解する過程で氷内に閉じ込められている気泡が徐々に弾けて内部のオゾンガスを放出する速度(除放速度)を生鮮食品の種類や輸送時間などに応じて適宜調整することができることがわかった。
(実験例5;排気オゾン・酸素ガス(マイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分):水分除去後の再利用について)
本実験例5では、図1に示すオゾン氷の製造装置10を用いた製造方法において、オゾン氷生成段階(4)中に再利用工程(4a)として、該マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から配管43の経路上43aに設けた水分除去装置45で水分を除去した後に前記オゾン発生装置15に配管43を通じ供給(再利用)しながら実験を行って、得られるオゾン氷39中の溶存オゾン濃度及び含有気泡中のオゾンガスの濃度を測定した。ここで、本実験例5でも、実験例1と同様に、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が30L(リットル)であった。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入水の量は、満水時20L(製氷により水量及び液面低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は1cmのものを用いた。また、マイクロバブル混入装置23に外部から供給した水道水の温度は約20℃であった。一方、マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給されるオゾン水の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)は2.5〜3.0℃に低下していた。
(1)オゾン発生段階
まず、本実験例5では、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン発生段階(1)を実施した。
(2)バブル混入水生成段階
次に、本実験例5では、実験例1の実施例1と同様にしてバブル混入水生成段階(2)を実施した。
(3)バブル混入水供給段階
次に、本実験例5では、実験例1の実施例1と同様にしてバブル混入水供給段階(3)を実施した。
(4)オゾン氷生成段階
次に、本実験例5では、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン氷生成段階(4)を実施した。
(4a)再利用工程
次に、本実験例4では、前記オゾン氷生成段階(4)中に、排気工程を実施することなく、再利用工程を実施して実験を行った。
詳しくは、排気工程として、水槽33内に供給されたバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から排気管41を通じて系外に排気することなく、再利用工程(4a)として該マイクロバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内からオゾン発生装置15に供給する配管43の経路の一部に着脱自在な拡径した箇所43aを設け、当該拡径した箇所43にペルチェ素子45aを配置し、該ペルチェ素子45aで該ガス化した成分を冷却、除湿して、ガス化した成分中の水分を除去した後に、前記オゾン発生装置15に配管43を通じ供給(再利用)しながら実験を行った。なお、オゾン発生装置15に配管43を通じ供給(再利用)されるガス化した成分(水分除去後のドライ成分)の流量は、1L/min程度であり、オゾン発生装置15に配管13を通じて供給される酸素供給量を4L/min程度として、オゾン発生装置15に配管13、43の双方を通じて供給されるガス成分全体の供給量が5L/minとなるように調整した。得られるオゾン氷39中の溶存オゾン濃度及び含有気泡中のオゾンガスの濃度を測定した。
本実施例5では、前記オゾン氷生成段階(4)中に、排気工程を実施することなく、再利用工程を実施することで、排気工程を実施する場合に比して、得られるオゾン氷39中の溶存オゾン濃度及び含有気泡中のオゾンガスの濃度の増加効果が認められた。
具体的には、実験例1の実施例1で得られたオゾン氷39中の気泡含有率が11体積%であったのに対し、本実験例5で得られたオゾン氷39中の気泡含有率も、冷却面積が異なる為、直接比較するのは困難であるが、概ね同程度(11体積%程度)であった。
尚、本実験例5では、バブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を排気することなく、再利用することで、オゾン発生装置15で発生されるオゾン濃度が高められる。即ち、バブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分中のオゾンガス濃度はオゾン発生装置15を経ても増減は無く、バブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分中の酸素と配管13から供給される酸素から新たに生成されるオゾンガスにより、オゾンガス発生器15からマイクロバブル混入装置23を経て配管25に供給されるマイクロバブル混入水のマイクロバブル29中のオゾンガス濃度は高濃度化される。なお、マイクロバブル混入水のオゾン水中に溶解するオゾンは飽和濃度であり、実験例1と同様である。そのため、こうして高濃度化されたオゾンガスを含有するマイクロバブル29が水槽33に供給され、製氷によりオゾン氷39中に取り込まれることで、オゾン氷39中の溶存オゾン濃度及び含有気泡中のオゾンガスの濃度の増加効果が得られたことが容易に推察される。このことから、使用用途に応じて、オゾン氷39が溶解する過程で氷内に閉じ込められている気泡が徐々に弾けて内部のオゾンガスを放出する速度(除放速度)を相対的に遅くとも、生鮮食品の保冷や殺菌・脱臭作用を十分に発現することができ、長期の貯蔵・輸送に適したオゾン氷を提供することができることがわかった。
(実験例6;水道水利用する場合:塩素ガス除去装置により塩素除去した水を用いたオゾン氷について)
まず、本実験例6の予備実験6aとして、水道水と、2日間(48時間)放置して紫外線によって塩素を除去した水道水とを使用して、それぞれ、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン発生段階(1)、バブル混入水生成段階(2)を実施した。得られたバブル混入水を採取し、オゾン注入後(=マイクロバブル混入装置23での混入時間は短い為、バブル混入水採取後)、時間の経過と共に、水道水を用いて生成されたバブル混入水中の溶存オゾン濃度およびマイクロバブル中のオゾンガス濃度(=「バブル混入水中の溶存オゾン濃度およびマイクロバブル中のオゾンガス濃度」を単に「全オゾン濃度」とする)、及び、2日間放置して紫外線によって塩素を除去した水道水を用いて生成されたバブル混入水中の全オゾンガス濃度を測定し、得られた結果を図4に示す。なお、図13の縦軸の無次元オゾン水濃度[−]=(2日間放置して紫外線によって塩素を除去した水道水を用いて生成されたバブル混入水中の全オゾンガス濃度)/(水道水を用いて生成されたバブル混入水中の全オゾンガス濃度)を表す。図4の結果からから、時間の経過と共に、水道水を用いて生成されたバブル混入水中の全オゾンガス濃度に対して2日間放置して紫外線によって塩素を除去した水道水を用いて生成されたバブル混入水中の全オゾンガス濃度は増加し、約4時間後には、2.5倍程度2日間放置して紫外線によって塩素を除去した水道水を用いて生成されたバブル混入水中の全オゾンガス濃度の方が高い。したかって、製氷には、塩素を除去後使用した水道水を使用した方が有効であることが確認された。以上の結果を踏まえて、以下の本実験例6では本発明のオゾン氷の製造装置10を用いた製造方法により製氷を行った。
本実験例6では、図1に示すオゾン氷の製造装置10を用いた製造方法において、バブル混入水生成段階(2)において、塩素除去工程(2a)として、オゾン発生装置15に水槽33から供給される水を供給する配管19の経路上および/または外部から供給される水道水を供給する配管21の経路上に設置された塩素除去装置49を用いて水中の塩素除去を行いながら実験を行って、塩素除去せずに水道水を用いた場合のオゾン氷39中に含まれる気泡中にオゾン濃度に対する、塩素除去した水道水を用いた場合のオゾン氷39中に含まれる気泡中にオゾン濃度の割合を測定した。ここで、本実験例5でも、実験例1と同様に、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が30L(リットル)であった。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入水の量は、満水時20L(製氷により水量及び液面低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は64cmのものを用いた。また、マイクロバブル混入装置23に外部から供給した水道水の温度は約20℃であった。一方、マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給されるオゾン水の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)は2.5〜3.0℃に低下していた。
(1)オゾン発生段階
まず、本実験例6では、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン発生段階(1)を実施した。
(2)バブル混入水生成段階
次に、本実験例6では、実験例1の実施例1と同様にしてバブル混入水生成段階(2)を実施した。なお、本実験例6では、バブル混入水生成段階(2)において、更に塩素除去工程(2a)として、外部から供給される水道水を供給する配管21の経路上に設置された塩素除去装置49を用いて水中の塩素除去を行いながら実験を行った。
(3)バブル混入水供給段階
次に、本実験例6では、実験例1の実施例1と同様にしてバブル混入水供給段階(3)を実施した。
(4)オゾン氷生成段階
次に、本実験例6では、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン氷生成段階(4)を実施した。
(4a)排気工程
次に、本実験例3では、実験例1の実施例1及び比較例1と同様にして、前記オゾン氷生成段階(4)中に、再利用工程を実施することなく、排気工程(4a)を実施して実験を行った。
本実験例6では、上記した塩素除去工程(2a)として水道水中の塩素除去を行いながら実験を行って、塩素除去せずに水道水を用いた場合のオゾン氷39中に含まれる気泡中にオゾン濃度(実験例1の実施例1)に対する、塩素除去した水道水を用いた場合のオゾン氷39中に含まれる気泡中にオゾン濃度の割合を測定した。その結果、塩素除した水道水を用いた場合のオゾン氷39中に含まれる気泡中にオゾン濃度の割合の方が2.5倍程度高く、製氷には、塩素を除去後使用した水道水を使用した方が有効であることが確認できた。水道水利用する場合、塩素ガス除去装置を設置(例えば、紫外線照射)して、塩素を除去した水道水を用いることで、蒸留水を使用した場合に比べて格段にコスト削減効果が得られることがわかった。また、塩素によるオゾンの減少が抑えられることから、得られるオゾン氷39中の溶存オゾン濃度及び含有気泡中のオゾンガスの濃度の増加効果が得られることが確認された。
(実験例7;水から生成するオゾン氷スラリーの利用について)
本実験例7では、図1に示すオゾン氷スラリーの製造装置10Aを用いた製造方法において、実験例1の実施例1と同様に平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面(図2A2)として実験を行い、水から生成する氷スラリー中の含有気泡率を測定した。
ここで、本実験例でも、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が30L(リットル)であった。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入水の量は、満水時20L(製氷により水量及び液面低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は64cmのものを用いた。また、マイクロバブル混入装置23に外部から供給した水道水の温度は約20℃であった。一方、マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給されるオゾン水の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)は2.5〜3.0℃に低下していた。
(1)オゾン発生段階
まず、本実験例7では、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン発生段階(1)を実施した。
(2)バブル混入水生成段階
次に、本実験例7では、実験例1の実施例1と同様にしてバブル混入水生成段階(2)を実施した。
(3)バブル混入水供給段階
次に、本実験例7では、実験例1の実施例1と同様にしてバブル混入水供給段階(3)を実施した。
(4)オゾン氷生成段階
次に、本実験例7では、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン氷生成段階(4)を実施した。
(4a)排気工程
本実験例7では、実験例1の実施例1と同様にして、前記オゾン氷生成段階(4)中に、再利用工程を実施することなく、排気工程(4a)を実施して実験を行った。
(5)氷スラリー段階
本実施例7では、オゾン氷生成段階(4)で得られた冷却部材27の冷却面27a上に生成されたオゾン氷39を、ハーベスト法(ここでは、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より−20〜−22℃の熱媒(該熱媒には、エチレングリコールを用いた。)を循環させる方法)にて剥離させたオゾン氷39を、氷削装置(図示せず)を用いて削り取り、スラリー化する段階(氷スラリー段階)を実施して、オゾン氷スラリーを生成する実験を行った。
得られたオゾン氷スラリーは、流動性があり、熱負荷追従性がよいことが確認できた。また、氷スラリー段階前のオゾン氷中の気泡含有率は11体積%(実験例1の実施例1参照)であり、氷スラリー段階後のオゾン氷スラリー中の気泡含有率はオゾン氷と同程度であった。更にオゾン氷スラリー中溶存オゾン濃度と気泡含有オゾン濃度の合計が、現状、概ね25ppm程度(オゾン氷と同程度)である。オゾン氷の溶存オゾン濃度がと気泡含有オゾン濃度の合計が1〜5ppm程度であれば、気泡含有オゾンと溶解した際のオゾン水により殺菌・脱臭作用を十分に発揮することができる。オゾン氷スラリーの気泡中のオゾンガス濃度はオゾン氷と同程度であった。
(実験例8;水溶液から生成するオゾン氷スラリーの利用について)
本実験例8では、図1に示すオゾン氷スラリーの製造装置10Aを用いた製造方法において、実験例1の実施例1と同様に平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面(図2A2)として実験を行い、水溶液から生成するオゾン氷スラリー中の含有気泡率を測定した。
ここで、本実験例8でも、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が30L(リットル)であった。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入水の量は、満水時20L(製氷により水量及び液面低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は64cmのものを用いた。また、マイクロバブル混入装置23に外部から供給した水道水の温度は約20℃であった。一方、マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給されるプロピレングリコール(PG)含有のオゾン水の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)はプロピレングリコールの含有濃度によって、−2〜−12℃程度(いずれも凍結せず)にまで低下していた。
(1)オゾン発生段階
まず、本実験例8では、実験例1の実施例1と同様にしてオゾン発生段階(1)を実施した。
(2)バブル混入水溶液生成段階
次に、本実験例8では、実験例1の実施例1のバブル混入水生成段階(2)と同様にしてバブル混入水溶液生成段階(2)を実施した。本実験例8では、バブル混入水溶液生成段階(2)中に、更に下記の添加剤供給工程(2a)を実施した。
(2a)添加剤供給工程
本実験例8では、バブル混入水溶液生成段階(2)において、前記オゾン発生段階(1)で発生されたオゾン含有気体と、外部から配管21を通じて供給される水道水と、更に、添加剤供給工程(2a)として、貯蔵部51から流量調整バルブ53を備えた配管55を通じて供給されるプロピレングリコール(PG;オゾン氷スラリー化し得る添加剤)を、マイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水溶液を生成させた。なお、マイクロバブル混入装置23には加圧溶解式装置を用いて行った。
この際、該混入装置23に供給される水の供給量(流量)に対するPGの供給量は、所定の割合、具体的には体積比率で5体積%、10体積%、15体積%、20体積%及び25体積%の割合で供給した。
ここで、バブル混入水溶液生成段階(2)では、マイクロバブル混入装置23に導入されるオゾン含有気体に対して供給される水の供給量は、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布が10μm〜100μmとなるように適当に調整して行った。更に配管21を通じて供給される水道水の供給量(流量)に対して、配管55上の流量調整バルブ53を調整して上記した所定割合のPG供給量となるように、水道水の供給量(流量)に連動して所定量のPGが供給されるように調整した。
また、本実験例でも、水槽33に必要量のマイクロバブル混入水溶液が供給された時点で、外部から配管21を通じて供給していた水道水と配管55からのPGの供給を停止すると共に、水槽33から配管19を通じて供給(循環)されるマイクロバブル混入水溶液をマイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水溶液の生成を継続した。
したがって、一旦、配管21を通じて供給された水道水にPGを加えて所定のPG濃度に調整されたマイクロバブル混入水溶液が、水槽33より配管19を通じてマイクロバブル混入装置23に供給(循環)される際には、配管21からの水道水の供給も配管55からのPGの供給も停止して、ほぼ一定濃度のマイクロバブル混入水溶液が保持できるように調整した。水道水とPGの停止には、配管21経路上の開閉バルブ(図示せず)と配管55経路上の流量調整弁53を閉じることにより実施した。
また、マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23で得られるマイクロバブル混入水溶液中のマイクロバブル含有量は、水溶液中の溶質が核となり気泡を発生する効果が生じるために増加する傾向にある。
また、該マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23を用いることで、マイクロバブル混入水溶液中の溶存オゾン濃度(オゾンの水溶液への溶解度)(平均値)は、液温の低下によりオゾン溶解度が増加する。また、溶存オゾン濃度とマイクロバブル混入水溶液中のマイクロバブル内のオゾン濃度の合計は30ppm以上まで増加した。該マイクロバブル混入水溶液中の溶存オゾンおよびマイクロバブル内のオゾン(ガス)の全体の濃度の測定方法は、それぞれオゾン水の場合と同様な方法を用いて計測した。
また、マイクロバブル混入水溶液中のマイクロバブルの含有量は、水溶液中の溶質が核となり気泡を発生する効果が生じるために増加する傾向にある。該マイクロバブル混入水溶液中のマイクロバブルの含有率(体積%)の測定方法は、気泡含有により体積増加の測定を用いて計測した。
(3)バブル混入水溶液供給段階
次に、本実験例8では、実験例1の実施例1のバブル混入水供給段階(3)と同様にしてバブル混入水溶液供給段階(3)を実施した。
即ち、本実験例8のバブル混入水溶液供給段階(3)では、前記バブル混入水溶液生成段階(2)で生成されたマイクロバブル混入水溶液を、平板状の冷却部材27の冷却面27aの水平下面下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、該バブル混入水溶液の供給配管25の先端部25aと、前記冷却部材27とが図2A2に示す位置関係となるように槽内部に配置された水槽33に供給した。水槽33へのマイクロバブル混入水溶液の流量は、PGの濃度変化に左右されることなく、5L/minとなるように調整して行った。
本実験例8でも、図2A2に示すように、平板状の冷却部材27を水平(冷却部材の冷却面角度0°;下向き冷却))に水槽33上部に設置した。特に図2A2に示すように、水槽33に必要量のマイクロバブル混入水溶液が供給された時点で、冷却部材27の冷却面27aが常に水面下にあるように、平板状の冷却部材27の略下半分が水中に浸る位置に配置した。バブル混入水溶液の供給配管25の先端部25aは、水槽33下方に内部に位置し、冷却面27aの水平下面下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、前後方向に伸縮ないし、上下・左右方向に曲げ伸ばして、位置調整を行った。
(4)オゾン氷スラリー生成段階
次に、本実験例8では、実験例1の実施例1のオゾン氷生成段階(4)と同様にしてオゾン氷スラリー生成段階(4)を実施した。
即ち、前記バブル混入水溶液供給段階(3)により、バブル混入水溶液の液温が低下する。そのため冷却部材27の冷却面27a下にマイクロバブルが捕捉された状態で、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より冷媒として、エチレングリコールを用い、該冷媒の温度をPGの濃度である5〜10体積%、15体積%、20体積%及び25体積%にあわせて、−10〜−15℃、−19℃程度、−22℃程度、及び−25〜−30℃に調整して循環させて、該冷却部材27の冷却面27aも−6〜−10℃、−14℃程度、−17℃程度及び−20℃程度に冷却させて、製氷時間40分間として、該冷却面側に気泡を含有したオゾン氷スラリーを生成させた。
(4a)排気工程
本実験例8では、実験例1の実施例1と同様にして、前記オゾン氷スラリー生成段階(4)中に、再利用工程を実施することなく、排気工程(4a)を実施して実験を行った。
本実験例8では、バブル混入水溶液から生成するオゾン氷スラリーの製造方法であり、バブル混入水をPG添加により水溶液化することで、上記したようにバブル混入水溶液の液温が下がり、オゾン溶解度が増加することが確認できた。その結果、得られるオゾン氷スラリーは、より低温域での食品冷蔵が可能となる。下記表2にPGの添加濃度の調整により得られたオゾン氷スラリーでの、制御可能な冷蔵温度域を示す。なお、表2中の「PG初期濃度」とは、添加されたプロピレングリコールの体積濃度を言う。
表2より、バブル混入の水溶液化のために、食品添加物のPG(融点:−59℃)を使用した結果、その添加濃度の調整により。冷蔵温度を制御できることが確認できた。このことから、オゾンオゾン氷スラリー化することで、利用用途が大幅に拡大できることがわかった。
また、本実験例8で得られたオゾン氷スラリーも、流動性があり、熱負荷追従性がよいことが確認できた。また、オゾン氷スラリー生成段階で得られたオゾン氷スラリー中の気泡含有率は,溶質が核となり気泡を発生する効果が生じるために増加する傾向にある。更にオゾン氷スラリー中の溶存オゾン濃度(平均値)は、温度低下と共に増加する傾向にあり、オゾン氷スラリーの気泡中のオゾンガス濃度も前述のとおり気泡含有率の増加に伴い増加する傾向にある。
(実験例9;マイクロバブル混入装置23を加圧溶解式⇒気液混合せん断式に変更して実験例1〜8を実験した例について)
本実験例9では、実験例1〜8において用いたマイクロバブル混入装置23を加圧溶解式に変えて気液混合せん断式を用いた以外は、各実験例1〜8と同様の条件(装置、製造条件)にて実験を行い、同様の測定を行った。
その結果、マイクロバブル混入装置23に、加圧溶解式を使用した各実験例1〜8の実験結果と、気液混合せん断式を使用した本実験例9の実験結果からは、マイクロバブルの特性に大きな差はなく、気液混合せん断式でも十分に同様な結果が得られることが確認できた。
さらに、本実施例9の気液混合せん断式では、マイクロバブル29がせん断による発生する静電気により、より帯電し易くなると考えられ、よって、電圧印加で冷却部材27の冷却面27a下に補足し得るマイクロバブル29の割合を増加させるのにはより効果的であることも確認できた(即ち、氷の気泡含有率は、加圧溶解式よりも気液混合せん断式の方が相対的に高い値を示す傾向が見られた)。
(実験例10;平板状の冷却部材の水平下面冷却→フレーバーのある気泡含有の氷菓について)
本実験例10では、図1に示すオゾン氷の製造装置10を用いた製造方法において、平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面とし、果汁としては年間を通じて容易に入手なオレンジ濃縮還元液(果汁100%)(以下、単に果汁という)を用い、マイクロバブルの作製にはフレーバーのあるガス(ここでは柑橘系のフレーバーガス)を用い、該果汁にフレーバーのある気泡含有の氷菓を作製した。ここで、本実験例では、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が30L(リットル)であった。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入果汁の量は、満水時20L(製氷により果汁量及び液面低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入果汁の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、表面を腐食性無電解ニッケルメッキした熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は64cmのものを用いた。また、マイクロバブル混入装置23に外部から供給した果汁の温度は常温であった。一方、マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給される柑橘系フレーバーのあるガス(以下、単にフレーバーガスという)溶存果汁の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)は0℃以下に低下していた。
(1)バブル混入果汁生成段階
バブル混入果汁生成段階(1)では、貯蔵部(ガスボンベ)から供給されるフレーバーガスと、外部(果汁貯蔵タンクなど)から配管21を通じて供給される果汁を、マイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入果汁を生成させた。なお、マイクロバブル混入装置23には加圧溶解式装置を用いて行った。
また、本実験例では、水槽33に必要量のマイクロバブル混入果汁が供給された時点で、外部から配管21を通じて供給していた果汁を停止すると共に、水槽33から配管19を通じて供給(循環)されるフレーバーガス溶存果汁をマイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入果汁の生成を継続した。
ここで、マイクロバブル混入装置23に導入されるフレーバーガスに対して供給される果汁の供給量(体積比)は、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布が10μm〜100μmとなるように適当に調整して行った。
また、マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23で得られるマイクロバブル混入果汁中のマイクロバブル含有量は、溶質が核となり気泡を発生する効果が生じるために増加する傾向にある。
また、該マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23を用いることで、マイクロバブル混入果汁中の溶存フレーバー濃度(フレーバーガスの果汁への溶解度)は、実験例1の実施例1と同程度に調整することが可能と推測される。また、マイクロバブル混入果汁中のマイクロバブル内のフレーバーガス濃度(平均値)は、フレーバーガスの種類により異なるが、概ね実験例1の実施例1と同程度に調整することが可能と推測される。
また、マイクロバブル混入果汁中のマイクロバブルの含有率(体積%)も実験例1の実施例1と同程度に調整することが可能と推測される。
(2)バブル混入果汁供給段階
バブル混入果汁供給段階(2)では、前記バブル混入果汁生成段階(2)で生成されたマイクロバブル混入果汁を、平板状の冷却部材27の冷却面27aの水平下面下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、該バブル混入果汁の供給配管25の先端部25aと、前記冷却部材27とが図2A2に示す位置関係となるように槽内部に配置された水槽33に供給した。水槽33へのマイクロバブル混入果汁の流量は、5L/minとなるとうに調整して行った。
本実験例では、図2A2に示すように、平板状の冷却部材27を水平(冷却部材の冷却面角度0°;下向き冷却))に水槽33上部に設置した。特に図2A2に示すように、水槽33に必要量のマイクロバブル混入果汁が供給された時点で、冷却部材27の冷却面27aが常に液面下にあるように、平板状の冷却部材27の略下半分が液中に浸る位置に配置した。バブル混入果汁の供給配管25の先端部25aは、水槽33下方に内部に位置し、冷却面27aの水平下面下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、前後方向に伸縮ないし、上下・左右方向に曲げ伸ばして、位置調整を行った。
(3)フレーバーのある気泡含有氷の生成段階
前記バブル混入水供給段階(2)により、冷却部材27の冷却面27a下にマイクロバブルが捕捉された状態で、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より冷媒としてエチレングリコールを用い、該冷媒の温度を−20〜−22℃に調整して循環させて、該冷却部材27の冷却面27aを−10℃程度に冷却させて、製氷時間40分間として、該冷却面側にフレーバーのある気泡含有氷を生成させた。
(3a)排気工程
本実験例では、前記フレーバーのある気泡含有氷の生成段階(3)中に、排気工程として、水槽33内に供給されたバブル混入果汁中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から排気管41を通じて系外に排気させながら実験を行った。
(4)氷スラリー(氷シャーベット)段階
本実施例では、フレーバーのある気泡含有氷の生成段階(3)で得られた冷却部材27の冷却面27a上に生成されたフレーバーのある気泡含有氷39を、ハーベスト法(ここでは、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より−20〜−22℃の熱媒(該熱媒には、エチレングリコールを用いた。)を循環させる方法)にて剥離させたフレーバーのある気泡含有氷39を、氷削装置(図示せず)を用いて削り取り、スラリー化(シャーベット化)する段階(氷スラリー段階ないし氷シャーベット段階)を実施して、フレーバーのある気泡含有氷スラリー(シャーベット)からなる氷菓を生成した。
本実験例10により、オレンジの味覚と柑橘系の香り(フレーバー)の双方(香味)があり、口内で気泡が弾ける新食感のある氷菓(シャーベット)を生成できることが確認できた。
(実験例11;平板状の冷却部材の水平下面冷却→色のついた気泡含有氷について)
本実験例11では、図1に示すオゾン氷の製造装置10を用いた製造方法において、平板状の冷却部材27の冷却面27aを水平下面とし、無色透明な水道水に、色のついたフレーバーガス(ここでは柑橘系のフレーバーガスでオレンジ色のついたガス)を用い、色のついた気泡含有氷(=着色氷)を作製した。ここで、本実験例11でも、水槽33には、立方体形状で、開閉可能な蓋体33aを有する密閉式の水槽であって、該水槽33の内部容積が30L(リットル)であった。水槽33中に貯えたマイクロバブル混入水の量は、満水時20L(製氷により水量及び液面低下する)に調整した。水槽33内へのマイクロバブル混入水の供給流量は5L/minとした。また冷却部材27には、熱伝導性に優れる銅製の平板状(縦8cm、横8cm、厚さ1cm)の冷却部材であって、該冷却部材27の冷却面27aの面積は64cmのものを用いた。また、マイクロバブル混入装置23に外部から供給した水道水の温度は約20℃であった。一方、マイクロバブル混入装置23に水槽33から供給される柑橘系のフレーバーガスでオレンジ色のついたガス(以下、単に着色ガスという)溶存水の温度は、経時的に低下する傾向にあり、実験中(40分間)は2.5〜3℃に低下していた。
(1)バブル混入水生成段階
バブル混入水生成段階(1)では、貯蔵部(ガスボンベ)から供給される着色ガスと、外部から配管21を通じて供給される水道水を、マイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水を生成させた。なお、マイクロバブル混入装置23には加圧溶解式装置を用いて行った。
また、本実験例11では、水槽33に必要量のマイクロバブル混入水が供給された時点で、外部から配管21を通じて供給していた水道水を停止すると共に、水槽33から配管19を通じて供給(循環)される着色ガスが溶存した水(=着色水)をマイクロバブル混入装置23に導入して、マイクロバブル混入水の生成を継続した。
ここで、マイクロバブル混入装置23に導入される着色ガスに対して供給される水道水の供給量(体積比)は、着色ガス100体積部に対して、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布は、10μm〜100μmとなるように適当に調整して行った。
また、マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23で得られるマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径の分布は、10μm〜100μの範囲であり、該マイクロバブル径の平均値は20μmであった。該マイクロバブル径およびその平均値の測定方法は、レーザー回折散乱法を用いて計測した。
また、該マイクロバブル混入装置(加圧溶解式装置)23を用いることで、マイクロバブル混入水中の溶存着色ガス濃度(着色ガスの水への溶解度)(平均値)は、実験例1の実施例1と同程度に調整することが可能と推測される。また、マイクロバブル混入水中のマイクロバブル内の着色ガス成分濃度(平均値)は、着色ガスの種類により異なるが、概ね実験例1の実施例1と同程度に調整することが可能と推測される。
また、マイクロバブル混入水中のマイクロバブルの含有率(体積%)は約10体積%程度であった。該マイクロバブル混入水中のマイクロバブルの含有率(体積%)の測定方法は、実験例1と同様にした。
(2)バブル混入水供給段階
バブル混入水供給段階(2)では、前記バブル混入水生成段階(2)で生成されたマイクロバブル混入水を、平板状の冷却部材27の冷却面27aの水平下面下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、該バブル混入水の供給配管25の先端部25aと、前記冷却部材27とが図2A2に示す位置関係となるように槽内部に配置された水槽33に供給した。水槽33へのマイクロバブル混入水の流量は、5L/minとなるとうに調整して行った。
本実験例11では、図2A2に示すように、平板状の冷却部材27を水平(冷却部材の冷却面角度0°;下向き冷却))に水槽33上部に設置した。特に図2A2に示すように、水槽33に必要量のマイクロバブル混入水が供給された時点で、冷却部材27の冷却面27aが常に水面下にあるように、平板状の冷却部材27の略下半分が水中に浸る位置に配置した。バブル混入水の供給配管25の先端部25aは、水槽33下方に内部に位置し、冷却面27aの水平下面下にマイクロバブル29が捕捉し得るように、前後方向に伸縮ないし、上下・左右方向に曲げ伸ばして、位置調整を行った。
(3)色のついた気泡含有氷の生成段階
前記バブル混入水供給段階(2)により、冷却部材27の冷却面27a下にマイクロバブルが捕捉された状態で、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より冷媒としてエチレングリコールを用い、該冷媒の温度を−20〜−22℃に調整して循環させて、該冷却部材27の冷却面27aを−10℃程度に冷却させて、製氷時間40分間として、該冷却面側に色のついた気泡含有氷を生成させた。
(3a)排気工程
本実験例11では、前記色のついた気泡含有氷の生成段階(3)中に、排気工程として、水槽33内に供給されたバブル混入水中のマイクロバブル29が液面上に浮揚してガス化した成分を水槽33内から排気管41を通じて系外に排気させながら実験を行った。
本実験例11により、オレンジ色のついた気泡含有氷の気泡含有率は11体積%であり、オレンジ色のついたガスが溶存して薄いオレンジ色に着色水化されたことで、得られた気泡含有氷は、淡いオレンジ色の氷の中に濃いオレンジ色の気泡が含有された視覚効果のある氷であって、尚且つ柑橘系の香り(フレーバー)があり、口内で気泡が弾ける際の新食感と共に鼻に抜ける香りのある氷を生成できることが確認できた。
更に、引き続き、色のついた気泡含有氷を用いて、氷スラリーを作製した。
(4)氷スラリー(氷シャーベット)段階
本実施例10では、色のついた気泡含有氷の生成段階(3)で得られた冷却部材27の冷却面27a上に生成された色のついた気泡含有氷39を、ハーベスト法(ここでは、冷却部材27内部の循環流路35に冷媒循環装置37より−20〜−22℃の熱媒(該熱媒には、エチレングリコールを用いた。)を循環させる方法)にて剥離させた色のついた気泡含有氷39を、氷削装置(図示せず)を用いて削り取り、スラリー化(シャーベット化)する段階(氷スラリー段階ないし氷シャーベット段階)を実施して、色のついた気泡含有氷スラリー(シャーベット)を生成した。
氷スラリー化により、オレンジの視覚効果の柑橘系の香り(フレーバー)があり、口内で気泡がプチプチ弾ける新食感のある氷菓(シャーベット)を生成できることが確認できた。
10 オゾン氷の製造装置、
10A オゾン氷スラリーの製造装置、
11 オゾン原料部、
13、17、19、21、55 配管、
15 オゾン発生装置、
23 マイクロバブル混入装置、
25a 配管25の先端部、
27 冷却部材、
27a 冷却部材の冷却面(製氷面、伝熱面)、
29 オゾン含有マイクロバブル、
29a オゾン含有気泡、
31 オゾン水、
33 水槽、
33a 水槽の蓋部、
35 循環流路、
37 冷媒循環装置(冷却装置)、
39 オゾン氷、
39a オゾン氷スラリー、
39b 溶存オゾンのみを有する氷、
41 排気管、
43 供給管(配管)、
43a 供給管(配管)43の拡径した箇所、
45 水分除去手段、
45a ペルチェ素子、
45b シリカゲル等の吸湿剤、
47 電源装置、
49 塩素除去装置、
51 オゾン氷スラリー化し得る添加剤の貯蔵部、
53 流量調整装置。

Claims (35)

  1. 氷の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするオゾン氷。
  2. 前記氷の気体含有率(体積割合)が7〜42体積%の範囲であることを特徴とする請求項1記載のオゾン氷。
  3. 前記氷の気泡サイズ(気泡径)の平均値が、70〜135μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載のオゾン氷。
  4. 前記氷が、水道水または地下水から塩素を除去した水を用いてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオゾン氷。
  5. 氷スラリー中の気体含有率(体積割合)が6体積%よりも高いことを特徴とするオゾン氷スラリー。
  6. 前記氷スラリー中の気体含有率(体積割合)が7〜42体積%の範囲であることを特徴とする請求項5に記載のオゾン氷スラリー。
  7. オゾン氷スラリー化し得る添加剤が、0体積%を超えて25体積%まで含有されていることを特徴とする請求項5または6に記載のオゾン氷スラリー。
  8. 請求項1〜4のオゾン氷からハーベスト法を用いて生成されてなることを特徴とする請求項5または6に記載のオゾン氷スラリー。
  9. オゾン原料部と、
    該オゾン原料部から供給される原料からオゾンを発生させるオゾン発生装置と、
    該オゾン発生装置で発生されたオゾン含有気体と、水槽から供給されるオゾン水および/または外部から供給される水とからマイクロバブル混入水を生成させるマイクロバブル混入装置と、
    前記マイクロバブル混入水から浮揚するマイクロバブルを冷却部材の冷却面下に捕捉し得るように、(a)前記マイクロバブル混入装置で生成されたマイクロバブル混入水を供給する配管の先端部が槽内の下部に設置され、尚且つ(b)前記冷却部材が槽内の上部ないし中央部に配置された水槽と、
    少なくとも前記冷却部材の冷却面を冷却するために、前記冷却部材内部の循環流路に冷媒を循環させる冷媒循環装置と、
    を有する事を特徴とするオゾン氷の製造装置。
  10. 前記冷却部材の冷却面角度が、0°〜60°の範囲に設置された平板状の冷却部材であることを特徴とする請求項9に記載のオゾン氷の製造装置。
  11. 前記冷却部材の冷却面角度が、10°〜15°の範囲に設置された平板状の冷却部材であることを特徴とする請求項10に記載のオゾン氷の製造装置。
  12. 前記冷却部材に電圧を印加するための電源装置を更に備えてなることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置。
  13. 前記電源装置を用いて冷却部材の冷却面に印加する直流電圧が、100〜300Vであること特徴とする請求項12に記載のオゾン氷の製造装置。
  14. 前記マイクロバブル混入装置に外部から水道水を供給する経路上に、更に必要に応じて前記マイクロバブル混入装置に水槽からオゾン水が供給(循環)される経路上に、塩素除去手段が設置されてなることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置。
  15. 前記マイクロバブル混入装置で生成されたマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径が10〜100μmであり、尚且つ該マイクロバブル径の平均値が20μmであることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置によっても達成されるものである。
  16. 前記水槽内に供給されたマイクロバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した成分を水槽内から系外に排気するための排気管および/または前記マイクロバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した成分を水槽内から前記オゾン発生装置に供給するための供給管と、を更に有する事を特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置。
  17. 前記オゾン発生装置にマイクロバブル混入水中のマイクロバブルが水槽の液面上に浮揚してガス化した成分を供給する経路内に、水分除去手段を更に備えてなることを特徴とする請求項9〜16のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造装置。
  18. 前記水分除去手段として、前記ガス化した成分の供給経路内に拡径した箇所を設け、当該拡径した箇所に前記ガス化した成分を冷却、除湿するためのペルチェ素子が設置され、および/または、前記ガス化した成分の供給経路内に前記ガス化した成分から水分を吸着除去するための吸湿剤が設置されてなることを特徴とする請求項17に記載のオゾン氷の製造装置。
  19. 請求項9〜18に記載の製造装置に、更にオゾン氷スラリー化し得る添加剤の貯蔵部と、該貯蔵部からマイクロバブル混入装置に、当該混入装置に供給される水に対して所定の割合で(体積比率)で前記添加剤を供給するために流量調整装置を備えた供給経路と、を備えてなることを特徴とするオゾン氷スラリーの製造装置。
  20. 請求項9〜18に記載の製造装置に、更に冷却部材の冷却面上に生成されたオゾン氷に対して、(a)ハーベスト法にて剥離させた該オゾン氷を削り取る氷削装置、または(b)掻き取り法にて直接掻き取ることのできる氷掻取装置を備えてなることを特徴とするオゾン氷スラリーの製造装置。
  21. オゾン原料部から供給される原料をオゾン発生装置にてオゾンを発生させるオゾン発生段階と、
    前記オゾン発生段階で発生されたオゾン含有気体と、水槽から循環される水および/または外部から供給される水とをマイクロバブル混入装置に導入して、マイクロバブル混入水を生成させるバブル混入水生成段階と、
    前記マイクロバブル混入水から浮揚するマイクロバブルを冷却部材の冷却面下に捕捉し得るように、(a)前記マイクロバブル混入装置で生成されたマイクロバブル混入水を供給する配管の先端部が槽内の下部に設置され、尚且つ(b)前記冷却部材が槽内の上部ないし中央部に配置された水槽に、前記バブル混入水生成段階で生成されたマイクロバブル混入水を供給するバブル混入水供給段階と、
    前記水槽内のオゾン水をマイクロバブル混入装置に供給して生成されたバブル混入水を再度水槽内に供給・循環することで、冷却部材の冷却面側にマイクロバブルが捕捉された状態を保持しながら、冷却部材内部の循環流路に冷媒循環装置より冷媒を循環させて、少なくとも該冷却部材の冷却面を冷却させ、該冷却面側に気泡を含有したオゾン氷を生成するためのオゾン氷生成段階と、
    を有することを特徴とするオゾン氷の製造方法。
  22. 前記冷却部材が、平板状の冷却部材であって、該冷却部材の冷却面角度が、0°〜60°の範囲に設置されていることを特徴とする請求項21に記載のオゾン氷の製造方法。
  23. 前記冷却部材の冷却面角度が、10°〜15°の範囲に設置されていることを特徴とする請求項22に記載のオゾン氷の製造方法。
  24. 前記オゾン氷生成段階中に、前記冷却部材に電源装置を用いて電圧を印加する電圧印加工程を更に有すること特徴とする請求項21〜23のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法。
  25. 前記電圧印加工程において、冷却部材の冷却面に電源装置を用いて印加する直流電圧が、100〜300Vであること特徴とする請求項24に記載のオゾン氷の製造方法。
  26. 前記バブル混入水生成段階において、前記マイクロバブル混入装置に外部から水道水を供給する経路上に、更に必要に応じて、前記マイクロバブル混入装置に前記水槽からオゾン水が供給(循環)される経路上に設置されてなる塩素除去装置を用いて塩素除去を行う工程を、更に有することを特徴とする請求項21〜25のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法。
  27. バブル混入水生成段階にて、前記マイクロバブル混入装置により生成されるマイクロバブル混入水中のマイクロバブル径が10〜100μmであり、尚且つ該マイクロバブル径の平均値が20μmであることを特徴とする請求項21〜26のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法。
  28. 前記オゾン氷生成段階中に、水槽内に供給されたバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した成分を水槽内から系外に排気するための排気工程および/または該マイクロバブル混入水中のマイクロバブルが液面上に浮揚してガス化した成分を水槽内から前記オゾン発生装置に供給するガス化した成分の再利用工程を、更に有することを特徴とする請求項21〜27のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法。
  29. 前記オゾン氷生成段階中に、前記オゾン発生装置にマイクロバブル混入水中のマイクロバブルが水槽の液面上に浮揚してガス化した成分を供給する経路内に設置した水分除去装置を用いて、該ガス化した成分から水分除去を行う工程を更に有することを特徴とする請求項21〜28のいずれか1項に記載のオゾン氷の製造方法。
  30. 前記水分除去手段として、(a)前記マイクロバブルがガス化した成分の供給経路内に拡径した箇所を設け、当該拡径した箇所に前記ガス化した成分を冷却、除湿するためのペルチェ素子、および/または、(b)前記マイクロバブルがガス化した成分の供給経路内に前記ガス化した成分から水分を吸着除去するための吸湿剤が設置されてなることを特徴とする請求項29に記載のオゾン氷の製造方法。
  31. 請求項21〜30に記載の製造方法において、前記バブル混入水生成段階中に、更に、オゾン氷スラリー化し得る添加剤の貯蔵部からマイクロバブル混入装置に流量調整装置を備えた供給経路を通じて、該混入装置に供給される水の流量に対して所定の割合(体積比率)で前記添加剤を供給する工程を有することを特徴とするオゾン氷スラリーの製造方法。
  32. 請求項21〜30に記載の製造方法において、更に冷却部材の冷却面上に生成されたオゾン氷に対して、(a)ハーベスト法にて剥離させた該オゾン氷を氷削装置を用いて削り取り、スラリー化する段階、または(b)掻き取り法にて直接氷掻取装置を用いて掻き取り、スラリー化する段階を有することを特徴とするオゾン氷スラリーの製造方法。
  33. 請求項9〜20のいずれか1項に記載の製造装置を用い、請求項21〜32のいずれか1項に記載の製造方法を利用して、製氷または製氷スラリー化されてなる気泡含有の氷または氷スラリーであって、該氷または氷スラリーの気泡含有率(体積割合)が6体積%より高いことを特徴とする氷または氷スラリー。
  34. 請求項9〜20のいずれか1項に記載の製造装置を用い、請求項21〜32のいずれか1項に記載の製造方法を利用して、果汁または果汁濃縮還元液または無果汁飲料に、フレーバーのあるガスを注入して製氷または製氷スラリー化されてなる気泡含有の氷または氷スラリーからなる味と香りのある氷菓であって、該氷または氷スラリーの気泡含有率(体積割合)が6体積%より高いことを特徴とする味と香りのある氷菓。
  35. 請求項9〜20のいずれか1項に記載の製造装置を用い、請求項21〜32のいずれか1項に記載の製造方法を利用して、水または食品添加物による着色液に、色のついたガスを注入して製氷または製氷スラリー化されてなる着色された気泡含有の氷または氷スラリーからなる着色された氷菓であって、該氷または氷スラリーの気泡含有率(体積割合)が6体積%より高いことを特徴とする色のついた着色された氷菓。
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