JP2011038547A - 車両用油圧式クラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンセントリックスレーブシリンダ内において負圧の発生を抑制して操作性を高めることができる車両用油圧式クラッチ装置を提供する。
【解決手段】スレーブシリンダ66内には、クラッチペダル60の操作に関連して発生するスレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ向かう作動油の流通を抑制するオリフィス130が設けられているため、作動油の慣性エネルギが低減されるので、負圧の発生が抑制される。したがって、負圧の発生に伴って生じるスレーブシリンダ66のガタの増加が抑制されるので、次回のクラッチペダル踏込操作時において上記ガタに起因する無効ストロークの増加を低減することができるため、クラッチペダル60の操作性を高めることができる。
【選択図】図5
【解決手段】スレーブシリンダ66内には、クラッチペダル60の操作に関連して発生するスレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ向かう作動油の流通を抑制するオリフィス130が設けられているため、作動油の慣性エネルギが低減されるので、負圧の発生が抑制される。したがって、負圧の発生に伴って生じるスレーブシリンダ66のガタの増加が抑制されるので、次回のクラッチペダル踏込操作時において上記ガタに起因する無効ストロークの増加を低減することができるため、クラッチペダル60の操作性を高めることができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、駆動源の動力を駆動輪へ伝達および遮断するための車両用油圧式クラッチ装置に係り、特に、その車両用油圧式クラッチ装置の操作性を向上させる技術に関するものである。
車両において、駆動源によって発生させられる動力を選択的に駆動輪へ伝達および遮断するための車両用油圧式クラッチ装置が備えられている。上記車両用油圧式クラッチは油圧を駆動源とし、例えば運転者によってクラッチペダルが踏み込まれると、それに従って油圧が発生させられ、その油圧を駆動力源として摩擦クラッチが作動させられて車両の動力伝達が遮断される。
摩擦クラッチとクラッチペダルとは、油路を介して作動的に連結されており、所定の油圧を発生させるためのクラッチマスタシリンダが備えられている。例えば、クラッチペダルが踏み込まれない状態では、クラッチマスタシリンダに形成されているポートを介して油路とその油路内に作動油(フルード)を充填するためのリザーバタンクとが連通された状態とされており、適宜作動油が充填される。なお、そのときの作動油の油圧は、リザーバタンクと連通されることで大気圧と略等しくなる。このとき、摩擦クラッチを解放させるためのアクチュエータに所定の油圧が供給されないので、摩擦クラッチの係合状態が維持される。一方、運転者によるクラッチペダルの踏込動作に伴って、クラッチマスタシリンダ内に備えられているピストンが移動させられると、前記リザーバタンクとの連通が遮断され、そのピストンの移動によって作動油が圧縮させられて昇圧することとなる。そして、この昇圧させられた作動油の油圧が、油路(配管)を通ってアクチュエータに備えられている圧力室に供給されることによって、アクチュエータのピストンが移動させられ、機械的に摩擦クラッチが解放させられる。
従来の車両用油圧式クラッチ装置では、油圧によって作動させられるクラッチレリーズシリンダ(アクチュエータ)の駆動に伴って、レリーズフォークを介して間接的に摩擦クラッチが解放させられるものが主流であったが、コンセントリックスレーブシリンダと呼ばれる、レリーズフォークを介することなく直接的にスレーブシリンダのピストンを駆動させて摩擦クラッチを解放させる形式のものが実現されている。例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている油圧式クラッチ装置がその一例である。
ところで、特許文献1や特許文献2をはじめとしたコンセントリックスレーブシリンダにおいて、エンジンからの振動を吸収するため、軸方向、回転方向、半径方向に所定のガタが予め設けられている。例えば摺動カップとピストンとの間、ピストンとベアリングとの間、或いはコンセントリックスレーブシリンダの分割されたピストンの間などにガタが設けられる。ここで、通常のクラッチペダルの踏込みにおいては、油路内の作動油は正圧となるが、クラッチペダルを踏み込んだ状態で急に踏込位置から元位置に戻す操作を実施すると、クラッチマスタシリンダのポートがリザーブタンクと連通され、作動油がコンセントリックスレーブシリンダ側からクラッチマスタシリンダ側へ勢いよく流通することとなる。このときの作動油の慣性の影響によって油路内に負圧が発生し、その負圧によってガタの開きが大きくなる。これに伴って、クラッチペダルの初期ストロークの遊び(無効ストローク)が増加し、次回のクラッチペダルの踏込の際にクラッチの切れ不良、クラッチフィーリングの悪化、ペダル戻りの悪化などが発生して、クラッチ装置の操作性が低下する可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、コンセントリックスレーブシリンダ内において負圧の発生を抑制して操作性を高めることができる車両用油圧式クラッチ装置を提供することにある。
上記課題に対して、発明者らは、油路内にオリフィスなどの流通抑制装置を設けることで、スレーブシリンダ側からクラッチマスタシリンダ側へ作動油が流通する場合に作動油の慣性エネルギを低減することで、油路内で発生する負圧を抑制することを見出した。さらに、発明者らは、上記流通抑制装置をコンセントリックスレーブシリンダ内に設けることによって、作動油の慣性エネルギを最も効果的に低減させることができ、負圧の発生を効果的に抑制することができることを見出した。なお、特許文献1において、コンセントリックスレーブシリンダ内に供給オリフィス(13)が記載されているが、図6に示されるように、供給パイプ(11)とボア(14)とが接続されると、オリフィス(13)によって流通断面積が縮小されておらず、本来のオリフィスとしての機能(流通抑制機能)を有していない。
すなわち、上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)作動油を貯留するリザーバタンクに接続され、クラッチペダルの操作に応答してクラッチ作動油圧を発生させるクラッチマスタシリンダと、そのクラッチマスタシリンダから発生させられたクラッチ作動油圧が油路を介して給排されることで摩擦クラッチを係合および解放させるコンセントリックスレーブシリンダと、を備えた車両用油圧式クラッチ装置であって、(b)前記コンセントリックスレーブシリンダ内には、前記クラッチペダルの操作に関連して発生するコンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側へ向かう作動油の流通を抑制する流通抑制装置が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用油圧式クラッチ動装置において、前記流通抑制装置は、前記油路内の作動油の流通抵抗を増加させる絞り孔であり、その絞り孔は、前記コンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側へ作動油が流通する際の流通抵抗の方が、前記クラッチマスタシリンダ側から前記コンセントリックスレーブシリンダ側へ作動油が流通する際の流通抵抗よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2の車両用油圧式クラッチ装置において、前記絞り孔は、前記コンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側への進行方向では前記油路の断面積が急縮小され、前記クラッチマスタシリンダ側から前記コンセントリックスレーブシリンダ側への進行方向では前記油路の断面積が漸減されるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至3のいずれか1つの車両用油圧式クラッチ装置において、前記流通抑制装置は、前記コンセントリックスレーブシリンダに形成されている前記圧力室と連通する前記油路の開口部と前記クラッチマスタシリンダに連通する前記油路を構成する配管とを接続する接続部に設けられていることを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項4の車両用油圧式クラッチ装置において、前記流通抑制装置は、前記コンセントリックスレーブシリンダと前記配管との前記接続部内に介挿されている円筒状のシート部材に一体的に形成されていることを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用油圧式クラッチ装置において、前記流通抑制装置は、前記クラッチマスタシリンダ側から前記コンセントリックスレーブシリンダ側へ作動油が移動する場合には開弁し、前記コンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側へ作動油が移動して負圧が発生する場合には閉弁するバルブ機構であることを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至6のいずれか1つの車両用油圧式クラッチ装置において、(a)前記コンセントリックスレーブシリンダは、(b)非回転部材に固定された円筒状のインナスリーブと、(c)そのインナスリーブの外周側であって、且つ、そのインナスリーブと同軸心上に固定される円筒状のアウタスリーブと、(d)そのインナスリーブとアウタスリーブとの間の空間に形成されて前記クラッチマスタリンダから出力されたクラッチ作動油圧を受け入れる円環状の圧力室と、(e)前記インナスリーブとアウタスリーブとの間の間隙に摺動可能に嵌め入れられ、前記圧力室に供給されるクラッチ作動油圧を受けて前記摩擦クラッチへクラッチ操作力を伝達する円環状の出力ピストンと、(f)前記圧力室と出力ピストンとの間に介装されて圧力室を油密に維持する摺動カップとを、備え、(g)前記出力ピストンは、第1ピストンおよび第2ピストンの2つの部材から成り、軸心方向において互いに離間可能に構成されていることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両用油圧式クラッチ装置によれば、前記コンセントリックスレーブシリンダ内には、前記クラッチペダルの操作に関連して発生するコンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側へ向かう作動油の流通を抑制する流通抑制装置が設けられているため、例えばクラッチペダルの踏込状態から急に踏込を解除する戻し操作が実施されると、コンセントリックスレーブシリンダ側からクラッチマスタシリンダ側へ作動油が流通し、その作動油の慣性の影響によって油路内に負圧が発生し易くなるが、前記流通抑制装置が設けられることによって、作動油の慣性エネルギが低減されるので、負圧の発生が抑制される。したがって、負圧の発生に伴って生じるコンセントリックスレーブシリンダのガタの増加が抑制されるので、次回のクラッチペダル踏込操作時において上記ガタに起因する無効ストロークの増加を低減することができるため、クラッチペダルの操作性を高めることができる。
また、流通抑制装置がコンセントリックスレーブシリンダ内に設けられることで、クラッチマスタシリンダ側に設けられる場合に比べて、流通抑制装置による慣性エネルギの低減量が大きくなることから、負圧の発生が効果的に抑制されることとなる。したがって、コンセントリックスレーブシリンダ内でのガタの増加が効果的に抑制される。
また、請求項2にかかる発明の車両用油圧式クラッチ装置によれば、上記のように前記絞り孔が形成されることで、コンセントリックスレーブシリンダ側からクラッチマスタシリンダ側へ作動油が流通する場合、作動油の流通抵抗が大きくなって作動油の圧力損失が大きくなる一方、クラッチマスタシリンダ側からコンセントリックスレーブシリンダ側へ作動油が流通する場合、作動油の流通抵抗が小さくなって圧力損失が小さくなる。したがって、作動油の流通方向に応じて圧力損失を変化させることができることから、クラッチペダルを踏み込む場合には圧力損失を抑制して十分な作動油の流量を確保できると共に、クラッチペダルの踏込を解除する戻し操作を実施する場合には圧力損失を増加させて作動油の慣性エネルギを低減することで負圧の発生を抑制することができる。
また、請求項3にかかる発明の車両用油圧式クラッチ装置によれば、上記のように絞り孔が構成されることで、作動油がコンセントリックスレーブシリンダ側からクラッチマスタシリンダ側へ流通する場合、作動油が急縮小された絞り孔を流通するので、作動油の流れに乱れが生じて圧力損失が大きくなる。また、作動油がクラッチマスタシリンダ側からコンセントリックスレーブシリンダ側へ流通する場合、作動油がテーパ状の油路に沿って乱れなく絞り孔を流通するので圧力損失が抑制される。したがって、上記のように構成されることで、作動油の進行方向に応じて圧力損失を変化させることができる。
また、請求項4にかかる発明の車両用油圧式クラッチ装置によれば、流通抑制装置は、前記コンセントリックスレーブシリンダに形成されている前記圧力室と連通する前記油路の開口部と前記クラッチマスタシリンダに連通する前記油路を構成する配管とを接続する接続部に設けられているため、流通抑制装置がクラッチマスタシリンダ側に設けられている場合に比べて圧力損失が大きくなる。したがって、作動油の慣性エネルギの低減量が大きくなり、負圧の発生が効果的に抑制される。また、上記接続部に設けられることで、流通抑制装置の設置が容易となる。
また、請求項5にかかる発明の車両用油圧式クラッチ装置によれば、前記流通抑制装置は、前記コンセントリックスレーブシリンダと前記配管との前記接続部内に介挿されている円筒状のシート部材に一体的に形成されているため、前記シート部材を変形するだけで流通抑制装置が構成され、部品点数を増加することなく容易に流通抑制装置を設けることができる。
また、請求項6にかかる発明の車両用油圧式クラッチ装置によれば、前記流通抑制装置は、前記クラッチマスタシリンダ側から前記コンセントリックスレーブシリンダ側へ作動油が移動する場合には開弁し、前記コンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側へ作動油が移動して負圧が発生する場合には閉弁するバルブ機構であるため、負圧の発生を効果的に抑制することができる。
また、請求項7にかかる発明の車両用油圧式クラッチ装置によれば、コンセントリックスレーブシリンダの出力ピストンが第1ピストンおよび第2ピストンから成り、軸心方向において離間可能とされることで、第1ピストンおよび第2ピストンの間に隙間(ガタ)が形成されることで、エンジンから伝達される振動を吸収することができる。また、クラッチペダルの踏込状態を急に解除する急な戻し操作が実施されることで、油路内において負圧が発生すると、コンセントリックスレーブシリンダの圧力室側のピストンが負圧によって圧力室側に引き寄せられて上記隙間(ガタ)が大きくなって次回のクラッチペダルの踏込時においてガタの増加に起因する無効ストロークが大きくなり、クラッチ装置の操作性が低下することとなるが、上記流通抑制装置が設けられることにより、負圧の発生が抑制されてガタの増加が抑制される。
ここで、好適には、前記車両用油圧式クラッチ装置は、エンジンと常時噛合型平行軸式の手動変速機との間の動力伝達経路を接続および遮断するために用いられる。
また、好適には、前記車両用油圧式クラッチ装置の油路には、油路内の空気を排出するためのブリーザが設けられる。
また、好適には、リザーバタンクがクラッチマスタシリンダを介して車両用油圧式クラッチ装置の油路に連結されることで、油路内の作動油量が適宜調整される。例えば、作動油の体積は温度に応じて変化するが、その温度変化に伴う体積変化に対してもリザーバタンクから作動油が好適に充填される、或いはリザーバタンク側に作動油が流動するなどして適宜調整される。また、摩擦クラッチが摩耗した場合においても、コンセントリックスレーブシリンダの出力ピストンに反力を発生させるダイヤフラムスプリングの姿勢が変化するに伴い油路内の必要とされる作動油量が変化するが、それに対してもリザーバタンクによって適宜調整される。なお、クラッチペダルを踏み込んだ際には、クラッチマスタシリンダに設けられている油路とリザーバタンクとを連通するポートが遮断されることで、油路内の作動油が圧縮されてクラッチ作動油圧が発生させられる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両用油圧式クラッチ装置10を備える車両において摩擦クラッチ12、およびその周辺部材を示す断面図である。図1において、摩擦クラッチ12は、車両の駆動源から駆動輪へ至る動力伝達経路の一部を構成する乾式単板式の円板クラッチであって、摩擦によって動力を伝達する摩擦継手として機能するものである。本実施例では、摩擦クラッチ12は、上記駆動源に相当する図示しないエンジンと例えば良く知られた所謂常時噛合型平行軸式の図示しない手動変速機のハウジングとにそれぞれ一体的に連結された筒状のクラッチハウジング14内において、上記エンジンの出力軸(クランク軸)の一端部に固定されてその出力軸と一体的に回転駆動される円板状のフライホイール15と、そのフライホイール15に同心且つ相対回転可能に設けられた上記手動変速機の入力軸18との間に設けられている。入力軸18は、上記手動変速機と摩擦クラッチ12との隔壁16を貫通すると共にその隔壁16により回転可能に支持された回転軸である。
上記摩擦クラッチ12は、入力軸18の先端部にスプライン嵌合された円板状のクラッチディスク30と、フライホイール15の外周部に固設されたクラッチカバー32内において、クラッチディスク30のフライホイール15とは反対側にクラッチディスク30に対して接近離間可能に配設された円環板状のプレッシャープレート34とを備えている。なお、前記手動変速機の入力軸18は、摩擦クラッチ12の出力軸(クラッチ出力軸)としても機能している。
上記クラッチディスク30は、内周部が入力軸18にスプライン嵌合された円筒状のハブ36と、そのハブ36の外周部に固定された一対の円環板状のフリクションプレート38と、それら一対のフリクションプレート38間に挟持されて円周方向に複数配設されたダンパスプリング40を介して一対のフリクションプレート38に動力伝達可能に設けられた円環板状のディスクプレート42と、内周部がディスクプレート42の外周部に固定された可撓性を有する円環板状のディスクプレート44と、フライホイール15およびプレッシャープレート34にそれぞれ対向するディスクプレート44の両側面にそれぞれ固定された円環板状の摩擦材(フェーシング、ライニング)46、48とを備えて構成されている。上記摩擦材46、48は、例えば、ガラス繊維、フェノール樹脂、ゴム、および摩擦調整剤などが練り固められた摩擦係数が高い材料から成るものである。
また、摩擦クラッチ12は、プレッシャープレート34のクラッチディスク30とは反対側において、クラッチカバー32に配設された一対の円環状の支点部材52、54により外周端部と内周端部との間が挟持されて、外周端部によりプレッシャープレート34をクラッチディスク30に向けて付勢する円環板状のダイヤフラムスプリング50を備えている。このダイヤフラムスプリング50は、その内周端部が軸方向においてクラッチディスク30側へ押圧されると、支点部材52、54により支持された状態で外周端部がプレッシャープレート34から離間する方へ回動するようになっている。そして、上記内周端部のフライホイール15側への押圧が解除されると、ダイヤフラムスプリング50の弾性復帰力によって外周端部がプレッシャープレート34をクラッチディスク30へ向けて付勢する状態へ復帰させられるようになっている。
このように構成された摩擦クラッチ12においては、ダイヤフラムスプリング50の内周端部に外力が作用しない場合には、プレッシャープレート34がダイヤフラムスプリング50の外周端部によりクラッチディスク30側へ押圧されることでクラッチディスク30がプレッシャープレート34とフライホイール15との間で挟圧されて、クラッチディスク30とフライホイール15およびプレッシャープレート34とが摩擦材46および摩擦材48をそれぞれ介して摩擦係合される完全係合状態とされて、フライホイール15とクラッチディスク30との間が動力伝達状態とされる。また、ダイヤフラムスプリング50の内周端部が軸方向においてクラッチディスク30側へ操作される場合には、その操作力すなわちクラッチ操作力に応じてプレッシャープレート34のクラッチディスク30側への押圧力が変化する。そして、その押圧力が完全に無くなると、クラッチディスク30とフライホイール15およびプレッシャープレート34との摩擦係合が解放される完全解放状態とされて、フライホイール15とクラッチディスク30との間の動力伝達が遮断されるようになっている。
図2は、図1に示す摩擦クラッチ12を作動させるための車両用油圧式クラッチ装置10の構成の一部を示す図である。図1および図2において、車両用油圧式クラッチ装置10は、摩擦クラッチ12の作動状態を切り換えるために運転者により操作される(踏み込まれる)クラッチペダル60(図2参照)と、そのクラッチペダル60の操作すなわち踏込操作に応答してその踏込量(操作量)に応じたクラッチ作動油圧を発生させる圧力室86(図3参照)を有するクラッチマスタシリンダ62(図2参照)と、作動油の余剰分を貯溜するリザーバタンク64(図2参照)と、クラッチマスターシリンダ62から出力されたクラッチ作動油圧を受けて摩擦クラッチ12を作動(係合および解放)させる図1に示すコンセントリックスレーブシリンダ66(以下、スレーブシリンダ66と記載)とを備えている。
上記クラッチペダル60は、車両の車室とエンジンルームとを区画するダッシュパネル68に設けられたクラッチペダルブラケット70によって基端部が一軸心Oまわりに回動自在に支持されたペダルレバー72と、そのペダルレバー72の先端部に固設された踏込操作部であるペダルパッド74とを備えている。上記ペダルレバー72には、図示しないリターンスプリングによって運転者側(図2の左側)に向かう方向への付勢力が付与されている。この付勢力に抗して運転者がペダルパッド74の踏込操作を行うことで摩擦クラッチ12が作動して解放状態とされ、また、運転者がそのペダルパッド74の踏込操作を解除する戻し操作を実施することで摩擦クラッチ12が係合状態とされる。
図3は、図2に示すクラッチマスターシリンダ62(以下、マスタシリンダ62と記載する)の断面図である。図2および図3において、クラッチマスターシリンダ62は、クラッチペダル60に作用する踏力を油圧に変換するためのものであり、例えばダッシュパネル68に固定された有底円筒状のシリンダ本体すなわちシリンダハウジング76と、そのシリンダハウジング76内に軸心方向の所定距離を隔てて嵌め着けられられた一対の円環状のシール部材である第1カップ80および第2カップ82と、その第1カップ80および第2カップ82の内周部と摺動可能にシリンダハウジング76内に嵌め入れられて、シリンダハウジング76の内周面84とともに作動油圧を発生させるための圧力室86を形成するピストン88とを備えている。
上記シリンダハウジング76の先端部には、シリンダハウジング76内部の圧力室86と連通した開口を有する管状部材であって、先端部にクラッチマスターシリンダ62をスレーブシリンダ66に接続するための接続ホース(弾性チューブ)92の一端部が嵌め着けられる連結管94が突設されている。また、シリンダハウジング76の外周上部には、所定容積の貯溜室89を有する有底円筒状のチャンバーハウジング(チャンバー)90が嵌め着けられている。そのチャンバーハウジング90内の貯溜室89は、シリンダハウジング76の軸心方向における第1カップ80と第2カップ82との間の位置にそのシリンダハウジング76を貫通して設けられた作動油供給孔96を通じて、シリンダハウジング76内の圧力室86と連通されている。そして、チャンバーハウジング90には、そのチャンバーハウジング90の外周部から突き出されて先端にチャンバーハウジング90内の貯溜室89と連通された開口を有する管状部材であって、先端部の外周面にクラッチマスターシリンダ62をリザーバタンク64に接続するための接続ホース(弾性チューブ)98の一端部が嵌め着けられる連結管100が突設されている。本実施例では、上記作動油供給孔96、チャンバーハウジング90内の貯溜室89、連結管100、および接続ホース98によりクラッチマスターシリンダ62の圧力室86とリザーバタンク64とを連通させる油路が形成されている。また、上記連結管94、接続ホース92、および、後述の中継部材122および配管124によりクラッチマスターシリンダ62の圧力室86とスレーブシリンダ66の圧力室114とを連通させる油路(本発明の油路に相当)が形成されている。なお、中継部材122には、後述するブリーザ123が設けられており、油路内に溜まる空気がブリーザ123の排出口から排出されるようになっている。
また、クラッチマスターシリンダ62は、ピストン88の圧力室86とは反対側の一端面とペダルレバー72との間に、ペダルレバー72の踏込操作をピストン88に伝達するためのロッド102を備えており、ピストン88は、クラッチペダル60の踏込量に応じて、圧力室86の一端側の位置すなわち図3に示すように圧力室86の容積が最も大きくなる位置から、圧力室86の他端側の位置すなわち圧力室86の容積が最も小さくなる位置までのストロークで摺動させられるようになっている。そして、ピストン88には、そのピストン88が上記一端側の位置に移動させられたときに圧力室86と作動油供給孔98とを連通させる連通孔104が設けられている。この連通孔104は、油逃し穴として機能するものであって、クラッチペダル60の操作量が所定値を下回る初期操作時であって、ピストン88が上記一端側の位置から反対側に所定距離移動することで第1カップ80により完全に塞がれるまでの間は、圧力室86とリザーバタンク64とを連通状態とするものである。また、クラッチマスターシリンダ62の圧力室86内には、ピストン88を圧力室86とは反対側へ付勢するリターンスプリング106が配設されており、ペダルレバー72の踏込を解除する戻し操作が実施された場合には、ピストン88が上記一端側の位置へ復帰させられるようになっている。
このように構成されたクラッチマスターシリンダ62においては、クラッチペダル60の踏込操作に応じてピストン88が移動してそのピストン88の連通孔104が第1カップ80により完全に塞がれることにより、圧力室86内が密閉状態とされる。そして、さらにピストン88が前記他端側の位置に向けて移動させられることで圧力室86内の作動油が圧縮されて所定のクラッチ作動油圧の昇圧が開始するようになっている。また、クラッチペダル60の踏込操作が解除された状態では、作動油供給孔96と圧力室86とが連通孔104を介して連通される、すなわちリザーバタンク64と圧力室86とが連通されることで、車両用油圧式クラッチ装置10の油路内の作動油量が適宜調整される。例えば、作動油温が変化するに伴い作動油の体積が変化して油路内の作動油が不足した場合には、リザーバタンク64から油路内へ作動油が充填される一方、油路内の作動油に余剰分が生じた場合には、リザーバタンク64側に作動油が流動される。また、摩擦クラッチ12が摩耗してくると、クラッチカバー32の姿勢が変化して、油路内の必要とされる作動油量が変化するが、そのときの変化に対してもリザーバタンク64によって作動油量が調整される。
図4は、図1に示すコンセントリックスレーブシリンダ66(CSC)の断面図である。図1および図4において、スレーブシリンダ66は、入力軸18が貫通した状態でそれぞれ非回転部材である隔壁16に位置固定に設けられた円筒形状のインナスリーブ110およびアウタスリーブ112を備えている。インナスリーブ110およびアウタスリーブ112は、それぞれ軸心Cと同軸心上に配置され、且つ、アウタスリーブ112はインナスリーブ110の外周側に配置されている。また、インナスリーブ110の外周壁とアウタスリーブ112の内周壁との間隙には、円環状の空間が形成されており、この空間によって後述する圧力室114が形成される。圧力室114は、マスタシリンダ62から出力されたクラッチ作動油圧を受け入れるために形成される油密な空間であり、インナスリーブ110、アウタスリーブ112、およびインナスリーブ110の外周壁とアウタスリーブ112の内周壁との間に摺接可能に嵌め付けられてシール部材としても機能する摺動カップ120に囲まれて形成される。摺動カップ120の圧力室114と反対側には、インナスリーブ110の外周壁とアウタスリーブ112の内周壁との間の間隙を軸方向に摺動可能に嵌め入れられた円環状の出力ピストン116が摺動カップ120に隣接して配設されている。出力ピストン116は、圧力室114に供給されるクラッチ作動油圧を受けて摺動カップ120を介して軸方向に移動し、摩擦クラッチ12へクラッチ操作力を伝達する。ここで、出力ピストン116は、円環形状の第1ピストン118および第2ピストン119の2つの部材で構成されており、軸方向において互いに離間可能に構成されている。すなわち、第1ピストン118および第2ピストン119との間にガタが形成可能となる。上記ガタが形成されることで、エンジンからの振動が吸収される。また、圧力室114内のクラッチ作動油圧を受けて、摺動カップ120を介して第1ピストン118が摩擦クラッチ12側に移動させられると、第1ピストン118と第2ピストン119とが当接しあい、第2ピストン118にもその推力が伝達され、第2ピストン119も同様に摩擦クラッチ12側に移動させられる。
アウタスリーブ112の一端には、径方向に突設された延設部121が形成されており、その延設部121の外周縁には、図1に示すクラッチハウジング14に設けられた中継部材122を介して接続ホース92に接続された配管124の一端部が接続されている。また、配管124内の油路は、延設部121の内部に形成された油路126を通って圧力室114に連通されている。したがって、シリンダハウジング108の圧力室114は、油路126、配管124、中継部材122、および接続ホース92を介してクラッチマスターシリンダ62の圧力室86と連通されている。
上記出力ピストン116とダイヤフラムスプリング50との間には、それら出力ピストン116とダイヤフラムスプリング50との相対回転を許容しつつ相互に軸方向の力を伝達可能とするためのレリーズベアリング128が設けられている。このレリーズベアリング128は、出力ピストン116からダイヤフラムスプリング50へのクラッチ操作力とダイヤフラムスプリング50から出力ピストン116へのスプリング反力とを相互に伝達するものである。レリーズベアリング128は、インナベアリング保持板127とアウタベアリング保持板129とに挟まれた状態で保持されており、インナベアリング保持板127とアウタベアリング保持板129とはレリーズベアリング128を介して互いに相対回転可能とされている。また、レリーズベアリング128は、アウタスリーブ112とインナベアリング保持板127との間に介挿されている2個のスプリング131によってダイヤフラムスプリング50側に常時付勢されており、アウタベアリング保持板129の端面がダイヤフラムスプリング50の内周端と常時当接させられるようになっている。
出力ピストン116は、圧力室114に供給されたクラッチ作動油圧に応じて、摩擦クラッチ12の完全係合状態に対応する位置すなわち圧力室114の容積が最も小さくなる位置から、摩擦クラッチ12の完全解放状態に対応する位置すなわち圧力室114の容積が最も大きくなる位置まで移動させられるようになっている。そして、上記圧力室114内のクラッチ作動油圧が大きいほど、出力ピストン116からダイヤフラムスプリング50へ伝達されるクラッチ操作力が大きくなる。また、前述したように出力ピストン116は、軸方向において2つに分割された第1ピストン118および第2ピストン119から構成されており、上記第1ピストン118および第2ピストン119が軸方向において離間可能とされている。そして、第1ピストン118と第2ピストン119との間に形成される微隙間(ガタ)によってエンジン側からの振動が吸収されるようになっている。
このように構成されたスレーブシリンダ66においては、圧力室114に供給されるクラッチ作動油圧に応じて出力ピストン116が移動してダイヤフラムスプリング50の内周端部にクラッチ操作力が伝達されるようになっている。なお、圧力室114に供給されるクラッチ作動油圧が大きいほどすなわち出力ピストン116が図1の右方向へ移動するほど、ダイヤフラムスプリング50に入力されるクラッチ操作力が大きくなるようになっている。
ここで、本実施例の車両用油圧式クラッチ装置10には、クラッチペダル60の踏込を解除する戻し操作を実施した際に発生するスレーブシリンダ66側(圧力室114側)からマスタシリンダ62側(圧力室86側)へ向かう作動油の流通を抑制するオリフィス130がスレーブシリンダ66内に設けられている。オリフィス130は、油路内の流通断面積を縮小することで作動油の流通抵抗を増加させる絞り孔であり、本発明の流通抑制装置として機能するものである。
図5は、図4において配管124の一端部がアウタスリーブ112の延設部121に接続されている状態を拡大して示した部分断面図である。図5に示すように、オリフィス130が、アウタスリーブ112の延設部121に形成されている圧力室114と連通する油路126の開口部133と、マスタシリンダ62と連通する油路を構成する配管124との接続部134に設けられている。具体的には、開口部133には段付部が形成されており、外周部が前記段付部と当接するようにシート部材132が介挿されている。また、配管124には径方向に拡径されているフレアー部125が形成されており、そのフレアー部125の先端がシート部材132の部材の端部と当接させられている。そして、配管124の外周側に嵌め付けられているナット131が、延設部121の開口に形成されているネジ部135と螺合させられることによって、フレアー部125がシート部材132を押圧することとなる。これにより、配管124が開口部133と接続されると共に、シート部材132がフレアー部125からの押圧によって固定される。
上記シート部材132には、作動油を流通させるための油路孔136が形成されており、油路穴136の穴径は配管124の油路の内径と等しく形成されている。また、シート部材132の一端側には、油路内の流通断面積を縮小させて作動油の流通抵抗を増加させるための絞り孔139が形成されている。上記絞り孔139がオリフィス130として機能する。ここで、絞り孔139において、スレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側への進行方向では、油路内の流通断面積が急縮小される一方、マスタシリンダ62側からスレーブシリンダ66側への進行方向では、作動油の流通断面積が絞り孔139側に向かうに従って漸減されるようにテーパ面138が形成されている。したがって、クラッチペダル60の踏込を解除する戻し操作が実施されることによって、油路内の作動油がスレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ流通されると、オリフィス130による流通抵抗が付与される。一方、クラッチペダル60の踏込操作が実施されて作動油がマスタシリンダ62側からスレーブシリンダ66側へ流通される場合、同様にオリフィス130によって流通抵抗が生じるものの、作動油が上記テーパ面138に沿って流通されるため、流れの乱れが抑制されて流通抵抗が前者の場合に比べて小さくなる。また、本実施例では、従来の構成においても使用されるシート部材132に一体的にオリフィス130が形成されることで、部品点数の増加もなく、製造コストが大幅に抑制されている。
上記のようにシート部材132の一端側において、油路の断面積が漸減されるようにテーパ状に形成されることで、クラッチペダル60の踏込操作に伴ってマスタシリンダ62側からスレーブシリンダ66側へ作動油が流通する場合には、テーパ面138に沿って作動油が流動するので、作動油の流れの乱れも抑制されて流路断面積の減少に伴う圧力損失も比較的小さくなり、作動油の流通抵抗も小さくなる。一方、クラッチペダル60の踏込を解除する戻し操作が実施されてスレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ作動油が流通する場合には、作動油は絞り孔139によって急縮小させられた流路内を流動することから、油路内に乱れが発生し、圧力損失が大きくなって作動油の流通抵抗も大きくなる。すなわち、クラッチペダル60の踏込操作時には、作動油の流動抵抗が小さくなって圧力損失が抑制される一方、アクセルペダル60の踏込を解除する戻し操作時には、流通抵抗が大きくなって圧力損失が大きくなる。なお、絞り孔139の穴径やテーパ面138のテーパ角は、予め実験や計算によって最適な寸法に設定される。
図6は、クラッチペダル60の踏込操作が行われてその踏込量が最大とされて、マスタシリンダ62のピストン88およびスレーブシリンダ66の出力ピストン116(第1ピストン118、第2ピストン119)が摩擦クラッチ12の完全解放状態に対応する位置とされた状態を示している。このときマスタシリンダ62内において、リザーバタンク64との連通が遮断された状態となるので、クラッチペダル60の踏込量に対応するクラッチ作動油圧が発生させられる。この図6に示す状態から、クラッチペダル60の踏込操作の解除すなわちクラッチペダル60の戻し操作が行われると、第1ピストン118および第2ピストン119がダイヤフラムスプリング50のスプリング反力を受けてそのダイヤフラムスプリング50とは反対側に移動させられ、また、ピストン88がリターンスプリング106のスプリング反力を受けてそのリターンスプリング106とは反対側へ移動させられる。
図7は、上記図6に示す状態からクラッチペダル60の戻し操作が行われてピストン88が移動させられて、クラッチマスターシリンダ62のピストン88に設けられた連通孔104が作動油供給孔96と圧力室86とを連通させる直前の状態を示している。この図7に示す状態においては、圧力室114内および圧力室86内の作動油は圧力室114側(スレーブシリンダ66側)から圧力室86側(マスタシリンダ62側)へ向かう流動状態にある。この図7に示す状態から、クラッチペダル60の戻し操作が連続して行われると、ピストン88が摩擦クラッチ12の完全係合状態に対応する位置に向けて移動させられる。そして、連通孔104を介して作動油供給孔96と圧力室86とが連通されると、圧力室86がリザーバタンク64と連通されるので、クラッチ作動油圧が大気圧と略等しくなる。
図8は、クラッチペダル60の戻し操作が完了してピストン88が前記摩擦クラッチ12の完全係合状態に対応する位置に移動した状態を示している。図7に示す状態から図8に示す状態に至るまでの間に連通孔104が作動油供給孔98と圧力室86とを連通させるようになっている。ここで、図8に示す状態とされた直後には、圧力室114側(スレーブシリンダ66)から圧力室86側(マスタシリンダ62)へ向かう作動油の慣性により圧力室86内の作動油がリザーバタンク64へ流通する状態になる。このとき、本実施例では、スレーブシリンダ66の圧力室114からマスタシリンダ62の圧力室86側へ向かう作動油の流通を抑制する流通抑制装置としてオリフィス130を備えているため、マスタシリンダ62側(リザーバタンク64側)へ流通する作動油の慣性がオリフィス130によって低減される。すなわち、オリフィス130の流通抵抗によって圧力損失が発生するに伴い、作動油の慣性エネルギが低減される。したがって、クラッチペダル60の戻し操作が完了した直後にスレーブシリンダ66内(圧力室114)の作動油がその慣性によりマスタシリンダ62側へ流通することによって、圧力室114内において負圧が発生することが抑制される。これより、上記負圧によって第1ピストン118が圧力室114側に引き込まれ、第1ピストン118と第2ピストンとの間に形成される隙間(ガタ)が必要以上(エンジンの振動伝達抑制を可能とする隙間)に大きくなることが抑制される。
なお、図9は、オリフィス130を備えていない場合において、クラッチペダル60の急な戻し操作を実施した場合の状態を示している。このような場合には、スレーブシリンダ66の圧力室114内の作動油がマスタシリンダ62側へ流通する際の慣性によって、圧力室114内に負圧が発生して第1ピストン118が第2ピストン119と離間する方向に相対移動し、図9に示すように、第1ピストン118と第2ピストン119との間の隙間(ガタ)が前記振動伝達抑制に必要十分な隙間以上に拡大してしまう。なお、上記隙間(ガタ)が大きくなると、次回のクラッチペダルの踏込操作の際に、その隙間(ガタ)が詰まるまで第2ピストン119の作動に遅れが生じ、クラッチペダル60の無効ストロークが増加する。したがって、クラッチの切れ不良、クラッチフィーリングの悪化、クラッチペダル戻りの悪化等の問題が発生する。
図10は、オリフィス130を備えていないクラッチ装置において、足をペダルパッド74上に置いた状態のままクラッチペダル60の踏込みを解除する比較的遅い戻し操作が行われたときに、その次に行われたクラッチペダル60の踏込操作におけるペダル踏力とペダルストローク[mm]との関係を示す実験データの一例と、クラッチペダル60の踏込位置において足をペダルパッド74から外すことでクラッチペダル60の戻し操作が行われたとき、或いはそれに近い速度でクラッチペダル60の踏込みを解除する比較的早い急な戻し操作が行われたときに、その次に行われたクラッチペダル60の踏込操作におけるペダル踏力とペダルストローク[mm]との関係を示す実験データの一例とを比較して示す図である。図10において、実線A1、A2は、急なクラッチペダル60の戻し操作が行われたときのもの、また、点線B1、B2は、比較的遅い戻し操作が行われたときのものをそれぞれ示している。図10に示すように、急なクラッチペダル60の戻し操作が行われたときには、比較的遅いクラッチペダル60の戻し操作が行われたときに比較して、ペダル踏力(クラッチ作動油圧)が上昇し始めるペダルストロークに約15[mm]程度の差すなわちペダルガタ(遊び)がΔGだけ増加している。なお、上記ペダルガタの増加ΔGは、図9において第1ピストン118と第2ピストン119との間の隙間(ガタ)に起因するものであり、クラッチペダル60の踏込時に上記隙間を詰めるためのクラッチストロークに相当する。
図11は、クラッチペダル60の踏込操作およびその踏込を解除する戻し操作が実施された際のマスタシリンダ62の圧力室86内の油圧(CMCシリンダ内液圧)およびスレーブシリンダ66の圧力室114内の油圧(CSCシリンダ内液圧)の変動を示すタイムチャートである。図11において、t1時点においてクラッチペダル60の踏込操作が開始されると、それに伴って油路内の作動油が圧縮され、マスタシリンダ62の圧力室86およびスレーブシリンダ66の圧力室114の油圧が昇圧させられる。このとき、マスタシリンダ62側において昇圧操作が実施されるに伴い、マスタシリンダ62側の油圧の方が、スレーブシリンダ66側の油圧よりも高くなる。そして、t2時点においてクラッチペダル60の踏込からの戻し操作が開始されると、マスタシリンダ62の圧力室86およびスレーブシリンダ66の圧力室114の油圧が一時的に上昇し、その後にそれぞれの油圧が低下する。このとき、スレーブシリンダ66側から作動油が流通するので、配管の圧力損失等の影響でスレーブシリンダ66の油圧の方が、マスタシリンダ62側の油圧よりも高くなる。そして、クラッチペダル60の踏込が完全に解除される直前のt3時点において、作動油の慣性の影響で油路内において負圧が発生することとなる。この負圧によって第1ピストン118が圧力室114側に移動させられてガタが発生する。これに対して、本実施例では、オリフィス130が油路内に設けられることで、その負圧の発生が抑制される。
ところで、本実施例において、オリフィス130はスレーブシリンダ66内(具体的には、スレーブシリンダ66と配管124との接続部134)に設けられているが、上記オリフィス130は、負圧を効果的に抑制することができる最適な位置に設けられることが望ましい。そこで、図12に示す車両用油圧式クラッチ装置10の全体構成図において、油路内の各位置(A、B、C)にオリフィス130を設けた場合、およびオリフィス130を設けない場合(D)について、ペダル戻し速度とペダルガタ増加量との関係を調べた。図13に、図12に示す各位置(A、B、C)にオリフィス130が設けられた場合、およびオリフィス130無しの場合(D)のペダル戻し速度とペダルガタ増加量との関係(油温80℃)を示す。なお、ペダル戻し速度とはクラッチペダル60の踏込を解除する際のペダルの移動速度に相当しており、最も早い場合がクラッチペダル60の踏込状態から足を離した場合となる。
図13に示されるように、各条件においてもペダル戻し速度が増加するにしたがって、ペダルガタ増加量が増加している。すなわち、ペダル戻し速度が増加するにしたがって、スレーブシリンダ66の圧力室114で発生する負圧が大きくなり、第1ピストン118と第2ピストン119との間の隙間(ガタ)が大きくなることを示している。そして、その隙間を詰めるためのクラッチペダル60のストロークが必要が生じることからペダルガタが増加する。また、ペダル戻し速度が所定値を越えると、ペダルガタ増加量が略一定となる。
図12に示す車両用油圧式クラッチ装置10の油路内の各位置(A、B、C)にオリフィス130を設けた場合およびオリフィス130を設けない場合(D)の比較では、オリフィス130を設けない場合(D)にペダルガタ増加量が最も大きくなる。一方、スレーブシリンダ66内にオリフィス130を設けた場合にペダルガタ増加量が最も小さくなる。また、マスタシリンダ62付近にオリフィス130を設けた場合(C)はオリフィス130を設けない場合(D)よりも小さくなり、マスタシリンダ62とスレーブシリンダ66との中間位置に設けた場合(B)はオリフィス130がC位置にある場合に比べて小さくなる。すなわち、オリフィス130が設けられていないとペダルガタの増加量が最も大きくなり、オリフィス130が油路においてスレーブシリンダ66側に位置されるにしたがって、ペダルガタの増加量が小さくなる。
オリフィス130が設けられた場合の圧力損失ΔPを下式(1)に示す。式(1)において、Vが流路内の作動油の平均流速を示しており、ρが作動油の密度を示しており、ζが実験的に求められる損失係数を示している。式(1)に示されるように、オリフィス130が設けられると、圧力損失ΔPが発生するため、作動油がスレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ流動する際の作動油の慣性が低減されて負圧の発生が抑制される。
式(1)より、圧力損失ΔPは速度Vに関係しており、速度Vが増加するにしたがって圧力損失ΔPが大きくなることがわかる。これに対して、クラッチペダル60の踏込操作を解除する戻し操作が実施される場合、作動油がスレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ流通するので、上流側に相当するスレーブシリンダ66側の流速Vの方がマスタシリンダ62側の流速Vよりも大きくなる。上記より、式(1)に基づいて、スレーブシリンダ66側にオリフィス130が配置された方が圧力損失ΔPが大きくなる。すなわち、オリフィス130がスレーブシリンダ66側に配置された方が圧力損失ΔPが大きくなり、作動油の慣性が低減されて負圧の発生が効果的に抑制されることとなる。なお、車速Vがマスタシリンダ62側に向かうに従って低下するのは、式(2)の配管を通る際の圧力損失ΔPによるものである。例えばマスタシリンダ62側にオリフィス130が配置される場合、作動油の上流側(スレーブシリンダ66側)からの配管の長さが長くなるので、それに伴って圧力損失ΔPが増加して流速Vが低下することとなる。
図14は、図13と同様の各条件(A〜D)における、雰囲気温度とクラッチペダル戻り時間との関係を示している。図14に示されるように、20℃を越える温度領域ではクラッチペダルの戻り時間に変化はないものの、20℃以下の領域では、温度が低下するに従ってクラッチペダル60の戻りが悪くなることを示している。上記は、作動油の油温が低下すると作動油の粘度が増加するに伴い、作動油の流通抵抗が増加するためである。また、オリフィス130が無い場合(D)、オリフィス130による流通抵抗がないので戻り時間が最も短くなる。一方、オリフィス130が設けられる場合(A、B、C)、クラッチペダル60の戻り時間が長くなる。しかしながら、オリフィス130の配置位置に対するクラッチペダル60の戻り時間の大きな差異は見られなかった。したがって、オリフィス130が設けられることで圧力損失ΔPを発生させる背反として、クラッチペダル60の戻し時間が増加し、特に低温時においてその傾向が顕著となるが、上記特性がオリフィス130の配置位置によっては大きく変化しないことが確認された。
図15は、図13および図14に基づいて求められた結果(傾向)を表にしてまとめたものである。図15に示されるように、オリフィス130がない場合(D)、作動油の慣性エネルギが極大となり、スレーブシリンダ66の圧力室114の負圧量およびガタ増加量もそれに伴って極大となる。また、油路においてオリフィス130がマスタシリンダ62側に配置されるに従って、作動油の慣性エネルギが大きくなり、圧力室114の負圧量およびガタ増加量もそれに伴って大きくなる。そして、オリフィス130がスレーブシリンダ66内に配置される場合が作動油の慣性エネルギが最も小さくなり、それに伴って圧力室114の負圧量およびガタ増加量も小さくなる。
また、オリフィス130が設けられた場合、低温時のクラッチペダル60の戻り特性は、配置位置に拘わらず無い場合に比べて低下する。したがって、低温時でのクラッチペダル60の戻り特性はオリフィス130の配設位置に大きく関係しないことから、ガタ増加量の抑制を考慮すると、オリフィス130をスレーブシリンダ66内に設けるのが最も適していることとなる。そして、ガタ増加量の抑制と低温時でのクラッチペダル60の戻り特性とを考慮してオリフィス130の寸法等が最適に設定される。例えば、オリフィス130の絞り孔139の穴径を小さくすれば、ガタ増加量が抑制される一方、低温時でのクラッチペダル60の戻り特性は低下するので、両者を考慮して最適な穴径が設定される。ここで、オリフィス130がスレーブシリンダ66内に配設される場合、他の油路位置に配設される場合に比べてガタ増加量を抑制する効果が顕著であるため、オリフィス130の絞り孔139の穴径を通常よりも大きくすることができ、低温時でのクラッチペダル60の戻り特性を向上させることもできる。すなわち、オリフィス130がスレーブシリンダ66内に設けられることで、背反する2つの特性を両立させることが可能となる。
上述のように、本実施例によれば、スレーブシリンダ66内には、クラッチペダル60の操作に関連して発生するスレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ向かう作動油の流通を抑制するオリフィス130が設けられているため、例えばクラッチペダル60の踏込状態から急に踏込を解除する戻し操作が実施されると、スレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ作動油が流通し、その作動油の慣性の影響によって油路内に負圧が発生し易くなるが、オリフィス130が設けられることによって、作動油の慣性エネルギが低減されるので、負圧の発生が抑制される。したがって、負圧の発生に伴って生じるスレーブシリンダ66のガタの増加が抑制されるので、次回のクラッチペダル踏込操作時において上記ガタに起因する無効ストロークの増加を低減することができるため、クラッチペダル60の操作性を高めることができる。
また、本実施例によれば、オリフィス130がスレーブシリンダ66内に設けられることで、マスタシリンダ62側に設けられる場合に比べて、オリフィス130による慣性エネルギの低減量が大きくなることから、負圧の発生が効果的に抑制されることとなる。したがって、スレーブシリンダ66内でのガタの増加が効果的に抑制される。
また、本実施例によれば、上記のように絞り孔139が形成されることで、スレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ作動油が流通する場合、作動油の流通抵抗が大きくなって作動油の圧力損失が大きくなる一方、マスタシリンダ62側からスレーブシリンダ66側へ作動油が流通する場合、作動油の流通抵抗が小さくなって圧力損失が小さくなる。したがって、作動油の流通方向に応じて圧力損失を変化させることができることから、クラッチペダル60を踏み込む場合には圧力損失を抑制して十分な作動油の流量を確保できると共に、クラッチペダル60の踏込を解除する戻し操作を実施する場合には圧力損失を増加させて作動油の慣性エネルギを低減することで負圧の発生を抑制することができる。
また、本実施例によれば、上記のように絞り孔139が構成されることで、作動油がスレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ流通する場合、作動油が急縮小された絞り孔139を流通するので、作動油の流れに乱れが生じて圧力損失が大きくなる。また、作動油がマスタシリンダ62側からスレーブシリンダ66側へ流通する場合、作動油がテーパ状の油路に沿って乱れなく絞り孔139を流通するので圧力損失が抑制される。したがって、上記のように構成されることで、作動油の進行方向に応じて圧力損失を変化させることができる。
また、本実施例によれば、オリフィス130は、スレーブシリンダ66に形成されている圧力室114と連通する油路126の開口部133とマスタシリンダ62に連通する油路を構成する配管124とを接続する接続部134に設けられているため、オリフィス130がマスタシリンダ62側に設けられている場合に比べて圧力損失が大きくなる。したがって、作動油の慣性エネルギの低減量が大きくなり、負圧の発生が効果的に抑制される。また、上記接続部134に設けられることで、オリフィス130の設置が容易となる。
また、本実施例によれば、オリフィス130は、スレーブシリンダ66と配管124との接続部134内に介挿されている円筒状のシート部材132に一体的に形成されているため、シート部材134を変形するだけでオリフィス130が構成され、部品点数を増加することなく容易にオリフィス130を設けることができる。
また、本実施例によれば、スレーブシリンダ66の出力ピストン16が第1ピストン118および第2ピストン119から成り、軸心方向において離間可能とされることで、第1ピストン118および第2ピストン119の間に隙間(ガタ)が形成されることで、エンジンから伝達される振動を吸収することができる。また、クラッチペダル60の踏込を急に解除する急な戻し操作が実施されることで、油路内において負圧が発生すると、スレーブシリンダ66の第1ピストン118が負圧によって圧力室114側に引き寄せられて上記隙間(ガタ)が大きくなって次回のクラッチペダル60の踏込時においてガタの増加に起因する無効ストロークが大きくなり、クラッチ装置の操作性が低下することとなるが、上記オリフィス130が設けられることにより、負圧の発生が抑制されてガタの増加が抑制される。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図16は、本発明の他の実施例に備えられた流通抑制装置としての一方向絞りバルブ200(本発明のバルブ機構に相当)を模式的に示す図である。図16において、一方向絞りバルブ200は、前述した実施例と同様に、配管124とアウタスリーブ112の延設部121との油路接続部134に設けられる。すなわち一方向絞りバルブ200は、前述した実施例1のオリフィス130に代わって配管124と延設部121との接続部134内に嵌め入れられる。この一方向絞りバルブ200は、クラッチペダル60の踏込からの戻し操作に関連して発生するスレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ向かう作動油の流通を抑制する流通抑制装置として機能するものであって、マスタシリンダ62側からスレーブシリンダ66側への作動油の流通を許容し、スレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側への作動油の流通を制限するように構成されている。
一方向絞りバルブ200は、円筒状のハウジング202、軸心方向の移動可能にハウジング202内に嵌め入れられ、外径がハウジング202に形成されている着座部203の内径よりも大きく形成されている弁子204を備えている。この弁子204は、バネ206により着座部203側に向けて付勢されており、弁子204の着座部203側の端面がその着座部203と当接することで着座部203側への移動が規制されるようになっている。そして、弁子204には、その軸心と同心である連通穴208が形成されている。また、弁子204には、着座部203側の端面の内周部に固定された基端部とその基端部から着座部203側に突き出す先端部とを有する中空円錐状の弾性弁210を備えている。この弾性弁210は、例えばゴム等の弾性部材から成り、マスタシリンダ62側(図においてCMC側)からスレーブシリンダ66側(図においてCSC側)へ作動油が流通する場合には、図16に示すように先端部の開口が連通穴208の内径程度まで拡大するようになっている。また、スレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ作動油が流通する場合には、図17に示すように先端部が閉口するようになっている。
上記弁子204の外周面とハウジング202との内周面の間には、円環状の隙間が形成されている。弁子204は、マスタシリンダ62側の作動油の油圧がスレーブシリンダ66側へ油圧よりも高い場合には、マスタシリンダ62側の油圧を受けて図16に示す着座部203に当接する状態が維持される。この図16に示す状態においては、マスタシリンダ62側からスレーブシリンダ66側へ向かう作動油は、図中矢印aで示すように連通穴208および弾性弁210を通ってスレーブシリンダ66側へ流通する。一方、スレーブシリンダ66側の作動油の油圧がマスタシリンダ62側の油圧よりも高い場合には、スレーブシリンダ66側の油圧を受けて図17に示すように、弁子204が着座部203から離間する状態とされる。この図17に示す状態においては、スレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ向かう作動油は、図中矢印bで示すように、弁子204の外周面とハウジング202の内周面との隙間を通ってマスタシリンダ62側へ流通される。
上記のように構成される一方向絞りバルブ200において、クラッチペダル60の踏込を解除する戻し操作が実施される場合、図17の矢印で示すように、スレーブシリンダ66側(CSC側)からマスタシリンダ62側(CMC側)に作動油が流通することとなるが、クラッチペダル60が完全に踏み戻される直前の位置になると、作動油の油圧が弱まるに伴い、バネ206の付勢力によって弁子204がハウジング202の着座部203に当接させられる。このとき、一方向絞りバルブ200において一時的に油路の連通が遮断される。そして、図11に示したように、クラッチペダル60が完全に戻りきる直前に負圧が発生することから、負圧が発生したときと略同時に一方向絞りバルブ200によって油路の連通が遮断させられる。これより、負圧の発生時期に作動油の流通が停止させられるので、その負圧の発生が好適に防止される。
図18は、上記一方向絞りバルブ200を設けた場合および設けない場合において、クラッチペダル60の踏込状態から急な戻し操作を実施した場合でのスレーブシリンダ66内の作動油の油圧変化を示している。なお、図18に示す油圧変化は、クラッチペダル60が完全に戻される直前から完全に戻されるまでの間、すなわち負圧が発生する領域(図11に示すt3時点乃至t4時点に相当)のみ示されている。また、実線が本実施例の一方向絞りバルブ200を備えた場合、破線が一方向絞りバルブ200を備えない場合を示している。図18に示されるように、一方向絞りバルブ200を備えない場合には、クラッチペダル60が完全に戻される直前での負圧値が大きくなるのに対して、一方向絞りバルブ200が備えられる場合、負圧発生時において一方向絞りバルブ200によって油路内の作動油の流通が停止されることから、その負圧の発生が防止される。なお、上記のように負圧発生時と略同時期に一方向絞りバルブ200が閉弁されるように、予めバネ206の弾性力が調整されている。したがって、クラッチペダル60の踏込を解除する際、負圧が発生する時点においてのみ一方向絞りバルブ200によって油路の流通が遮断されるので、負圧の発生が効率よく防止される。一方、クラッチペダル踏込時すなわちマスタシリンダ62側からスレーブシリンダ66側に作動油が流通する場合には、一方向絞りバルブ200が開弁されるので、十分な流量が確保される。上記より、一方向絞りバルブ200を設けることで、負圧が発生する時点においてのみ油路の流通が遮断されて負圧が抑制され、ペダルガタの増加が効果的に抑制される。
上述のように、本実施例によれば、一方向絞りバルブ200は、マスタシリンダ62側からスレーブシリンダ66側へ作動油が移動する場合には開弁し、スレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62側へ作動油が移動して負圧が発生する場合には閉弁するバルブ機構であるため、前述の実施例と同様に負圧の発生を効果的に抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、流通抑制装置の一例として、オリフィス130および一方向絞りバルブ200が使用されているが、上記に限定されず、スレーブシリンダ66側からマスタシリンダ62に作動油が流通する際に流通抵抗を付与するものであれば、他の構成であっても構わない。
また、前述の実施例において、オリフィス130(流通抑制装置)は、スレーブシリンダ66と配管124との接続部134に設けられているが、例えば圧力室114の出口近傍などに設けられていても構わない。すなわち、スレーブシリンダ66内であればオリフィス130の位置は特に限定されない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用油圧式クラッチ装置 12:摩擦クラッチ 60:クラッチペダル 62:クラッチマスタシリンダ 64:リザーバタンク 66:コンセントリックスレーブシリンダ 110:インナスレーブ 112:アウタスリーブ 114:圧力室 116:出力ピストン 118:第1ピストン 119:第2ピストン 120:摺動カップ 124:配管 130:オリフィス(流通抑制装置) 132:シート部材 133:開口部 134:接続部 139:絞り孔 200:一方向絞りバルブ(流通抑制装置)
Claims (7)
- 作動油を貯留するリザーバタンクに接続され、クラッチペダルの操作に応答してクラッチ作動油圧を発生させるクラッチマスタシリンダと、該クラッチマスタシリンダから発生させられたクラッチ作動油圧が油路を介して給排されることで摩擦クラッチを係合および解放させるコンセントリックスレーブシリンダと、を備えた車両用油圧式クラッチ装置であって、
前記コンセントリックスレーブシリンダ内には、前記クラッチペダルの操作に関連して発生する該コンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側へ向かう作動油の流通を抑制する流通抑制装置が設けられていることを特徴とする車両用油圧式クラッチ装置。 - 前記流通抑制装置は、前記油路内の作動油の流通抵抗を増加させる絞り孔であり、
該絞り孔は、前記コンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側へ作動油が流通する際の流通抵抗の方が、前記クラッチマスタシリンダ側から前記コンセントリックスレーブシリンダ側へ作動油が流通する際の流通抵抗よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1の車両用油圧式クラッチ装置。 - 前記絞り孔は、前記コンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側への進行方向では前記油路の断面積が急縮小され、前記クラッチマスタシリンダ側から前記コンセントリックスレーブシリンダ側への進行方向では前記油路の断面積が漸減されるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項2の車両用油圧式クラッチ装置。
- 前記流通抑制装置は、前記コンセントリックスレーブシリンダに形成されている前記圧力室と連通する前記油路の開口部と前記クラッチマスタシリンダに連通する前記油路を構成する配管とを接続する接続部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つの車両用油圧式クラッチ装置。
- 前記流通抑制装置は、前記コンセントリックスレーブシリンダと前記配管との前記接続部内に介挿されている円筒状のシート部材に一体的に形成されていることを特徴とする請求項4の車両用油圧式クラッチ装置。
- 前記流通抑制装置は、前記クラッチマスタシリンダ側から前記コンセントリックスレーブシリンダ側へ作動油が移動する場合には開弁し、前記コンセントリックスレーブシリンダ側から前記クラッチマスタシリンダ側へ作動油が移動して負圧が発生する場合には閉弁するバルブ機構であることを特徴とする請求項1の車両用油圧式クラッチ装置。
- 前記コンセントリックスレーブシリンダは、
非回転部材に固定された円筒状のインナスリーブと、
該インナスリーブの外周側であって、且つ、該インナスリーブと同軸心上に固定される円筒状のアウタスリーブと、
該インナスリーブと該アウタスリーブとの間の空間に形成されて前記クラッチマスタリンダから出力されたクラッチ作動油圧を受け入れる円環状の圧力室と、
前記インナスリーブとアウタスリーブとの間の間隙に摺動可能に嵌め入れられ、前記圧力室に供給されるクラッチ作動油圧を受けて前記摩擦クラッチへクラッチ操作力を伝達する円環状の出力ピストンと、
前記圧力室と出力ピストンとの間に介装されて該圧力室を油密に維持する摺動カップとを、備え、
前記出力ピストンは、第1ピストンおよび第2ピストンの2つの部材から成り、軸心方向において互いに離間可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つの車両用油圧式クラッチ装置。
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