JP2021124148A - クラッチ装置 - Google Patents

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康彦 江口
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Abstract

【課題】省スペース化できる、空圧式CSC式のクラッチ装置を提供する。【解決手段】本発明の一側面に係るクラッチ装置100は、クラッチ部2と、クラッチレリーズ装置3と、を備える。クラッチ部2は、プレッシャプレート22、クラッチディスク、及び、コイルスプリング23を有する。コイルスプリング23は、プレッシャプレート22をクラッチディスクに対して付勢する。クラッチレリーズ装置3は、シリンダ31と、ピストン32と、エア室Cと、を含む。ピストン32は、シリンダ31内を軸方向に摺動する。エア室Cは、シリンダ31とピストン32との間に画定される。【選択図】図4

Description

本発明は、クラッチ装置に関する。
車両用のクラッチ装置において動力伝達状態を解除する操作(以下、レリーズ操作と称する)をするために、クラッチレリーズ装置が設けられている。レリーズ装置は、たとえばクラッチペダルの操作によりスレーブシリンダを作動させ、これによってレリーズ軸受が軸方向に移動する。このレリーズ軸受の移動によって、クラッチ装置を構成するダイヤフラムスプリングの中心部が押圧され、プレッシャプレートによるクラッチディスクへの押圧力が解除される。すなわち、クラッチ装置における動力伝達状態が解除される。
また、レリーズ装置を大型化することなくレリーズ操作時における踏力を軽減するために、Concentric Slave Cylinder(CSC)式のレリーズ装置が用いられている。CSC式のレリーズ装置は、トランスミッションの入力軸と同軸で設けられたシリンダ及びピストンを有している。そして、シリンダに油圧や空圧を供給してピストンを作動することによって、レリーズ軸受が軸方向に移動する。以下、空圧により作動するCSC方式のレリーズ装置を空圧式CSCという。
しかしながら、空圧式CSCを有するクラッチ装置において、レリーズ操作のためにダイヤフラムスプリングを用いた場合、図1のレリーズ特性線図のとおり、レリーズストロークと荷重の関係が1対1で対応しない部分が存在する。よって、荷重制御ができない。つまり、ペダルの踏み込み量により圧力制御ができるバルブで荷重制御を行っても、ペダルの踏み込み量(以下、ペダルストローク量ともいう)とクラッチのストローク量(以下、レリーズストローク量ともいう)との関係が予測不能である。ペダルストローク量とレリーズストローク量との関係が予測不能である場合、所望のレリーズストローク量を得るために、どの程度の圧力をペダルストロークにより加えればよいかが分からない。つまり、圧力制御することができない。
たとえば、図2は、空圧式CSCにおいて、ダイヤフラムスプリングを使ってレリーズ操作したときの、ペダルストローク量とレリーズストローク量との関係を示す図である。図2において、区間A〜Bでは、ペダルストロークが一定であっても、レリーズストロークが不定になる。したがって、空圧式CSCにおいて、ダイヤフラムスプリングを使ってレリーズ操作をするためには、圧力制御するための技術が必要である。
米国特許出願公開第4796739号明細書(引用文献1)は、空圧式CSCにおいて圧力制御するための技術を紹介する。引用文献1では、図3のように、空圧式CSCに制御弁、位置測定センサ(センサ)、及び、マスタ/スレーブ機構を設ける。図3中の白抜き矢印は、クラッチのストローク方向を示す。制御弁は、クラッチの位置を制御する。位置測定センサは、クラッチの位置を制御弁にフィードバックする。マスタ/スレーブ機構は、クラッチペダルから制御弁を接続する。この構造により、引用文献1は、所望のレリーズストローク量を得るために圧力制御することができる。そのため、引用文献1の技術を、ダイヤフラムスプリングを使ったレリーズ装置に適用すれば、空圧式CSCにおいても、圧力制御することができる。
米国特許出願公開第4796739号明細書
しかしながら、空圧式CSCに制御弁、位置測定センサ、及び、マスタ/スレーブ機構を設けることで圧力制御すると、嵩張る。
本発明の課題は、省スペース化できる、空圧式CSC式のクラッチ装置を提供することにある。
(1)本発明の一側面に係るクラッチ装置は、クラッチ部と、クラッチレリーズ装置と、を備える。クラッチ部は、プレッシャプレート、クラッチディスク、及び、コイルスプリングを有する。コイルスプリングは、プレッシャプレートをクラッチディスクに対して付勢する。クラッチレリーズ装置は、シリンダと、ピストンと、エア室と、を含む。ピストンは、シリンダ内を軸方向に摺動する。エア室は、シリンダとピストンとの間に画定される。
この装置では、空圧式CSCに制御弁、位置測定センサ、及び、マスタ/スレーブ機構を設ける必要がない。このため、空圧式CSC方式のクラッチ装置において、省スペース化できる。
(2)本発明の一側面に係るクラッチ装置は、クラッチ部と、クラッチレリーズ装置と、を備える。クラッチ部は、レリーズ力を作用させることで動力を伝達するノーマルオープン式である。クラッチレリーズ装置は、シリンダと、ピストンと、エア室と、を含む。ピストンは、シリンダ内を軸方向に摺動する。エア室は、シリンダとピストンとの間に画定される。
この装置では、空圧式CSCに制御弁、位置測定センサ、及び、マスタ/スレーブ機構を設ける必要がない。このため、空圧式CSC方式のクラッチ装置において、省スペース化できる。
(3)好ましくは、クラッチ装置は、さらに、クラッチペダルと、圧力制御部と、を有する。圧力制御部は、クラッチペダルの踏み込み量に応じて、エア室に供給される空気の圧力を調整する。
ここでは、圧力制御部を有するため、クラッチレリーズ装置に加える圧力を線形制御することができる。そのため、ペダルストローク量と、レリーズストローク量とが、1対1で対応する。したがって、クラッチペダルを操作することで、圧力制御することができる。
(4)好ましくは、圧力制御部は、空圧により制御できる。
ここでは、圧力制御部は、空圧により圧力制御する。そのため、クラッチ装置のすべてをエアで制御する(オールエア式にする)ことができる。したがって、クラッチペダルと、圧力制御部とを油圧配管やワイヤ接続にした場合よりも部品の組付けやメンテナンスが容易になる。詳細には、油圧配管の場合に必要なエア抜き作業や、ワイヤ接続の場合に、ワイヤが伸縮することに起因する調整作業が不要である。
(5)圧力制御部は、クラッチレリーズ装置よりもクラッチペダルに近い側に配置されてもよい。
(6)好ましくは、圧力制御部は、サイレンサー構造を含む。サイレンサー構造は、空気が排出される際の音を抑制する。
以上のような本発明では、空圧式CSC方式のクラッチ装置において、省スペース化できる。
空圧式CSCにおいて、ダイヤフラムスプリングを使ったレリーズ装置を作動させたときの、レリーズ荷重とレリーズストローク量との関係を示す図。 空圧式CSCにおいて、ダイヤフラムスプリングを使ったレリーズ装置を作動させたときの、ペダルストローク量とレリーズストローク量との関係を示す図。 従来の空圧式CSC方式のクラッチ装置を説明する図。 本発明のクラッチ装置を説明する図。 本発明のクラッチ装置のクラッチ部の斜視図。 本発明のクラッチ装置のクラッチレリーズ装置の断面構成図。 本発明の圧力制御弁の断面図。 空圧式CSCにおいて、コイルスプリング式クラッチ部を用いた場合の、ペダルストローク量とレリーズストローク量との関係を示す図。 本発明の変形例によるクラッチ装置を説明する図。 空圧式CSCにおいて、ノーマルオープン式クラッチ部を用いた場合の、ペダルストローク量とレリーズストローク量との関係を示す図。 本発明の変形例によるクラッチ装置を説明する図。
[全体構成]
図4は、本発明の一実施形態によるクラッチ装置100を説明する図である。クラッチ装置100は、エンジン側のフライホイール(図示せず)からトランスミッション入力シャフト(図示せず)にトルクを伝達及び遮断するための装置である。図4において、クラッチ装置100は、クラッチ部2と、クラッチレリーズ装置3と、を有する。クラッチレリーズ装置3の右側には、トランスミッション4が配置されている。クラッチ装置100はさらに、クラッチペダル5と、圧力制御部6と、を有する。圧力制御部6とクラッチレリーズ装置3とは、エア配管8によって接続される。
[クラッチ部2]
クラッチ部2は、コイルスプリング式である。図5に示すとおり、コイルスプリング式のクラッチ部2は、コイルスプリング23によりプレッシャプレート22を図示しないクラッチディスクに対して付勢することで動力を伝達する。クラッチ部2は、主に、クラッチカバー21と、プレッシャプレート22と、コイルスプリング23と、クラッチディスクと、レバー25と、を含む。
クラッチカバー21は皿状であり、フライホイールに固定されている。プレッシャプレート22は、クラッチカバー21に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に固定されている。コイルスプリング23は、プレッシャプレート22をフライホイール側に押圧する。これにより、クラッチディスクは、プレッシャプレート22によりフライホイールに押し付けられる。レバー25は、クラッチカバー21に支持され、プレッシャプレート22の押圧を解除する。
プレッシャプレート22は、クラッチディスクに対向する摩擦面を有し、摩擦面の背面(トランスミッション側の面)には複数の突起を有している。そして、この突起にレバー25の端部がピン26により回動自在に装着される。コイルスプリング23は、クラッチカバー21とプレッシャプレート22との間に配置されており、所定の荷重をプレッシャプレート22に与える。また、レバー25の先端(内周部)にはクラッチレリーズ装置3が当接可能である。このクラッチレリーズ装置3がエンジン方向に移動させられることより、レバー25を介してプレッシャプレート22がクラッチカバー21に引き上げられる。
[クラッチレリーズ装置3]
図6は、クラッチレリーズ装置3の断面図である。図6において、左側にクラッチ部2が配置され、右側にトランスミッション4が配置されている。このクラッチレリーズ装置3は、エンジンとトランスミッション4との間に配置されたクラッチ部2をレリーズ操作するための装置である。すなわち、このクラッチレリーズ装置3によって、クラッチ部2を構成するコイルスプリング23の押圧力が解除され、これにより、クラッチ装置100における動力伝達状態が解除される。
図6の断面図において、O−O線が回転軸線である。なお、以下の説明において、「軸方向」とは回転軸Oが延びる方向を示し、図に示すように、図6の右側を「軸方向第1側」とし、図6の左側を「軸方向第2側」とする。また、「径方向」とは、回転軸Oを中心とした円の半径方向を意味する。
なお、図6において、回転軸線から下側は、クラッチ装置100のオン状態(動力伝達状態)を示し、回転軸線から上側は、クラッチレリーズ装置3が作動してクラッチ装置100がオフされた状態(動力伝達の解除状態)を示している。
クラッチレリーズ装置3は、シリンダ32と、ピストン33と、エア室Cと、を含む。
<シリンダ32>
シリンダ32は、内周円筒部320と、シリンダケース321と、を有している。
内周円筒部320は、径方向においてトランスミッション4の入力軸(図示せず)の外側に、入力軸と同軸で配置されている。
シリンダケース321は、円板部321aと、円板部321aの外周から軸方向第2側に延びる外周円筒部321bと、を有している。
外周円筒部321bは、内周円筒部320とほぼ平行に延びている。円板部321aには、エア室Cに空気を供給するためのエア供給口321cが形成されている。
<ピストン33>
ピストン33は、シリンダ32の内周円筒部320と外周円筒部321bとの間に、入力軸と同軸で配置されている。
ピストン33は、シリンダ32の内周円筒部320及び外周円筒部321bに沿って軸方向に移動可能である。具体的には、ピストン33は、それぞれシリンダ32の摺動面である、内周円筒部320の外周面と、外周円筒部321bの内周面と、に沿って移動可能である。
ピストン33は、摺動部334と、軸受支持部335と、外周支持部336と、を有している。
摺動部334は、筒状に形成され、シリンダ32の内周円筒部320の外周面に沿って摺動可能である。
軸受支持部335は、摺動部334の軸方向第1側の端部から径方向外方に延びると共に、軸受支持部335の外周部は軸方向第2側に延びている。すなわち、軸受支持部335の内周部には、軸受収容部335aが形成されている。そして、この軸受収容部335aに、レリーズ軸受36の外輪がはめ込まれ、レリーズ軸受36の全体が支持されている。
また、レリーズ軸受36の内輪には、筒状のレリーズ部材38が装着されている。レリーズ部材38は、軸方向第2側の端面に、環状でかつ円板状の押圧部38aを有している。この押圧部38aがクラッチ装置100のレバー25の内周端部に当接している。
外周支持部336は、筒状に形成され、軸受支持部335の外周部から軸方向第1側に延びている。外周支持部336は、シリンダ32の外周円筒部321bの内周面に対向している。
<エア室C>
エア室Cは、シリンダ32とピストン33との間に画定される。詳細には、シリンダ32の内周円筒部320、円板部321a、外周円筒部321b、及びピストン33によって、エア室Cが形成されている。
エア室Cには、ピストン33を軸方向第2側に付勢するスプリング37が設けられている。スプリング37によって、レリーズ部材38の押圧部38aは、所定の圧力でレバーの内周端部に押圧されている。エア室Cに空気が供給されていない状態で、押圧部38aとダイヤフラムスプリングとの間には予圧が作用している。
[クラッチペダル5]
クラッチペダル5は、図示しない運転席の近傍に揺動自在に支持される。クラッチペダル5は、運転者により操作される。詳細には、クラッチペダル5は、運転者からの踏み込みに応じて初期位置から移動する。運転者は、クラッチペダル5の踏み込み量により、圧力制御部6からクラッチレリーズ装置3に送る空圧を変化させることができる。
[圧力制御部6]
圧力制御部6は、クラッチペダル5の踏み込み量に応じて、エア室Cに供給される空気の量を調整する。つまり、圧力制御部6は、クラッチレリーズ装置3に加える圧力を線形制御する。圧力制御部6は、空圧により圧力制御できる。
図4を参照して、圧力制御部6は、クラッチレリーズ装置3よりもクラッチペダル5に近い側に配置される。
図7において、圧力制御部6は、制御シリンダ61と、制御ピストン62と、含む。制御ピストン62は、制御シリンダ61内を摺動可能である。図7の直線矢印は、空気の流れる向きを示す。圧力制御部6の空気の上流側は、第3エア配管を介してエアタンク63に接続される。圧力制御部6の空気の下流側は、エア配管8を介してクラッチレリーズ装置3に接続される。詳細には、圧力制御部6から延びるエア配管8は、クラッチレリーズ装置3のエア供給口321cに接続される。これにより、レリーズ操作時に、圧力制御部6は、クラッチレリーズ装置3のエア室Cに空気を送ることができる。また、レリーズ操作解除時には、エア室C内の空気を、圧力制御部6に返送することができる。
圧力制御部6は、図示しないサイレンサー構造を含む。サイレンサー構造は、空気が排出される際の音を抑制する。サイレンサー構造は、圧力制御部6の排気部の外面側から内面側に突出する複数のバッフルを有する。
図4のように、圧力制御部6には、エアタンク63、エアドライヤ64、及び、エアコンプレッサ65が接続される。これにより、圧力制御部6は空気を得る。
[動作]
クラッチ装置100に対するレリーズ操作(たとえば、クラッチペダル5の踏み操作)がなされていない状態では、レバー25の押圧力によってクラッチディスクがプレッシャプレート22とフライホイールとの間に挟持されている。したがって、クラッチ装置100は、クラッチオンの状態であり、エンジンからの動力は、トランスミッション4に伝達される。
なお、レリーズ操作がなされていない状態では、レリーズ部材38は、スプリング37のみの付勢力によってレバー25に押圧されている。
クラッチペダル5を踏むと、圧力制御部6の制御ピストン62が動き、圧力制御部6内の空圧が高くなる。圧力制御部6内に存在した空気がエア配管8を通り、エア供給口321cを通ってクラッチレリーズ装置3のエア室Cに供給される。
エア室Cに空気が供給されると、ピストン33は、軸方向第2側に押し出される。これにより、エア室Cを介してレリーズ部材38の押圧部38aがレバー25の中心部を押圧し、プレッシャプレート22の押圧力を解除する。これによりクラッチディスクがフライホイールから離れ、エンジンからトランスミッション4に対する動力の伝達が断たれる。
本発明の一実施形態においては、クラッチレリーズ装置3に制御弁、位置測定センサ、及び、マスタ/スレーブ機構を設ける必要がない。そのため、空圧式CSC式のクラッチ装置100において、省スペース化が可能である。
一方、クラッチペダル5を戻すと、圧力制御部6内の空気が排気される。これにより、エア室Cの空気圧が低下する。エア室Cの空気圧が低下すると、ピストン33は、レバー25の押圧力により軸方向第1側に戻る。これにより、クラッチディスクがフライホイールを押圧し、エンジンからトランスミッション4に対する動力が伝達される。
以上の動作において、コイルスプリング式のクラッチ部2は、クラッチペダル5の操作により加えられた圧力に対して、クラッチ位置を1次に制御することができる。たとえば、コイルスプリング式のクラッチ部2を用いた場合、図8のようなペダルストローク量とレリーズストローク量との関係を得ることができる。
本発明の一実施形態においては、コイルスプリング式のクラッチ部2を用いている。そのため、クラッチレリーズ装置3にクラッチ部2のストローク量を測定するセンサがなくとも、ペダルストローク量とレリーズストローク量との関係を予測可能である。ペダルストローク量とレリーズストローク量との関係が可能であるため、所望のレリーズストローク量を得るために、どの程度の圧力をペダルストロークにより加えればよいかが分かる。つまり、圧力制御することができる。
[他の実施形態]
本発明は、以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
変形例1
上記実施形態では、コイルスプリング式のクラッチ部2を用いたが、加えられた圧力に対して、クラッチ位置を1次に制御することができるクラッチであれば、特にこれに限定されない。たとえば、クラッチ部2は、ノーマルオープン式のクラッチ部2であってもよい。
図9に示すように、ノーマルオープン式のクラッチ装置9は、クラッチカバー93と、プレッシャプレート92と、クラッチディスク94と、押圧レバー96と、を有している。
クラッチカバー93はフライホイール91に固定されている。プレッシャプレート92はクラッチカバー93により一体回転可能かつ軸方向に移動可能に支持されている。プレッシャプレート92はクラッチカバー93と複数のストラッププレート(図示せず)により一体回転可能に連結されている。また、プレッシャプレート92はストラッププレートによりクラッチカバー93に軸方向に弾性的に連結されている。
クラッチディスク94は、フライホイール91とプレッシャプレート92との間に配置されており、クラッチ装置9の連結時にはフライホイール91とプレッシャプレート92との軸方向間に挟み込まれる。押圧レバー96は、概ね環状のプレートであり、軸方向に弾性変形可能にクラッチカバー93により支持されている。押圧レバー96の弾性力は小さく、弾性変形させるために必要な力は比較的小さい。押圧レバー96の内周部はクラッチ操作装置のクラッチレバー(図示せず)により軸方向に押し込み可能となっている。
押圧レバー96の内周部は、クラッチ操作装置のレリーズ部材38の押圧部38aと接触している。また、クラッチ操作装置により軸方向に押され、クラッチ操作装置の操作力を押圧レバー96の内周部に伝達する。
ノーマルオープン式のクラッチ部2は、レリーズ力を作用させることで動力を伝達する(クラッチオンの状態である)。つまり、レリーズ力が作用しない状態では、動力を伝達しない(クラッチオフの状態である)。
ノーマルオープン式のクラッチ部2は、加えられた圧力に対して、レリーズストローク量を1次に制御することができる。たとえば、ノーマルオープン式のクラッチ部2を用いた場合、図10のようなペダルストローク量とレリーズストローク量との関係を得ることができる。そのため、ペダルストローク量とレリーズストローク量との関係を予測可能である。ペダルストローク量とレリーズストローク量との関係が予測可能であるため、圧力制御することができる。
変形例2
上記実施形態では、クラッチペダル5と圧力制御部6とは直接接続されているが、特にこれに限定されない。たとえば、クラッチペダル5と圧力制御部6とは、油路やワイヤにより接続されてもよい。
変形例3
上記実施形態では、圧力制御部6は、クラッチペダル5の近くに配置したが、クラッチペダル5とクラッチレリーズ装置3との間のどこに配置してもよい。たとえば、圧力制御部6は、クラッチレリーズ装置3の近くに配置してもよい。
変形例4
上記実施形態では、クラッチペダル5とクラッチレリーズ装置3との間には他の部材を設けなかったが、特にこれに限定されない。たとえば、図11のように、クラッチペダル5とクラッチレリーズ装置3との間に、パイロット弁66を設けてもよい。この場合、クラッチペダル5とクラッチレリーズ装置3との配管が長い場合や細い場合であっても、クラッチレリーズ装置3の応答の遅延を抑制できる。
変形例5
コイルスプリング式のクラッチ部2及びノーマルオープン式のクラッチ部2の形状や構成は、前記実施形態に限定されるものではない。
変形例6
クラッチレリーズ装置3の形状や構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
2 クラッチ部
3 クラッチレリーズ装置
4 トランスミッション
5 クラッチペダル
6 圧力制御部
32 シリンダ
33 ピストン
100 クラッチ装置
C エア室

Claims (6)

  1. プレッシャプレート、クラッチディスク、及び、前記プレッシャプレートを前記クラッチディスクに対して付勢するコイルスプリングを有するクラッチ部と、
    シリンダ、前記シリンダ内を軸方向に摺動するピストン、及び、前記シリンダと前記ピストンとの間に画定されるエア室を有するクラッチレリーズ装置と、
    を備える、
    クラッチ装置。
  2. レリーズ力を作用させることで動力を伝達するノーマルオープン式のクラッチ部と、
    シリンダ、前記シリンダ内を軸方向に摺動するピストン、及び、前記シリンダと前記ピストンとの間に画定されるエア室を有するクラッチレリーズ装置と、
    を備える、
    クラッチ装置。
  3. クラッチペダルと、
    前記クラッチペダルの踏み込み量に応じて、前記エア室に供給される空気の圧力を調整する圧力制御部と、
    をさらに備える、
    請求項1又は請求項2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記圧力制御部は、空圧により制御できる、
    請求項3に記載のクラッチ装置。
  5. 前記圧力制御部は、前記クラッチレリーズ装置よりも前記クラッチペダルに近い側に配置される、
    請求項3又は請求項4に記載のクラッチ装置。
  6. 前記圧力制御部は、前記空気が排出される際の音を抑制するサイレンサー構造を含む、
    請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のクラッチ装置。
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