JP4696292B2 - 油圧ダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧力源と、関連する油圧を使う部材との間の流体流動経路における振動を減衰するための油圧ダンパに関する。特に本発明は、自動車のクラッチ用の油圧作動システムでの使用に適するが、これに限られるわけではない。
【0002】
【従来の技術】
自動車のクラッチを作動させるための油圧作動システムは公知である。一般的にこのようなシステムは、スレーブシリンダに油圧によって連結されているクラッチマスタシリンダからなる。マスタシリンダは、ペダルが押し込まれると、スレーブシリンダが作動されて公知の方法でクラッチを操作するような、車内に配置されているペダルによって作動される。またマスタシリンダが電気的なアクチュエータによって操作されるクラッチ用油圧作動システム、又は油圧アキュムレータが油圧力源として利用されるクラッチ用油圧作動システムも公知である。このようなシステムが使用されて、クラッチの自動操作又は半自動操作が可能となる。
【0003】
油圧クラッチ作動システムを備える自動車では、駆動列で発生される振動が油圧作動システムを通って伝達されるという事態が起こり得る。このような振動は作動システムの操作に有害な影響をもたらし、手動で操作されるクラッチでは、クラッチ制御ペダルを介して、車内の運転者に感じ取られる。また伝達される振動は、自動車の防火壁で騒音を発生し、さらに自動車の乗員が聞いてとれるペダルのうなり及びクラッチのうなりにつながる。
【0004】
油圧作動システムを介するこれらの振動の伝達を弱めるために、クラッチマスタシリンダもしくは他の油圧力源とクラッチスレーブシリンダとの間の流体経路に油圧ダンパを適合させ、作動油内の振動を濾過することが公知である。このようなダンパは、例えば米国特許第5,320,203号から公知である。このようなダンパは伝達される振動を効果的に弱めるが、低価格で製造することができ、かつ操作が簡単なダンパを開発することが必要とされている。またクラッチを解放している間、ペダル負荷の許容できない増加を生じること、又はクラッチを再係合する間、レスト位置へクラッチが戻るのに要する時間が許容できないほど増大することがないダンパを提供する必要が存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記必要とされる事柄に適合する、改良された油圧ダンパを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によれば、油圧力源と、関連する油圧を使う部材、油圧を消耗する装置との間の流体流動経路の振動を減衰するための油圧ダンパが提供され、このダンパは、ボアを備えるシリンダと、このボアに滑動可能に受容され、ボアと接触するシール手段を備えるピストンと、このシール手段の一方の側に油圧力源と接続するように第1チャンバが画定され、シール手段のもう一方の側に関連する油圧を使う部材と接続するように第2チャンバが画定されることと、シリンダボアが、ダンパの第1操作状態において、シール手段と接触する密封帯を備えることと、ピストンが、第2チャンバの圧力に対して第1チャンバの作動油圧が高くなることに応答してボア内を移動して、最終的にシール手段が密封帯を外れ、第1チャンバから第2チャンバに作動油を流動可能とする流体流動手段を開口するように、第2チャンバの体積を減少させることと、またピストンが、第1チャンバの圧力に対して第2チャンバの作動油圧が高くなることに応答してボア内を移動して、最終的にシール手段が密封帯を外れ、第2チャンバから第1チャンバに作動油を流動可能とする流体流動手段を開口するように、第1チャンバの体積を減少させることと、からなる。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による油圧ダンパを備える油圧クラッチ作動システムが提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して、例示のみを目的として、本発明をさらに説明する。
【0009】
図1〜3は、油圧ダンパ10を示し、この油圧ダンパ10には概略円筒形の本体11が含まれ、この本体には、本体を介して延伸する中央ボア19が備えられる。ピストン12は、滑動可能に中央ボア19に受容され、シール30を備える。シール30は、中央ボア19と密封接触し、その一方の側でクラッチマスタシリンダ(図示せず)のような油圧力源と接続される第1チャンバ13を画定し、もう一方の側でクラッチスレーブシリンダ(図示せず)のような油圧を使う部材と接続される第2チャンバ14を画定する。第1エンドキャップ15が、第1チャンバ13に近いシリンダ11の一端と密封係合し、また第1エンドキャップ15は、第1チャンバ15をクラッチマスタシリンダに接続するように、図示されない油圧導管が取り付けられている出口16を備える。第2エンドキャップ17は、第2チャンバ14に近いシリンダ11のもう一方の端部と密封係合し、また第2エンドキャップ17は、第2チャンバ14をクラッチスレーブシリンダに接続するように、図示されない油圧導管が取り付けられているさらなる出口18を備える。
【0010】
シリンダ本体11のボア19は中央密封帯20を備える。密封帯20の左側には、図1に示すように、5つの溝21がボア19の周に等間隔に設けられ、第1エンドキャップ15に向かって軸方向に延伸している。同様に密封帯20の右側には、図1に示すように、さらなる5つの溝22がボア19の周に等間隔に設けられ、第2エンドキャップ17に向かって軸方向に延伸している。溝21及び22はそれぞれ、中央密封帯20に近づくにつれて溝の深さが減少するようなテーパ部分23を備える。
【0011】
一般にピストン12は、円筒形状であり、一端に形成される第1ボア24及びもう一方の端に形成される第2ボア25を備える。第1ボア24は、このボア24の壁に設けられた複数のスロット26を介して溝21と流体連通している。第2ボア25は、このボア25の壁に設けられた複数のスロット27を介して溝22と流体連通している。スロット26及び27の数、位置は、本発明の本質ではなく、作動油の流れが妨げられることがないように選択される。ボア24及び25の端部の間に、ピストンは中実中央領域28を備える。中央領域28の外径には、シール30に適合する溝29が形成されている。溝29及びシール30は、図1で見て、軸方向において、中央領域28の右端の近くに配置される。環状フランジ31がピストン12の両端に設けられている。環状フランジ31は、ピストン12を案内するように中央ボア19内を滑動する。
【0012】
示されるこの実施形態では、シール30はエラストマーシールである。しかしながらシールを例えばプラスチック材料のような適当な材料から製造することも可能である。さらにシールをピストンと一体に設けることも可能である。例えばシールを、その寸法がボア19と密封係合する、ピストンの周囲を与える環状シールランドの形態とすることができる。
【0013】
第1ばね32が第1チャンバ13内に配置され、この第1ばね32は、その一方の端部が第1エンドキャップ15の内面33と接触すると同時に、もう一方の端部がピストンの中央領域28に接触するように、ボア24内に配置されている。第1ばね32は、第2チャンバ14の方にピストンを付勢するように配置されている。第2ばね34が第2チャンバ14内に配置され、この第2ばね34は、その一方の端部が第2エンドキャップ17の内面35と接触すると同時に、もう一方の端部がピストンの中央領域28に接触するように、ボア25内に配置されている。第2ばね34は、第1チャンバ13の方にピストンを付勢するように配置されている。第1及び第2チャンバ内の圧力が等しい場合に、図3bに示すように、第2チャンバ14内の溝22をちょうど塞ぐようにピストンが位置するように、第1及び第2ばねのバイアス力が選択される。この構成は、作動システムの初期動作に続いて、作動システムが動作していない場合には、ピストン12に作用する力のバランスが図3aに示される位置に保持されるということを意味する。以下により詳細に議論するように、これは結果として、第1チャンバ13内よりも第2チャンバ14内により高い圧力が維持されるような予油圧を生じさせる。
【0014】
図3a〜3cを参照して、クラッチ作動システムに関連して、本発明のダンパの動作をさらに説明する。
【0015】
図3aは、クラッチマスタシリンダが作動していない場合の、ダンパの第1操作状態を示す。先に示したように、溝21の端部でシール30と密封帯20とが係合する位置にピストンが保持されるように、第1ばね32及び第2ばね34のバイアス力は調整される。この位置において、第1ばね32は、第2ばね34よりもより圧縮され、第2チャンバ14内の油圧力は第1チャンバ13内の油圧力よりもより高い。
【0016】
第1チャンバ13及び第2チャンバ14間の油圧力の相違は、クラッチの開放用軸受に作用する予油圧をもたらす。このような予油圧の供給は、クラッチスレーブシリンダに予圧ばねを設ける必要がないことを意味し、このことはスレーブシリンダの構造を単純にする。また予油圧は、クラッチ板の摩耗にともなって予圧ばねの力が変化する、スレーブシリンダの予圧ばねによって予圧が与えられる場合と異なり、クラッチの寿命期間にわたって一定である。
【0017】
図3bは、クラッチが開放されている間のダンパを示す。マスタシリンダが作動されるので、第1チャンバ13内の圧力が上昇する。第1チャンバ13内の圧力が第2チャンバ14内の圧力を超えると、ピストンはボア19内を(図3bに示すように)右に移動し、シール30が密封帯20を外れ、溝22の上方に移動するまで、第2チャンバ14の体積を減少させる。この時点(図3bに示されるよりもさらにわずかに右にピストンが移動した位置)で、作動油は、溝22を介して第1チャンバから第2チャンバへ、さらに第2チャンバからスレーブシリンダへ流動可能となる。
【0018】
図3cは、クラッチのつながっている間のダンパを示す。マスタシリンダに作用する作動力が低下するので、第1チャンバ13の圧力は減少する。同時に開放用軸受を介してスレーブシリンダに作用するクラッチダイアフラムスプリングフィンガーが、クラッチがつながっているので、第2チャンバ14に油圧負荷を作用させる。第2チャンバ14の圧力が第1チャンバ13の圧力を超えると、ピストンはボア19内を(図3cに示すように)左に移動し、シール30が密封帯20を外れ、溝21をむき出しにするまで、第1チャンバ13の体積を減少させる。この時点で、作動油は、溝21を介して第2チャンバ14から第1チャンバ13へ、さらに第1チャンバ13からクラッチマスタシリンダへ流動可能となる。
【0019】
作動油が、溝21を介して第2チャンバ14から第1チャンバ13へ流通するので、第2チャンバ内の圧力は、圧力が所定の予油圧に達するまで低下し、この時点で第1ばね32は、シール30が再び密封帯20に接触し、予圧を維持するように、ピストンを付勢する。したがってダンパは、図3aに示す第1操作状態に戻る。
【0020】
図3b及び3cに示すクラッチの開放段階及び係合段階の間、作動油は、流体流動手段を形成する溝21及び22を介して流通する。溝の断面は、車両駆動列から生じる流体内の振動を濾過する。しかしながら溝がテーパ23を備えるため、第1チャンバ13と第2チャンバ14との圧力差が大きくなるのに応答して、流体が流通する断面は増大可能である。例えばクラッチが開放されている間、第2チャンバ14に対する第1チャンバ13内の圧力の増大は、図1に示すように、ピストンをさらに右に移動させる。シールが溝22のテーパ部分23を超えてさらに移動するので、流体が流通可能な溝22の断面が増大する。これは、許容しがたいペダル負荷(pedal load)を増大させず、同時に流体内振動を効果的に減衰させることを確実にするように機能する。
【0021】
同様に、クラッチがつながっている、係合している間、第1チャンバ13内の圧力に対する第2チャンバ14内の作動油圧力の増大は、図1に示すように、ピストンをさらに左に移動させる。シールが溝21のテーパ部分23を超えてさらに移動するので、流体が流通可能な溝の断面が増大する。これは、ダンパ10の動作によって、クラッチペダルがレスト位置に戻るのに要する時間が許容しがたく増大することがないということを確実にする。
【0022】
本実施例では、密封帯20の両側にそれぞれ5つの溝21及び22を設けているが、必要であれば、利用される溝の数及び溝の寸法は、要求されるダンパを介しての作動油の流れに適合するように変更可能であり、またばね係数及びシールの摩擦を考慮して必要とされる減衰特性をもたらすように変更可能である。
【0023】
図4及び5は、図1のダンパ10と同様な、第2のダンパ110を示す。第1のダンパ10と同様の機能を示す第2のダンパ110の造作には、第1のダンパの参照番号に100だけ数を加えた参照番号を付してある。
【0024】
第2のダンパ110と第1のダンパ10との間の主な相違は、ピストン112の構造にある。
【0025】
ピストン112は、第1チャンバ113及び第2チャンバ114内にわずかしか延伸しておらず、したがって中央領域の両側に、ばね132及び134の端部を配置するための小さなボア124及び125のみを備える。
【0026】
シール130は、図4に示されるように、中央領域128の軸方向左端の近くに位置する。この実施形態では、ピストンシール130は、円筒形本体のボア119と密封接触するような寸法である環状ランドとしてピストンと一体に製造されている。しかしながらダンパ10で示されたのと同様に、エラストマ又はプラスチック製のシールリングからなるシール構成を利用することも可能であることが明らかである。
【0027】
ピストン112は、ピストン112を貫通して延伸し、第1チャンバ113と第2チャンバ114を流体接続する中心ボア又は流体通路140を備える。
【0028】
図5a〜5cを参照して、自動車用の油圧クラッチ作動システムに関連して、本ダンパ110の動作をさらに説明する。
【0029】
図5aは、クラッチが作動していない、すなわち低流体流動の条件下でのダンパを示す。クラッチが作動していない場合に、シール130が密封帯120と密封帯120のほぼ中央で接触するようにピストン120を軸方向に配列するように、ばね132及び134が調整される。第1チャンバ113及び第2チャンバ114は、流体通路140を介して流体接続され、第1チャンバ113及び第2チャンバ114の圧力は等しく、予油圧が発生しない。
【0030】
クラッチがつながっている間及びクラッチが解放されている間、低流体流動の条件下、ピストンシール130は、密封帯128の範囲内に保持され、流体は、流体通路140を介して第1チャンバ113と第2チャンバ114の間を流動する。流体通路140は、流体を流す絞りとして機能し、車両駆動列から生じる流体内の振動を濾過するような寸法である。
【0031】
図5bは、高流体流動の条件下のクラッチが開放されている間のダンパを示す。第1チャンバ113内の作動油圧が、第2チャンバ114内の圧力に対して増大する。結果として、ピストンは(図5bに示すように)右に移動し、シールが密封帯128を外れ、溝122の上方に移動するまで、第2チャンバ114の体積を減少させる。この時点で、作動油は、流体通路140とともに溝122を介して、第1チャンバ113から第2チャンバ114へ流動可能となる。溝122の開口に続く、流体の流動可能な領域の増大は、クラッチが開放されている間に必要とされるペダル負荷の、ダンパによる許容しがたい増大を生じない。
【0032】
図5cは、高流体流動の条件下のクラッチが係合されている間のダンパを示す。第2チャンバ114内の作動油圧が、第1チャンバ113内の圧力に対して増大し、それによってピストンが(図5cに示すように)左に移動し、シールが密封帯128を外れ、溝121の上方に移動するまで、第1チャンバ113の体積を減少させる。この時点で、作動油は、流体通路140とともに溝121を介して、第2チャンバ114から第1チャンバ113へ流動可能となる。溝121の開口に続く、流体の流動可能な領域の増大は、クラッチが係合している間のペダル復帰時間をダンパによって許容しがたいほど増大させない。
【0033】
上記の実施形態ではどちらにおいても、ダンパ10及び110の構成部品を、金属材料、プラスチック材料、これら2つの材料の組み合わせから製造することができる。
【0034】
上記の実施形態はどちらも、クラッチマスタシリンダとクラッチスレーブシリンダを接続する油圧ラインに組み込まれる別個のモジュールとして設けられるダンパを示しているが、本発明によるダンパを、マスタシリンダ又はスレーブシリンダのどちらかに含み、それらとともに一体のユニットを形成することもできることは明らかである。
【0035】
さらにペダルによって作動されるクラッチマスタシリンダとクラッチスレーブシリンダを備える自動車用の従来型油圧クラッチ作動システムに関連して、実施形態を説明したが、本発明はこのような構成に限定されず、マスタシリンダが電気モータのような電気的アクチュエータによって作動されるクラッチ作動システムで利用されるダンパ、又は油圧アキュムレータが油圧力源として利用されるクラッチ作動システムで利用されるダンパとして同様に適用することができる。また本発明によるダンパは、油圧力源と、関連する油圧を使う部材の間の作動油経路における振動を減衰することが必要とされる、油圧クラッチ作動システム以外の油圧装置にも利用することができる。
【0036】
本発明によるダンパは、少数の可動部品からなる特に簡単な構造を備え、低コストの製造技術に対応する。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、油圧力源と、関連する油圧を使う部材との間の流体流動経路内の振動を減衰するための油圧ダンパに関し、ボア(19)を備えるシリンダ(11)からなる。ピストン(12)は、ボアに滑動可能に受容され、ボアと接触するシール手段(30)を備え、このシール手段の一方の側に油圧力源と接続するように第1チャンバ(13)が画定され、シール手段のもう一方の側に、関連する油圧を使う部材と接続するように第2チャンバ(14)が画定される。シリンダは、ダンパの第1操作状態において、シール手段と接触する密封帯(20)を備える。ピストン(12)は、第1チャンバ(13)の作動油圧の高さに応答して、ボア内を移動して、最終的にシール手段(30)が密封帯を外れ、第1チャンバから第2チャンバに作動油を流動可能とする流体流動手段(22)を開口するように、第2チャンバ(14)の体積を減少させる。またピストンは、第2チャンバ(14)の作動油圧の高さに応答して、ボア内を移動して、最終的にシール手段が密封帯を外れ、第2チャンバから第1チャンバに作動油を流動可能とする流体流動手段(21)を開口するように、第1チャンバ(13)の体積を減少させる。
【0038】
このような構成であることによって、本発明の油圧ダンパは、ペダル負荷を増加させることなく、レスト位置へのクラッチの戻り時間を増大させることなく、流体流動経路内の振動を減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1のダンパの断面を示す斜視図である。
【図2】図1のダンパの分解組み立て図である。
【図3】図1に示したダンパの種々の作動状態における断面を示す平面図である。
【図4】本発明による第2のダンパの断面を示す平面図である。
【図5】図4に示したダンパの種々の作動状態における断面を示す平面図である。
【符号の説明】
10 油圧ダンパ
11 シリンダ本体
12 ピストン
13 第1チャンバ
14 第2チャンバ
15 第1エンドキャップ
16、18 出口
17 第2エンドキャップ
19 ボア
20 密封帯
21、22 溝
23 テーパ部分
24 第1ボア
25 第2ボア
26、27 スロット
28 中央領域
29 溝
30 シール
31 環状フランジ
32 第1ばね
34 第2ばね

Claims (26)

  1. 油圧力源と、関連する油圧を使う部材との間の流体流動経路内の振動を減衰するための油圧ダンパであって、
    ボアを備えるシリンダと、
    前記ボアに滑動可能に受容され、前記ボアと接触するシール手段を備えるピストンと、このシール手段の一方の側に油圧力源と接続するように第1チャンバが画定され、前記シール手段のもう一方の側に、関連する油圧を使う部材と接続するように第2チャンバが画定されることと、
    前記シリンダのボアが、ダンパの第1操作状態において、前記シール手段と接触する密封帯を備えることと、
    前記ピストンが、前記第2チャンバの圧力に対する前記第1チャンバの作動油圧が高いことに応答して、前記ボア内を移動して、最終的に前記シール手段が前記密封帯を外れ、前記第1チャンバから前記第2チャンバに作動油を流動可能とする流体流動手段を開口するように、前記第2チャンバの体積を減少させることと、
    また前記ピストンが、前記第1チャンバの圧力に対する前記第2チャンバの作動油圧が高いことに応答して、前記ボア内を移動して、最終的に前記シール手段が前記密封帯を外れ、前記第2チャンバから前記第1チャンバに作動油を流動可能とする流体流動手段を開口するように、前記第1チャンバの体積を減少させることと、からなる油圧ダンパ。
  2. 前記ピストンが、前記ピストンの両側で弾力のある手段によって軸方向に付勢されている、請求項1記載の油圧ダンパ。
  3. 前記弾力のある手段が、前記ピストンの第1の面に接触するように前記第1チャンバに配置されている第1ばねと、前記ピストンの第2の面に接触するように前記第2チャンバに配置されている第2ばねとからなる、請求項2記載の油圧ダンパ。
  4. 前記ダンパの第1操作状態において、前記第1チャンバ又は前記第2チャンバの一方の作動油圧力が、もう一方の作動油圧力よりも高くなるように、前記ピストンの第1の面に作用する前記弾力のある手段のバイアス力が、前記ピストンの第2の面に作用する前記弾力のある手段のバイアス力よりも大きい、請求項2又は3記載の油圧ダンパ。
  5. 前記ダンパの第1操作状態において、前記第2チャンバの作動油圧力が前記第1チャンバの作動油圧力よりも高い、請求項4記載の油圧ダンパ。
  6. 流体通路が、前記ピストンを貫通して延伸し、前記第1チャンバと前記第2チャンバの間を該流体通路を介して流体流動するように、前記第1チャンバと前記第2チャンバを接続している、請求項1〜3のいずれか1項記載の油圧ダンパ。
  7. 前記弾力のある手段のバイアス力が、前記ダンパの第1操作状態において、前記シール手段が前記密封帯の実質上中央で前記密封帯と接触するように、調整されている、請求項2又は3に依存する請求項6記載の油圧ダンパ。
  8. 前記流体流動手段が、密封帯の両側に配置される前記シリンダのボアの1以上の溝からなり、前記シール手段が前記密封帯から外れて移動し、前記溝をむき出しにすると、作動油が、前記第1チャンバ及び前記第2チャンバの間を前記溝を介して流動する、請求項1〜7のいずれか1項記載の油圧ダンパ。
  9. シール手段が、前記第1チャンバと前記第2チャンバとの圧力差の増大に応答して、前記溝を超えてさらに移動することによって、前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間で流体を流動可能とする前記溝の断面が増大して、それによって前記溝の断面が、前記密封帯に隣接する領域の最小値から、前記密封帯から離れた点の最大値まで増大する、請求項8記載の油圧ダンパ。
  10. 前記ダンパの少なくとも一部が金属材料から製造されている、請求項1〜9のいずれか1項記載の油圧ダンパ。
  11. 前記ダンパの少なくとも一部がプラスチック材料から製造されている、請求項1〜10のいずれか1項記載の油圧ダンパ。
  12. 前記シール手段が、前記密封帯と密封接触するための別個のシールからなる、請求項1〜11のいずれか1項記載の油圧ダンパ。
  13. 前記シール手段がエラストマシール又はプラスチックシールである、請求項12記載の油圧ダンパ。
  14. 前記シリンダが、前記シリンダを貫通して前記シリンダのボアを画定する中央ボアを備える円筒形の本体と、この円筒形の本体の第1の端部に密封適合して、前記ピストン及び前記シール手段によって前記第1チャンバを画定する第1エンドキャップと、前記円筒形の本体の第2の端部に密封適合して、前記ピストン及び前記シール手段によって前記第2チャンバを画定する第2エンドキャップとからなる、請求項1〜13のいずれか1項記載の油圧ダンパ。
  15. 前記第1エンドキャップが油圧力源と接続するための第1出口手段を備え、前記第2エンドキャップが油圧を使う部材と接続するための第2出口手段を備える、請求項14記載の油圧ダンパ。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項記載のダンパからなる油圧クラッチ作動システム。
  17. 前記油圧を使う部材がクラッチスレーブシリンダである、請求項16記載の油圧クラッチ作動システム。
  18. 前記油圧力源がクラッチマスタシリンダである、請求項16又は17記載の油圧クラッチ作動システム。
  19. 前記クラッチマスタシリンダが電気的に作動される、請求項18記載の油圧クラッチ作動システム。
  20. 前記油圧力源が油圧アキュムレータである、請求項16又は17記載の油圧クラッチ作動システム。
  21. 前記流体通路が、関連する駆動列に発生する振動を減衰するような寸法であり、前記油圧を使う部材から前記油圧力源へ通じる、請求項6に依存する請求項16〜20のいずれか1項記載の油圧クラッチ作動システム。
  22. 前記溝が、関連する駆動列に発生する振動を減衰するような寸法であり、前記油圧を使う部材から前記油圧力源へ通じる、請求項8に依存する請求項16〜21のいずれか1項記載の油圧クラッチ作動システム。
  23. 前記ダンパの第1操作状態における前記第2チャンバのより高い作動油圧力が、関連するクラッチの開放用軸受に予負荷をもたらす、請求項5に依存する請求項16〜22のいずれか1項記載の油圧クラッチ作動システム。
  24. 前記油圧ダンパが、前記油圧力源と前記油圧を使う部材との間の流体流路に接続される別個のモジュールとして設けられている、請求項16〜23のいずれか1項記載の油圧クラッチ作動システム。
  25. 前記油圧ダンパが、前記油圧力源の一体化構成要素として設けられている、請求項16〜23のいずれか1項記載の油圧クラッチ作動システム。
  26. 前記油圧ダンパが、前記油圧を使う部材の一体化構成要素として設けられている、請求項16〜23のいずれか1項記載の油圧クラッチ作動システム。
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