JP4119201B2 - 能動型液封防振装置 - Google Patents

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JP4119201B2 JP2002235286A JP2002235286A JP4119201B2 JP 4119201 B2 JP4119201 B2 JP 4119201B2 JP 2002235286 A JP2002235286 A JP 2002235286A JP 2002235286 A JP2002235286 A JP 2002235286A JP 4119201 B2 JP4119201 B2 JP 4119201B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用エンジンマウント等に使用される加振手段により入力振動を相殺する能動型液封防振装置に係り、特にアクチュエータを構成するアーマチュアの防錆性を向上させたものに関する。
なお、本願において、上下・左右並びに内外等の方向は、図1における図示状態を基準とする。
【0002】
【従来の技術】
このような能動型液封防振装置は公知である(例えば特開平 号参照)。このような能動型液封防振装置の一般的な構造は、主液室の壁の一部を円錐状ゴムのインシュレータで構成し、インシュレータの頂部より振動を入力させるとともに、主液室を構成する壁の一部をなし弾性シールにて浮動支持された加振部材を駆動手段にて振動させることにより、入力振動と略同位相の振動を発生させるようになっている。このとき、駆動手段としてソレノイドを用いるときは、そのアーマチュアが進退して加振部材を振動させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、加振部材の駆動手段を構成するアーマチュアが磁性体であるため、大気にさらされると錆を生じて作動性能を低下させることがある。しかし、加振部材の振動にともなう空気流動を確保するためには、加振部材の作動室を大気開放しなければならず、この作動室にアーマチュアが臨むため、防錆性を向上させることが困難である。そこで本願は係る条件下でもアーマチュアの防錆性を向上させることができるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の能動型液封防振装置に係る請求項1は、第1の取付部材と第2の取付部材間を連結するインシュレータを壁部の一部とする主液室を設け、この主液室を形成する壁部の一部に、駆動手段によって振動する加振部を備え、駆動手段により加振部を振動させるようにした能動型液封防振装置において、前記駆動手段は、前記加振部材と連結された磁性体のアーマチュアを備え、これら加振部材とアーマチュアは加振部材の作動を確保するための作動空間に臨むとともに、この作動空間内を仕切って、前記加振部材が臨む大気開放された空間と、前記アーマチュアを密閉するための小密閉空間とを形成し
前記大気開放された空間は第1の連通孔を介して前記第2の取付部材の内側に形成された空気通路と連通し、さらにこの空気通路が前記第2の取付部材に形成された第2の連通孔を介して大気に連通するとともに、使用時状態で前記第1の連通孔を前記第2の連通孔よりも高い位置に設けたことを特徴とする。
【0005】
請求項2は上記請求項1において、前記小密閉空間は前記加振部材と前記アーマチュアが収容されるアクチュエータとの間に設けられるアーマチュアシールにより形成されることを特徴とする。
【0006】
請求項3は上記請求項2において、前記アーマチュアシールが加振部材の下方変位を規制するストッパと一体に形成されることを特徴とする。
【0007】
請求項4は上記請求項2又は3において、前記アーマチュアシールが予め前記加振部材と別体に形成されてから一体化されることを特徴とする。
【0008】
請求項5は上記請求項2において、前記アーマチュアシールの外周部を前記第2取付部材側へ固定したことを特徴とする。
【0010】
請求項は、上記請求項3において、ストッパの当接面側に凹部を形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項は、上記請求項2〜5及び7のいずれかにおいて、少なくとも前記アーマチュアシールを耐熱性材料としたことを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
請求項1によれば、作動空間内を仕切って、大気開放された空間内にアーマチュアを密閉するための小密閉空間を形成したので、磁性体のアーマチュアを大気開放させずに密閉できる。したがって磁性体であるアーマチュアを錆びにくくして防錆性を向上させることができるから、長期間使用しても所定の性能を維持できる。
しかも、加振部材の臨む空間は大気開放されているから加振部材の作動に支障が生じないようにすることができる。
また、大気開放された空間が第1の連通孔を介して第2の取付部材の内側に形成された空気通路と連通し、さらにこの空気通路が第2の取付部材に形成された第2の連通孔を介して大気に連通するとともに、使用時状態において第1の連通孔を第2の連通孔よりも高い位置に設けたので、全体等が水を被ったときでも、加振部材が臨む大気開放された空間内へ侵入しにくくすることができるため、防水性能を高めることができる。
【0013】
請求項2によれば、アーマチュアシールを加振部材とアーマチュアが収容されるアクチュエータとの間に設けることにより小密閉空間を容易に形成することができる。
【0014】
請求項3によれば、アーマチュアシールが加振部材の下方変位を規制するストッパと一体に形成されるので、部品点数を削減して構造が簡単になり、かつ製造が容易になる。
【0015】
請求項4によれば、アーマチュアシールを予め加振部材と別体に形成してから加振部材と一体化するので、加振部材側を変更することなくアーマチュアシール側のみをを特性等変更することが容易になるから、部品の共通化により種々な仕様変更への対応が容易になる。また、アーマチュアシールをストッパと一体に形成する場合には、アーマチュアシールとストッパを一緒にして変更できる。
【0016】
請求項5によれば、アーマチュアシールの外周側先端部を第2の取付部材側へ固定するので、加振部材の心出し、位置決めが容易になるから組立精度を高めることができる。
【0018】
請求項によれば、ストッパの当接面側に凹部を形成したので、この凹部によりストッパが最初に圧縮される部分のバネを弱くするため、圧縮時における非線形的バネ特性をさらに顕著化でき、しかも凹部として肉厚未満の深さで横断する連通溝を設ければ、ストッパで仕切られる空間の内外を連通するから、加振部材の作動時における空気をスムーズに逃がして良好な作動性を確保できる。
【0019】
請求項によれば、少なくともアーマチュアシールを耐熱性にしたので、エンジンの輻射熱や防振装置自体の発熱によって高熱する使用環境であっても耐久性を良好にできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて一実施例を説明する。図1は、実施例としての自動車用エンジンマウントにおける全断面、図2はアーマチュアシール部分の拡大断面図を示す。図1において、このエンジンマウント1は、図示省略のエンジン側へ取付けられる第1取付部材2と、やはり図示省略の車体側へ取付けられる第2取付部材3と、この間に介在されるインシュレータ4を備える。
【0021】
インシュレータ4は、ゴム等の適宜弾性材料からなる防振ゴム等の防振用弾性体であり、第1取付部材2からの入力振動を吸収するための所定のバネ定数を有し、全体として略円錐状をなし、頂部に第1取付部材2を一体化するとともに、裾部周囲を第2取付部材3へ連結している。
【0022】
これら第1取付部材2、第2取付部材3、インシュレータ4の間に非圧縮性液体が封入された液室が形成され、その内部に設けられた仕切壁5により、インシュレータ4側の主液室6と、仕切壁5を挟んでその反対側となる加振室7に区画する。主液室6と加振室7は仕切壁5の中央に形成された絞り通路8により連通しており、主液室6にはインシュレータ4が臨んで主液室6を構成する壁の一部をなしている。
【0023】
加振室7の底部には、加振部材10が設けられる。加振部材10は鉄等の強磁性体もしくはアルミ等の金属や樹脂等の非磁性体材料で形成された略カップ状をなす。このとき構成材料を鉄にすると連結するアーマチュア(後述)が同系材料のとき、熱膨張率を近似させることができるので寸法理が容易になる。また加振部材10は主たる振動方向Zから見て円板状をなすとともに、その周囲を同じく略円板状をなす弾性シール11によって浮動支持されている。
【0024】
弾性シール11は、インシュレータ4と同じか又は異なるゴム等の弾性材料からなり、加振部材10と後述する第2の取付部材3へ固定されて一体となる部材とを連結し、加振部材10の主たる振動の入力方向Zに平行な上下への変位に伴って、主としてせん断方向に弾性変形するリターンスプリングとして加振部材10を振動可能に支持するとともに、加振室7の液漏れを防止している。このゴム材料はゴムバネとして機能できる公知の種々なものを使用できる。
【0025】
弾性シール11の内周側は周壁状をなす加振部材10の外周部12をくるむように焼き付け一体化され、外周部12の上部に弾性シール11と一体の上ストッパ13が上方へ突出して設けられている。この上ストッパ13は、外周部12を覆う弾性シール11と連続するゴム部で一体に形成される略三角形断面の山形部である。
【0026】
加振部材10のZ方向における上下への変位に伴って、上ストッパ13は尖った先端部から仕切壁5へ押し当てられるようになっている。この押し当てにより上ストッパ13は圧縮されて反発力を発生し、この反発力は変位量の増大に伴う圧縮量の非線形的増大にしたがって徐々に増大することになる。すなわち非線形的バネ特性を生じるようになっている。
【0027】
加振部材10は中心線Cに沿って上下方向へ移動自在の鉄等の強磁性体金属製アーマチュア17と一体化しており、このアーマチュア17を介してソレノイド等の適宜なアクチュエータ15により図の下方向へ変位駆動され、かつリターンバネ手段により逆方向へ戻し変位されることにより振動して加振室7中に液体流動を発生させる。
【0028】
アクチュエータ15の駆動は、マイコン等の制御装置18により制御される。アクチュエータ15、アーマチュア17及び制御装置18は駆動手段を構成する。なお、アーマチュア17はアクチュエータ15の外部被覆19内に一体化されたメタルベアリング16により外周を摺動自在に支持されている。
【0029】
この駆動手段はプル型であり、第1の取付部材2からの振動入力により主液室6の液圧が上昇するとき(以下、正入力という)、アクチュエータ15によりアーマチュア17を介して加振部材10を図の下方へ移動させることにより液圧上昇をキャンセルし、逆に主液室6の液圧が減少するとき(以下、負入力という)アーマチュア17の引きを解放してリターンスバネ手段の弾性力により加振部材10を図の上方へ戻して主液室6の液圧変動を抑制する。
【0030】
このとき、第1取付部材2に対する防振すべき振動の入力に対して、加振部材10を略同位相で加振すれば、加振室7中にて液体流動を発生させる。但し、駆動手段を逆のプッシュ型にすることもできる。また、加振部材10をアクテイブ制御する周波数域は任意であり、例えば、アイドル域、発進域の各振動周波数を含む100Hz以下に設定することができる。
【0031】
弾性シール11の外周部は、フランジ金具20の中央に設けられた筒部21へ焼き付け一体化され、筒部21から半径方向外方へ伸びるフランジ22は、第2の取付部材3を構成する基部筒金具23の上部フランジ24とインシュレータ4の外周部へ一体化された筒状金具25の下端部との間に挟持される。
【0032】
基部筒金具23の上部フランジ24と筒状金具25の上端フランジ26は上部筒金具27により連結一体化される。このとき上部筒金具27の上下方向両端を折り曲げることにより各フランジを挟み、かつ当接部の適当位置を溶接する。
この一体化により仕切壁5の外周部は、インシュレータ4とフランジ金具20のフランジ22上に挟まれて固定される。
【0033】
なお、仕切壁5の外周部に対するインシュレータ4の接触は上下2段になっており、上端側はインシュレータ4の内周面下部に設けられた段部28と密接し、段部28と一体のシール突起28aでシールされる(図中の拡大部参照)。また下端部側は、筒状金具25のに内面に沿って形成される内側被覆29の下端を押し当てることにより、内側被覆29と一体のシール突起29aでシールされる(図中の拡大部参照)。
【0034】
また、フランジ22上には弾性シール11と連続一体の被覆層30が設けられ、この部分でフランジ22と仕切壁5の外周下端部との間をシールするようになっている。基部筒金具23の上部フランジ24と筒状金具25の上端フランジ26は上部筒金具27により連結一体化される。このとき上部筒金具27の上下方向両端を折り曲げることにより各フランジを挟み、かつ当接部の適当位置を溶接する。
【0035】
仕切壁5は樹脂等の適宜材料からなる略リング状をなし、その外周部は上下方向幅を大きくされ、その肉厚内には周方向へ形成され外周側を開放した周溝が形成され、この開放部を内側被覆29で閉じることにより周溝内がダンピングオリフィス通路31をなしている。ダンピングオリフィス通路31は外周部内を上下に重なってらせん状に回っており、一部を開口32により主液室6中へ連通し、他端を第2取付部材3の側壁に形成された出口33より第2取付部材3の外周部に形成された副液室34へ連通している。
【0036】
副液室34を構成するハウジング35内にはダイヤフラム36が設けられ、副液室34の液量変動を補償し、主液室6の容積変動に追随して伸縮変形するようになっている。ダイヤフラム36の副液室34側と反対側の面は通気孔37を介して大気開放されている。
【0037】
仕切壁5の中央部には中心線Cと直交方向へ広がる仕切部38をなし、その中央に絞り通路8が形成されている。仕切部38は絞り通路8部分を除き、加振室17の上方側を覆っており、かつ下面は上ストッパ13が押し当てられる部分である。
【0038】
仕切部38は仕切壁5における周囲部分の上下方向端部よりその中間部高さ位置まで引き込まれた状態で形成され、仕切部38の上側と仕切壁5の外周部上端との間はアール部40で結ばれる。また仕切部38の下側と仕切壁5の外周部下端との間は、斜面41と環状壁42で結ばれ、加振部材10の上部側が収容される空間を形成する。環状壁42はフランジ金具20における筒部21の周囲を囲んでいる。
【0039】
なお、符号43は加振部材10及び弾性シール11等の上下動を可能にするための作動空間であり、加振部材10及び弾性シール11とアクチュエータ15との間に形成され、基部筒金具23の側面に形成された通気孔44を介して大気開放されている。
【0040】
図2に拡大して示すように、下ストッパ14は上ストッパ13と同一又は異なるゴム等の弾性材料からなり、上ストッパ13と同様に略三角形断面の山形部であって、加振部材10へ取付けられるフランジ金具50と一体に形成され、フランジ金具50から下方へ突出して尖った先端部がアクチェータ15の外側被覆19上に当接している。
【0041】
加振部材10のZ方向における上下への変位に伴って、下ストッパ14はアクチェータ15の外側被覆19上面へ押し当てられることにより圧縮されて反発力を発生し、この反発力は圧縮量の増大にしたがって徐々に増大することになる。すなわち下ストッパ14は弾性シール11とともにリターンバネ手段を構成し、このリターンバネ手段に非線形的バネ特性を与えるようになっている。
【0042】
この下ストッパ14の圧縮開始は、厳密にはリターンバネの一部として実質的に機能する程度のバネ力を発生する程度に圧縮された段階であって、加振部材10の変位量が所定量を超えたとき、例えば、アクテイブ時の加振部材10について予め設定された変位量より大きくなったときから開始させる。一方、所定の変位量まではバネ力が発生しないか又は発生しても極微少であってリターンバネとして弾性シール11のバネ力よりもかなり弱くなるようにする。
【0043】
このような作用を実現する初期設定として例えば、加振部材10が中立位置にあるとき、すなわち図の上下方向へ振動して移動していない状態において、所定の変位量分だけ下ストッパ14の先端とその接触相手との間に所定のクリアランスを予め設けておくことができる。
【0044】
但し、このような初期設定は任意であり、接離時の打音を生じなうようにするためには、当初から下ストッパ14の尖った先端部を受け部16へ軽く押し当てておき、所定の変位量までは弾性シール11のバネがトータルのリターンバネにおける主体をなす程度に、下ストッパ14の圧縮量があまり大きくならないようしておき、所定の変位量を境にして圧縮量を急激に増大させるようにしてもよい。
【0045】
このような変化は,下ストッパ14を略三角形断面の山形状とすることにより容易に実現可能になる。本実施例ではこのような当初から接触する構成を採用している。なお、上ストッパ13の仕切壁5に対する接触及び圧縮における初期設定も同様にでき、かつ上ストッパ13の圧縮時における作用も下ストッパ14と同様に生じる。
【0046】
フランジ金具50は、外向きフランジ部51、その外周側先端を上方へ折り返えして形成された外周壁52及び外向きフランジ部51の内周端から上方へ突出する筒部53を備える。筒部53は加振部材10の外周下部に形成された小径の段部54へ圧入やカシメ等の適宜手段により固定されて一体化される。
【0047】
さらに、下ストッパ14と連続するゴムの一部は、外周壁52からさらに加振室7の半径方向外方へ広がるダイアフラム状のアーマチュアシール55をなし、その先端外周部56の下面にはシールリップ57が下方へ向かって突出形成されて外側被覆19の上面へ気密に密着している。これにより、作動空間43はアーマチュアシール55によって上部室58と下部室59に区分される。
【0048】
上部室58は、アーマチュアシール55と弾性シール11及び加振部材10によって囲まれた空間であり、アーマチュアシール55の先端外周部56が一体化される固定金具60の内周側部分に形成された通気孔61を介してアクチュエータ15の外周部と基部金具23の内周面との間に形成された環状空間62へ連通している。
【0049】
環状空間62はさらに基部金具23の側面に形成された通気孔44と連通している。したがって上部室58は大気開放され、加振部材10の上下方向振動に伴う空気が内外へ流動することを可能にしている。なお、通気孔44は使用時状態において通気孔61よりも下方に位置している。また、固定金具60の外周部はフランジ22及び24の間に挟持固定される。
【0050】
一方、下部室59はアーマチュアシール55、アクチュエータ15及び加振部材10によって囲まれた密閉空間であり、アーマチュアシール55の先端外周部56の下面がシールリップ57により外側被覆19の上面へ気密に密着することにより、内外との空気流動を阻止している。ここで上部室58は本願における大気開放された空間、下部室59は小密閉空間、通気孔61は第1の通気孔、通気孔44は第2の通気孔、環状空間62は空気通路にそれぞれ対応している。
【0051】
なお、下部室59の容量は上部室58と比べて著しく小さく、内外との空気流動がなくても加振部材10の上下振動に不都合を生じない程度になっている。しかも、アーマチュアシール55がダイアフラム状であるから、その変形によって下部室59内の空気流動を可能とする。また下部室59内は下ストッパ14によって径方向へ内外に区分される場合があるが、このときは下ストッパ14の一部に設けた連通溝63により内外の空間を連通して空気流動を可能にしている。
【0052】
また、下ストッパ14及びアーマチュアシール55と連続するゴムの一部が、フランジ金具50における外向きフランジ部51の上面、外周壁52の周囲及び筒部53の外側面を一体に覆う金具部被覆64をなし、その上端である筒部53の上端近傍部に上方へ突出するシール突起65が一体に形成されている。このシール突起65は筒部53を加振部材10の段部54へ固定するとき、加振部材10に形成された側方張出部66の下面へ密接し、筒部53と加振部材10との間をシールしている。これら下ストッパ14及びアーマチュアシール55は、例えば、耐熱処方の天然ゴムや公知の種々な合成ゴム等の耐熱性弾性材料で構成される。なお、上ストッパ13及び弾性シール11も同様の耐熱性構造にすることができる。さらにはこれらに耐薬品性、耐油性等の特性を加えても良い。
【0053】
図3は下ストッパ14部分を図2の下方から示したものである。この図に明らかなように、下ストッパ14の下面側は周方向へほぼ等間隔で配列されたブロック状をなし、例えば、図示する6個のように任意の複数個設けられる。隣り合う下ストッパ14の間は下ストッパ14と略同幅の間隙63が設けられている。なお、このようにブロック状とせず全周に連続する単一のリング状にすることもできる。
【0054】
間隙63は下ストッパ14の非線形的バネ特性を顕著にすることを目的にする凹部の一例として設けられ、同時に下部室59のうち下ストッパ14によって区分される径方向の内外部分の連通性を確保して、下ストッパ14が外側被覆19へ接触したとき下ストッパ14とアーマチュア17との間における空気閉じ込めを回避し、図の上下方向へ移動するアーマチュア17の作動性を良好に確保することを可能にする。但し、間隙63は必ずしも下部室59の内外を連通するように設ける必要はなく、非線形的バネ特性だけを狙う場合には、下部室59の内外を連通しない単なる凹部を形成して部分的に圧縮し易くしただけのものでもよい。
【0055】
図3及び4に明らかなように、間隙63の底部67における中央部には放射方向へ横切る比較的浅くかつ狭いスリット状の連通溝68が形成されている。この連通溝68は下ストッパ14が全圧縮されたときでも下部室56の内外部分を連通させるためのものであり、その幅及び深さはは圧縮時の通気性を確保できるものであれば任意であり、その数も任意である。場合によっては連通溝68を省略することもできる。
【0056】
図4に示すように、間隙63の幅及び深さは下ストッパ14の非線形的バネ特性を考慮した任意のものでよく、下ストッパ14を必要なバネが得られる大きさにすることにより自ずから定まる。但し深さhは下ストッパ14の肉厚H未満であり、h/Hが1/10〜9/10程度が好ましく、1/3〜1/2程度であればバネのバランスを取り易くてより好ましい。
【0057】
次に、本実施例の作用を説明する。アクテイブ時において、第1取付部材2へ例えば30Hz程度のアイドル振動が防振すべき振動として入力するとき、これを打ち消すべくアクチュエータ15により加振部材10を略同位相かつ防振すべき振動と同じ周波数で加振する。これにより主液室6の内圧変動を吸収する。
【0058】
このとき、インシュレータ4と弾性シール11及びストッパ(13,14)は並列のバネとして機能し、そのうちの弾性シール11及びストッパ(13,14)はリターンバネ手段として機能するが、この段階ではストッパ(13,14)は圧縮されないため、リターンバネ手段として機能するのは弾性シール11のみとなり、そのバネは主としてせんだん方向の弾性変形に伴うものであるから比較的バネ定数が低い弱いものとなる。したがって、駆動手段に対する負荷が小さくなるから、出力増大を抑制できる。
【0059】
一方、パッシブ時において、防振すべき振動以外の振動入力に対しては、アクチュエータ15が加振部材10をフリーにするため、加振部材10は主液室6から伝達される液圧変化に応じて変位する。このとき比較的小振幅の振動入力には弾性シール11のみが主としてせん断方向の弾性変形により対応し、良好な乗り心地を得ることができる。
【0060】
また、入力振動が大きくなって所定の変位量を超えると、下ストッパ14が受け部16へ強く押し当てられて圧縮量が急激に増大される。この急激な圧縮に伴う反発力が加振部材10に対して変位を規制するべく加振部材10の変位方向と逆向きに発生し、弾性シール11のバネ力に対して無視できない大きさからさらには弾性シール11のバネ力を越える程までに増大するので、リターンバネ手段全体としてのトータルバネ定数は急激に大きくなり、非線形的なバネ特性を与えることになる。
【0061】
しかも、下ストッパ14は略三角形断面の山形部をなし、尖った先端部から押し当てられるから、変位量の増大に伴って圧縮量が急激に増大し、バネ定数の非線形的な変化をより急激かつ継続的そのうえ容易に行うことができる。すなわち略三角形断面または山形状をなすことによって、一定変位量に対する圧縮体積の割合である歪み率が、例えば直方体等と比べれば著しく小さくなり、これによってバネ定数の非線形的変化を実現する。このため、比較的大きな振動入力に対しては高バネとなり、減衰の必要は周波数域の振動にはダンピングオリフィス通路31の共振効率を向上させて高減衰を実現でき、また大振動入力に対しては、変位の割合を相対的に低くするので、耐久性を向上できる。
【0062】
そのうえ、図3及び4に示すように、下ストッパ14に間隙63を形成したので、下ストッパ14のうち間隙63を形成した先端部分は特にバネが弱くなる。したがってまず間隙63の深さまで比較的小さな荷重で圧縮され、この変形が間隙63の深さになると、底部67を含む下ストッパ14の一体化した(すなわち間隙63によって分断されない)下ストッパ14の基部全体が圧縮するので急激にバネが上がる。したがって非線形的バネ特性をさらに顕著化できる。なお、下ストッパ14を周方向へ分断して配列されたブロック状としたので、比較的圧縮量の小さいときは間隙63により通気を確保するとともに、間隙63がふさがるような大きな圧縮時にも、隣り合う下ストッパ14間における通気溝68で通気を確保できる。したがって圧縮量がより広範囲に変化しても連通性を確保でき、加振部材10の作動時における空気をスムーズに逃がすので良好な作動性を確保できる。
【0063】
また、アーマチュアシール55を設けて作動空間43を大気開放された上部室58と密閉空間となる下部室59とに区画したので、下部室59側に位置するアーマチュア17を大気開放させずに密閉できる。したがって鉄等の強磁性体からなるアーマチュア17を錆びにくくして防錆性を向上させることができるから、長期間使用しても所定の性能を維持できる。
【0064】
しかも、上部室58は大気開放されているから加振部材10の作動に支障が生じないようにできる。また、アーマチュアシール55の外周側先端部56を第2の取付部材3側へ固定するので、加振部材10の心出し、位置決めが容易になるから、組立精度を高めることができる。
【0065】
さらに、使用時状態にて、大気開放する通気孔44の位置を、固定金具60の通気孔61よりも低い位置に設けたので、エンジンマウント1が水を被ったときでも、水を上部室58内へ侵入しにくくすることができ、防水性能を高めることができる。
【0066】
そのうえ、アーマチュアシール55を加振部材10及び弾性シール11と別体にして下ストッパ14と一体に設けたので、加振部材10側を変更することなく下ストッパ14側のみを特性等変更することが容易になるから、部品の共通化により種々な仕様変更への対応が容易になる。また、アーマチュアシール55を下ストッパ14と一体に形成できるので、部品点数を削減して構造が簡単になりかつ製造が容易になる。しかも、下ストッパ14及びアーマチュアシール55さらには弾性シール11や上ストッパ13等のゴム部を耐熱性にしたので、エンジンの輻射熱や防振装置自体の発熱によって高熱する使用環境であっても耐久性を良好にできる。
【0067】
なお、本願発明は上記実施例に限定されず種々に変形や応用が可能であり、例えば、アーマチュアシール55は弾性シール11と一体に形成することもでき、さらに下ストッパ14と別体にしてもよい。
【0068】
また、用途としては、エンジンマウント以外にも種々な振動伝達経路における振動遮断用防振装置として利用できる。また、振動源へ取付けてその制振器として利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るエンジンマウントの全断面図
【図2】アーマチュアシール部分の拡大断面図
【図3】下ストッパ及びアーマチュアシール部分の拡大図
【図4】図3の4−4線相当断面図
【符号の説明】
1:エンジンマウント、2:第1取付部材、3:第2取付部材、4:インシュレータ、5:仕切壁、6:主液室、7:加振室、10:加振部材、11:弾性シール、13:上ストッパ、14:下ストッパ、15;アクチュエータ、17:アーマチュア、44:通気孔、55:アーマチュアシール、58:上部室、59:下部室、61:通気孔、63:間隙

Claims (7)

  1. 第1の取付部材と第2の取付部材間を連結するインシュレータを壁部の一部とする主液室を設け、この主液室を形成する壁部の一部に、駆動手段によって振動する加振部を備え、駆動手段により加振部を振動させるようにした能動型液封防振装置において、
    前記駆動手段は、前記加振部材と連結された磁性体のアーマチュアを備え、これら加振部材とアーマチュアは加振部材の作動を確保するための作動空間に臨むとともに、
    この作動空間内を仕切って、前記加振部材が臨む大気開放された空間と、前記アーマチュアを密閉するための小密閉空間とを形成し
    前記大気開放された空間は第1の連通孔を介して前記第2の取付部材の内側に形成された空気通路と連通し、さらにこの空気通路が前記第2の取付部材に形成された第2の連通孔を介して大気に連通するとともに、使用時状態で前記第1の連通孔を前記第2の連通孔よりも高い位置に設けたことを特徴とする能動型液封防振装置。
  2. 上記請求項1において、前記小密閉空間は前記加振部材と前記アーマチュアが収容されるアクチュエータとの間に設けられるアーマチュアシールにより形成されることを特徴とする能動型液封防振装置。
  3. 上記請求項2において、前記アーマチュアシールが加振部材の下方変位を規制するストッパと一体に形成されることを特徴とする能動型液封防振装置。
  4. 上記請求項2又は3において、前記アーマチュアシールが予め前記加振部材と別体に形成されてから一体化されることを特徴とする能動型液封防振装置。
  5. 上記請求項2又は3において、前記アーマチュアシールの外周部を前記第2取付部材側へ固定したことを特徴とする能動型液封防振装置。
  6. 上記請求項3において、前記ストッパの当接面側に凹部を形成したことを特徴とする能動型液封防振装置。
  7. 上記請求項2〜6のいずれかにおいて、少なくともアーマチュアシールを耐熱性材料としたことを特徴とする能動型液封防振装置。
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