JP2011037554A - 印刷装置の用紙搬送機構及び用紙搬送方法 - Google Patents

印刷装置の用紙搬送機構及び用紙搬送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷時の用紙搬送の制御を精度よく行い、着弾ずれを防止する。
【解決手段】搬送経路上の記録媒体10を搬送させる搬送駆動手段200と、搬送ベルト160の移動速度であるベルト移動速度と、記録媒体の移動速度とを測定する従動ローラエンコーダ312及び給紙側エンコーダ313,排紙側エンコーダ314を有し、測定されたベルト移動速度、給紙側速度、及び排紙側速度から各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして算出する速度差データ算出部331と、速度差データを記憶する記憶部333と、速度差データを参照し、従動ローラエンコーダ312から入力される検出信号を補正する補正制御部332と、補正された検出信号に基づいて、搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、搬送駆動手段200による記録媒体10の移動速度を制御する駆動制御部336とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、搬送経路における搬送ベルト上を搬送される記録媒体表面に、インクヘッドからインクを吐出して画像を形成する印刷装置の用紙搬送機構及び用紙搬送方法に関する。
従来より、記録媒体に画像を形成する印刷装置の一つとしてインクジェット方式がある。この方式では、無端状の搬送ベルトを用いて記録用紙を搬送し、その搬送方向に沿って配置された複数のインクヘッドを順次通過させることで、記録媒体上に各単色画像を重ね合わせ、カラー画像を得ることができる。
ところで、従前より、上述した搬送ベルトを用いた印刷装置では、ベルト周方向における厚みムラにより、ベルトの移動速度が変化するという問題がある。詳述すると、この厚みムラは、例えば、ベルト周方向にわたる肉厚の偏りによって生じるものであり、このようなベルト厚みムラが存在すると、ベルトを駆動する駆動ローラ上にベルト厚の厚い部分が巻き付いているときにはベルト移動速度が速くなり、反対にベルト厚の薄い部分が巻き付いているときにはベルト移動速度が遅くなり、ベルト移動速度に変動が生じることとなる。
このように搬送ベルトの移動速度(搬送速度)が一定速度に維持されないと、複数のインクヘッドによって記録媒体上に各単色画像を形成し、これらを複数色重ね合わせる際に、各単色画像の転写位置が相対的にずれる、いわゆる「着弾ずれ」が発生する。このような着弾ずれが発生すると、例えば、複数色の画像が重なって形成された細線画像がにじんで見えたり、背景画像中における文字画像の輪郭周辺に白抜けが発生したりする。
このような着弾ずれを防止するために、例えば、特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1に開示された技術では、搬送ベルトの移動速度を検出するローラエンコーダを取り付け、搬送ベルトの移動速度を検出し、その搬送ベルトの厚みムラによる移動速度の変動に基づいて、各インクヘッドにおけるインク吐出タイミングを補正し、記録媒体への着弾ずれを防止している。
特許第2820433号公報
搬送ベルトを用いた印刷装置の画像形成では、記録媒体が搬送ベルト上に供給され、画像形成後に搬送ベルトから送り出されるまでの間に、記録媒体は、搬送経路の上流から下流へ向けて、複数の駆動手段により順次受け渡されて搬送される。このため、搬送ベルト上の記録媒体は、その上流、下流の各駆動手段の駆動速度により、移動速度が変動することとなる。
ところが、上記特許文献1に開示された発明のようにベルトの厚みムラによる移動速度の変動に基づいて、吐出タイミングを調整しただけでは、上流側の駆動手段と下流側の駆動手段の速度差によって、搬送ベルトの移動速度と、搬送ベルト上の記録媒体の移動速度とに速度差が生じる可能性がある。特に、印刷処理速度の高速化が進んだ場合には、かかる速度差による影響が大きくなり、吐出タイミングの調整では調整しきれない着弾ずれが発生する惧れがあった。
そこで、本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであり、搬送ベルトにより記録媒体を搬送する搬送機構を備えた印刷装置において、搬送ベルトの移動速度と、記録媒体の移動速度との速度差を反映させて、印刷時の用紙搬送の制御を精度よく行い、着弾ずれを防止できる印刷装置の用紙搬送機構及び用紙搬送方法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、搬送経路における搬送ベルト上を搬送される記録媒体に、画像形成部により画像を形成する印刷装置の用紙搬送機構であって、搬送経路に配置され、搬送経路上の記録媒体を搬送させる駆動手段と、搬送ベルトの移動速度であるベルト移動速度と、搬送ベルト上流において該搬送ベルトに進入する記録媒体の移動速度である給紙側速度と、搬送ベルト下流において該搬送ベルトから送出される記録媒体の移動速度である排紙側速度と、のうちの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを、速度差データとして算出する速度差データ算出部と、印刷処理に際し、速度差データ算出部により算出された速度差データに基づいて、搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、駆動手段による記録媒体の移動速度を制御する駆動制御部とを有する。
また、他の発明は、搬送経路の搬送ベルト上を搬送される記録媒体に、画像形成部により画像を形成する印刷装置における用紙搬送方法であって、
(1)搬送経路に配置された駆動手段により、搬送経路上の記録媒体を搬送する駆動ステップと、
(2)搬送ベルトの移動速度であるベルト移動速度と、搬送ベルト上流において該搬送ベルトに進入する記録媒体の移動速度である給紙側速度と、搬送ベルト下流において該搬送ベルトから送出される記録媒体の移動速度である排紙側速度と、のうちの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを、速度差データとして算出する速度差データ算出ステップと、
(3) 印刷処理に際し、速度差データ算出部により算出された速度差データに基づいて、搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、駆動手段による記録媒体の移動速度を制御する駆動制御ステップとを有することを特徴とする。
これらの発明によれば、搬送ベルトの移動速度であるベルト移動速度と、搬送ベルト上流及び下流における記録媒体の移動速度である給紙側速度、及び排紙側速度の各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして用いる。すなわち、本発明では、印刷処理に際し、ベルト移動速度の速度差によって記録媒体に作用する影響度(例えば、搬送ベルトに対する記録媒体の接触面積や、その面積による摩擦力)の変化に応じて発生する画像の位置ずれを速度差データとし、この画像の位置ずれが生じないように駆動手段によって記録媒体の移動速度を変化させ、着弾ずれを解消することができる。
上記発明において、速度差データ算出部によって算出された速度差データを記憶する記憶部と、印刷処理に際し、ベルト移動速度に基づいて記憶部が記憶する速度差データを参照し、ベルト速度測定手段から入力される検出信号を補正する補正制御部とをさらに備え、記憶部には、速度差データを、給紙側速度とベルト移動速度、排紙側速度とベルト移動速度の間の大小関係と対応づけて記憶されており、補正制御部は、大小関係に基づいて、速度差データを参照することが好ましい。
この場合には、搬送ベルトの移動速度と、記録媒体の移動速度の差に基づく画像の位置ずれを速度差データとして記憶しておき、実際の印刷処理に際し、ベルト移動速度を測定し、この測定結果に速度差データを反映させることにより、印字位置ずれが生じないように印字タイミングを変化させて、着弾ずれを解消することができる。さらに、本発明によれば、給紙側速度とベルト移動速度、排紙側速度とベルト移動速度の間の大小関係を、速度差データとして反映させることができ、ベルト移動速度の制御をより適正に行うことができる。
上記発明において、搬送経路には、搬送ベルト上流側において搬送ベルトに対して記録媒体を供給する上流側経路と、搬送ベルト下流側において搬送ベルトから記録媒体を送出する下流側経路とが含まれ、駆動手段には、記録媒体を上流側経路から搬送ベルトに供給する給紙手段、又は記録媒体を搬送ベルトから下流側経路に送出させる送出手段が含まれることが好ましい。
この場合には、駆動手段には、給紙手段又は排紙手段が含まれるので、駆動手段を制御する駆動制御部は、給紙手段又は送出手段を制御することができる。これにより、駆動制御部は、搬送ベルトに対して記録媒体を供給する際、又は搬送ベルトから記録媒体を送出する際における記録媒体の移動速度を変化させ、記録媒体の移動速度と搬送ベルト速度との速度差を生じないようにするので、着弾ずれを解消することができる。
上記発明において、上流側経路は、複数の給紙経路が集合されて搬送ベルト上流に至るように形成され、速度差データは、複数の給紙経路毎にそれぞれ算出され、算出された各速度差データは、対応する各給紙経路に関連づけられて記憶部に記憶され、補正制御部は、印刷に係る記録媒体が給紙された給紙経路に対応する速度差データを参照して、ベルト速度測定手段から入力される検出信号を補正することが好ましい。
この場合には、複数の経路が集合されて構成された給紙経路において、各経路に固有の搬送条件に応じて用紙搬送制御を変更するため、より適正に着弾ずれを解消することができる。ここで、この搬送条件には、給紙経路及び排紙経路の長さ、屈曲数、又はローラの数が含まれ、さらに搬送時におけるレジストローラの加速度・減速度等が含まれる。
上記発明において、下流側経路では、搬送ベルト下流から複数の排紙経路が分岐され、速度差データは、複数の排紙経路毎にそれぞれ算出され、算出された各速度差データは、対応する各排紙経路に関連づけられて記憶部に記憶され、補正制御部は、印刷に係る記録媒体が排紙された排紙経路に対応する速度差データを参照して、ベルト速度測定手段から入力される検出信号を補正することが好ましい。
この場合には、複数の経路が分岐される排紙経路において、各経路に固有の搬送条件に応じて用紙搬送制御を変更するため、より適正に着弾ずれを解消することができる。
上記発明において、給紙に係る記録媒体のサイズ、種類又は厚さを用紙種別として取得する用紙種別取得手段をさらに備え、速度差データは、用紙種別毎にそれぞれ算出され、算出された各速度差データは、対応する各用紙種別に関連づけられて記憶部に記憶され、補正制御部は、用紙種別取得手段が取得した用紙種別に対応する速度差データを参照して、ベルト速度測定手段から入力される検出信号を補正することが好ましい。
この場合には、給紙に係る記録媒体のサイズ、種類又は厚さなど、各用紙の種別に応じて適正な速度差データを用いて、適宜、用紙搬送制御を変更するため、より適正に着弾ずれを解消することができる。
上記発明において、搬送経路は、給紙経路から搬送ベルトを経て、排紙経路へ至る通常搬送路と、通常搬送路に分岐接続され、通常搬送路から記録媒体が受け渡され、記録媒体を往復させて通常搬送路に戻すことにより用紙の表裏を反転させる反転経路と、反転経路から搬送ベルト上流に至る再給紙経路とによって環状に構成され、再給紙経路は、複数の給紙経路に含まれ、補正制御部には、画像形成処理において、表面に印刷を行う用紙の給紙、及び反転経路を経て表裏が反転された用紙の再給紙、画像形成及び搬送に関する速度、順序及びタイミングを決定するスケジューリング部が接続され、補正制御部は、スケジューリング部が決定したスケジュールに従って、給紙経路又は給紙経路に対応する各速度差データを選択して参照することが好ましい。
この場合には、反転経路を経由して表裏が反転された用紙を、表面を印刷する用紙の間に挿入し、表面の印刷と裏面の印刷とを並行させるようにスケジューリングすることによって、両面印刷時の生産性を向上させるとともに、再給紙経路を経て給紙される記録媒体について用紙搬送の制御を行い、着弾ずれを解消することができる。
以上述べたように、この発明によれば、搬送ベルトにより記録媒体を搬送する搬送機構を備えた印刷装置において、搬送ベルトの移動速度と、記録媒体の移動速度との速度差を反映させて、印刷時の用紙搬送の制御を精度よく行い、着弾ずれを防止できる。
第1実施形態に係る印刷装置における搬送経路の概要を示す構成図である。 第1実施形態に係る用紙搬送制御に関するモジュールを示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係るシステム制御部及びその周辺装置の用紙搬送制御に関するモジュールを示すブロック図である。 第1実施形態に係る搬送ベルト周辺における速度測定手段の位置関係を側面より示す説明図である。 第1実施形態に係る各地点の速度差による記録媒体の画像ずれ量を示すグラフ図である。 第1実施形態に係る速度差データを示すグラフ図である。 第1実施形態に係る用紙搬送制御の動作を模式的に示すブロック図である。 第1実施形態に係る速度差データ生成方法の処理ステップを示すフローチャート図である。 第1実施形態に係る用紙搬送方法の処理ステップを示すフローチャート図である。 第1実施形態に係る用紙搬送を制御する際の、エンコーダ信号の補正に関する説明図である。 第1実施形態に係る各駆動手段による速度変更を示すグラフ図である。
[第1実施形態]
(印刷装置の全体構成)
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1(a)は、本実施形態に係る印刷装置100の搬送経路の概要を示す図である。図1(b)は、給紙経路FRと通常搬送路CRと反転経路SRとを模式的に示した図である。
本実施形態では、印刷装置100は、多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数備え、それぞれのインクヘッドから黒又はカラーインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の記録媒体上に複数の画像を互いに重なり合うように形成するインクジェット方式のラインカラープリンタを例に説明する。
図1(a)に示すように、印刷装置100は、環状の搬送経路上を搬送される記録媒体表面に画像を形成する装置である。この搬送経路は、給紙経路FRから搬送ベルト160を経て、排紙経路DR1へ至る通常搬送路CRと、通常搬送路CRに分岐接続され、通常搬送路CRから記録媒体が受け渡され、記録媒体を往復させて通常搬送路CRに戻すことにより用紙の表裏を反転させる反転経路SRとにより構成されている。
給紙経路FRには、サイド給紙台120からの給紙を行うためのサイド給紙駆動部220、給紙トレイ130(130a、130b、130c、130d)からの給紙を行うためのトレイ1駆動部230a、トレイ2駆動部230b…が備えられている。これらによって、レジスト部Rに記録媒体を送り出す給紙手段が構成されている。
さらに、上述した給紙経路FRにおけるいずれの駆動部(トレイ1駆動部230a、トレイ2駆動部230b…)も複数のローラ等で構成された駆動機構を備え、給紙台又は給紙トレイに積載された記録媒体を1枚ずつ取り込んで、レジスト部R方向に搬送する。各駆動部は独立に駆動することが可能であり、給紙を行う給紙機構に応じて必要な駆動部の動作が行われる。
通常搬送路CRは、循環搬送路の一部を構成し、記録媒体を供給する給紙経路FRからヘッドユニット110を経て、排紙経路DR1へ至る経路であり、この通常搬送路CR上のにおいて記録媒体上面に画像が形成される。
この通常搬送路CRには、レジスト部Rに記録媒体を導くレジスト駆動部240、ヘッドユニット110の対向面に設けられた搬送ベルト160を無端移動させる駆動ローラ162、搬送方向側に順に配置される第1上面搬送駆動部260及び第2上面搬送駆動部265、排紙口140に印刷済みの記録媒体を導く上面排出駆動部270、裏面印刷用に記録媒体を反転経路SRに引き込む駆動手段が備えられている。いずれの駆動部も1又は複数のローラ等で構成された駆動機構を備え、搬送経路に沿って記録媒体を1枚ずつ搬送する。各駆動部は独立に駆動することが可能であり、記録媒体の搬送状況に応じて必要な駆動部の動作が行われる。
前記搬送ベルト160は、ヘッドユニット110に対向する面の前端及び後端に配設された従動ローラ161及び駆動ローラ162に掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。また、搬送ベルト160の上面には、そのベルト移動方向に沿って、4色のインクヘッドが並べて配置され、複数の画像を互いに重なり合うようにしてカラー画像を形成するヘッドユニット110が対向配置されている。
そして、本実施形態に係る通常搬送路CRでは、搬送ベルト160の上流側において、搬送ベルト160に対して、記録媒体を供給する経路を上流側経路とし、搬送ベルトの下流側において、搬送ベルト160から記録媒体を送出する経路を下流側経路とする。
上流側経路は、複数の給紙経路が集合されて搬送ベルト160上流のレジスト部Rに至るように形成されている一方、下流側経路では、搬送ベルト160から複数の排紙経路が分岐されている。また、反転経路SRからレジスト部Rへ至る再給紙経路が、給紙経路FRに含まれており、他の給紙経路と集合されてレジスト部Rに到達するようになっている。給紙経路FRでは、記録媒体の供給を行う給紙機構としては、筐体側面の外部に配設されたサイド給紙台120と、筐体内部に設けられた複数の給紙トレイ(130a、130b、130c、130d)とが備えられている。
サイド給紙台120、給紙トレイ130のいずれかの給紙機構から給紙された記録媒体は、ローラ等の駆動機構によって筐体内の給紙経路FRに沿って搬送され、記録媒体の先頭部分の基準位置であるレジスト部Rに導かれる。レジスト部Rのさらに搬送方向側には、複数のインクヘッドを備えたヘッドユニット110が設けられている。記録媒体は、ヘッドユニット110の対向面に設けられた搬送ベルト160によって印刷条件により定められる速度で搬送されながら、画像形成部において各インクヘッドから吐出されたインクによりライン単位で画像形成される。
下流側経路では、装置下部に位置された搬送ベルト160から装置上部の排紙経路DR1へと至る経路と、搬送ベルト160から水平方向に直進し、装置側部外方へと至る直進排紙経路DR2とが分岐されている。排紙経路DR1には、印刷済みの記録媒体を排出する排紙機構として排紙口140が備えられ、直進排紙経路DR2では、外部排紙トレイ141が備えられている。
印刷済みの記録媒体は、さらに、ローラ等の駆動機構によって通常搬送路CR上を搬送される。記録媒体の片側の面のみに印刷を行う片面印刷の場合は、そのまま排紙経路DR1を経て、排紙口140に導かれて排紙され、排紙口140の受台として設けられた排紙台150に印刷面を下にして積載されていく。排紙台150は、筐体から突出したトレイ形状をしており、ある程度の厚みを有している。排紙台150は傾斜しており、傾斜の下位置に形成された壁により、排紙口140から排紙された記録媒体が自然に整えられて重なっていくようになっている。
一方、記録媒体の両面に印刷を行う両面印刷の場合は、表面(最初に印刷される面を「表面」、次に印刷される面を「裏面」とする。)印刷終了時には排紙経路DR1側に導かれずに、さらに筐体内を搬送され、反転経路SRに送出される。このため、印刷装置100は、裏面印刷用に搬送路を切り替えるための切替機構170が設けられており、切替機構170によって排出経路へ送出されなかった記録媒体は、反転経路SRに引き込まれる。
反転経路SRは、通常搬送路CRに分岐接続され、通常搬送路CRから記録媒体が受け渡され、記録媒体を往復(スイッチバック)させて通常搬送路CRに戻すことにより記録媒体の表裏を反転させる反転経路及び搬送機構であり、この反転経路SRには、記録媒体を反転させて合流点に導く反転駆動部281及び再給紙駆動部282が備えられている。そして、反転経路SRでは、通常搬送路CRと異なる速度で搬送が可能であり、通常搬送路CRから記録媒体を引き継ぐ際に、加速・減速させたり、スイッチバックの際の停止時間を延長したり短縮したりすることができる。
そして、この反転経路SRで反転された記録媒体は、ローラ等の駆動機構によって、切替機構172から再給紙経路を経由して通常搬送路CRに戻され、再給紙経路からレジスト部Rを経て再給紙されて、表面と同様の手順によって裏面の印刷が行われる。その後、裏面の印刷が行われ、両面に画像が形成された記録媒体は、排紙経路DR1を通じて排紙口140に導かれて排紙され、排紙口140の受台として設けられた排紙台150に積載されていく。なお、本実施形態では、両面印刷時におけるスイッチバックを、排紙台150内に設けられた空間を利用して行うようにしている。
印刷装置100では、給紙された記録媒体の先頭部分の基準位置となるレジスト部Rに、両面印刷時に片面印刷済みの記録媒体も再給紙されてくる。このため、レジスト部Rの直前部分には、新規に給紙される記録媒体の搬送経路と、裏面印刷の記録媒体が循環して搬送されてくる再給紙経路とが合流する合流点が形成される。そして、レジスト部Rは、給紙経路FRと通常搬送路CRとの合流点近傍において、記録媒体の送り出しを行う。
また、本実施形態では、ある記録媒体を給紙した後、その記録媒体に印刷が施され排紙されるのを待って次の記録媒体を給紙するのではなく、スケジューリングにより、先行する記録媒体が排紙される前に、後続の記録媒体を給紙して、所定の間隔で連続的に印刷できるようになっている。したがって、両面印刷時の通常のスケジューリングでは、表面の記録媒体を給紙する際に、反転経路SRから戻ってきた記録媒体が挿入される位置を確保するように、予めスペースを確保しておく。これにより、本装置では、表面の印刷と裏面の印刷とを並行させることができ、片面印刷時に対して1/2の生産性を確保することができる。
なお、本実施形態では、図1(a)に示すように、印刷装置100に、演算処理部330が備えられている。この演算処理部330は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、画像データに関する処理や、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行う。また、この演算処理部330には、操作パネル340が接続されており、この操作パネル340を通じて、ユーザーによる指示や設定操作を受け付けることができる。
(印字制御系モジュール)
上述したヘッドユニット110における印字タイミングの制御は、上記演算処理部330の印字制御系モジュールによって行われる。図2は、演算処理部330における印字タイミング制御に関するモジュールを示す機能ブロック図であり、図3は、本実施形態にかかるシステム制御部350における印字制御に係るモジュールを示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
図2及び図3に示すように、本実施形態において、演算処理部330における印字制御に関する印字制御モジュール335には、主として、速度差データ算出部331と、補正制御部332と、各吐出制御部334と、駆動制御部336とが含まれ、この印字制御モジュール335には、記憶部333と、ベルト補正データ記憶部337と、速度測定部310と、システム制御部350とが接続されている。
そして、印字タイミング制御において印字制御モジュール335は、速度測定部310の各測定手段によって測定されたベルト移動速度、給紙側速度、及び排紙側速度から、これらの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして算出して記憶部333に記憶しておき、この速度差データを用い、補正制御部332において、複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、記録媒体の移動速度を制御する。なお、この補正制御部332における演算処理の手法としては、結果的に複数の画像間の位置ずれが小さくなるように制御できればよく、速度差データから直接的に求められる速度差をなくすように演算制御してもよいし、速度差データに基づいて求められるズレ量をなくすように演算制御してもよい。
速度測定部310は、搬送ベルト160のベルト移動速度及び記録媒体の移動速度を検出するモジュール群であり、従動ローラエンコーダ312と、給紙側エンコーダ313と、排紙側エンコーダ314と、給紙側及び排紙側における記録媒体10の先端又は後端を検出する用紙センサ315,316と、ベルト1周分を検出するベルトHPセンサ311とから構成され、これら各センサからの入力信号を取得し、同期させつつ演算処理部330内の各モジュールに受け渡す。
具体的に、従動ローラエンコーダ312は、図4に示すように、従動ローラ161に設けられ、従動ローラ161の角速度を測定することにより、搬送ベルト160の移動速度を測定するベルト測定手段である。また、給紙側エンコーダ313は、搬送ベルト160上面の上流側において、搬送ベルト160に進入する記録媒体10の移動速度を給紙側速度として測定する上流側速度測定手段であり、排紙側エンコーダ314は、搬送ベルト160上面の下流側において、搬送ベルト160から送出される記録媒体10の移動速度を排紙側速度として測定する下流側速度測定手段である。なお、本実施形態では、搬送ベルト160の移動速度を従動ローラ161の回転速度によって測定したが、駆動ローラ162の回転速度を測定する構成であってもよい。
速度差データ算出部331は、各測定手段によって測定されたベルト移動速度、給紙側速度、及び排紙側速度からこれらの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして算出するモジュールである。速度差データ算出部331には、速度測定手段として、従動ローラエンコーダ312と、給紙側エンコーダ313と、排紙側エンコーダ314とが接続されている。また、速度差データ算出部331には、記録媒体10の先端又は後端を検出する用紙センサ315,316が接続されている。
そして、速度差データ算出部331は、搬送ベルト160の移動速度として、従動ローラエンコーダ312からの検出信号(パルス幅)を取得するとともに、用紙センサ315,316が検出した記録媒体10の先端又は後端を基準として、記録媒体10の移動速度を算出する。そして、搬送ベルトのベルト移動速度と、給紙側速度及び排紙側速度とからこれらの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして算出し、算出された速度差データを記憶部333に記憶させる。
補正制御部332は、本実施形態において、ベルト移動速度に基づいて速度差データを参照し、従動ローラエンコーダ312から入力される検出信号を補正するモジュールである。具体的に、補正制御部332には、従動ローラエンコーダ312により検出された検出信号である搬送ベルト160の移動速度と併せて、記録媒体10の先端又は後端を検出する用紙センサ315,316で検出した検出信号と、記憶部333に記憶された速度差データが入力され、補正制御部332は、用紙センサ315,316が検出した記録媒体10の先端又は後端を基準として、従動ローラエンコーダ312から入力される検出信号を補正し、補正された検出信号をベルト補正制御部338に入力する。
特に、本実施形態において、補正制御部332は、印刷に係る記録媒体10が給紙された給紙経路FRと、印刷に係る記録媒体が排紙された排紙経路DR1とに対応するそれぞれの速度差データを参照して、従動ローラエンコーダ312から入力される検出信号を補正する。また、補正制御部332は、用紙種別取得部352が取得した用紙種別に対応する速度差データを参照して、従動ローラエンコーダ312から入力される検出信号を補正する。さらに、補正制御部332は、スケジューリング部357が決定したスケジュールに従って、給紙経路、又は排紙経路が決定され、これらに対応する各速度差データを選択して参照し、従動ローラエンコーダ312から入力される検出信号を補正する。
なお、本実施形態では、用紙センサ315,316を給紙側及び排紙側の両方に配置する構成としたが、給紙側又は排紙側のいずれかのみに配置する構成でもあってもよい。例えば、給紙側にのみ用紙センサ315を設けた場合には、補正制御部332は、給紙側の用紙センサ315と、用紙種別取得部352が取得した用紙サイズとによって、搬送される記録媒体10が下流側駆動部241(送出ローラ241a,b)に到達するタイミングを算出して予測し、従動ローラエンコーダ312から入力される検出信号を補正する。
ベルト補正制御部338は、ベルトの厚みムラ等を記録したベルトプロファイルを用いて、搬送ベルト160の厚みムラによる移動速度の変化を加味して、従動側エンコーダの検出信号を補正し、駆動制御部336に入力するモジュールである。ベルト補正制御部338には、ベルト補正データ記憶部337からベルトプロファイルデータが入力されるとともに、ベルト1周に1箇所のマーク(基準マーク)を検知するベルトHPセンサ311で検知したベルトホームポジション信号が入力される。
ベルト補正データ記憶部337は、搬送ベルト160のベルト厚みムラを記録した補正データを記憶するメモリ装置である。このベルトプロファイルデータは、搬送ベルト160表面の任意の2測点における速度比の時間的変動を算出し、算出された速度比に対応した周波数から搬送ベルトの厚みムラをデータ化したものである。
吐出制御部334は、記録媒体10にインクを吐出させるヘッドユニット110の吐出を制御するモジュールである。ヘッドユニット110は、この吐出制御部334による制御に従って、記録媒体10上に複数の画像を形成する。
駆動制御部336は、搬送経路の各駆動手段の動作を制御するモジュールであり、特に、駆動制御部336は、補正制御部332が補正された検出信号に基づいて、搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、搬送駆動手段200による記録媒体10の移動速度を制御する。搬送駆動手段200は、搬送経路に配置され、搬送経路上の記録媒体10を移動させる駆動手段であり、特に本実施形態においては、図4に示すように、搬送ベルト160の上流において配置され、記録媒体10を上流側経路から搬送ベルト160に供給する給紙手段であるレジスト駆動部240(レジストローラ240a,b)と、搬送ベルト160の下流において配置され、記録媒体10を搬送ベルト160から下流側経路に送出させる下流側駆動部241(送出ローラ241a,b)とが含まれている。また、搬送駆動手段200には、搬送ベルト160を無端移動させる駆動ローラ162も含まれる。
システム制御部350は、演算処理部330内の各モジュールの動作を制御する中央演算処理部であり、印刷時の画像処理の他、駆動制御部336を通じて、搬送経路の各駆動部の動作を制御する。特に本実施形態において、システム制御部350は、用紙種別や各経路毎による用紙搬送の補正条件を算出するモジュールである。また、システム制御部350は、外部との通信を行う通信インターフェースや、操作パネル340に対するデータ送受信について、通信インターフェースの機能も果たす。
ここで、本実施形態における用紙搬送の補正条件の算出について説明する。用紙搬送の補正条件の算出は、システム制御部350によって、各経路における搬送条件、及び用紙種別に基づいて、各記録媒体10の用紙搬送の条件を算出することにより行われる。
図3に詳細に示すように、システム制御部350は、ジョブデータ受信部351と、用紙種別取得部352と、操作信号取得部353と、スケジューリング部357と、画像処理部356と、補正条件算出部355と、経路情報記憶部354とを備えている。
ジョブデータ受信部351は、一連の印刷処理単位であるジョブデータを受信する通信インターフェースであり、受信したジョブデータに含まれるデータをスケジューリング部357及び画像処理部356に受け渡すモジュールである。ここでの通信としては、例えば、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANの他、赤外線通信等の近距離通信も含まれる。
画像処理部356は、画像処理に特化したデジタル信号処理を行う演算処理装置であり、印刷に必要な画像データの変換等を行い、印刷を実行するモジュールである。この画像処理部356は、画像形成制御部356a、色変換回路356bとを備えている。色変換回路356bは、RGB印刷画像をCMYK印刷画像に変換する回路であり、各色についての印刷画像に基づいて、画像形成制御部356aに印刷を実行させる。画像形成制御部356aは、各色のインクヘッドの駆動を制御し、画像形成処理全体を制御するモジュールであり、スケジューリング部357によるスケジューリングに従ったタイミング及び印字速度で画像形成を行う。
操作信号取得部353は、給紙に係る記録媒体のサイズ、種類又は厚さを用紙種別として取得するモジュールであり、受信した操作信号を解析し、ユーザー操作に応じた処理を他のモジュールに実行させる。特に、本実施形態において、この操作信号取得部353は、操作パネル340、又は通信インターフェース341を通じて接続されたプリンタドライバなどから、ユーザーが吐出タイミング処理を実行するか否かの指示操作や設定操作、又は用紙設定を受け付ける。この操作信号取得部353で受信された吐出タイミング制御の要否や条件は、補正条件算出部355に入力され、用紙設定は用紙種別取得部352に入力される。
用紙種別検出機構500は、給紙に係る記録媒体のサイズ、種類又は厚さを用紙種別として取得する各種センサ等であり、搬送経路上に配置され、給紙に係る記録媒体10の有無(通過)を検出したり、記録媒体10のサイズ、種類又は厚さを検出するセンサ等である。
用紙種別取得部352は、用紙種別検出機構500や操作信号取得部353によって検出された、給紙に係る記録媒体10のサイズ、種類又は厚さ等の用紙種別をデータとして取得するモジュールである。そして、用紙種別取得部352は、印刷処理に際し、取得した用紙種別データを補正条件算出部355に送信する。
経路情報記憶部354は、各給紙経路FR及び各排紙経路DR1の搬送条件を記憶し、印刷処理に際し、選択された搬送経路に応じた搬送条件を補正条件算出部355へ送信するモジュールである。この搬送条件には、給紙経路及び排紙経路の長さ、屈曲数、又はローラの数が含まれ、さらに搬送時におけるレジストローラの加速度・減速度が対応付けられて記憶されている。
スケジューリング部357は、画像形成処理において、表面に印刷を行う用紙の給紙、及び反転経路を経て表裏が反転された用紙の再給紙、画像形成及び搬送に関する速度、順序及びタイミングを決定するモジュールである。そして、このスケジューリング部357によって決定されたスケジュールに基づいて、画像形成制御部356a及び印字制御モジュール335は、画像形成処理及び搬送動作を実行する。
補正条件算出部355は、各経路の搬送条件や用紙種別を加味して、記録媒体10の移動速度を調節する補正条件を算出するモジュールである。具体的に、補正条件算出部355は、搬送経路固有の搬送条件として、経路情報記憶部354に記憶された複数の給紙経路及び下流側経路におけるそれぞれの搬送条件を照合し、用紙種別取得部352が取得した用紙種別に基づいて、各経路の補正条件を算出し、速度差データ算出部331に送信する。
また、補正条件算出部355は、スケジューリング部357におけるスケジュールを照合し、どのような記録媒体10がどのタイミングで、どの給紙経路から供給されるかを照合し、記録媒体毎に搬送条件を読み出し、記録媒体毎に算出した補正条件を補正制御部332へ通知する。
記憶部333は、速度差データ算出部331によって算出された速度差データを記憶するメモリ装置であり、印刷時において速度差データ算出部331で算出された記録媒体10の速度差データを記録保持し、要求に応じて補正制御部332に入力する。具体的に、この速度差データは、図5(a)〜(d)に示すように、速度差の各地点の速度差による記録媒体の画像ずれ量が記録されており、各速度(給紙側速度V1,ベルト移動速度V2,及び排紙側速度V3)の大小の組み合わせ毎にパターン化されている。なお、図5についての詳細な説明は後述する。この速度差データに基づく用紙搬送の補正では、図6(a)に示すように、速度差データに記録された画像ずれ量と相殺するように、正負を反転させたデータが補正データとして用いられる。なお、本実施形態において、この記録媒体の速度差データを取得するタイミングとしては、印刷処理毎に行う必要はなく、例えば、印刷開始時、環境変化時、経時変化時、メンテナンス時、プラテン昇降時などを契機とすることもできる。
さらに、記憶部333に記憶される速度差データは、図6(b)に示すような、各速度差データ(所定パターン)を、給紙側速度V1とベルト移動速度V2、排紙側速度V3とベルト移動速度V2の間の大小関係と対応づけるインデックスデータT1〜Tnによって、所定パターンを検索できるようになっている。具体的に、このインデックスデータT1〜Tnは、用紙種別毎に作成され、各インデックスデータでは、給紙経路(FR)及び下流側経路(DR)の組み合わせと、速度差の大小パターンとから、速度変化のパターンf111〜f432を参照するようになっている。ここでの用紙種別には、紙質、記録媒体のサイズ、種類又は厚さがパラメータとして含まれ、これらパラメータの組み合わせ毎に、インデックスデータT1〜Tnが関係づけられている。
例えば、A4サイズの普通紙にインデックスデータT1が割り当てられているとすると、その記録媒体が収納されている給紙トレイがいずれの給紙経路に接続されているかを用紙検出機構やジョブデータから抽出し、その用紙がどのようなタイミングでどの排紙経路から排出されるかをスケジューリング部357で決定し、システム制御部350は、これらを補正条件として算出して、補正制御部332に入力する。
補正制御部332は、補正条件と、速度差データ算出部331で算出した速度差と、各速度V1〜V3の大小関係とに基づいて、前記速度差データを参照するインデックスデータT1を照合し、該当する速度差データを選択して、読み出して参照する。例えば、上記A4サイズの普通紙が給紙経路(FR2)から給紙され、排紙経路(DR1)から排出される場合に、V1<V2及びV2<V3のときは、速度差データf121が読み出されることとなる。
そして、このような構成を有する演算処理部330の用紙搬送制御における動作は、以下の通りである。図7は、印刷処理時における動作を模式的に示すブロック図である。なお、ここでは、速度差データが既に記憶部333に保存されているものとする。
先ず、印刷処理が開始される際、記憶された速度差データが記憶メモリから、読み出され、補正制御部332に入力される。また、印刷開始のジョブデータがシステム制御部350に入力され、このシステム制御部350から、ジョブデータに含まれる印刷モードや用紙サイズ等に応じて用紙搬送制御に関する補正条件が補正制御部332に入力される。
次いで、印刷処理が開始されると、速度差データ算出部331において、用紙センサ315,316が検出した記録媒体10の先端又は後端、及び従動ローラエンコーダ312等によって、従動ローラの各速度を検出し、搬送ベルト160の移動速度を測定する(S101)。
そして、この測定結果に基づいて、搬送駆動手段200の用紙搬送制御を行う。この用紙搬送制御に際し、補正制御部332は、システム制御部350によって算出された用紙搬送の補正条件に基づいて(S106)、記憶部333に記憶されている対応する給紙経路、排紙経路及び用紙種別の速度差データを参照し(S102)、搬送ベルト160上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、従動ローラエンコーダ312から入力されるエンコーダ検出信号を補正し(S104)、駆動制御部336に入力する。
その後、駆動制御部336では、この補正されたエンコーダ検出信号に基づいて、搬送駆動手段200による記録媒体10の移動速度を制御し(S105)、搬送駆動手段200は、この駆動制御部336による制御に従って、記録媒体10を搬送する。そして、インクヘッドは、記録媒体10上にインクを吐出し、複数の画像を形成する。
なお、本実施形態では、この最終的な用紙搬送制御の信号の算出に際し、ベルトの厚みムラ等を記録したベルトプロファイルを用いて、搬送ベルト160の厚みムラによる移動速度の変化を加味して、着弾ずれの補正を行う(S103)。このベルトプロファイルは、搬送ベルト160表面の任意の2測点における速度比の時間的変動を算出し、算出された速度比に対応した周波数から、搬送ベルト160のベルト厚みムラを記録した補正データである。
ここで、ステップS105における駆動制御部336の用紙搬送制御について説明する。図10(a)〜(d)は、本実施形態に係る搬送駆動手段200の速度変更を示すグラフ図である。なお、図10(a)〜(d)において縦軸は、搬送駆動手段200による回転速度を示し、横軸は、記録媒体10を搬送する時間経過を示している。
本実施形態においては、駆動制御部336は、搬送ベルト160の移動速度に対して給紙側速度、及び排紙側速度を変化させる。具体的には、記録媒体10が搬送ベルト160に進入した時点において、駆動制御部336は、レジストローラ240a,bが搬送する記録媒体10の移動速度とベルト移動速度とが、V1>=V2となるように、レジスト駆動部240の回転速度M1を早めたり、遅めたりするように制御する。
一方、記録媒体10が搬送ベルト160から送出される時点において、駆動制御部336は、ベルト移動速度と送出ローラ241a,bが搬送する記録媒体10の移動速度とが、V2>=V3となるように、下流側駆動部241の回転速度M3を早めたり、遅めたりするように制御する。
このように駆動制御部336は、図11(a)〜(d)に示すように、補正されたエンコーダ検出信号に基づいて、各速度V1〜V3の大小の組み合わせ毎に記録媒体10の移動速度を制御する。
詳述すると、V1<V2及びV2<V3の場合は、図11(a)に示すように、駆動制御部336は、送出ローラ241の回転速度M3よりも先行させて、レジスト駆動部240の回転速度M1を上げ、その後、下流側駆動部241の回転速度M3を下げる。V1<V2及びV2>=V3の場合は、図11(b)に示すように、回転速度M1を上げ、回転速度M2については若干速度を遅めるのみで大きくは変化させない。V1>=V2及びV2<V3の場合は、図11(c)に示すように、回転速度M1については大きく変化させず、後半において回転速度M3のみを下げる。V1>=V2及びV2>=V3の場合は、図11(d)に示すように、回転速度M1は変化さず、回転速度M3も変化させない。
なお、本実施形態においては、駆動制御部336は、レジスト駆動部240及び下流側駆動部241を制御し、回転速度を変更したが、これらに加え、搬送ベルト駆動部250を制御し、回転速度を変更してもよい。
(速度差データ生成方法)
本実施形態において、上述した速度差データは、印刷処理の開始前に速度差データ算出部331において生成され、記憶部333にインストールされる。図8は、本実施形態に係る速度差データ生成方法の処理ステップを示すフローチャート図である。
速度差データの算出は、速度差データ算出部331によって、各測定手段によって測定されたベルト移動速度、給紙側速度、及び排紙側速度からこれらの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして算出する。
先ず、給紙動作が開始され(S401)、速度差データ算出部331は、各センサ及びエンコーダからの信号を検出する(S402)。具体的には、搬送ベルトのベルト移動速度としては、搬送ベルト160を支持する駆動ローラ162が駆動し、従動ローラエンコーダ312により従動ローラ161の角速度と、用紙センサ315,316による検出信号が速度差データ算出部331に入力される。そして、速度差データ算出部331は、従動ローラエンコーダ312からの検出信号を抽出するとともに、用紙センサ315,316が検出した記録媒体10の先端又は後端を基準として、搬送ベルト160上の記録媒体10の移動速度を算出する(S403)。
一方、搬送ベルト160の上流側及び下流側においては、給紙側エンコーダ313及び排紙側エンコーダ314において、搬送された記録媒体10の移動速度を算出し(S403)、速度差データ算出部331に入力される。
そして、速度差データ算出部331は、従動ローラエンコーダ312で検出されたベルト移動速度と、給紙側エンコーダ313及び排紙側エンコーダ314とから検出された記録媒体の移動速度とが、V1>=V2又はV2>=V3か否かを判断する(S404)。
各移動速度が、V1>=V2又はV2>=V3でない場合(S404における“N”)には、駆動制御部336は、再度、搬送駆動手段200を駆動させて各速度を変更させる(S405)。そして、速度差データ算出部331は、V1>=V2又はV2>=V3となるまで、各速度測定部310により移動速度を再取得する。
一方、移動速度が、V1>=V2又はV2>=V3である場合(S404における“Y”)には、速度差データ算出部331は、これらの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータをデータ処理して、速度差データとして算出する(S406)。そして、速度差データは記憶部333に送信されて、保存される(S407)。この保存に際し、上述したインデックスデータが生成され、各速度差データと関連づけられる。
ここで、上述したステップS406における速度差データの算出方法について説明する。図4に示すように、搬送ベルト160の上流側には、給紙側エンコーダ313が配置され、搬送ベルト160の下流側には、排紙側エンコーダ314が配置されており、その中間において、各色のインクヘッドが配列されている。また、従動ローラ161には、従動ローラエンコーダ312が設けられている。そして、記録媒体が搬送ベルト160上を移動する速度を各エンコーダの1パルス毎として、各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして算出する。
具体的には、移動速度の速度差の算出方法として、搬送ベルト160のベルト移動速度をV2とし、搬送ベルト160上流側の地点における記録媒体10の移動速度を給紙側速度V1とし、搬送ベルト160下流側の地点における記録媒体10の移動速度を排紙側速度V3とすれば、V2に対するV1の速度差はDk=(V1−V2)/V2となり、V2に対するV3の速度差はDh=(V3−V2)/V2となる。そして、記録媒体10の移動速度の差に基づく速度差データDは、D=Dk+Dhとなる。
先ず、記録媒体10が搬送ベルト160に進入する場合について説明する。記録媒体10は、図4に示すように、搬送ベルト上流側のレジストローラ240a,bに挟持され搬送ベルト160に進入される。したがって、搬送ベルト上に進入する記録媒体10の給紙側速度V1は、上流側のレジストローラ240a,bによる移動速度となる。
そして、ベルト移動速度V2に対して、搬送ベルトの上流側の記録媒体10の給紙側速度V1が遅い場合は、レジストローラ240a,bによる挟持が解消されるまで、搬送ベルト上を移動する記録媒体10も移動速度はV1となり、インク吐出タイミングより遅れてインクヘッドの位置に搬送される。これにより、記録媒体10の先端側方向に、画像ずれが生じ、画像のずれ量は、記録媒体の先端側が搬送ベルト160の下流側へ大きくズレることとなる。
次いで、記録媒体10が搬送ベルト160から排紙側へと送り出される場合について説明する。記録媒体10は、図4に示すように、搬送ベルトの下流側の送出ローラ241a,bに挟持され、排紙経路に送出される。したがって、搬送ベルト上から送出される記録媒体10の排紙側速度V3は、下流側の送出ローラ241a,bによる移動速度となる。
したがって、ベルト移動速度V2に対して、搬送ベルトの下流側の記録媒体10の排紙側速度V3が速い場合は、記録媒体10が送出ローラ241a,bによって挟持され搬送されると、搬送ベルト上を移動する記録媒体10の移動速度はV3となり、インク吐出タイミングより早くインクヘッドの位置を通過する。これにより、記録媒体10の後端側において画像のずれが生じ、画像のずれ量は、記録媒体の後端側が搬送ベルト160の上流側へ大きくなることとなる。
図5は、本実施形態に係る各地点の速度差による記録媒体の画像ずれ量を示すグラフ図である。なお、図5において縦軸は、画像ずれ量を示し、プラス側は、記録媒体の先端側にずれていることを示し、マイナス側は、記録媒体の後端側にずれていることを示している。横軸は、記録媒体の位置を示し、プラス方向が記録媒体の後端であることを示している。
搬送ベルト160のそれぞれの地点における速度差が、V1<V2及びV2<V3である場合は、図5(a)に示すように、記録媒体の先端及び後端に画像のずれが生じる。V1<V2及びV2>=V3である場合は、図5(b)に示すように、記録媒体の先端にのみ画像のずれが生じる。V1>=V2及びV2<V3である場合は、図5(c)に示すように、記録媒体の後端にのみ画像のずれが生じる。V1>=V2及びV2>=V3である場合は、図5(d)に示すように、記録媒体10に画像のずれは生じない。
詳述すると、このような各速度V1〜V3の速度差に基づく画像の位置ずれは、これら速度差によって記録媒体に作用する影響度の相対変化に応じて発生する。この速度差による影響度の相対変化としては、各ベルトと記録媒体との接触面積の相対変化や、接触面積の変化に伴う各ベルトと記録媒体との間の摩擦力(動摩擦や静止摩擦など)の変化が含まれる。例えば、給紙側から搬送ベルト160へと記録媒体が移動している場合に、給紙側での移動速度が遅く、その下流側における搬送ベルト160による移動速度が速いときには、給紙側から搬送ベルト160へ遷移するにつれ、双方のベルトに対する接触面積が相対的に変化するとともに、その接触面積の変化、及び各ベルトに対する記録媒体の摩擦力の変化に応じて、記録媒体の移動方向後方へ作用するテンションが発生し、記録媒体がベルトに対して相対移動し、各ベルトの速度差に基づく画像の位置ずれが生じる。上記速度差データは、これら画像の位置ずれを記録したデータである。
このように、速度差データ算出部331は、各測定手段によって測定されたベルト移動速度、給紙側速度、及び排紙側速度から、これらの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして算出する。また、速度差データ算出部331には、システム制御部350が接続され、システム制御部350から入力された複数の給紙経路毎、複数の排紙経路毎及び用紙種別の補正条件によって、速度差データをそれぞれ算出する。
具体的には、記録媒体10を搬送ベルトに進入させる給紙側のレジストローラ240a,bは、その上流にある複数の給紙経路(FR1〜FR3)からの搬送手段に対応して、その移動速度を変動させている。そして、速度差データ算出部331は、この複数の給紙経路(FR1〜FR3)毎にそれぞれ速度差データを算出する。また、記録媒体10を搬送ベルトから送出させる排紙側の送出ローラ241a,bは、その下流にある複数の排紙経路からの搬送手段に対応して、その移動速度を変動させている。そして、速度差データ算出部331は、この排紙経路毎にそれぞれ速度差データを算出する。さらに、搬送経路には、様々な用紙サイズが搬送可能であるため、速度差データ算出部331は、記録媒体10の用紙種別毎による速度差データを算出する。そして、速度差データ算出部331は、用紙種別毎にそれぞれ速度差データを算出する。
(用紙搬送方法)
以上の構成を有する印字制御モジュールを動作させることによって、上記用紙搬送制御を含む用紙搬送方法を実施することができる。図9は、本実施形態に係る用紙搬送方法の処理ステップを示すフローチャート図である。
先ず、印刷処理が開始される際、システム制御部350にジョブデータが入力されると、このジョブデータに含まれている印刷条件(印刷モード、用紙サイズ、用紙種別等)に応じて、記憶された速度差データが選択されて読み出され、補正制御部332に転送される(S201)。
次いで、給紙動作が開始され、実際に印刷処理が開始される(S202)。印刷処理が開始されると、演算処理部330において、各エンコーダからの信号を取得する。具体的には、従動ローラエンコーダ312からの検出信号と、用紙センサ315,316による検出信号が速度差データ算出部331に入力される(S203)。これらにより、搬送ベルト160上における記録媒体10の移動速度が測定される(S204)。
そして、補正制御部332は、従動ローラエンコーダ312の検出信号の補正を行う(S205)。この従動ローラエンコーダ312の検出信号の補正に際し、補正制御部332は、記憶部333に記憶されている速度差データを参照する。この速度差データは、搬送ベルト160の上流側と下流側との速度差毎に、用紙の先端から後端にわたる画像のずれ量が記録されており、補正制御部332は、図6(a)に示すように、この速度差データに記録されたずれ量を相殺するように、この速度差データに基づいて、従動ローラエンコーダ312による検出信号を補正する。
この補正制御部332で補正された検出信号は、駆動制御部336に入力される。この補正では、速度差データの値が、ホームポジション信号に基づいて、搬送ベルト160の回転周期に合わせて読み出され、図10に示すように、従動ローラエンコーダ312から入力されるエンコーダ検出信号が、補正値に応じて早められたり遅められたりして、複数の画像間の位置ずれが小さくなるように調整されて駆動制御部336に入力される。
駆動制御部336では、この補正されたエンコーダ検出信号に基づいて搬送駆動手段200による記録媒体10の移動速度を制御し(S206)、各インクヘッドは、この駆動制御部336による制御に従って、記録媒体10を搬送させ、記録媒体上に複数の画像を形成する。
(作用・効果)
このような実施形態によれば、搬送ベルト160の移動速度であるベルト移動速度と、搬送ベルト上流及び下流における記録媒体の移動速度である給紙側速度、及び排紙側速度を測定し、これらの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして用いる。そして、実際の印刷処理に際し、ベルト移動速度を測定し、この測定結果に、速度差データを反映させ、搬送ベルト速度と記録媒体の移動速度との速度差による印字位置ずれが生じないように搬送駆動手段200によって記録媒体10の移動速度を変化させ、着弾ずれを解消することができる。
また、本実施形態において、搬送駆動手段200には、レジストローラ240a,b又は送出ローラ241a,bが含まれ、駆動制御部336は、レジストローラ240a,b又は送出ローラ241a,bを制御するので、駆動制御部336は、搬送ベルト160に対して記録媒体10を供給する際、又は搬送ベルト160から記録媒体10を送出する際における記録媒体10の移動速度を変化させ、記録媒体10の移動速度と搬送ベルト速度との速度差を生じないようにするので、着弾ずれを解消することができる。
さらに、本実施形態において、速度差データは、対応する各給紙経路毎に算出され、印刷に際しては、記録媒体10が給紙された給紙経路FRに対応する速度差データが参照されるので、複数の給紙経路や再給紙路が集合されて構成された給紙経路FRにおいて、各経路に固有の搬送条件に応じて用紙搬送制御を変更するため、より適正に着弾ずれを解消することができる。
一方、本実施形態において、搬送ベルト160の下流側では、通常搬送路CRから複数の排紙経路DR1が分岐され、速度差データは、通常搬送路CR側を循環する場合と、排紙経路DR1側に搬送される場合について、それぞれ算出され、算出された各速度差データは、対応する各排紙経路に関連づけられて記憶部333に記憶されている。これにより、補正制御部332は、記録媒体が送出された排紙経路に対応する速度差データを参照して、従動ローラエンコーダ312から入力される検出信号を補正することができ、各経路に固有の搬送条件に応じて用紙搬送制御が変更することができ、より適正に着弾ずれを解消することができる。
また、本実施形態において、速度差データは、給紙に係る記録媒体のサイズ、種類又は厚さなど、用紙種別毎にそれぞれ算出され、対応する各用紙種別に関連づけられて記憶部333に記憶され、補正制御部332は、用紙種別取得部352が取得した用紙種別に対応する速度差データを参照する。これにより、本実施形態では、給紙に係る記録媒体のサイズ、種類又は厚さなど、各用紙の種別に応じて、適宜、用紙搬送制御を変更することができ、より適正に着弾ずれを解消することができる。
また、本実施形態において、補正制御部332には、スイッチバック処理を含むスケジューリングを行うスケジューリング部357が接続され、補正制御部332は、スケジューリング部357が決定したスケジュールに従って、給紙経路、又は給紙経路に対応する各速度差データを選択して参照することができる。このため、本実施形態では、反転経路SRを経由して表裏が反転された用紙を、表面を印刷する用紙の間に挿入し、表面の印刷と裏面の印刷とを並行させるようにスケジューリングすることによって、両面印刷時の生産性を向上させるとともに、再給紙経路における記録媒体に作用する用紙搬送の着弾ずれを解消させることができる。
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、記録媒体10の移動速度を制御することで画像ずれを調整する構成としたが、第2実施形態では、駆動制御部336における用紙搬送制御に加え、記録媒体10にインクを吐出するインクヘッドの吐出タイミングを併せて制御するようにしてもよい。
例えば、吐出タイミング制御及び用紙搬送制御において、印字制御モジュールは、各速度測定部310によって測定されたベルト移動速度、給紙側速度、及び排紙側速度からこれらの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして算出し、補正制御部332において、複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、複数のインクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御するとともに、駆動制御部336において、補正制御部332によって補正されたインク吐出タイミングと同期して、搬送ベルト160の上流側及び下流側に配置された搬送駆動手段200による記録媒体10の移動速度を制御する。
詳述すると、図9に示したように、補正制御部332は、速度差データに基づいて、従動ローラエンコーダ312による検出信号を補正する(S205)。そして、本実施形態では、次のステップS206において、この補正制御部332で補正された検出信号は、各吐出制御部334及び駆動制御部336に入力される。吐出制御部334では、この補正されたエンコーダ検出信号に基づいて、各ヘッドユニット110による各画像形成のタイミングを制御するとともに、駆動制御部336では、この補正されたエンコーダ検出信号に基づいて、各搬送駆動手段200による用紙搬送を制御する。搬送駆動手段200は、この駆動制御部336による制御に従って、記録媒体10を搬送ベルト160に搬送し、各インクヘッドは、この吐出制御部334による制御に従って、インクを吐出し、記録媒体上に複数の画像を形成する。
(作用・効果)
このような実施形態によれば、搬送ベルト160の移動速度であるベルト移動速度と、搬送ベルト上流及び下流における記録媒体の移動速度である給紙側速度、及び排紙側速度とを測定し、これらの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを速度差データとして用いる。そして、実際の印刷処理に際し、記録媒体10の移動速度の制御と、インク吐出の制御に、速度差データを反映させ、搬送ベルト速度と記録媒体の移動速度との速度差による印字位置ずれが生じないように、インクヘッドのインク吐出タイミングを変化させる。この結果、本実施形態によれば、搬送駆動手段200による記録媒体10の移動速度を変化させることでより確実に着弾ずれを解消することができる。
CR…通常搬送路
DR1…排紙経路
DR2…直進排紙経路
FR…給紙経路
R…レジスト部
SR…反転経路
10…記録媒体
100…印刷装置
110…ヘッドユニット
120…サイド給紙台
130…給紙トレイ
140…排紙口
141…外部排紙トレイ
150…排紙台
160…搬送ベルト
161…従動ローラ
162…駆動ローラ
170,172…切替機構
200…搬送駆動手段
220…サイド給紙駆動部
230a,230b…トレイ駆動部
240(240a,b)…レジスト駆動部(レジストローラ)
241(241a,b)…下流側駆動部(送出ローラ)
250…搬送ベルト駆動ローラ
260…第1上面搬送駆動部
265…第2上面搬送駆動部
270…上面排出駆動部
281…反転駆動部
282…再給紙駆動部
310…速度測定部
311…ベルトHPセンサ
312…従動ローラエンコーダ
313…給紙側エンコーダ
314…排紙側エンコーダ
315,316…用紙センサ
330…演算処理部
340…操作パネル
331…速度差データ算出部
332…補正制御部
333…記憶部
334…吐出制御部
335…印字制御モジュール
336…駆動制御部
337…ベルト補正データ記憶部
338…ベルト補正制御部
340…操作パネル
341…通信インターフェース
350…システム制御部
351…ジョブデータ受信部
352…用紙種別取得部
353…操作信号取得部
354…経路情報記憶部
355…補正条件算出部
356…画像処理部
356a…画像形成制御部
356b…色変換回路
357…スケジューリング部
500…用紙種別検出機構

Claims (8)

  1. 搬送経路における搬送ベルト上を搬送される記録媒体に、画像形成部により画像を形成する印刷装置の用紙搬送機構であって、
    前記搬送経路に配置され、該搬送経路上の前記記録媒体を搬送させる駆動手段と、
    前記搬送ベルトの移動速度であるベルト移動速度と、前記搬送ベルト上流において該搬送ベルトに進入する前記記録媒体の移動速度である給紙側速度と、前記搬送ベルト下流において該搬送ベルトから送出される前記記録媒体の移動速度である排紙側速度と、のうちの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを、速度差データとして算出する速度差データ算出部と、
    印刷処理に際し、前記速度差データ算出部により算出された速度差データに基づいて、前記搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、前記駆動手段による前記記録媒体の移動速度を制御する駆動制御部と
    を有することを特徴とする印刷装置の用紙搬送機構。
  2. 前記速度差データ算出部によって算出された前記速度差データを記憶する記憶部と、
    印刷処理に際し、前記ベルト移動速度に基づいて前記記憶部が記憶する前記速度差データを参照し、前記ベルト速度測定手段から入力される検出信号を補正する補正制御部とをさらに備え、
    前記記憶部には、前記速度差データを、前記給紙側速度と前記ベルト移動速度、前記排紙側速度と前記ベルト移動速度の間の大小関係と対応づけて記憶されており、
    前記補正制御部は、前記大小関係に基づいて、前記速度差データを参照する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置の用紙搬送機構。
  3. 前記搬送経路には、
    搬送ベルト上流側において該搬送ベルトに対して前記記録媒体を供給する上流側経路と、
    搬送ベルト下流側において該搬送ベルトから前記記録媒体を送出する下流側経路と
    が含まれ、
    前記駆動手段には、
    前記記録媒体を前記上流側経路から前記搬送ベルトに供給する給紙手段、又は前記記録媒体を前記搬送ベルトから前記下流側経路に送出させる送出手段が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置の用紙搬送機構。
  4. 前記上流側経路は、複数の給紙経路が集合されて前記搬送ベルト上流に至るように形成され、
    前記速度差データは、前記複数の給紙経路毎にそれぞれ算出され、
    算出された各速度差データは、対応する各給紙経路に関連づけられて前記記憶部に記憶され、
    前記補正制御部は、印刷に係る記録媒体が給紙された給紙経路に対応する速度差データを参照して、前記ベルト速度測定手段から入力される検出信号を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置の用紙搬送機構。
  5. 前記下流側経路では、前記搬送ベルト下流から複数の排紙経路が分岐され、
    前記速度差データは、前記複数の排紙経路毎にそれぞれ算出され、
    算出された各速度差データは、対応する各排紙経路に関連づけられて前記記憶部に記憶され、
    前記補正制御部は、印刷に係る記録媒体が排紙された排紙経路に対応する速度差データを参照して、前記ベルト速度測定手段から入力される検出信号を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置の用紙搬送機構。
  6. 給紙に係る記録媒体のサイズ、種類又は厚さを用紙種別として取得する用紙種別取得手段をさらに備え、
    前記速度差データは、前記用紙種別毎にそれぞれ算出され、算出された各速度差データは、対応する各用紙種別に関連づけられて前記記憶部に記憶され、
    前記補正制御部は、前記用紙種別取得手段が取得した用紙種別に対応する速度差データを参照して、前記ベルト速度測定手段から入力される検出信号を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置の用紙搬送機構。
  7. 前記搬送経路は、
    前記給紙経路から前記搬送ベルトを経て、前記排紙経路へ至る通常搬送路と、
    前記通常搬送路に分岐接続され、該通常搬送路から前記記録媒体が受け渡され、該記録媒体を往復させて該通常搬送路に戻すことにより該用紙の表裏を反転させる反転経路と、
    前記反転経路から前記搬送ベルト上流に至る再給紙経路と、
    によって環状に構成され、
    前記再給紙経路は、前記複数の給紙経路に含まれ、
    前記補正制御部には、画像形成処理において、表面に印刷を行う用紙の給紙、及び前記反転経路を経て表裏が反転された用紙の再給紙、画像形成及び搬送に関する速度、順序及びタイミングを決定するスケジューリング部が接続され、
    前記補正制御部は、前記スケジューリング部が決定したスケジュールに従って、前記給紙経路又は前記給紙経路に対応する各速度差データを選択して参照する
    ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置の用紙搬送機構。
  8. 搬送経路の搬送ベルト上を搬送される記録媒体に、画像形成部により画像を形成する印刷装置における用紙搬送方法であって、
    前記搬送経路に配置された駆動手段により、該搬送経路上の前記記録媒体を搬送する駆動ステップと、
    前記搬送ベルトの移動速度であるベルト移動速度と、前記搬送ベルト上流において該搬送ベルトに進入する前記記録媒体の移動速度である給紙側速度と、前記搬送ベルト下流において該搬送ベルトから送出される前記記録媒体の移動速度である排紙側速度と、のうちの各速度の差に基づく画像の位置ずれに対応するデータを、速度差データとして算出する速度差データ算出ステップと、
    印刷処理に際し、前記速度差データ算出部により算出された速度差データに基づいて、前記搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、前記駆動手段による前記記録媒体の移動速度を制御する駆動制御ステップと
    を有することを特徴とする印刷装置の用紙搬送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017052634A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 セイコーエプソン株式会社 印刷装置

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