JP2011026764A - 滑り止めマット - Google Patents
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Abstract
【課題】駅のプラットホームや建築物の出入口部に敷設する滑り止めマットにおいて、施工性に優れ、汚れにくく、燃焼時に有毒ガスの発生が少ない、環境にやさしいオレィン系樹脂製の滑り止めマットを提供する。
【解決手段】オレフィン系樹脂組成物を主成分とする表面樹脂層2の表面に連続する凹凸エンボスが施し、前記表面樹脂層2の下面側にプライマー層3を介して印刷層4を積層し、さらに、前記印刷層の下面側に粘着剤層5を介してアルミシート6を積層することにより、施工性に優れ、環境にやさしい滑り止めマット1が得られる。
【選択図】図1
【解決手段】オレフィン系樹脂組成物を主成分とする表面樹脂層2の表面に連続する凹凸エンボスが施し、前記表面樹脂層2の下面側にプライマー層3を介して印刷層4を積層し、さらに、前記印刷層の下面側に粘着剤層5を介してアルミシート6を積層することにより、施工性に優れ、環境にやさしい滑り止めマット1が得られる。
【選択図】図1
Description
この発明は、駅のプラットホームや建築物の出入口部で使用される滑り止めマットに関するものである。
従来から、駅のプラットホームや建築物の出入口部には、表面に凹凸形状が施された、塩化ビニル樹脂や加硫ゴムからなる滑り止めマットが多く採用されていた。これらは、一定の滑り止め性能を発揮するうえに、加工が容易で経済的にも優れた床材とされている。中でも塩化ビニル樹脂からなるものが大部分であり、塩化ビニル系樹脂を使用する理由は表面強度及び耐摩耗性に優れ、更に塩化ビニル系樹脂製のシートは床面への施工性に優れていることによる。
しかしながら、塩化ビニル樹脂製の床材は火災時において、多量の発煙と共に塩化水素等の有毒ガスを発生することから、火災にみまわれた避難者がこれら有毒ガス等を吸入し、人命が危機にさらされてしまう等の問題や、また廃棄時に焼却する場合には、その強い酸化作用によって、焼却施設を著しく損傷してしまうだけでなく、適切でない焼却処理によっては、有害なダイオキシンを発生させ環境汚染をもたらすという問題があった。
そこで、近年ではPVC材料に代えて、燃焼時に有毒ガスの発生が少ない、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエステル樹脂等のオレフィン系樹脂製の床材が、汚れにくいという効果も相俟って、多く使われるようになってきている。しかしながらこれらの材料で形成した床材は、剛性がありすぎて、不陸が多く見られる駅のプラットホームや建築物の出入口部の床面への追従性が悪く施工性に劣るものであった。
また、加硫ゴムからなる滑り止めマットにおいては、滑り止めとしては確かな性能を発揮するものではあるが、反発弾性が大きすぎて床面への馴染みが悪く施工性が劣り、更に加硫されているので、再加工が困難であると共に焼却処理性が劣るので環境衛生的にも問題があるものであった。
特許文献1においては、塩化ビニル又は合成ゴムを材料とした点状又は線状タイルとして歩道路面に貼りつけ、十字形か又は線状の小溝を凹設することによって表面の滑りを止めるように形成した舗装材が提案されている。しかし、塩化ビニルは安全性や環境に及ぼす影響に問題があった。また、歩道路面等の歩行床面は完全な平面ではなく、程度の差はあれ、必ず凹凸を有している。したがって反発弾性が大きい合成ゴムは床面への追従性が悪く施工性やめくれ等の耐久性に劣るものであった。
特許文献2、3においては、熱可塑性樹脂シートに着色及び表面に微細な凹凸部を形成し、階段のステップ、駅のプラットホーム、建造物の通路、歩道等の歩行路に貼着させて視認性を高めることにより、特に視力障害者であっても安全な歩行が確保されるようにできる歩行路標識シートが提案されている。しかし、熱可塑性樹脂シートは剛性がありすぎて、不陸が多く見られる駅のプラットホーム等の床面への追従性が悪く施工性に劣るものであった。したがって、本発明のように、安全性や環境に考慮し、施工性に優れたオレフィン系樹脂製の滑り止めマットについては、未だ提案されていない。
実用新案登録第3089370号報
特開2004−137872号報
特開2005−248606号報
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、駅のプラットホームや建築物の出入口部に敷設する滑り止めマットにおいて、施工性に優れ、汚れにくく、燃焼時に有毒ガスの発生が少ない、環境にやさしいオレィン系樹脂製の滑り止めマットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]オレフィン系樹脂組成物を主成分とする表面樹脂層を有する滑り止めマットにおいて、前記表面樹脂層の表面に凹凸エンボスが施され、前記表面樹脂層の下面側に粘着剤層を介してアルミシートを積層し、前記表面樹脂層の引張弾性率が100〜500MPaであり、前記アルミシートを積層後の前記滑り止めマットの全層における引裂強度が50N/mm以上であることを特徴とする滑り止めマット。
[2]オレフィン系樹脂組成物を主成分とする表面樹脂層を有する滑り止めマットにおいて、前記表面樹脂層の表面に凹凸エンボスが施され、前記表面樹脂層の下面側にプライマー層を介して印刷層を積層し、さらに、前記印刷層の下面側に粘着剤層を介してアルミシートを積層し、前記表面樹脂層の引張弾性率が100〜500MPaであり、前記アルミシートを積層後の前記滑り止めマットの全層における引裂強度が50N/mm以上であることを特徴とする前項1に記載の滑り止めマット。
[3]前記表面樹脂層がオレフィン系樹脂組成物からなり、前記表面樹脂層の凹凸の厚さの差が0.1〜1.0mmであることを特徴とする前項1または2に記載の滑り止めマット。
[4]前記アルミシートの厚さが20μm〜100μmであることを特徴とする前項1〜3のいずれかの項に記載の滑り止めマット。
[5]前記プライマー層が、変性オレフィン樹脂からなり、厚さ5〜15μmであって、前記印刷層が、厚さ10〜50μmである前項2〜4のいずれかの項に記載の滑り止めマット。
[6]前記滑り止めマットの表面樹脂層のヘイズ値が1〜50%で、印刷層が見える程度に透明であることを特徴とする前項2〜5のいずれかの項に記載の滑り止めマット。
[1]の発明では、下記の効果を有する。ア、滑り止めマットを構成する表面樹脂層がオレフィン系樹脂組成物を主成分とするので、汚れにくく燃焼時有害ガスを発生しないので安全である。イ、前記表面樹脂層の引張弾性率が100〜500MPaであるので、表面樹脂層の熱応力を下げ、温度変化に対する寸法安定性を確保することにより、膨れやめくれといった現象の発現が防止された滑り止めマットとすることができる。ウ、表面樹脂層の表面に凹凸エンボスが施されているので、滑り抵抗値が大きくなり滑りにくくなる。エ、前記表面樹脂層の下面側に粘着剤層を介してアルミシートを積層しているので、床面に不陸がある場合にも、床面への追従性が良く、施工性に優れる滑り止めマットとなる。オ、前記アルミシートを積層後の前記滑り止めマットの全層における引裂強度が50N/mm以上であるので、頻繁な歩行により、前記滑り止めマットが裂けたり、破れたりする問題が生じない。
[2]の発明では、[1]の発明による効果に加えて、印刷層が積層されているので、線、文字、図形、記号等を表示でき、さらに、前記表面樹脂層の下面側にプライマー層を介して印刷層を積層しているので、表面の摩擦等により、印刷された文字や図形がかすれる事がなく、前記印刷層が強い接着力で固定された滑り止めマットとなる。
[3]の発明では、前記凹凸形状の凹凸の厚さの差が0.1〜1.0mmとしているので滑り抵抗値が大きくなり滑りにくくなる。
[4]の発明では、厚さが20μm〜100μmの前記アルミシートが積層された滑り止めマットであるので、施設の際に、ハンマーやローラー等の適当な手段で上から叩いたり、押圧したりすることにより、駅のプラットホームや建築物の出入口部の床面にある凹凸に沿って容易に変形させることができ、密着させた状態で施工することができる。また、厚すぎて躓いたりする、歩行の妨げにもならない。
[5]の発明では、前記プライマー層が、変性オレフィン樹脂からなり、厚さ5〜15μmであるので、前記印刷層が、しっかりと前記表面樹脂層の柔軟性を保ったままで積層することができる。また前記印刷層の厚さが10〜50μmであるので、柔軟な滑り止めマットとすることができる。。
[6]の発明では、前記滑り止めマットのヘイズ値が1〜50%であり、前記表面樹脂層の下面側にプライマー層を介して印刷層を積層しているので、床材上に貼着した時、印刷層が見える程度に透明で、印刷層の意匠をそのまま表現することができる。また、人が滑り止めマットの存在することを認識できる程度の透明性なので、不意に滑り抵抗値の高いマットに足をとられる危険性を防ぐことができる。
以下、図面を参照して更に詳しく説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す滑り止めマット(1)の模式的断面図であり、(2)は表面樹脂層、(3)はプライマー層、(4)は印刷層、(5)は粘着剤層、(6)はアルミシートを示している。本発明の滑り止めマットはオレフィン系樹脂組成物からなっており、表面樹脂層表面に凹凸エンボスが施されていて、一定以上の滑り抵抗値を有する滑り止めマット(1)としている。
前記滑り抵抗値とは、JIS A 1454のC.S.R値(Coefficient of Slip Resistance)で、0.5以上を合格とした。凹凸差が0.1mmを下回るようなものでは、十分な滑り抵抗値を得ることができない。また、凹凸差が1.0mmを上回ると凹部の厚さが薄くなることから、滑り止めマットとしての強度が不足し好ましくない。
本発明における表面樹脂層(2)はオレフィン系樹脂組成物で構成され、オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメチルアクリレート、ポリスチレン樹脂等を例示でき、中でもポリプロピレン樹脂を主成分とするものが汚れにくく加工性も良く好適である。特にポリプロピレン樹脂を50〜80重量%とするのが好ましい。50重量%を下回ると、汚染性、耐磨耗性に問題が発現する。80重量%を超えると滑り止めマットは硬くなり施工がし難くなる。より好ましくは60〜75重量%がよい。
また、前記オレフィン系樹脂組成物には、柔軟性を付与して施工性のよい滑り止めマット(1)とするために、オレフィン系熱可塑性エラストマー系相容化樹脂を20〜50重量%添加するのが好ましい。より好ましくは25〜40重量%がよい。オレフィン系熱可塑性エラストマー系相容化樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂に微分散するエチレン・プロピレン共重合体の樹脂等を挙げる事が出来る。
また、加工性を向上させるために、石油樹脂系の低分子量域の樹脂や熱可塑性オリゴマーや天然系樹脂を0〜10重量%まで添加してもよい。石油樹脂系の低分子量域の樹脂としてはC5系石油樹脂、天然系樹脂としてはテルペン樹脂を挙げる事が出来る。
またその他顔料、染料などの着色剤や帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの薬剤を、本発明の効果をそこなわない範囲で添加することができる。
本発明における表面樹脂層(2)はオレフィン系樹脂組成物で構成することにより、前記表面樹脂層の引張弾性率を100〜500MPaとすることができる。この範囲の引張弾性率であれば、優れた耐摩耗性を有し、傷の付きにくい滑り止めマット(1)とすることができる。また、表面樹脂層(2)の熱応力を下げ、施工後の温度変化に対する寸法安定性を確保することにより、膨れやめくれといった現象の発現が防止された滑り止めマット(1)とすることができる。表面樹脂層(2)の引張弾性率が100MPaに満たないと摩耗による損傷や傷つきが発生し易くなり、歩行による表面のへこみ量が大きくなるので好ましくなく、耐久性の劣る滑り止めマット(1)となる。また、500MPaを超えると、硬くなり施工しづらくなる。また、施工後の膨れの要因となる熱応力も大きくなるので好ましくない。
本発明における表面樹脂層(2)の表面に施された凹凸エンボスの形状としては特
に限定しないが、凹凸の厚さの差が0.1〜1.0mmに形成できる形状にする必要がある。
に限定しないが、凹凸の厚さの差が0.1〜1.0mmに形成できる形状にする必要がある。
凹凸の厚さの差は小さいほど歩行時に違和感を感じることはないが、凹凸の厚さの差が0.1mmより少ないとほとんど凹凸差がなくなってしまい、滑り抵抗値を上げることが出来ない。1.0mmを超えて滑り抵抗値を上げるような構造にすると、歩行時に引っ掛かりを感じ、かえって通行する人の歩行運動の妨げになり好ましくない。
第2の発明における、印刷層(4)を積層した滑り止めマット(1)においては、特に本発明の表面樹脂層(2)をヘイズ値が1〜50%にすることが好ましい。印刷層(4)の柄がよく見えるように透明にする効果がある。また、あまり透明過ぎると、人間が滑り止めマットを識別できなくて危険なこともある。より好ましいヘイズ値は2〜30%である。
本発明におけるプライマー層(3)としては、変性オレフィン樹脂を5〜15g/m2(乾燥時)塗布し、厚さ5〜15μmの層とするのが好ましい。変性オレフィン樹脂としては、無水マレイン酸変性したポリプロピレン樹脂、無水マレイン酸変性したポリエチレン樹脂、塩素化変性したポリプロピレン樹脂、塩素化変性したポリエチレン樹脂等が挙げられる。厚さとしては5μmより少ないと接着力不足が生じ、15μmを超えると経済性も悪くなり、また、滑り止めマット(1)が硬くなり、貼り付け施工が困難になる。
本発明における印刷層(4)は前記プライマー層(3)の上に印刷することによって形成される。印刷方法としては、例えばインクジェット印刷機により、紫外線硬化型インクで柄を描くことにより形成することができる。紫外線硬化型インクとしては、カチオン系の紫外線硬化型インクが好適である。また、柄としては、どのような柄を描いてもかまわないが、例えば、駅のプラットホームで用いる滑り止めマットであれば、乗客の注意を喚起するため、優先座席とか女性専用車というような文字であっても構わない。
本発明における粘着剤層(5)は表面樹脂層(2)とアルミシート(6)を積層させる機能を有するもので、粘着剤層に用いられる粘着剤としては、通常使用される粘着剤が挙げられ、例えば、アクリル系粘着剤、天然ゴムラテックス系粘着剤などが挙げられる。好ましくは、アクリル系粘着剤が挙げられ、接着力が強く、また凝集力も強いことからベタツキもなく好ましい。粘着剤の塗布量としては50〜300g/m2(乾燥時)が好ましい。積層方法として、予めアルミシート(6)の片面または両面にコーティングすることで容易に表面樹脂層(2)と積層することができる。
本発明におけるアルミシート(6)は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる、厚さが20μm〜100μmのシートである。該アルミシート(6)を滑り止めマット(1)の裏面に積層することにより、アルミシート(6)の可撓性により、滑り止めマット(1)を施設施工の際に、ハンマーやローラー等の適当な手段で上から叩いたり、押圧したりすることにより、駅のプラットホームや建築物の出入口部の床面にある凹凸に沿って容易に変形させることができ、簡単な作業で、滑り止めマット(1)を床面と密着させた状態で、強い接着力で施工することができる。施工後滑り止めマット(1)の剥離強度も強くまた、アルミシート(6)は収縮も腐食もなく、寸法安定性に優れ、さらに、不陸のある床面にも施工が容易で、めくれ等のない耐久性のある滑り止めマット(1)とすることができる。
前記アルミシート(6)の厚さは、20μm〜100μmであることが好ましい。それよりも薄い場合は、強度が十分でなくなり、一方、それよりも厚い場合には、床面に対するなじみが悪くなり、通行する人の歩行運動の妨げになる。
前記アルミシート(6)を積層後の前記滑り止めマット(1)の全層における引裂強度は50N/mm以上が必要である。50N/mm以上であれば、十分な強度を有し、頻繁な歩行により、前記滑り止めマット(1)が裂けたり、破れたりする問題が生じることが無い。
この発明の滑り止めマット(1)は、例えば次のようにして製造できる。オレフィン系樹脂組成物を用い、カレンダー加工機またはラミネート加工機で表面樹脂層(2)となるシートを作成し、該シートを予熱ロールと加熱ロールでガラス転移点以上に加熱し、エンボスロール(金属製)と押さえロール(ゴム製)の間を通過させて凹凸形状の加工を施す。
こうして凹凸の付けられた表面樹脂層(2)の下面側に、プライマー層(3)として変性オレフィン樹脂を塗布し、該プライマー層(3)の上に印刷を行なう。印刷方法として、例えばインクジェット印刷機により、紫外線硬化型インクで柄を描き印刷層(4)を作成する。インクの乾燥工程が不要となりインクのにじみもなく、繊細な柄も描くことができる。さらに、印刷層(4)の下面側に、片面または両面に粘着剤をコーティングしたアルミシート(6)を貼り合わせることにより、施工性に優れ、燃焼時に有毒ガスの発生が少ない滑り止めマットとすることができる。
また、本発明の滑り止めマット(1)を床材に貼着する方法は、床材に接着剤を塗り、滑り止めマット(1)を貼ってもよいし、予めアルミシート(6)の両面に粘着剤層をコーティングしておき、片面は表面樹脂層(2)と積層し、もう一方は離型紙を貼り、施工時に離型紙を剥がして床材に貼着する方法にしてもよい。また、粘着剤としては表面樹脂層(2)との積層に用いた粘着剤と同様の接着力が強いアクリル系粘着剤が好ましい。さらに、本発明の滑り止めマット(1)を床材に貼着したときの剥離強度としては、25N/25mm以上あることが望ましい。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。尚、滑り抵抗値とヘイズ値を以下の測定方法に基づいて測定した。<ヘイズ値の測定方法> JIS K7105に準拠し、ヘイズ値の測定をした。<滑り抵抗値の測定方法> 滑り試験機(O−Y.PSM)を用い、巾方向に対し直角方向のC.S.R(値滑り抵抗値)を算出した。
<実施例1> ポリプロピレン樹脂59.8重量%、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体)樹脂35重量%(オレフィン系熱可塑性エラストマー系相容化樹脂)、テルペン樹脂(天然樹脂系の低分子量域の樹脂)5重量%を混合し、加熱溶融してカレンダー機にて1.4mm厚のシートにした後直ぐに、凹凸形状となるエンボスロールと加圧ロールの間を通過させ、凹凸の厚さの差が0.7mm、引張弾性率が365MPaのシートを得た。次に、別の工程で、粘着剤を両面に塗布し、片面に離型紙を貼った、厚さ50μmのアルミシートを積層した。積層後の全層における引裂強度は72N/mmであった。こうしてできた離型紙付きの前記シートをマットの形状に裁断し滑り止めマットを作製した。滑り止めマットのヘイズ値は5%、滑り抵抗値が1.067の結果を得た。また、剥離強度は31N/25mmで施工性も良かった。
<実施例2>エンボスロールと加圧ロールの間を通過させたシートに、別の工程で、前記シートにプライマー層として無水マレイン酸変性したポリプロピレン樹脂を10g/m2(乾燥時)塗布し乾燥してから、インクジェット印刷機で「停車位置」と文字を印刷したこと以外は実施例1と同様にして滑り止めマットを得た。積層後の全層における引裂強度は81N/mmであった。滑り止めマットのヘイズ値は6%、滑り抵抗値が1.073の結果を得た。また、剥離強度は35N/25mmで施工性も良かった。
<実施例3>アルミシートの厚さを30μmとした以外は実施例1と同様にして滑り止めマットを得た。積層後の全層における引裂強度は66N/mmであった。滑り止めマットのヘイズ値は6%、滑り抵抗値が1.075の結果を得た。また、剥離強度は35N/25mmで施工性も良かった。
<実施例3>アルミシートの厚さを80μmとした以外は実施例1と同様にして滑り止めマットを得た。積層後の全層における引裂強度は86N/mmであった。滑り止めマットのヘイズ値は4%、滑り抵抗値が1.043の結果を得た。また、剥離強度は30N/25mmで施工性も良かった。
<比較例1>アルミシートを省いた以外は実施例1と同様にして滑り止めマットを得た。滑り止めマットのヘイズ値は5%、滑り抵抗値が1.066の結果を得た。また、剥離強度は14N/25mmで、密着性が悪く施工性は悪かった。
<比較例2>アルミシートの厚さを5μmとした以外は実施例1と同様にして滑り止めマットを得た。積層後の全層における引裂強度は69N/mmであった。滑り止めマットのヘイズ値は6%、滑り抵抗値が1.087の結果を得た。しかし、アルミシートに破断が生じ、剥離強度は11N/25mmで密着性が悪くて、施工性は不十分だった。
<比較例3>アルミシートの厚さを120μmとした以外は実施例1と同様にして滑り止めマットを得た。積層後の全層における引裂強度は89N/mmであった。滑り止めマットのヘイズ値は4%、滑り抵抗値が1.064の結果を得た。しかし、床面になじまず、剥離強度は18N/25mmで密着性が悪く施工性は不十分だった。
1 滑り止めマット 2 表面樹脂層 3 プライマー層 4 印刷層 5 粘着剤層 6 アルミシート
Claims (6)
- オレフィン系樹脂組成物を主成分とする表面樹脂層を有する滑り止めマットにおいて、前記表面樹脂層の表面に凹凸エンボスが施され、前記表面樹脂層の下面側に粘着剤層を介してアルミシートを積層し、前記表面樹脂層の引張弾性率が100〜500MPaであり、前記アルミシートを積層後の前記滑り止めマットの全層における引裂強度が50N/mm以上であることを特徴とする滑り止めマット。
- オレフィン系樹脂組成物を主成分とする表面樹脂層を有する滑り止めマットにおいて、前記表面樹脂層の表面に凹凸エンボスが施され、前記表面樹脂層の下面側にプライマー層を介して印刷層を積層し、さらに、前記印刷層の下面側に粘着剤層を介してアルミシートを積層し、前記表面樹脂層の引張弾性率が100〜500MPaであり、前記アルミシートを積層後の前記滑り止めマットの全層における引裂強度が50N/mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の滑り止めマット。
- 前記表面樹脂層がオレフィン系樹脂組成物からなり、前記表面樹脂層の凹凸の厚さの差が0.1〜1.0mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の滑り止めマット。
- 前記アルミシートの厚さが20μm〜100μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の滑り止めマット。
- 前記プライマー層が、変性オレフィン樹脂からなり、厚さ5〜15μmであって、前記印刷層が、厚さ10〜50μmである請求項請求項2〜4のいずれかの項に記載の滑り止めマット。
- 前記滑り止めマットの表面樹脂層のヘイズ値が1〜50%で、印刷層が見える程度に透明であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかの項に記載の滑り止めマット。
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