JP2011026161A - 窒化物単結晶とその製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶の成長速度を向上させることが可能な窒化物単結晶の製造装置を提供する。
【解決手段】上部に開口部を有し、内底部に原料22を収納する成長容器4と、開口部を塞ぐサセプタ3と、原料22に対向するように配置された種子基板23と、成長容器4の外周に配設された複数の加熱手段7a、7b、7cと、を少なくとも備えた窒化物単結晶24の製造装置1であって、各加熱手段7a、7b、7c間に熱遮蔽部材11a、11bが設けられるとともに、加熱手段7cと成長容器4の成長部Aとの間に熱遮蔽部材12が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化アルミニウム(AlN)などの窒化物単結晶とその製造装置に関する。
近年、III族窒化物半導体に関与した研究開発の進展は目覚しく、青色、紫外発光デバイスが市販されるまでに至っている。窒化ガリウム系LED(Light Emitting Diode, 発光ダイオード)は、成長基板上に有機金属気相成長法(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy, MOVPE)により製造されており、現在、成長基板としては、主にサファイアが用いられている。窒化ガリウム系LEDは、さらなる高輝度化が進むと予測されるが、輝度を上げるためにはより高い投入電力が必要であり、多量の熱が発生する。しかしながら、サファイアは、熱伝導率が40Wm−1−1と低いために放熱性が乏しい。また、転位密度の低減は、発光効率の向上につながり、高輝度化に寄与するが、サファイアは窒化ガリウムとの格子不整合が13.8%と大きいことから、この上に成長させた窒化ガリウム層においてミスフィット転位の発生が避けられないという問題がある。したがって、高輝度化に向けては、サファイアより熱伝導度が高く、窒化ガリウムとの格子不整合の小さい基板材料が求められている。
窒化アルミニウム単結晶は、熱伝導率が290Wm−1−1と非常に高く、窒化ガリウムとの格子不整合が2.4%と小さいため、窒化ガリウム系、特に、より格子不整合の小さいAlGaN系半導体の基板材料として期待されている。
窒化アルミニウム単結晶の製造方法としては、溶液法ではフラックス法、気相法ではMOVPE法、水素化物気相堆積法(Hydride Vapor Phase Epitaxy, HVPE)、昇華法などが挙げられる。この中でも、昇華法は、一般的に成長速度が大きいため、バルク結晶の作製に対して有力な方法である。この昇華法とは、原料である窒化アルミニウムを昇華させ、それを昇華温度よりも低い温度領域で再凝縮させることにより単結晶を作製する方法である。
昇華法での高純度窒化アルミニウムの結晶成長については、Slackらにより初めて実証されて以来(非特許文献1を参照)、広く研究開発が行われてきた。最近では、非特許文献2に記載の技術のように、半導体グレードの窒化アルミニウム単結晶が昇華法により作製されつつある。
図2に種子基板を利用した昇華法により窒化物単結晶を作製することを可能にする、従来の窒化物単結晶の製造装置1を示す。
従来の窒化物単結晶の製造装置1は、内底部に窒化アルミニウム粉末などの原料22を収納する成長容器4と、成長容器4を支持する支持台2と、成長容器4の上部の開口部を塞ぐサセプタ3と、を備えて構成されている。
サセプタ3の下面には原料22と対向するように種子基板23が貼り付けられている。成長容器4本体外周に沿って、成長容器4内部に配された原料22やサセプタ3、種子基板23を加熱する抵抗加熱方式による加熱手段7が設けられている。成長容器4および加熱手段7は、チャンバー8によって包囲されている。チャンバー8の天井部には、窒素ガスなどのガス供給装置に接続されたガス導入部5が形成され、更に、圧力調整弁6を介して真空ポンプなどの減圧装置が接続されて、チャンバー8の内部を所定のガス圧力に調整できるようになっている。
窒化物単結晶の作製に際しては、まず、チャンバー8に設けられている図示略の搬入口を開けて、原料22を成長容器4の内底部にセットし、搬入口を閉じてチャンバー8を密閉する。次いで、チャンバー8内を圧力調整弁6を介して減圧装置により真空排気した後、ガス導入部5により窒素ガスなどのプロセスガスを成長容器4内に導入して、圧力を調整する。
そして、原料22が配された成長容器4やサセプタ3、種子基板23を加熱する。加熱で昇華させて分解気化された原料22は、窒素ガス雰囲気下で種子基板23上に結晶成長することで、窒化物単結晶24となり成長する。
昇華法により窒化物単結晶を作製するには、原料が配された原料部の温度より、窒化物単結晶が成長する成長部の温度を低く保つことにより結晶成長速度が向上する。そのため、上記従来の窒化物単結晶の製造装置1では、成長容器4の周囲に複数の加熱手段7を配設し、個々の加熱手段7の温度制御を行うことにより成長容器4内の原料部や成長部の温度を制御している。しかしながら、このような従来の窒化物単結晶成長装置では、近接する複数の加熱手段からの熱対流や輻射のため、成長容器内の原料部や成長部の温度制御には限界があった。
このような問題を解決する方法として、各加熱手段間に熱遮蔽部材を設けることにより、成長容器内の温度勾配を制御する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開平5−70276号公報
Journal of Crystal Growth 34 (1976) 263 Journal of Crystal Growth 310 (2008) 881
特許文献1に記載の技術では、多数の加熱手段間に仕切りとして熱遮蔽部材を配設することにより成長容器内の温度勾配を制御している。昇華法により窒化物単結晶を作製する場合、成長容器内の原料部で加熱され分解気化された成分を良好な成長速度で種子基板上に結晶成長させるためには、成長部において成長部より下方の空間と温度差を大きくとることが望ましい。そのため、成長部と中央部(成長部と原料部の間の内部空間)との温度差を大きくすることにより結晶成長速度の向上が可能であるが、このように局所的に大きな温度差を設けることは、特許文献1に記載の方法では難しい。
また、分解気化された原料成分が窒化物単結晶へと結晶成長する際には、潜熱が発生する。発生した潜熱は、窒化物単結晶から種子基板を介してサセプタへと伝達されることで放散されるが、この熱伝達が速やかでない場合には、窒化物単結晶が安定成長せず、結晶成長速度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、結晶成長部付近において局所的に大きな温度差を設けることが出来、結晶の成長速度を向上させることが可能な窒化物単結晶の製造装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の窒化物単結晶の製造装置は、
上部に開口部を有し、内底部に原料を収納する成長容器と、
該開口部を塞ぐサセプタと、
前記原料に対向するように配置された種子基板と、
前記成長容器の外周に配設された複数の加熱手段と、
を少なくとも備えた窒化物単結晶の製造装置であって、各加熱手段間に熱遮蔽部材が設けられるとともに、前記加熱手段と前記成長容器の成長部との間に熱遮蔽部材が設けられていることを特徴とする。
上記の課題を解決するため、本発明の窒化物単結晶の製造装置は、
前記加熱手段と前記成長容器の成長部との間に前記熱遮蔽材が設けられていることを特徴とする。
本発明の窒化物単結晶の製造装置は、前記熱遮蔽部材はカーボン繊維系断熱材であることが好ましい。
また、本発明の窒化物単結晶の製造装置は、前記加熱手段と前記成長容器の成長部との間に設けられた前記熱遮蔽部材の厚さが5〜100mmであることが好ましい。
さらに、本発明の窒化物単結晶の製造装置は、前記窒化物は窒化アルミニウムであることが好ましい。
また、本発明は、前記窒化物単結晶の製造装置を用いて得られる窒化物単結晶を提供する。
本発明の窒化物単結晶の製造装置は、成長容器の周囲に複数の加熱手段を配設し、各加熱手段間に熱遮蔽部材を設け、さらに、加熱手段と成長容器の成長部との間に熱遮蔽部材を設ける構成とした。これにより、複数の加熱手段からの輻射を防いで成長容器内の温度勾配を制御するとともに、結晶成長させる成長部に配設されたサセプタを、加熱手段からの輻射熱から遮断することにより、サセプタの温度を低下させて、窒化物単結晶成長時に発生する潜熱を速やかにサセプタへと伝達・放散させることが出来る。このため、潜熱による成長部の温度上昇を防ぐことが可能となり、成長容器内の成長部付近において、局所的に大きな温度差を設けることができるため、窒化物単結晶の結晶成長速度を向上させることができる。
また、本発明の窒化物単結晶の製造装置は、熱遮蔽部材としてカーボン繊維系断熱材を用いる構成とすることにより、熱遮蔽部材の遮熱性および耐熱性を高めることができる。これにより、成長容器内部の温度制御をより厳密に行うことができ、成長部付近において局所的に大きな温度差を設けることが可能となり、結晶成長速度を向上させることができる。
さらに、本発明の窒化物単結晶の製造装置は、加熱手段と成長容器の成長部との間に設けられた熱遮蔽部材の厚さを5〜100mmとすることにより、成長部に配設されたサセプタを、加熱手段からの輻射熱から効果的に遮断することが可能となる。これにより、結晶成長で発生する潜熱の拡散速度を向上させ、潜熱による成長部の温度上昇を防ぐことが可能となるため、成長容器内の成長部付近において、局所的に大きな温度差を設けて、窒化物単結晶の結晶成長速度を向上させることができる。
本発明の窒化物単結晶の製造装置の一例を模式的に示した概略構成図である。 従来の窒化物単結晶の製造装置の一例を模式的に示した概略構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。図1は本発明の窒化物単結晶の製装置の一例を示す概略構成図である。図1において、図2で示した従来の装置の要素と同一の要素には同一の符号を付してある。
本発明の窒化物単結晶の製造装置1は、上部に開口部を有する成長容器4と、前記開口部を塞ぐサセプタ3と、成長容器4の外周に配設された複数の加熱手段7a、7b、7cと、各加熱手段7a、7b、7c間および加熱手段7cの上部に設けられた熱遮蔽部材(仕切り熱遮蔽材)11a、11b、11cと、加熱手段7cと成長容器4の成長部Aとの間に設けられた熱遮蔽部材(加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材)12と、を備えて構成されている。支持台2により支持された成長容器4は黒鉛るつぼからなり、成長容器4の内底部には窒化アルミニウム粉末などの原料22が収納されている。
サセプタ3は、黒鉛などからなる板状のもので、成長容器4の開口部上面に載置されている(あるいは単純に嵌めあわせてある)だけであり、成長容器4とサセプタ3により形成される内部空間は、窒素ガスの出入りが容易な準密閉的な構造となっている。また、サセプタ3の下面には原料22と対向するように種子基板23が貼り付けられている。
結晶成長用の種子基板23は、例えば直径2インチの6H−SiC単結晶板または窒化アルミニウム単結晶であり、種子基板23として6H−SiC単結晶板を用いた場合、種子基板23上において窒化アルミニウム単結晶24の被堆積面は(0001)SiC面である。
また、成長容器4本体外周に沿って、成長容器4内部に配された原料22やサセプタ3、種子基板23を加熱する加熱手段7a、7b、7cが設けられている。このような加熱手段7a、7b、7cとしては特に限定されるものではなく、高周波誘導加熱(高周波コイル)または抵抗加熱(ヒータ材はカーボン、タングステンなど)といった、従来公知のものを用いることができる。
加熱手段は、主として原料22が収容されている位置の成長容器4の周囲を取り囲んで設けられた第1の加熱手段7aと、この第1の加熱手段7aの上方であって、種子基板23の位置よりも下側の領域を取り囲んで成長容器4の周囲に設けられた第2の加熱手段7bと、種子基板23の設置位置を取り囲むように成長容器4の周囲に設けられた第3の加熱手段7cとから構成されている。この第3の加熱手段7cは、種子基板23の周囲側からその上方のサセプタ3の下部周囲側の部分までを取り囲むことができる厚み(鉛直方向厚み)に形成されている。そして、加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12は、種子基板23の設置位置より上方に位置してサセプタ3の下部側から上部側までの部分の周囲を取り囲むことができるような厚さ(鉛直方向厚さ)をもって配置されている。この加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12の配置により、加熱手段7cによって成長容器4を介して種子基板23を加熱できると同時に、加熱手段7cによるサセプタ3の不要な加熱を抑制できるようになっている。
また、加熱手段7aと加熱手段7bとの間には、仕切り熱遮蔽部材11aが成長容器4の周囲を取り囲むように配置され、加熱手段7bと加熱手段7cとの間には、仕切り熱遮蔽部材11bが成長容器4の周囲を取り囲むように配置され、加熱手段7cの上方には、仕切り熱遮蔽部材11cがサセプタ3と加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12の設定位置よりも上方に位置するようにして成長容器4を取り囲むように設けられている。また、仕切り熱遮蔽部材11cの中央部は、サセプタ3の通過が可能なように中空構造となっている。
仕切り熱遮蔽部材11a、11b、11cおよび加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12としては特に限定されるものではなく、断熱材として従来公知の材料を用いることができるが、遮熱性および耐熱性の観点からカーボン繊維系断熱材が好ましく、例えば、カーボンフェルトや成型断熱材などを挙げることができる。仕切り熱遮蔽部材11a、11b、11cおよび加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12としてカーボン繊維系断熱材を用いることにより、該熱遮蔽材の遮熱性および耐熱性を高めることできる。これにより、加熱手段7cからの輻射を防いで、サセプタ3への加熱手段7cからの必要以上の熱伝達を防止し、成長容器4内部の温度制御をより厳密にすることが可能となり、成長部A付近において中央部Bと局所的に大きな温度差を設けて、結晶成長速度を向上させることができる。
加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12は、加熱手段7cと成長容器4の成長部Aとの間に設けられており、加熱手段7cと成長容器4の成長部Aに配されたサセプタ3との間に設けられることがより好ましい。サセプタ3の近傍に加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12を設けることにより、結晶成長させる成長部Aに配設されたサセプタ3を、加熱手段7cからの輻射熱から遮断し、サセプタ3の温度を低下させて、窒化物単結晶成長時に発生する潜熱を速やかにサセプタ3へと伝達・放散させることが出来る。これにより、潜熱による成長部Aの温度上昇を防ぐことが可能となり、成長容器4内の成長部A付近において、局所的に大きな温度差を設けることができるため、窒化物単結晶24の結晶成長速度を向上させることができる。また、加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12の水平方向の厚さは、遮熱性、耐久性および取り扱い性の観点から5〜100mmの範囲とすることが好ましく、10〜50mmの範囲とすることがより好ましい。このような範囲の水平方向の厚さとすることにより、成長部Aに配設されたサセプタ3を、加熱手段7cからの輻射熱から効果的に遮断することができる。加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12の水平方向の厚さが5mm未満の場合は、熱遮蔽効果が乏しいだけでなく、耐衝撃性も低下して取り扱いが困難になるため好ましくない。また、加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12の水平方向の厚さが100mmを超える場合は、加熱手段7cと成長容器4と距離を100mmよりも大きくしなければならなくなり、成長容器4内を窒化物単結晶の作製に必要な温度に設定するためには、過剰な大きさの加熱手段7cを使用しなければならなくなるため実用的ではない。さらに、熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12の鉛直方向の厚さは、種子基板23の設置位置より上方に位置してサセプタ3の下部側から上部側までの部分の周囲を取り囲むことができるような厚さとすることが好ましい。このような水平方向および鉛直方向の厚さの加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12とすることにより、加熱手段7cによって成長容器4を介して種子基板23を加熱できると同時に、加熱手段7cによるサセプタ3の不要な加熱を抑制できる。
成長容器4、加熱手段7a、7b、7c、仕切り熱遮蔽部材11a、11b、11cおよび加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12は、チャンバー8によって包囲されている。チャンバー8の天井部には、窒素ガスなどのガス供給装置に接続されたガス導入部5が形成され、更に、圧力調整弁6を介して真空ポンプなどの減圧装置が接続されて、チャンバー8および成長容器4とサセプタ3とで形成された内部空間を所定のガス圧に調整できるようになっている。ここで、サセプタ3は成長容器4の開口部上部に載置または嵌め合わせられている状態であり、窒素ガスの出入りが容易な準密閉的な構造となっている。ガス導入部5から窒素ガスなどのプロセスガスを導入することにより、成長容器4とサセプタ3で形成された内部空間内に窒素ガスなどが流入可能となっている。
また、チャンバー8の内壁全体には、熱遮蔽部材13が設けられている。この熱遮蔽部材13としては、特に限定されるものではなく、断熱材として従来公知の材料を用いることができ、前述した仕切り熱遮蔽部材11a、11b、11cおよび加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12と同じものを挙げることができる。すなわち、熱遮蔽部材13と仕切り熱遮蔽部材11aとに囲まれて原料部Cは、他の部分からの輻射熱を受けにくくなっているとともに、熱遮蔽部材13と仕切り熱遮蔽部材11a、11bとに囲まれて、中央部Bは他の部分からの輻射熱を受けにくくされている。また、成長部Aにおいては、窒化物単結晶24とその上部のサセプタ3の部分が、仕切り熱遮蔽部材11b、11c、加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12により囲まれて他の部分からの輻射熱を受けにくいとともに、加熱手段7cの熱は成長容器4を介して窒化物単結晶24には伝わりやすく、加熱手段7cの熱は加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12で遮ることでサセプタ3には伝わりにくくなっている。さらに、チャンバー8の外部には、複数の放射温度計9が配設されており、チャンバー8に設けられた窓を介して成長容器4の外壁温度を測定することにより、成長容器4の原料部C、中央部Bおよび成長部Aの温度を測定することができる。
次に、本発明の窒化物単結晶の製造装置1を用いた窒化物単結晶24の製造方法について説明する。
まず、成長容器4に設けられている図示略の搬入口を開けて、窒化アルミニウム粉末などの原料22を成長容器4の内底部にセットし、種子基板23をサセプタ3に配した後、搬入口を閉じて成長容器4とサセプタ3とで形成された内部空間を準密閉状態とする。
次いで成長容器4内およびチャンバー8内を圧力調整弁6により真空排気した後、ガス導入部5により窒素ガスなどのプロセスガスを成長容器4内に導入して、圧力を調整する。ここでの圧力は1〜1000Torr、より好ましくは10〜500Torrに設定することができる。
そして原料22が配された成長容器4内の原料部Cの温度、および成長部Aと原料部Cの間の空間である中央部Bの温度が、種子基板23が配された成長部Aの温度よりも高温となるように、加熱手段7a、7b、7cを用いて成長容器4内の原料部C、中央部Bおよび成長部Aを加熱する。ここで、原料部Cの温度は1750〜2450℃、より好ましくは1800〜2400℃に設定することができ、中央部Bの温度は1750〜2500℃、より好ましくは1800〜2450℃に設定することができ、成長部Aの温度は1700〜2400℃、より好ましくは1750〜2350℃に設定することができる。さらに、成長容器4内の中央部Bと成長部Aの温度差は、10〜300℃の範囲とすることが好ましく、50〜250℃の範囲とすることがより好ましい。中央部Bと成長部Aの温度差を前記範囲とすることにより、成長部Aにおいて急激に温度が低下するため、原料部Cで加熱され分解気化された成分を良好な成長速度で種子基板上に結晶成長させることが可能となる。
成長容器4内の原料部C、中央部Bおよび成長部Aの温度制御は、成長容器4本体外周に沿って、原料部C、中央部B、成長部Aの3ゾーンをそれぞれ独立制御で加熱することのできる加熱手段7a、7b、7cを少なくとも3つ設置し、成長容器2の各ゾーンの外壁の温度を放射温度計9で測定しながら各加熱手段7a、7b、7cの出力を調整することにより行うことができる。
また、加熱中は、チャンバー8上部の圧力調整弁6から成長容器4内およびチャンバー8内の窒素ガスなどを排気しつつ、ガス導入部5から窒素ガスなどを成長容器4内およびチャンバー8内に供給することにより、成長容器2内およびチャンバー8内の窒素ガスなどのガス圧力、および流量を適切に調整する。
加熱で昇華させて分解気化された原料22は、窒素ガス雰囲気下で種子基板23上に結晶成長することで、種子基板23上に窒化物単結晶24となり成長する。
本発明の窒化物単結晶の製造装置は、各加熱手段間に熱遮蔽部材を設け、さらに、加熱手段と成長容器の成長部との間に熱遮蔽部材を設けたことにより、複数の加熱手段からの輻射を防いで成長容器内の温度勾配を制御するとともに、結晶成長させる成長部に配設されたサセプタを、加熱手段からの輻射熱から遮断することにより、サセプタの温度を低下させて、窒化物単結晶成長時に発生する潜熱を速やかにサセプタへと伝達・放散させることが出来る。このため、潜熱による成長部の温度上昇を防ぎ、成長容器内の成長部付近において、局所的に大きな温度差を設けることが可能となり、窒化物単結晶の結晶成長速度を向上させることができる。
また、本発明の窒化物単結晶の製造装置は、熱遮蔽部材としてカーボン繊維系断熱材を用いる構成とすることにより、熱遮蔽部材の遮熱性および耐熱性を高めることできる。これにより、成長容器内部の温度制御をより厳密に行うことができ、成長部付近において局所的に大きな温度差を設けることが可能となり、結晶成長速度を向上させることができる。
さらに、本発明の窒化物単結晶の製造装置は、加熱手段と成長容器の成長部との間に設けられた熱遮蔽部材の厚さを5〜100mmとすることにより、成長部に配設されたサセプタを、加熱手段からの輻射熱から効果的に遮断することが可能となる。これにより、結晶成長で発生する潜熱の拡散速度を向上させ、潜熱による成長部の温度上昇を防ぐことが可能となるため、成長容器内の成長部付近において、局所的に大きな温度差を設けて、窒化物単結晶の結晶成長速度を向上させることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4および比較例1、2)
図1に示す製造装置を用いて、窒化アルミニウム単結晶を製造した。
種子基板23として、直径2インチの6H−SiC(0001)を用い、熱遮蔽部材13および仕切り熱遮蔽部材11としてカーボンフェルト成型断熱材FGL−203(日本カーボン社製)を用い、加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材12として表1に記載の水平方向の厚さのカーボンフェルト成型断熱材FGL−203(日本カーボン社製)を用いて、窒化アルミニウム単結晶を作製した。得られた窒化アルミニウム単結晶の単結晶成長厚さ、および成長速度を表1に併記した。なお、結晶成長条件は、次の通りである。
成長容器内圧力:30Torr、窒素ガス流量:500sccm、原料部温度:1950℃、中央部温度:2100℃、成長部温度:1900℃、結晶成長時間:30時間。
Figure 2011026161
表1の結果より、本発明に係る実施例1〜4では、加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材の水平方向の厚さを5〜100mmの範囲とすることにより、比較例1および2と比較して、AlN単結晶成長速度が向上した。一方、加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材の水平方向の厚さが2mmである比較例2では、AlN単結晶成長速度およびAlN単結晶成長長さが、加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材を設けない比較例1と同等の結果となった。この結果より、加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材の水平方向の厚さが2mmの場合には、熱遮蔽効果が乏しく、サセプタへの加熱手段から輻射熱を遮断できていないことが明らかである。また、水平方向の厚さが2mmの加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材は強度が低く、慎重に取り扱わなければ容易に壊れてしまった。
1…窒化物単結晶の製造装置、2…支持台、3…サセプタ、4…成長容器、5…ガス導入部、6…圧力調整弁、7、7a、7b、7c…加熱手段、8…チャンバー、9…放射温度計、11a、11b、11c…仕切り熱遮蔽部材、12…加熱手段−成長容器間熱遮蔽部材、13…熱遮蔽部材、22…原料、23…種子基板、24…窒化物単結晶。

Claims (5)

  1. 上部に開口部を有し、内底部に原料を収納する成長容器と、
    該開口部を塞ぐサセプタと、
    前記原料に対向するように配置された種子基板と、
    前記成長容器の外周に配設された複数の加熱手段と、
    を少なくとも備えた窒化物単結晶の製造装置であって、各加熱手段間に熱遮蔽部材が設けられるとともに、前記加熱手段と前記成長容器の成長部との間に熱遮蔽部材が設けられていることを特徴とする窒化物単結晶の製造装置。
  2. 前記熱遮蔽部材はカーボン繊維系断熱材であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物単結晶の製造装置。
  3. 前記加熱手段と前記成長容器の成長部との間に設けられた前記熱遮蔽部材の厚さが5〜100mmであることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の窒化物単結晶の製造装置。
  4. 前記窒化物は窒化アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒化物単結晶の製造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造装置を用いて得られる窒化物単結晶。
JP2009172339A 2009-07-23 2009-07-23 窒化物単結晶の製造装置 Expired - Fee Related JP5317117B2 (ja)

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