以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について添付の図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全体にわたって類似の部分に対しては同一の図面符号を付した。
本明細書において、ある構成が他の構成を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、それ以外の他の構成を除くものではなく、他の構成をさらに含むこともできることを意味する。
本明細書において、ある構成が他の構成と「連結」されているとするとき、これは、「直接的に連結」されている場合のみならず、「それらの間に他の構成を介在して連結」されている場合も含む。
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上に直接当接してBが位置するか、またはそれらの間に別の層が位置しながらA上にBが位置することを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限定されて解釈されない。
本明細書において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合又は組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
本明細書において、「A及び/又はB」の記載は、「A、B、又は、A及びB」を意味する。
本明細書において、「第1」、「第2」又は「A」、「B」のような用語は、特に説明がない限り、同一の用語を互いに区別するために使用される。
本明細書において、単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上解釈される単数又は複数を含む意味で解釈される。
インゴットの成長にいくつかの黒鉛含有物品が適用され、これらの電磁気的特性は成長したインゴットに大きな影響を及ぼすが、同じ形状や重量を有する物品であっても互いに異なる電磁気的特性を有する場合が多いので、インゴット成長の再現性の確保に障害となっている。
インゴット成長容器及び/又は断熱材を例示として説明する。誘導加熱方式を適用してインゴット成長容器内でインゴットを成長させる際に、インゴット成長容器及び/又はこれを取り囲む断熱材の重量、密度、熱伝導度、電気抵抗などの特性がインゴットの成長にかなりの影響を与え得る。
複数個のインゴット成長容器において、それぞれのインゴット成長容器毎にその特性に差があるが、比較的容易に測定可能な重量だけでなく、熱伝導度、電気抵抗特性などにも差があり、このような差は、これを活用して成長させるインゴットの成長速度や品質に影響を及ぼし得る。インゴット成長容器自体の熱伝導度、電気抵抗などの特性は、インゴット成長容器に誘導加熱を直接に行えば確認できるが、誘導加熱を行うのに相対的に長い時間がかかり、インゴット成長容器全体の加熱及び冷却過程を経なければならないので、測定の効率性が低下する。
また、それぞれの断熱材にその特性の差があるが、比較的容易に測定可能な重量だけでなく、熱伝導度、電気抵抗特性などにも差があり、このような差は、インゴットの成長時の速度や品質に影響を及ぼし得る。断熱材のそれぞれの熱伝導度、電気抵抗などは、誘導加熱を行えば確認できるが、誘導加熱を行うのに相対的に長い時間がかかり、断熱材及び/又はインゴット成長容器の加熱及び冷却過程を経なければならないので、測定の効率性が低下し、誘導加熱過程で断熱材の性能に変化が発生することもある。
発明者らは、インゴット成長容器の電磁気的物性を事前に比較的簡単な方法で把握して、インゴットの成長時に十分な再現性を確保できるように開発された、インゴット成長容器の測定装置及びインゴット成長容器の測定方法を提示する。また、発明者らは、インゴット成長容器の断熱材の電磁気的物性を事前に比較的簡単な方法で把握して、インゴットの成長時に十分な再現性を確保できる、断熱材の測定装置及び断熱材の測定方法を提示する。
測定装置
一実施例に係る測定装置は、巻き取られた導線を含むコイル部;及び前記コイル部と電気的に接続された計測手段;を含み、前記計測手段は、前記コイル部に測定用電源を印加して黒鉛含有物品の電磁気的物性を測定する。前記電磁気的物性は、誘導加熱特性と関連する物性である。
図1及び図2は、一実施例に係るインゴット成長容器の測定装置の一例を示した概念図であり、図3は、実験例において、インゴット成長容器の誘導加熱時のインゴット成長容器の直流電流値と、扁平渦巻き状のコイルに誘導された電磁気的物性値との関係を示したグラフである。図4は、実験例において、インゴット成長容器の誘導加熱時のインゴット成長容器の直流電流値と、空芯コイルに誘導された電磁気的物性値との関係を示したグラフであり、図5及び図6は、一実施例に係るインゴット成長容器の測定装置のコイル部の一例、及びその断面を示した概念図である。
以下で、黒鉛含有物品としてインゴット成長容器を例示として、前記図面を参照して、具現例をより詳細に説明する。
一実施例に係るインゴット成長容器の測定装置100a,100bは、巻き取られた導線を含むコイル部10;及び前記コイル部と電気的に接続された計測手段300;を含み、前記計測手段は、前記コイル部に測定用電源を印加してインゴット成長容器200の電磁気的物性を測定する。
前記電磁気的物性は、前記インゴット成長容器200によって前記コイル部10に発生する誘導起電力の変化量と関連する要素であってもよい。誘導起電力は、磁束の変化により発生する起電力であって、前記コイル部に印加される測定用電源が交流電源である場合、発生する交番磁場によって前記インゴット成長容器に誘導電流が形成され、これにより、コイル部に誘導起電力が加えられ得る。
前記電磁気的物性はまた、前記インゴット成長容器200の抵抗と関連する要素であってもよい。
前記電磁気的物性は、前記計測手段300を介して、特定の周波数及び電圧を有する測定用交流電源が、インゴット成長容器200が内部に収容されたコイル部10に印加されるときに、誘導されるものであってもよい。前記測定用交流電源の周波数は1mHz~200kHzであってもよく、または10Hz~100kHzであってもよい。前記測定用交流電源の電圧は5mV~5Vであってもよく、または10mV~5Vであってもよい。前記周波数及び電圧の範囲で、前記コイル部に目的とする電磁気的物性が現れるように効果的に誘導することができる。
前記電磁気的物性は、一定の周波数及び電圧の電源が加えられる誘導加熱手段を介して前記インゴット成長容器を加熱する際に、インゴット成長容器の直流電流値又はこれと関連する要素との決定係数R2が0.9以上であってもよく、または前記決定係数は0.95以上であってもよい。前記決定係数は0.9999以下であってもよく、または0.999以下であってもよい。また、前記電磁気的物性は、前記直流電流値と線形的関係であってもよい。前記電磁気的物性が前記直流電流値との決定係数が0.9以上である線形的関係を有すると、インゴットの成長時にインゴット成長容器に流れる直流電流値が類似の値を有するようにインゴット成長容器を選別することができる。また、前記インゴット成長容器の他の物性(重量など)を考慮して、前記インゴット成長容器を介してインゴットの成長時にインゴットの成長率の傾向を予測することができ、インゴット成長の再現性を確保することができる。
前記電磁気的物性は、具体的には、等価直列抵抗(equivalent serial resistance)、等価直列インダクタンス(equivalent serial inductance)及びQ因子(quality factor)からなる群から選択された1種以上であってもよい。通常、前記等価直列抵抗又は等価直列インダクタンスは、キャパシタ又はインダクタが含まれた回路の特性の測定時に使用される因子であるが、具現例では、インゴット成長容器が収容されたコイル部の電磁気的物性を測定するために前記因子を適用し、これを通じて、前記インゴット成長容器の電磁気的物性を測定しようとした。
前記コイル部10は、外側に引き出された引出線12a,12bを含むことができ、それぞれの引出線は、前記計測手段300と電気的に接続され得る。前記引出線は、導線が巻き取られる際に導線の両端に該当するものであってもよい。
前記コイル部10は、内側に位置する収容空間13を含むことができる。前記収容空間の長さ(幅)は100mm以上であってもよく、300mm以下であってもよいが、前記インゴット成長容器が収容されるようにし、誘導起電力を加えることができる長さであれば、これに制限するものではない。前記コイル部の導線が円形に巻き取られる際、前記収容空間13は、前記インゴット成長容器の底面又は上面と対応する形状であってもよく、円形であってもよい。
前記コイル部10は、コイル部の内部が前記インゴット成長容器200に向かうように配置することができ、前記コイル部に測定用交流電源を印加する際に前記インゴット成長容器に電流が誘導され得る距離に配置することができる。具体的には、前記コイル部の内部の空いている収容空間13にインゴット成長容器が収容されるように配置され得、図5及び図6に示したように、前記コイル部とインゴット成長容器とが所定間隔離隔した状態であってもよい。すなわち、前記インゴット成長容器は、前記コイル部に印加された測定用交流電源により誘導される誘導起電力が及ぼす範囲内に配置され得、誘導加熱手段を介して前記インゴット成長容器を加熱する際にインゴット成長容器に流れる直流電流値又はこれと関連する要素と前記電磁気的物性が、決定係数が0.9以上の関係を満たすように配置され得る。
前記コイル部10は、図5に示すように、その断面AA'が、前記インゴット成長容器200の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さTx、及び前記インゴット成長容器の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さTzを有することができる。このとき、前記コイル部は、前記x方向の最大厚さが、前記z方向の厚さと同一又は大きい扁平渦巻き状であってもよい。
前記コイル部10のx方向の厚さTxは、前記コイル部内に収容されたインゴット成長容器の外側にインゴット成長容器の横断面と平行に発散する方向であってもよい。
前記コイル部10が前記扁平渦巻き状であるとき、x方向の厚さTxは、前記z方向の厚さTzに対して8倍以上であってもよく、または10倍以上であってもよい。前記x方向の厚さは、前記z方向の厚さに対して45倍以下であってもよく、または40倍以下であってもよい。また、前記コイル部の導線の巻き取り回数は、最初の巻き取り導線11を含め5回以上であってもよく、45回以下であってもよい。前記x及びz方向の厚さ及び巻き取り回数を満たす範囲で、導線の浪費及び前記決定係数の低下を防止することができ、さらに信頼性のある電磁気的物性の測定結果を得ることができる。
前記コイル部10が前記扁平渦巻き状であるとき、前記コイル部の内周面は、前記インゴット成長容器200の側面210と接してもよく、または前記側面と所定の間隔を有してもよい。前記コイル部の巻き取られた導線の形状は、前記インゴット成長容器の側面の形状と実質的に同一であってもよい。
前記コイル部10が前記扁平渦巻き状であるとき、一層の扁平渦巻きが設けられ、その高さは前記導線の厚さと同一であってもよい。前記一層の扁平渦巻きは、最初の1回の巻き取り導線11の外周面に沿って連続的に後続の導線が巻き取られて設けられ得、最初の1回の巻き取り導線と後続の巻き取り導線とは同一平面上に位置することができる。同一平面上に前記導線が一層で巻き取られて扁平渦巻きが設けられるとしても、一部で高さのばらつきが発生することがある。
前記コイル部10が前記扁平渦巻き状であるとき、前記一層の扁平渦巻き上に連続的に、導線が巻き取られた扁平渦巻きが積層されてもよく、扁平渦巻き状ではない不規則的に巻き取られたコイルが積層されてもよい。
前記コイル部10が前記扁平渦巻き状であるとき、その中心の横断面は、前記インゴット成長容器200の横断面と平行に配置され得る。このとき、前記コイル部の中心は、前記インゴット成長容器の最上部又は最下部に配置されてもよいが、前記コイル部に電磁気的物性が誘導される位置であれば、これに制限するものではない。
また、前記コイル部は、図6に示すように、その断面BB'が、前記インゴット成長容器200の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さTxと、前記インゴット成長容器の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さTzとを有することができる。このとき、前記z方向の厚さが前記x方向の厚さよりも大きい空芯コイル状であってもよい。
前記コイル部10が前記空芯コイル状であるとき、前記コイル部の内周面がインゴット成長容器200の側面210に接するように配置されてもよく、または前記インゴット成長容器と所定の間隔を置いてコイル部の内部に収容されるように配置されてもよい。
前記コイル部10が前記空芯コイル状であるとき、コイル部の内周面の形状が前記インゴット成長容器の側面210の形状と対応するようにすることができる。
前記コイル部10が前記空芯コイル状であるとき、前記x方向の厚さTxは、コイル部の内部に収容されたインゴット成長容器の外側にインゴット成長容器の横断面と平行に発散する方向であってもよい。
前記コイル部10が前記空芯コイル状であるとき、前記z方向の厚さTzは、前記x方向の厚さTxに対して5倍以上であってもよく、または10倍以上であってもよい。前記z方向の厚さは、前記x方向の厚さに対して50倍以下であってもよく、または40倍以下であってもよい。また、前記コイル部の導線の巻き取り回数は、10回以上であってもよく、12回以上であってもよく、または15回以上であってもよい。前記導線の巻き取り回数は、50回以下であってもよく、45回以下であってもよく、または40回以下であってもよい。前記厚さ及び巻き取り回数の範囲を有するコイル部を介して、前記電磁気的物性の測定の信頼度を高め、導線の浪費を最小化し、前記決定係数値が0.9以上になるようにすることができる。
前記コイル部10の導線は、50本以上2000本以下の素線を撚り合わせて形成された線を被覆して設けられてもよく、前記素線もまた被覆されたものであってもよい。具体的には、前記導線はリッツ線(litz wire)であってもよい。前記素線の直径は0.05mm以上であってもよく、または0.08mm以上であってもよい。前記素線の直径は0.2mm以下であってもよく、または0.125mm以下であってもよい。前記本数及び直径の範囲で、導線の加工過程が簡素化され得、表皮効果によるエネルギー損失を最小化することができる。
前記導線の直径は、前記インゴット成長容器の周、前記素線の直径及び本数に応じて変わり得る。
前記インゴット成長容器200は、一定の横断面を有する筒状であり得、一定の外径Doを有する形状であり得、外径Doと内径を有し、内部空間を含み、上部が開放された形状であり得る。
前記インゴット成長容器200の側面は周長を有することができ、前記周長(mm)と前記コイル部10の導線の断面積(mm2)との比率は100:1.57~161であってもよく、100:2.35~121であってもよい。前記コイル部の導線の断面積とは、図5及び図6に示したように、前記コイル部をなす導線のそれぞれの断面積から被覆部を除いた導線部の和を意味し、前記コイル部の中心から外部に向かうある一面の領域において前記導線のそれぞれの断面積の和であってもよい。また、前記インゴット成長容器の側面の周長(mm)と前記導線の厚さ(mm)との比率は100:0.194~1.09であってもよく、または100:0.291~0.82であってもよい。前記比率の範囲で、目的とするインゴット成長容器の電磁気的物性が容易に測定されるようにすることができ、測定された電磁気的物性が、前記直流電流値との決定係数(R2)が0.9以上である線形的関係をなすようにすることができる。
前記インゴット成長容器200は、インゴット成長用黒鉛坩堝であってもよく、または炭化珪素インゴット成長用黒鉛坩堝であってもよい。
前記計測手段300は、内部にインゴット成長容器が収容された前記コイル部に、既述した周波数及び電圧の交流電源を印加することができ、前記交流電源を印加する際に誘導される等価直列抵抗、等価直列インダクタンス、Q因子などを測定することができる。前記計測手段は、具体的にLCRメータであってもよい。
図7は、具現例によるコイル部、断熱材及びインゴット成長容器の配置を示した斜視図であり、図8は、図7のコイル部の断面BB'を拡大した部分拡大図である。図9は、具現例による断熱材の測定装置を示した斜視図であり、図10は、実施例及び比較例で測定した断熱材の等価直列抵抗値と、断熱材の重量との関係を示したグラフであり、図11は、実施例及び比較例の断熱材を介して炭化珪素インゴットを成長させる際の平均成長率を示したグラフである。
以下で、黒鉛含有物品として断熱材を例示として、前記図面を参照して、具現例をより詳細に説明する。
一実施例に係る断熱材の測定装置は、巻き取られた導線を含むコイル部10;及び前記コイル部と電気的に接続された計測手段300;を含み、前記計測手段は、前記コイル部に測定用電源を印加して断熱材400の電磁気的物性を測定する。
前記電磁気的物性は、前記断熱材によって前記コイル部10に発生する誘導起電力の変化量と関連する要素であってもよい。誘導起電力は、磁束の変化により発生する起電力であって、前記コイル部に印加される測定用電源が交流電源である場合、発生する交番磁場によって前記断熱材に誘導電流が形成され、これにより、コイル部に誘導起電力が加えられ得る。
前記電磁気的物性はまた、前記断熱材400の抵抗に比例する要素であってもよい。
前記電磁気的物性は、前記計測手段300を介して、特定の周波数及び電圧を有する測定用交流電源がコイル部10に印加されるときに、誘導されるものであってもよい。
このとき、前記断熱材400は、前記コイル部の外側に位置することができる。前記コイル部は、支持体の外面に位置することができ、例示的に前記支持体は被断熱体200であってもよい。前記支持体として被断熱体が適用された断熱材の測定装置を適用する場合、実際に被断熱体と共に配置されたときの断熱材の電磁気的特性をより容易に確認することができる。
前記測定用交流電源の周波数は1mHz~200kHzであってもよく、または10Hz~100kHzであってもよい。前記測定用交流電源の電圧は5mV~5Vであってもよく、または10mV~5Vであってもよい。前記周波数及び電圧の範囲で、前記コイル部に目的とする電磁気的物性が現れるように効果的に誘導することができる。
前記電磁気的物性は、具体的には、等価直列抵抗(equivalent serial resistance)、等価直列インダクタンス(equivalent serial inductance)及びQ因子(quality factor)から選択された1つ以上であってもよい。通常、前記等価直列抵抗又は等価直列インダクタンスは、キャパシタ又はインダクタが含まれた回路の特性の測定時に使用される因子であるが、具現例では、断熱材400に隣接して配置されたコイル部の電磁気的物性を測定するために前記因子を適用し、これを通じて、前記断熱材の電磁気的物性をより迅速かつ有意に確認する。
前記コイル部10は、外側に引き出された引出線12a,12bを含むことができ、それぞれの引出線は、前記計測手段300と電気的に接続され得る。前記引出線は、導線が巻き取られる際に導線の両端に該当するものであってもよい。
前記コイル部10は、内側に位置する収容空間13を含むことができる。前記収容空間の長さ(幅)は100mm以上であってもよく、300mm以下であってもよいが、前記被断熱体200が対応するようにし、誘導起電力を加えることができる長さであれば、これに制限するものではない。前記コイル部の導線が収容空間の断面が円形になるように巻き取られてもよく、前記収容空間13は、前記被断熱体を収容できる大きさを有する円柱状であってもよい。
前記コイル部10は、外側に位置する配置空間(図示せず)を含むことができる。前記配置空間は、前記断熱材が位置する空間である。前記配置空間は、一定の形状に成形された断熱材が配置され得、誘導起電力が及ぼす範囲であれば、その大きさや形状に制限はない。前記断熱材がインゴット成長用に適用される場合、前記断熱材は、被断熱体である坩堝の本体を囲む形状を有することができ、例示的に円柱形状を有することができる。前記コイル部の導線が円形に巻き取られる際、前記配置空間は、前記コイル部の外側面又は前記断熱材の内側面と対応する形状であってもよく、例示的に円柱状であってもよい。
前記コイル部10は、コイル部が前記断熱材400の一面と並んで位置するように配置され得る。例示的に、前記コイル部は、断熱材の側面とコイル部が並んで位置することができ、断熱材の底面又は上面とコイル部が並んで位置することができる。
前記コイル部10は、測定用交流電源を印加する際に前記断熱材に電流が誘導され得る距離に配置され得る。具体的には、前記コイル部の内部の空いている収容空間13に被断熱体200が位置し、前記コイル部の外部に所定の間隔を置いて前記断熱材が位置するようにすることができる。すなわち、前記断熱材は、前記コイル部に印加された測定用交流電源により誘導される誘導起電力が及ぼす範囲内に配置され得る。
前記コイル部10は、図7及び図8に示したように、その断面BB'が、前記断熱材400の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さTx、及び前記断熱材の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さTzを有することができる。このとき、前記z方向の厚さが前記x方向の厚さよりも大きい空芯コイル状であってもよい。
前記コイル部10は、内周面13が前記被断熱体200の側面に接するように配置されてもよく、または前記被断熱体と断熱材400との間の間隔に配置されてもよい。
前記コイル部10の内周面13の形状は、前記被断熱体200の側面の形状と対応する形状であってもよい。
前記コイル部10のx方向の厚さTxは、前記断熱材400の外側に横断面と平行に発散する方向であってもよい。
前記コイル部10のz方向の厚さTzは、前記x方向の厚さTxに対して5倍以上であってもよく、または10倍以上であってもよい。前記z方向の厚さは、前記x方向の厚さに対して50倍以下であってもよく、または40倍以下であってもよい。また、前記コイル部の導線の巻き取り回数は、10回以上であってもよく、12回以上であってもよく、または15回以上であってもよい。前記導線の巻き取り回数は、50回以下であってもよく、45回以下であってもよく、または40回以下であってもよい。前記厚さ及び巻き取り回数の範囲を有するコイル部を介して、前記電磁気的物性の測定の信頼度を高め、導線の浪費を最小化するようにする。
前記コイル部10の導線は、50本以上2000本以下の素線を撚り合わせて形成された線を被覆して設けられてもよく、前記素線もまた被覆されたものであってもよい。具体的には、前記導線は、リッツ線(litz wire)であってもよい。前記素線の直径は0.05mm以上であってもよく、または0.08mm以上であってもよい。前記素線の直径は0.2mm以下であってもよく、または0.125mm以下であってもよい。前記本数及び直径の範囲で、導線の加工過程が簡素化され得、表皮効果によるエネルギー損失を最小化することができる。
前記導線の直径は、前記被断熱体200及び断熱材400の周、前記素線の直径及び本数に応じて変わり得る。
前記被断熱体200は、一定の横断面を有する筒状であり得、一定の外径Doを有する形状であり得、外径及び内径を有し、内部空間を含み、上部が開放された形状であり得る。
前記断熱材400は、一定の横断面を有する筒状であり得、一定の内径D1を有する形状であり得、外径及び内径を有し、内部空間を含み、上部及び下部が開放された形状であり得る。前記断熱材の内部空間に前記被断熱体200が配置され得、前記断熱材と被断熱体との間に所定の間隔を有することができる。
前記被断熱体200は、例示的に、外部の加熱手段により加熱できる被加熱体であってもよく、または誘導加熱手段により加熱できるインゴット成長容器であってもよい。前記被断熱体は、インゴット成長用黒鉛坩堝であってもよく、または炭化珪素インゴット成長用黒鉛坩堝であってもよい。
前記断熱材400は炭素系フェルトを含むことができ、具体的に黒鉛フェルトを含むことができ、レーヨン系黒鉛フェルトまたはピッチ系黒鉛フェルトを含むことができる。
前記断熱材400は、炭化珪素インゴットの成長のためのインゴット成長装置に適用することができる。具体的には、内部空間を有するインゴット成長容器200と;前記インゴット成長容器の外面に配置されて前記インゴット成長容器を取り囲む断熱材400と;前記インゴット成長容器の温度を調節する加熱手段と;前記断熱材で取り囲まれたインゴット成長容器を内部に含む反応チャンバと;前記反応チャンバの内部と連結され、反応チャンバの内部の真空度を調節する真空排気装置と;前記反応チャンバの内部と連結され、反応チャンバの内部に気体を流入させる配管と;前記気体の流入を制御するマスフローコントローラと;を含むインゴット成長装置に適用することができる。
前記計測手段300は、内部に被断熱体200、外部に断熱材400が位置するコイル部に、既述した周波数及び電圧の交流電源を印加することができ、前記交流電源を印加する際に誘導される等価直列抵抗、等価直列インダクタンス、Q因子などを測定することができる。前記計測手段は、具体的にLCRメータであってもよい。
前記計測手段300を介して測定される前記断熱材の電磁気的物性値を活用して、重量などの他の計測手段と共に又は別途に、類似の電磁気的物性を有する断熱材を選別するようにし、これをインゴット成長容器の断熱材として適用することで、インゴット成長時の再現性を確保することができる。
具体的には、断熱材の測定装置は、断熱材の電磁気的物性を間接的に測定する装置であって、巻き取られた導線を含むコイル部;及び前記コイル部と電気的に接続されたLCRメータである計測手段;を含み、前記コイル部は、外側に引き出された引出線を含み、前記引出線は前記LCRメータと接続され、前記断熱材は、前記コイル部を取り囲んで配置され、前記計測手段は、前記コイル部に交流電源である測定用電源を印加して断熱材によって誘導される電磁気的物性を測定し、前記電磁気的物性は、前記コイル部での等価直列抵抗、前記コイル部での等価直列インダクタンス、及び前記コイル部でのQ因子から選択された1つ以上であり、前記コイル部の断面は、前記断熱材の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さ、及び前記断熱材の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さを有し、前記コイル部は、前記z方向の厚さが前記x方向の厚さよりも大きい空芯コイル状であってもよい。
前記電磁気的物性は、前記断熱材の抵抗に比例することができる。
前記コイル部の前記z方向の厚さは、前記x方向の厚さに対して5倍以上40倍以下であり、前記コイル部の導線の巻き取り回数は10回以上50回以下であってもよい。
測定方法
一実施例に係る測定方法は、巻き取られた導線を含むコイル部に黒鉛含有物品を配置する配置ステップと;前記コイル部と電気的に接続された計測手段を介して前記コイル部に測定用電源を印加し、前記コイル部に誘導される電磁気的物性を測定する測定ステップと;を含んで黒鉛含有物品の誘導加熱特性と関連する物性を測定する。
測定方法の例示として、インゴット成長容器の測定方法及び断熱材の測定方法をそれぞれ説明する。
一実施例に係るインゴット成長容器の測定方法は、巻き取られた導線を含むコイル部にインゴット成長容器を配置する配置ステップと;前記コイル部と電気的に接続された計測手段を介して前記コイル部に測定用電源を印加し、前記コイル部に誘導される電磁気的物性を測定する測定ステップと;を含む。
前記配置ステップは、前記コイル部に被測定物であるインゴット成長容器を配置するステップである。
前記配置ステップは、前記コイル部の内部が前記インゴット成長容器に向かうように配置することができ、前記コイル部に測定用交流電源を印加する際に前記インゴット成長容器に電流が誘導され得る距離に配置することができる。具体的には、前記コイル部の内部の空いている収容空間にインゴット成長容器が収容されるように配置することができ、図5及び図6に示したように、前記コイル部とインゴット成長容器とが所定間隔離隔するように配置することができる。すなわち、前記インゴット成長容器は、前記コイル部に印加される測定用交流電源により誘導される誘導起電力が及ぼす範囲内に配置され得、誘導加熱手段を介して前記インゴット成長容器を加熱する際にインゴット成長容器に流れる直流電流値又はこれと関連する要素と前記電磁気的物性が、決定係数が0.9以上の線形的関係を満たすように配置され得る。
前記コイル部は、上述した通りである。
前記コイル部が前記扁平渦巻き状であるとき、前記コイル部の内周面は、前記インゴット成長容器の側面と接してもよく、または前記側面と所定の間隔を有してもよい。
前記コイル部が前記空芯コイル状であるとき、前記コイル部の内周面は、コイル部の内部の収容空間に配置される前記インゴット成長容器の側面と接してもよく、または前記側面と所定の間隔を有してもよい。
インゴット成長容器、及びこれとコイル部との関係は、既述した通りである。
前記測定ステップは、前記コイル部と電気的に接続された計測手段を介して、特定の周波数及び電圧の測定用交流電源を印加し、前記コイル部に誘導される電磁気的物性を測定するステップである。
前記測定ステップの電磁気的物性は、前記インゴット成長容器によって前記コイル部に発生する誘導起電力の変化と関連する要素、または前記インゴット成長容器の抵抗と関連する要素を含むことができ、既述した通りである。
前記測定ステップの電磁気的物性は、一定の周波数及び電圧の電源が加えられる誘導加熱手段を介して前記インゴット成長容器を加熱する際に、インゴット成長容器に流れる直流電流値又はこれと関連する要素と、決定係数R2が0.9以上である線形的関係であってもよく、既述した通りである。
前記測定ステップの測定用交流電源の条件は、既述したものと同一であってもよい。
具体的には、インゴット成長容器の特性予測方法は、巻き取られた導線を含むコイル部及び前記コイル部の内部に収容されるインゴット成長容器を配置し、交流電源である測定電源を前記コイル部に印加して、前記インゴット成長容器による前記コイル部での誘導起電力の変化量と関連する要素である間接特性を得るステップ1と;前記間接特性から確認キーとして使用する特性を選択するステップ2と;前記間接特性に対応する直接特性に関する情報を有する電磁気的特性データベースから、前記確認キーに対して予め定められた値以上の同等性の条件を満たす直接特性を検索するステップ3と;検索された前記直接特性を出力するステップ4と;を含み、前記間接特性は、前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列抵抗、前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列インダクタンス、及び前記インゴット成長容器による前記コイル部でのQ因子からなる群から選択された1種以上であり、前記直接特性は、前記インゴット成長容器の抵抗及び前記インゴット成長容器の直流電流値からなる群から選択された1種以上であり、前記インゴット成長容器の直流電流値は、誘導加熱手段によって前記インゴット成長容器に発生する直流電流値であってもよい。
前記ステップ1は、前記インゴット成長容器の重量に関する情報を得る過程をさらに含み、前記電磁気的特性データベースは、前記インゴット成長容器の重量に関する情報を含み、前記重量に関する情報は、重量の範囲による区間で区分され得る。
前記ステップ3は、直接特性の検索の補助キーとして、前記インゴット成長容器の重量に関する情報を適用し、前記インゴット成長容器の重量が属する区間のデータベースから前記直接特性を検索することができる。
一例示として、前記インゴット成長容器の側面は周長を有し、前記コイル部の巻き取られた導線は、前記インゴット成長容器を囲み、前記インゴット成長容器の側面と並んで配置され、前記コイル部の収容空間は、前記インゴット成長容器の底面又は上面と対応する形状であってもよい。このとき、前記コイル部は、前記インゴット成長容器の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さ、及び前記インゴット成長容器の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さを有し、前記x方向の最大厚さが、前記z方向の厚さと同一又は大きく、前記周長(mm)と前記コイル部の導線の断面積(mm2)との比率は、100:1.57~161であってもよい。
前記間接特性は、前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列抵抗、または前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列インダクタンスであり、前記交流電源は、100kHz及び0.1Aで印加されてもよい。
前記インゴット成長容器の間接特性が、下記の式1によるPr値が6.05以下、または式2によるPl値が7.2以下を満たすことができる。
式1において、前記等価直列抵抗は、前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列抵抗であり、前記重量は、前記インゴット成長容器の重量であり、
式2において、前記等価直列インダクタンスは、前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列インダクタンスであり、前記重量は、前記インゴット成長容器の重量である。
他の一例示として、前記インゴット成長容器の側面は周長を有し、前記周長(mm)と前記コイル部の導線の断面積(mm2)との比率は100:1.57~161であるものであり、前記コイル部の巻き取られた導線は、前記インゴット成長容器を囲み、前記インゴット成長容器の底面と並んで配置され、前記コイル部の収容空間は、前記インゴット成長容器の底面又は上面と対応する形状であり、前記コイル部は、前記インゴット成長容器の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さ、及び前記インゴット成長容器の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さを有し、前記z方向の厚さが前記x方向の厚さよりも大きい空芯コイル状であってもよい。
前記間接特性は、前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列抵抗、または前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列インダクタンスであり、前記交流電源は、100kHz及び0.1Aで印加され、前記インゴット成長容器の間接特性が、下記の式1によるPr値が9.6以下、または式2によるPl値が18.5以下を満たすことができる。
式1において、前記等価直列抵抗は、前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列抵抗であり、前記重量は、前記インゴット成長容器の重量であり、
式2において、前記等価直列インダクタンスは、前記インゴット成長容器による前記コイル部での等価直列インダクタンスであり、前記重量は、前記インゴット成長容器の重量である。
一実施例に係る断熱材の測定方法は、巻き取られた導線を含むコイル部10と隣接するように断熱材400を配置する配置ステップと;前記コイル部と電気的に接続された計測手段300を介して前記コイル部に測定用電源を印加し、前記コイル部に誘導される電磁気的物性を測定する測定ステップと;を含む。
前記配置ステップは、前記コイル部10に被測定物である断熱材400を配置するステップである。前記配置ステップは、前記コイル部の外部に所定の間隔で前記断熱材400が位置するようにすることができる。前記配置ステップは、前記コイル部の内部に被断熱体200も共に位置するようにすることができる。
前記配置ステップの前記コイル部10は、測定用交流電源を印加する際に前記断熱材400に電流が誘導され得る距離に配置することができる。具体的には、前記コイル部の外部に前記断熱材400が配置されるようにすることができる。これと共に、前記コイル部の内部の空いている収容空間13に前記被断熱体200が収容されるように配置しても配置しなくてもよい。
前記配置ステップのコイル部10の特徴は、上述した通りである。
前記配置ステップにおいて前記コイル部10が空芯コイル状であるとき、前記コイル部の内周面13は、コイル部の内部の収容空間13に配置される前記被断熱体200の側面と接してもよく、または前記側面と所定の間隔を有してもよい。そして、前記コイル部の外周面と所定の間隔を置いてコイル部の外部に前記断熱材400が配置されるようにすることができる。
前記配置ステップの被断熱体200及び断熱材400の特徴は、上述した通りである。
前記測定ステップは、前記コイル部10と電気的に接続された計測手段300を介して、特定の周波数及び電圧の測定用交流電源を印加し、前記コイル部に誘導される電磁気的物性を測定するステップである。具体的には、前記測定ステップの測定用交流電源の周波数は1mHz~200kHzであってもよく、または10Hz~100kHzであってもよい。前記測定用交流電源の電圧は5mV~5Vであってもよく、または10mV~5Vであってもよい。前記周波数及び電圧の範囲で、前記コイル部に目的とする電磁気的物性が現れるように効果的に誘導することができる。
前記測定ステップの電磁気的物性は、前記断熱材400によって発生する誘導起電力の変化と関連する要素、または前記断熱材の抵抗に比例する要素を含むことができ、これは、上述した通りである。
前記測定ステップの測定用交流電源の条件は、上述した通りである。
具体的には、前記断熱材の測定方法は、断熱材の電磁気的物性を間接的に測定する方法であって、巻き取られた導線を含むコイル部及び断熱材を、前記断熱材が前記コイル部を取り囲むように配置する配置ステップと;前記コイル部に交流電源である測定用電源を印加し、前記コイル部と電気的に接続されたLCRメータである計測手段を介して、前記断熱材によって誘導される電磁気的物性を前記コイル部で測定する測定ステップと;を含み、前記電磁気的物性は、前記コイル部での等価直列抵抗、前記コイル部での等価直列インダクタンス、及び前記コイル部でのQ因子から選択された1つ以上であり、前記コイル部の断面は、前記断熱材の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さ、及び前記断熱材の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さを有し、前記コイル部は、前記z方向の厚さが前記x方向の厚さよりも大きい空芯コイル状であり、前記測定ステップにおいて前記測定用交流電源の電圧は10mV~5Vであってもよい。
前記電磁気的物性は、前記断熱材の抵抗に比例することができる。
インゴット成長容器
一実施例に係るインゴット成長容器200は、黒鉛を含み、扁平渦巻き状のインゴット成長容器の測定装置100aに100kHz及び0.1Aの交流電源を印加して測定した等価直列抵抗値が1.5Ω~7.3Ωであってもよい。
前記扁平渦巻き状のインゴット成長容器の測定装置100aは、既述したように、扁平渦巻き状のコイル部10が含まれたインゴット成長容器の測定装置であってもよい。
前記扁平渦巻き状のコイル部10は、図5に示したように、その断面AA'が、前記インゴット成長容器200の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さTx、及び前記インゴット成長容器の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さTzを有することができる。このとき、前記コイル部は、前記x方向の最大厚さが前記z方向の厚さと同一又は大きくてもよい。具体的には、前記コイル部の前記z方向の厚さ:前記x方向の厚さの比は1:14であってもよく、巻き取り回数は14回であってもよい。前記コイル部をなす導線は、0.1mmの直径の素線を750本撚り合わせて被覆した3.5mmの直径のリッツ線であってもよい。
前記インゴット成長容器200は、図1及び図2に示したように、一定の横断面を有する筒状であり得、一定の外径Doを有する形状であり得、外径Doと内径を有し、内部空間を含み、上部が開放された形状であり得る。
前記インゴット成長容器200の外径は、前記コイル部の内径の周長と実質的に同一に適用することができる。このような場合、測定の正確度をより向上させることができる。
前記インゴット成長容器200の外径Doが200mm~220mmであり、外径から内径方向への厚さが10mm~30mmである場合、前記インゴット成長容器がコイル部10の内部に接して収容された状態で、前記扁平渦巻き状のインゴット成長容器の測定装置で測定した等価直列抵抗(Rs)値は、2.25Ω~4.56Ωであってもよく、2.7Ω~4.02Ωであってもよく、または2.99Ω~3.65Ωであってもよい。また、前記扁平渦巻き状のインゴット成長容器の測定装置で測定した等価直列インダクタンス(Ls)値は、27.44μH~47.83μHであってもよく、32.93μH~42.09μHであってもよく、または36.59μH~38.26μHであってもよい。前記測定された等価直列抵抗値又は等価直列インダクタンス値は、誘導加熱手段を介して前記インゴット成長容器を加熱する際にインゴット成長容器に流れる直流電流値又はこれと関連する要素との決定係数(R2)が0.9以上である線形的関係であってもよい。これを通じて、前記測定されたインゴット成長容器は、測定結果値に基づいて、インゴットの成長時に類似の直流電流値を示すことができるように選別され得る。
また、一実施例に係るインゴット成長容器200は、黒鉛を含み、空芯コイル状のインゴット成長容器の測定装置100bに100kHz及び0.1Aの交流電源を印加して測定した等価直列抵抗値が3.50Ω~7.24Ωであってもよい。
前記空芯コイル状のインゴット成長容器の測定装置100bは、既述したように、空芯コイル状のコイル部10が含まれたインゴット成長容器の測定装置であってもよい。
前記空芯コイル状のコイル部10は、図6に示したように、その断面BB'が、前記インゴット成長容器200の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さTx、及び前記インゴット成長容器の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さTzを有することができる。このとき、前記z方向の厚さは、前記x方向の厚さよりも大きくてもよい。具体的には、x方向の厚さ:前記z方向の厚さの比は1:27であってもよく、巻き取り回数は27回であってもよい。前記コイル部をなす導線は、0.1mmの直径の素線を750本撚り合わせて被覆した3.5mmの直径のリッツ線であってもよい。
前記インゴット成長容器200の具体的な形態は、既述した通りである。
前記インゴット成長容器200の外径は、前記コイル部の内径の周長と実質的に同一に適用することができる。このような場合、測定の正確度をより向上させることができる。
前記インゴット成長容器200の外径Doが200mm~220mmであり、外径から内径方向への厚さが10mm~30mmである場合、前記インゴット成長容器がコイル部10の内部に接して収容された状態で、前記空芯コイル状のインゴット成長容器の測定装置で測定した等価直列抵抗(Rs)値は、3.50Ω~7.24Ωであってもよく、4.19Ω~6.37Ωであってもよく、または4.65Ω~5.79Ωであってもよい。また、前記空芯コイル状のインゴット成長容器の測定装置で測定した等価直列インダクタンス(Ls)値は、74.42μH~120.6μHであってもよく、89.30μH~111.67μHであってもよく、または99.22μH~101.52μHであってもよい。前記等価直列抵抗値又は等価直列インダクタンス値は、誘導加熱手段を介して前記インゴット成長容器を加熱する際にインゴット成長容器に流れる直流電流値又はこれと関連する要素との決定係数(R2)が0.9以上である線形的関係であってもよい。これを通じて、前記測定されたインゴット成長容器は、測定結果値に基づいて、インゴットの成長時に類似の直流電流値を示すことができるように選別され得る。
断熱材
一実施例に係るインゴット成長用断熱材は、インゴット成長容器の外面を囲み、前記インゴット成長容器の外面の形状に対応する円柱状の断熱材400;を含み、前記による断熱材の測定装置に100kHz及び0.1Aの交流電源を印加して測定した等価直列抵抗値が10.57Ω~14.16Ωであってもよい。
前記断熱材の測定装置は、上述したように、空芯コイル状のコイル部10が含まれた断熱材の測定装置であってもよい。
前記空芯コイル状のコイル部10は、図7及び図8に示したように、その断面BB'が、前記断熱材400の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さTx、及び前記断熱材の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さTzを有することができる。このとき、前記z方向の厚さは、前記x方向の厚さよりも大きくてもよい。具体的には、x方向の厚さ:前記z方向の厚さの比は1:27であってもよく、巻き取り回数は27回であってもよい。前記コイル部をなす導線は、0.1mmの直径の素線を750本撚り合わせて被覆した3.5mmの直径のリッツ線であってもよい。
前記インゴット成長容器200及び断熱材400の具体的な形態は、上述した通りである。
前記インゴット成長容器200の内径D0が150mm~180mmであり、内径から外径方向への厚さが10mm~30mmである場合、前記インゴット成長容器がコイル部10の内部に接して収容された状態、及び前記コイル部の外部に断熱材が位置した状態で、前記断熱材の測定装置に100kHz及び0.1Aの交流電源を印加して測定した等価直列抵抗(Rs)値は、10.57Ω~14.16Ωであってもよく、または11.95Ω~12.87Ωであってもよい。
インゴット成長システム
図12は、インゴット成長装置(成長部)の構造を断面で説明する概念図であり、図13は、インゴット成長システムの構成と電磁気的特性の測定(細い実線)、データの流れ(二重実線)、及び実物のインゴット成長容器の移動(太い実線)で表示したブロック図である。前記図面を参照して、インゴット成長システムをより詳細に説明する。
具現例によるインゴット成長システムは、黒鉛含有物品及び加熱手段を含んで炭化珪素インゴットを成長させるシステムであって、前記黒鉛含有物品は、インゴット成長容器又は断熱材であり、前記黒鉛含有物品は、測定装置によって測定される電磁気的特性値である等価直列抵抗値を有し、前記インゴット成長容器は、原料が配置される内部空間を有する本体と;本体の上部又は本体上に配置される炭化珪素シードとを含む。
前記インゴット成長容器は、100kHz及び0.1Aの交流電源を印加して測定した等価直列抵抗値が3.50Ω~7.24Ωであってもよい。前記値は、空芯コイル状の測定装置で測定した値を基準とする。
前記断熱材は、100kHz及び0.1Aの交流電源を印加して測定した等価直列抵抗値が10.57Ω~14.16Ωであってもよい。前記値は、空芯コイル状の測定装置を適用して、コイル部の内部にインゴット成長容器が配置され、コイルの外部に断熱材が配置された状態で測定した値を基準とする。
前記炭化珪素インゴットは、100mm/hr以上の速度で成長が誘導され得る。
一具現例によるインゴット成長システム1000は、インゴット成長容器の間接特性などを測定する測定部1と、測定部を介して得られた情報が演算され、表示される予測部2と、予測された結果値を有するインゴット成長容器を適用してインゴットを成長させる成長部3とを含む。前記測定部は、インゴット成長容器の重量などをさらに測定することができる。
測定部1は、インゴット成長容器200及びインゴット成長容器の測定装置100a,100bを含み、これらは電磁気的な信号を互いに授受することができる。
予測部2は、情報の格納、予め定められた方式による演算を担当する演算部30、及び演算された結果を表示する出力部40を含む。演算部は、データの格納及びデータの演算が可能なものであれば、制限なしに適用可能であり、出力部は、出力値を表示できるものであれば、制限なしに適用可能である。例示的に、コンピュータとモニタが適用されてもよい。予測部は、測定部で測定された電磁気的特性を直接特性であるインゴット成長容器又は断熱材の抵抗などの値に変換することができ、インゴットの成長速度などを予測することができる。前記変換は、データベースに蓄積された重量と測定部で測定された電磁気的特性に対応する直接特性を提示する演算を意味する。前記予測は、データベースに蓄積された重量と測定部で測定された電磁気的特性に対応する直接特性が設けられていない場合、以下の式1及び式2によって行われる演算を意味する。
成長部3は、インゴット成長容器200及び加熱手段600を含んでインゴット100を成長させる。
前記加熱手段は、前記内部空間を結晶成長雰囲気となるように誘導して、前記原料Pが前記シードに蒸気移送されて蒸着され、前記シードから成長したインゴットが設けられるように結晶成長雰囲気を造成し、インゴットの成長を誘導する。
前記インゴット成長容器200は、原料Pが配置される内部空間を有する本体210と;本体の上部又は本体上に配置されるシードとを含む。
前記シードは、蓋220によって支持され得る。
前記インゴット成長容器又は前記本体は、測定電源である交流電源を印加して確認した電磁気的間接特性値を有し、前記間接特性値は、直接特性と高い相関関係を有するものである。
前記電磁気的間接特性値は等価直列抵抗値を含み、前記等価直列抵抗値は、前記加熱手段で前記インゴット成長容器を加熱する際にインゴット成長容器に流れる直流電流値との決定係数が0.9以上である相関関係を有する。
前記等価直列抵抗値は、インゴット成長容器の測定装置で確認され、前記インゴット成長容器の測定装置には、巻き取られた導線を含むコイル部が配置される。
扁平渦巻き状のインゴット成長容器の測定装置で測定した前記インゴット成長容器の重量と間接特性を演算した下記の式1によるPr、または式2によるPl値を介しても、成長率のような特性を予測することができる。
具体的には、式1によるPr値が6.05以下、または式2によるPl値が7.2以下である場合には、優れたインゴット成長率を有することができる。例示的に、およそ100mm/hr以上のインゴット成長率を示すことができる。
前記Pr値は6.0以下であってもよい。前記Pr値は5.8以下であってもよい。前記Pr値は5.7以下であってもよい。前記Pr値は4.8以上であってもよい。前記Pr値は5.1以上であってもよい。
前記Pl値は7.0以下であってもよい。前記Pl値は6.8以下であってもよい。前記Pl値は6.0以上であってもよい。前記Pl値は6.2以上であってもよい。前記Pl値は6.5以上であってもよい。前記Pl値は6.5~6.7であってもよい。
このような場合には、さらに優れたインゴット成長率を有することができ、例示的に、インゴット成長率は110~130mm/hr以上であってもよい。
これを通じて、前記測定されたインゴット成長容器は、測定結果値に基づいて、インゴットの成長に有利な特性を有するインゴット成長容器でインゴットの成長を誘導することで、より効率的なインゴットの製造が可能である。
空芯コイル状のインゴット成長容器の測定装置で測定した前記インゴット成長容器の重量と間接特性を演算した下記の式1によるPr、または式2によるPl値を介しても、成長率のような特性を予測することができる。
具体的には、式1によるPr値が9.46以下、または式2によるPl値が18.5以下である場合には、インゴット成長率がさらに優れ得、例示的に、100mm/hr以上のインゴット成長率を有することができる。
前記Pr値は8.91以下であってもよい。前記Pr値は8.42以下であってもよい。前記Pr値は8.30以下であってもよい。前記Pr値は7.0以上であってもよい。前記Pr値は8.0以上であってもよい。
前記Pl値は18.1以下であってもよい。前記Pl値は16.8以上であってもよい。前記Pl値は17.1以上であってもよい。前記Pl値は17.3以上であってもよい。前記Pl値は17.4~18.1であってもよい。
このような場合には、さらに優れたインゴット成長率を有することができ、例示的に、インゴット成長率は110~130mm/hr以上であってもよい。
これを通じて、前記測定されたインゴット成長容器は、測定結果値に基づいて、インゴットの成長に有利な特性を有するインゴット成長容器でインゴットの成長を誘導することで、より効率的なインゴットの製造が可能である。
具体的には、前記インゴット成長システムは、インゴット成長容器及び加熱手段を含んでインゴットを成長させるシステムであって、前記インゴット成長容器は、原料が配置される内部空間を有する本体と;本体の上部又は本体上に配置される蓋と;を含み、前記蓋は、シードを支持するか、またはシードが配置され、前記インゴット成長容器は、巻き取られた導線を含むコイル部の収容空間に配置される。
前記コイル部の巻き取られた導線は、前記インゴット成長容器を囲み、前記インゴット成長容器の側面と並んで配置され、前記コイル部の収容空間は、前記インゴット成長容器の底面又は上面と対応する形状であり、前記コイル部は、前記インゴット成長容器の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さ、及び前記インゴット成長容器の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さを有し、前記x方向の最大厚さが、前記z方向の厚さと同一又は大きくてもよい。
前記インゴット成長容器は、電磁気的間接特性値である、前記インゴット成長容器に対する前記コイル部の等価直列抵抗又は前記インゴット成長容器に対する前記コイル部の等価直列インダクタンスを有し、前記電磁気的間接特性値は、交流電源である測定電源を前記コイル部に印加して測定されたものであり、前記インゴット成長容器は、測定された重量を有し、前記インゴット成長容器は、下記の式1によるPr値が6.05以下であるか、または下記の式2によるPl値が7.2以下であってもよい。
式1において、前記等価直列抵抗は、前記インゴット成長容器に対する前記コイル部の等価直列抵抗であり、前記重量は、前記インゴット成長容器の重量であり、式2において、前記等価直列インダクタンスは、前記インゴット成長容器に対する前記コイル部の等価直列インダクタンスであり、前記重量は、前記インゴット成長容器の重量である。
前記インゴット成長容器は、前記Pr値が5.14以下であるか、または前記Pl値が6.2以上であってもよい。
前記交流電源は、100kHz及び0.1Aで印加され、前記インゴット成長容器は、100mm/hr以上の速度でインゴットの成長を誘導することができる。
具体的には、前記インゴット成長システムは、インゴット成長容器及び加熱手段を含んでインゴットを成長させるシステムであって、前記インゴット成長容器は、原料が配置される内部空間を有する本体と;本体の上部又は本体上に配置される蓋と;を含み、前記蓋は、シードを支持するか、またはシードが配置され、前記インゴット成長容器は、巻き取られた導線を含むコイル部の収容空間に配置され、前記コイル部の巻き取られた導線は、前記インゴット成長容器を囲み、前記インゴット成長容器の側面と並んで配置される。
前記コイル部の収容空間は、前記インゴット成長容器の底面又は上面と対応する形状であり、前記コイル部は、前記インゴット成長容器の底面又は上面と平行な方向であるx方向で測定したx方向の厚さ、及び前記インゴット成長容器の側面方向であって、前記x方向と垂直なz方向で測定したz方向の厚さを有し、前記x方向の最大厚さが、前記z方向の厚さと同一又は大きくてもよい。
前記インゴット成長容器は、電磁気的間接特性値である、前記インゴット成長容器に対する前記コイル部の等価直列抵抗又は前記インゴット成長容器に対する前記コイル部の等価直列インダクタンスを有し、前記電磁気的間接特性値は、交流電源である測定電源を前記コイル部に印加して測定されたものであり、前記インゴット成長容器は、測定された重量を有し、前記インゴット成長容器は、下記の式1によるPr値が9.46以下であるか、または式2によるPl値が18.5以下であってもよい。
式1において、前記等価直列抵抗は、前記インゴット成長容器に対する前記コイル部の等価直列抵抗であり、前記重量は、前記インゴット成長容器の重量であり、式2において、前記等価直列インダクタンスは、前記インゴット成長容器に対する前記コイル部の等価直列インダクタンスであり、前記重量は、前記インゴット成長容器の重量である。
前記インゴット成長容器は、前記Pr値が8.91以下であるか、または前記Pl値が17.1以上であってもよい。
前記交流電源は、100kHz及び0.1Aで印加され、前記インゴット成長容器は、130mm/hr以上の速度でインゴットの成長を誘導することができる。
インゴットの製造方法
インゴットの製造方法は、内部空間を有するインゴット成長容器200に、原料物質Pと種結晶(シード)とを離隔するように配置する準備ステップと;前記内部空間の温度、圧力及び雰囲気を調節して前記原料物質を昇華させ、前記種結晶上にインゴット100を成長させる成長ステップと;前記インゴット成長容器を冷却させ、前記インゴットを回収する冷却ステップと;を含む。
前記インゴットは炭化珪素インゴットであってもよい。
前記原料物質は、炭素源及び珪素源を含むことができ、例示的に炭化珪素粒子を含むことができる。
前記種結晶(シード)は炭化珪素種結晶であってもよい。
前記種結晶(シード)は4H炭化珪素種結晶であってもよい。
前記成長ステップは、100sccm~300sccmの流量を有する不活性気体雰囲気で行われてもよい。
前記冷却ステップは、1sccm~250sccmの流量を有する不活性気体雰囲気で行われてもよい。
前記インゴット成長容器の熱伝導度は120W/mK以下であってもよい。
前記冷却ステップを経て回収されたインゴットを切断し、ラッピング及び表面研磨処理してウエハを設けることができる。
前記準備ステップの原料物質Pは、炭素源と珪素源を有する粉末の形態が適用され得、前記粉末が互いにネッキング処理された原料、または表面が炭化処理された炭化珪素粉末などが適用されてもよい。
前記準備ステップのインゴット成長容器200は、インゴットの成長反応に適した容器が適用され、具体的に黒鉛坩堝が適用され得る。例えば、前記インゴット成長容器は、内部空間及び開口部を含む本体210と、前記開口部と対応して前記内部空間を密閉する蓋220とを含むことができる。前記蓋は、前記蓋と一体又は別途に種結晶ホルダをさらに含むことができ、前記種結晶ホルダを介して種結晶と原料物質とが互いに対向し得るように、種結晶を固定することができる。
前記準備ステップのインゴット成長容器は、前記で説明した特徴を有することができる。
さらに、前記インゴット成長容器は、後述する熱伝導度特性などを有することができる。
前記準備ステップのインゴット成長容器200は、熱伝導度が120W/mK以下であってもよく、85W/mK以上であってもよい。前記インゴット成長容器の熱伝導度が85W/mK未満である場合、インゴットの成長時にインゴット成長容器の温度勾配が過度となり、インゴットのクラックの発生確率が増加することがあり、インゴットの内部の応力が増加することがある。前記インゴット成長容器の熱伝導度が120W/mKを超える場合、誘導加熱時に電流が減少し、内部発熱温度も減少して、インゴット成長率が低下する恐れがあり、不純物が増加することがある。
前記熱伝導度の範囲を有するインゴット成長容器を適用することで、前記インゴット成長容器の温度勾配が安定的になされるようにし、後続段階を通じて製造されるインゴットが目的とする機械的特性を達成できるようにする。
前記準備ステップのインゴット成長容器200は、断熱材400によって取り囲まれて固定され得、前記断熱材で取り囲まれたインゴット成長容器を石英管のような反応チャンバ500が収容することができる。前記断熱材及び反応チャンバの外部に備えられた加熱手段600によって、前記インゴット成長容器の内部空間の温度を制御することができる。
前記加熱手段600は、コイル状の誘導加熱手段であってもよい。前記誘導加熱手段に高周波の交流電流が供給されると、前記インゴット成長容器200に渦電流が発生し、これによって、インゴット成長容器の抵抗により発生するジュール熱によってインゴット成長容器の内部空間が加熱され得る。
前記準備ステップの断熱材400は、気孔度が72%~95%であってもよく、75%~93%であってもよく、または80%~91%であってもよい。前記気孔度を満たす断熱材を適用する場合、成長するインゴットのクラックの発生をさらに減少させることができる。
前記準備ステップの断熱材400は、圧縮強度が0.2Mpa以上であってもよく、0.48Mpa以上であってもよく、または0.8MPa以上であってもよい。また、前記断熱材は、圧縮強度が3MPa以下であってもよく、または2.5MPa以下であってもよい。前記断熱材がこのような圧縮強度を有する場合、熱的/機械的安定性に優れ、アッシュ(ash)が発生する確率が低下するので、より優れた品質の炭化珪素インゴットを製造することができる。
前記準備ステップの断熱材400は、2000℃で熱伝導度が1.79W/mK以下であってもよく、または1.24W/mK以下であってもよい。前記断熱材の2000℃での熱伝導度は、0.3W/mK以上であってもよく、または0.48W/mK以上であってもよい。前記熱伝導度の範囲を有する断熱材を介して、インゴットの成長時に前記インゴット成長容器200の熱放出を遮断すると同時に、インゴット成長容器の安定した温度勾配を形成させることができるようにする。
前記準備ステップの断熱材400は、その密度が0.13g/cc以上であってもよく、または0.17g/cc以上であってもよい。前記断熱材は、その密度が0.28g/cc以下であってもよく、または0.24g/cc以下であってもよい。前記密度の範囲を有する断熱材を介して、製造されるインゴットの反り及び歪みの発生を抑制することができる。
前記準備ステップの反応チャンバ500は、反応チャンバの内部と連結され、反応チャンバの内部の真空度を調節する真空排気装置700と、反応チャンバの内部と連結され、反応チャンバの内部に気体を流入させる配管810と、気体の流入を制御するマスフローコントローラ800とを含むことができる。これらを通じて、後続の成長ステップ及び冷却ステップにおいて不活性気体の流量を調節できるようにする。
前記成長ステップは、前記内部空間の温度、圧力及び雰囲気を調節して前記原料物質Pを昇華させ、前記種結晶上に炭化珪素インゴット100を成長させるステップである。
前記成長ステップは、前記加熱手段600によって前記インゴット成長容器200及びインゴット成長容器の内部空間を加熱して行われ得、前記加熱と同時又は別途に内部空間を減圧して圧力を調節し、不活性気体を注入しながら炭化珪素インゴットの成長を誘導することができる。
前記成長ステップは、2000℃~2600℃の温度及び1torr~200torrの圧力条件で行われ得、前記温度及び圧力の範囲で、より効率的に炭化珪素インゴットを製造することができる。
前記成長ステップは、例示的に、前記インゴット成長容器200の上部及び下部の温度が2100℃~2500℃、前記インゴット成長容器の内部空間の圧力が1torr~50torrである条件で行われてもよく、又は、上部及び下部の温度が2150℃~2350℃、前記インゴット成長容器の内部空間の圧力が1torr~30torrである条件で行われてもよい。前記温度及び圧力条件を前記成長ステップに適用する場合、より一層高品質の炭化珪素インゴットを製造することができる。
前記成長ステップは、1℃/min~10℃/minの昇温速度、または5℃/min~10℃/minの昇温速度で前記温度範囲まで昇温が行われてもよく、昇温速度が相対的に低い事前成長過程及び高い成長進行過程を含むことができる。
前記成長ステップは、前記インゴット成長容器200の内部に所定流量の不活性気体を加えることができる。例示的に、前記不活性気体は、前記原料物質Pから前記種結晶の方向に流れが形成され得る。このとき、前記成長ステップは、100sccm~300sccmの流量を有する不活性気体雰囲気で行われてもよく、または150sccm~250sccmの流量を有する不活性気体雰囲気で行われてもよい。前記流量が100sccm未満であると、前記原料物質の昇華量の減少により不純物の含量が増加する恐れがあり、前記流量が300sccmを超えると、インゴットの成長速度が過度に急騰してしまい、インゴットの品質が低下する恐れがある。前記流量の範囲で成長ステップを行うことで、前記インゴット成長容器及び内部空間の安定した温度勾配が形成されるようにし、前記原料物質の昇華が容易に行われ、インゴットが目的とする機械的特性を達成できるように助ける。
前記成長ステップの不活性気体は、例示的に、アルゴン、ヘリウム、またはこれらの混合気体であってもよく、少量の窒素も含むことができる。
前記冷却ステップは、前記成長した炭化珪素インゴットを、所定の冷却速度及び不活性気体の流量の条件で冷却するステップである。
前記冷却ステップは、1℃/min~10℃/minの速度で冷却が行われてもよく、または3℃/min~9℃/minの速度で冷却が行われてもよい。前記冷却ステップは、5℃/min~8℃/minの速度で冷却が行われてもよい。
前記冷却ステップは、前記成長ステップと同様に、前記インゴット成長容器200の内部に所定流量の不活性気体を加えることができる。例示的に、前記不活性気体は、前記原料物質Pから前記炭化珪素種結晶の方向に流れが形成されてもよい。このとき、前記冷却ステップは、1sccm~300sccmの流量を有する不活性気体雰囲気で行われてもよく、または10sccm~250sccmの流量を有する不活性気体雰囲気で行われてもよい。前記流量が1sccm未満であると、インゴットの冷却効率が減少し、インゴット成長容器の温度勾配が過度となり、インゴットのクラックの発生確率及びインゴット内部の応力が増加することがある。前記流量が300sccmを超えると、冷却速度が過度に増加して、インゴットのクラックの発生確率及びインゴット内部の応力が増加することがある。前記流量の範囲で冷却ステップを行うことで、前記インゴット成長容器及び内部空間の安定した温度勾配が形成されるようにし、前記インゴットの冷却が容易に行われて目的とする機械的特性が達成されるようにすることができる。
前記成長ステップの不活性気体の流量(Fg)と冷却ステップの不活性気体の流量(Fc)との比Fg/Fcは、0.33~30であってもよく、0.6~25であってもよく、または0.6~6であってもよい。このような流量比を有することによって、成長及び冷却工程時に緩やかな流量の変化がなされるようにし、成長及び冷却される炭化珪素インゴットがより優れた機械的特性などを有するように助ける。
前記冷却ステップは、前記インゴット成長容器200の内部空間の圧力の調節が同時に行われてもよく、または前記冷却ステップと別途に圧力の調節が行われてもよい。前記圧力の調節は、前記内部空間の圧力が最大800torrになるように行われ得る。
前記冷却ステップの回収は、前記種結晶と接するインゴットの後面を切断して行われ得る。このように回収されたインゴットは、後続過程を通じてウエハ状に加工され得る。
以下、具体的な実施例を通じて本発明をより具体的に説明する。以下の実施例は、本発明の理解を助けるための例示に過ぎず、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
実施例A
実施例A-1:扁平渦巻き状のコイル部10が備えられたインゴット成長容器の測定装置100aの準備
図1に示したように、インゴット成長容器として、外径Doが210mm、内径が190mmである黒鉛坩堝を準備し、扁平渦巻きの内周面が前記坩堝の外周面と接し、14回の導線の巻き取り回数を有し、同一平面上に位置するようにする扁平渦巻き状のコイル部を設けた。前記導線は、0.1mmの直径の素線を750本撚り合わせて被覆した3.5mmの直径のリッツ線を使用した。前記扁平渦巻きの内径は210mm、外径は325mmであり、前記坩堝の底面と平行な方向である、前記扁平渦巻きのx方向の厚さは、インゴット成長容器の側面の高さ方向と平行なz方向の厚さに対して14倍であった。また、前記坩堝の周長とリッツ線の直径の比率は100:0.58であった。
前記扁平渦巻きをなすリッツ線の両端部である引出線12a,12bをLCRメータ(HIOKI 3522-50)と接続し、100kHz及び0.1Aの交流電源を印加する際に前記コイル部の電磁気的物性(等価直列抵抗、等価直列インダクタンス、及びQ因子のいずれか1つ)値が0になるように零点を調整した。前記零点の調整前の前記コイル部の等価直列インダクタンス値は35.1μHであり、等価直列抵抗は51.1mΩであった。
実施例A-2:空芯コイル状のコイル部10が備えられたインゴット成長容器の測定装置100bの準備
インゴット成長容器として、外径Doが210mm、内径が190mmである黒鉛坩堝を準備し、空芯コイル状であり、内周面が前記坩堝の外周面と実質的に接しながら対応するようにし、27回の導線の巻き取り回数を有するコイル部を設けた。前記導線は、0.1mmの直径の素線を750本撚り合わせて被覆した3.5mmの直径のリッツ線を使用した。前記空芯コイルの内径は211mm、外径は224mmであり、前記インゴット成長容器の側面の高さ方向と平行な、前記空芯コイルのz方向の厚さは、前記坩堝の底面と平行なx方向の厚さに対して27倍であった。また、前記坩堝の周長とリッツ線の直径の比率は100:0.58であった。
前記空芯コイルをなすリッツ線の両端部である引出線12a,12bをLCRメータ(HIOKI 3522-50)と接続し、100kHz及び0.1Aの交流電源を印加する際に前記コイル部の電磁気的物性(等価直列抵抗、等価直列インダクタンス、及びQ因子のいずれか1つ)値が0になるように零点を調整した。前記零点の調整前の前記コイル部の等価直列インダクタンス値は131μHであり、等価直列抵抗は1.03mΩであった。
実施例A-3:インゴット成長容器の電磁気的物性の測定1
内部空間を有し、外径Do105mmを有し、表1及び表2の重量を有する円筒状の黒鉛インゴット成長容器200の外周面の最下部に、前記準備したインゴット成長容器の測定装置100aにおける扁平渦巻き状のコイル部の内周面が図1のように接するようにした。LCRメータを介して前記コイル部に100kHz、0.1Aの交流電源を印加し、誘導される等価直列抵抗(Rs)、等価直列インダクタンス(Ls)及びQ因子(Q)を測定した。測定にかかる時間は約20秒であった。
実施例A-4:インゴット成長容器の電磁気的物性の測定2
前記測定1のインゴット成長容器200を、前記準備したインゴット成長容器の測定装置100bにおける空芯コイル状のコイル部の内部に所定の間隔(52.5mm)で収容されるようにした。LCRメータを介して前記コイル部に100kHz、0.1Aの交流電源を印加し、誘導される等価直列抵抗(Rs)、等価直列インダクタンス(Ls)及びQ因子(Q)を測定した。測定にかかる時間は約20秒であった。
実施例A-5:測定されたインゴット成長容器を介した炭化珪素インゴットの成長、成長率の測定
表1及び表2のインゴット成長容器の内部空間の下部に炭化珪素原料を装入し、上部に炭化珪素種結晶を配置した。前記インゴット成長容器を密閉し、その外部に加熱コイルが備えられた反応チャンバ内に配置した。
前記インゴット成長容器の内部空間を減圧して真空雰囲気に調節し、アルゴンガスを注入して前記内部空間が大気圧に到達するようにした後、再び内部空間を減圧させた。同時に、前記加熱コイルに電源を印加して、内部空間の温度を5~10℃/minの昇温速度で2500℃の温度まで昇温させ、5torrの圧力条件下で100時間、炭化珪素原料と対向する炭化珪素種結晶面に炭化珪素インゴットを成長させた。このとき、インゴット成長容器の直流電流値及びインゴット成長率は、成長装備を用いて成長工程を行う際に、インゴット成長容器の下部温度を基準に2200~2400℃内でインゴット成長工程と同一の電源を印加して測定及び確認した。
表1及び表2と図3及び図4を参照すると、前記扁平渦巻きに誘導されたLs値は、前記直流電流値との決定係数が0.9834である線形的関係を示した(図3(a))。前記扁平渦巻きに誘導されたRs値は、前記直流電流値との決定係数が0.9915である線形的関係を示した(図3(b))。また、前記扁平渦巻きに誘導されたQ値は、前記直流電流値との決定係数が0.9924である線形的関係を示した(図3(c))。また、前記空芯コイルに誘導されたLs値は、前記直流電流値との決定係数が0.9841である線形的関係を示した(図4(a))。前記空芯コイルに誘導されたRs値は、前記直流電流値との決定係数が0.9907である線形的関係を示した(図4(b))。また、前記空芯コイルに誘導されたQ値は、前記直流電流値との決定係数が0.9922である線形的関係を示した(図4(c))。これは、予測の正確度が非常に高いということを意味する。
すなわち、前記扁平渦巻き及び空芯コイルに誘導されたLs、Rs及びQ値は、前記直流電流値との決定係数が0.98以上である線形的関係を示すことが分かり、これを通じて、複数個のインゴット成長容器を誘導加熱を介したインゴットの成長に適用する際、類似のインゴット成長容器の直流電流値を示すことができるように選別できることを確認した。
実施例B
実施例B-1:空芯コイル状のコイル部、インゴット成長装置の準備
25回の導線の巻き取り回数を有し、空芯コイル状であるコイル部を設けた。前記導線は、0.1mmの直径の素線を750本撚り合わせて被覆した3.5mmの直径のリッツ線を使用した。前記コイル部の内径は172mm、外径は180mmであり、測定する円筒状の断熱材の側面の高さ方向と平行な、前記コイル部のz方向の厚さは、前記断熱材の底面と平行なx方向の厚さに対して25倍であった。
前記コイル部のリッツ線の両端部である引出線12a,12bをLCRメータ(HIOKI 3522-50)と接続し、100kHz及び0.1Aの交流電源を印加する際に前記コイル部の電磁気的物性(等価直列抵抗、等価直列インダクタンス、及びQ因子のいずれか1つ)値が0になるように零点を調整した。前記零点の調整前の前記コイル部の等価直列インダクタンス値は131μHであり、等価直列抵抗は4.01Ωであった。
実施例B-2:電磁気的物性を測定して選別された断熱材を介したインゴットの成長
内部空間を有し、180mmの外径D0を有し、円筒状である黒鉛インゴット成長容器と、これを取り囲み、表3の重量を有する断熱材の内周面との間に、前記準備した断熱材の測定装置のコイル部が、図9のように配置されるようにした。LCRメータを介して前記コイル部に100kHz、0.1Aの交流電源を印加し、誘導される等価直列抵抗(Rs)、等価直列インダクタンス(Ls)及びQ因子(Q)を測定した。測定にかかる時間は、約20秒であった。
以降、11.88Ω~12.87Ωの等価直列抵抗の測定値を有する断熱材で取り囲まれたインゴット成長容器の内部の上部に炭化珪素種結晶を配置し、下部に炭化珪素原料粉末を配置した。前記インゴット成長容器を密閉し、その外部に加熱コイルが備えられた反応チャンバ内に配置した。
前記インゴット成長容器の内部空間を減圧して真空雰囲気に調節し、アルゴンガスを注入して前記内部空間が大気圧に到達するようにした後、再び内部空間を減圧させた。同時に、前記加熱コイルに電源を印加して、内部空間の温度を5~10℃/minの昇温速度で2500℃の温度まで昇温させ、5torrの圧力条件下で100時間、炭化珪素原料と対向する炭化珪素種結晶面に炭化珪素インゴットを成長させた。このときの炭化珪素インゴットの平均成長率を表3に示した。
実施例B-3:電磁気的物性が測定されていない任意の断熱材を介したインゴットの成長
前記電磁気的物性の測定が行われていない任意の断熱材で取り囲まれたインゴット成長容器を適用した以外は、前記実施例と同様に行って炭化珪素インゴットを成長させ、このときの炭化珪素インゴットの平均成長率を表3に示した。
表3及び図11を説明すると、11.88Ω~12.87Ωの等価直列抵抗の測定値を有する断熱材により取り囲まれたインゴット成長容器で炭化珪素インゴットを成長させた実施例1~実施例15(Example 1~Example 15)は、0.12μm/hr~0.14μm/hrの成長率を示すことを確認した。反面、電磁気的物性を測定せずに任意の断熱材により取り囲まれたインゴット成長容器で炭化珪素インゴットを成長させた比較例1~比較例3(C.Example 1~C.Example 3)は、0.04μm/hrの成長率を示した。
実施例B-4:断熱材の重量と、前記断熱材の測定装置の測定値との相関関係の比較
前記実施例及び比較例で測定した断熱材の等価直列抵抗値と、断熱材の重量との相関関係を図10に示した。これを参照すると、断熱材の重量と測定された等価直列抵抗値とは、決定係数(R2)が0.5728と相関関係が微弱であることが分かる。重量のみを介して断熱材を選別し、これを通じてインゴットを成長させる際、前記比較例の結果で示されたように、インゴット成長の再現性の確保に困難があり得るという点を確認した。
前記断熱材の測定装置を介して、類似の電磁気的物性を有する断熱材を選別するようにし、これをインゴット成長容器の断熱材として適用することで、効果的なインゴット成長が可能なようにすることができる。
実施例C
(インゴット成長容器を介した炭化珪素インゴットの成長、成長率の測定)
実施例Aと同一の実施例1~30の結果を、下記の表4及び表5にPr及びPl値と共に示した。具体的には、インゴット成長容器の内部空間の下部に炭化珪素原料Pを装入し、上部に炭化珪素種結晶を配置した。前記インゴット成長容器200を密閉し、その外部に加熱コイル600が備えられた反応チャンバ500内に配置した。
前記インゴット成長容器の内部空間を、真空排気装置700を用いて減圧して真空雰囲気に調節し、アルゴンガスを注入して前記内部空間が大気圧に到達するようにした後、再び内部空間を減圧させた。同時に、前記加熱コイルに電源を印加して、内部空間の温度を5~10℃/minの昇温速度で2500℃の温度まで昇温させ、5torrの圧力条件下で100時間、炭化珪素原料と対向する炭化珪素種結晶面に炭化珪素インゴットを成長させた。内部圧力の調節は、フローコントローラ800及びこれと連結された配管810を介して行われた。
このとき、インゴット成長容器の直流電流値及びインゴット成長率は、成長装備を用いて成長工程を行う際、インゴット成長容器の下部温度を基準に2200~2400℃内でインゴット成長工程と同一の電源を印加して測定及び確認した。Pr及びPl値は、前記の式1と式2で評価した。
表4及び表5を参照すると、電磁気的間接特性に関するデータの確保が不十分な場合、Pr値やPl値を求め、これを活用してインゴットの成長率の傾向をある程度予測することができ、図面では提示しなかったが、0.83以上の線形的結果を示しており、かなりの程度で予測可能であり、効率的な工程の運営が可能であるという点を確認した。
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。