JP2008266115A - 結晶成長装置およびルツボ部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】良質な単結晶塊を良好な効率で成長させることができる構造の結晶成長装置を提供する。
【解決手段】ルツボ部材220の大径の収容空間RSで発生した昇華ガスを、小径の種単結晶SCの表面まで、円錐状のガイド部223により良好に誘導することができる。ただし、そのガイド部223がルツボ部材220の側部222により形成されている。このため、高周波加熱部210が発生する高周波の電磁波は、ルツボ部材220のガイド部223に直接に吸収される。従って、このガイド部223は高温に発熱するので、その表面に多結晶塊DLが成長することがない。このため、種単結晶SCの表面に良質な単結晶塊CLを良好な効率で成長させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、昇華再結晶法により単結晶塊を成長させる結晶成長装置に関し、特に、カーボン製のルツボ部材の内部で炭化珪素の単結晶塊を成長させる結晶成長装置、そのルツボ部材、に関する。
現在、炭化珪素の単結晶塊の製造方法として昇華再結晶法が利用されている。図4に示すように、この昇華再結晶法を実施する結晶成長装置100は、例えば、円筒状のルツボ部材110を有する。
なお、通常は、固体が直接に気体に変化することと、気体が直接に固体に変化することの、両方が昇華と呼称されている。しかし、本明細書では上記の変化を区別して記載するため、固体が直接に気体に変化することを昇華、気体が直接に固体に変化することを析出、と便宜的に呼称することとする。
このルツボ部材110は、円盤状の底板部分111と円筒状の側部112からなる本体部分113と、この本体部分113に着脱自在な円盤状の天板部分116と、からなる。この天板部分116の下面中央には、小径の円柱状の結晶支持部115が形成されている。
ルツボ部材110は、本体部分113の内部に炭化珪素の原料粉末MPを収容する。結晶支持部115は、小径の円盤状の炭化珪素の種単結晶SCを下面で支持する。ルツボ部材110は、所定の高周波の電磁波を吸収して発熱するカーボンで形成されている。
ルツボ部材110は、外面の略全域が断熱カバー部材120で囲繞されている。この断熱カバー部材120も、ルツボ部材110と同様に、例えば、着脱自在な本体部分121と天板部分122からなる。
さらに、上述のように断熱カバー部材120で囲繞されたルツボ部材110の外周面に外側から対向する位置に、高周波加熱部130が配置されている。この高周波加熱部130は、円筒状のコイルからなり、所定の高周波の電磁波を発生する。
なお、ここで例示する結晶成長装置100は、ルツボ部材110の原料粉末MPの大径の収容空間RSから、小径の結晶支持部115まで連続する円錐状のガイド部117が、ルツボ部材110の内周面に一体に形成されている。
上述の結晶成長装置100により単結晶塊CLを製造するときは、例えば、ルツボ部材110の本体部分113から天板部分116が分離され、本体部分113に炭化珪素の原料粉末MPが収容されるとともに、天板部分116の結晶支持部115に炭化珪素の種単結晶SCが装着される。
つぎに、この天板部分116が本体部分113に装着され、そのルツボ部材110の外面全域が断熱カバー部材120で囲繞される。このような状態で、高周波加熱部130が高周波の電磁波を発生すると、この電磁波の吸収によりルツボ部材110が発熱する。
すると、このルツボ部材110に収容されている原料粉末MPが加熱されて昇華する。そこで、この炭化珪素の昇華ガスが種単結晶SCの表面に析出することで、単結晶塊CLが成長する。
なお、この析出は炭化珪素の高温の昇華ガスが冷却されることで発生する。このように冷却により析出する炭化珪素は、種単結晶SCなどの単結晶の表面には単結晶として成長するが、例えば、天板部分116の下面などには多結晶塊DLとして成長する。
ここで例示する結晶成長装置100は、ルツボ部材110の大径の原料粉末MPの収容空間RSから小径の結晶支持部115まで、円錐状のガイド部117が形成されている。このため、ルツボ部材110の大径の収容空間RSで発生した炭化珪素の昇華ガスが、小径の種単結晶SCの表面に良好に誘導される。
従って、単結晶塊CLを、下方ほど大径な形状に良好な効率で成長させることができる。現在、上述のようにルツボ部材110の内部にガイド部117を一体に形成した結晶成長装置100として各種の提案がある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2002−60297号公報 特開2005−53739号公報
上述した結晶成長装置100は、単結晶塊CLを下方ほど大径な形状に良好な効率で成長させるため、原料粉末MPの大径の収容空間RSから小径の結晶支持部115まで、炭化珪素の昇華ガスを誘導する円錐状のガイド部117が、ルツボ部材110の内側面に一体に形成されている。
しかし、本出願人が実際に上述のような結晶成長装置100を試作して追試したところ、良質な単結晶塊CLを製造できないことが判明した。そこで、その原因を究明したところ、以下のようなことを確認できた。
前述のようにルツボ部材110は高周波の電磁波を吸収することで発熱する。このとき、ルツボ部材110の側部112は良好に電磁波を吸収して発熱する。しかし、この吸収のため、側部112より内側に位置するガイド部117まで到達する電磁波は微量となる。
このため、ガイド部117は高温に発熱することができない。ルツボ部材110の側部112からガイド部117への熱伝導もあるが、それでもガイド部117は高温に発熱することができない。
従って、ガイド部117は低温となり、その表面に炭化珪素が析出する。このように種単結晶SC以外の表面に析出する炭化珪素は、前述のように多結晶塊DLとして成長する。
すると、この多結晶塊DLが種単結晶SCの表面に析出する単結晶塊CLと接触する。この場合、多結晶塊DLの欠陥が単結晶塊CLの内部に伝播する。このため、良質な単結晶塊CLを成長させることができない。
上述のような課題を解決するため、例えば、ガイド部117が所定の高温に発熱するまで、電磁波を増強することも想定できる。しかし、その場合は、結晶支持部115などが必要以上に高温となり、やはり良質な単結晶塊CLを成長させることが困難となる。
上述のように、ルツボ部材110の内側面にガイド部117が一体に形成されている結晶成長装置100では、実際には良質な単結晶塊CLを製造できないことが確認された。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、良質な単結晶塊を良好な効率で成長させることができる構造の結晶成長装置を提供するものである。
本発明の結晶成長装置は、昇華再結晶法により原料粉末を加熱して種単結晶の表面に単結晶塊を成長させる結晶成長装置であって、所定の高周波の電磁波を発生する高周波加熱部と、原料粉末の収容空間が内部下方に大径に形成されているとともに種単結晶を支持する結晶支持部が内部上方に小径に形成されていて電磁波の吸収により発熱する円筒状のルツボ部材と、を有し、ルツボ部材の側部の少なくとも一部が大径の収容空間から小径の結晶支持部まで連続する円錐状のガイド部として形成されている。
従って、本発明の結晶成長装置では、ルツボ部材の大径の収容空間で発生した昇華ガスが、小径の種単結晶の表面まで、円錐状のガイド部により誘導される。そのガイド部は、ルツボ部材の側部により形成されている。このため、高周波加熱部が発生する高周波の電磁波は、ルツボ部材のガイド部に直接に吸収される。従って、このガイド部は高温に発熱するので、その表面に多結晶塊が成長することがない。
本発明のルツボ部材は、昇華再結晶法により原料粉末を加熱して種単結晶の表面に単結晶塊を成長させる結晶成長装置のルツボ部材であって、所定の高周波の電磁波を吸収して発熱する材料により円筒状に形成されており、原料粉末の収容空間が内部下方に大径に形成されており、種単結晶を支持する結晶支持部が内部上方に小径に形成されており、側部の少なくとも一部が大径の収容空間から小径の結晶支持部まで連続する円錐状のガイド部として形成されている。
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
本発明の結晶成長装置では、ルツボ部材の大径の収容空間で発生した昇華ガスを、小径の種単結晶の表面まで、円錐状のガイド部により良好に誘導することができる。ただし、そのガイド部がルツボ部材の側部により形成されている。このため、高周波加熱部が発生する高周波の電磁波は、ルツボ部材のガイド部に直接に吸収される。従って、このガイド部は高温に発熱するので、その表面に多結晶塊が成長することがない。このため、種単結晶の表面に良質な単結晶塊を良好な効率で成長させることができる。
本発明の実施の一形態を図1を参照して以下に説明する。本実施の形態の結晶成長装置200は、昇華再結晶法により原料粉末MPを加熱して種単結晶SCの表面に単結晶塊CLを成長させる。
このため、本実施の形態の結晶成長装置200は、所定の高周波の電磁波を発生する高周波加熱部210と、原料粉末MPの収容空間RSが内部下方に大径に形成されているとともに種単結晶SCを支持する結晶支持部231が内部上方に小径に形成されていて電磁波の吸収により発熱する円筒状のルツボ部材220と、を有する。
ただし、そのルツボ部材220の側部222の少なくとも一部が、大径の収容空間RSから小径の結晶支持部231まで連続する、円錐状のガイド部223として形成されている。さらに、このガイド部223の上面と結晶支持部231の下面とは、略同一面上に位置している。
より詳細には、ルツボ部材220は、底板部分224と側部222からなる本体部分221と、この本体部分221に着脱自在な天板部分230と、からなる。この天板部分230の下面中央に、小径の円柱状の結晶支持部231が一体に形成されている。
ルツボ部材220は、本体部分221の内部に炭化珪素の原料粉末MPを収容する。結晶支持部231は、小径の円盤状の炭化珪素の種単結晶SCを下面で支持する。
ルツボ部材220は、所定の高周波の電磁波を吸収して発熱するカーボンで形成されている。ルツボ部材220は、外面の略全域が断熱カバー部材240で囲繞されている。この断熱カバー部材240は、例えば、着脱自在な本体部分241と底板部分242からなる。
天板部分230は、上面から結晶支持部231の内部まで放熱凹部232が形成されている。そこで、断熱カバー部材240は、天板部分230の放熱凹部232に連通する貫通孔243が形成されている。
さらに、天板部分230は上面に誘導部材233が一体に形成されている。この誘導部材233は、断熱カバー部材240の貫通孔243を経由して上面より上方まで連続する円筒状に形成されており、その内周面は放熱凹部232に連通している。
また、断熱カバー部材240は、下部にも開口孔244が形成されている。そして、断熱カバー部材240の開口孔244には、ルツボ部材220の下面の温度を計測する下部測温部251が配置されている。
また、放熱凹部232には、その底面の温度を計測する上部測温部252が配置されている。そして、本実施の形態の結晶成長装置200は、下部測温部251の計測結果と上部測温部252の計測結果とを比較する温度比較部(図示せず)を有する。
上述のような構成において、本実施の形態の結晶成長装置200により単結晶塊CLを製造するときは、例えば、ルツボ部材220の本体部分221から天板部分230が分離され、本体部分221に炭化珪素の原料粉末MPが収容されるとともに、天板部分230の結晶支持部231に炭化珪素の種単結晶SCが装着される。
つぎに、この天板部分230が本体部分221に装着され、そのルツボ部材220の外面全域が断熱カバー部材240で囲繞される。このような状態で、高周波加熱部210が高周波の電磁波を発生すると、この電磁波の吸収によりルツボ部材220が発熱する。
すると、このルツボ部材220に収容されている原料粉末MPが加熱されて昇華する。そこで、この炭化珪素の昇華ガスが種単結晶SCの表面に析出することで、単結晶塊CLが成長する。
このとき、本実施の形態の結晶成長装置200では、ルツボ部材220の大径の収容空間RSで発生した昇華ガスを、小径の種単結晶SCの表面まで、円錐状のガイド部223により良好に誘導することができる。
ただし、そのガイド部223がルツボ部材220の側部222により形成されている。このため、高周波加熱部210が発生する高周波の電磁波は、ルツボ部材220のガイド部223に直接に吸収される。
従って、このガイド部223は高温に発熱するので、その表面に多結晶塊DLが成長することがない。このため、種単結晶SCの表面に良質な単結晶塊CLを良好な効率で成長させることができる。
さらに、本実施の形態の結晶成長装置200では、結晶支持部231の下面とガイド部223の上面とが略同一面上に位置している。従って、結晶支持部231の下面がガイド部223の上面より上方に位置している場合より(図示せず)、結晶支持部231とガイド部223との隙間が削減されている。
このため、昇華ガスが結晶支持部231とガイド部223との隙間を通過し、天板部分230の下面に多結晶塊DLとして析出することを、最小限に抑制することができる。従って、単結晶塊CLの結晶化率を向上させることができる。
それでいて、結晶支持部231の下面がガイド部223の上面より下方に位置している場合のように(図示せず)、結晶支持部231の周囲に昇華したガスが滞留することもない。
このため、結晶支持部231の下端外周やガイド部223の上端などに多結晶塊DLが析出することを抑制できる。従って、良質な単結晶塊CLを良好に成長させることができる。
しかも、天板部分230の上面から結晶支持部231の内部まで放熱凹部232が形成されている。このため、結晶支持部231は充分に低温に放熱される。従って、結晶支持部231で支持されている種単結晶SCの表面に単結晶塊CLを良好に成長させることができる。
なお、結晶成長装置200は、上述のように原料粉末MPを投入する必要があるため、ルツボ部材220を完全な密閉構造に形成することはできず、本体部分221と天板部分230とが着脱自在に形成されている。
このため、微量ながらも本体部分221と天板部分230との隙間から昇華ガスが漏出することがある。本実施の形態の結晶成長装置200は、前述のように放熱凹部232により結晶支持部231を放熱することで単結晶塊CLの結晶化率が高いので、上述のような昇華ガスの漏出は抑制されるが、それでも漏出が発生することはある。
このような場合、漏出した昇華ガスは、例えば、ルツボ部材220の外面と断熱カバー部材240の内面との隙間を移動する。そして、この昇華ガスは断熱カバー部材240から外部に漏出すると、輻射による放熱により冷却され、多結晶塊DLとして析出する。すると、ルツボ部材220が断熱カバー部材240から外部に露出している位置に最小限ながらも多結晶塊DLが析出する。
ただし、本実施の形態の結晶成長装置200では、天板部分230の上面に形成されていて放熱凹部232に連通している誘導部材233が、断熱カバー部材240の貫通孔243を経由して上面より上方まで連続している。
このため、図1に示すように、上述のように昇華ガスが漏出して多結晶塊DLが析出したとしても、その多結晶塊DLは誘導部材233の上端の外周面などに形成される。従って、このように析出する多結晶塊DLにより放熱凹部232が閉塞されて放熱機能が低下することがない。このため、結晶支持部231を安定に低温に維持して単結晶塊CLを良好に成長させることができる。
さらに、本実施の形態の結晶成長装置200では、断熱カバー部材240の下部にも開口孔244が形成されており、この開口孔244からルツボ部材220の下面の温度が下部測温部251により計測される。このため、ルツボ部材220による原料粉末MPの加熱状態をモニタすることができる。
同時に、放熱凹部232の底面の温度が上部測温部252により計測される。このため、結晶支持部231による単結晶塊CLの冷却状態も、同時にモニタすることができる。
しかも、下部測温部251の計測結果と上部測温部252の計測結果とが温度比較部により比較される。このため、上述の原料粉末MPの加熱状態と単結晶塊CLの冷却状態とを比較することができるので、例えば、この比較結果に基づいて高周波加熱部210の動作をフィードバック制御するようなことができる。
なお、本出願人は実際に上述のような結晶成長装置200を試作して炭化珪素の単結晶塊CLを成長させる実験を実行した。その結晶成長装置200では、ガイド部223の角度を鉛直から30度、種単結晶SCの直径をφ50mm、放熱凹部232の底面の温度を2270度、ルツボ部材220の下面の温度を2145度、とし、アルゴンガス雰囲気、成長圧力665Pa(5Torr)の条件下で、70時間成長を行った。
その結果、最大口径φ85mm、成長量40mmの単結晶塊CLが得られた。このとき、ガイド部223の内面に多結晶塊DLは析出せず、長尺化・口径拡大が阻害されずに大型で高品質な単結晶塊CLが得られた。
成長した単結晶塊CLと天板部分230の下面に付着した多結晶塊DLとの重量比は3.08:1.00であり、非常に効率よく単結晶塊CLが成長することを確認できた。
さらに、上述と同様の条件で、成長時間を80時間にして単結晶塊CLの成長も行った。その結果、最大口径φ93mm、成長量53mmの単結晶塊CLが得られた。このとき、ガイド部223の内面に多結晶塊DLは析出せず、長尺化・口径拡大が阻害されずに大型で高品質の単結晶塊CLが得られた。成長した単結晶塊CLと天板部分230の下面に付着した多結晶塊DLとの重量比は2.78:1.00であり、非常に効率よく単結晶塊CLが成長することを確認できた。
なお、本発明者はルツボ部材220の材質を検証する実験も実行した。その結晶成長装置200では、ガイド部223の角度が鉛直から30度のルツボ部材220を黒鉛で形成し、その内面にパイロリティックカーボン(熱分解炭素)をコーティングした。
つぎに、そのルツボ部材220の内部に、種単結晶SCとの距離が10mmになるようにAlNの原料粉末MPを収容した。種単結晶SCとしては、直径φ25mmのSiC単結晶を使用した。
そして、AlNの単結晶塊CLを成長させる実験を実行した。まず、放熱凹部232の底面の温度を1850度、底板部分224の下面の温度を1950度とし、アルゴンガス雰囲気、成長圧力1000hPa(750Torr)の条件下で20時間成長を行った。すると、その結果成長量100μmの単結晶塊CLが得られた。
また、放熱凹部232の底面の温度を1980度、底板部分224の下面の温度を2050度とし、アルゴンガス雰囲気、成長圧力67hPa(50Torr)の条件下で10時間成長を行った。すると、その結果成長量500μmの単結晶塊CLが得られた。
さらに、従来例に相当する比較実験として、ルツボ部材220を黒鉛で形成し、その内部をパイロリティックカーボン(熱分解炭素)でコーティングしないままとした。そして、放熱凹部232の底面の温度を1950度、底板部分224の下面の温度を2000度とし、アルゴンガス雰囲気、成長圧力133hPa(100Torr)の条件下で10時間成長を行った。
すると、その結果、原料粉末MPのAlNとルツボ部材220の黒鉛とが反応し、単結晶塊CLは得られなかった。つまり、ルツボ部材220の内面をパイロリティックカーボン(熱分解炭素)で形成することにより、AlNなどの原料粉末MPとルツボ部材220とが反応することを防止し、良質な単結晶塊CLを成長させられることを確認できた。
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では誘導部材233が天板部分230と一体に形成されていることを例示した。
しかし、図2に例示する結晶成長装置300のように、誘導部材301が天板部分302と別体に形成されていてもよい。このような結晶成長装置300では、誘導部材301の形成が容易となる。
なお、このような構造では、誘導部材301が天板部分302との隙間に昇華ガスが侵入して放熱凹部232に多結晶塊DLが析出することが懸念される。そこで、これが問題となる場合には、例えば、誘導部材301を天板部分302に接着して隙間を密閉することがよい。
また、図3に例示する結晶成長装置310のように、天板部分311とは別体の誘導部材312の上端が外側に拡開されていてもよい。この場合、誘導部材312が断熱カバー部材240から外部に露出する位置が、さらに放熱凹部232から離間する。このため、析出する多結晶塊DLにより放熱凹部232が閉塞されることを、より有効に防止することができる。
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
本発明の実施の形態の結晶成長装置の内部構造を示す模式的な縦断正面図である。 一の変形例の結晶成長装置の内部構造を示す模式的な縦断正面図である。 他の変形例の結晶成長装置の内部構造を示す模式的な縦断正面図である。 一従来例の結晶成長装置の内部構造を示す模式的な縦断正面図である。
符号の説明
100 結晶成長装置
110 ルツボ部材
111 底板部分
112 側部
113 本体部分
116 天板部分
115 結晶支持部
117 ガイド部
120 断熱カバー部材
121 本体部分
122 天板部分
130 高周波加熱部
200 結晶成長装置
210 高周波加熱部
220 ルツボ部材
221 本体部分
222 側部
223 ガイド部
224 底板部分
230 天板部分
231 結晶支持部
232 放熱凹部
233 誘導部材
240 断熱カバー部材
241 本体部分
242 底板部分
243 貫通孔
244 開口孔
251 下部測温部
252 上部測温部
300 結晶成長装置
301 誘導部材
302 天板部分
310 結晶成長装置
311 天板部分
312 誘導部材
CL 単結晶塊
DL 多結晶塊
MP 原料粉末
RS 収容空間
SC 種単結晶

Claims (15)

  1. 昇華再結晶法により原料粉末を加熱して種単結晶の表面に単結晶塊を成長させる結晶成長装置であって、
    所定の高周波の電磁波を発生する高周波加熱部と、
    前記原料粉末の収容空間が内部下方に大径に形成されているとともに前記種単結晶を支持する結晶支持部が内部上方に小径に形成されていて前記電磁波の吸収により発熱する円筒状のルツボ部材と、を有し、
    前記ルツボ部材の側部の少なくとも一部が大径の前記収容空間から小径の前記結晶支持部まで連続する円錐状のガイド部として形成されている結晶成長装置。
  2. 前記ルツボ部材は、少なくとも天板部分が着脱自在に形成されており、
    前記天板部分の下面に円柱状の前記結晶支持部が一体に形成されており、
    前記天板部分の上面から前記結晶支持部の内部まで放熱凹部が形成されている請求項1に記載の結晶成長装置。
  3. 前記放熱凹部に連通する貫通孔が形成されていて前記ルツボ部材の外面の略全域を囲繞する断熱カバー部材と、
    前記天板部分の上面から前記貫通孔を経由して前記断熱カバー部材の上面より上方まで連続する円筒状に形成されていて内周面が前記放熱凹部に連通する誘導部材とを、さらに有する請求項2に記載の結晶成長装置。
  4. 前記誘導部材と前記天板部分とが別体に形成されている請求項3に記載の結晶成長装置。
  5. 前記断熱カバー部材は、下部に開口孔が形成されており、
    前記断熱カバー部材の前記開口孔から前記ルツボ部材の下面の温度を計測する下部測温部を、さらに有する請求項3または4に記載の結晶成長装置。
  6. 前記放熱凹部の底面の温度を計測する上部測温部を、さらに有する請求項2ないし5の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  7. 前記断熱カバー部材は、下部に開口孔が形成されており、
    前記断熱カバー部材の前記開口孔から前記ルツボ部材の下面の温度を計測する下部測温部と、
    前記放熱凹部の底面の温度を計測する上部測温部と、
    前記下部測温部の計測結果と前記上部測温部の計測結果とを比較する温度比較部とを、
    さらに有する請求項3または4に記載の結晶成長装置。
  8. 前記結晶支持部の下面と前記ガイド部の上面とが略同一面上に位置している請求項1ないし7の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  9. 前記ルツボ部材の少なくとも内面が熱分解炭素で形成されている請求項1ないし8の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  10. 前記ルツボ部材は、内面が前記熱分解炭素でコーティングされている請求項9に記載の結晶成長装置。
  11. 前記ルツボ部材は、黒鉛で形成されていて内面が前記熱分解炭素でコーティングされている請求項9に記載の結晶成長装置。
  12. 昇華再結晶法により原料粉末を加熱して種単結晶の表面に単結晶塊を成長させる結晶成長装置のルツボ部材であって、
    所定の高周波の電磁波を吸収して発熱する材料により円筒状に形成されており、
    前記原料粉末の収容空間が内部下方に大径に形成されており、
    前記種単結晶を支持する結晶支持部が内部上方に小径に形成されており、
    側部の少なくとも一部が大径の前記収容空間から小径の前記結晶支持部まで連続する円錐状のガイド部として形成されているルツボ部材。
  13. 少なくとも内面が熱分解炭素で形成されている請求項12に記載のルツボ部材。
  14. 内面が前記熱分解炭素でコーティングされている請求項13に記載のルツボ部材。
  15. 黒鉛で形成されていて内面が前記熱分解炭素でコーティングされている請求項13に記載のルツボ部材。
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