図1は、リソグラフィ装置を模式的に示す図である。この装置は、下記の要素を含む。
−放射ビームB(例えばUV放射またはDUV放射)を調整するよう構成されている照明系(イルミネータ)IL。
−パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するよう構成され、いくつかのパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするよう構成されている第1の位置決め装置PMに接続されている支持構造(例えばマスクテーブル)MT。
−基板(例えばレジストでコーティングされたウェーハ)Wを保持するよう構成され、各種センサを備える測定テーブルを含んでいてもよい少なくとも1つの基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTを備えるステージユニット100。ステージユニットは、基板テーブル及び/または測定テーブルを移動させ制御するための各種の構成要素も備える(図1は、基板テーブルWTに保持されている基板をいくつかのパラメータに従って正確に位置決めするよう構成されている第2の位置決め装置PWを示す)。以下の説明では、「ステージ」及び「テーブル」なる用語は、特定の文脈がそれと異なることを要求しない限りは、概して交換可能に使用される。この装置はさらに下記の要素を含む。
−パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイからなる)目標部分Cに投影するよう構成されている投影系(例えば屈折投影レンズ系)PL。
照明系は、放射の方向や形状の調整またはその他の制御用に、各種の光学素子例えば屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子または他の各種光学部品を含んでもよく、あるいはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
支持構造は、パターニングデバイスを支持する。すなわち支持構造は、パターニングデバイスの荷重を支える。支持構造は、パターニングデバイスの向きやリソグラフィ装置の構成、あるいはパターニングデバイスが真空環境下で保持されるか否かなどの他の条件に応じた方式でパターニングデバイスを保持する。支持構造においてはパターニングデバイスを保持するために、機械的固定、真空固定、静電固定、または他の固定用技術が用いられる。支持構造は例えばフレームまたはテーブルであってよく、必要に応じて固定されていてもよいし移動可能であってもよい。支持構造は、パターニングデバイスを例えば投影系に対して所望の位置に位置決めできるようにしてもよい。本明細書では「レチクル」または「マスク」という用語を用いた場合には、より一般的な用語である「パターニングデバイス」に同義であるとみなされるものとする。
本明細書では「パターニングデバイス」という用語は、例えば基板の目標部分にパターンを形成すべく放射ビームの断面にパターンを付与するために使用され得るいかなるデバイスをも指し示すよう広く解釈されるべきである。放射ビームに与えられるパターンは、基板の目標部分に所望されるパターンと厳密に対応していなくてもよい。このような場合には例えば、放射ビームのパターンが位相シフトフィーチャあるいはいわゆるアシストフィーチャを含む場合がある。一般には、放射ビームに付与されるパターンは、目標部分に形成される集積回路などのデバイスの特定の機能層に対応する。
パターニングデバイスは透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、例えばマスクやプログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネルなどがある。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッド型マスクが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜されるというものがある。これらの傾斜ミラーにより、マトリックス状ミラーで反射された放射ビームにパターンが付与されることになる。
本明細書では「投影系」という用語は、使用される露光放射あるいは液浸や真空の利用などの他の要因に関して適切とされるいかなる投影系をも包含するよう広く解釈されるべきである。投影系には例えば屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系、磁気的光学系、電磁気的光学系、静電的光学系、またはこれらの任意の組み合わせなどが含まれる。以下では「投影レンズ」という用語は、より一般的な用語である「投影系」と同義に用いられ得る。
ここに説明されるのは、(例えば透過型マスクを用いる)透過型のリソグラフィ装置である。これに代えて、(例えば上述のようなプログラマブルミラーアレイや反射型マスクなどを用いる)反射型のリソグラフィ装置を用いることもできる。
リソグラフィ装置LAの一部として設けられたステージユニット100は、各種の異なる構成をもつことができる。1つの構成においては、リソグラフィ装置は1つの基板テーブルWTと1つの測定テーブルとを有する形式であってもよい。代替実施例においては、リソグラフィ装置は2つ以上(2つの場合にはデュアルステージと呼ばれる)の基板テーブル(及び/または2つ以上のマスクテーブル)を備えてもよい。このような多重ステージ型の装置においては追加されたテーブルは並行して使用されるか、あるいは1以上のテーブルで露光が行われている間に他の1以上のテーブルで準備工程を実行するようにしてもよい。
リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が液体で覆われるものであってもよい。この液体は比較的高い屈折率を有する例えば水などの液体であり、投影系と基板との間の空隙を満たす。液浸露光用の液体は、例えばマスクと投影系との間などのリソグラフィ装置の他の空間に適用されるものであってもよい。液浸技術は投影系の開口数を増大させる技術として周知である。本明細書では「液浸」という用語は、基板等の構造体が液体に完全に浸されているということを意味するのではなく、露光の際に投影系と基板との間に液体が存在するということを意味するに過ぎない。
図1に示すようにイルミネータILは放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば光源がエキシマレーザである場合には、光源とリソグラフィ装置とは別体であってもよい。この場合、光源はリソグラフィ装置の一部を構成しているとはみなされなく、放射ビームは光源SOからイルミネータILへとビーム搬送系BDを介して受け渡される。ビーム搬送系BDは例えば適当な方向変更用のミラー及び/またはビームエキスパンダを含んで構成される。あるいは光源が例えば水銀ランプである場合には、光源はリソグラフィ装置に一体に構成されていてもよい。光源SOとイルミネータILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射系と総称される。
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを備えてもよい。一般には、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも半径方向外径及び/または内径の大きさ(通常それぞれ「シグマ−アウタ(σ−outer)」、「シグマ−インナ(σ−inner)」と呼ばれる)が調整される。加えてイルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の要素を備えてもよい。イルミネータはビーム断面における所望の均一性及び強度分布を得るべく放射ビームを調整するために用いられる。
放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されるパターニングデバイス(例えばマスクMA)に入射して、当該パターニングデバイスによりパターンが付与される。マスクMAを通過した放射ビームBは投影系PLに進入する。投影系PLはビームを基板Wの目標部分Cに投影する。第2の位置決め装置PWと位置センサIF(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、2−Dエンコーダ、静電容量センサなど)により基板テーブルWTを正確に移動させることができる。基板テーブルWTは例えば放射ビームBの経路に異なる目標部分Cを順次位置決めするように移動される。同様に、第1の位置決め装置PMと他の位置センサ(図1には明示せず)とにより放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。この位置決めは例えばマスクライブラリからのマスクの機械的交換後や露光走査中に行われる。一般にマスクテーブルMTの移動は、第1の位置決め装置PMの一部を構成するロングストロークモジュール(粗い位置決め用)及びショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により実現される。同様に基板テーブルWTの移動は、第2の位置決め装置PWの一部を構成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールにより実現される。ステッパでは(スキャナとは逆に)、マスクテーブルMTはショートストロークのアクチュエータにのみ接続されているか、あるいは固定されていてもよい。マスクMAと基板Wとは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。図においては基板アライメントマークが専用の目標部分を占拠しているが、アライメントマークは目標部分間のスペースに配置されてもよい(これはスクライブライン・アライメントマークとして公知である)。同様に、マスクMAに複数のダイがある場合にはマスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
図示の装置は例えば次のうちの少なくとも1つのモードで使用され得る。
1.ステップモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンの全体が1回の照射(すなわち単一静的露光)で目標部分Cに投影される間、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる。そして基板テーブルがX方向及び/またはY方向に移動されて、異なる目標部分Cが露光される。ステップモードでは露光フィールドの最大サイズが単一静的露光で転写される目標部分Cのサイズを制限することになる。
2.スキャンモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間(すなわち単一動的露光の間)、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは同期して走査される。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影系PLの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められる。スキャンモードでは露光フィールドの最大サイズが単一動的露光での目標部分の(非走査方向の)幅を制限し、スキャン移動距離が目標部分の(走査方向の)長さを決定する。
3.別のモードにおいては、マスクテーブルMTがプログラム可能パターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、放射ビームPBに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、基板テーブルWTが移動または走査される。このモードではパルス放射源が通常用いられ、プログラム可能パターニングデバイスは、基板テーブルWTの毎回の移動後、または走査中の連続放射パルス間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上述のプログラマブルミラーアレイ等のプログラム可能パターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
上記で記載したモードを組み合わせて動作させてもよいし、各モードに変更を加えて動作させてもよいし、さらに全く別のモードでリソグラフィ装置を使用してもよい。
図2に示すとおり、リソグラフィ装置LAは、リソグラフィセルLCの一部を形成する。リソグラフィセルLCはリソセルまたはクラスタと呼ばれることもあり、基板に対する露光前および露光後の処理を行う装置を含む。従来、これらの装置には、レジスト層を成膜するためのスピンコータSC、露光されたレジストを現像するためのデベロッパDE、チルプレートCHおよびベークプレートBKが含まれる。基板ハンドラまたはロボットROは、入/出ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、上述のさまざまな処理装置の間でこれらを移動させ、リソグラフィ装置のローディングベイLBに送り届ける。これらのデバイスは、よくトラックと総称されるもので、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。このトラック制御ユニットTCU自体は監視制御システムSCSによって制御されており、この監視制御システムSCSはリソグラフィ制御ユニットLACUを通じてリソグラフィ装置も制御している。そのため、上述のさまざまな装置をスループットおよび処理効率を最大化するよう動作させることができる。
リソグラフィ装置により露光される基板が正確にかつ一貫性をもって露光されるには、露光済基板を検査して、連続する層と層との間のオーバレイ誤差や、ライン厚さ、クリティカルディメンション(CD)などの特性を計測することが望ましい。誤差が検出された場合には、特に検査が十分に即時にかつ高速に実行可能であり同一バッチの他の基板がまだ露光されている場合には、以降の基板の露光に調整が施される。また、露光済基板は歩留まりを上げるために表面を剥がして再処理するか、あるいは廃棄されてもよい。そうすることにより、欠陥があると既知である露光を基板に行うのを避ける。1枚の基板のうちいくつかの目標部分にのみ欠陥がある場合には、良である目標部分にのみ更なる露光が実行されることができる。
検査装置が基板の特性を決定するために使用される。特に、異なる基板間での特性、または同一基板の異なる層と層とでどのように特性が異なるかを決定するために使用される。検査装置はリソグラフィ装置LAまたはリソセルLCに一体化されていてもよいし、スタンドアローン型のデバイスであってもよい。最速の計測を可能とするには、露光されたレジスト層における特性を検査装置が露光直後に計測することが望ましい。しかし、レジストの潜像のコントラストは非常に低く、すなわち放射に露光されたレジスト部分と露光されていない部分との間の屈折率には非常に微小な違いがあるにすぎず、あらゆる検査装置が潜像から有用な計測結果を得るのに十分な感度をもつわけではない。よって、計測は露光後ベーク工程(PEB)後に実行してもよい。この工程は通例、露光済基板に実行される最初の処理であり、レジストの露光部分と非露光部分とのコントラストを大きくする。この段階で、レジストにおける像は半潜像とも呼ばれる。現像されたレジスト像(このときレジストの露光部分または非露光部分は除去されている)の計測、またはエッチング等のパターン転写工程後の計測も可能である。後者は欠陥基板への再処理の可能性を制限しうるが、なお有用な情報を提供しうる。
図3は、本発明に使用しうるスキャトロメータを示す。スキャトロメータは、基板Wに放射を投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を備える。反射された放射は、正反射された放射のスペクトル10(波長の関数としての強度)を測定するスペクトロメータディテクタ4に送られる。このデータから、検出されたスペクトルを生じた構造またはプロファイルが処理ユニットPUによって再構成されうる。例えば厳密結合波解析(Rigorous Coupled Wave Analysis)および非線形回帰によって、または、図3の下部に示すようなシミュレーションされたスペクトルのライブラリとの比較によって再構成することができる。再構成のためには一般に、構造のおおまかな形は既知であり、いくつかのパラメタはその構造が作られた工程の知識から仮定され、残されたその構造の2、3のパラメタのみがスキャトロメトリデータから決定される。この種のスキャトロメータは、垂直入射スキャトロメータまたは斜め入射スキャトロメータとして構成されていてもよい。
本発明に使用しうる他のスキャトロメータを図4に示す。このデバイスにおいては、放射源2から発せられた放射は、レンズ系12を使用して干渉フィルタ13及び偏光子17を通して集束され、部分反射面16により反射され、微小対物レンズ15を介して基板W上に集束される。液浸スキャトロメータは、1を超える開口数をもつレンズを有し得る。反射された放射は部分反射面16を通じて、散乱スペクトルを検出させるためにディテクタ18に送られる。このディテクタは、レンズ系15の焦点距離の位置にある、後面投影された瞳面11に配置され得る。それに代えて、この瞳面は補助的な光学素子を使用して再結像されてもよい。瞳面は、放射の半径方向の位置が入射角を定義し、角度位置がアジマス角を定義する面である。ディテクタは好ましくは、基板目標30の二次元角度散乱スペクトルを測定可能であるよう二次元のディテクタである。ディテクタ18は例えば、CCDセンサまたはCMOSセンサのアレイであってもよく、1フレームにつき例えば40ミリ秒の積分時間を用いてもよい。
しばしば基準ビームが例えば入射放射の強度を測定するために使用される。これを行うために、放射ビームがビームスプリッタ16に入射するときにその放射ビームの一部がビームスプリッタを通じて基準ビームとして基準ミラー14に向けて送られる。この基準ビームはその後、同じディテクタ18の異なる部位に投影される。
複数の干渉フィルタ13のセットは、興味ある波長を例えば405nm乃至790nmまたはそれよりも低い200nm乃至300nmといった範囲に選択するために使用することができる。干渉フィルタは、異なる複数フィルタからなるセットを備えるのではなく、調節可能なものとしてよい。干渉フィルタの代わりにグレーティングを使用することもできる。
ディテクタ18は散乱光の強度を単一波長で(または比較的狭い波長域で)計測してもよい。強度は多数の波長で別個に計測されてもよいし、ある波長域で積分されてもよい。更に、ディテクタは、TM偏光の強度、TE偏光の強度、及び/またはTM偏光とTE偏光の間の位相差を別個に測定してもよい。
広帯域の光源(すなわち、広範囲の光周波数または波長を有するもの、よって複数の色を持つもの)の使用が可能であり、これにより大きな減衰がもたらされ、複数の波長の混合が可能となる。広帯域における複数の波長はそれぞれがΔλの帯域幅をもち、少なくとも2Δλ(すなわち、帯域幅の2倍)の間隔を有することが好ましい。放射のいくつかの「ソース」は、拡張された放射ソースの、ファイバー束を使用して分割されたそれぞれの箇所であってよい。このように、角度分解散乱スペクトルは複数の波長で並行して測定することができる。2−Dスペクトルよりも多い情報を含む3−Dスペクトル(波長および2つの異なる角度)を測定することも可能である。これにより、より多くの情報を測定することが可能となり、メトロロジー処理のロバスト性が増すことになる。これについてはEP1,628,164Aに詳細が記載されている。
基板Wの目標30がグレーティングであってもよい。グレーティングは、現像後にバーがレジストの実線から形成されるようにプリントされている。あるいはバーをエッチングにより基板に形成してもよい。このパターンは、リソグラフィ投影装置特に投影系PLにおける色収差、及び照明の対称性の影響を受けやすく、そのような収差の存在がプリントされたグレーティングの変化に表れる。したがって、プリントされたグレーティングのスキャトロメトリデータを使用してグレーティングが再構成される。プリント工程および/またはその他のスキャトロメトリ処理の知識から、ライン幅および形状といったグレーティングのパラメタを、処理ユニットPUによって実行される再構成処理に入力することができる。
上述のように、基板の露光前にはアライメント及び基板のその他の特性が決定される必要がある。よって、計測処理が露光処理の実行前に実行される必要がある。計測処理は、基板アライメントについての情報を取得し、かつ基板に形成されるパターンの連続する複数層での正確なオーバレイを保証するために不可欠である。典型的に半導体デバイスは10層または100層にもなるパターン層をもち、これらが高精度に重ね合わされていなければならない。さもなければデバイスは正常に機能し得ない。
図5は、ステージユニット100の第1の例を示す。本図及びその他の図においてx方向及びy方向との表記はそれぞれ基板面または基板テーブル面すなわち水平面における直交軸を概して意味する。z方向との表記はx軸及びy軸に垂直な軸の方向すなわち鉛直方向を意味する。z方向は「高さ」と呼ぶこともある。しかしながらある1つの軸を「x」「y」「z」と表すのは本質的に任意であると理解されたい。本図面は各々において特定の軸を「x」「y」「z」と表すことにより読者に案内を与えるにすぎない。
ステージユニット100は、第1基板テーブルWT1と、第2基板テーブルWT2と、を備える。双方の基板テーブルは、基板、典型的にはウェーハを受け取って支持するのに適する。使用時には一方の基板テーブルが投影系PLの下方に位置決めされて露光が実行される。それと同時に他方の基板テーブルは各種のセンサ要素に対し位置決めされ、その基板テーブルに運ばれる基板の計測が実行される。
図5の実施例においては、基板テーブルWT1、WT2を移動させ制御するための構成要素は、レール502に沿ってy軸にスライドするよう配設されているYスライダ500と、レール506に沿ってX軸にスライドするよう配設されているXスライダ504と、を有するモータを備える。こうしてX軸及びY軸のウェーハテーブルの位置が変更可能である。このレール502、506の形状により、この種の構成をH型駆動モータまたはH型駆動機構と呼ぶ。このH型駆動機構の代替は、モータがウェーハテーブルを直接駆動する平面モータを使用することである。
図6は、別個のウェーハステージ600と計測ステージ602とを備えるステージユニット100の第2の例を示す。ステージユニット100にはY軸固定子604、606が設けられており、ウェーハステージ600はY軸可動子608、610によりY軸に沿って移動可能であり、計測ステージ602はY軸可動子612、614によりY軸に沿って移動可能である。Y軸固定子604、606はY軸可動子608、610と組み合わせて、ウェーハステージ600を移動させるためのY軸リニアモータを形成し、Y軸固定子604、606はY軸可動子612、614と組み合わせて、計測ステージ602をY方向に駆動するためのY軸リニアモータを形成する。一実施例においては固定子604、606は、Y軸方向に沿って交互に配置されるN極とS極とを含む複数の永久磁石を備える磁極ユニットから成っていてもよい。可動子608、610、612、614はそれぞれ、予め定められた間隔でY軸方向に沿って配置された複数のアーマチュアコイルを組み込んだアーマチュアユニットを備えてもよい。これは可動コイル型Y軸リニアモータと呼ばれる。
ウェーハステージ600及び計測ステージ602はそれぞれX軸固定子616、618上に位置決めされている。X軸固定子616、618は例えば、予め定められた間隔でX軸方向に沿って配置された複数のアーマチュアコイルを組み込んだアーマチュアユニットを備えてもよい。ウェーハステージ600及び計測ステージ602における開口部は、N極及びS極の組を交互に並べて成る複数の永久磁石を備える磁極ユニットを備えてもよい。磁極ユニット及び固定子は、図示のX方向に沿ってウェーハステージ600を駆動するために設けられた可動磁石型X軸リニアモータ、及び図示のX方向に沿って計測ステージ602を駆動するために設けられた同様の第2の可動磁石型X軸リニアモータを構成する。
したがって、Y軸リニアモータ及びX軸リニアモータは、ウェーハステージ600及び計測ステージ602を移動させ制御するための構成要素を形成する。ウェーハステージの位置を決定するための機構については後述するが、図6において干渉計620、622、624、626は各ステージのX位置及びY位置の測定のために設けられている。干渉計からのビーム(破線で図示する)は、各ステージ600、602の研磨されたミラー面(これらの面は図示のZ方向すなわち紙面から出る方向に延びている)で反射され、反射ビームの所要時間がX軸またはY軸のステージ位置の測定結果として使用される。
干渉計を使用するウェーハステージの制御精度は、干渉計ビームの比較的長い光路における空気変動によって制限される。干渉計の代替は、ウェーハステージ位置を決定するためのエンコーダを使用することである。
リソグラフィ装置が干渉計システムとともにエンコーダシステムを備えることはよく行われている。ここでのエンコーダシステムは一般にX軸及びY軸のステージ位置を測定するために使用される主システムであり、干渉計システムはエンコーダシステムの試験中または較正中に使用するために設けられているか、あるいはエンコーダシステムを使用し得ない状況が生じたときのバックアップの位置検出システムとして設けられている(例えば図6のシステムにおいてはウェーハ交換のためのアンローディング位置近傍またはローディング位置近傍でのウェーハステージ600のY位置を測定するために、更にはローディング動作とアライメント動作との間の時点において及び/または露光動作とアンローディング動作との間の時点においての測定のために、Y軸干渉計が使用される必要がある。)。
エンコーダシステムは例えば、センサ要素と回折格子とを備えてもよい。センサ要素は、回折格子から反射された放射または回折格子を通じて伝播した放射を検出するよう構成されている。また、センサ要素は、エンコードされた値により表される位置を演算するためのコンピュータに当該センサから送信される周期パターンを検出するよう構成されている。
図7は、回折格子700がメトロロジフレーム702に設けられ、センサ704がウェーハWを保持するウェーハステージWT1に設けられている一実施例を示す。この実施例においてはメトロロジフレーム702は投影ユニットPLに固定されて取り付けられている。
図8は、ウェーハWを保持するウェーハステージWT1に回折格子が設けられ、センサ要素804がメトロロジフレーム802に設けられている代替実施例を示す。この実施例でもメトロロジフレーム802は投影ユニットPLに固定されて取り付けられている。
計測ステージにおける主要な作業の1つはウェーハのアライメント計測である。アライメントシステムの一例が図9に示されている。このアライメントシステムは多数のアライメントヘッドAL1、AL21、AL22、AL23、AL24を含む。アライメントヘッドの数及び配置はこれと異なっていてもよい。図9に概要を示すアライメントヘッドは、ウェーハステージ900の上に位置する。ウェーハステージ900は例えば、既出の図面に示されるウェーハステージ600、WT1、またはWT2であってもよいし、例えばその他のウェーハステージであってもよい。
図示のウェーハステージ900はウェーハ902を保持している。この例では5つのアライメントヘッドが設けられている。中央のアライメントヘッドAL1は主アライメントシステムの一部を構成する。そこで「主アライメントヘッド」と呼ぶ。一方、外側の複数のアライメントヘッドAL21、AL22、AL23、AL24は副アライメントシステムの一部を構成する。そこで「副アライメントヘッド」と呼ぶ。図9には、レベリングセンサ、放射源908、放射ディテクタ910も示されており、これらについては後述する。
各アライメントヘッドAL1、AL21、AL22、AL23、AL24は、アライメントマークを検出するよう設計されているセンサ要素を備える。アライメントマークは、ウェーハ上またはウェーハステージ上、または適用可能な場合には計測ステージ上に設けられる。アライメントマークは例えば、ウェーハ上のある位置に特別にプリントされたフィーチャであってもよく、例えばアライメントマークは、ウェーハのダイ要素の連続する行及び/または列の間に延びるスクライブラインにプリントされていてもよい。また、ウェーハに形成されたパターンのフィーチャがアライメントマークとして使用されてもよいし、ウェーハのダイ要素内にプリントされた特定のアライメントマークが使用されてもよい。
アライメントヘッドAL1、AL21、AL22、AL23、AL24は、図10に示すように、エンコーダセンサを含むメトロロジフレームに取り付けられていてもよい。本図において主アライメントヘッドAL1は第1Yエンコーダ1000の下側の表面に固定されている。本装置はさらに、第2Yエンコーダ1002、第1Xエンコーダ1004、第2Xエンコーダ1006を備える。第1Yエンコーダ及び第2Yエンコーダは単一の構成要素として設けられていてもよく、第1Xエンコーダ及び第2Xエンコーダもまた単一の構成要素として設けられていてもよい。
図10に示されるエンコーダはいずれも投影ユニットPLに対し固定されて取り付けられている。これは図8に示す実施例に相当する。すなわち各エンコーダセンサはセンサ804に相当し、ウェーハテーブルに設けられている回折格子に関し位置を検出するよう位置決めされている。代替例としてセンサがウェーハテーブルに設けられ、メトロロジフレームに設けられた回折格子を見上げるようにしてもよい。
副アライメントヘッドAL21、AL22、AL23、AL24はX方向に移動可能である。一実施例においては各副アライメントヘッドAL21、AL22、AL23、AL24は、回転中心まわりに予め定められた角度範囲を時計回りまたは反時計回りに回動可能であるアームの回動端に固定されている(回転中心1008、アーム1010)。副アライメントヘッドAL21、AL22、AL23、AL24のX軸位置は、X方向について前後に副アライメントヘッドを駆動する駆動機構によって調整可能であってもよい。副アライメントヘッドはY方向に駆動されることが可能であってもよい。
副アライメントヘッドのアームが所与の位置まで移動されると、固定機構がアームを適所に保持するよう選択的に動作可能となる。固定機構は、差動型エアベアリングから成る真空パッドを備え、アームの回転調整完了後に吸引によりアーム1010をメインフレームに固定するよう駆動される。その他の固定機構が使用されてもよく、例えば、メインフレームアームの一部が磁性体として形成され電磁石が使用されてもよい。
アライメントヘッドに使用されるイメージセンサは例えば、フィールドイメージアライメントシステムまたはその他の適切なイメージセンサを備えてもよい。フィールドイメージアライメントシステムは、ウェーハ上のレジストを露光しない広帯域の検出ビームを対象のアライメントマークに照射し、対象マークからの反射光により受光面に形成された対象マーク像と指標となる像とを取得する。この指標は各アライメントヘッド内に設けられた指標プレート上の指標パターンであってもよい。一般には、コヒーレントな検出光を対象マークに照射して対象マークで生成された散乱光または回折光を検出するか、あるいは対象マークで生成された2つの回折光を干渉させて干渉光を検出するアライメントセンサであればいかなるアライメントセンサでも使用可能である。
図9及び図10に示すアライメントシステムは5つのアライメントヘッドを備えるが、これとは異なる数のアライメントヘッドが使用されてもよく、偶数または奇数のいずれであってもよいことに留意すべきである。
図9及び図10に示すアライメントヘッド及びエンコーダの実施例を使用するアライメント動作を説明する。他の既述の実施例を使用して同様のアライメント動作を行うことも可能であると理解されたい。アライメント処理においては、図11に示されるように、ウェーハテーブルは初期位置に位置決めされる。この例ではアライメントヘッドのうち3つ、すなわち主アライメントヘッドAL1及びそのすぐ隣の2つのAL22、AL23がウェーハのアライメントマークを検出する。アライメントマークを検出しない範囲外のアライメントヘッドは好ましい一実施例ではスイッチオフとされる。しかし、これらは他の目的で必要とされる場合にはスイッチオンとされていてもよい。塗りつぶしにより示すのが、動作可能なアライメントヘッドである。
ウェーハステージはこの初期の検出位置から第2の検出位置へと移動される。第2の検出位置で、いくつかのアライメントヘッドがウェーハ上の対応するアライメントマークの計測を実行する。多数のアライメントヘッドが各々の位置で多数のアライメントマークを検出することで、いくつかの測定位置がY軸に沿って定義される。
図12は、更なるアライメント検出位置を示す。この位置では5つのアライメントヘッドがいずれも機能している(すなわち、図12ではすべてのアライメントヘッドが塗りつぶされている)。何箇所のアライメント検出位置が適切に選択されてもよいと理解されたい。検出位置を増やせばシステムの精度を向上することができるが、アライメント処理の所要時間は増える。例えば、ウェーハ上でX軸に連続的な列をなす16のアライメントマークが定義されており、それは3つ、5つ、5つ、3つのアライメントマークを含み、それぞれが4つの異なるアライメント位置で3つ、5つ、5つ、3つのアライメントヘッドを使用して検出されてもよい。アライメントマークの列数は5つより少なくても多くてもよく、数百に達していてもよい。
多数のアライメントヘッドにより行われる計測は可能であれば同時に実行される。しかし、ウェーハ表面に沿って高さが異なる場合にはレベリング処理が通常行われる。これは、更なるエンコーダシステムによる制御のもとでウェーハステージをZ軸に上下に動かして実行され得る。その代替手段を後述する。zレベリングセンサ906、908、910が設けられている。このセンサは、焦点検出技術を使用して、予め定められたレベリングセンサの焦点面にウェーハが一致するときを決定する。一実施例においてはウェーハステージのX軸位置が、ウェーハテーブルWTBの中心線上に主アライメントシステムAL1が配置されかつ主アライメントシステムAL1がウェーハの子午線上にあるアライメントマークを検出するように設定される。
アライメントセンサAL1、AL21、AL22、AL23、AL24からのデータはコンピュータによって、ある座標系におけるウェーハ上のすべてのアライメントマークの配列を計算するために使用される。この座標系は公知の手法による統計的演算を実行することによりxエンコーダ及びyエンコーダの測定軸及び高さ測定結果により設定される。統計的演算には、アライメントマークの検出結果、それに相当するエンコーダの測定値、更には主アライメントシステム及び副アライメントシステムのベースラインのキャリブレーションが使用される。これについては以下で詳しく述べる。
上記の実施例ではウェーハステージがY方向に移動され、X方向にウェーハを移動することなくマーク計測が行われる。しかし、図示のアライメントシステムはアライメントマーク配列の計算のために付加的な計測結果を収集するためにX方向に移動可能であってもよいものと理解されたい。その付加的な計測は例えば、計測されるべきウェーハが大きい場合や、使用するアライメントヘッドが少数の場合、あるいは短いX軸範囲にアライメントヘッドが密集している場合に行われてもよい。
ウェーハ表面は平面ではなく、いくらかの凹凸がある。例えば製造上の公差によるものもあるし、表面に形成されたパターンによりもたらされた凹凸もある。これは、少なくとも1つのアライメントヘッドが焦点外でアライメントマークを検出する相当の可能性があるということである。図13はこの一例を誇張して示す。中央の3つのアライメントヘッドAL22、AL1、AL23が非平坦ウェーハ902の表面に関して焦点が外れている。
ウェーハテーブルの相対Z軸位置を変えることにより焦点が合った状態で各アライメントヘッドの計測を行うことが可能であるが、必要とされるZ軸移動はそれぞれ追加の工程となりアライメントの所要時間も追加される。また、アライメントシステムの光軸は、ウェーハ表面の角度的な非平坦性と副アライメントシステムのアームの角度変位(アームが回転可能である実施例の場合)との組合せにより常にZ軸に一致するわけではないが、前もってアライメントヘッドの光軸のZ軸に対する傾斜を測定し、アライメントマークの位置検出結果をその測定結果に基づいて補正することは可能である。
ところでアライメント処理が行われる前に、アライメントシステムのベースラインのキャリブレーションが、正確にシステムが較正されていることを保証するために実行されなければならない。以下に主アライメントシステムのベースラインキャリブレーションを説明する。
まず、固定された主アライメントヘッドに対してウェーハが整列される。ウェーハステージは、ウェーハステージ位置の計測結果に基準点を与えるためのフィデューシャルマークを有する。フィデューシャルマークは好ましくは、そのフィデューシャルマークに入射する放射を検出する結像システムに対し固定された位置関係で設けられている。この主ベースラインキャリブレーション中に、固定された主アライメントヘッドAL1に対してレチクルが整列される。
この主ベースラインキャリブレーションの第1段階においては、アライメントヘッドAL1がウェーハステージのフィデューシャルマークの上方に位置決めされ、XY位置の測定結果が記録される。これを図14に示す。
そして基板テーブルは(図示のY方向に沿って)第2位置へ移動される。図15に示すように、第2位置においてはフィデューシャルマークは投影光学系PLの直下に位置しており、レチクル上の既知の点(レチクルアライメントマークにより定義される)がフィデューシャルマークに投影されフィデューシャルマークと協働するイメージセンサにより検出される。この投影像の位置もまた記録され、2つの記録された位置の相対的な差が、固定されたアライメントヘッドAL1のレチクルに対するアライメントを計算するために使用される。これは主ベースラインキャリブレーションとして知られている。
主ベースラインキャリブレーションに続いて副ベースラインキャリブレーションが、固定された主アライメントヘッドAL1に対する副アライメントヘッドAL21、AL22、AL23、AL24の相対位置を計算するために実行される。この副ベースラインキャリブレーションは、処理されるべきウェーハのロットごとにその開始時に実行される必要がある。
一例においては、ウェーハは5つのアライメントマークM1、M2、M3、M4、M5をある特定の列に有する。これらアライメントマークの1つ、例えばM3が主アライメントヘッドAL1で測定される。これを図16に示す(機能しているアライメントヘッドを同様に塗りつぶしを用いて示す。この場合主アライメントヘッドAL1のみである)。その後ウェーハステージがX方向に既知の量だけ移動され、同一のウェーハアライメントマークM3が副アライメントヘッドの1つで測定される。図17は同一マークの副アライメントヘッドAL21での測定を示す。
測定されたXY位置はメモリに記憶され、ウェーハステージの既知移動距離を加えたマークM3のAL1でのXY検出位置と比較される。こうして主アライメントヘッドAL1に対する副アライメントヘッドAL21のベースライン位置が計算される。
ウェーハステージはX方向に移動され、同一のウェーハアライメントマークM3が隣の副アライメントヘッドAL22で測定される。同様にして副アライメントヘッドAL22のXY位置が主アライメントヘッドAL1に対して較正される。残りの副アライメントヘッドAL3、AL4についてもこれが繰り返される。
アライメントシステム間の検出オフセットの違いは、以降のデータ処理において補正されることができる。
副ベースラインキャリブレーションは、ウェーハのアライメントマーク以外の基準点、例えばウェーハステージまたは計測ステージのアライメントマークに基づいて行うことも可能である。
アライメントヘッドAL21、AL22、AL23、AL24と同一の位置関係で複数のデータムマークを設け、各副アライメントヘッドがそれぞれ専用のデータムポイントを並行して測定することも可能である。データムポイントはフィデューシャルマークに対し既知の位置関係を持つ。これにより、主アライメントヘッドに対する各副アライメントヘッドの位置情報のキャリブレーションは、取得された測定結果に基づいて演算可能である。
第1の方法の変形例においては、複数のアライメントマークが複数の副アライメントヘッドの各々により並行して測定されてもよい。ウェーハが(例えばX方向に)移動され、主アライメントヘッドが副アライメントヘッドの1つにより既に測定されたアライメントマークを測定するために使用される。副アライメントヘッドの測定XY位置、及びそれと同一マークの主アライメントヘッドの測定XY位置、更にはウェーハ移動によりもたらされた既知のオフセットを使用して、副アライメントヘッドのベースラインが算出される。この処理が各アライメントマークに繰り返されて、各副アライメントヘッドが主アライメントヘッドAL1に対し較正される。
より良好なオーバレイの追求に際しては、より多くのアライメントマークがより精密に測定される必要がある。ところがこれには時間がかかるからアライメント処理が遅くなり、スループットが犠牲になる。
更に、上述の多重ヘッドアライメントシステムの形式は、(通常x方向の)位置調整のために副アライメントヘッドを枢動させる必要がある。アライメントヘッドの枢動により望ましくない動的な影響が生じ、アライメント精度を悪くする。
これらの問題が新たなアライメント技術によって解決される。上述のように、測定システムは、アライメントマークを測定するアライメントセンサと、x軸、y軸、z軸の各種の位置成分を測定する各種のセンサと、を備える。これらの構成要素には、焦点測定のためのレベリングセンサ、位置のz方向成分を測定するz位置センサが含まれる。エンコーダシステム及び/または干渉計システムは、位置のx方向成分及びy方向成分を測定するために設けられている。レベリングセンサは、ウェーハの高さ及び傾斜を測定するために使用することもできる。
新たなアライメント技術においては、多数のアライメントセンサが採用され、レベリングセンサからの高さ及び/または傾斜の測定結果がアライメントセンサへと送られる。アライメントセンサはその高さ及び/または傾斜の測定結果を受け取り、アライメント測定結果のz方向オフセットを補正するためにそれを使用する。ある高さオフセットが与えられればステージまたはアライメントセンサのテレセントリック性(zの関数としてのx、y変位)が既知となることでアライメント位置が補正可能である。
図18は、このフィードフォワード技術の代表的システムを示し、この例では7つのアライメントセンサ1800とレベリングセンサ1802とを示す。図19は、図18のシステムの側面図を示し、レベリングセンサ1802により照射されたビームを示す。
よって、この新たな技術においては測定が並列に実行されるのに対して先行技術の測定法ではあるパスでアライメントが測定され別のパスでレベリングデータが測定される。レベリングセンサからアライメントセンサにデータを転送することにより、アライメントシステムが補正をするからzの補正を別個に行う必要がない。これは、アライメント測定をより安定かつロバストにする。
副アライメントシステムは互いに相対移動可能である一方、中央の(主)アライメントセンサは固定され他のアライメントセンサに基準を提供するデータムポイントとして使用される。
中央アライメントセンサに対する副アライメントシステムの距離は、レチクルからの投影像を基準としてなされる測定結果を使用することによって測定される。投影像はリソグラフィ装置のレンズ素子を通過する。この後、それぞれのアライメントセンサは、互いの既知の相対位置のもとで別々のスクライブレーンを測定する。例えば、アライメントセンサは光学案内レールを通じて移動され、磁気デバイスまたは機械デバイスにより固定される。副アライメントセンサに使用される検出器は中央アライメントセンサのそれと同一であってもよいし、完全に別個の光学デバイスであってもよい。ウェブカメラ的なセンサを副アライメントセンサまたは主アライメントセンサとして使用することが考慮されてもよい。
それで、高さデータ及び/または傾斜データがx/y測定工程にフィードフォワードされ、そのx/y測定工程で最適フォーカスの決定のために使用される。高さデータ及び/または傾斜データは、その次の露光工程が実行される前に、露光用のウェーハモデルを再構成する工程にフィードフォワードされてもよい。
この新たな技術によれば、アライメントと高さデータ及び/または傾斜データとの並列処理によりアライメントのスピードを増すことができる。測定時間の低減は安価な生産コストへと形を変える。また、標準的な処理よりも多くのデータを調べられるので精度も増す。
多数のアライメントセンサを使用することで、1つのマークについて毎回異なるセンサで多数回位置合わせをする機会が与えられる。この方法によれば、1つのマークがウェーハステージの多くの位置で測定されるので、位置決めシステムについての有意義な情報が得られる。
キャリブレーションが干渉計ミラーの何らかの非平坦性を保証するために実行される。このミラーはウェーハテーブル及び/または計測テーブルの側面にあり、干渉計位置決めシステムにおいて使用される。図20は、起こり得る問題を示す。本図においてウェーハテーブル2002のYミラー2000の変形が示されている(この変形は原寸ではなく、図示の容易のために極めて誇張されている)。ウェーハの連続するx位置(20a、20b、20cに示す位置)においては、変形したYミラー2000によって、干渉計2004により与えられる計測値に変動が生じる。図20に示す変形形状では測定y位置はx位置とともに増加する。図21は、Xミラー2100が変形したときに同様の問題がいかに生じるかを示す。干渉計2102により与えられる測定値がウェーハテーブル2104のy位置(21a、21b、21cに示す位置)とともに変化する。
xミラー及び/またはyミラーの非平坦性を考慮するキャリブレーション処理は、多数のアライメントヘッドを使用してスピードを早めるのに有利である。
そのキャリブレーション方法においては、ウェーハがx方向またはy方向の一方の複数位置を逐次移動され、このときx方向またはy方向の他方は調整されていない。この逐次位置の各々において、1つまたは複数のアライメントセンサは、干渉計要素に導かれて、ウェーハ上またはウェーハテーブル上のアライメントマークを測定するよう構成されている。以降の位置では、これらのアライメントセンサはウェーハ上またはウェーハテーブル上の別のアライメントマークを測定する。この例を図22及び図23に示す。これらの図はウェーハテーブル2200のy方向の位置をいくつか示し、ウェーハテーブル2200はアライメントヘッド2202及びレベリングセンサ2204により測定される。図22においては、ウェーハテーブル2200はy軸に沿う第1方向に、図22aに表される位置から、図22b、図22cの位置へと移動する。図23においては、ウェーハテーブル2200はy軸に沿う反対方向に、図23aに表される位置から、図23b、図23cの位置へと移動する。白丸のアライメントヘッド2202は非動作を示し、黒丸は測定実行中を示す。アライメントセンサデータはx及びyの測定結果を与える。これにより、アライメントマークの相対位置は既知であるから、ウェーハテーブル2200のx、y、及びθzそれぞれのオフセットを解くことができる(θzはz軸に沿う所与の位置zにおけるxy平面に対する面内回転である)。
図9及び図10に示し既述のように、公知のリソグラフィ装置は、照射システム908と、ウェーハ幅と同程度の長さをもつ検出領域906を定義するアレイ状に配列された多数のセンサを有する検出システム910と、を備えるレベリングセンサを有する。照射システム908は、xy平面に対し斜めの角度で放射を発し、これが反射されて検出システム910により検出される。検出領域906は複数の検出点を備えるが、図示の容易のために検出領域として示していると理解されたい。
レベリングセンサシステムもまた、ウェーハテーブルのz軸位置を検出する複数のzセンサを備える。フォーカスマッピング動作においては、そのウェーハにわたってz位置情報の検出が決定される。連続する階段状の複数のyの値について、レベリングセンサシステム908、910はウェーハ表面のz位置を検出し、zセンサはウェーハテーブルの位置を検出する。階段状y値は、ウェーハテーブルの連続的なy方向移動を与える。ウェーハテーブルのz軸位置は、レベリングシステムにより測定されるウェーハz高さのデータムポイントとして機能する。露光工程において、エンコーダアーム1004、1006に支えられた1組の副zセンサがウェーハテーブル位置を検出する。ウェーハテーブルのz位置及び(y軸における)傾斜が測定される。レベリングセンサ及び主zセンサで既に得られているz位置情報が、ウェーハテーブルのz高さ調整のためのデータムポイントとして使用される。ウェーハテーブルの高さ調整は副zセンサからのフィードバックにより制御される。
上述のz位置情報は以前に決定されたものであるから、ウェーハ上面の表面位置制御は、ウェーハ表面の表面位置情報を実際に取得することなく実行されることになる。
フォーカスキャリブレーション方法が実行される。フィデューシャルマークを備える測定プレート(上述のアライメントセンサのキャリブレーションについてのものと同一のプレート及びフィデューシャルマーク)を1つまたは複数のフォーカスセンサが照射する初期位置へと、ウェーハテーブルが移動される。zセンサは既述のようにウェーハテーブル位置を検出し、フォーカスセンサはフィデューシャルマーク位置を含む測定プレート位置を検出する。そうして、ウェーハテーブルとフィデューシャルマークとのz軸についての関係が測定される。それからウェーハテーブルは、予め定められた量だけ正のy方向に、レチクルからリソグラフィ装置のレンズ素子を通過した投影像にフィデューシャルマークが位置合わせされる位置へと移動される。z位置が副zセンサで測定され、既に収集されているウェーハテーブルとフィデューシャルマークとのz軸についての関係と比較される。多点フォーカス検出システムの代表検出点のオフセット、すなわち投影光学系PLのベストフォーカス位置と多点フォーカス検出システムの検出原点との偏差を得るために測定される。この測定オフセット値は多点フォーカス検出システムの検出原点を調整するために使用され、多点フォーカス検出システムの代表検出点のオフセットがゼロとされる。この調整は光学的方法または電気的方法のいずれかにより実行されてもよいし、あるいはオフセットは、位置演算を実行するコンピュータに記憶され、行われる演算の調整ファクタとして使用されてもよい。
上記の方法はウェーハステージを移動させてアライメントマークをアライメントセンサの焦点に合わせることに依存している。しかし、ウェーハテーブルをz方向に何度も移動させることは、行われる測定に誤差を増大させ、ウェーハに機械応力をもたらす。
アライメントマークを焦点に合わせる代替方法は、1つまたは複数のアライメントセンサとともに使用される専用のものであってそのまたは各々のアライメントセンサと同一軸に設けられているレベリングセンサを、フォーカス差を解消する機構とともに設けることである。
フォーカス差を解消する機構は、アライメントマークの焦点合わせのためにレベリングセンサからの結果を基礎としてアライメントヘッドの各々を移動させる機構を備えてもよい。アライメントヘッドを移動させるためにいかなる適切な機構が使用されてもよく、例えば、アライメントヘッドを直線軸まわりにまたは直線軸に沿って移動させるアクチュエータとして使用される圧電デバイスを考えてもよい。
あるいは、フォーカス差を解消する機構は、多数のアライメントセンサの焦点を、焦点距離を変えることにより調整するための機構を備えてもよい。これは、アライメントセンサをなす各種の光学素子間の距離を変えることによって行い得る。
これらの機構の両方(すなわち、アライメントヘッドを移動させる機構、及び焦点を調整する機構)を同一のアライメントヘッドに設けることも可能である。この場合、与えられた状況に応じてそれぞれの機構が選択的に動作可能であってもよい。
したがって、一連のアライメントマーク全体を、ウェーハテーブルをあるz位置に保持した状態で焦点に合わせることができる。zセンサは、副アライメントヘッドシステムの1つ、複数、またはすべてのアライメントヘッドに設けられてもよいし、固定された(主)アライメントヘッドのアライメントヘッドに設けられてもよい。zセンサはアライメントヘッドの構造物に一体化されていてもよい。
一実施例においては、センサのフォーカス差のキャリブレーションは、アライメントヘッド移動機構及び焦点調整機構のいずれかを使用するのを粗いキャリブレーションとしてもよい。その次には、アライメントマークを走査しながらアライメントセンサの焦点距離を最大コントラストまたは最小位相コントラスト(すなわち正確な焦点)へと適応させることにより、精細なキャリブレーションを実行してもよい。多数のアライメントセンサを使用すると、ストリーミング走査またはスキャニング走査をウェーハにすることが可能となる。それにより、位置合わせ位置は常に最大コントラスト及び最小コントラストへと焦点を適応させることができる。z方向へのセンサの更なる移動は必要ない。フォーカス調整がこれを解決できるからである。
更なる一実施例においては、プリアライメントセンサが、最適焦点を予備的に決定するために各アライメントヘッドに設けられていてもよい。プリアライメントセンサは、焦点距離が可変であり最大コントラストまたは最小位相コントラスト(すなわち正確な焦点)に適応可能であるセンサを備える。プリアライメントは例えば、360度の走査を柔軟に可能とするアライメントセンサを囲むリング状センサである。プリアライメントセンサからの測定値に依存して、アライメントセンサはz方向に移動するか、その焦点距離を調整することができる。
図9乃至図17に関して述べたアライメント技術において、アライメント測定と同一の走査においてレベリング測定が実行されてもよい。しかし、加速または減速がチャック及び/またはウェーハをたわませる傾向がある。
一代替技術においては、レベリングが滑らかな運動(すなわち運動の主要部分においてほぼ等速)で最初に実行され、アライメント測定が戻りの走査で実行される。
図22は、第1方向の走査を示す。この方向に、アライメントは測定されることなく、レベリングセンサによりフォーカス測定が実行される。アライメントヘッドは動作していないので、フォーカス測定は、アライメントセンサの手前に連続して位置していると考えられる。
次に、第2方向の走査によってアライメントが測定される。これが図23に示される。好ましい一実施例においては、上述のように多数のアライメントヘッドが使用されてもよい。任意的に、レベリングセンサを使用する更なるフォーカス測定が第2方向の操作時に実行されてもよい。
好ましい一実施例においては、第1走査方向と第2走査方向とは反対方向であり、例えば、y軸に沿う反対の移動方向であってもよいし、x軸でもよい。
図9乃至図18に関して述べたアライメント技術においては、1回の走査中にアライメント測定が実行され、続いてレベリング測定が実行される。
一代替技術においては、この順序が交換され、アライメント測定の前にレベリング測定が実行される。
この技術の一実施例が図24に示される。ここに模式的に示されるシステムは、レベリングセンサ2400がアライメントセンサ2402の「前方」に配置されている。ウェーハテーブル2200がy軸に第1方向に、図24aにより表される位置から、図24b、図24cにより表される位置へと移動されるときに、レベリングセンサ2400は、ウェーハ上の所与の検出領域から情報を、アライメントセンサ2402がそれと同一の検出領域から情報を検出する前に、検出する。
この技術の一代替実施例においては、第2走査方向の第2走査が第2フォーカス測定を実行するために用いられる。これが図25に示される。ウェーハテーブル2200がy軸に第2方向に、図25aにより表される位置から、図25b、図25cにより表される位置へと移動されるときに、すなわち図24に示す方向とは反対方向に移動されるときに、アライメントセンサ2402は、ウェーハ上の所与の検出領域から情報を、レベリングセンサ2400がそれと同一の検出領域から情報を検出する前に、検出する。
第1方向の走査と第2方向の走査とでフォーカス測定結果にいくらかの不一致がある。フォーカスが第1走査方向及び第2走査方向の両方で測定される。2つの測定結果は平均化されるか、あるいは、第1走査方向の露光時に第1走査方向のフォーカス測定結果が使用される(更に、第2走査方向の露光時に第2走査方向のフォーカス測定結果が使用される)。
更なる特徴においては、図26に示すように、zセンサもアライメントセンサの前方に配置されていてもよい。
本明細書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を例として説明しているが、リソグラフィ装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁区メモリ用案内パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどがある。当業者であればこれらの他の適用に際して、本明細書における「ウェーハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「目標部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。基板は露光前または露光後においてトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はこれらのまたは他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は既に処理されている多数の処理層を含む基板をも意味する。
ここでは特に光リソグラフィを本発明に係る実施形態に適用したものを例として説明しているが、本発明は例えばインプリントリソグラフィなど文脈が許す限り他にも適用可能であり、光リソグラフィに限られるものではない。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスにおけるトポグラフィが基板上に生成されるパターンを定義する。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に与えられたレジスト層に押しつけられ、その状態で電磁放射、熱、圧力またはそれらの組合せを与えることによりレジストが硬化される。レジストの硬化後にパターニングデバイスはレジストから取り外され、そこにパターンが残される。
本明細書において「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外(UV)放射(例えば約365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長を有する)、極紫外(EUV)放射(例えば5乃至20nmの範囲の波長を有する)、及び、イオンビームまたは電子ビーム等の粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を示す。
「レンズ」という用語は、文脈が許す限り、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁的光学素子、及び静電的光学素子を含む1つまたは各種の光学素子の組み合わせを指し示すものであってもよい。
本発明の具体的な実施形態が上述のように説明されたが、本発明は上述の形式以外の形式でも実施可能であると理解されたい。例えば本発明は、上述の方法が記述された機械で読み取り可能な1以上の一連の指示を含むコンピュータプログラムの形式、またはこのようなコンピュータプログラムが記録されたデータ記録媒体(例えば半導体メモリ、磁気ディスク、または光ディスク)の形式をとってもよい。
上述の説明は例示であり、限定を意図しない。よって、この開示に基づく請求項の範囲から逸脱することなく既述の本発明に変更を加えることができるということは、関連技術の当業者には明らかなことである。
要約すれば、本開示は以下の特徴の1つまたは複数を含み得る種々の特徴を提供する。
1.物体のアライメントを測定するための装置を備えるリソグラフィ装置であって、
アライメント検出領域にてアライメントマークの位置を測定するためのアライメント検出器を各々が備える複数のアライメントセンサと、
レベリングセンサ検出領域において物体の高さ及び/または傾斜を測定するためのレベリングセンサと、
レベリングセンサとアライメントセンサとの間のフィードフォワード接続部と、を備えるリソグラフィ装置。
2.レベリングセンサ検出領域はアライメント検出領域から分離されている、特徴1に記載のリソグラフィ装置。
3.レベリングセンサ検出領域とアライメント検出領域とはオフセットされた平行な軸上にまたは軸に沿って設けられている、特徴2に記載のリソグラフィ装置。
4.アライメントセンサは、レベリングセンサからフィードフォワード接続部を通じて高さデータ及び/または傾斜データを受け取り、そのフィードフォワードされたデータに基づいて、各アライメントヘッドがフォーカス合わせされて位置決めされるよう位置調整をする、特徴1乃至3のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
5.アライメントマークの測定された位置と物体の測定された高さ及び/または測定された傾斜とを受け取り、アライメントマークの測定された位置のための補正ファクタを決定するために前記物体の測定された高さ及び/または測定された傾斜を使用するデータ処理部を備える、特徴1乃至3のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
6.走査動作において物体を横断して複数のアライメントセンサ及びレベリングセンサを移動させ、その走査動作中にまたはその走査動作の全体にわたって1つまたは複数のアライメントマークの位置を測定しかつ物体の1つまたは複数の点での高さ及び/または傾斜を測定する機構を備える、特徴1乃至5のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
7.前記走査動作は一方向に実行される、特徴6に記載のリソグラフィ装置。
8.アライメントセンサの各々はアライメントヘッドに収容されているイメージセンサを備え、アライメントヘッドの各々は互いに独立に移動可能である、特徴1乃至7のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
9.メトロロジフレームに固定されているアライメントヘッドをさらに備える、特徴8に記載のリソグラフィ装置。
10.前記物体はウェーハを備え、前記アライメントマークはウェーハ表面にまたはウェーハステージ上または計測ステージ上に設けられている、特徴1乃至9のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
11.リソグラフィ装置内のまたはリソグラフィ装置に関連する物体のアライメントを測定する方法であって、
測定のそれぞれがアライメント検出領域にて行われるよう複数のアライメントマークの位置を測定することと、
レベリングセンサ検出領域において物体の高さ及び/または傾斜を測定することと、
測定された複数のアライメントマークの位置のための補正を提供するために、測定された高さ及び/または傾斜をフィードフォワードすることと、を備える方法。
12.レベリングセンサ検出領域はアライメント検出領域から分離されている、特徴11に記載の方法。
13.レベリングセンサ検出領域とアライメント検出領域とはオフセットされた平行な軸上にまたは軸に沿って設けられている、特徴12に記載の方法。
14.フィードフォワードされたデータに基づいて、各アライメントヘッドがフォーカス合わせされて位置決めされるよう1つまたは複数のアライメントセンサの位置を調整することを備える、特徴11乃至13のいずれかに記載の方法。
15.アライメントマークの測定された位置のための補正ファクタを決定するために前記物体の測定された高さ及び/または測定された傾斜を使用することを備える、特徴11乃至14のいずれかに記載の方法。
16.走査動作において物体を横断して複数のアライメントセンサ及びレベリングセンサを移動させることと、その走査動作中にまたはその走査動作の全体にわたって1つまたは複数のアライメントマークの位置を測定しかつ物体の1つまたは複数の点での高さ及び/または傾斜を測定することと、を備える、特徴15のいずれかに記載の方法。
17.前記走査動作は一方向に実行される、特徴16に記載の方法。
18.1つまたは複数のアライメントセンサのアライメントヘッドは、フィードフォワードされたデータにより提供された前記補正に応じて移動される、特徴15乃至17のいずれかに記載の方法。
19.ウェーハを露光する方法であって、ウェーハモデルを再構成することを含み、該ウェーハモデルの再構成はリソグラフィ装置内のまたはリソグラフィ装置に関連する物体のアライメントを測定することにより該ウェーハのアライメントを測定することを含み、該方法は、測定のそれぞれがアライメント検出領域にて行われるよう複数のアライメントマークの位置を測定することと、レベリングセンサ検出領域において物体の高さ及び/または傾斜を測定することと、測定された複数のアライメントマークの位置のための補正を提供するために、測定された高さ及び/または傾斜をフィードフォワードすることと、前記再構成されたウェーハモデルに基づいて露光を実行することと、を備える方法。
20.物体のアライメントを測定するための装置を備えるリソグラフィ装置であって、
物体を運ぶためのステージと、
該ステージの位置を測定するための測定デバイスと、
アライメント検出領域にてアライメントマークの位置を測定するためのアライメント検出器を各々が備える複数のアライメントセンサと、
第1の方向に連続する1つまたは複数の位置に、第2の方向に移動させることなく、前記アライメントセンサを移動させるための機構と、
前記連続する位置のうち複数における前記測定デバイスの出力を前記アライメントセンサの出力と比較し、それらの出力に基づいて前記ステージの形状についての不一致を演算する演算部と、を備えるリソグラフィ装置。
21.前記ステージの位置を測定するための測定デバイスは干渉計を備える、特徴20に記載のリソグラフィ装置。
22.アライメントセンサの各々はアライメントヘッドに収容されているイメージセンサを備え、アライメントヘッドの各々は互いに独立に移動可能である、特徴21または22に記載のリソグラフィ装置。
23.メトロロジフレームに固定されているアライメントヘッドをさらに備える、特徴22に記載のリソグラフィ装置。
24.前記アライメントマークはウェーハ表面にまたはウェーハステージ上または計測ステージ上に設けられている、特徴20乃至23のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
25.物体のアライメントを測定するための装置を備えるリソグラフィ装置であって、
アライメント検出領域にてアライメントマークの位置を測定するためのアライメント検出器を各々が備える複数のアライメントセンサと、
レベリングセンサ検出領域において物体の高さ及び/または傾斜を測定するための複数のレベリングセンサと、を備え、各レベリングセンサは1つまたは複数のアライメントセンサに専用に使用される、リソグラフィ装置。
26.フォーカス差を解消するための機構をさらに備える、特徴25に記載のリソグラフィ装置。
27.フォーカス差を解消するための機構は、アライメントマークの焦点合わせをするためにレベリングセンサからの結果を基礎としてアライメントヘッドの各々を移動させる機構を備える、特徴25に記載のリソグラフィ装置。
28.フォーカス差を解消するための機構は、焦点距離を変えることによって多数のアライメントセンサのフォーカス調整をするための機構を備える、特徴26に記載のリソグラフィ装置。
29.アライメントヘッドの移動のための機構、及びフォーカス調整のための機構は、同一のアライメントヘッドに設けられている、特徴26乃至28のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
30.各レベリングセンサは、専用に使用されるアライメントセンサと同一の軸に設けられている、特徴25乃至29のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
31.レベリングセンサ検出領域とアライメント検出領域とはオフセットされた平行な軸上にまたは軸に沿って設けられている、特徴25乃至29のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
32.物体のアライメントを測定するための対応する方法が適用される、特徴25乃至31のいずれかに記載のリソグラフィ装置。