JP2011021243A - アレスト性に優れた厚肉低温用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】L方向、C方向ともにアレスト性に優れ、LNGなどの低温貯蔵タンクの素材として好適に用いることができる厚肉低温用鋼板の提供。
【解決手段】C:0.01〜0.1%、Si:0.03〜0.60%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.005%以下、S:0.003%以下、Ni:8.5%を超えて9.5%未満、sol.Al:0.005〜0.050%およびN:0.0005〜0.0060%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、板厚中心部において、旧オーステナイト粒の平均粒径が25μm以下で、かつ、旧オーステナイト粒のアスペクト比が0.7〜1.3であり、ミクロ組織中に面積比で3.0〜15.0%のオーステナイトを含む、アレスト性に優れた厚肉低温用鋼板。さらに、Mo,CuおよびCrのうちから選んだ1種以上の元素を特定量含んでもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、アレスト性に優れた厚肉低温用鋼板およびその製造方法に関し、詳しくは、アレスト性に優れたNi含有厚肉低温用鋼板とその製造方法、特に、LNGなどの低温貯蔵タンクの素材として好適な9%Ni含有厚肉低温用鋼板とその製造方法に関する。
なお、本発明における「厚肉鋼板」とは板厚40〜60mmのものである。また、「低温用」とは、LPG、LNGなどの液体の温度域、すなわち、−60℃以下の温度域で用いる鋼板であり、特に、−165℃のLNG温度で使用される貯蔵タンクに使用するものである。
なお、「アレスト性」とは、き裂の伝播を停止させることができる特性のことをいう。
LNGなどの低温物質の貯蔵タンクを製造するための低温用鋼板には、安全性確保の面から優れた破壊靱性が要求される。上記の要求に応える鋼板の代表例は、9%Ni鋼板であった。
従来、9%Ni鋼板については、そのP、Sをはじめとする不純物の低減やCの低減、さらには3段熱処理(「焼入れ(Q)−2相域焼入れ(L)−焼戻し(T)」という熱処理であり、以下、「Q−L−T」という。)法など種々の改善が行われてきた。
一方では、Ni含有鋼における強度、靱性向上に有効な合金元素としてMoを含有させることが検討されてきた。
上記のQ−L−T法やMoの含有は、靱性改善の根幹となる残留オーステナイト(変態せずに残ったオーステナイト)の量を増加させるためである。
このような従来技術の状況を特許文献を基に概括すると次のとおりである。
特許文献1には、Q−L−T法または直接焼入れ−2相域焼入れ−焼戻し(以下、「DQ−L−T」という。)法によって製造する板厚40mm以上の、0.04〜0.5%のMoを含有させた9%Ni鋼が開示されている。
特許文献2には、焼入れ−焼戻し(以下、「Q−T」という。)法または直接焼入れ−焼戻し(以下、「DQ−T」という。)法による肉厚40mm以上の9%Ni鋼の製造方法が開示されている。具体的には、特許文献2に、スラブ圧延時の圧下率を制御した後、Q−T処理あるいはDQ−T処理を行うことにより低温靱性の優れた厚肉9%Ni鋼の製造方法が開示されている。
特開平4−371520号公報 特開平6−184630号公報
特許文献1に記載の、Q−L−T法およびDQ−L−T法による製造法では、それぞれ下記の問題がある。
すなわち、Q−L−T法では、熱処理が3段熱処理となり熱処理回数が増加し、製造コストや製造リードタイムに問題がある。
一方、DQ−L−T法の場合には、靱性を確保するために圧延仕上げ温度を低温にする必要がある。この際、鋼板には特性異方性が生じるが、直接焼入れ(DQ)後の再度の焼入れ(L)ではオーステナイト域ではなく2相域までしか鋼板を加熱しないため、焼入れ(L)後の組織が異方性を有する組織を一部引き継ぐことになるので、鋼板の圧延方向(以下、「L方向」ということがある。)と圧延面に平行でかつL方向に垂直な方向(以下、「C方向」ということがある。)とで特性異方性が生じることを避けられない。
特許文献2で開示された技術は、単に、炭化物の析出状態を微細にしかも均一に分散させることで、そこから解離して生成するオーステナイトの安定性を高めることを目的とするものでしかない。このため、特許文献2には、加熱温度、1パスあたりの圧下率などミクロ組織を微細化する製造条件について考慮されていない。
本発明は、LNGなどの低温貯蔵タンクの素材として好適に用いることができるアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板、特に、ASTM E604に規定されたDT試験(Dynamic Tear Test)での−196℃での吸収エネルギーが、「L方向」および「C方向」の双方ともに1600J以上である9%Ni含有厚肉低温用鋼板を提供することを目的とする。
上記9%Ni含有厚肉低温用鋼板を「Q−L−T」の3段熱処理を行わず、「Q−T」法によって製造する方法を提供することもまた、本発明の目的とするところである。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、種々の検討を行った。その結果、次の(a)〜(f)に示す知見を得た。
(a)9%Ni含有厚肉低温用鋼板のアレスト性に対して、「板厚中心の±5mmの領域」(以下、「板厚中心部」ともいう。)における旧オーステナイト粒の平均粒径およびミクロ組織中のオーステナイトの面積比が大きく影響する。
なお、旧オーステナイト粒界は、マルテンサイト、ベイナイトを含む鋼板の場合、エッチングによって容易に現出させることができ、光学顕微鏡で識別可能である。そして、本発明でいう「粒径」は、いわゆる「円相当径」、つまり、投影面積を同じ面積の円と見なした場合の円の直径を指す。投影面積は現出させた旧オーステナイト粒界を電子写真として取り込み、それを画像解析装置で処理することによって「粒径」として算出することができる。
(b)板厚中心部における旧オーステナイト粒のアスペクト比が特定の範囲にあれば、9%Ni含有厚肉低温用鋼板のL方向とC方向において同等のアレスト性が得られる。
上記の板厚中心部における「旧オーステナイト粒のアスペクト比」とは、「板厚中心の±5mmの領域」において、鋼板の圧延方向(L方向)および板厚方向(以下、「Z方向」ということがある。)に平行な板厚断面、つまり、L方向およびZ方向に平行で、かつC方向に垂直な面で、光学顕微鏡を用いて旧オーステナイト粒の大きさを鋼板のZ方向およびL方向にそれぞれ、平均切片長さとして測定し、「L方向での平均切片長さ/Z方向での平均切片長さ」から求めた値を指す。アスペクト比も先に述べた「粒径」と同様に、旧オーステナイト粒界を電子写真として取り込み、画像解析装置で処理することによって算出することができる。
なお、「L方向」および「Z方向」の平均切片長さによって、「L方向」と「C方向」のアレスト性の異方性を判断するのは、圧延により旧オーステナイト粒はZ方向、C方向ともに同じように縮減されるので、便宜的にZ方向とC方向の平均切片長さを同じように扱うことができるためである。
(c)9%Ni含有厚肉低温用鋼板のアレスト性に対して、板厚中心部における粗大な旧オーステナイト粒の割合も影響を及ぼす。
(d)鋼板の加熱、圧延および冷却条件を制御することによって、未変態オーステナイトに格子欠陥としての転位を導入することができ、さらに、未変態オーステナイト粒である旧オーステナイト粒を微細にすることができる。
(e)低温で強圧下すると転位が多量に導入されるので、その後の組織が微細になり、特に、鋼に微量のNbを含有させた場合には、Nb(C、N)が微細に析出して転位の移動を妨げ、オーステナイト中の転位密度を増加させるため、鋼板の組織を微細にすることができる。しかしながら、本発明に係る9%Ni含有低温用鋼板と同等の極低温域では、上記の析出物が存在すると却って靱性が低下するので、高い靱性を確保できない。したがって、低温での強圧下とNbの含有は、本発明に係る9%Ni含有鋼板の靱性改善に必ずしも結びつくものではない。
(f)9%Ni含有鋼板の場合、焼入れ処理を行う前の、スラブの加熱−圧延工程において、加熱温度、圧延仕上げ温度を特定の温度範囲に制御するとともに1パス当たりの圧下率と累積圧下率を適正化し、圧延を仕上げた後、特定の温度域までを適正な冷却速度で冷却し、その後に特定の温度域に加熱して焼入れを行うことによって、一般の低炭素低合金鋼では見られない組織微細化効果を発現させることが可能である。しかも、上述の適正条件で得られた9%Ni含有鋼板の場合には、板厚中心部において、粗大な旧オーステナイト粒の割合が少なく、さらに、旧オーステナイト粒のアスペクト比は1.0を中心にそのバラツキが小さくなる。加えて、ミクロ組織中に適正な比率でオーステナイトを確保することもできる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)〜(5)に示すアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板および(6)に示すアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板の製造方法にある。
(1)質量%で、C:0.01〜0.1%、Si:0.03〜0.60%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.005%以下、S:0.003%以下、Ni:8.5%を超えて9.5%未満、sol.Al:0.005〜0.050%およびN:0.0005〜0.0060%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、
板厚中心部において、旧オーステナイト粒の平均粒径が25μm以下で、かつ、旧オーステナイト粒のアスペクト比が0.7〜1.3であり、ミクロ組織中に面積比で3.0〜15.0%のオーステナイトを含む、
ことを特徴とするアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板。
(2)質量%で、さらに、Mo:0.1%以下を含有することを特徴とする上記(1)に記載のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板。
(3)質量%で、さらに、Cu:2.0%以下およびCr:0.6%以下の1種以上を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板。
(4)板厚中心部において、さらに、粒径が40μm以上となる旧オーステナイト粒の比率が5%以下であることを特徴とする上記(1)から(3)までのいずれかに記載のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板。
(5)上記(1)から(3)までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼片に下記の工程1〜5を順に施すことを特徴とするアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板の製造方法。
工程1:鋼片を800〜1150℃に加熱する工程。
工程2:少なくとも800〜650℃の温度域で、1パス当たりの圧下率が5%以上、累積圧下率が25%以上となる圧延をする工程。
工程3:圧延終了後、0.1〜50℃/sの冷却速度で200℃以下の温度まで冷却する工程。
工程4:760〜900℃の温度に加熱して焼入れする工程。
工程5:550〜640℃の温度で焼戻しする工程。
残部としての「Feおよび不純物」における「不純物」とは、鉄鋼材料を工業的に製造する際に、原料としての鉱石やスクラップあるいは環境などから不可避的に混入するものを指す。
本発明で規定する「板厚中心部」は「板厚中心の±5mmの領域」を指す。また、「粒径」は、いわゆる「円相当径」、つまり、投影面積を同じ面積の円と見なした場合の円の直径を指し、「アスペクト比」は鋼板の「圧延方向での平均切片長さ/板厚方向での平均切片長さ」を指す。
本発明で規定する鋼片の加熱温度としての800〜1150℃は、鋼片表面の温度をいう。
また、圧延工程での800〜650℃の温度域における温度は、被圧延材である鋼片あるいは鋼板の表面温度を指す。
圧下率は、圧延の前後における板厚の減少率を指す。
圧延終了後の冷却速度は、鋼板の表面温度から求めた平均冷却速度をいい、その冷却速度で冷却する200℃以下の温度は、鋼板の表面温度を指す。
焼入れのために鋼板を加熱する760〜900℃の温度および焼入れ後に焼戻しする550〜640℃の温度は、ともに鋼板表面の温度を指す。
本発明のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板は、ASTM E604に規定されたDT試験での−196℃での吸収エネルギーが、鋼板のL方向およびC方向の双方ともに1600J以上であるため、LNGなどの低温貯蔵タンクの素材として好適に用いることができる。このアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板は、例えば、本発明の方法を適用することによって製造することができる。
以下に、本発明の構成要件について詳しく説明する。なお、各成分元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(A)化学組成について:
C:0.01〜0.1%
Cは、マルテンサイト変態が完了する温度であるMf点を低下させ、残留オーステナイトを安定化するのに有効な元素である。しかしながら、Cは、マルテンサイト素地そのものを硬化させ、オーステナイト量の増加による靱性改善以上に靱性を低下させる。したがって、Cの含有量は、強度を確保するのに必要な量以上とし、靱性を劣化させるような過大量を避けるべきである。Cの含有量が0.01%未満では強度が不足し、一方、0.1%を超えると靱性が劣化する。よって、Cの含有量は0.01〜0.1%とする。なお、Cの含有量は0.03%以上とすることが望ましく、また、0.07%以下とすることが望ましい。
Si:0.03〜0.60%、
Siは、脱酸元素として作用し、また、セメンタイトの析出を抑制して焼戻しでのオーステナイトの安定化を改善する作用を有する元素であり、0.03%以上の量を含有させる必要がある。しかしながら、Siの含有量が多すぎると靱性劣化を引き起し、特に0.60%を超えると靱性劣化が著しくなる。したがって、Siの含有量を0.03〜0.60%とする。なお、Siの含有量は0.10%以上とすることが望ましく、また、0.30%以下とすることが望ましい。
Mn:0.3〜2.0%、
Mnは、Mf点を低下させてオーステナイトを安定化するのに有効な元素であり、その含有量が多いほどオーステナイトの量が多くなるので、0.3%以上の量を含有させる。しかしながら、Mnの含有量が過剰になると、マルテンサイト素地の靱性を劣化させ、特に2.0%を超えると靱性劣化が著しくなる。したがって、Mnの含有量を0.3〜2.0%とする。なお、Mnの含有量は0.5%以上とすることが望ましく、0.7%以上とすれば一層望ましい。また、Mn含有量は1.5%以下とすることが望ましく、1.0%以下とすればさらに望ましい。
P:0.005%以下
Pは、不純物として鋼中に存在する。本発明に係る厚肉低温用鋼板においては、Pの存在が大きく鋼の特性を左右する。このため、Pの含有量を通常に比べて厳しく制限する必要があり、0.005%を超えると、粒界に偏析して靱性を低下させるのみならず、溶接時に高温割れを招く。したがって、Pの含有量を0.005%以下とする。なお、Pの含有量は0.002%以下とすることが望ましい。
S:0.003%以下
Sは、不純物として鋼中に存在する。本発明に係る厚肉低温用鋼板においては、Sの存在が大きく鋼の特性を左右するため、Sの含有量を通常に比べて厳しく制限する必要がある。Sの含有量が多いと、中心偏析を助長したり、延伸したMnSが多量に生成したりするため、母材および溶接熱影響部の機械的性質が劣化し、特に、0.003%を超えると、母材および溶接熱影響部の機械的性質の劣化が著しくなる。したがって、Sの含有量を0.003%以下とする。Sは少ないほど好ましい元素であるため、S含有量の下限は特に規定するものではない。
Ni:8.5%を超えて9.5%未満
Niは、本発明において最も重要な元素であり、強度を上昇させるとともにオースナイトを安定化する作用を有するので、8.5%を超える量を含有させる。Niの含有量が多いほど強度が上昇するとともにMf点が低下して残留オーステナイトの量が増加するため好ましい。しかしながら、9.5%以上の多量のNiを含有させることはコスト上昇を招くため、Niの含有量は9.5%未満とする。
sol.Al:0.005〜0.050%
Alは、Siと同様に脱酸元素として作用し、また、セメンタイトの析出を抑制して焼戻しでのオーステナイトの安定化を改善する作用を有する元素である。さらに、Alは、Nと結合してAlNとなり加熱時のオーステナイト粒の微細化に寄与する効果も有する。こうした効果を得るためには、Alをsol.Al(酸可溶Al)量で0.005%以上含有させる必要がある。しかしながら、sol.AlでのAlの含有量が多くなって0.050%を超えると、靱性劣化を引き起す。したがって、Alの含有量をsol.Alで0.005〜0.050%とする。なお、sol.AlでのAlの含有量は、0.020%以上とすることが望ましく、また、0.040%以下とすることが望ましい。
N:0.0005〜0.0060%
Nは、オーステナイトの安定化に寄与する元素であるため含有させることが望ましい。また、Nは、Alと結合してAlNとなり加熱時のオーステナイト粒の微細化に効果を発揮する。これらの効果を得るためには、0.0005%以上の量のNを含有させる必要がある。しかしながら、Nは、マルテンサイト素地の靱性を劣化させ、特に0.0060%を超えると靱性劣化が著しくなる。したがって、Nの含有量は0.0005〜0.0060%とする。なお、Nの含有量は、0.0020%以上とすることが望ましく、また、0.0050%以下とすることが望ましい。
本発明のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板の一つは、上記元素のほか、残部がFeおよび不純物からなるものである。
本発明のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板の他の一つは、上記の元素に加えてさらに、Mo、CuおよびCrのうちから選んだ1種以上の元素を含有するものである。以下、これらの任意元素の作用効果と、含有量の限定理由について説明する。
Mo:0.1%以下
Moを含有させると、焼戻し脆化を防止する効果が得られる。したがって、この効果を得るためにMoを含有してもよい。しかしながら、Moの含有量が0.1%を超えると、マルテンサイト素地の靱性を劣化させる。このため、含有させる場合のMoの含有量は0.1%以下とする。含有させる場合のMo含有量の上限は望ましくは0.06%、さらに望ましくは0.05%である。
なお、Moによる上記の効果を確実に発現させるためには、Moを0.03%以上含有させることが望ましい。
Cu:2.0%以下
Cuを含有させると、固溶状態でオーステナイトを安定化する効果が得られる。したがって、この効果を得るためにCuを含有してもよい。しかしながら、焼戻しの際に、固溶Cuがε−Cuとして析出するため、高強度化には有効であるが、Cu含有量が多くなると靱性を劣化させ、特に2.0%を超えると靱性劣化が著しくなる。したがって、含有させる場合のCuの含有量は2.0%以下とする。含有させる場合のCu含有量の上限は望ましくは1.6%、さらに望ましくは1.2%である。
なお、Cuによるオーステナイトを安定化する効果を確実に発現させるためには、Cuを0.05%以上含有させることが望ましい。さらに望ましくは0.3%以上である。
Cr:0.6%以下
Crを含有させると、焼入れ性向上により強度および靱性を向上させる効果が得られる。したがって、この効果を得るためにCrを含有してもよい。しかしながら、Crの含有量が多くなって0.6%を超えると、却って靱性を劣化させる。したがって、含有させる場合のCrの含有量は0.6%以下とする。含有させる場合のCr含有量の上限は望ましくは0.5%である。
なお、Crによる上記の効果を確実に発現させるためには、Crを0.05%以上含有させることが望ましい。
なお、上記のCuおよびCrは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種の複合で含有させることができる。なお、これらの元素の合計含有量は2.6%であっても構わないが、2.0%以下とすることが好ましい。
(B)板厚中心部におけるミクロ組織について:
(B−1)旧オーステナイト粒の平均粒径:
板厚中心部において、旧オーステナイト粒の平均粒径が25μmを超えると、アレスト性が劣化する。このため、旧オーステナイト粒の平均粒径は25μm以下とする必要がある。なお、旧オーステナイト粒の平均粒径は15μm以下であることが望ましい。
旧オーステナイト粒は小さければ小さいほど好ましいので、旧オーステナイト粒の平均粒径の下限は特に規定するものではないが、工業的な厚肉鋼板の生産においては、5μm程度が下限となる。
(B−2)旧オーステナイト粒のアスペクト比:
旧オーステナイト粒の平均粒径が25μm以下であっても、旧オーステナイト粒のアスペクト比が0.7を下回るか1.3を超える場合には、C方向のアレスト性が劣化する。このため、旧オーステナイト粒のアスペクト比は0.7〜1.3にする必要がある。なお、旧オーステナイト粒のアスペクト比は0.85〜1.15であることが望ましく、1.0が最も望ましい。
(B−3)ミクロ組織中のオーステナイトの面積比:
オーステナイトは厚肉鋼板の靱性を改善する手段として重要であり、高い靱性を確保するためには面積比で3.0%以上の量のオーステナイトが必要である。オーステナイトの量は多ければ多いほど靱性改善に有効である。しかしながら、オーステナイトの量が面積比で15.0%を超えると、硬さ(強度)が低下してしまう。したがって、ミクロ組織中のオーステナイトの面積比は3.0〜15.0%とする必要がある。ミクロ組織中のオーステナイトの面積比は4.0%以上であることが望ましく、5.0%以上であればさらに望ましい。
なお、ミクロ組織中のオーステナイトはX線による測定で判別することができる。そして、前述の旧オーステナイト粒界を電子写真として取り込み、それを画像解析装置で処理することによって算出する「粒径」や「アスペクト比」と同様に、オーステナイトの面積比は、判別したオーステナイトを電子写真として取り込み、画像解析装置を用いることによって測定することができる。
(B−4)粒径が40μm以上となる旧オーステナイト粒の比率:
板厚中心部におけるミクロ組織が前記(B−1)〜(B−3)の条件を満たしても、粒径が40μm以上の粗大粒が混在する場合にはアレスト性が劣化する場合がある。このため、上記の粗大粒の形成は可能な限り抑制するのが望ましい。具体的には、粒径が40μm以上となる旧オーステナイト粒の比率が5%以下であれば、安定して良好なアレスト性を確保することができる。
(C)製造条件について:
以下に詳述する本発明の製造条件は、工業的な規模で本発明のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板を経済的に要領よく実現するための方法の一つであり、上記鋼板自体の技術的範囲はこの製造条件によって規定されるものではない。
本発明に係るアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板は、前述の化学組成を有する鋼片に対し、例えば、以下の工程1〜5で順次処理することにより製造することができる。
なお、工程1〜5で順次処理する場合の鋼片の製造については、特にその鋳造条件を特定する必要はない。これは、工程1〜5で順次処理することにより、板厚中心部におけるミクロ組織を制御することができるからである。
(C−1)加熱工程:
加熱工程としての工程1では、本発明の厚肉低温用鋼板製造のための圧延素材としての鋼片を800〜1150℃に加熱する。
鋼片を800℃以上に加熱するのは、加熱温度が800℃未満では、未変態のフェライトが残存し均一な組織が得られないからである。加熱温度は850℃以上とすることがより望ましい。
一方、鋼片を1150℃を超えて加熱すれば、オーステナイト粒が粗大化してアレスト性が劣化する。このため、鋼片の加熱温度は1150℃以下とする。加熱温度の上限は1050℃とすることがより望ましく、1000℃とすればさらに望ましい。
(C−2)圧延工程:
圧延工程としての工程2では、加熱した鋼片を少なくとも800〜650℃の温度域で、1パス当たりの圧下率が5%以上、累積圧下率が25%以上となるようにして圧延して板厚を所要の厚みにまで減厚する。
オーステナイト粒の微細化と十分なアレスト性を得るためには、未再結晶オーステナイト域で十分な圧延を行うことが肝要であり、このために上記の条件で圧延する。
なお、圧延の一部を800℃を超える温度域で行っても構わない。
800〜650℃の温度域での1パス当たりの圧下率は7%以上とすることがより望ましく、また、累積圧下率は50%以上とすることがより望ましい。
なお、800〜650℃という比較的低温域で圧延すると被圧延材の変形抵抗が大きくなる。このため、800〜650℃の温度域での1パス当たりの圧下率は30%以下とすることが望ましく、また、累積圧下率は80%以下とすることが望ましい。
(C−3)冷却工程:
冷却工程としての工程3では、圧延終了後の鋼板を、0.1〜50℃/sの冷却速度で200℃以下の温度まで冷却する。
冷却速度が0.1℃/sを下回るとオーステナイトからマルテンサイトへの変態が不十分となり未変態オーステナイトが残存し、この状態で次の(C−4)項で述べる加熱工程に移行すると組織が均一にならずアレスト性が劣化するし、50℃/sを超える場合には強度が大きくなりすぎて靱性が低下する。
上記の0.1〜50℃/sという冷却速度は、圧延終了後の大気中での放冷、水冷など適宜の手段によって確保すればよい。
上記の冷却速度で冷却する際の冷却停止温度が200℃を超えると、やはり、オーステナイトからマルテンサイトへの変態が不十分となり未変態オーステナイトが残存し、この状態で次の(C−4)項で述べる加熱工程に移行すると組織が均一にならずアレスト性が劣化してしまうので、冷却は200℃以下の温度まで行う。
上記圧延終了後の鋼板の冷却速度は10℃/s以上とすることがさらに望ましく、また、40℃/s以下とすることがさらに望ましい。
なお、上記の冷却は200℃以下の温度であればいずれの温度で停止してもよく、室温まで冷却しても構わない。
(C−4)冷却後の加熱と焼入れの工程:
加熱と焼入れの工程としての工程4では、冷却後の鋼板を、760〜900℃の温度に加熱して焼入れする。
加熱温度が760℃未満では完全にオーステナイトに変態しないので均一な組織が得られずアレスト性が劣化する。一方、900℃を超えて加熱した場合にはオーステナイト粒が粗大化してアレスト性が劣化する。
760〜900℃の温度に加熱した後は、例えば、水冷など適宜の手段によって焼入れすればよい。
(C−5)焼戻し工程:
焼戻し工程としての工程5では、焼入れした鋼板を550〜640℃の温度で焼戻しする。
焼戻し温度が550℃未満では十分な靱性が得られず、一方、640℃を超える温度では強度が低下する。
焼戻しの温度は575℃以上とすることがさらに望ましく、また、620℃以下とすることがさらに望ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する鋼1〜20を実験炉を用いて溶製した後、熱間鍛造してブロックを製造し、表2に示した条件にて板厚50mmの鋼板に仕上げた。
表1中の鋼1〜14は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼である。一方、鋼15〜20は、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。
Figure 2011021243
Figure 2011021243
上記のようにして得た板厚50mmの各厚鋼板について、先ず、板厚中心部におけるミクロ組織を調査した。
すなわち、圧延方向に平行な板厚断面が被検面になるように、各鋼板の板厚中心部から試験片を採取し、次いで、その試験片を樹脂に埋め込んで鏡面研磨した後、ナイタールを用いてエッチングして旧オーステナイト粒界を現出させ、光学顕微鏡を用いて倍率を100倍として20視野ずつ観察し、旧オーステナイト粒界を電子写真として取り込んで画像解析装置で処理することによって、板厚中心の±5mmの領域における「旧オーステナイト粒の平均粒径」、「粒径が40μm以上である旧オーステナイト粒の比率」および「旧オーステナイト粒のアスペクト比」を算出した。
同様に、鏡面研磨した後、X線による測定で「オーステナイトの面積比」を測定した。
さらに、板厚50mmの各厚鋼板について、その板厚1/2位置を中心として厚さ25mmの試験片をL方向およびC方向の2方向に採取し、ASTM E604に規定されたDT試験を実施し、−196℃での吸収エネルギーを測定した。なお、吸収エネルギーの目標は、L方向およびC方向の双方ともに、1600J以上とした。
表3に、上記の調査結果をまとめて示す。
Figure 2011021243
表3から、鋼が本発明で規定する化学組成条件を満たし、しかも、板厚中心部におけるミクロ組織について旧オーステナイト粒の平均粒径、旧オーステナイト粒のアスペクト比、ミクロ組織中のオーステナイトの面積比が本発明で規定する条件を満たす試験番号1〜14の場合、DT試験での−196℃での吸収エネルギーは、L方向C方向ともに目標である1600J以上を有しておりアレスト性に優れていることが明らかである。
上記の試験番号のうちでも粒径が40μm以上となる旧オーステナイト粒の比率が5%以下である試験番号1〜13の場合、旧オーステナイト粒の比率が5.8%の試験番号14に比べて一層良好なアレスト性を有することも明らかである。
これに対して、鋼は本発明で規定する化学組成条件を満たしているものの、板厚中心部におけるミクロ組織について、特に、旧オーステナイト粒の平均粒径が本発明で規定する条件から外れる試験番号15〜19の場合、DT試験での−196℃での吸収エネルギーは、L、C両方向ともに目標に達しておらず、アレスト性に劣る。
同様に、鋼は本発明で規定する化学組成条件を満たしているものの、板厚中心部におけるミクロ組織について、旧オーステナイト粒のアスペクト比が本発明で規定する条件から外れる試験番号20の場合、DT試験での−196℃での吸収エネルギーは、L方向では2194Jと目標を達成しているのに、C方向では目標にほど遠い1299Jであって、C方向のアレスト性が劣化している。
また、鋼が本発明で規定する化学組成条件から外れた比較例の試験番号21および試験番号26の場合、DT試験での−196℃におけるC方向の吸収エネルギーは目標に達しておらず、アレスト性に劣る。
同様に、鋼が本発明で規定する化学組成条件から外れた比較例の試験番号22〜25の場合、DT試験での−196℃での吸収エネルギーは、L、C両方向ともに目標に達しておらず、アレスト性に劣る。
なお、本発明例の試験番号1〜14と比較例の試験番号15〜20の比較から、本発明の製造方法によれば、良好なアレスト性を有する厚肉低温用鋼板を安定かつ確実に製造できることも明らかである。
本発明のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板は、ASTM E604に規定されたDT試験での−196℃での吸収エネルギーが、鋼板のL方向およびC方向の双方ともに1600J以上であるため、LNGなどの低温貯蔵タンクの素材として好適に用いることができる。このアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板は、本発明の方法を適用することによって安定かつ確実に製造することができる。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.1%、Si:0.03〜0.60%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.005%以下、S:0.003%以下、Ni:8.5%を超えて9.5%未満、sol.Al:0.005〜0.050%およびN:0.0005〜0.0060%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、
    板厚中心部において、旧オーステナイト粒の平均粒径が25μm以下で、かつ、旧オーステナイト粒のアスペクト比が0.7〜1.3であり、ミクロ組織中に面積比で3.0〜15.0%のオーステナイトを含む、
    ことを特徴とするアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板。
  2. 質量%で、さらに、Mo:0.1%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板。
  3. 質量%で、さらに、Cu:2.0%以下およびCr:0.6%以下の1種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板。
  4. 板厚中心部において、さらに、粒径が40μm以上となる旧オーステナイト粒の比率が5%以下であることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載のアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板。
  5. 請求項1から3までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼片に下記の工程1〜5を順に施すことを特徴とするアレスト性に優れた厚肉低温用鋼板の製造方法。
    工程1:鋼片を800〜1150℃に加熱する工程。
    工程2:少なくとも800〜650℃の温度域で、1パス当たりの圧下率が5%以上、累積圧下率が25%以上となる圧延をする工程。
    工程3:圧延終了後、0.1〜50℃/sの冷却速度で200℃以下の温度まで冷却する工程。
    工程4:760〜900℃の温度に加熱して焼入れする工程。
    工程5:550〜640℃の温度で焼戻しする工程。
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