JP5655351B2 - 強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法 - Google Patents

強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はLNG貯蔵用タンク等に利用される強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法に関する。
近年、世界的なエネルギー需要の増大とそれに伴う地球環境の悪化が問題となっており、クリーンなエネルギー源としての天然ガス(LNG)の需要が急増している。それにともない、LNG貯蔵用タンクの建設が国内外で積極的に推進されており、タンク本体に使用される9%Ni鋼の需要も増加している。
そして、タンク建設敷地を有効利用するため、LNGタンクは大型化される傾向にあり、より降伏強度および引張強さの高い鋼板の製造が望まれている。このようなタンクでは、脆性破壊に対する安全性の確保から靭性を改善すべく、多くの研究開発がなされてきた。
なかでも、万一、タンクに亀裂が発生した場合のタンク事故の重大性を考慮し、脆性亀裂伝播停止特性が重要視される。特に、近年のLNGタンクの大型化による鋼板の厚肉化に伴い、さらなる脆性亀裂伝播停止特性の向上が求められる傾向にある。
一般的に、脆性亀裂伝播停止特性は靭性(脆性・延性破面遷移温度)と相関があることが知られており、低温用Ni含有鋼の靭性を改善することは、脆性亀裂伝播停止特性の向上に有効な手段の一つであると考えられる。
9%Ni鋼の低温靭性の改善方法として、P、S等の不純物元素の低減が有効であることは、一般的に知られており、非特許文献1には、Sの低減により、靭性が向上するとともに、脆性亀裂伝播停止特性が向上することが開示されている。また、非特許文献2には、Pの低減により靭性が向上することが開示されている。
一方で、強度を確保しつつ、より安定して優れた低温靭性を得ることができる製造法として、二段焼入焼戻(以下、Q−Q’−TプロセスまたはDQ−Q’−Tプロセスと呼ぶ)を行うことが一般的に知られており、必要に応じてこれらの方法が利用できることが示されている。JIS G 3127:低温圧力容器用ニッケル鋼鋼板(降伏点または耐力が590MPa以上)には焼入焼戻法(以下、Q−Tプロセスと呼ぶ)が指定されている。また、ASTM A844では、直接焼入焼戻(以下、DQ−Tプロセスと呼ぶ)が指定されている。
次に、非特許文献3によるとQ−Q’−Tプロセスによる低温靭性改善の考え方は次のとおりである。
1段目の焼入れ(Q)では、通常の焼入れと同様、オーステナイト域から急冷することでマルテンサイトが得られる。2段目の焼入れ(Q’)はAc変態点以下の(γ+α)二相域から焼き入れる。Q’により組織が微細化されるとともに、合金元素の分配が起こるために、焼戻しマルテンサイトと合金元素の濃縮したマルテンサイトと、少量の残留オーステナイトが形成される。この混合組織を、Ac1変態点近傍で焼戻す(T)と、さらに合金元素の濃縮した安定オーステナイトが析出するとともに、焼戻しマルテンサイト中のC、Nのような靭性に有害な不純物は、オーステナイトに移行する。すなわち、最終組織は微細で、かつ、靭性の極めて高い焼戻しマルテンサイトと、極低温でも安定性の高いオーステナイト相との混合組織となるため、Q−Q’−Tプロセスでは、低温靭性(−196℃における吸収エネルギー)が著しく向上する。
非特許文献4には、DQ−Tプロセスを適用することにより、Q−Tプロセス材に比べて高い強度が得られるにもかかわらず、-196℃における吸収エネルギーは同等を維持し、大幅に脆性亀裂伝播停止特性が向上することが開示されている。
古君、中野:「鋼材の破壊靭性に対する高靭化の影響」、日本鉄鋼協会材料研究委員会編、昭和60年、p28 斉藤、矢野:材料とプロセス、vol.7(1994)、p1771、日本鉄鋼協会 改訂4版金属便覧、日本金属学会編、丸善、p801 田川、松井、伊沢、渡邊、鈴木、徳永:日本鋼管技報、No.111(1986)、p1
DQ−Tプロセスを適用することにより、Q−Tプロセス材に比べ高い強度が得られるにもかかわらず、-196℃における吸収エネルギーは同等を維持し、大幅に脆性亀裂伝播停止特性が向上することが上記した非特許文献に示されているが、そのメカニズムについては明確に述べられておらず、また、実機製造での詳細な圧延条件も十分に示されていない。
また、発明者等が再現実験を行ったところ、必ずしも、DQ−Tプロセス材はQ−Tプロセス材と同等の十分な吸収エネルギーが得られなかった。そこで、DQ−T型9%Ni鋼に関して、-196℃における吸収エネルギーが確保できる製造条件を明確にする必要がある。
本発明は、LNGタンクの側板用途として、Q−Tプロセスの9%Ni鋼板と同等以上の強度、靭性が得られ、なおかつ、Q−T材よりも優れた脆性亀裂伝播停止特性を有する強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼を経済的かつ安定的に製造する方法を提供することを目的とする。
一般に、DQ−Tプロセス適用の利点は、オースフォーム効果を活用できる点にある。すなわち、DQ前の圧延によりオーステナイト粒を微細化するとともに多くの転位を導入することにある。このような、微細な加工オーステナイトからマルテンサイト変態することにより、有効結晶粒径であるパケットが微細なマルテンサイトが得られる。これにより、高強度かつ高靭性が達成されるものと考えられる。
従って、オースフォームにより得られるこれらの特性は、圧延条件をはじめとして、種々の製造条件の影響を受けるものと考えられ、圧延条件が適正でない場合は期待どおりの効果が得られない。
発明者等は、DQ−T型9%Ni鋼の製造条件と強度、靭性、脆性亀裂伝播停止特性について、詳細な検討を重ねた結果、以下に示す知見を得た。
(1)加熱温度の高温化は、初期オーステナイト粒径を粗大にし、脆性亀裂伝播停止特性を劣化させる。
(2)DQ前の制御圧延において、未再結晶域での累積圧下率を増大させること、および、圧延終了温度を低温化することにより、強度は上昇する傾向にあるが、-196℃における吸収エネルギーは低下する。
(3)累積圧下率がある量以上、または、圧延終了温度がある温度以下、または、その組合せによっては、集合組織の発達が顕著になり、セパレーションが発生し、これにより、吸収エネルギーが大きく低下する。
(4)未再結晶域での圧延条件が適正であっても、再結晶域の圧下量が不十分であれば、結晶粒の微細化が達成されず、靭性が低下する。
本発明は、上記した知見に基づくものであり、以下の通りである。
第一の発明は、質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.02〜0.40%、P:0.005%以下、S:0.005%以下、Mn:0.2〜1.0%、Ni:8.5〜9.5%、Al:0.01〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を950〜1150℃に加熱し、850℃以下の累積圧下率を15〜70%、圧延終了温度を650〜800℃とする圧延後、鋼板の板厚中心部の冷却速度を3℃/s以上、冷却停止温度を200℃以下とした直接焼入れを行なった後、500〜650℃の温度に焼戻すことを特徴とする強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法である。
第二の発明は、質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.02〜0.40%、P:0.005%以下、S:0.005%以下、Mn:0.2〜1.0%、Ni:8.5〜9.5%、Al:0.01〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を950〜1150℃に加熱し、900〜850℃の累積圧下率を15%以上、850〜800℃の累積圧下率を15%以上とし、かつ850℃以下の累積圧下率を15〜70%、圧延終了温度を650〜800℃とする圧延後、鋼板の板厚中心部の冷却速度を3℃/s以上、冷却停止温度を200℃以下とした直接焼入れを行なった後、500〜650℃の温度に焼戻すことを特徴とする強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法である。
第三の発明は、質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.02〜0.40%、P:0.005%以下、S:0.005%以下、Mn:0.2〜1.0%、Ni:8.5〜9.5%、Al:0.01〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を950〜1150℃に加熱し、900〜850℃の累積圧下率を15%以上、850〜800℃の累積圧下率を15%以上とし、かつ850℃以下の累積圧下率Rを15〜70%、圧延終了温度FTを650〜800℃とし、FT≧(10/3)×R+1550/3の関係を満たす条件で圧延後、鋼板の板厚中心部の冷却速度を3℃/s以上、冷却停止温度を200℃以下とした直接焼入れを行なった後、500〜650℃の温度に焼戻すことを特徴とする強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法である。
第四の発明は、鋼片が更に、質量%で、Cu:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.05%以下、V:0.05%以下、Cr:0.5%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする第一から第三の発明のいずれかに記載の強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法である。
本発明により、熱処理を省略したDQ−Tプロセスにより、Q−Tプロセスの場合に比較して、高強度で、かつ、同等の低温靭性を有する9%Ni鋼板を安定的に製造できるようになった。
以下に本発明の各構成要件の限定理由について説明する。
1.化学成分について
はじめに、本発明の鋼の化学成分を規定した理由を述べる。なお成分%は、全て質量%を意味する。また、以下に記した元素以外の残部はFeおよび不可避不純物である。
C:0.03〜0.10%
Cは、強度を付与するのに重要な元素であり、0.03%以上の添加が必要であるが、0.10%を超えて添加すると、低温靭性の低下を招くため、C量は0.03〜0.10%の範囲とする。
Si:0.02〜0.40%
Siは、強度向上あるいは脱酸材として添加されるが、多量に添加すると、焼戻し脆化感受性が高まることから、Si量は0.02〜0.40%の範囲とする。
P:0.005%以下、S:0.005%以下
P、Sは、いずれも不純物元素である。健全な母材および溶接継手を得るためには、可能な限り低く抑制するのが好ましい。従って、P量、S量はともに、0.005%以下とする。
Mn:0.2〜1.0%
Mnは、0.2%未満であると、熱間での延性が低下するため、0.2%以上の添加が必要である。一方、Mnは、強度の向上に寄与する元素であるが、1.0%を越えて添加しても、強度向上代が小さくなるうえ、逆に低温靭性が低下し、焼戻し脆化感受性も高くなることから、Mn量は0.2〜1.0%の範囲とする。
Ni:8.5〜9.5%
Niは、低温靭性を付与するとともに、残留オーステナイトの安定化に寄与する元素であり、8.5%以上の添加が必要であるが、9.5%を超えて添加しても、その効果が飽和するため、Ni量は8.5〜9.5%の範囲とする。
Al:0.01〜0.10%
Alは、脱酸元素として必要であるが、0.01%未満ではその効果が乏しく、一方、0.10%超えると清浄性を損なうため、Al量は0.01〜0.10%の範囲とする。
上記成分に加えて下記成分の中から選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
Cu:0.5%以下
Cuは、焼入性向上により強度を得るのに有効な元素であるが、0.5%を超えて添加すると靭性が低下するため、添加する場合は、Cu量は0.5%以下とする。
Mo:0.5%以下
Moは、焼戻し脆化感受性を抑制するのに有効な元素であり、また、靭性を損なうことなく強度が得られる元素であるが、0.5%を超える添加は、靭性が低下するので、添加する場合は、Mo量は0.5%以下とする。
Cr:0.5%以下
CrもMoと同様の効果が得られるが、0.5%を超える添加は、靭性が低下するので、添加する場合は、Cr量は0.5%以下とする。
Nb:0.05%以下、V:0.05%以下
Nb、Vはいずれも析出強化により強度の向上に有効であるが、両者とも過剰な添加は靭性が低下するので、添加する場合は、Nb量、V量はいずれも0.05%以下とする。
2.製造方法について
製造方法は、所望の鋼板を得るために下記のように規定した。その理由を述べる。
加熱温度:950℃〜1150℃
加熱温度が950℃未満の場合は、鋼片の鋳造段階で析出している粗大なAlNが固溶せず、靭性が低下する。また、添加元素が十分に均一に拡散せず、靭性が低下する。そのほか、以下に述べる圧延条件を実質的に満足できない。一方、1150℃を超える温度で加熱すると、オーステナイト粒が粗大化し靭性が低下する、また、スケールの生成量が増加し、圧延時の疵の発生原因となる。以上の理由から、加熱温度は950℃以上、1150℃以下とする。
900〜850℃の累積圧下率:15%以上
再結晶温度域で適度の圧下を加えることにより、その時点で微細かつ等軸な再結晶粒が得られる。そのために、900〜850℃の累積圧下率を15%以上とした。
850℃以下の累積圧下率:15〜70%
一般に、DQ-Tプロセス適用の利点は、オースフォーム効果を活用できる点にある。すなわち、DQ前の圧延により、オーステナイト粒を微細化するとともに、多くの転位を導入することにある。このような、微細な加工オーステナイトからマルテンサイト変態することにより、有効結晶粒径であるパケットが微細なマルテンサイトが得られる。これにより、高強度かつ高靭性が達成されるものと考えられる。圧延による結晶粒径の微細化のためには、少なくとも850℃以下で15〜70%の累積圧下を加える必要がある。さらに、850〜800℃の累積圧下率を15%以上とすることが望ましい。
圧延終了温度:650〜800℃
圧延終了温度が、鋼板表面温度で800℃を超えると、集合組織の発達が不十分であり、脆性亀裂伝播停止特性の向上は認められない。一方、650℃未満となると、鋼板中心部の集合組織が著しく発達するため、圧延終了温度は鋼板表面温度で650℃以上、800℃以下とする。
FT≧(10/3)×R+1550/3の関係を満たす圧延条件
ここで、FT:圧延終了温度(℃)、R:850℃以下の累積圧下率(%)
制御圧延条件が強い場合、セパレーションが発生し、吸収エネルギー(シェルフエネルギー)が低下する。一方、制御圧延条件が十分でなければ、結晶粒が粗大化し、靭性が低下する。そのため、850℃以下の累積圧下率R(%)と圧延終了温度FT(℃)との関係は、850℃以下の累積圧下率Rを15〜70%、圧延終了温度FTを650〜800℃とし、さらに、FT≧(10/3)×R+1550/3の関係を満たす範囲内とすることが望ましい。
鋼板の冷却速度:鋼板中心部で3℃/s以上、冷却停止温度:鋼板中心部温度が200℃以下の直接焼入れ
冷却速度が3℃未満では均一なマルテンサイト組織が得られないため、鋼板の中心部での冷却速度を3℃/s以上とする。また、200℃を超えた温度で冷却を停止すると、マルテンサイト変態が完了せず、均一なマルテンサイト組織が得られず強度および靭性が低下するため、鋼板中心部温度が200℃以下まで冷却する直接焼入れとする。
焼戻し温度:500℃〜650℃
強度と靭性(吸収エネルギー)のバランスから、適正な温度を選択する必要がある。500℃未満では、焼戻しが不十分のため靭性が低下する。また、650℃超えでは、残留オーステナイトの生成が多すぎるため、YSが低下し、靭性も低下する。そのため、焼戻し温度は、500℃〜650℃の範囲とする。なお、強度が十分に下がらない場合や、それにより、吸収エネルギーが低い場合は、焼戻の保持時間を長時間にすると、強度、靭性の適正化が可能である。
表1に、供試鋼の化学成分を示す。これらの成分のスラブを表2に示す条件で熱間圧延、直接焼入し、その後焼戻しを行った。直接焼入れの条件は、鋼板の板厚中心部の冷却速度を30℃/s、鋼板板厚中心部の冷却終了温度を100℃とした。
Figure 0005655351
Figure 0005655351
鋼板の1/2t部(板厚中心部)から圧延方向と垂直な方向(C方向)に平行部径が14φの引張試験片およびVノッチシャルピー試験片を採取し、それぞれ常温引張試験および-196℃でのシャルピー衝撃試験を実施した。衝撃試験では、3回の測定を実施して、吸収エネルギーを測定し、その平均値を求めた。なお、-196℃におけるシャルピー吸収エネルギーが150J以上を本発明とした。
表2に、実施例の機械的特性を示す。
No.1は、比較のため、通常の焼入焼戻し(Q-Tプロセス)により得られた比較例である。No.2、4〜7、10〜13は、本発明の化学成分、圧延条件を満たしており、Q-Tプロセス材と同等以上の強度と-196℃において十分な吸収エネルギーが得られている。No.3、8、9は加熱、圧延条件が本発明の条件を満たしておらず、シャルピー吸収エネルギーが低い値となっている。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.02〜0.40%、P:0.005%以下、S:0.005%以下、Mn:0.2〜1.0%、Ni:8.5〜9.5%、Al:0.01〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を950〜1150℃に加熱し、900〜850℃の累積圧下率を15%以上、850〜800℃の累積圧下率を15%以上とし、かつ850℃以下の累積圧下率を15〜70%、圧延終了温度を650〜800℃とする圧延後、鋼板の板厚中心部の冷却速度を3℃/s以上、冷却停止温度を200℃以下とした直接焼入れを行なった後、500〜650℃の温度に焼戻すことを特徴とする強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法。
  2. 質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.02〜0.40%、P:0.005%以下、S:0.005%以下、Mn:0.2〜1.0%、Ni:8.5〜9.5%、Al:0.01〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を950〜1150℃に加熱し、900〜850℃の累積圧下率を15%以上、850〜800℃の累積圧下率を15%以上とし、かつ850℃以下の累積圧下率Rを15〜70%、圧延終了温度FTを650〜800℃とし、FT≧(10/3)×R+1550/3の関係を満たす条件で圧延後、鋼板の板厚中心部の冷却速度を3℃/s以上、冷却停止温度を200℃以下とした直接焼入れを行なった後、500〜650℃の温度に焼戻すことを特徴とする強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法。
  3. 鋼片が更に、質量%で、Cu:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.05%以下、V:0.05%以下、Cr:0.5%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の強度および低温靭性に優れた9%Ni鋼の製造方法。
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