JP2011020433A - 太陽電池用裏面保護シート及び該シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】活性エネルギー線硬化接着剤層を介して、少なくとも2つ以上のシート状部材が積層されてなる太陽電池用裏面保護シート。好ましくは、シート状部材の1つが、金属箔であるか、あるいは、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に金属酸化物もしくは非金属無機酸化物が蒸着されてなる蒸着層付きプラスチックフィルム。
【選択図】なし
Description
ところで、複数のシート状部材を積層し、太陽電池用裏面保護シートを工業的に生産する場合、長尺状態のものをロール状に巻き取る。しかし、ポリウレタン系接着剤は硬化反応が遅いので、ロール状に巻き取った積層体中の接着剤層の硬化が不十分となり易く、巻き取った後、シート状部材がずれ易く、不良品発生率が高く、歩留まりが悪いという問題があった。
また、十分に硬化させる為に高温に維持した倉庫にて数日エージングさせる必要があり、その点でも生産性が悪く、倉庫の温度を維持する為の電気代コストがかかるなど生産コストが大きくなるという問題もあった。
さらに、硬化剤であるイソシアネート化合物は、主剤である水酸基含有樹脂と反応するだけでなく、空気中の水とも反応する。水と反応した後、脱炭酸反応が起きるために、シート状部材を積層した後に接着剤層に気泡が発生し、外観不良やデラミネーションが生じるという問題もあった。
第2の発明はシート状部材の1つが、金属箔であるか、あるいは、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に金属酸化物もしくは非金属無機酸化物が蒸着されてなる蒸着層付きプラスチックフィルムであることを特徴とする第1の発明の太陽電池用裏面保護シートに関する。
第4の発明はウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量が5000〜150000であることを特徴とする第3の発明の太陽電池用裏面保護シートに関する。
第7の発明はジイソシアネート成分が、脂環式ジイソシアネートであることを特徴とする第5の発明又は第6の発明の太陽電池用バックシートに関する。
本発明にかかる、太陽電池用裏面保護シートを構成するシート状部材は特に限定されるものではなく、プラスチックフィルム、金属箔、前記プラスチックフィルムに金属酸化物もしくは非金属酸化物が蒸着されてなるもの等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリスルホン系樹脂フィルム、ポリ(メタ)アクリル系樹脂フィルム、
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂フィルム等が挙げられる。
これらのプラスチックフィルムを支持体とし、アクリル系、フッ素系塗料がコーティングされてなるフィルムや、ポリフッ化ビニリデンやアクリル樹脂などが共押出しにより積層されてなる多層フィルムなどを使用することができる。さらに、ウレタン系接着剤層などを介して上記のプラスチックフィルムが複数積層されたシート状部材を用いても良い。
蒸着される金属酸化物もしくは非金属無機酸化物としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの酸化物が使用できる
太陽電池セルの水の影響による出力低下を防止する為に水蒸気バリア性を有する金属酸化物もしくは非金属無機酸化物が蒸着されたプラスチックフィルムまたはアルミニウム箔などの金属箔と、
光劣化による外観不良発生を防止する為に耐候性の良好なフッ素系樹脂フィルムが積層されてなる太陽電池用裏面保護シートが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量(Mn)は、5000〜150000であることが好ましく、さらに10000〜100000であることが好ましい。数平均分子量が5000より小さいと、シート状部材と接着剤層との分子間力による接着力が小さくなるためシート状部材間の接着力が不十分となりやすくなる。数平均分子量が150000より大きいと、活性エネルギー線硬化性接着剤が高粘度になりやすくなったり、活性エネルギー線硬化性接着剤を構成する他の成分との溶解性が悪くなりやすくなったり、硬化性接着剤層に又は硬化接着剤層にシート状部材を重ねた際、シート状部材に対する接着剤層の濡れ性が乏しくなり、その結果シート状部材間の接着力が不十分となりやすくなったりするなどの問題が生じやすくなる。
(メタ)アクリロイル基当量が500よりも小さいと、活性エネルギー線硬化時の硬化収縮によりシート状部材間の接着力が不十分となる傾向にある。一方、(メタ)アクリロイル基当量が40000よりも大きいと、接着剤層の架橋が不十分となり、耐湿熱性試験時にシート状部材間の接着力が低下する傾向にある。
ウレタン結合当量が200よりも小さいと、硬化性接着剤層に又は硬化接着剤層の凝集力が大きくなり、硬化性接着剤層に又は硬化接着剤層にシート状部材を重ねた際、シート状部材に対する接着剤層の濡れ性が乏しくなり、接着力が低下する傾向にある。一方、ウレタン結合当量が3000よりも大きいと、耐湿熱性の良好なウレタン結合が少なくなり、耐湿熱性試験後にシート状部材間の接着力が低下する傾向にある。
(1)(メタ)アクリロイル基を有しないジオール成分とジイソシアネート成分とを水酸基過剰の条件下に反応させてなるポリウレタン中の水酸基を、水酸基と反応し得る官能基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物と反応させたり、
(2)(メタ)アクリロイル基を有しないジオール成分とジイソシアネート成分とをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなるポリウレタン中のイソシアネート基を、イソシアネネート基と反応し得る官能基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物と反応させたり、
(3)(メタ)アクリロイル基を有しないジオール成分と(メタ)アクリロイル基を有するジオール成分とジイソシアネート成分とを反応させたりして、ウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。
上記(1)〜(3)のうち、ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量と(メタ)アクリロイル基当量を個別に調節することができ、シート状部材間の接着力と耐湿熱性の両立することができる点から(3)が好ましい。
前記プレポリマーの数平均分子量は、500程度以上であることが好ましく、500〜5000であることが好ましい。分子量の小さなプレポリマーを用いると、ウレタン結合基当量が小さくなる傾向にある。ウレタン結合基当量が小さくなりすぎると、硬化性接着剤層に又は硬化接着剤層の凝集力が大きくなりすぎる。凝集力の大きすぎる硬化性接着剤層に又は硬化接着剤層にシート状部材を重ねた場合、シート状部材に対する接着剤層の濡れ性が乏しくなり、その結果シート状部材間の接着力が低下する傾向にある。一方、前記プレポリマーの数平均分子量が5000を越えるような場合は、凝集力不足によるシート状部材間の接着力の低下が懸念される。
また、形成される接着剤層の耐湿熱性の点から前記プレポリマーは、カーボネート構造を有することが好ましい。
耐候性の点から前記ジイソシアネート成分としては、脂環式ジイソシアネートが好ましい。
有機溶剤としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系化合物、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系化合物、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族化合物、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素化合物などの各種溶剤を使用することができる。
また、必要に応じて触媒を添加することができ、たとえばジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレート等金属系触媒;1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の3級アミン;トリエタノールアミンのような反応性3級アミン等が挙げられ、これらは単独でも、2種類以上を併用してもよい。
また、光重合開始剤とともに、増感剤としてn-ブチルアミン、トリエチルアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の脂肪族アミン、芳香族アミンを併用しても良い。
ウレタン(メタ)アクリレートが、40重量%よりも少ないと接着剤層の凝集力が低下し、接着力および耐湿熱性が不十分となる傾向にある。
他の活性エネルギー線硬化性化合物が30重量%より多いと硬化時の収縮により接着剤が不十分となりやすい。
光重合開始剤が、20重量%より多いと接着剤層の凝集力が低下し、接着力が不十分となりやすい。
活性エネルギー線硬化性を有しない化合物が60重量%より多いと、硬化性成分が不足し接着剤層の凝集力が低下し、接着力および耐湿熱性が不十分となる傾向にある。
ガラス転移温度が20℃を超える場合には、硬化性接着剤層に又は硬化接着剤層にシート状部材を重ねた場合、シート状部材に対する接着剤層の濡れ性が乏しくなり、その結果シート状部材間の接着力が低下する傾向にある。一方、ガラス転移温度が−20℃未満の場合には接着剤層の凝集力が低下し、接着力および耐湿熱性が不十分となりやすい。
[1] 一のシート状部材に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗工し、形成された活性エネルギー線硬化性接着剤層に他のシート状部材を重ねた後、一方のシート状部材側から又は両シート状部材側から、活性エネルギー線を照射し、両シート状部材間に活性エネルギー線硬化接着剤層を形成したり、あるいは
[3]の方法において用いられる他のシート状部材形成用塗液としては、プラスチックフィルムの形成に使用され得る、ポリエステル系樹脂溶液、ポリエチレン系樹脂溶液、ポリプロピレン系樹脂溶液、ポリ塩化ビニル系樹脂溶液、ポリカーボネート系樹脂溶液、ポリスルホン系樹脂溶液、ポリ(メタ)アクリル系樹脂溶液、フッ素系樹脂溶液等が挙げられる。
[2]の方法は、[1]の方法とは全く反対の特徴を有する。即ち、酸素阻害を受けやすい状況で活性エネルギー線を照射することになる反面、使用し得るシート状部材の選択肢が広がるという長所を有する。
[3]の方法は、最初の工程で酸素阻害を受けやすい状況で活性エネルギー線を照射することになる反面、形成された接着剤層に他のシート状部材形成用塗液を塗工し、他のシート状部材を形成するので、接着剤層と他のシート状部材との接着力を確保しやすいという長所を有する。
太陽電池用裏面保護シートとして要求される性能、価格、生産性等を勘案して、種々の製造方法を選択したり、さらに組み合わせたりすることができる。
なお、[1]、[2]の場合、硬化性接着剤層に又は硬化接着剤層に他のシート状部材を重ねる際に、加熱及び/又は加圧条件下に重ね合わせることができる。
溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系化合物、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系化合物、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族化合物、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素化合物、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール等のアルコール類、水等が挙げられる。これら溶剤は単独でも、2種類以上を併用してもよい。
シート状部材に塗布される接着剤量は、乾燥膜厚で0.1〜50g/m2程度であることが好ましい。
以下にウレタン(メタ)アクリレートの合成、活性エネルギー線硬化性接着剤組成物、ポリウレタン系接着剤組成物、および太陽電池用裏面保護シートの作成方法について示す。
合成例1
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下槽を備えた重合反応装置の重合槽に、メチルエチルケトン(MEK)を811.0部、クラレポリオールC−1090(クラレ社製)を785.7部、プロピレングリコールジグリシジルエーテルに2モルのアクリル酸が付加した化合物であるエポキシエステル70PA(共栄社化学製)を25.3部仕込み、窒素気流下、攪拌しながら重合槽内の温度を80℃に上げた。80℃になったらジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を0.5部加えた。次に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)189.0部とMEK189.0部との混合物を滴下槽から、2時間かけて重合槽に滴下した。滴下終了1時間後にDBTDLを0.05部加え、その後、赤外分光光度計でイソシアネート基の赤外吸収ピークが消滅するまで反応を続け、イソシアネート基の吸収ピークが完全に消滅を確認し、反応を終了した。重合槽の温度を40℃まで下げて、MEKを500.0部加えて、固形分40%のウレタンアクリレート(A−1)溶液を得た。(A−1)の性状を表−1に示す。
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下槽を備えた重合反応装置の重合槽に、メチルエチルケトン(MEK)を869.4部、クラレポリオールC−3090(クラレ社製)を834.1部、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を41.7部仕込み、窒素気流下、攪拌しながら重合槽内の温度を80℃に上げた。80℃になったらジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を0.5部加えた。次に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)124.2部とMEK124.2部とを混合して、滴下槽に入れ、2時間かけて重合槽に滴下した。滴下終了1時間後にDBTDLを0.05部加え、その後、赤外分光光度計でイソシアネート基の赤外吸収ピークが消滅するまで反応を続け、イソシアネート基の吸収ピークが完全に消滅したことを確認し、数平均分子量44000、重量平均分子量76000、水酸基価2.55mgKOH/gのウレタン樹脂を得た。
次いで、重合槽の温度を60℃に下げて、1個のイソシアネート基と1個のアクリロイル基とを有する2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズAOI、昭和電工社製)を6.4部とMEKを6.4部との混合物を重合槽に添加して、60℃で反応を行い、赤外分光光度計でイソシアネート基の赤外吸収ピークが完全に消滅するまで反応を続けた。重合槽の温度を40℃まで下げて、MEKを500.0部加えて、固形分40%のウレタンアクリレート(A−2)溶液を得た。(A−2)の性状を表−1に示す。
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下槽を備えた重合反応装置の重合槽に、メチルエチルケトン(MEK)を862.5部、クラレポリオールC−3090(クラレ社製)を826.7部、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を41.3部仕込み、窒素気流下、攪拌しながら重合槽内の温度を80℃に上げた。80℃になったらジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を0.5部加えた。次に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)132.0部とMEK132.0部とを混合して、滴下槽に入れ、2時間かけて重合槽に滴下した。滴下終了1時間後にDBTDLを0.05部加えて3時間反応を続けて、数平均分子量42000、重量平均分子量72000、NCO価2.67mgKOH/gのウレタン樹脂を得た。
次いで、重合槽の温度を60℃に下げて、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を5.5部とMEKを5.5部とを混合したものを重合槽に添加して、60℃で反応を行い、赤外分光光度計でイソシアネート基の赤外吸収ピークが完全に消滅するまで反応を続けた。重合槽の温度を40℃まで下げて、MEKを500.0部加えて、固形分40%のウレタンアクリレート(A−3)溶液を得た。(A−3)の性状を表−1に示す。
表−1の組成に従って、合成例1と同様の方法で反応を行いウレタンアクリレート(A−4)〜(A−6)溶液を得た。各ウレタンアクリレートの性状を表−1に示す。各性状は以下のようにして求めた。
Mn、Mwの測定は東ソー社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用い、溶媒はテトラヒドロフランを用いた。MnとMwはポリスチレン換算で行った。
ガラス転移温度の測定は、セイコーインスツルメンツ社製DSC「RDC220」を用いて行った。ウレタンアクリレート(A−1〜6)溶液を乾燥した試料、約10mgをアルミニウムパンに量り採り、DSC装置にセットして液体窒素で−100℃まで冷却した後、10℃/minで昇温して得られたDSCチャートからガラス転移温度を算出した。
上記合成により得られたウレタンアクリレート溶液、活性エネルギー線硬化性化合物、光重合開始剤、活性エネルギー線硬化性を有しないその他の化合物、溶剤を表2に示す重量部に従って配合し、活性エネルギー線硬化性接着剤を得た。
ビスコート#230:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学(株)製)
M210:EO変性ビスフェノールAジアクリレート(東亞合成(株)製)
M315:イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート(東亞合成(株)製)
ビームセット700:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(荒川化学(株)製)
イルガキュア184:1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
イルガキュア369:2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンー1(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
イルガキュア819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
エピコート1001、エピコート1002、エピコート1009:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製)
ポリエチレンテレフタレート系セパレートフィルム上に、各接着剤を塗布し、乾燥した後、表面から紫外線(120Wメタルハライドランプ、UV−A領域の積算光量500mJ/cm2)を照射し、活性エネルギー線硬化性接着剤層を硬化し、硬化物を前記セパレートフィルムから剥がし、厚みが約200μmになるまで折りたたみ重ね、測定用試料とした。
動的粘弾性測定装置DVA−200(アイティー計測制御社製)を用いて、前記試料について動的粘弾性を測定し、tanδのピーク値の温度をガラス転移温度とした。
ポリエステルジオールP−3010(クラレ(株)製)をイソホロンジイソシアネートと反応させてなる、数平均分子量38000の水酸基を有するポリウレタンに、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット体を固形分比で10:1になるように配合し、さらにビスフェノールAジグリシジルエーテルを1.0重量%配合した。
作成方法1
シート状部材(S1)に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布し、溶剤を揮散させた後、他のシート状部材(S2)を重ねつつ、60℃に設定した2つのロール間を通過させ積層後、他のシート状部材(S2)側から紫外線(120Wメタルハライドランプ、UV−A領域の積算光量500mJ/cm2)を照射し活性エネルギー線硬化接着剤層を形成させ太陽電池用裏面保護シートを作成した。なお、接着剤層の量は8〜10g/平方メートルとした。
シート状部材(S1)に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布し、溶剤を揮散させた後、塗布面側から紫外線(120W高圧水銀ランプ、UV−A領域の積算光量200mJ/cm2)を照射し活性エネルギー線硬化接着剤層を硬化させた後、他のシート状部材(S2)を重ねつつ、60℃に設定した2つのロール間を通過させ積層後、太陽電池用裏面保護シートを作成した。なお、接着剤層の量は8〜10g/平方メートルとした。
シート状部材(S1)に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布し、溶剤を揮散させた後、塗布面側から紫外線(120W高圧水銀ランプ、UV−A領域の積算光量200mJ/cm2)を照射し活性エネルギー線硬化接着剤層を硬化させた後、他のシート状部材(S2)を重ねつつ、60℃に設定した2つのロール間を通過させ積層後、積層物を作成した。
次にこの積層物に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布し、溶剤を揮散させた後、塗布面側から紫外線(120W高圧水銀ランプ、UV−A領域の積算光量200mJ/cm2)を照射し活性エネルギー線硬化接着剤層を硬化させた後、もう一つのシート状部材(S3)を重ねつつ、60℃に設定した2つのロール間を通過させ積層後、太陽電池用裏面保護シートを作成した。なお、2つの接着剤層の量はいずれも8〜10g/平方メートルとした。
シート状部材(S1)に熱硬化性ウレタン系接着剤を塗布し、溶剤を揮散させた後、他のシート状部材(S2)を重ねつつ、60℃に設定した2つのロール間を通過させ、積層後、これを60℃の環境にて1週間エージングを行い、太陽電池用裏面保護シートを得た。なお、接着剤層の量は8〜10g/平方メートルとした。
シート状部材(S1)に熱硬化性ウレタン系接着剤を塗布し、溶剤を揮散させた後、他のシート状部材(S2)を重ねつつ、60℃に設定した2つのロール間を通過させ、積層物を作成した。
次にこの積層物に熱硬化性ウレタン系接着剤を塗布し、溶剤を揮散させた後、もう一つのシート状部材(S3)を重ねつつ、60℃に設定した2つのロール間を通過させ、積層後、これを60℃の環境にて1週間エージングを行い、太陽電池用裏面保護シートを得た。なお、2つの接着剤層の量はいずれも8〜10g/平方メートルとした。
表3に示す活性エネルギー線硬化性接着剤と、太陽電池用裏面保護シートの作成方法、シート部材の組合せで、太陽電池用裏面保護シートを得た。後述する方法に従い、接着性、耐湿熱性、生産性、気泡の有無を評価した。結果を表3に示す。
表4に示す熱硬化性ポリウレタン系接着剤と、太陽電池用裏面保護シートの作成方法、シート部材の組合せで、太陽電池用裏面保護シートを得た。後述する方法に従い、接着性、耐湿熱性、生産性、気泡の有無を評価した。結果を表4に示す。
・PET(1):無色透明のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ188μm)
・PET(2):無色透明のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)
・PET(3):無色透明のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)の片面に10μの耐候性樹脂層*を設けたもの。
耐候性樹脂層*:オブリガートPS2012(白) 主剤:硬化剤(13:1)(AGCコーテック社製)
・蒸着PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)の片面に、珪素酸化物とフッ化マグネシウムの比率(モル%)が90/10の混合物を500Åの厚さに蒸着したフィルム。
・AL(1):アルミニウム箔(厚さ30μm)の片面に耐候性樹脂層*を設けたもの。
・AL(2):アルミニウム箔(厚さ30μm)。
・白色PET:白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)
・黒色PET:黒色ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)
・KFC:クレハエクステック社製多層フィルム「FT−50Y」(厚さ50μm)
・PVF:デュポン社製ポリフッ化ビニルフィルム「テドラー」(厚さ38μm)
(1)接着性
太陽電池用裏面保護シートを200mm×15mmの大きさに切断し、ASTM D1876−61の試験法に準じ、引張り試験機を用いて荷重速度300mm/分でT型剥離試験を行った。各シート状部材間の剥離強度(N/15mm巾)を5個の試験片の平均値で示した。
○・・・2N 以上
△・・・1N 以上〜2N未満
×・・・1N 未満
太陽電池用裏面保護シートを85℃、85%RH雰囲気下に1000時間保存した。保存した太陽電池用裏面保護シートを200mm×15mmの大きさに切断し、ASTM D1876−61の試験法に準じ、引張り試験機を用いて荷重速度300mm/分でT型剥離試験を行った。各シート状部材間の剥離強度(N/15mm巾)を5個の試験片の平均値で示した。
○・・・2N 以上
△・・・1N 以上〜2N未満
×・・・1N 未満
50cm巾、500m長の太陽電池用裏面保護シートのロール状物を作成し(熱硬化性ポリウレタン接着剤を用いた作成方法4、5の場合は、60℃の環境に1週間エージングする前のもの)、巻芯を天地方向にした状態に立て、外周をつかみ持ち上げた。
○・・・接着したシート内にズレが生じることはなく、ロールの形状も維持できた。
×・・・接着したシート内にズレが生じ、ロールの形状も維持できなかった。
50cm巾、500m長の太陽電池用裏面保護シートのロール状物を作成し(熱硬化性ポリウレタン接着剤を用いた作成方法4、5の場合は、60℃の環境に1週間エージングする前のもの)、巻芯を天地方向にした状態に立て、60℃の環境に1週間保存した。
透明なシート状部材を通して接着剤層の状態を観察したり、シート状部材の浮きの有無を観察したりした。
○・・・異常なし
△・・・小さな気泡発生又は小さな浮きが発生。
×・・・大きな気泡発生又は大きな浮きが発生。
Claims (11)
- 活性エネルギー線硬化接着剤層を介して、少なくとも2つ以上のシート状部材が積層されてなる太陽電池用裏面保護シート。
- シート状部材の1つが、金属箔であるか、あるいは、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に金属酸化物もしくは非金属無機酸化物が蒸着されてなる蒸着層付きプラスチックフィルムであることを特徴とする請求1記載の太陽電池用裏面保護シート。
- 活性エネルギー線硬化接着剤層が、ウレタン(メタ)アクリレートを必須とする活性エネルギー線硬化性接着剤から形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池用裏面保護シート。
- ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量が5000〜150000であることを特徴とする請求項3記載の太陽電池用裏面保護シート。
- ウレタン(メタ)アクリレートが、
(メタ)アクリロイル基を有しないジオール成分とジイソシアネート成分とを水酸基過剰の条件下に反応させてなるポリウレタン中の水酸基を、水酸基と反応し得る官能基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物と反応させてなる化合物であるか、もしくは
(メタ)アクリロイル基を有しないジオール成分とジイソシアネート成分とをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなるポリウレタン中のイソシアネート基を、イソシアネネート基と反応し得る官能基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物と反応させてなる化合物であるか、もしくは
(メタ)アクリロイル基を有しないジオール成分と(メタ)アクリロイル基を有するジオール成分とジイソシアネート成分とを反応させてなる化合物である、ことを特徴とする請求項3又は4記載の太陽電池用裏面保護シート。 - (メタ)アクリロイル基を有しないジオール成分が、カーボネート構造を有することを特徴とする請求項5記載の太陽電池用裏面保護シート。
- ジイソシアネート成分が、脂環式ジイソシアネートであることを特徴とする請求項5又は6記載の太陽電池用バックシート。
- 活性エネルギー線硬化接着剤層のガラス転移温度が、−20℃〜20℃であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の太陽電池用バックシート。
- 一のシート状部材に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗工し、形成された活性エネルギー線硬化性接着剤層に他のシート状部材を重ねた後、一方のシート状部材側から又は両シート状部材側から、活性エネルギー線を照射し、両シート状部材間に活性エネルギー線硬化接着剤層を形成することを特徴とする太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
- 一のシート状部材に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗工し、活性エネルギー線硬化性接着剤層を形成し、該活性エネルギー線硬化性接着剤層側から及び/又はシート状部材側から活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化接着剤層を形成した後、該活性エネルギー線硬化接着剤層に他のシート状部材を積層することを特徴とする、太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
- 一のシート状部材に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗工し、活性エネルギー線硬化性接着剤層を形成し、該活性エネルギー線硬化性接着剤層側から及び/又はシート状部材側から活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化接着剤層を形成した後、該活性エネルギー線硬化接着剤層に、他のシート状部材形成用塗液を塗工し、熱もしくは活性エネルギー線により他のシート状部材を形成することを特徴とする、太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
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