JP2011240614A - 積層シート及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性、耐候性に優れる積層シート及びそれを用いた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】厚さ20〜250μm、全光線透過率が90%以上の、弾性率が0.3〜3GPaである第一の樹脂の層と、厚さ0.1〜1.0mm、全光線透過率が90%以上の、弾性率が0.10〜0.30MPaである第二の樹脂の層を積層したことを特徴とする積層シート、および前記積層シートと、太陽電池素子と、太陽電池モジュール裏面封止シートとを、充填材を用いて接着させて作製される太陽電池モジュールであって、前記積層シートの第一の樹脂の層側を受光面側として積層した。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面にガラスを用いることなく軽量で、かつ衝撃吸収性に優れた積層シートおよびそれを用いた太陽電池モジュールに関するものである。
近年、石油、石炭をはじめとする化石燃料の枯渇が危ぶまれ、これらの化石燃料により得られる代替エネルギーを確保するための開発が急務とされている。このため原子力発電、水力発電、風力発電、太陽光発電等の種々の方法が研究され、実際の利用に及んでいる。太陽光エネルギーを電気エネルギーに直接変換することが可能な太陽光発電は、半永久的で無公害の新たなエネルギー源として実用化されつつあり、実際に利用される上での価格性能比の向上が目覚しく、クリーンなエネルギー源として非常に期待が高い。
太陽光発電に使用される太陽電池は、太陽光のエネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、シリコンなどに代表される半導体からできている。その構造としては、太陽電池素子を直列、並列に配線し、20年程度の長期間にわたって素子を保護するために種々のパッケージングが施され、ユニット化されている。このパッケージに組み込まれたユニットは太陽電池モジュールと呼ばれ、図4に示すように、一般に太陽光が当たる面をガラスで覆い、熱可塑性樹脂からなる充填材で間隙を埋め、裏面を封止シートで保護した構成となっている。
このような構造、すなわち、表面封止材料としてのガラス/充填材/太陽電池素子/充填材/裏面封止シート、という構造は、通常20年程度の耐久性を有し、太陽電池モジュールの主流形態として、近年急速に普及が進んでいる。
一方、太陽電池モジュールの設置場所の自由度を高めるためや、設置時の架台等の簡素化・低コスト化、設置時の人件費ダウンを目的として、太陽電池モジュール自体を軽量化することへの要求が高まっている。軽量化の1つの方法として、薄膜太陽電池を用いたフレキシブル太陽電池であるが、発電効率が低く、あまり採用されていない。他の方法として、表面封止材料としてのガラスに代えて透明樹脂フィルムを用いて軽量化した構造の太陽電池がある(特許文献1、2)。
また、ガラス自体が耐衝撃性が無く割れやすいとの考え方から、ガラスに代えて透明樹脂フィルムを採用する太陽電池もある(特許文献3〜7)。
しかしながら、ガラスに代えて単に透明樹脂フィルムを用いただけでは、以下の問題が発生する。
(1)透明樹脂フィルムはガラスに比べて耐候性が劣るものが多い。特に太陽光に含まれる紫外線への長期間の曝露により、変色や強度低下が起こることが多い。
(2)現在の太陽電池用ガラスは、強化ガラスが主に用いられており、十分な強度があり、厚さも厚いため、多少の衝撃ではガラス自身も、内部の太陽電池素子も割れなどの破壊・損傷が起こることは無いが、透明樹脂フィルムを用いる場合、衝撃が太陽電池素子の真上に作用すると、太陽電池素子の割れに直結するおそれがある。
このうち、(1)については、フッ素樹脂フィルムなどの耐候性フィルムを用いたり、紫外線吸収剤を練り込んだフィルムを用いたり、紫外線吸収剤を塗布したりすることで回避することが可能である(特許文献2)。
しかし、(2)については、軽量化のためにガラスの代わりに樹脂フィルムを用いる以上、樹脂フィルムと太陽電池素子の間には0.5mm程度の充填材のみとなり、耐衝撃性の低下は避けることができない。
かかる耐衝撃性の低下を解決を意図して、最表面のフッ素フィルムに30μm〜7mmの厚さをもつ非フッ素含有樹脂シートを積層した太陽電池用保護シートが提案されている(特許文献8)。かかる保護シートの具体的な構成として、実施例では非フッ素含有樹脂シートとして0.1mmのポリカーボネート(一般に弾性率は2GPa前後)が開示されている。
特開昭63−099581号公報 特開平11−040833号公報 特開2000−174296号公報[0006] 特開2000−174297号公報[0006] 特開2000−174298号公報[0006] 特開2000−174299号公報[0006] 特開2006−198922号公報[0004] 特開2009−137012号公報
しかし、ポリカーボネートでは、近年の内部の太陽電池素子の薄型化(200μm以下)に対しては保護が十分ではなく、1mm以下の樹脂フィルムで太陽電池素子を保護するには至っていなかった。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用する。すなわち、
厚さ20〜250μm、全光線透過率が90%以上の、弾性率が0.3〜3GPaである第一の樹脂の層と、厚さ0.1〜1.0mm、全光線透過率が90%以上の、弾性率が0.10〜0.30MPaである第二の樹脂の層を積層したことを特徴とする積層シートである。
かかる積層シートにおいて、前記第二の樹脂のデュロメータ硬さがE1/15〜E30/15の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の積層シートは、以下の構成により、太陽電池モジュールとして好ましく使用される。すなわち、
本発明の積層シートと、太陽電池素子と、太陽電池モジュール裏面封止シートとを、充填材を用いて接着させて作製される太陽電池モジュールであって、前記積層シートの第一の樹脂の層側を受光面側として積層したことを特徴とする太陽電池モジュール、である。
本発明によれば、雹などの外部からの衝撃から内部に封止された太陽電池素子を保護でき、かつ長期にわたる過酷な屋外環境下での使用に耐え得る耐候性に優れた太陽電池モジュールに用いる積層シートが得られる。
また、本発明の積層シートを用いれば、雹などの外部からの衝撃から内部に封止された太陽電池素子を保護でき、かつ長期にわたる過酷な屋外環境下での使用に耐え得る耐候性に優れた太陽電池モジュールが得られる。
本発明の太陽電池モジュールの例を示す断面の模式図である。 本発明の薄膜型太陽電池モジュールの例を示す断面の模式図である。 本発明の薄膜型太陽電池モジュールの別の例を示す断面の模式図である。 本発明の積層シートの略断面図である。 従来の太陽電池モジュールを示す断面の模式図である。
[積層シート]
本発明の積層シートは、厚さ20〜250μm、全光線透過率が90%以上の、弾性率が0.3〜3GPaである第一の樹脂の層と、厚さ0.1〜1.0mm、全光線透過率が90%以上の、弾性率が0.10〜0.30MPaである第二の樹脂の層を積層したものであり、第二の樹脂の層を太陽電池モジュール構造において受光面側充填材層と接する側の面に配すことで、太陽電池受光面の耐衝撃性を得るものである。
[第一の樹脂の層]
本発明の積層シートにおいて、太陽電池モジュールとした場合の受光面側の層として第一の樹脂の層を用いる。第一の樹脂の層は、外気に直接さらされる環境下におかれ、かつ太陽光を直接受光する部位であることから、高透明性、高耐候性が要求される。本発明において必要な耐候性としては、耐加水分解性、耐光性(耐紫外線性)があげられる。また、難燃性を有することが好ましい。
このような特性を持つ樹脂フィルムとしては具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂フィルムやポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂フィルム、またはフッ素系樹脂フィルム、これらの樹脂を混合した樹脂フィルムが挙げられる。中でも透明性・耐候性に優れていることからポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、フッ素系樹脂フィルムが好ましく、さらに透明性・耐紫外線性・難燃性を考慮するとフッ素系樹脂フィルムが特に好ましい。フッ素系樹脂として具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テロラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)などがあげられ、この中でも、透明性や水蒸気透過性、フィルム製膜性、コスト等に優れることから、PCTFE、FEP、PVDF、ETFEが特に好ましい。また、これらフッ素系樹脂フィルムはフッ素樹脂以外との共重合体であっても良く、共重合成分としては、例えば、アクリルなどがあげられる。
上記の第一の樹脂の層の厚さは、積層シートの耐電圧特性、コスト等を勘案すると、20〜250μmの範囲が好ましく、25〜150μmの範囲がより好ましい。この範囲より薄いと電気絶縁性が不足するおそれがあり、この範囲より厚いと高コストとなり、いずれも好ましくない。
また、第一の樹脂の弾性率は0.3〜3GPaである。前述した、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、フッ素系樹脂フィルムは、通常いずれもこの範囲に含まれる。第一の樹脂として、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、フッ素系樹脂以外の樹脂を用いる場合は、弾性率が0.3〜3GPaの範囲のものを選択して用いればよい。
また、第一の樹脂の層の透明性は、太陽電池の発電効率に直接影響するため、高い方がよく、全光線透過率で少なくとも90%以上、好ましくは92%以上である。透明性がこれより低いと太陽電池の発電効率が比例して低下することとなる。
また、第一の樹脂には、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色顔料等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加した樹脂等も用いることができる。
[第二の樹脂の層]
本発明の積層シートにおいて、太陽電池モジュールとした場合の太陽電池素子側の層として、第二の樹脂の層を第一の樹脂の層に積層したものを用いる。第二の樹脂の層は、太陽電池モジュールとした場合に衝撃を吸収・緩和する層として機能するため、弾性率が0.10〜0.30MPaであることが好ましい。第二の樹脂の弾性率が0.10MPaより小さいと塑性変形が起きやすくなり、シート化を行う際の打ち抜きや断裁時に加工しにくく、エッジ部のはみ出しなどが起こりやすくなる。また、0.30MPaより大きい場合は、耐衝撃性が悪くなる場合がある。
第二の樹脂の層の厚さは、高い衝撃吸収性を得るという観点から0.1mm以上が好ましく、0.15mm以上がより好ましく、特に0.2mm以上が好ましい。また透明性およびコストへの影響を考慮すると1mm以下が好ましい。
また、第二の樹脂の層の透明性は、太陽電池の発電効率に直接影響するため、高い方がよく、全光線透過率で少なくとも90%以上、好ましくは92%以上である。透明性がこれより低いと太陽電池の発電効率が比例して低下することとなり、好ましくない。
また第二の樹脂のデュロメータ硬さはE1/15〜E30/15であることが好ましい。この範囲外になると衝撃吸収性が悪くなりやすくなる。すなわち、この範囲より小さい(硬い)場合は衝撃を吸収できない。また、この範囲より大きい(柔らかい)場合は、衝撃を受けた際に第二の樹脂の層がへこみすぎてしまうため、やはり衝撃を吸収できない。
また、第二の樹脂のガラス転移点は−20℃以下であることが好ましい。ガラス転移点を−20℃以下とすることによって、特に衝撃吸収性に優れた積層シートとすることができる。ガラス転移点の下限は特に限定されないが、−80℃程度である。
第二の樹脂の屈折率は1.30〜1.60の範囲が好ましく、特に1.40〜1.55の範囲が好ましい。この範囲外になると、第一の樹脂との屈折率の差が大きくなり第一の樹脂との界面での反射といった、積層シート全体の透明性の低下を引き起こすことがある。
本発明における第二の樹脂は、以下に記述する活性エネルギー線硬化組成物を硬化せしめた透明樹脂であることが好ましい。本発明において活性エネルギー線とは、紫外線、可視光線、赤外線等の電磁波、電子線等の放射線等のエネルギー線を指し、プロセス適性の面から特に紫外線が好ましい。本発明において活性エネルギー線硬化組成物とは、前記活性エネルギー線を照射することにより化学反応が起こり硬化する以下に記述する化学組成のものを指す。
本発明において第二の樹脂を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物は、(A)分子末端にカルボキシ基または水酸基のいずれかの基を有するウレタンプレポリマーと、(B)分子末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマーとを少なくとも含有する。本発明において第二の樹脂を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物は、更に(D)反応希釈剤、及び(E)重合開始剤を含有するのが好ましい。
前記(B)のウレタンプレポリマーの分子末端のエチレン不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。
前記(A)のウレタンプレポリマーは、分子の両末端または片末端にカルボキシ基もしくは水酸基を有するものであり、特に該プレポリマー分子の両末端に有するのが好ましい。同様に前記(B)のウレタンプレポリマーも、分子の両末端または片末端にエチレン性不飽和基を有するものであり、特に該プレポリマー分子の両末端に有するのが好ましい。
上記したような、(A)及び(B)の2種のウレタンプレポリマーを用いることによって、第一の樹脂の層および被着物との密着性、耐衝撃性および剥離再利用性に優れた第二の樹脂の層を形成することができる。
本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物の1つの態様として、(a)分子末端にイソシアネート基を1分子当たり2個以上有するウレタンプレポリマーに、多価カルボン酸、オキシカルボン酸および多価アルコールから選ばれる少なくとも一種を反応させてなるウレタンプレポリマー、(b)分子末端にイソシアネート基を1分子当たり2個以上有するウレタンプレポリマーにアクリレート化合物を反応させてなるウレタンプレポリマー、(D)反応性希釈剤および(E)重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化組成物、がある。
前記(a)のウレタンプレポリマーは分子末端にカルボキシ基もしくは水酸基を有するウレタンプレポリマーであり、前記(b)のウレタンプレポリマーは分子末端にエチレン性不飽和基(アクリル基もしくはメタクリル基)を有するウレタンプレポリマーである。
上記の活性エネルギー線硬化組成物において、(a)のウレタンプレポリマーと(b)のウレタンプレポリマーとの含有比率は、質量比で9:1〜1:9の範囲が好ましく、8:2〜3:7の範囲がより好ましい。また、活性エネルギー線硬化組成物中における(a)のウレタンプレポリマーの含有比率は、20〜80質量%の範囲が好ましく、同様に(b)のウレタンプレポリマーの含有比率は10〜80質量%の範囲が好ましい。また、前記の活性エネルギー線硬化組成物中における(a)のウレタンプレポリマーと(b)のウレタンプレポリマーの合計の含有比率は、30〜95質量%の範囲が好ましく、50〜95質量%の範囲がより好ましい。
上記の比率を越えて(a)のウレタンプレポリマーが多くなると、弾性が不足し耐衝撃性の低下をもたらしたり、剥離したときに被着体側に粘着材が残留する場合がある。また、上記の比率を越えて(b)のウレタンプレポリマーが多くなると、第一の樹脂の層および被着物との密着性が低下する場合がある。
本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物の別の態様として、(c)分子末端にイソシアネート基を1分子当たり2個以上有するウレタンプレポリマーに、多価カルボン酸、オキシカルボン酸および多価アルコールの中から選ばれる少なくとも一種、およびアクリレート化合物を反応させてなるウレタンプレポリマー、(D)反応性希釈剤、および(E)重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化組成物がある。
前記(c)のウレタンプレポリマーは、分子末端にカルボキシ基もしくは水酸基を有するウレタンプレポリマーと、分子末端にエチレン性不飽和基(アクリル基もしくはメタクリル基)を有するウレタンプレポリマーとを含むものである。即ち、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、多価カルボン酸、オキシカルボン酸および多価アルコールから選ばれる少なくとも一種、およびアクリレート化合物を反応させることによって、分子末端にカルボキシ基もしくは水酸基を導入したウレタンプレポリマーと、分子末端にエチレン性不飽和基(アクリル基、メタクリル基)を導入したウレタンプレポリマーとを含むウレタンプレポリマーを得ることができる。
前記(c)のウレタンプレポリマーにおいては、分子末端アクリレート比率は全末端の50〜90%であるのが好ましい。上記の比率が50%より少ないと弾性が不足し耐衝撃性の低下をもたらし、90%より多くなると良い接着性が得られない場合がある。ウレタンプレポリマーの分子末端アクリレート比率はウレタンプレポリマーの酸価もしくは水酸基価と分子量から算出することができる。
また、活性エネルギー線硬化組成物中における前記(c)のウレタンプレポリマーの含有比率は、30〜95質量%の範囲が好ましく、50〜95質量%の範囲がより好ましい。
本発明に用いられる分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、ポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて合成することができる。かかるポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられるが、これらの中でもポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールが好ましい。
以下、上記のポリオール化合物について詳細に説明する。
前記ポリエステルポリオールは、多価カルボン酸と多価アルコールをエステル化反応させて得られるものである。
ここで用いる多価カルボン酸としては、特に制限されるものではないが、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、乳酸、ダイマー酸等が挙げられ、中でもアジピン酸、セバシン酸、ピロリメット酸、ダイマー酸が好ましく挙げられる。
前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等を用いることができ、中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の2官能アルコールが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールは多価アルコールをエーテル化反応させて得られるものである。ここで用いる多価アルコールとしては、前記ポリエステルポリオールの製造に用いる多価アルコールと同様のものを用いることができる。
前記ポリカプロラクトンポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール,1,9−ノナンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド,もしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等公知慣用の多価アルコールのε−カプロラクトン付加物等が挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる多価アルコールとホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記多価アルコールとジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの合成に用いられるイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物が挙げられる。
本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーにおいて、分子末端にイソシアネート基を1分子当たり2個以上有するウレタンプレポリマーが好ましく用いられるが、前記の分子末端にイソシアネート基を1分子当たり2個以上有するとは、少なくとも前記プレポリマー分子の両末端にイソシアネート基を有するという意味である。
前記(a)のウレタンプレポリマーにおいて、分子末端のイソシアネート基をブロックして分子末端にカルボキシ基もしくは水酸基を導入するために用いられる多価カルボン酸、オキシカルボン酸、および多価アルコールについて以下に説明する。
前記多価カルボン酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ダイマー酸、エタン−1,1,2−トリカルボン酸、ヘキサン−2,3,5−トリカルボン酸等公知慣用の有機酸が好適に用いられるが、他の成分との相溶性の面からジカルボン酸が好ましい。
前記オキシカルボン酸としては、乳酸、グリコール酸、トリオキシ酪酸、トリオキシ吉草酸、トリオキシヘキサン酸、グルコン酸等公知慣用の有機酸が好適に用いられる。これらの酸は,溶剤または可塑剤などに溶解して使用しても良い。
前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールを好ましく用いることができる。中でも、他の成分との相溶性や吸水安定性の面から1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール等のジオールが特に好ましい。
前記(b)のウレタンプレポリマーにおいて、分子末端のイソシアネート基をアクリレート変性するために用いるアクリレート化合物としては、アクリレート基もしくはメタクリレート基と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、もしくはアミド基等のイソシアネート基と反応しうる官能基とを有する化合物が挙げられる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、特にヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。
前記(c)のウレタンプレポリマーの合成に用いられる、多価カルボン酸、オキシカルボン酸、多価アルコール、およびアクリレート化合物としては、上述した(a)のウレタンプレポリマーのイソシアネート基をブロックするために用いられる多価カルボン酸、オキシカルボン酸、多価アルコール、及び(b)のウレタンプレポリマーのイソシアネート基を変性するために用いられるアクリレート化合物と同様のものを用いることができる。
本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物に用いられるウレタンプレポリマーの重量平均分子量は2万〜5万であることが好ましい。重量平均分子量を2万以上とすることによって、特に優れた耐衝撃性を得ることができる。また重量平均分子量が5万を越えると高粘度となり作業性や塗布性が劣る場合がある。
本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物は、更に(D)反応性希釈剤を含有するのが好ましい。ここで反応性希釈剤とは、反応性の不飽和二重結合を有する化合物を指し、具体的にはスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の一官能のビニルモノマーやアクリルモノマー、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマーなどを用いることができる。中でも、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の一官能のものが好ましいが、組成によっては多官能のものも少量添加することができる。
前記活性エネルギー線硬化組成物中における(D)反応性希釈剤の含有比率は1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物には、前記成分以外に(E)重合開始剤を含有するのが好ましい。かかる(E)重合性開始剤としては市販のものが広く使用することができるが、以下に示すような光重合開始剤が好ましく用いられる。例えば、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン系、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等のヒドロキアルキルフェノン系、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系、トリエタノールアミン、4−ジメチル安息香酸エチル等のアミン系が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種類以上組合せて用いることができる。
これらの重合開始剤の使用割合は、前記ウレタンプレポリマーおよび反応性希釈剤の合計に対して、0.05〜10質量%であるのが好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。0.05質量%より少ないと、硬化性が充分でなく光重合後に未反応単量体が多く残存して、接着界面において気泡の発生などを生じる場合がある。また、10質量%より多い場合は光重合後に重合開始剤が光重合後に残存して、黄変などの問題が発生する場合がある。
本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物には必要に応じて可塑剤を加えることもできる。かかる可塑剤としては、安息香酸ベンジル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジオクチル、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸系化合物、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブトキシエチルなどのアジピン酸系化合物、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸系化合物、リン酸トリエチレン、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルフェニルなどのリン酸化合物、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸系化合物、ジイソデシル−4,5−エポキシテトラヒドロフタレートなどのエポキシ系化合物、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸系化合物、その他オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリブテン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。しかし、前記ウレタンプレポリマーとの相溶性を考慮して選択される必要がある。
前記活性エネルギー線硬化組成物中における可塑剤の含有比率は1〜60質量%の範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物には必要に応じて各種の重合禁止剤を添加することもできる。かかる重合禁止剤としてはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール等を用いることができる。また、必要に応じて、上記した以外の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、顔料等を用いることもできる。
本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物には、粘度の調整や、重合開始剤等の固形物の分散のために、水や有機溶媒等の溶媒を用いても良いが、溶媒の量は少ない方が活性エネルギー線硬化組成物を塗布した後の加熱等による溶媒を除去する工程を省くことができるため好ましく、さらには無溶媒であることが好ましい。
上述した本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物は、衝撃吸収性及び被着体との密着性に優れる。
[積層シートの製造方法]
本発明の第一の樹脂の層と第二の樹脂の層を積層した積層シートを製造する方法として、
イ)第一の樹脂からなるフィルム上に上述の活性エネルギー線硬化組成物を塗布して得られた塗布膜に活性エネルギー線を照射し硬化させて第二の樹脂の層を形成する方法、
ロ)別の基材に活性エネルギー線硬化組成物を塗布して得られた塗布膜を透第一の樹脂からなるフィルムに転写した後、活性エネルギー線を照射し硬化させて第二の樹脂の層を形成する方法、
ハ)別の基材に活性エネルギー線硬化組成物を塗布して得られた塗布膜に活性エネルギー線を照射し硬化させて第二の樹脂の層を形成した後、該第二の樹脂の層を第一の樹脂の層からなるフィルムに転写して、第一の樹脂からなるフィルム上に第二の樹脂の層を積層する方法、
を用いることができる。
上記の製造方法の中でも、イ)及びハ)の方法が好ましい。即ち、本発明の積層シートを得るための好ましい製造方法の1つは、第一の樹脂からなるフィルム上に上述した本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物を塗布して塗布膜を形成する工程、前記塗布膜に活性エネルギー線を照射して硬化させ、第二の樹脂の層を形成する工程を含む製造方法である。好ましい他の製造方法は、別の基材上に上述した本発明において第二の樹脂の層を形成するのに用いる活性エネルギー線硬化組成物を塗布して塗布膜を形成する工程、前記塗布膜に活性エネルギー線を照射し硬化させて第二の樹脂の層を形成する工程、この第二の樹脂の層を第一の樹脂からなるフィルム上に転写する工程を含む製造方法である。
後者の製造方法に用いられる別の基材としては、離型PETフィルムが好ましく用いられる。
上記の製造方法において、第一の樹脂からなるフィルム上もしくは別の基材上に上記の活性エネルギー硬化組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布方法としては、スリットダイコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ロールコーター等を用いることができるが、中でも厚み均一性の良い塗膜が得られるスリットダイコーターが適している。
さらに、基材上に塗布されて形成された塗布膜に活性エネルギー線を照射して硬化させ、第二の樹脂の層を形成する。紫外線を用いて光重合により硬化させる場合は窒素ガスなどの不活性ガスで置換して酸素の無い雰囲気中で行うか、または紫外線透過性フィルムによる被覆で空気と遮断した状態で行うのが望ましい。
電子線の照射により硬化させる場合、公知の電子線照射装置を使用することができる。
前記UV、電子線の照射量は積算光量で100〜3000mJであることが好ましく、さらに100〜1000mJであることが好ましい。照射量が100mJより少ないと硬化が不十分となる場合があり、3000mJより多いと作業性が劣る場合があり、また照射時の熱により基材を変形、損傷させる場合がある。
第二の樹脂の層を形成し、完成した本発明の積層シートはロールに巻き取るか所定の大きさに断裁して枚葉とする。
[太陽電池モジュール]
上記のようにして作成した積層シートを太陽電池モジュールに使用するに際し、積層シートの第二の樹脂の層を太陽電池モジュールの充填材に接着させて受光面に配し、太陽電池モジュールに組み込む。
この際、積層シート、受光面側充填材、直列または並列に接続された複数の結晶シリコン型太陽電池素子、裏面側充填材、太陽電池モジュール裏面封止シートをこの順で積層すると、図1のような太陽電池モジュールが得られる。
積層する方法は特に限定しないが、公知の太陽電池モジュールラミネーターを用いて積層する事が一般的である。すなわち、積層させる材料一式を予め所定の温度に加熱されたモジュールラミネーター内に順番に重ねた状態で入れ、ラミネーターを真空排気したのち、所定の圧力で加熱圧着する。このとき、充填材が溶融し積層シートと裏面封止シートの間が充填材で接着される。
充填材としては、公知の太陽電池モジュール用充填材を用いることができる。具体的には、エチレン−ビニルアセテート共重合樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、アイオノマー樹脂などである。
太陽電池モジュール裏面封止シートは特に限定しないが、公知のものが使用可能である。一般には、ポリフッ化ビニル樹脂フィルムとPETフィルムを積層したもの、耐加水分解性PETフィルムと白色PETフィルム等を積層したもの等が用いられる。これらにアルミニウムなどの金属箔や無機酸化物を蒸着した樹脂フィルムなどの水蒸気遮断性材料を付加積層しても良い。また、太陽電池モジュール全体の剛性を必要とする場合は、ガラス板や金属板、その他剛性のある樹脂板や、これらの複合体を裏面封止シートとして用いても良い。
また、本発明の積層シートは、薄膜型太陽電池の受光面のシートして用いることもできる。図2aは、サブストレート型薄膜型太陽電池を、本発明の積層シート/充填材/サブストレート型薄膜型太陽電池素子/充填材/裏面封止シートという構成でモジュール化した構造であり、図2bは、積層シート/充填材/サブストレート型薄膜型太陽電池の構成でモジュール化した構成である。図2bの構成では、太陽電池素子を成膜する基板8が、裏面封止シートを兼ねた構成となっている。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明の積層シートについて説明する。
尚、各特性の評価は以下の方法で測定した。測定n数を明示していないものは、n=1での測定である。
(ウレタンプレポリマーの分子量)
GPCにより重量平均分子量、数平均分子量を測定した。測定にはWALTERS GPC−150CPlus(日本WALTERS社製)を用い下記条件にて測定し、平均値を採った。
検出器:WALTERS 2410
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:HR4 2本、HR4E 1本(7.5mm×300mm)
温度:40℃
濃度:0.2質量%
注入量:100μL
流速:1.0m/m
n数:3
(ウレタンプレポリマーのアクリレート末端比率)
JISK−1557に準拠し、樹脂をクロロホルム中に溶解させ、無水酢酸を添加しKOHで滴定することにより水酸基価を算出した。水酸基価と重量平均分子量からアクリレート末端比率を算出した。
(ガラス転移点)
JIS K7121(1999)に準じてDSC−60(島津製作所製)を用い測定した。開始温度は−80℃、昇温速度は10℃/分とした。
第二の樹脂のガラス転移点の測定は、活性エネルギー線硬化組成物を離型PETフィルム上に厚さ1mmで塗布し、高圧水銀ランプを用いて積算光量で1000mJ露光して第二の樹脂のフィルムを得、これを剃刀刃で一辺が0.5mmの立方体に切り取りサンプルとした。
(弾性率)
JIS K7113(2002)に準じて試験片タイプ2型に打ち抜きテンシロンRTM−100(オリエンテック社製)を用いて引張速度50mm/分で測定した。測定は、n数5で行い、平均値を採った。
第二の樹脂の弾性率の測定は、厚さ25μmの離型フィルムを敷いた12cm角、深さ1mmの金型に活性エネルギー硬化組成物を流し込み、上面に酸素遮断用に同種の離型フィルムでラミネートし、高圧水銀ランプを用いて積算光量で1000mJ露光した後、離型フィルムを剥離して第二の樹脂のフィルムを得、これをサンプルとして測定した。
(全光線透過率)
日本電色製ヘーズメーターを用いて全光線透過率を測定した。
第二の樹脂の全光線透過率の測定は、活性エネルギー線硬化組成物を離型PETフィルム上に厚さ0.5mmで塗布し、高圧水銀ランプを用いて積算光量で1000mJ露光して第二の樹脂の層を形成した後、離型PETフィルムを剥離して第二の樹脂のフィルムを得、これをサンプルとして測定した。
(第2の樹脂のデュロメータ硬さ)
所定の金型に活性エネルギー線硬化組成物を流し込み、離型フィルムでラミネートし、高圧水銀ランプを用いて積算光量で1000mJ露光した後、離型フィルムを剥離して、厚みが6mmの第二の樹脂のフィルムを得た。この第二の樹脂のフィルムについて、JIS K6253(1997)に準じてE型デュロメータ(島津製作所製)を用いてデュロメータ硬さを測定した。加圧面が密着してから15秒後の値を用い、5回の測定の中央値を、JIS Z8401(1999)によって丸め、整数値として求めた。
(積層シートの衝撃吸収性)
積層シートを、厚さ1.3mmの5インチソーダガラス(125mm×125mmのソーダガラス)上に貼合した。その鉛直上方から高さを変えながら、直径38mm、重さ約229gの鋼球を自由落下させ、ガラス破損時の高さで衝撃吸収性評価とした。
○:高さ45cmで破損しなかった。
×:高さ45cmで破損した。
(積層シートの耐候性)
岩崎電気(株)製のアイスーパーUVテスターを用いて、波長400nm以下の光照射量を1600W/mとしてUV光を積層シートの第一の樹脂の層の側から240時間照射し、カラーメーターで照射前後のb値を測定し耐候性評価とした。
○:Δb(照射後のb値―照射前のb値)<2.0
×:Δb≧2.0
合成例1(ポリエーテル系ウレタンプレポリマーa1の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「エクセノ−ル3020」[旭硝子ウレタン(株)製のポリプロピレングリコール(数平均分子量3200)]97.98質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11質量部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65質量部を加え、3時間攪拌しながら保温して末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーa0を得た。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、1,3−ブタンジオール1.4部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとのGPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーa1(重量平均分子量24000)を得た。
合成例2(ポリエステル系ウレタンプレポリマーa2の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「クラレポリオールP−3010」[クラレ(株)製のポリエステルポリオール(ジオールタイプ、数平均分子量3000)]91.86部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65部を加え、3時間攪拌しながら保温した。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、1,3−ブタンジオール1.4部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとのGPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーa2(重量平均分子量22000)を得た。
合成例3(ポリエーテル系ウレタンプレポリマーa3の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「エクセノ−ル3020」[旭硝子ウレタン(株)製のポリプロピレングリコール(数平均分子量3200)]97.98質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11質量部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65質量部を加え、3時間攪拌しながら保温した。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、乳酸1.4部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとのGPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーa3(重量平均分子量24000)を得た。
合成例4(ポリエステル系ウレタンプレポリマーa4の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「クラレポリオールP−3010」[クラレ(株)製のポリエステルポリオール(ジオールタイプ、数平均分子量3000)]91.86部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65部を加え、3時間攪拌しながら保温した。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、乳酸1.4部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとのGPC測定の結果、ピーク1から3のリテンションタイム及び面積が一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーa4(重量平均分子量22000)を得た。
合成例5(ポリエーテル系ウレタンプレポリマーb1の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器を装備したフラスコに、合成例1で得た末端イソシアネー
ト基のウレタンプレポリマーa0を200部仕込んだ。次に系内を80℃まで昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート3.69部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.22部を加え、3時間攪拌しながら保温してIR測定の結果、イソシアネート基が消失したことを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーb1(重量平均分子量24000)を得た。
合成例6(ポリエーテル系ウレタンプレポリマーb2の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「エクセノ−ル3020」[旭硝子ウレタン(株)製のポリプロピレングリコール(数平均分子量3200)]55.99質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.06質量部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート5.41質量部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとのGPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、末端イソシアネート基のウレタンプレポリマー(重量平均分子量13500)を得た。このウレタンプレポリマーを撹拌機、温度計、還流冷却器を装備したフラスコに200部仕込んだ。次に系内を80℃まで昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート6.46部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.22部を加え、3時間攪拌しながら保温してIR測定の結果、イソシアネート基が消失したことを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーb2(重量平均分子量14000)を得た。
<実施例1>
合成例1で得られたウレタンプレポリマーa1を52質量部、合成例6で得られたウレタンプレポリマーb1を25質量部、2−エチルヘキシルアクリレート(以下2EHAと表記)12質量部、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸(以下MSと表記)6質量部、フタル酸ジブチル(以下DBPと表記)5質量部、重合開始剤としてヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184、以下IC184と表記)を上記の組成全量に対して1質量%加えて均一に混合することにより試験用活性エネルギー線硬化組成物を調製した。
上記の活性エネルギー線硬化組成物に紫外線を照射し硬化させて得られた第二の樹脂について、ガラス転移点、弾性率、全光線透過率、デュロメータ硬さを評価した。
次に、上記の活性エネルギー線硬化組成物を用い第一の樹脂の層が異なる2種の積層シートを以下の異なる方法により作製した。
[第1の樹脂の層Aを用いた積層シートA]
上記の活性エネルギー線硬化組成物を、第一の樹脂の層Aの上にスリットダイコーターを用いて厚さ0.5mmで塗布し、高圧水銀ランプを用いて積算光量1000mJ露光して第二の樹脂の層を形成し、積層シートを得た。なお、第一の樹脂の層Aは、塗布面にコロナ処理を行った、厚さ50μmのフッ素樹脂(ETFE)フィルムであり、これは全光線透過率94%、弾性率1.4GPaである。
[第2の樹脂の層Bを用いた積層シートB]
上記の活性エネルギー線硬化組成物を、離型PETフィルムの上にスリットダイコーターを用いて厚さ0.5mmで塗布し、高圧水銀ランプを用いて積算光量1000mJ露光して第二の樹脂の層を形成した。一方、基材として第一の樹脂の層Bとして、塗布面にコロナ処理を行った、厚さ100μmのフッ素樹脂(FEP)フィルムと第二の樹脂の層とを貼合し、離型PETフィルムを剥離して積層シートを得た。この第一の樹脂の層の全光線透過率は97%、弾性率は0.65GPaである。
上記のようにして作製した積層シートAおよび積層シートBの2種について、以下の方法で衝撃吸収性および耐候性を評価した。
以上の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2011240614
<実施例2〜4、比較例1〜2>
活性エネルギー線硬化組成物を作製する条件を上記の表1に記載のものとした他は実施例1と同様にして第二の樹脂、および、それを用いた積層シートを作製し、それぞれ実施例2〜4、比較例1〜2とした。なお、各実施例、比較例においては実施例1と同様に第一の樹脂の層が異なる2種の積層シートを作製した。
上記の実施例及び比較例について、実施例1と同様の項目について評価し、その結果を表1に併せて示した。
以上の結果から、本発明の積層シートは衝撃吸収性、耐候性に優れていることが確認された。
合成例7(ポリエーテル系ウレタンプレポリマーc1の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「エクセノール3020」[旭硝子ウレタン(株)製のポリプロピレングリコール(数平均分子量3200)]97.98質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11質量部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65質量部を加え、3時間攪拌しながら保温した。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、1,3−ブタンジオール0.42質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.27質量部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとの分子量測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーc1(重量平均分子量24000)を得た。アクリレート末端比率は70%であった。
合成例8(ポリエステル系ウレタンプレポリマーc2の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「クラレポリオールP−3010」[クラレ(株)製のポリエステルポリオール(ジオールタイプ、数平均分子量3000)]91.86質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11質量部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65質量部を加え、3時間攪拌しながら保温した。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、1,3−ブタンジオール0.42質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.27質量部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとの分子量測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーc2(重量平均分子量22000)を得た。アクリレート末端比率は70%であった。
合成例9(ポリエーテル系ウレタンプレポリマーc3の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「エクセノ−ル3020」[旭硝子ウレタン(株)製のポリプロピレングリコール(数平均分子量3200)]97.98質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11質量部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65質量部を加え、3時間攪拌しながら保温した。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、コハク酸0.55質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.27質量部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとの分子量測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーc3(重量平均分子量24000)を得た。アクリレート末端比率は70%であった。
合成例10(ポリエーテル系ウレタンプレポリマーc4の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「エクセノール3020」[旭硝子ウレタン(株)製のポリプロピレングリコール(数平均分子量3200)]55.99質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11質量部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート5.41質量部を加え、3時間攪拌しながら保温した。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、1,3−ブタンジオール0.42質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.27質量部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとのGPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーc4(重量平均分子量14000)を得た。アクリレート末端比率は70%であった。
合成例11(ポリエーテル系ウレタンプレポリマーc5の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、「エクセノ−ル3020」[旭硝子ウレタン(株)製のポリプロピレングリコール(数平均分子量3200)]97.98質量部、ジラウリル酸ジブチルすず0.11質量部を仕込んだ。次に窒素ガスを吹き込みながら系内を70℃まで昇温し、均一に溶解した後、イソホロンジイソシアネート8.65質量部を加え、3時間攪拌しながら保温した。その後、酸素ガス、窒素ガスを吹き込みながら、1,3−ブタンジオール0.98質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.54質量部を加え、3時間攪拌しながら保温して30分ごとの分子量測定の結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5で一定であることを確認し反応を終了し、ウレタンプレポリマーc5(重量平均分子量24000)を得た。アクリレート末端比率は30%であった。
<実施例5>
ウレタンプレポリマー合成例7で得られたウレタンプレポリマーc1を82質量部、反応性希釈剤として2−エチルヘキシルアクリレート(以下2EHAと表記)7質量部、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸(以下MSと表記)6質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチル(以下DBPと表記)5質量部および重合開始剤としてヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184、以下IC184と表記)を組成物全量に対して1質量%加えて均一に混合することにより活性エネルギー線硬化組成物を調製し、実施例1と同様に各条件毎に2種の積層シートを作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2011240614
<実施例6、比較例3〜5>
活性エネルギー線硬化組成物を作製する条件を上記の表2に記載の比率のものとした他は実施例5と同様にして第二の樹脂、およびそれを用いた積層シートを作製し、それぞれ実施例6、比較例3〜5とした。なお、各実施例、比較例においては実施例5と同様に第一の樹脂の層が異なる2種の積層シートを作製した。
上記の実施例及び比較例について、実施例1〜4と同様の項目について評価し、その結果を表2に併せて示した。
表2の結果から、本発明の積層シートは衝撃吸収性、耐候性に優れていることが確認された。
本発明の積層シートは、衝撃吸収性に優れ、耐候性にも優れ、太陽電池モジュールの表面保護において好適に用いることができることから、本発明の積層シートおよびそれを用いた太陽電池モジュールは有用である。
1 積層シート
2 第一の樹脂の層
3 第二の樹脂の層
4 太陽電池モジュール裏面封止シート
5 結晶シリコン型太陽電池素子
6 充填材
7 薄膜型太陽電池素子
8 薄膜型太陽電池用基板
9 カバーガラス
10 本発明の太陽電池モジュールの例
20 本発明の薄膜型太陽電池モジュールの例
21 本発明の薄膜型太陽電池モジュールの別の例
30 従来の太陽電池モジュール

Claims (3)

  1. 厚さが20〜250μm、全光線透過率が90%以上、弾性率が0.3〜3GPaである第一の樹脂の層と、厚さが0.1〜1.0mm、全光線透過率が90%以上、弾性率が0.10〜0.30MPaである第二の樹脂の層とを積層したことを特徴とする積層シート。
  2. 前記第二の樹脂のデュロメータ硬さがE1/15〜E30/15の範囲内である請求項1に記載の積層シート。
  3. 請求項1または2に記載の積層シートと、太陽電池素子と、太陽電池モジュール裏面封止シートとを、充填材を用いて接着させて作製される太陽電池モジュールであって、前記積層シートの第一の樹脂の層側を受光面側として積層したことを特徴とする太陽電池モジュール。
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