JP6456668B2 - 太陽電池裏面保護シート及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池裏面保護シート及び当該太陽電池裏面保護シートを用いて得られる太陽電池モジュールに関する。
太陽光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽電池は、近年、特に地球環境問題の観点から次世代のエネルギー源としての期待が急激に高まっている。このような太陽電池モジュールには、太陽光が入射する側と反対側の面には、発電セルを保護する目的として太陽電池裏面保護シート(太陽電池バックシートともいう)が設けられている。
太陽電池モジュールは、通常野外に設置され、雨風や直射日光等の過酷な環境に晒される。太陽電池モジュールにはこのような過酷な環境下でも25年超という、長期にわたっての耐用年数が求められていることから、上記太陽電池裏面シートには自然環境に対する高い耐候性が要求される。この要求を満たすために、太陽電池用裏面保護シートの諸材料には高い耐候性能を有する材料が適用されている。
図1は、太陽電池用裏面保護シートの一般的な構成を示している。太陽電池用裏面保護シート10は、太陽電池モジュールの外層面から封止材に接触する側に向かって順に、外層基材11、接着剤層12a、中間層基材13、接着剤層12b、内層基材14が順に積層されている。外層基材11は、耐候性を有するフッ素系樹脂フィルム(ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルフルオライド、エチレンテトラフルオロエチレン)や耐加水分解PETフィルムなどが用いられる。中間層機材13は、例えば絶縁性確保を目的とした厚手(〜250μm)の汎用PETフィルムが用いられる。内層基材14は、太陽電池モジュール封止材であるEVAフィルム層と融着するような、120℃付近までに融点を有するオレフィンフィルムなどが用いられる。
太陽電池用裏面保護シートには、上述したとおり、太陽電池の裏面を保護する目的として高い耐候性が求められているので、接着剤層12a,12bにおいても長期間に亘って屋外に暴露されてもフィルムどうしが剥離しないように十分な耐候性が必要である。
接着剤層12a,12bを形成するための接着剤の一例としてはウレタン接着剤が挙げられる。ウレタン接着剤としては、例えば、耐久性、耐加水分解性向上を目的としてポリオールにイソシアネート等の硬化剤を配合した太陽電池裏面保護シート用接着剤が開示されている(例えば、特許文献1〜3等)。特許文献1の実施例には、ウレタン系ラミネート用接着剤を用いて太陽電池裏面保護シートを製造したことが記載されている。特許文献2及び3には、アクリルポリオールにイソシアネート硬化剤を配合して接着剤を製造し(特許文献2の表1及び表2、特許文献3の表1及び表2)、この接着剤を用いて、長期耐候性、耐加水分解性に優れる太陽電池裏面保護シートを製造したことが開示されている。そして、特許文献1〜3は、耐加水分解性やラミネート強度の優れた接着剤を用いて太陽電池裏面保護シートを作製し、フィルムどうしが剥がれてしまう問題を防止できることを教示している。
太陽電池裏面保護シートに用いるフィルムの種類は年々増加する傾向にある。ところが、そのようなフィルムは、耐加水分解性を向上させるために分子量が高く、末端基が少なく設計されており、その結果、耐加水分解性の高いフィルムは、概して難接着な材料となっている。そのため、接着強度が十分確保できないという問題やジッピングと呼ばれる急激な剥離の問題が起こり易い。加えて、フィルム自体の耐候性も向上していることや太陽電池モジュールに求められる性能が年々高くなっていることから、太陽電池裏面保護シート用の接着剤に求められる性能も必然的に高いものになってきている。従って、上記特許文献1〜3に開示の太陽電池裏面保護シートでは、需要者の要求を十分に満たしているとはいい難い。
上記課題である難接着な材料との接着力向上、ジッピングと呼ばれる急激な剥離問題を解決する手法として、例えば、特定のアクリルポリオール、イソシアネート化合物、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン及びオクチル酸錫とを混合することによって得られたウレタン樹脂で構成される接着剤が提案されている(例えば、特許文献4等)。
特開2004−247390号公報 特開2010−238815号公報 特開2010−263193号公報 特開2014−044996号公報
しかしながら、最近では生産性向上の観点から、接着層として必要な性能を発現させるまでに要する接着剤の養生時間をさらに短縮することが強く望まれている。ところが養生時間を短くしすぎると、接着剤中の主剤と硬化剤が十分に反応しきっていない状態となる。そのため、この状態で太陽電池モジュール製造時にセルに積層される封止材(EVA)と太陽電池裏面保護シートとの接着工程、いわゆる真空ラミネーションを行わなければならない。硬化剤が十分に反応しきっていない状態で真空ラミネーションを行うと、リリースシートの型が太陽電池用裏面シートの最外層に転写されてしまい、外観が悪くなる可能性があった。また、主剤と硬化剤の反応が不充分であると、接着剤自体の耐候性も確保できず、耐候性試験後に接着剤とフィルムが剥がれてしまうことにより生じる、いわゆるデラミネーションと呼ばれるフィルム浮きの現象が発生する可能性もあった。上記特許文献4に開示の接着剤では、接着強度が良好で、ジッピングの発生も抑制されるものであったが、上記のような養生時間の短縮という観点では、さらなる改良が望まれていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、基材が耐候性の高いフィルムであっても、基材どうしの接着強度が良好で、かつ、ジッピングの発生が抑制されていると共に接着剤の養生にかかる時間も短縮できる、太陽電池裏面保護シート及びこれを備える太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、2以上の基材を特定の接着剤を介して積層することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の太陽電池裏面保護シート及びこの太陽電池裏面保護シートを備えてなる太陽電池モジュールに関する。
1.太陽電池セルの裏面側に配置される太陽電池裏面保護シートであって、
(1)最外層から順に少なくとも第1樹脂層及び第2樹脂層が接着剤を介して積層されており、前記最外層とは反対側の最内層が前記太陽電池セルに貼り合わされて形成されており、
(2)前記接着剤は(A)アクリルポリオール、(B)イソシアネート化合物、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種、並びに(D)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを混合することによって得られたウレタン樹脂であり、
(A)アクリルポリオールは、重合性単量体が重合することで得られ、ガラス転移温度が−8℃〜8℃のポリマーであり、
前記重合性単量体は、水酸基を有する単量体およびその他の単量体を含み、
前記その他の単量体はアクリロニトリルおよび(メタ)アクリル酸エステルを含み、
前記アクリロニトリルは、該重合性単量体100重量部に対し、5.0〜15.0重量部であり、
(B)イソシアネート化合物は、(b1)キシレンジイソシアネートモノマーと(b2)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体との双方を含み
(b1)と(b2)との総重量100重量部に対し、(b1)が20〜40重量部であり、
(A)アクリルポリオールに由来する水酸基に対し、(b1)および(b2)に由来するイソシアネート基の当量比が1.0〜3.0であり、
(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種は、融点が200℃以下で、(A)アクリルポリオール100重量部に対して、0.05〜0.5重量部配合されていることを特徴とする太陽電池裏面保護シート。
2.前記第1樹脂層及び第2樹脂層は、それぞれ外層基材及び内層基材であり、前記太陽電池裏面保護シートを用いて太陽電池モジュールを形成した際に発電セル側に前記内層基材が位置する、上記項1に記載の太陽電池裏面保護シート。
3.前記外層基材と前記内層基材との間に中間層基材を有する、上記項2に記載の太陽電池裏面保護シート。
4.(A)アクリルポリオールは、水酸基価が5〜30mgKOH/gである上記項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池裏面保護シート。
5.前記第2樹脂層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及び低密度ポリエチレンの少なくとも1種を含有する、上記項1〜4のいずれかに記載の太陽電池裏面保護シート。
6.前記第1樹脂層は、フッ素フィルム、ポリエステルフィルムからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、上記項1〜5のいずれかに記載の太陽電池裏面保護シート。
7.上記項1〜6のいずれかに記載の太陽電池裏面保護シートを用いて得られる太陽電池モジュール。
本発明の太陽電池裏面保護シートは、2以上の基材が特定の接着剤を介して積層されている。これにより、基材が耐候性の高いフィルムであっても、基材どうしの接着強度が良好で、かつ、ジッピングの発生が抑制されていると共に接着剤の養生にかかる時間も短縮できる。
また、上記太陽電池裏面保護シートを用いて太陽電池モジュールを形成することにより、太陽電池モジュールの外観不良を長期間に亘って抑制することができる。
本発明の太陽電池裏面保護シートの実施の形態の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の太陽電池裏面保護シートは、太陽電池セルの裏面側、すなわち太陽光が入射する面とは反対側の面に配置される。そして、太陽電池裏面保護シートの最外層から順に、少なくとも第1樹脂層及び第2樹脂層が接着剤を介して積層されている。また、太陽電池裏面保護シートが前記太陽電池セルと貼り合わされた状態では、前記最外層とは反対側の最内層が前記太陽電池セルに貼り合わされて形成されている。
上記太陽電池裏面保護シートは、少なくとも第1樹脂層及び第2樹脂層が接着剤を介して積層されている。特に、接着剤が特定の成分で構成されることによって、第1樹脂層で構成される基材及び第2樹脂層で構成される基材どうしの接着強度が良好であり、ジッピングの発生が抑制される。特に、第1樹脂層及び第2樹脂層が耐候性の高いフィルム(例えば、フッ素系フィルム、耐加水分解ポリエステル等)で形成されていても、上述のように接着強度が良好であり、ジッピングの発生が抑制される。上記接着剤は主剤と硬化剤で構成されてなるが、該主剤及び硬化剤の反応が早く、接着剤の養生にかかる時間が大幅に短縮される。また、十分な電気絶縁性を有し、加速劣化試験においても良好な性能を維持することが可能であるので、上記太陽電池用裏面保護シートは有用性が高い。
以下、太陽電池裏面保護シートを構成する材料や接着剤について詳述する。
太陽電池裏面保護シートは、2以上の基材を、例えば、外層基材及び内層基材の2層とし、当該太陽電池裏面保護シートを用いて太陽電池モジュールを形成した際に発電セル側に前記内装基材が位置するように設計することができる。本実施形態の場合では、第1樹脂層を外層基材、第2樹脂層を内層基材とすることができる。また、外層基材と内層基材との間に中間層基材を有するように設計することもできる。このとき、外層基材(すなわち、第1樹脂層)としては耐候性を有する材料で構成することができる。また、中間層基材としては耐電圧を有する材料で構成することができる。内層基材(すなわち、第2樹脂層)としては発電セルを封止する封止材と良好な接着力を有する材料で構成することができる。
外層基材としては、外層より内側の層を紫外線やその他過酷な環境下から守るため、耐候性の高いフッ素フィルム、ポリエステルフィルム、無機蒸着フィルムが好適に用いられる。これらのフィルムは、1種又は2種以上の樹脂成分を含有するものであって、一軸又は二軸方向に延伸されているものでもよい。より好ましくは、フッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、耐加水分解ポリエステルが好ましい。また、外層基材の、大気に暴露される側の面には、フッ素系コート、アクリル系コートのいずれか、もしくはその両方をコートしてもよい。外層基材の厚さは限定されないが、5〜100μm程度が好ましい。
中間層基材としては、優れた耐候性、電気絶縁性の観点から、アルミ箔、無機蒸着フィルム、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂(ポリフッカビニリデン、ポリフッカビニル、エチレンテトラフルオロエチレン)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等で構成されるフィルム又はシートを好適に用いることができる。これらのフィルム又はシートは、上記例示列挙した樹脂は1種単独で形成されていてもよいし、2種以上の混合物によって形成されていてもよい。また、フィルム又はシートは、一軸または二軸方向に延伸されているものでもよい。
中間層基材は単層でも良いが、上記素材の中から複数の材料を選択して積層したものであってもよい。より好ましくは、ポリエステルや耐加水分解ポリエステルが好ましく、中間層基材の厚さは限定されないが、10〜250μmが好ましい。
内層基材を構成する材料としては、ポリエチレン(PE)(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE))、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール、もしくはこれらの混合物が好適に用いられる。内層基材にあってもフィルム又はシートの形態であってもよい。内層基材の厚さは限定されないが、30〜250μmが好ましい。
接着剤は(A)アクリルポリオール、(B)イソシアネート化合物、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種、並びに(D)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを混合することによって得られたウレタン樹脂である。
(A)アクリルポリオールは、重合性単量体が重合することで得られ、ガラス転移温度(Tg)が−8℃〜8℃のポリマーである。ガラス転移温度が−8℃未満のアクリルポリオールであると、接着剤が柔らすぎることによって接着強度が低下するとともに、形状の維持性が低下するおそれがある。また、ガラス転移温度が8℃を超えるアクリルポリオールであると、硬くなるために脆くなり、強度が低下するおそれがある。
上記重合性単量体は、水酸基を有する単量体およびその他の単量体を含む。前記その他の単量体は少なくともアクリロニトリルおよび(メタ)アクリル酸エステルを含む。なお、「(メタ)アクリ」は、メタクリ又はアクリを意味する。また、重合性単量体とは、エチレン性二重結合を有するラジカル重合性単量体を意味する。
上記水酸基を有する単量体は、水酸基を有する化合物であって重合性単量体である限りはその種類は特に制限されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸エステルの種類も特に制限されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アクリロニトリルは、前記重合性単量体100重量部に対し、5.0〜15.0重量部含まれる。アクリロニトリルが重合性単量体100重量部中、5.0重量部未満であると各基材に対する接着性能が低下するおそれがある。また、アクリロニトリルが重合性単量体100重量部中、15.0重量部を超えると初期の貼りこみ性、各基材に対する接着性能が低下するおそれがある。
(A)アクリルポリオールは、水酸基価が5〜30mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が5mgKOH/g以上のアクリルポリオールであれば、各基材に対する接着性能が低下するおそれが小さくなる。また、水酸基価が30mgKOH/g以下のアクリルポリオールであれば、初期及び耐熱試験後の接着性能の低下を防止しやすい。
(B)イソシアネート化合物は、(b1)キシレンジイソシアネートモノマーと、(b2)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体との双方を含む。(b1)キシレンジイソシアネートモノマーの含有量は、上記の(b1)と(b2)との総重量100重量部に対して20〜40重量部である。(b1)キシリレンジイソシアネートモノマーの上記含有量が20重量部未満であると、内層基材としてのEVAとの接着性能が低下するおそれがあるとともに、外層基材であるPVFまたはPVDFと、中間層基材であるPETとの間でのジッピングが発生するおそれがある。(b1)キシリレンジイソシアネートモノマーの上記含有量が40重量部を超えると、発泡による初期の外観不良が発生し、シワ等が生じるおそれがある。同様の理由で、(b2)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の含有量は、上記の(b1)と(b2)との総重量100重量部に対して80〜60重量部である。
上記(A)アクリルポリオールに由来する水酸基に対し、(b1)キシリレンジイソシアネートモノマー及び(b2)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体に由来するイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0〜3.0である。上記当量比が1.0未満であると各基材に対しての初期及び耐熱試験後の接着性能が低下するおそれがある。一方、上記当量比が3.0を超えると各基材に対しての耐熱試験後の接着性能が低下するおそれがある。
接着剤には、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種がさらに含まれる。
(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種は、融点が200℃以下である。該融点が200℃より高い場合には、養生条件を長くしても、リリースシートの型が太陽電池裏面保護シートの最外層に転写されてしまい、外観が悪くなるおそれがある。
また、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種は、接着剤中に(A)アクリルポリオール100重量部に対して、0.05〜0.5重量部配合されている。(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種の上記配合量が上記範囲であることで、基材が耐候性の高いフィルムであっても、基材どうしの接着強度を良好にすることができ、かつ、ジッピングの発生を抑制でき、さらに、接着剤の養生にかかる時間も短縮できる。
(C)カルボン酸及びその無水物の種類は、融点が200℃以下である限りは限定されないが、具体例としては、アジピン酸、アジピン酸無水物、安息香酸、安息香酸無水物、トリメリット酸、トリメリット酸無水物等が挙げられる。
接着剤は、さらに(D)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが含まれる。このようなシラン化合物が含まれることによって、初期及び耐熱試験後の接着性能が低下するのを防止しやすくなる。
上記接着剤は、例えば、上述した所定の原料を所定配合割合で配合し、適宜の方法で混合することで、ウレタン樹脂として得ることができる。各原料の配合順序や混合方法に特に制限はない。
上記太陽電池裏面保護シートを製作する方法は特に制限なく、例えば、第1樹脂層、中間層基材、第2樹脂層を順に上記の接着剤を各層に介しつつ積層し、ラミネート加工の処理をすることにより貼り合わせることで製作できる。
本実施形態の太陽電池裏面保護シートを用いて、太陽電池モジュールを製作することができる。太陽電池モジュールは、裏面保護シートとして上記の太陽電池裏面保護シートを使用する限りは、その他の構成は公知の部品等を使用することができる。つまり、発電セル、発電セルを封止する封止材、ガラス板等は、公知の構成とすることができる。
上記太陽電池モジュールは、上記太陽電池裏面保護シートを用いて形成されていることにより、太陽電池モジュールの外観不良を長期間に亘って抑制することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
密度0.91g/cmのポリエチレン樹脂100kgに、酸化チタン粒子25kgを添加し、十分に混練してLLDPE樹脂組成物を調製した。このLLDPE樹脂組成物を押出機で押出して、厚み50μmの内層基材(第2樹脂層)を作製した。次に、電気絶縁性に優れる中間層基材としては、厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製:東洋紡エステルフィルムE5102)を準備した。また、外層基材(第1樹脂層)としては、耐加水分解性を有するポリエステルフィルム(東レ社製X10s 50μm)を準備した。
接着剤であるウレタン樹脂は、まず(A)アクリルポリオールとして、ヘンケルジャパン社製アクリルポリオール「Lexp20−4」を乾燥重量で100重量部準備した。この「Lexp20−4」は、10重量部のアクリロニトリルと、水酸基を有する単量体及びその他の単量体とを含む混合物と、を重合して得られたアクリルポリオールである。また、この「Lexp20−4」は、(D)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランと、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種として、融点が169℃であるトリメリット酸無水物をアクリルポリオール100重量部に対して0.2重量部添加されている。「Lexp20−4」のガラス転移温度(Tg)は0℃であり、OH価は15mgKOH/gである。(B)イソシアネート化合物としては、ヘンケルジャパン製イソシアネート化合物「Lexp11−1」を7.8重量部準備した。この「Lexp11−1」は、(b1)キシレンジイソシアネートモノマーが30重量%、(b2)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が70重量%含まれる。また、NCO基の割合が28.7%である。
上記成分の「Lexp20−4」と「Lexp11−1」を上記の配合割合で混合することで、接着剤としてのウレタン樹脂を得た。ここで、上記アクリルポリオールに由来する水酸基に対する、上記キシリレンジイソシアネートモノマーと、上記ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体に由来するイソシアネート基の当量比を2.0とした。
次いで、上記の外層基材、中間層基材、内層基材を順に、各層の間に7g/mの塗布量で塗布した接着剤を介しつつ、ラミネート加工により貼り合わせることで、太陽電池裏面保護シートを得た。
(実施例2)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−3」(Tgは0℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−3」は「Lexp20−4」のアクリロニトリルを10重量部から5重量部に変更したものであり、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット酸無水物の替わりに融点が125℃の安息香酸がアクリルポリオール100重量部に対して0.4重量部添加されている。
(実施例3)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−5」(Tgは0℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−5」は「Lexp20−4」のアクリロニトリルを10重量部から15重量部に変更したものであり、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット酸無水物の替わりに155℃のアジピン酸がアクリルポリオール100重量部に対して0.2重量部添加されている。
(実施例4)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−7」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−7」「Lexp20−4」のTgを0℃から−8℃に変更したものである。
(実施例5)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−8」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−7」「Lexp20−4」のTgを0℃から8℃に変更したものである。
(実施例6)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−11」(Tgは0℃)に変更し、さらにアクリルポリオール100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−1」の混合量を7.8重量部から2.6重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−11」は「Lexp20−4」のOH価を15mgKOH/gから5mgKOH/gに変更したものである。
(実施例7)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−12」(Tgは0℃)に変更し、さらにアクリルポリオール100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−1」の混合量を7.8重量部から15.7重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−12」は「Lexp20−4」のOH価を15mgKOH/gから30mgKOH/gに変更したものである。
(実施例8)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−13」(Tgは0℃)に変更し、さらにアクリルポリオール100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−1」の混合量を7.8重量部から1.6重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−13」は「Lexp20−4」のOH価を15mgKOH/gから3mgKOH/gに変更したものである。
(実施例9)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−14」(Tgは0℃)に変更し、さらにアクリルポリオール100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−1」の混合量を7.8重量部から20.9重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−14」は「Lexp20−4」のOH価を15mgKOH/gから40mgKOH/gに変更したものである。
(実施例10)
「Lexp20−4」の100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−1」の混合量を3.9重量部に変更し、上記アクリルポリオールに由来する水酸基に対し、上記キシリレンジイソシアネートモノマーと、上記ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体に由来するイソシアネート基の当量比を1.0とした以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。
(実施例11)
「Lexp20−4」の100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−1」の混合量を11.7重量部に変更し、上記アクリルポリオールに由来する水酸基に対し、上記キシリレンジイソシアネートモノマーと、上記ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体に由来するイソシアネート基の当量比を3.0とした以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。
(比較例1)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−1」(Tgは0℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−1」は「Lexp20−4」のアクリロニトリルを10重量部から0重量部に変更したものであり、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット酸無水物の替わりに融点が155℃のアジピン酸がアクリルポリオール100重量部に対して0.2重量部添加されている。
(比較例2)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−2」(Tgは0℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−2」は「Lexp20−4」のアクリロニトリルを10重量部から3重量部に変更したものであり、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット無水物の替わりに融点が125℃の安息香酸がアクリルポリオール100重量部に対して0.4重量部添加されている。
(比較例3)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−6」(Tgは0℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−6」は「Lexp20−4」のアクリロニトリルを10重量部から25重量部に変更したものである。
(比較例4)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−9」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−9」「Lexp20−4」のTgを0℃から−15℃に変更したものである。
(比較例5)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−9」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−9」「Lexp20−4」のTgを0℃から15℃に変更したものである。
(比較例6)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−15」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−15」は、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが添加されていないことを除いては「Lexp20−4」と同じである。
(比較例7)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−16」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−16」は、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの替わりに3−アミノプロピルトリエトキシシシランが添加されていることを除いては「Lexp20−4」と同じである。
(比較例8)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−17」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−17」は水酸基を有する単量体が含まれておらず、OH価は0mgKOH/gであることを除いては「Lexp20−4」と同じである。
(比較例9)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−18」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−18」は「Lexp20−4」の(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット無水物の替わりに融点が351℃のイソフタル酸がアクリルポリオール100重量部に対して0.2重量部添加されている。
(比較例10)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−19」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−19」は「Lexp20−4」の(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット無水物の替わりに融点が229℃の4.4−オキシジフタル酸無水物がアクリルポリオール100重量部に対して0.4重量部添加されている。
(比較例11)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−20」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−20」は「Lexp20−4」の(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット無水物の替わりに融点が21℃のメタンスルホン酸がアクリルポリオール100重量部に対して0.2重量部添加されている。
(比較例12)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−21」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−20」は「Lexp20−4」の(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット無水物の替わりに融点が156℃のアジピン酸がアクリルポリオール100重量部に対して0.03重量部添加されている。
(比較例13)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−22」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−22」は「Lexp20−4」の(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット無水物の替わりに融点が156℃のアジピン酸がアクリルポリオール100重量部に対して0.7重量部添加されている。
(比較例14)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−23」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−23」はトリメリット無水物が添加されていない点を除いては「Lexp20−4」と同じである。
(比較例15)
「Lexp20−4」の100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−1」の混合量を3.1重量部に変更し、上記アクリルポリオールに由来する水酸基に対し、上記キシリレンジイソシアネートモノマーと、上記ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体に由来するイソシアネート基の当量比を0.8とした以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。
(比較例16)
「Lexp20−4」の100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−1」の混合量を13.7重量部に変更し、上記アクリルポリオールに由来する水酸基に対し、上記キシリレンジイソシアネートモノマーと、上記ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体に由来するイソシアネート基の当量比を3.5とした以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。
(比較例17)
(B)イソシアネート化合物としてはヘンケルジャパン製イソシアネート化合物「Lexp11−2」に変更し、「Lexp20−4」の100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−2」の混合量を9.3重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp11−2」は(b1)キシレンジイソシアネートモノマーが10重量%、(b2)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が90重量%含まれる。また、NCO基の割合が24.1%である。
(比較例18)
(B)イソシアネート化合物としてはヘンケルジャパン製イソシアネート化合物「Lexp11−3」に変更し、「Lexp20−4」の100重量部に対するイソシアネート化合物「Lexp11−3」の混合量を6.7重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp11−3」は(b1)キシレンジイソシアネートモノマーが50重量%、(b2)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が50重量%含まれる。また、NCO基の割合が33.3%である。
(比較例19)
(A)アクリルポリオールとしてヘンケルジャパン社製「Lexp20−24」に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シートを得た。「Lexp20−24」は「Lexp20−4」の(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種であるトリメリット無水物の替わりにオクチル酸錫がアクリルポリオール100重量部に対して0.2重量部添加されている。
<剥離強度試験>
剥離強度試験は東洋精機社製VGS−1−Eを用い、室温24℃、湿度50%の環境下で行った。剥離強度は、中間層基材を固定し、中間層基材/内層基材間を剥離する場合には内層基材を、外層基材/中間層基材間を剥離する場合には外層基材を180度剥離方向に引っ張ることにより測定した。
剥離片は、ダブルブレードカッターにより、幅15mmに作成した。剥離速度は100mm/minとし、剥離距離は7/mmで測定したものの凸平均の値を測定値とした。また、劣化試験はPCT(プレッシャクッカー試験)を用いて行った。PCTの環境は温度121℃、湿度100%、気圧は2atmの条件を用いた。初期及びPCT後の剥離強度が9N/15mm以上のものを○、9N/15mm未満7N/15mm以上のものを△、7N/15mm未満を×として評価した。
<ジッピング>
ジッピングについては、剥離強度の測定において、剥離強度が一定の強度に達した瞬間に剥離強度が一定の値に達したときに、フィルムの急激な剥離が観測できる状態をジッピングと定義した。ジッピングの測定では、一度の測定では観測されない場合もあるため、6回測定を行って、上記ジッピングが見られたものをジッピングありと判定した。
<測定結果.1>
測定結果を下記の表1に示す。表1に示すように、実施例1〜9のいずれにおいても、初期剥離強度及びPCT後剥離強度は△、○のいずれか(すなわち、少なくとも7N/15mm以上)であった。
詳細には、実施例1〜3及び比較例1〜3の結果より、重合性単量体中のアクリロニトリルが5.0重量部より少ない場合(比較例1、2)、及び重合性単量体中のアクリロニトリルが15.0重量部より多い場合(比較例3)には初期及びPCT後の接着性能が低下した。また、比較例3では初期の貼り込み性の低下も確認された。
実施例1、4、5及び比較例4、5の結果より、アクリルポリオールのTgが−8℃より低い場合(比較例4)には初期及びPCT後の接着性能が低下し、アクリルポリオールのTgが8℃より高い場合(比較例5)にはジッピングが顕著に発生した。
実施例1、6〜9及び比較例8よりアクリルポリオールの水酸基価が3mgKOH/gより少ない場合には初期及びPCT後の接着性能が顕著に低下した。
実施例1、10、11及び比較例6、7の結果より、接着剤中に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを添加しない(比較例6)、もしくは3−アミノプロピルトリエトキシシランを添加した場合(比較例7)では、ジッピングが顕著に発生した。
実施例1、10、11及び比較例15、16の結果より、アクリルポリオールに由来する水酸基に対し、キシレンジイソシアネートモノマーとヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体に由来するイソシアネート基の当量比が1.0より低い場合(比較例15)、及び3.0より多い場合(比較例16)では初期及びPCT後の接着性が低下した。
実施例1及び比較例17、18の結果より、イソシアネート化合物中の、キシレンジイソシアネートモノマーとヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が、キシレンジイソシアネートモノマーとヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体との総重量100重量部に対し、キシレンジイソシアネートモノマーが20重量部より少ない場合(比較例17)には初期及びPCT後の接着性が低下し、また40重量部より多い場合(比較例18)にはジッピングが発生した。
Figure 0006456668
<測定結果.2>
接着剤中の主剤である(A)アクリルポリオール及び硬化剤である(B)イソシアネート化合物の反応性を、養生に要する時間に基づいて調査した。
ここで、養生条件は、50℃×72h、50℃×168h、50℃×336hと変化させ、真空ラミネーション後の外層基材へのリリースシートの型移りの有無を目視にて確認した。また、PCT試験後のデラミネーション(フィルム浮き)の有無についても目視にて確認を行った。
真空ラミネーターには、株式会社NPC製、LM−140X200Sを用い、155℃にて真空引き5分、プレス10分の条件にて真空ラミネーションを行った。
PCTの環境は温度121℃、湿度100%、時間96h、気圧は2atmの条件にて試験を行った。
結果を表2に示す。
表2に示すとおり実施例1では養生条件50℃×72hであっても真空ラミネーション後の外層基材へのリリースシートの型移り及びPCT後のデラミネーションが発生していないことが確認できた。
詳細には、実施例1及び比較例9、10の結果より、接着剤に添加したカルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種の融点が200℃より高い場合には、養生条件が50℃×168hの場合であっても真空ラミネーション後の外層基材へのリリースシートの型移りが確認された。
実施例1及び比較例11の結果より、カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種を接着剤中に添加する代わりにメタンスルホン酸を添加した場合には、養生条件が50℃×168hの場合であっても真空ラミネーション後の外層基材へのリリースシートの型移り、及びPCT試験後のデラミネーションが確認された。
実施例1及び比較例12の結果より、接着剤中に添加するカルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種の添加量が0.05重量部を下回ると、養生条件が50℃×168hの場合であっても真空ラミネーション後の外層基材へのリリースシートの型移りが確認された。
実施例1及び比較例13の結果より、接着剤中に添加するカルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種の添加量が0.5重量部を上回ると、養生条件が50℃×168hの場合であっても真空ラミネーション後の外層基材へのリリースシートの型移り及びPCT試験後のデラミネーションが確認された。
実施例1及び比較例14の結果より、接着剤中にカルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種を添加しなかった場合、養生条件が50℃×168hの場合であっても真空ラミネーション後の外層基材へのリリースシートの型移り、及びPCT試験後のデラミネーションが確認できた。
実施例1及び比較例19の結果より、接着剤中にカルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種を添加する代わりにオクチル酸錫を添加した場合には、養生条件が50℃×168hの場合であっても真空ラミネーション後の外層基材へのリリースシートの型移りが確認された。
Figure 0006456668
10 太陽電池裏面保護シート
11 外層基材
12a 接着剤層
12b 接着剤層
13 中間層基材
14 内層基材

Claims (7)

  1. 太陽電池セルの裏面側に配置される太陽電池裏面保護シートであって、
    (1)最外層から順に少なくとも第1樹脂層及び第2樹脂層が接着剤を介して積層されており、太陽電池裏面保護シートが前記太陽電池セルと貼り合わされた状態では、前記最外層とは反対側の最内層が前記太陽電池セルに貼り合わされて形成されており、
    (2)前記接着剤は(A)アクリルポリオール、(B)イソシアネート化合物、(C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種、並びに(D)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを混合することによって得られたウレタン樹脂であり、
    (A)アクリルポリオールは、重合性単量体が重合することで得られ、ガラス転移温度が−8℃〜8℃のポリマーであり、
    前記重合性単量体は、水酸基を有する単量体およびその他の単量体を含み、
    前記その他の単量体はアクリロニトリルおよび(メタ)アクリル酸エステルを含み、
    前記アクリロニトリルは、該重合性単量体100重量部に対し、5.0〜15.0重量部であり、
    (B)イソシアネート化合物は、(b1)キシレンジイソシアネートモノマーと(b2)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体との双方を含み
    (b1)と(b2)との総重量100重量部に対し、(b1)が20〜40重量部であり、
    (A)アクリルポリオールに由来する水酸基に対し、(b1)および(b2)に由来するイソシアネート基の当量比が1.0〜3.0であり、
    (C)カルボン酸及びその無水物から選ばれた少なくとも1種は、融点が200℃以下で、(A)アクリルポリオール100重量部に対して、0.05〜0.5重量部配合されていることを特徴とする太陽電池裏面保護シート。
  2. 前記第1樹脂層及び第2樹脂層は、それぞれ外層基材及び内層基材であり、前記太陽電池裏面保護シートを用いて太陽電池モジュールを形成した際に発電セル側に前記内層基材が位置する、請求項1に記載の太陽電池裏面保護シート。
  3. 前記外層基材と前記内層基材との間に中間層基材を有する、請求項2に記載の太陽電池裏面保護シート。
  4. (A)アクリルポリオールは、水酸基価が5〜30mgKOH/gである請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池裏面保護シート。
  5. 前記第2樹脂層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及び低密度ポリエチレンの少なくとも1種を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池裏面保護シート。
  6. 前記第1樹脂層は、フッ素フィルム、ポリエステルフィルムからなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池裏面保護シート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池裏面保護シートを用いて得られる太陽電池モジュール。
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