JP2012124357A - 太陽電池用裏面保護シート、及び該シートの製造方法、並びに太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用裏面保護シート、及び該シートの製造方法、並びに太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、経時の加水分解によって封止層から生じ、太陽電池の発電性能劣化の要因となる酢酸を、トラップする機能を付与した太陽電池用裏面保護シートを提供することである。
【解決手段】 エポキシ樹脂(A)を含有する最表面としての接着剤層(1’)と、一方の主面が前記接着剤層(1’)を支持したプラスチックフィルム(2)とを具備し、前記接着剤層(1’)は、水酸基を有し、カルボキシル基を実質的に有していない、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)と、ポリイソシアネート化合物(C)とを更に含有し、前記樹脂(B)は、ポリエステル系樹脂(B1)、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる太陽電池用裏面保護シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、太陽電池用裏面保護シートに関し、さらに詳細には、太陽電池モジュールを構成する封止層から発生する酢酸を、トラップする機能を付与した太陽電池用裏面保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから環境汚染がなくクリーンなエネルギー源として太陽電池が注目され、有用なエネルギー資源としての太陽エネルギー利用の面から鋭意研究され実用化が進んでいる。
太陽電池素子には様々な形態があり、その代表的なものとして、結晶シリコン太陽電池素子、多結晶シリコン太陽電池素子、非晶質シリコン太陽電池素子、銅インジウムセレナイド太陽電池素子、化合物半導体太陽電池素子等が知られている。この中で薄膜結晶太陽電池素子、非晶質シリコン太陽電池素子、化合物半導体太陽電池素子は比較的低コストであり、また大面積化が可能であるため、各方面で活発に研究開発が行われている。またこれらの太陽電池素子の中でも、導体金属基板上にシリコンを積層し、更にその上に透明導電層を形成した非晶質シリコン太陽電池素子に代表される薄膜太陽電池素子は軽量であり、また耐衝撃性やフレキシブル性に富んでいるので、太陽電池における将来の形態として有望視されている。
太陽電池モジュールのうち、単純なものは、太陽電池素子の両面に封止層、ガラス板を、順に積層した構成形態を呈する。ガラス板は、透明性、耐候性、耐擦傷性に優れることから、太陽の受光面側の保護材として、現在も一般的に用いられている。しかし、透明性を必要としない非受光面側においては、コストや安全性、加工性の面から、ガラス板以外の太陽電池用裏面保護シート(以下裏面保護シート)が各社により開発され、ガラス板に置き換わりつつある。
裏面保護シートとしては、ポリエステルフィルム等の単層フィルムや、ポリエステルフィルム等に金属酸化物や非金属酸化物の蒸着層を設けたものや、ポリエステルフィルムやフッ素系フィルム、オレフィンフィルムやアルミニウム箔などのフィルムを積層した多層フィルムが挙げられる。
多層構成の裏面保護シートは、その多層構造により、さまざま性能を付与することができる。例えば、ポリエステルフィルムを用いることで絶縁性を、フッ素系フィルムを用いることで耐候性を、アルミニウム箔を用いることで水蒸気バリア性を付与することができる。
どのような裏面保護シートを用いるかは、太陽電池モジュールが用いられる製品・用途によって、適宜選択され得る。
ところで、太陽電池モジュールの構成要素である封止層としては、透明性、コスト等の面から、フィルム状のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が現在一般的に使用されている。
しかし、EVAフィルムは、酢酸ビニルをその構成成分として含んでいるため、高温時の湿気ないし水の透過より、EVAが加水分解して酢酸を生じやすい。そのため、EVAフィルムを使用した太陽電池モジュールには、時間の経過に伴い発電性能が劣化するという問題があった(特許文献1、2)。
また、封止層としてEVAフィルムを使用した太陽電池モジュールには、裏面保護シートが封止層から剥離し易いという問題もある。これに関連して、特許文献3の[0031]及び[0033]に、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体及びEVAの少なくとも1つを主成分として含み、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物又はカルボジイミド化合物が更に配合された熱融着性層を、任意にウレタン系接着剤層を介して、耐熱性フィルム上に積層することによって、封止用保護シート、即ち、裏面保護シートを構成することが記載されている。また、この特許文献3の[0027]及び[0030]に、この裏面保護シートを、EVAフィルムに貼り合せてなる太陽電池モジュールも記載されている。
特許文献3には、表1及び[0113]などに、エチレン−アクリル酸エチル共重合体にカルボジイミド化合物を配合してなる熱融着性層を、ウレタン系接着剤層を介さずに耐熱性フィルム上に積層することによって裏面保護シートを構成し、この裏面保護シートをEVAフィルムに熱融着させた場合、初期において、即ち、高温高湿度環境下での劣化促進試験に供する前に、耐熱性フィルムと熱融着性層との間で層間剥離を生じることが記載されている。また、表1及び[0112]などには、熱融着性層がエチレン−アクリル酸エチル共重合体のみからなり且つこの熱融着性層がウレタン系接着剤層を介して耐熱性フィルム上に積層されたこと以外は上記と同様の裏面保護シートをEVAフィルムに貼り合せた場合、初期において十分な接着力を達成することができるものの、高温高湿度環境下での劣化促進試験による強度低下が著しいことが記載されている。特許文献3の[0020]などの記載からすると、これは、劣化促進試験中にEVAフィルムから生じる酢酸により、裏面保護シートの内層に位置するウレタン系接着剤層の加水分解が促進されたためであると推定される。
特開2005−29588号公報([0007]段落) 特開2007−329404号公報([0005]段落) 特開2008−108948号公報
本発明の課題は、加水分解によって封止層から生じ、太陽電池の発電性能劣化の要因となる酢酸を、トラップする機能を付与した太陽電池用裏面保護シートを提供することである。
本発明は、エポキシ樹脂(A)を含有する最表面としての接着剤層(1’)と、一方の主面が前記接着剤層(1’)を支持したプラスチックフィルム(2)とを具備し、前記接着剤層(1’)は、水酸基を有し、カルボキシル基を実質的に有していない、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)と、ポリイソシアネート化合物(C)とを更に含有し、前記樹脂(B)は、ポリエステル系樹脂(B1)、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる太陽電池用裏面保護シート(V’)に関する。プラスチックフィルム(2)の前記接着剤層(1’)を支持した前記主面の裏面側に、金属箔と金属酸化物又は非金属無機酸化物からなる蒸着層との少なくとも一方をさらに具備することが好ましい。
前記太陽電池用裏面保護シート(V’)において、最表面としての接着剤層(1’)中のエポキシ基の量が0.01乃至2.5mmol/gであることが好ましい。
また、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は5000g/eq以下であることが好ましい。
また、水酸基を有し、カルボキシル基を実質的に有していない、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)としては、ポリエステル系樹脂(B1)であることがより好ましく、
更には、前記エポキシ樹脂(A)と前記ポリエステル系樹脂(B1)との合計量に占める、前記エポキシ樹脂(A)の割合は1乃至50重量%の範囲内にあることが好ましい。
さらにまた、ポリエステル系樹脂(B1)のガラス転移温度は20乃至100℃の範囲内にあることが好ましい。
また、前記太陽電池用裏面保護シート(V’)において、ポリイソシアネート化合物(C)は、ブロック化ポリイソシアネート化合物(C1)であることが好ましい。
さらに本発明は、プラスチックフィルム(2)の一方の主面に、エポキシ樹脂(A)と、水酸基を有し、カルボキシル基を実質的に有しない、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)と、ポリイソシアネート化合物(C)とを含有した接着剤を塗工し、接着剤層(1’)を最表面として形成することを含み、前記樹脂(B)は、ポリエステル系樹脂(B1)、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる太陽電池用裏面保護シート(V’)の製造方法に関する。
また、本発明は、表面保護材(I)と、受光面と非受光面とを有し、前記受光面が前記表面保護材(I)と向き合った太陽電池素子(III)と、 前記太陽電池素子(III)の前記非受光面側に位置し、エチレン−ビニルアセテート共重合体系を含んだ封止層(IV)と、前記太陽電池用裏面保護シート(V’)を前記接着剤層(1’)と前記封止層(IV)とが接触するように前記封止層(IV)に貼り付けてなる太陽電池用裏面保護シート(V)とを具備した太陽電池モジュールに関する。
前記太陽電池モジュールは、前記表面保護材(I)と前記太陽電池素子(III)との間に、エチレン−ビニルアセテート共重合体を含んだ封止層(II)を更に具備していてもよい。
加水分解によって封止層から酢酸が生じたとしても、この酢酸は、プラスチックフィルム(2)の最表面に担持され、前記封止層と接し、エポキシ樹脂(A)を含有した接着層(1)によりトラップされる。従って、加水分解によって封止層から生じる酢酸に起因して発電性能が劣化することを抑制できる。
本発明の太陽電池用裏面保護シート(V’)は、プラスチックフィルム(2)を必須の構成層とするものであって、封止層(IV)であるEVAとの貼着界面となるべき箇所に、エポキシ樹脂(A)を含有する最表面としての接着剤層(1’)を担持したプラスチックフィルム(2)を具備してなるものである。つまり、裏面保護シート(V’)は、接着剤層(1’)とEVAを含んだ封止層(IV)とが接触するように、後述する太陽電池モジュールの封止層(IV)に貼り付けられる。
本発明の太陽電池用裏面保護シートを構成する最表面としての接着剤層(1’)について説明する。
本発明における最表面としての接着剤層(1’)は、プラスチックフィルム(2)とEVAとの接着性を向上するために設けられた樹脂層である。
太陽電池モジュールにおいて、接着剤層(1’)に対応した接着層(1)は、封止層(IV)における加水分解によって生じる酢酸をトラップする。具体的には、接着層(1)が含んでいるエポキシ樹脂(A)は、EVAから生じる酢酸の少なくとも一部をトラップする。
前記接着剤層(1’)は、エポキシ樹脂(A)と、水酸基を有し、カルボキシル基を実質的に有していない、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)と、ポリイソシアネート化合物(C)とを必須成分とする。
エポキシ樹脂(A)について説明する。
エポキシ樹脂(A)は、EVAから生ずる酢酸をトラップする機能を担う。
エポキシ樹脂(A)以外に、EVAから生ずる酢酸をトラップする機能を担う成分としては、特許文献3に開示されるように、カルボジイミド化合物がある。
しかし、エポキシ基に比して、カルボジイミド基は、水との反応性に富むので、水の影響によりトラップ機能が持続しにくい。そして、トラップ機能が持続しないと、太陽電池モジュールとしての出力低下を招く。
本発明において用いられるエポキシ樹脂(A)としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明では、コストや溶剤溶解性の面から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を好ましく用いることができる。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
その他、本発明では、
ダイセル化学工業(株)製のEHPE−3150などの脂環式エポキシ樹脂や、
トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂や、
N、N、N’、N’−テトラグリシジルメタキシレンジアミンなどのグリシジルアミン類やグリシジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物や、
グリコールやポリオールの水酸基をグリシジルエーテル化したエポキシ化合物なども、エポキシ樹脂(A)として用いることができる。
これらは単独でも2種類以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂(A)を含有する最表面としての接着剤層(1’)は、種々の方法で設けることができる。例えば、
エポキシ樹脂(A)と後述するエポキシ樹脂以外の樹脂(B)とポリイソシアネート化合物(C)とを含有する接着剤をプラスチックフィルム(2)に塗工して、コーティング層(1’−a)を形成し、該コーティング層(1’−a)を最表面の接着剤層(1’)とすることができる。
あるいは、エポキシ樹脂(A)と後述するエポキシ樹脂以外の樹脂(B)とポリイソシアネート化合物(C)とを含有する接着剤を剥離性フィルムに塗工し、乾燥し、コーティング層(1’−a)を形成し、該コーティング層(1’−a)を、層間接着剤を介して又は直にポリエステルフィルム(2)上に転移させた後、前記剥離性フィルムを剥がすことによって、該コーティング層(1’−a)を最表面の接着剤層(1’)とすることができる。
本発明において、最表面としての接着剤層(1’)中に含まれるエポキシ基の量を定義するために、そのエポキシ基の量をX[mmol/g]という単位で定義する。これは、最表面としての接着剤層(1’)中の固形分1gあたりに、エポキシ基がXmmol含まれていることを示す。
例えば、最表面としての接着剤層(1’)中のエポキシ基の量は、0.01〜2.5[mmol/g]であることが好ましく、さらには0.01〜2[mmol/g]、さらには0.03〜1.5[mmol/g]であることが好ましい。
エポキシ基の量が0.01[mmol/g]未満の場合、酢酸のトラップ効果が小さくなる。一方、エポキシ基の量が2.5[mmol/g]よりも大きい場合、最表面としての接着剤層(1’)、最表面としての接着剤層(1)に含まれる、封止層との接着性能を確保するための成分の含有量が相対的に少なくなるので、封止層との接着力の低下を引き起こす可能性がある。
また、本発明において、エポキシ樹脂(A)中に含まれるエポキシ基の量を表す指標として、エポキシ当量Y[g/eq]という数量を用いる。これは、エポキシ樹脂(A)Yg中に、1molのエポキシ基が含まれていることを示しており、この値が小さいほど、分子中に多くのエポキシ基を含むことを示している。
例えば、エポキシ樹脂(A)は、エポキシ当量が5000(g/eq)以下であることが好ましく、さらには2000(g/eq)以下ものがより好ましい。
エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が5000(g/eq)よりも大きいと、必然的にエポキシ樹脂の数平均分子量が5000よりも大きくなる。これによって、他の成分との相溶性が悪くなり、最表面としての接着剤層(1’)中にエポキシ樹脂を均一に含有させることが難しくなる。
なお、エポキシ当量の値が小さくても特段の不都合は見いだされてはいない。
また、本発明では、数平均分子量(Mn)が500〜5000のエポキシ樹脂(A)が好ましく、さらには500〜2000のものが好ましい。
エポキシ樹脂(A)の数平均分子量が500未満であると、最表面としての接着剤層(1’)の表面にタックが生じる可能性がある。工業的なレベルにおいて、本発明の裏面保護シート(IV)は、長尺状のシート(web)がロール状に巻き取られた形態を呈する。ロール状に巻き取られるので、最表面としての接着剤層(1’)の表面は、プラスチックフィルム(2)の反対側に接したり、又は裏面保護シート(IV)が多層構造を呈する場合にはプラスチックフィルム(2)の反対側に設けられている種々の層と接したりするので、最表面としての接着剤層(1’)の表面にタックが生じると、これら接している層に付着(ブロッキング)してしまう可能性がある。また、エポキシ樹脂(A)の数平均分子量が500未満であると、太陽電池モジュールの耐久性が低下する可能性もある。
エポキシ樹脂(A)の数平均分子量が5000よりも大きいと、前述したように他の成分との相溶性が悪くなるため、好ましくない。
次に、水酸基を有し、カルボキシル基を実質的に有しない、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)について説明する。
エポキシ樹脂以外の樹脂(B)は、カルボキシル基を実質的に有しないことが重要である。仮に、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)がカルボキシル基を有すると、カルボキシル基とエポキシ樹脂(A)が反応してしまい、最表面としての接着剤層(1)の酢酸トラップ効果が低下してしまうため、好ましくない。
具体的には、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)の酸価は、3[mgKOH/g]以下であることが好ましく、さらには酸価が2[mgKOH/g]以下であることが好ましい。エポキシ樹脂以外の樹脂(B)の酸価が3[mgKOH/g]よりも大きいと、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)と、カルボキシル基と反応するエポキシ樹脂(A)が反応してしまい、最表面としての接着剤層(1)の酢酸トラップ効果が低下してしまう。
また、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)の水酸基価は、0.1〜50[mgKOH/g]であることが好ましく、さらには0.5〜30[mgKOH/g]であることが好ましい。水酸基価が0.1よりも小さいと、ポリイソシアネート化合物(C)との反応点が少なくなり、架橋密度が低下して耐湿熱性が悪化する。一方、水酸基価が50より大きいと架橋密度が増加し、硬化後の接着層(1)が硬くなりすぎることで封止層との接着力が低下する。
また、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)としては、ガラス転移温度(Tg)が20〜100℃のものが好ましい。ガラス転移温度が20℃よりも低いと、最表面としての接着剤層(1’)の表面にタックが生じてブロッキングしやすくなったり、耐久性が低下したりする。100℃よりも高いと、接着の溶液粘度が高くなり、塗工性が低下する。
エポキシ樹脂以外の樹脂(B)としては、ポリエステル系樹脂(B1)、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられ、これらは単独または2種以上を使用できる。さらにこれらの樹脂が複合化したものも使用できる。
本発明でいうポリエステル系樹脂(B1)とは、カルボン酸成分と水酸基成分とを反応(エステル化反応、エステル交換反応)させたポリエステル樹脂の他、水酸基を有するポリエステル樹脂にさらにイソシアネート化合物を反応させてなるポリエステルポリウレタン樹脂、さらにジアミン成分を反応させてなるポリエステルポリウレタンポリウレア樹脂などをも含む意である。
ポリエステル系樹脂(B1)を構成するカルボン酸成分としては、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラクロル無水フタル酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、ε−カプロラクトン、脂肪酸が例示できる。これらカルボン酸成分とメタノール等の低級アルコールとのメチルエステル化物もカルボン酸成分として例示できる。
ポリエステル系樹脂(B1)を構成する水酸基成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分の他、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多官能アルコールが例示できる。
常法に従いこれらのカルボン酸成分と水酸基成分とを重合させて所定のポリエステル樹脂としたものが本発明で使用できる。
ウレタン系樹脂とは、水酸基を有するポリエステル樹脂以外の水酸基成分とイソシアネート化合物を反応させてなるものである。
水酸基成分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加したポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエン系ポリオールなどのポリマーポリオールなどが使用できる。
イソシアネート化合物としては、後述するポリイソシアネート化合物(C)と同様のものを例示できる。トリメチレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンビス(4、1−フェニレン)=ジイソシアネート(MDI)、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のジイソシアネートや、これらジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、これらジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート体、これらジイソシアネートのビューレット結合体、ポリメリックジイソシアネートなどが例示できる。
また、本発明では、このようにして重合したウレタン系樹脂を、さらにジアミン成分で反応させてなるウレタンウレア系樹脂も、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)の一種として用いることができる。
ジアミン成分としては、ウレタンウレア系樹脂を生成する際に常用されるものを用いることができる。
アクリル系樹脂は、従来公知の種々のアクリル系モノマーを重合することによって得ることができる。アクリル系モノマーとしては、例えば、水酸基やグリシジル基やカルボキシル基を有しないモノマーであって、アルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーや、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマーなどが挙げられる。これらアクリル系モノマーの他に、酢酸ビニル、無水マレイン酸、ビニルエーテル、プロピオン酸ビニル、スチレン等も共重合用モノマーとして用いることが挙げられる。
水酸基やグリシジル基やカルボキシル基を有しないモノマーであって、アルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが例示できる。
グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルなどが例示できる。
なお、本発明において、特に断らない限り、「アクリル系」とは「(メタ)アクリル系」の意であり、「(メタ)アクリル系」、「(メタ)アクリレート」とあるのは、それぞれ「アクリル系及び/又はメタクリル系」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」の略意である。
上記のアクリル系モノマーの重合には、通常のラジカル重合を用いることができる。反応方法に何ら制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合法で行うことができるが、反応のコントロールが容易であることや直接次の操作に移れることから溶液重合が好ましい。
溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど、本発明で樹脂が溶解するものであれば何ら制限は無く、単独でも、複数の溶媒を混合しても良い。また、重合反応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものを用いることができ、特に制限は無い。
これらのエポキシ樹脂以外の樹脂(B)の中でも、プラスチックフィルム(2)と封止層への接着性の観点から、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)はポリエステル系樹脂(B1)であることが好ましい。
本発明において、エポキシ樹脂(A)とポリエステル系樹脂(B1)と含有する接着剤を用いて最表面としての接着剤層(1’)が形成される場合、エポキシ樹脂(A)の含有量は、両者の合計100重量%中に1〜50重量%であることが好ましく、さらには10〜40重量%であることが好ましい。含有量が1重量%未満であると、耐久性が低下し、湿熱後のEVAとの接着力が低下する。また、50重量%より多いと太陽電池モジュールを構成する接着層(1)が硬くなり、初期の封止層との接着力が低下してしまう。
ポリイソシアネート化合物(C)について説明する。
イソシアネート基は、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)中の水酸基と反応し、封止層(IV)と接する硬化後の接着剤層(1)に耐湿熱性を付与すると共に、裏面保護シートを構成するプラスチックフィルム(2)や封止層との密着性を向上させることができる。そのため、イソシアネート化合物としては、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有することが重要であり、例えば、芳香族ポリイソシアネート、鎖式脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1、3−フェニレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジイソシアネート、1、4−フェニレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2、4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、4、4’−トルイジンジイソシアネート、2、4、6−トリイソシアネートトルエン、1、3、5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4、4’、4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
鎖式脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1、2−プロピレンジイソシアネート、2、3−ブチレンジイソシアネート、1、3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2、4、4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1、3−シクロペンタンジイソシアネート、1、3−シクロヘキサンジイソシアネート、1、4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2、4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2、6−シクロヘキサンジイソシアネート、4、4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1、4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また、上記ポリイソシアネートに加え、上記ポリイソシアネートとトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、上記ポリイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート体、更には上記ポリイソシアネートと公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。
これらポリイソシアネート化合物(C)の中でも、色が変化しにくいという観点から、低黄変型の脂肪族または脂環族のポリイソシアネートが好ましく、耐湿熱性の観点からは、イソシアヌレート体が好ましい。より具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体が好ましい。
さらに、これらポリイソシアネート化合物(C)のイソシアネート基のほぼ全量とブロック化剤とを反応させることで、ブロック化ポリイソシアネート化合物(C1)を得ることができる。本発明における最表面としての接着剤層(1’)は、封止剤と貼り合わせて太陽電池モジュールを製造するまでは未架橋にあることが好ましく、そのため、ポリイソシアネート化合物(C)は、ブロック化ポリイソシアネート化合物(C1)であることが好ましい。
ブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、t−ペンタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール類、3、5−ジメチルピラゾール、1、2−ピラゾール等のピラゾール類、1、2、4−トリアゾール等のトリアゾール類、エチレンクロルヒドリン、1、3−ジクロロ−2−プロパノール等のハロゲン置換アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピルラクタム等のラクタム類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、マロン酸メチル、マロン酸エチル等の活性メチレン化合物類が挙げられる。その他にもアミン類、イミド類、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール類等も挙げられる。
これらのブロック剤の中でも、ブロック剤の解離温度が80℃〜150℃のものが好ましい。解離温度が80℃未満であると、最表面としての接着剤を塗布し、溶剤を揮散させる際に、硬化反応が進んで、封止層との密着性が低下してしまう恐れがある。解離温度が150℃を超えると、太陽電池モジュールを構成する際の真空熱圧着の工程で、硬化反応が充分に進行せず、封止層との密着性が低下してしまう。
解離温度が80℃〜150℃のブロック剤としては、メチルエチルケトンオキシム(解離温度:140℃、以下同様)、3、5−ジメチルピラゾール(120℃)、ジイソプロピルアミン(120℃)などが例示できる。
本発明に用いられる最表面としての接着剤層(1’)は、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)の水酸基の合計に対して、ポリイソシアネート化合物(C)中のイソシアネート基が、当量比にして1.0〜15.0になるように配合されることが好ましく、1.5〜10.0になるように配合されることがより好ましい。ポリイソシアネート化合物(C)が少ないとエポキシ樹脂以外の樹脂(B)との反応がほとんど進まないので、封止層(IV)に接する接着剤層(1)の耐湿熱性が低下する。ポリイソシアネート化合物(C)が多くなると封止層(IV)に接する接着層(1)が硬くなりすぎるので、封止層(IV)との初期接着力が低下する。
本発明に用いられる最表面としての接着剤層(1’)は、さらに後述する有機系粒子、又は無機系粒子を含有することができる。これら粒子を含有することによって、最表面としての接着剤層(1’)表面のタックを低減することができる。特に、有機系粒子においては、融点もしくは軟化点が150℃以上のものを好ましく用いることができる。有機系粒子の融点もしくは軟化点が150℃よりも低いと、太陽電池モジュールを構成する際の真空熱圧着の工程で粒子が軟化し、EVAとの接着を妨げる恐れがある。
有機系粒子の具体例としては、ポリメチルメタアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、シリコン樹脂、メタクリレート樹脂、アクリレート樹脂などのポリマー粒子、あるいは、セルロースパウダー、ニトロセルロースパウダー、木粉、古紙粉、籾殻粉、澱粉などが挙げられる。
前記ポリマー粒子は、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、ソープフリー重合法、シード重合法、マイクロサスペンジョン重合法、などの重合法により得ることができる。また、前記有機系粒子は、その特性を損なわない程度に不純物を含んでいてもよい。また、粒子の形状は、粉末状、粒状、顆粒状、平板状、繊維状、など、どのような形状であってもよい。
無機粒子の具体例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタン、などの金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、などを含有する無機系粒子が挙げられる。さらに詳細な具体例としては、シリカゲル、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、鉛酸化物、珪藻土、ゼオライト、アルミノシリケート、タルク、ホワイトカーボン、マイカ、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、クレー、ワラスナイト、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化チタン、リトポン、軽石粉、硫酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、炭酸バリウム、ドロマイト、二硫化モリブデン、砂鉄、カーボンブラック、などを含有する無機系粒子が挙げられる。
また、前記無機系粒子は、その特性を損なわない程度に不純物を含んでいてもよい。また、粒子の形状は、粉末状、粒状、顆粒状、平板状、繊維状、など、どのような形状であってもよい。
本発明に用いられる最表面としての接着剤層(1’)は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂以外の樹脂(B)との合計100重量部に対して、上記各種粒子を0.01〜30重量部含有することが好ましく、0.1〜10重量部含有することがより好ましい。上記各種粒子が少ないと最表面としての接着剤層(1’)表面のタックを充分に低減することができない。一方、上記各種粒子が多くなると、最表面としての接着剤層(1’)と充填剤との密着を阻害し、接着力の低下を招く可能性がある。
本発明における最表面としての接着剤層(1’)には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、架橋促進剤を添加してもよい。架橋促進剤はエポキシ樹脂以外の樹脂(B)の水酸基とポリイソシアネート化合物(C)のイソシアネートによるウレタン結合反応を促進する触媒としての役割を果たす。架橋促進剤としては、スズ化合物、金属塩、塩基などが挙げられ、具体的にはオクチル酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、塩化スズ、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリエチルアミン、トリエチレンジアミンなどが挙げられる。
また、本発明における最表面としての接着剤層(1’)には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
次に本発明の太陽電池用裏面保護シートを構成するプラスチックフィルム(2)について説明する。
プラスチックフィルム(2)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロペンタジエンなどのオレフィンフィルム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体フィルムなどのフッ素系フィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、を用いることができる。フィルム剛性、コストの観点からポリエステル系樹脂フィルムであることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
またこれらのフィルムは、1層または2層以上の複層構造でも構わない。
蒸着される金属酸化物もしくは非金属無機酸化物としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの酸化物が使用できる。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属のフッ化物なども使用することができ、これらは単独もしくは組み合わせて使用することができる。
これらの金属酸化物もしくは非金属無機酸化物は、従来公知の真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどのPVD方式や、プラズマCVD、マイクロウェーブCVDなどのCVD方式を用いて蒸着することができる。
これらプラスチックフィルム(2)は無色であってもよいし、顔料もしくは染料などの着色成分が含有されていても良い。着色成分を含有させる方法としては、例えば、フィルムの製膜時にあらかじめ着色成分を練りこんでおく方法、無色透明フィルム基材上に着色成分を印刷する方法等がある。また、着色フィルムと無色透明フィルムとを貼り合わせて使用してもよい。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、さらに水蒸気バリア性を付与するために、プラスチックフィルム(2)の最表面としての接着剤層(1’)を担持してない側に、金属箔(3)、あるいは金属酸化物もしくは非金属無機酸化物の蒸着層(4)を具備する。
金属箔(3)としては、アルミニウム箔、鉄箔、亜鉛合板などを使用することができ、これらの中でも、耐腐食性の観点から、アルミニウム箔が好ましく、厚みは10μmから100μmであることが好ましく、更に好ましくは20μmから50μmであることが好ましい。
金属箔(3)の積層には、従来公知の種々の層間接着剤を用いることができる。
金属酸化物もしくは非金属無機酸化物の蒸着層(4)は、プラスチックフィルム(2)の一方の面に設けられる。
蒸着される金属酸化物もしくは非金属無機酸化物としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの酸化物が使用できる。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属のフッ化物なども使用することができ、これらは単独もしくは組み合わせて使用することができる。
これらの金属酸化物もしくは非金属無機酸化物は、従来公知の真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどのPVD方式や、プラズマCVD、マイクロウェーブCVDなどのCVD方式を用いて蒸着することができる。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、耐候性付与のための耐候性樹脂層(5)をさらに具備することができる。耐候性樹脂層(5)は、水蒸気バリア性付与機能を担う上記金属箔(3)等よりもさらに外側、即ちプラスチックフィルム(2)の設けられている側とは反対側に位置することができる。
金属箔(3)や耐候性樹脂層(5)は、エポキシ樹脂含有最表面としての接着剤層(1’)の形成に先んじてポリエステルフィルム(2)に設けられていることが好ましい。
耐候性樹脂層(5)としては、ポリフッ化ビニリデンフィルムやポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルムを従来公知の種々の層間接着剤を用いて積層したものや、旭硝子(株)のルミフロンのような高耐候性塗料を塗工して形成したコート層などを使用することができる。
次にエポキシ樹脂(A)を含有する最表面としての接着剤層(1’)をコーティング法によりプラスチックフィルム(2)上に形成する方法について説明する。
プラスチックフィルム(2)の一方の主面に、エポキシ樹脂(A)と、水酸基を有し、カルボキシル基を実質的に有しない、ポリエステル系樹脂(B1)、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)と、ポリイソシアネート化合物(C)とを含有した接着剤を塗工し、有機溶剤等の揮発性生成を揮発・乾燥させ、エポキシ樹脂(A)を含有する最表面としての接着剤層(1’)を形成し、本発明の太陽電池用裏面保護シートを得ることができる。
本発明において、プラスチックフィルム(2)に最表面としての接着剤を塗布する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、具体的にはコンマコーティング、グラビアコーティング、リバースコーティング、ロールコーティング、リップコーティング、スプレーコーティングが例示できる。本発明では、これらの方法で最表面としての接着剤を塗布し、加熱乾燥により溶剤を揮散させる工程を塗工と称する。
形成される最表面としての接着剤層(1’)の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。
次に本発明の太陽電池モジュールについて説明する。
本発明の太陽電池モジュールは、表面保護材(I)と、
受光面と非受光面とを有し、前記受光面が前記表面保護材(I)と向き合った太陽電池素子(III)と、
前記太陽電池素子(III)の前記非受光面側に位置し、エチレン−ビニルアセテート共重合体系を含んだ封止層(IV)と、
前記太陽電池用裏面保護シート(V’)を前記接着剤層(1’)と前記封止層(IV)とが接触するように前記封止層(IV)に貼り付けてなる太陽電池用裏面保護シート(V)を必須の構成層とし、前記封止層(IV)に太陽電池用裏面保護シート(V)が接する。
また、前記表面保護材(I)と前記太陽電池素子(III)との間に、エチレン−ビニルアセテート共重合体を含んだ封止層(II)を具備することもできる。
一方、本発明の太陽電池用裏面保護シート(V’)を構成する最表面としての接着剤層(1’)が、熱硬化性の場合、太陽電池用裏面保護シート(V’)を封止層(IV)に積層し、太陽電池素子(III)を封止する際の熱によって、太陽電池用裏面保護シート(V’)を構成していた最表面としての接着剤層(1’)は硬化し接着層(1)となり、太陽電池用裏面保護シート(V’)は太陽電池用裏面保護シート(V)となる。
本発明の太陽電池モジュールは、表面保護材(I)と、必要に応じて封止層(II)と、太陽電池素子(III)と、封止層(IV)と、太陽電池用裏面保護シート(V’)とを、例えば減圧下に接触させ、次いで加熱・加圧下に重ね合わせることによって得ることができる。常圧に戻した後、さらに高温条件下に置いて、最表面としての接着剤層(1’)の硬化を進行させることもできる。
なお、太陽電池モジュールを形成する際の加熱圧着工程を利用して最表面としての接着剤層(1’)を熱硬化させる場合、加熱圧着工程前の熱硬化していない最表面としての接着剤層を最表面としての接着剤層(1’)、加熱圧着工程後の熱硬化した接着剤層を最表面としての接着剤層(1)として区別する。
同様に、加熱圧着工程前の太陽電池用裏面保護シートを太陽電池用裏面保護シート(V’)、加熱圧着工程後のものを太陽電池用裏面保護シート(V)として区別する。
太陽電池表面保護材(I)としては、ガラス板、ポリカーボネートやポリアクリレートのプラスチック板などを用いることができるが、透明性、耐候性、強靭性などの点からガラス板が好ましい。さらには、ガラス板の中でも透明性の高い白板ガラスが好ましい。
太陽電池素子(III)の前記受光面側に位置し、エチレン−ビニルアセテート共重合体系を含んだ封止層(II)、および非受光面側に位置し、エチレン−ビニルアセテート共重合体系を含んだ封止層(IV)としては、エチレン−ビニルアセテート共重合体を、厚さ0.2mm〜1.0mmのシート状に成形したものが主に用いられ、該樹脂中には架橋補助剤や紫外線吸収剤などを含んでいても良い。
太陽電池素子(III)としては、結晶シリコン、アモルファスシリコン、銅インジウムセレナイドに代表される化合物半導体、などの光電変換層に電極を設けたもの、さらにはそれらをガラス等の基板上に積層したもの、が例示できる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ示す。
<エポキシ樹脂溶液A1>
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−821、エポキシ当量185)を酢酸エチルに溶解して固形分50%の樹脂溶液としたものをエポキシ樹脂溶液A1とする。
<エポキシ樹脂溶液A2>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、YDCN−704、エポキシ当量210)を酢酸エチルに溶解して固形分50%の樹脂溶液としたものをエポキシ樹脂溶液A2とする。
<エポキシ樹脂溶液A3>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、JER1001、エポキシ当量450)を酢酸エチルに溶解して固形分50%の樹脂溶液としたものをエポキシ樹脂溶液A3とする。
<エポキシ樹脂溶液A4>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、JER1004、エポキシ当量900)を酢酸エチルに溶解して固形分50%の樹脂溶液としたものをエポキシ樹脂溶液A4とする。
<エポキシ樹脂溶液A5>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、JER1007、エポキシ当量1900)を酢酸エチルに溶解して固形分50%の樹脂溶液としたものをエポキシ樹脂溶液A5とする。
<エポキシ樹脂溶液A6>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、JER1009、エポキシ当量2800)を酢酸エチルに溶解して固形分50%の樹脂溶液としたものをエポキシ樹脂溶液A6とする。
<エポキシ樹脂溶液A7>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、JER1010、エポキシ当量4800)を酢酸エチルに溶解して固形分50%の樹脂溶液としたものをエポキシ樹脂溶液A7とする。
<エポキシ樹脂溶液A8>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、JER1256、エポキシ当量8000)を酢酸エチルに溶解して固形分50%の樹脂溶液としたものをエポキシ樹脂溶液A8とする。
<エポキシ樹脂溶液A9>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、JER4275、エポキシ当量9000)を酢酸エチルに溶解して固形分50%の樹脂溶液としたものをエポキシ樹脂溶液A9とする。
<ポリエステル樹脂溶液B1>
テレフタル酸ジメチル99.6部、エチレングリコール92.2部、ネオペンチルグリコール72.2部、および酢酸亜鉛0.02部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら160〜210℃に加熱し、エステル交換反応を行なった。理論量の97%のメタノールが留出した後、イソフタル酸77.5部、アゼライン酸166.9部を仕込み、160〜240℃に加熱し、エステル化反応を行なった。このまま反応缶を徐々に1〜2トールまで減圧し、酸価が0.8mgKOH/g以下となったところで減圧下での反応を停止し、数平均分子量が41、000、水酸基価が3.2(mgKOH/g)、酸価が0.7(mgKOH/g)、Tgが−10℃のポリエステルポリオールを得、酢酸エチルで希釈して、固形分50%のポリエステル樹脂溶液B1を得た。
なお、数平均分子量、ガラス転移温度、酸価、水酸基価は、下記に記述するようにして測定した。
<数平均分子量(Mn)の測定>
Mnの測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて行い、これには昭和電工(株)社製の「Shodex GPC−101」用い、カラムは昭和電工(株)社製の「KF−805L」、「KF−803L」及び「KF−802」を接続して用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、数平均分子量(Mn)の決定はポリスチレン換算で行った。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度の測定は、示差走査熱量測定(DSC)により求めた。
アルミニウムパンに試料約10mgを秤量してDSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパンとした。)、300℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理した。その後10℃/分で昇温し、得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg)を算出した(単位:℃)。
なお、試料としては、少量の各樹脂用液を100℃で30分乾燥したものを用いた。
<酸価(AV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
酸価は次式により求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<水酸基価(OHV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<ポリエステル樹脂溶液B2>
ポリエステル樹脂「バイロン200」(東洋紡(株)、数平均分子量17、000、水酸基価が6(mgKOH/g)、酸価が2(mgKOH/g)以下、Tg:67℃)をメチルエチルケトンに溶解し、固形分50%のポリエステル樹脂溶液B2を得た。
<ポリエステル樹脂溶液B3>
前記ポリエステル樹脂溶液B1と前記ポリエステル樹脂溶液B2とを重量比1:1で混合し、固形分50重量%のポリエステル樹脂溶液B3を得た。
ポリエステル樹脂溶液B3中のポリエステル樹脂は、水酸基価が4.6(mgKOH/g)、酸価が0.8(mgKOH/g)、Tgが28℃であった。
<ポリエステル樹脂溶液B4>
ポリエステル樹脂「エリーテルUE−3210」(ユニチカ(株)、数平均分子量20、000、水酸基価が4(mgKOH/g)、酸価が1(mgKOH/g)、Tg:45℃)をメチルエチルケトンに溶解し、固形分50%のポリエステル樹脂溶液B4を得た。
<ポリエステル樹脂溶液B5>
ジエチレングリコール117部、ネオペンチルグリコール319部、イソフタル酸192部、テレフタル酸188部、アジピン酸214部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら160〜240℃に加熱し、エステル化反応を行なった。このまま反応缶を徐々に1〜2トールまで減圧し、酸価が1mgKOH/g以下となったところで減圧下での反応を停止し、数平均分子量が10、000、水酸基価が19(mgKOH/g)、酸価が0.9(mgKOH/g)、Tgが0℃のポリエステル樹脂を得、酢酸エチルで希釈して、固形分50%のポリエステル樹脂溶液B5を得た。
<ポリエステル樹脂溶液B6>
ポリエステル樹脂「エリーテルUE−9900」(ユニチカ(株)、数平均分子量20、000、水酸基価が8(mgKOH/g)、酸価が2(mgKOH/g)、Tg:101℃)をメチルエチルケトンに溶解し、固形分50%のポリエステル樹脂溶液B6を得た。
<ポリエステル樹脂溶液B7>
ポリエステル樹脂「バイロン670」(東洋紡(株)、数平均分子量30、000、水酸基価が2以下(mgKOH/g)、酸価が2(mgKOH/g)、Tg:7℃)をメチルエチルケトンに溶解し、固形分50%のポリエステル樹脂溶液B7を得た。
<ポリエステル樹脂溶液B8>
ポリエステル樹脂「バイロンGK360」(東洋紡(株)、数平均分子量16、000、水酸基価が7以下(mgKOH/g)、酸価が5(mgKOH/g)、Tg:56℃)をメチルエチルケトンに溶解し、固形分50%のポリエステル樹脂溶液B8を得た。
<ポリエステル樹脂溶液B9>
ポリエステル樹脂「エリーテルXA−0653」(ユニチカ(株)、数平均分子量5、000、水酸基価が2以下(mgKOH/g)、酸価が20(mgKOH/g)、Tg:56℃)をメチルエチルケトンに溶解し、固形分50%のポリエステル樹脂溶液B9を得た。
<アクリル樹脂溶液B10>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルメタクリレート28部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が25、000、水酸基価が8.4(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが39℃、固形分50%のアクリル樹脂溶液B10を得た。
<アクリル樹脂溶液B11>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルメタクリレート30部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が24、000、水酸基価が0(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが36℃、固形分50%のアクリル樹脂溶液B11を得た。
<アクリル樹脂溶液B12>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルメタクリレート27部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部、メタクリル酸2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が27、000、水酸基価が4.4(mgKOH/g)、酸価が15(mgKOH/g)、Tgが42℃、固形分50%のアクリル樹脂溶液B12を得た。
<ウレタン樹脂溶液B13>
ポリカーボネートジオール(宇部興産(株)製、UC−100、数平均分子量1,000)を140部、1,6−ヘキサンジオールを5部、イソホロンジイソシアネート27部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が35,000、水酸基価が3.2(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、Tgが30℃、固形分50%のウレタン樹脂溶液B13を得た。
<ウレタン樹脂溶液B14>
ポリカーボネートジオール(宇部興産(株)製、UC−100、数平均分子量1,000)を82部、ジメチロールブタン酸を18部、イソホロンジイソシアネート100部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら140〜160℃まで徐々に加熱し、ウレタン化反応を行なった。160℃で3時間反応し、IR測定によりNCOピークがないことを確認した後、酢酸エチルを添加して、数平均分子量が32,000、水酸基価が3.5(mgKOH/g)、酸価が12(mgKOH/g)、Tgが35℃、固形分50%のウレタン樹脂溶液B14を得た。
<硬化剤溶液C>
MEKオキシムでブロックされた、イソホロンジイソシアネートの三量体と、MEKオキシムでブロックされた、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体を、重量比1:1で混合し、酢酸エチルで希釈して固形分50%の樹脂溶液としたものを硬化剤溶液とする。
<添加剤D1>
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(官能基当量206)を、添加剤D1とする。
<添加剤D2>
カルボジライトV−07(日清紡(株)製、官能基当量200)を、添加剤D2とする。
<接着剤の調整>
エポキシ樹脂溶液(A)、エポキシ樹脂以外の樹脂溶液(B)、硬化剤溶液(C)、添加剤(D)、ジブチル錫ジラウレートをそれぞれ表1及び2に示す固形分比となるように混合し、最表面としての接着剤1〜39を得た。
<接着シート1>
透明なエチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、ウルトラセン751、酢酸ビニル含有量28%)90重量%と透明なビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、JER1001、エポキシ当量450)10重量%をタンブラー(新栄工機産業社製、SKS50)でプレミックスした後、二軸押出機(日本プラコン社製)で、回転数300rpm、設定温度100℃の条件で混練・押出した後、ペレタイザーでカットし樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を、設定温度を100℃の条件で、T−ダイ押出機を用いてシート状に押出し成形し、厚さ20μmの接着シート1(エポキシ基含有量:0.22[mmol/g])を作成した。
この接着シート1は白濁しており、エポキシ樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体とは相溶性が非常に低いため、エポキシ樹脂の分散が不均一であったからであると推察される。
<接着シート2>
透明なエチレン−酢酸ビニル共重合体の代わりに、透明なエチレン−アクリル酸エチル共重合体(日本ポリエチレン(株)製、レクスパールEEA A4200、アクリル酸エチル含有量20%)を用い、シートへの押出し成形時の温度を120℃としたこと以外は接着シート1と同様にして、エポキシ樹脂とエチレン−アクリル酸共重合体とを含有した樹脂組成物からなる厚さ20μmの接着シート2(エポキシ基含有量:0.22[mmol/g])を作成した。
この接着シート2は白濁しており、エポキシ樹脂とエチレン−アクリル酸エチル共重合体とは相溶性が非常に低いため、エポキシ樹脂の分散が不均一であったからであると推察される。
<接着シート3>
透明なエチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、ウルトラセン751、酢酸ビニル含有量28%)を、T−ダイ押出機用いて、設定温度100℃の条件で、厚さ20μmの接着シート3を作成した。
<接着シート4>
透明なエチレン−アクリル酸エチル共重合体(日本ポリエチレン(株)製、レクスパールEEA A4200、アクリル酸エチル含有量20%)を、T−ダイ押出機用いて、設定温度120℃の条件で、厚さ20μmの接着シート4を作成した。
[実施例1〜25]、[比較例1〜14]
最表面用の接着剤1〜39を用い、後述する方法で、ポリエステルフィルムとEVAシートとの接着力(初期、湿熱経時後)、及びEVAシートからの酢酸発生量を測定した。これらの結果を表2に示す。
[接着力測定]
ポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラーX−10S、厚み50μm)のコロナ処理面に最表面としての接着剤1〜39をメイヤーバーによって塗布し、溶剤を揮散させ、塗布量:2g/平方メートルの最表面としての接着剤層(1’)付きポリエステルフィルムを設けた。
前記最表面としての接着剤層(1’)付きポリエステルフィルムを2枚用意し、サンビック(株)製のEVAシート(厚み450μ、スタンダードキュアタイプ、以下同)の両面に最表面としての接着剤層(1’)が接するように、前記EVAシートを2枚の最表面としての接着剤層(1’)付きポリエステルフィルムで挟み、真空ラミネーターで温度150℃、脱気時間5分、プレス圧力1atm、プレス時間10分、アフターキュア150℃−15分で加熱加圧圧着し、接着力測定用のサンプルを作製した。
接着力測定用のサンプルの一部について、温度105℃、相対湿度100%RHの環境条件で192時間のプレッシャークッカー試験(以下、PCT試験という)を行った。
PCT試験をしなかったもの(初期)、試験をしたもの(湿熱経時後)、それぞれを15mm幅の長方形にカットし、試験片とした。各試験片について、引っ張り試験機を用いて荷重速度100mm/minでT字剥離試験を行った。
○:20N/15mm以上
△:5N/15mm以上〜20N/15mm未満
×:5N/15mm未満
[酢酸発生量の評価方法]
<ポリエステルフィルム(2)の用意>
ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、テトロンS、厚み188μm)の両面にコロナ処理し、一方の面に層間接着剤「ダイナレオVA−3020/HD−701」(東洋インキ製造(株)製、配合比100/7、以下同)をグラビアコーターによって塗布し、溶剤を乾燥させ、塗布量:10g/平方メートルの層間接着剤層を設け、該層間接着剤層に、下記の蒸着PETの蒸着面を重ね合わせた。その後、50℃、4日間、エージング処理し、層間接着剤層を硬化させ、評価用のポリエスエテルフィルム(2)を得た。
用いた蒸着PETは、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に酸化ケイ素の蒸着層を、他方の面をコロナ処理してなる片面蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製、テックバリアLX、厚み12μm)である。
<裏面保護シート1〜39の作成>
上記評価用のポリエステルフィルム(2)の片面蒸着PETのコロナ処理面に、最表面としての接着剤1〜39をメイヤーバーによって塗布し、溶剤を揮散させ、塗布量:2g/平方メートルの最表面としての接着剤層(1’)を形成し、評価用の裏面保護シート1〜39を得た。
<評価用擬似モジュールの作製>
ガラス板と、接着力測定用試料作成に用いたのと同じEVAシートと、前記裏面保護シート1〜39とを、EVAシートと最表面としての接着剤層(1’)とが接するように重ね合わせ、真空ラミネーターで温度150℃、脱気時間5分、プレス圧力1atm、プレス時間10分、アフターキュア150℃−15分で加熱加圧圧着することにより、評価用擬似モジュールを作製した。
<EVAシートの加水分解促進>
前記評価用擬似モジュールについて、温度105℃、相対湿度100%RHの環境条件で96時間、又は192時間のプレッシャークッカー試験を行い、各条件におけるEVAシートの加水分解を促進した。
<酢酸発生量の測定>
(1)96時間、又は192時間のプレッシャークッカー試験を行った後、評価用擬似モジュールから、ガラス板、及び保護シートを剥がし取り、EVAシートを単離した。
(2)上記EVAシートの中央部(周辺部から少なくとも3cm以上離れた部分)を1.5cm四方に切断したもの(Xg)を量り取り、約4gの水(Yg)に浸漬して密閉し、一晩放置し、加水分解促進によりEVAシート中に発生した酢酸を水に抽出した。
(3)上記(2)記載の抽出水について、イオンクロマトグラフィにより、酢酸の濃度(Zμg/g)を求めた。
(4)上記(3)で求められた酢酸の濃度(Zμg/g)に、浸漬した水の量(Yg)を掛け、抽出に供したEVAの重量(Xg)で割ることによって、EVA1gあたりの酢酸発生量(μg/g)を算出した。この計算式を次に記す。
(EVA1gあたりの酢酸発生量[μg/g])=Z[μg/g]×Y[g]/X[g]
[実施例15〜18]
実施例1〜25、比較例1〜14において用いた最表面としての接着剤1〜14を塗布する代わりに、接着シート1〜4をそれぞれ層間接着剤「ダイナレオVA−3020/HD−701」(東洋インキ製造(株)製、配合比100/7)を用いて積層し、評価用の裏面保護シート40〜43とした。これを用いて接着力測定のサンプル、酢酸発生量評価用のサンプルを得、実施例1〜25、比較例1〜14と同様にして評価した。
[比較例19]
実施例1において、最表面としての接着剤1を塗布せず、評価用のポリエステルフィルム(2)をそのまま裏面保護シート44として、EVAシートとの接着力(初期、湿熱経時後)、及びEVAシートからの酢酸発生量を測定した。この結果を表3に示す。
Figure 2012124357
Figure 2012124357
Figure 2012124357
表3に示されるように、実施例1〜25は、EVAシートに接する最表面としての接着剤層(1)がエポキシ樹脂を含有し、EVAの加水分解によって生じる酢酸をトラップするので、最表面としての接着剤層(1)がエポキシ樹脂を含有しない比較例1〜5および最表面としての接着剤層を有さない比較例19に比して、EVAから発生する酢酸量を低減できる。
比較例6,9はエポキシ樹脂以外の樹脂(B)が水酸基を有していないため、比較例14はポリイソシアネート化合物(C)を有していないため、接着剤層の硬化が進まず、封止層との接着しないため、結果として封止層界面に水を呼び込むことで、酢酸量が大幅に増加する。
また、比較例7,8,10,11はエポキシ樹脂以外の樹脂(B)がカルボキシル基を実質的に有しているため、エポキシ樹脂(A)のグリシジル基と、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)のカルボキシル基が反応する。これによって、エポキシ樹脂内のグリシジル基の量が少なくなるため、EVAから発生する酢酸の量をトラップすることができず、結果として酢酸量は大幅に増加する。
比較例12,13は、最表面としての接着剤層(1)に酢酸と反応するカルボジイミドを添加しているので、PCT試験105℃×96h後の酢酸発生量は、実施例1〜25と同様に少ないが、PCT試験105℃×192h後には多くの酢酸が検出されている。これは、エポキシ基よりもカルボジイミド基の方が反応活性なため、PCT試験中にカルボジイミド基が水分と反応し、酢酸のトラップ効果が薄れるためである。
また、比較例15,16は、接着シート1および2内のエポキシ樹脂の分散が不均一であったため、エポキシ樹脂による酸のトラップ効果を発揮する部分と発揮しない部分及び封止層との接着する部分と接着しない部分が生じてしまったため、結果として酢酸量を低減する効果は得られなかった。また、比較例17,18は、比較例15,16に見られるような不均一な部分は無い為、初期並びに湿熱後の接着力は十分であったが、酢酸をトラップする機能がない為、酢酸量は大幅に増加した。
なお、実施例13〜16は、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が大きすぎるため、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)との相溶性が劣っているので、酸のトラップ効果にやや劣る。
実施例22は、接着剤固形分中のエポキシ基の量が少ないので、酸のトラップ効果がやや劣る。
実施例23は、接着剤固形分中のエポキシ基の量が多いので、封止層との接着力にやや劣る。
実施例24,25は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂以外の樹脂(B)との合計量に占めるエポキシ樹脂(A)の割合が多いので、封止層との接着力にやや劣る。
また、実施例17、18はエポキシ樹脂以外の樹脂(B)のガラス転移温度が低かったので、初期の接着力は発現できるが、湿熱後の接着力がやや低下し、実施例19はガラス転移温度が高かったので初期の接着力がやや劣る。
[実施例26]
<太陽電池モジュールの作成>
裏面保護シート1・・・最表面としての接着剤1を用いてなる裏面保護シート(酢酸発生量の評価の際に用いたのと同様の積層構成のシート)
白板ガラス・・・太陽電池表面保護材(I)
EVAシート・・・受光面側封止剤層(II)
多結晶シリコン太陽電池素子・・・太陽電池素子(III)
EVAシート・・・EVA非受光面側封止剤層(IV)
上記(I)−(IV)及び裏面保護シート1を、裏面保護シート1の最表面としての接着剤層(1’)がEVA非受光面側封止剤層(IV)に接するように順に重ねた後、真空ラミネーターで温度150℃、脱気時間5分、プレス圧力1atm、プレス時間15分、アフターキュア150℃―30分間加熱し、10cm×10cm角の光電変換効率評価用太陽電池モジュール1を作製した。
<光電変換効率の測定>
得られた太陽電池モジュール1の太陽電池出力を測定し、JIS C8912に従って、ソーラーシュミレーター(英弘精機製、SS−100XIL)を用いて光電変換効率を測定した。
さらに、温度85℃、相対湿度85%RHの環境条件で1000時間、2000時間静置した後の耐湿熱試験後の光電変換効率を、同様にして測定した。初期の光電変換効率に対する、耐湿熱試験後の光電変換効率の低下の割合を計算し、以下のように評価した。
◎:出力の低下が5%未満
○:出力の低下が5%以上〜10%未満
△:出力の低下が10%以上〜20%未満
×:出力の低下が20%以上
[実施例27〜50]、[比較例20〜38]
実施例26と同様にして、酢酸発生量の評価の際に用いた裏面保護シート2〜44を用いて太陽電池モジュール2〜44を作製し、光電変換効率(初期、耐湿熱試験後)を測定した。
[実施例51]
ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、テトロンS、厚み188μm)の片面にコロナ処理し、該コロナ処理面に最表面としての接着剤6をメイヤーバーによって塗布し、溶剤を揮散させ、塗布量:2g/平方メートルの最表面としての接着剤層(1’)を形成し、評価用の裏面保護シート45を得た。これを用いて、実施例26と同様にして、太陽電池モジュール45を作製し、光電変換効率(初期、耐湿熱試験後)を測定した。
[比較例39]
実施例51において、最表面としての接着剤1の代わりに最表面としての接着剤27を使用したこと以外は、実施例51と同様にして、評価用の裏面保護シート46を得、太陽電池モジュール46を作製し、光電変換効率(初期、耐湿熱試験後)を測定した。以上の結果を表3に示す。
Figure 2012124357
表4に示されるように、実施例26〜50は、最表面としての接着剤層(1)にエポキシ樹脂(A)を含有する最表面としての接着剤層(1’)を具備する裏面保護シートを使用し、EVAから発生する酸をトラップするので、湿熱試験後の太陽電池モジュールの出力低下を抑制することができる。
一方、比較例20〜30、33〜39は、酢酸発生量を低減する効果がないため、湿熱試験時にEVAから発生する酸の影響で太陽電池モジュールの出力が低下する。
実施例51は、最表面としての接着剤層(1)中のエポキシ樹脂(A)が酸のトラップ効果を有するため、そのような効果を持たない比較例39と比して太陽電池モジュールの劣化を抑制しているが、裏面保護シートに水蒸気バリア性が無いため、実施例31に比して出力が低下する。
また、比較例31、32は最表面としての接着剤層(1)に酢酸と反応するカルボジイミドを含有するため、湿熱試験初期における太陽電池モジュールの出力劣化を抑制しているが、湿熱経時において、水分とカルボジイミドが反応し、酢酸のトラップ効果が薄れるため、長期に亘って劣化を抑制することができない。これらの結果は、表2の酢酸発生量の結果と一致している。
以上のように、本発明の太陽電池保護シートを用いることによって、封止層から発生する酢酸をトラップし、太陽電池モジュールの出力劣化を抑制することができる。

Claims (11)

  1. エポキシ樹脂(A)を含有する最表面としての接着剤層(1’)と、一方の主面が前記接着剤層(1’)を支持したプラスチックフィルム(2)とを具備し、前記接着剤層(1’)は、水酸基を有し、カルボキシル基を実質的に有していない、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)と、ポリイソシアネート化合物(C)とを更に含有し、前記樹脂(B)は、ポリエステル系樹脂(B1)、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる太陽電池用裏面保護シート(V’)。
  2. 前記接着剤層(1’)中のエポキシ基の量は0.01乃至2.5mmol/gの範囲内にある請求項1に記載の太陽電池用裏面保護シート(V’)。
  3. 前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は5000g/eq以下である請求項1又は2記載の太陽電池用裏面保護シート(IV’)。
  4. 前記エポキシ樹脂(A)と前記樹脂(B)との合計量に占める、前記エポキシ樹脂(A)の割合は1乃至50重量%の範囲内にある請求項1乃至3の何れかに記載の太陽電池用裏面保護シート(V’)。
  5. 前記樹脂(B)のガラス転移温度は20乃至100℃の範囲内にある請求項1乃至4の何れかに記載の太陽電池用裏面保護シート(V’)。
  6. 前記樹脂(B)は、前記ポリエステル系樹脂(B1)であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の太陽電池用裏面保護シート(V’)。
  7. ポリイソシアネート化合物(C)はブロック化ポリイソシアネート化合物(C1)である請求項1乃至6の何れかに記載の太陽電池用裏面保護シート(V’)。
  8. 金属箔と金属酸化物又は非金属無機酸化物からなる蒸着層との少なくとも一方を、前記プラスチックフィルム(2)の前記接着剤層(1’)を支持した前記主面の裏面側に更に具備した請求項1乃至7の何れかに記載の太陽電池用裏面保護シート(V’)。
  9. プラスチックフィルム(2)の一方の主面に、エポキシ樹脂(A)と、水酸基を有し、カルボキシル基を実質的に有しない、エポキシ樹脂以外の樹脂(B)と、ポリイソシアネート化合物(C)とを含有した接着剤を塗工し、接着剤層(1’)を最表面として形成することを含み、前記樹脂(B)は、ポリエステル系樹脂(B1)、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる太陽電池用裏面保護シート(V’)の製造方法。
  10. 表面保護材(I)と、
    受光面と非受光面とを有し、前記受光面が前記表面保護材(I)と向き合った太陽電池素子(III)と、
    前記太陽電池素子(III)の前記非受光面側に位置し、エチレン−ビニルアセテート共重合体系を含んだ封止層(IV)と、
    請求項1乃至9の何れかに係る太陽電池用裏面保護シート(V’)を前記接着剤層(1’)と前記封止層(IV)とが接触するように前記封止層(IV)に貼り付けてなる太陽電池用裏面保護シート(V)と
    を具備した太陽電池モジュール。
  11. 前記表面保護材(I)と前記太陽電池素子(III)との間に、エチレン−ビニルアセテート共重合体を含んだ封止層(II)を更に具備した請求項10に記載の太陽電池モジュール。
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