JP2011019085A - コンデンサマイクロホン - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロホン本体とマイクロホンカプセルとの連結部分における電磁シールドをより確実にする。
【解決手段】金属製のカプセル筐体11内に静電型の音響電気変換器が収納され、その連結側開口部120のほぼ中央部分に固定極142の引出電極15が配置されているマイクロホンカプセル10と、カプセル筐体11が着脱可能に連結される金属製のマイク筐体21の連結側開口部210内の所定深さ位置に回路基板22が配置され、回路基板22にFET23と、そのゲートを引出電極15に接続する導電接触手段とが配置されているマイクロホン本体20とを備え、カプセル筐体11とマイク筐体21との連結に伴ってFET23のゲートに引出電極15が導電接触手段を介して接続されるコンデンサマイクロホンにおいて、導電接触手段として、導電性を有する樹脂発泡体もしくは導電布からなる導電弾性材31を用いるとともに、回路基板22上に導電弾性材31の周りを囲むようにフェライト材32を配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、マイクロホン本体に対してマイクロホンカプセルが交換可能であるコンデンサマイクロホンに関し、さらに詳しく言えば、その連結部分における電磁シールド技術に関するものである。
コンデンサマイクロホンは、そのマイクロホンユニットが備える静電型の音響電気変換器のインピーダンスがきわめて高いため、インピーダンス変換器を含む電子回路をマイクロホンに内蔵している。インピーダンス変換器には、通常、FET(電界効果トランジスタ)が用いられている。
そのため、電子回路に外来電磁波(特には携帯電話機から放射される電磁波)による高周波電流が加えられると、インピーダンス変換器(FET)に検波され、可聴周波数の雑音が発生することがある。
この問題は、マイクロホン筐体のシールドを確実にすることにより解決されるが、マイクロホン本体に対してマイクロホンカプセルが交換可能である機種では、機械的に結合する部分で電気的接続を行うようにしているため、その連結部から高周波電流がマイクロホン筐体内に入り込みやすい。
FETのゲートにフェライトビーズを取り付けることにより、高周波電流のFETへの流れ込みを防止することはできる。
しかしながら、FETのゲート部分はインピーダンスが高いことから、フェライトビーズが機械的に振動すると振動雑音が発生し、また、電気的絶縁が不十分であると漏洩雑音が発生することがある。
この振動雑音に対する解決策として、本出願人は、特許文献1として、マイクロホンカプセル側の固定極の引出電極と、マイクロホン本体側のFETのゲートとを導電布等の導電弾性材を介して電気的に接続することを提案している。
これによれば、固定極の引出電極とFETのゲートとに導電弾性材が広い面積で面的に接触し、その分、接触抵抗値が下げられ、かつ、安定した接続状態が得られるため、振動雑音を有効に低減できる。
特開2007−28027号公報
したがって、本発明の課題は、マイクロホン本体に対してマイクロホンカプセルが交換可能であるコンデンサマイクロホンにおいて、その連結部分に導電布等の導電弾性材とフェライト材とを備えることにより、連結部分における電磁シールドをより確実にすることにある。
上記課題を解決するため、本発明は、一端面側に音響端子を有し他端面側に開口部を備える金属製のカプセル筐体内に振動板と固定極とを含む音響電気変換器が収納され、上記開口部のほぼ中央部分に上記固定極の引出電極が配置されているマイクロホンカプセルと、上記カプセル筐体が着脱可能に連結される金属製の円筒体からなるマイク筐体の連結側開口部内の所定深さ位置に回路基板が配置され、上記回路基板にFETと、そのゲートを上記引出電極に接続する導電接触手段とが配置されているマイクロホン本体とを備え、上記カプセル筐体と上記マイク筐体との連結に伴って上記FETのゲートに上記引出電極が上記導電接触手段を介して接続されるコンデンサマイクロホンにおいて、上記導電接触手段が導電性を有する樹脂発泡体もしくは導電布の導電弾性材からなるとともに、上記回路基板上に上記導電弾性材の周りを囲むようにフェライト材が配置されていることを特徴としている。
本発明の好ましい態様によれば、上記フェライト材がフェライトビーズとして円筒状に形成されており、上記導電弾性材が上記フェライトビーズ内に収納される。
また、振動雑音を少なくするうえで、上記フェライト材が電気絶縁性の保持リングを介して上記回路基板上に固定されることが好ましい。
本発明によれば、マイクロホンカプセル側の固定極の引出電極と、マイクロホン本体側のFETのゲートとが導電布等の導電弾性材を介して広い面積で面的に接触するため、その分、接触抵抗値が下げられ、かつ、安定した接続状態が得られるとともに、導電弾性材の周りを囲むようにフェライト材が配置されているため、外来電磁波に起因する高周波電流のFETのゲートへの流れ込みをも防止できる。
また、フェライト材を円筒状のフェライトビーズとして電気絶縁性の保持リングを介して回路基板上に固定することにより、フェライトビーズの機械的振動による振動雑音や、FETのゲートとの接触による漏洩雑音の発生を防止できる。
本発明のコンデンサマイクロホンの組立状態を示す断面図。 本発明のコンデンサマイクロホンに含まれるマイクロホンカプセルと、マイクロホン本体とを分離して示す断面図。 フェライトビーズと導電弾性材とを示す斜視図。
次に、図1ないし図3により、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1および図2を参照して、本発明のコンデンサマイクロホンは、マイクロホンカプセル10と、マイクロホン本体20とを備え、所望とする指向性に応じてマイクロホンカプセル10を交換することができるコンデンサマイクロホンである。
マイクロホンカプセル10は、金属材の円筒体からなるカプセル筐体11を備える。カプセル筐体11の一端面(図1,図2において上端面)側には前部音響端子110が設けられ、他端面(図1,図2において下端面)側は開口部120とされている。
この例において、マイクロホンカプセル10は単一指向性であるため、カプセル筐体11の側面には後部音響端子111が設けられている。また、カプセル筐体11の一端面側にはレゾネータ13が被せられている。
カプセル筐体11内には、静電型の音響電気変換器14が収納されている。音響電気変換器14は、ダイアフラムリング141に張設されている図示省略の振動板と、絶縁座143に支持されている固定極142とを図示省略のセパレータリングを介して対向的に配置することにより組み立てられる。
絶縁座143のほぼ中央には、図示しない配線材を介して固定極142と電気的に接続される引出電極15が設けられている。引出電極15は棒状電極であって、カプセル筐体11の開口部120内において、そのほぼ中央に配置される。
カプセル筐体11の開口部120側の内面には、音響電気変換器14の固定用およびマイクロホン本体20との連結用として用いられる雌ネジ112が形成されている。すなわち、音響電気変換器14は、雌ネジ112に螺合されるロックリング16により、カプセル筐体11内に固定される。
マイクロホン本体20は、パワーモジュール部もしくは音声信号出力部とも呼ばれ、黄銅合金等の金属材よりなる円筒状のマイク筐体21を備え、その一端側(図1,2では下端側)の開口部21aから図示しないマイクケーブルが引き込まれる。
マイク筐体21の他端側(図1,2の上端側でカプセル筐体11との連結側)の開口部210内には、インピーダンス変換器としてのFET(電界効果トランジスタ)23が実装されている回路基板22が配置される。
この実施形態において、マイク筐体21は、連結側開口部210内に嵌合される金属材からなる内筒211を備える。内筒211はマイク筐体21と一体であってもよい。内筒211内には、回路基板22を支持するための段差部212が環状に形成されている。
これにより、回路基板22は、連結側開口部210内の所定深さ位置において、内筒211内を塞ぐようにして上記段差部212に支持される。
なお、回路基板22は、内筒211内にFET23の実装面を下向きとして配置されるが、回路基板22の反対面(図1,2において上面)側には、図示しないスルーホールを介してFET23のゲートと接続されるゲート引出電極231が銅箔等により形成されている。
図示しないが、回路基板22の周縁には、上記段差部212に接触して内筒211およびマイク筐体21に電気的に接続されるグランド(接地)パターンが形成されている。なお、開口部21aからマイク筐体21内に引き込まれる上記マイクケーブルは、電源線と信号線を含む2芯シールド被覆線で、その電源線はFET23のドレインに接続され、信号線はソースに接続され、シールド被覆線は上記グランドパターンに接続される。
回路基板22の上面でゲート引出電極231上には、当該ゲート引出電極231と固定極143の引出電極15とを接続するための導電接触手段が設けられている。
本発明において、上記導電接触手段は、弾性と導電性とを併せ持つ導電弾性材31からなる。導電弾性材31には、樹脂発泡体からなるCONDUCTIVE FOMA品番Sui−78−5020T(特許第3306665号参照)や、導電布と称される金属繊維の織物が用いられてよい。
また、回路基板22の上面には、導電弾性材31の周りを囲むようにフェライト材32が配置される。図3に示すように、フェライト材32をフェライトビーズ321とし、その孔内に導電弾性材31を詰め込んで用いることが好ましい。
次に、連結手段の構成について説明する。内筒211の段差部212上には雌ネジ筒213が一体に形成されている。雌ネジ筒213内には、雄ネジ241を有する金属製のカプラーリング24が螺合される。
この場合、カプラーリング24は、雄ネジ241の下半分が雌ネジ筒213内に螺合され、残された上半分の雄ネジ241の部分にカプセル筐体11の雌ネジ112が螺合される。
これにより、図1に示すように、カプセル筐体11とマイク筐体21とがカプラーリング24を介して機械的かつ電気的に接続され、シールドケースとして作用する。また、固定極142の引出電極15とFET23のゲート引出電極231とが導電弾性材31を介して電気的に接続される。
なお、フェライトビーズ321(フェライト材32)は、電気絶縁性の保持リング25により回路基板22上に固定されることが好ましい。
この実施形態において、保持リング25は、上縁にフェライトビーズ321の上面に当接する押さえ板251を有し、下縁に拡径されたフランジ252を備えるポリカーボネート等の合成樹脂からなる円筒体で、フランジ252がカプラーリング24と回路基板22との間に挟持されることにより、フェライトビーズ321を回路基板22上に固定する。
以上説明したように、本発明によれば、マイクロホンカプセル10側の固定極142の引出電極15と、マイクロホン本体20側のFET23のゲートとが導電布等の導電弾性材31を介して広い面積で面的に接触するため、その分、接触抵抗値が下げられ、かつ、安定した接続状態が得られるとともに、導電弾性材31の周りを囲むようにフェライト材32が配置されているため、外来電磁波に起因する高周波電流のFET23のゲートへの流れ込みをも防止できる。
また、フェライト材32を円筒状のフェライトビーズ321として電気絶縁性の保持リング25を介して回路基板22上に固定することにより、フェライトビーズ321の機械的振動による振動雑音や、FET23のゲートとの接触による漏洩雑音の発生を防止できる。
10 マイクロホンカプセル
11 カプセル筐体
14 静電型音響電気変換器
15 固定極の引出電極
20 マイクロホン本体
21 マイク筐体
22 回路基板
23 FET(電界効果トランジスタ)
231 ゲート引出電極
24 カプラーリング
31 導電弾性材
32 フェライト材
321 フェライトビーズ

Claims (3)

  1. 一端面側に音響端子を有し他端面側に開口部を備える金属製のカプセル筐体内に振動板と固定極とを含む音響電気変換器が収納され、上記開口部のほぼ中央部分に上記固定極の引出電極が配置されているマイクロホンカプセルと、上記カプセル筐体が着脱可能に連結される金属製の円筒体からなるマイク筐体の連結側開口部内の所定深さ位置に回路基板が配置され、上記回路基板にFETと、そのゲートを上記引出電極に接続する導電接触手段とが配置されているマイクロホン本体とを備え、上記カプセル筐体と上記マイク筐体との連結に伴って上記FETのゲートに上記引出電極が上記導電接触手段を介して接続されるコンデンサマイクロホンにおいて、
    上記導電接触手段が導電性を有する樹脂発泡体もしくは導電布の導電弾性材からなるとともに、上記回路基板上に上記導電弾性材の周りを囲むようにフェライト材が配置されていることを特徴とするコンデンサマイクロホン。
  2. 上記フェライト材がフェライトビーズとして円筒状に形成されており、上記導電弾性材が上記フェライトビーズ内に収納されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサマイクロホン。
  3. 上記フェライト材が電気絶縁性の保持リングを介して上記回路基板上に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサマイクロホン。
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