JP2011016699A - 光学素子の製造方法、及び光学素子 - Google Patents

光学素子の製造方法、及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性の極めて高い光学素子の製造方法、及び光学素子を提供する。
【解決手段】下型に供給された溶融ガラスを該下型上型とで加圧成形し、一体化して配列された複数の光学素子と、表面および裏面またはその何れか一方に複数の光学素子を単独に分離するための溝と、が形成された光学素子アレイを成形する工程と、成形された光学素子アレイの温度が下降し所定の温度に達するまでに、該光学素子アレイを冷却することにより前記複数の光学素子を単独に分離する工程と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子の製造方法、及び光学素子に関し、特に、溶融ガラスを成形金型で加圧成形して光学素子を得る光学素子の製造方法、及び光学素子に関する。
ガラス製の光学素子は、デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズ、各種ミラー等として利用されるようになり、その用途は広範囲に及んでいる。近年、こうした装置の小型化、低価格化が大きく進展するに伴い、このような装置に用いられるガラス製の光学素子もより小型化、低価格化が求められるようになり、とりわけ大量生産に対し、生産性を高めることが強く要望されている。
そこで、特許文献1では、複数の光学素子を格子状に配置された形状で一体に成形し、成形後に各光学素子に切り離して単独の光学素子とする方法であって、複数の光学素子の一体成形体に、各光学素子を単独に切り離す為の見当となる印を光学面成形時に同時に成形しておく方法が提案されている。
また、特許文献2では、特許文献1の場合と同様に、複数の光学素子を格子状に配置された形状で一体に成形し、成形後に各光学素子に切り離して単独の光学素子とする方法であって、複数の光学素子の一体成形体に、各光学素子を単独に分離する為のカット溝を光学面成形時に同時に成形しておく方法が提案されている。
特開2000−37787号公報 特開2006−188388号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2の方法は、何れも、成形後に、複数の光学素子が格子状に配置された光学素子アレイから、各光学素子を切り離して単独の光学素子とする為のダイシング装置等を用いた切断工程が新たに必要となる。この為、生産性の向上は、充分なものではなかった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、生産性の極めて高い光学素子の製造方法、及び光学素子を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1から7の何れか1項に記載の発明によって達成される。
1.下型に供給された溶融ガラスを該下型と上型とで加圧成形し、一体化して配列された複数の光学素子と、表面および裏面またはその何れか一方に前記複数の光学素子を単独に分離するための溝と、が形成された光学素子アレイを成形する工程と、
成形された前記光学素子アレイの温度が下降し所定の温度に達するまでに、該光学素子アレイを冷却することにより前記複数の光学素子を単独に分離する工程と、を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
2.前記溝は、前記光学素子アレイの表面および裏面の対面した位置にそれぞれ形成され、
前記溝の深さは、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする前記1に記載の光学素子の製造方法。
d1>d2 (1)
但し、
d1:下型により形成された光学素子アレイの裏面の溝の深さ
d2:上型により形成された光学素子アレイの表面の溝の深さ
3.前記溝は、前記一体化して配列された複数の光学素子の接続部に形成され、
前記溝の深さと前記接続部の厚みは、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする前記1または2に記載の光学素子の製造方法。
0.1mm≦t−(d1+d2)≦0.5mm (2)
但し、
d1:下型により形成された光学素子アレイの裏面の溝の深さ
d2:上型により形成された光学素子アレイの表面の溝の深さ
t:接続部の厚み
4.前記溝は、前記光学素子アレイの裏面であって、前記一体化して配列された複数の光学素子の接続部に形成され、
前記溝の深さと前記接続部の厚みは、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする前記1に記載の光学素子の製造方法。
0.1mm≦t−d1≦0.5mm (3)
但し、
d1:下型により形成された光学素子アレイの裏面の溝の深さ
t:接続部の厚み
5.前記溝は、前記光学素子アレイの表面であって、前記一体化して配列された複数の光学素子の接続部に形成され、
前記溝の深さと前記接続部の厚みは、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする前記1に記載の光学素子の製造方法。
0.1mm≦t−d2≦0.5mm (4)
但し、
d2:上型により形成された光学素子アレイの表面の溝の深さ
t:接続部の厚み
6.前記溝の断面形状は、V字状であることを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の光学素子の製造方法。
7.前記1から6の何れか1項に記載の光学素子の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする光学素子。
本発明によれば、一体化して配列された複数の光学素子と、表面および裏面またはその何れか一方に複数の光学素子を単独に切り離すための溝と、が形成された光学素子アレイを成形した後、成形された光学素子アレイの温度が下降し所定の温度に達するまでに、該光学素子アレイを冷却することにより複数の光学素子を単独に分離するようにした。
溶融ガラスを例えば液滴法を用いて成形した光学素子アレイは、成形直後は高温になっている。この高温の光学素子アレイの温度が自然冷却により下降し所定の温度に達するまでに、該光学素子アレイを冷却すると、急激な温度変化により、光学素子アレイの内部に応力が生じる。この応力は、光学素子アレイを成形する際に同時に形成しておいた溝によりその断面が狭くなった部位で最も大きくなる。これにより、該溝に沿ってクラック(亀裂)が入り、一体化して配列された複数の光学素子を単独に分離することができる。すなわち、各光学素子を切り離して単独の光学素子とする為の切断工程を設けることなく、冷却工程により、容易に単独の光学素子に分離することができる。その結果、極めて高い生産性を得ることができる。
本発明の実施形態に係わる光学素子の製造装置の概略構成を示す断面模式図である。 本発明の実施形態に係わるガラスレンズアレイの一例を示す平面、及び断面模式図である。 本発明の実施形態に係わるガラスレンズの一例を示す断面模式図である。 本発明の実施形態に係わる成形金型の製造工程の一例を示す断面模式図である。 本発明の実施形態に係わる成形金型の製造工程の別例を示す断面模式図である。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態に係わる光学素子の製造方法、及び光学素子を説明する。尚、本発明は該実施の形態に限られない。
最初に、本発明における光学素子の製造装置の概略構成を図1を用いて説明する。図1は、光学素子の製造装置1の概略構成を示す断面模式図である。尚、図1において左図は、溶融ガラスの供給工程における状態を、中図は、加圧工程における状態を、右図は、冷却工程における状態をそれぞれ示している。
光学素子の製造装置1は、溶融槽70、上型10、下型20、及び加圧部50等を有する成形装置2、及び冷却ステージ3等から構成される。
成形装置2は、下型20に供給された溶融ガラス80を上型10とで加圧成形し、格子状に一体化して配列された複数の光学素子(ガラスレンズ)100と、表面および裏面またはその何れか一方に複数の光学素子100を単独に分離する為の格子状の溝110と、が形成された光学素子アレイ(ガラスレンズアレイ)100Aを成形する。
下型20は、図示しない駆動手段により、ノズル71の下方で溶融ガラス80を受ける為の位置P1と、上型10と対向して溶融ガラス80を加圧成形する為の位置P2との間で移動可能に構成されている。
溶融槽70は、内部に投入されたガラス材料を溶融し、溶融ガラス80を生成する。溶融槽70の下部には、ノズル71が設けられ、ノズル71より溶融ガラス80を下型20の成形面(受け面)20aに供給する。また、溶融槽70の内部には、図示しない攪拌翼が設けられており、該攪拌翼を回転させて、溶融ガラス80を攪拌し均質化する。
溶融槽70、ノズル71、及び攪拌翼の材料としては、例えば、白金を用いることができる。また、溶融槽70の外側には、槽全体を支える為に、図示しない耐火物製補強部材を設けてもよい。また、溶融槽70やノズル71の周囲には、それぞれを所定の温度に加熱制御する、図示しないヒータ、及び温度センサが設けられている。
成形金型は、上型10、及び下型20等から構成される。上型10、下型20には、複数のガラスレンズ100の光学面100a、光学面100bを形成する為の複数の凹の非球面形状の成形面10a、成形面20aが格子状にそれぞれ形成されている。尚、本実施形態においては、上型10の成形面10a、下型20の成形面20aは、何れも凹の非球面に形成されているが、凸の非球面や球面であってもよい。また、成形面10a、成形面20aの何れか一方は、平坦な面であってもよい。
また、上型10、下型20にそれぞれ形成された複数の成形面10a、成形面20aの間には、複数のガラスレンズ100を単独に分離する為の溝110を形成する為のレール状の凸部20pが格子状にそれぞれ形成されている。尚、本実施形態においては、凸部20pは、上型10および下型20の双方に形成されているが、その何れか一方であってもよい。
ここで、図4に成形金型の製造工程の一例を示す。図4(a)〜図4(c)は、下型20の製造工程の一例を示す断面模式図である。
本実施形態は、凸部20pを下型20の表面(キャビティ面)に直接形成するものである。
最初に、金型母材20A(図4(a))を加工し、キャビティ面にレール状の凸部20pを形成する(図4(b))。次に、凸部20pを挟んで凹の非球面形状の成形面20aを形成する(図4(c))。このようにして、キャビティ面に複数の成形面20aと該成形面20aの間に凸部20pとが格子状に形成された下型20を完成する。
図5に成形金型の製造工程の別例を示す。図5(a)〜図5(d)は、下型20の製造工程の別例を示す断面模式図である。
本実施形態は、凸部20qを下型20の表面(キャビティ面)に入れ子によって構成するものである。
最初に、金型母材20A(図5(a))を加工し、キャビティ面に凹の非球面形状の成形面20aを形成する(図5(b))。次に、成形面20aの間に溝20mを形成する(図5(c))。続いて、溝20mにレール状の溝形成部材20qを装填する(図5(d))。このようにして、キャビティ面に複数の成形面20aと該成形面20aの間に溝形成部材20qとが格子状に構成された下型20を完成する。
図1に戻って、上型10、下型20には、それぞれを所定温度に加熱制御する、図示しないヒータ、及び温度センサが設けられている。
ヒータ、及び温度センサは、それぞれの部材を独立して温度調節することができる構成としてもよいし、成形金型全体を一つ、あるいは複数のヒータでまとめて加熱するような構成としてもよい。ヒータとしては、公知の各種のヒータの中から適宜選択して用いることができる。例えば、部材の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒータや、部材の外側に接触させて使用するシート状のヒータ、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置等を用いることができる。また、温度センサとしては、種々の熱電対の他、白金測温抵抗体、各種サーミスタ等公知のセンサを用いることができる。
上型10、下型20の加熱温度は、溶融ガラス80にそれぞれ成形面10a、成形面20aの形状を良好に転写できる温度範囲に設定する必要があり、通常、成形するガラスのTg(ガラス転移点)−100℃からTg+100℃程度の温度範囲とすることが好ましい。加熱温度が低すぎると溶融ガラス80に成形面10a、成形面20aの形状を良好に転写させることが困難になってくる。逆に、必要以上に温度を高くしすぎることは、溶融ガラス80と成形金型との融着を防止する観点や、成形金型の寿命の観点から好ましくない。実際には、成形するガラスの材質や、ガラスレンズの形状、大きさ、成形金型の材質、保護膜の種類、ヒータや温度センサの位置等種々の条件を考慮に入れて適正な温度を決定する。
上型10、下型20の材料は、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、カーボン等、ガラスレンズアレイ100Aを加圧成形する為の成形金型として公知の材料の中から適宜選択して用いることができる。また、これらの材料の表面に各種金属やセラミックス、カーボン等の保護膜を形成したものを用いることもできる。上型10、下型20を同一の材質としてもよいし、それぞれ別の材質としてもよい。
加圧部50の機構としては、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを用いた電動シリンダ等の公知の加圧機構を用いることができる。加圧部50は、上型10を駆動することで、溶融ガラス80を加圧成形する。尚、本実施形態においては、加圧部50は、上型10を駆動する構成としたが、これに限定されることなく、下型20、または上型10と下型20の両方を駆動する構成としてもよい。
ガラス材料は、特に限定されることなく、光学的用途に用いられる周知のガラスを用途に応じて選択して用いることができる。例えば、シリカ系ガラス、リン酸系ガラス、ランタン系ガラス等が挙げられる。
冷却ステージ3は、成形装置2によって成形されたガラスレンズアレイ100Aを冷却する水冷または空冷の冷却装置であって、その表面温度は、約10℃に設定されている。
次に、このような構成の光学素子の製造装置1を用いたガラスレンズ100の製造方法の概要を前述の図1を用いて説明する。
最初に、溶融ガラス80の温度よりも低い所定温度に加熱された成形金型の下型20の成形面(受け面)20aに、溶融槽70の下部に設けられたノズル71より溶融ガラス80を供給する(溶融ガラス供給工程)。このとき、溶融槽70とノズル71は図示しないヒータによってそれぞれ所定の温度に加熱されている。溶融ガラス80が供給された下型20は上型10の下方まで移動し、下型20と上型10とで溶融ガラス80を加圧成形する(加圧工程)。加圧成形により、成形面(成形面10a、成形面20a)が転写され、格子状に一体化して配列された複数のガラスレンズ100と、レール状の凸部20pが転写され複数のガラスレンズ100を単独に分離する為の格子状の溝110と、が形成されたガラスレンズアレイ100Aを得る(成形工程:溶融ガラス供給工程+加圧工程)。
成形工程で得られたガラスレンズアレイ100Aを図2に示す。図2(a)は、ガラスレンズアレイ100Aの一例を示す平面模式図、図2(b)は、図2(a)におけるA−A′断面模式図である。
図2(a)に示すように、ガラスレンズアレイ100Aは、格子状に一体化して配列された複数のガラスレンズ100と、複数のガラスレンズ100を単独に分離する為の格子状の溝110と、が形成されている。
図2(b)に示すように、ガラスレンズアレイ100Aの表面には、上型10の成形面10aによる凸の非球面の転写面100a(光学面)、及び溝110aが形成され、ガラスレンズアレイ100Aの裏面には、下型20の成形面20aによる凸の非球面の転写面100b(光学面)、及び溝110bが形成されている。尚、溝110a、溝110bの断面形状としては、V字状、台形、円弧等が挙げられるが、後述の冷却工程において、ガラスレンズアレイ100Aの内部に発生する応力を溝110で最大化する為には、V字状が好ましい。
図1に戻って、次に、成形工程で得られたガラスレンズアレイ100Aを、冷却ステージ3の上に移動し、ガラスレンズアレイ100Aの温度が自然冷却により下降し所定の温度に達するまでに、光学素子アレイ100Aを冷却することにより複数のガラスレンズ100を単独に分離する(冷却工程)。
成形直後のガラスレンズアレイ100Aは、高温になっている。この高温のガラスレンズアレイ100Aの温度が自然冷却により下降し所定の温度(例えば100℃)に達するまでに、該ガラスアレイ100Aを冷却(例えば冷却温度10℃で)すると、急激な温度変化により、ガラスレンズアレイ100Aの内部に応力が生じる。この応力は、ガラスレンズアレイ100Aを成形する際に同時に形成しておいた溝110によりその断面が狭くなった部位で最も大きくなる。これにより、該溝110に沿ってクラック(亀裂)が入り、一体化して配列された複数のガラスレンズ100を単独に分離することができる。尚、ガラスレンズアレイ100Aを冷却ステージ3で冷却するとともに、ガラスレンズアレイ100Aの表面に、図示しない付勢部材等で加重をかけ、ガラスレンズアレイ100Aを歪ませると、より適確に複数のガラスレンズ100を単独に分離することができる。
冷却工程で分離され得られたガラスレンズ100を図3に示す。図3は、ガラスレンズ100の一例を示す断面模式図である。
図3(a)に示すように、ガラスレンズ100の表面には、上型10の成形面10aによる凸の非球面の転写面100a(光学面)が形成され、ガラスレンズ100の裏面には、下型20成形面20aによる凸の非球面の転写面100b(光学面)が形成されている。また、接続部120の切断された4つの端面の表裏面には、表面側に溝110aを形成した断面形状の一部の面100c、裏面側に溝110bを形成した断面形状の一部の面100dが、面取り面を形成している。この面取り面により、ガラスレンズ100を各種装置に組み込む際等に、ガラスレンズ100の破損(チッピング)を防止することができるとともに、取り扱いし易いガラスレンズ100が得られる。
ここで、図2に戻って、溝110a、溝110bの深さは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
d1>d2 (1)
但し、
d1:下型20により形成されたガラスレンズアレイ100Aの裏面の溝110bの深さ
d2:上型10により形成されたガラスレンズアレイ100Aの表面の溝110aの深さ
溶融ガラス80を受け最初に該溶融ガラス80に接触する下型20の転写性は、上型10よりも優れているので、所望の形状をより高い精度で転写することができる。この為、前述の冷却工程において、適確に複数のガラスレンズ100を単独に分離できるように、下型20で形成されるガラスレンズアレイ100Aの裏面の溝110bの深さを、上型10で形成される表面の溝110aの深さよりも深くしておくことが好ましい。
また、溝110a、溝110bの深さと格子状に一体化して配列された複数のガラスレンズ100の接続部(フランジ部)120の厚みは、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
0.1mm≦t−(d1+d2)≦0.5mm (2)
但し、
d1:下型20により形成されたガラスレンズアレイ100Aの裏面の溝110bの深さ
d2:上型10により形成されたガラスレンズアレイ100Aの表面の溝110aの深さ
t:接続部120の厚み
条件式(2)は、接続部120の溝110a、溝110bが形成されている部位の厚みtd(td=t−(d1+d2))を規定するものである。溝110a、溝110bの深さd2、深さd1が深くなり過ぎ、厚みtdが条件式(2)の下限値を下回り薄くなり過ぎると、成形後のガラスレンズアレイ100Aを冷却ステージ3のへ移動するまでの取り扱い等による負荷により分離してしまい、取り扱いが困難になる。一方、溝110a、溝110bの深さd2、深さd1が浅くなり過ぎ、厚みtdが条件式(2)の上限値を上回り厚くなり過ぎると、冷却工程において、接続部120の溝110a、溝110bが形成されている部位での前述の応力が小さくなり、分離が困難になる。よって、条件式(1)を満足することで、冷却工程において、適確に分離することができる。
尚、前述の実施形態においては、溝110は、ガラスレンズアレイ100Aの表面、及び裏面にそれぞれ形成したが(溝110a、溝110b)、図2(c)、図2(d)に示すように、裏面、または表面のみに形成してもよい(溝110g、溝110h)。この場合も、それぞれ以下の条件式(3)、条件式(4)を満たすことで、前述の図2(b)の場合と同様の効果を得ることができる。
図2(c)に示すように、ガラスレンズアレイ100Aの裏面に溝110gを形成した場合、溝110gの深さと格子状に一体化して配列された複数のガラスレンズ100の接続部(フランジ部)120の厚みは、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.1mm≦t−d1≦0.5mm (3)
但し、
d1:下型20により形成されたガラスレンズアレイ100Aの裏面の溝110gの深さ
t:接続部120の厚み
また、図2(d)に示すように、ガラスレンズアレイ100Aの表面に溝110hを形成した場合、溝110hの深さと格子状に一体化して配列された複数のガラスレンズ100の接続部(フランジ部)120の厚みは、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.1mm≦t−d2≦0.5mm (4)
但し、
d2:上型10により形成されたガラスレンズアレイ100Aの表面の溝110hの深さ
t:接続部120の厚み
このように、本発明の実施形態におけるガラスレンズ100の製造方法においては、ガラスレンズアレイ100Aから各ガラスレンズ100を切り離して単独のガラスレンズ100とする為の切断工程を設けることなく、冷却工程により、容易に単独のガラスレンズ100に分離することができるので、極めて高い生産性を得ることができる。
本発明の実施形態に係るガラスレンズ100の製造方法の実施例の一例を前述の図1から図4を用いて説明する。
成形したガラスレンズアレイは、1個のガラスレンズ100の外径が□2mm、光学有効径がφ1.5mm、レンズ中心の厚み(軸上厚)の設計値が1.0mm、フランジ厚が0.7mmの両凸非球面レンズが格子状に16個配列されたガラスレンズアレイ100Aとした。
ガラス材料としては、ガラス転移点Tgが480℃、屈折率ndが約1.6、熱膨張係数が12×10^−6/℃のシリカ系ガラスを用いた。
成形金型の材料としては、タングステンカーバイトを主成分とする熱膨張係数が5.0×10^−6/℃の超硬材料を用いた。
また、下型としては、該下型のガラスレンズ100の外径□2mmに相当する位置に、高さ0.6mm、幅0.1mmの凸部20pを形成した下型20を用いた(図4(c))。
最初に、下型20を、図示しない駆動手段により、ノズル71の下方で溶融ガラス80を受ける為の位置P1に移動させ、溶融ガラス80の温度よりも低い温度(約450℃)に加熱した下型20の成形面(受け面)20aに、溶融槽70の下部に設けられたノズル71より溶融ガラス80を供給した(図1左図:溶融ガラス供給工程)。
次に、溶融ガラス80が供給された下型20を、上型10と対向して溶融ガラス80を加圧成形する為の位置P2に移動させた。下型20が位置P2に到達し5秒経過した後、上型10を下方に移動させ下型20と上型10とで溶融ガラス80を加圧成形した(図1中図:加圧工程)。この時、上型10の移動速度は20mm/秒、プレス圧力は980N、プレス圧力維持時間は10秒とした。
このようにして、表面に、上型10の成形面10aによる凸の非球面の転写面100a(光学面)、裏面に、下型20の成形面20aによる凸の非球面の転写面100b(光学面)が形成され、格子状に一体化して配列された複数のガラスレンズ100と、裏面に、下型20の凸部20pによる格子状の溝110gと、が形成されたガラスレンズアレイ100A(図2(a)、図2(c))を得た(成形工程:溶融ガラス供給工程+加圧工程)。
成形完了後、上型10を上方に退避させ、図示しないロボットアームにより、下型20に残存するガラスレンズアレイ100Aを吸着し回収した。
続いて、回収された高温のガラスレンズアレイ100Aを、冷却ステージ3の上に速やかに移動し、この高温のガラスレンズアレイ100Aの温度が自然冷却により下降し約100℃に達するまでに、該ガラスアレイ100Aを冷却した(冷却工程:図1右図)。冷却ステージ3の表面温度は10℃に設定した。
このとき、成形直後の高温のガラスレンズアレイ100Aを、速やかに冷却することによる急激な温度変化により発生する前述の内部に応力により、格子状の溝110gに沿ってクラック(亀裂)が入り、一体化して配列された複数のガラスレンズ100が単独に分離されることが確認できた。
1 光学素子の製造装置
2 成形装置
3 冷却ステージ
10 上型
10a 成形面
20A 金型母材
20 下型
20a 成形面(受け面)
20m 溝
20p 凸部
20q 溝形成部材
50 加圧部
70 溶融槽
71 ノズル
80 溶融ガラス
100A ガラスレンズアレイ(光学素子アレイ)
100 ガラスレンズ(光学素子)
100a、100b 転写面(光学面)
100c、100d 面取り面
110、110a、110b、110g、110h 溝
120 接続部(フランジ部)

Claims (7)

  1. 下型に供給された溶融ガラスを該下型と上型とで加圧成形し、一体化して配列された複数の光学素子と、表面および裏面またはその何れか一方に前記複数の光学素子を単独に分離するための溝と、が形成された光学素子アレイを成形する工程と、
    成形された前記光学素子アレイの温度が下降し所定の温度に達するまでに、該光学素子アレイを冷却することにより前記複数の光学素子を単独に分離する工程と、を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記溝は、前記光学素子アレイの表面および裏面の対面した位置にそれぞれ形成され、
    前記溝の深さは、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
    d1>d2 (1)
    但し、
    d1:下型により形成された光学素子アレイの裏面の溝の深さ
    d2:上型により形成された光学素子アレイの表面の溝の深さ
  3. 前記溝は、前記一体化して配列された複数の光学素子の接続部に形成され、
    前記溝の深さと前記接続部の厚みは、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子の製造方法。
    0.1mm≦t−(d1+d2)≦0.5mm (2)
    但し、
    d1:下型により形成された光学素子アレイの裏面の溝の深さ
    d2:上型により形成された光学素子アレイの表面の溝の深さ
    t:接続部の厚み
  4. 前記溝は、前記光学素子アレイの裏面であって、前記一体化して配列された複数の光学素子の接続部に形成され、
    前記溝の深さと前記接続部の厚みは、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
    0.1mm≦t−d1≦0.5mm (3)
    但し、
    d1:下型により形成された光学素子アレイの裏面の溝の深さ
    t:接続部の厚み
  5. 前記溝は、前記光学素子アレイの表面であって、前記一体化して配列された複数の光学素子の接続部に形成され、
    前記溝の深さと前記接続部の厚みは、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
    0.1mm≦t−d2≦0.5mm (4)
    但し、
    d2:上型により形成された光学素子アレイの表面の溝の深さ
    t:接続部の厚み
  6. 前記溝の断面形状は、V字状であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の光学素子の製造方法。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の光学素子の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする光学素子。
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