JP2015101515A - ガラス成形品の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状を安定させることができるとともに生産効率を向上させることができるガラス成形品の製造方法を提供する。【解決手段】ガラス成形品の製造方法は、連続的にガラス成形品を製造するに先立って第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程(S10)とガラス成形品を順次製造する工程(S20)とを備える。第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程(S10)は、第2金型を加熱する加熱源と、第2金型に接触し第2金型を冷却する冷却ブロックとを用いることにより、第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように調整し、ガラス成形品を順次製造する工程(S20)は、実質的に前記冷却板を用いた冷却のみを行なうことによって第2金型の温度が所定の温度範囲に収まるように第2金型の温度を調整しつつガラス成形品を順次製造する。【選択図】図5

Description

本発明は、ダイレクトプレス法を用いたガラス成形品の製造方法およびガラス成形品の製造装置に関する。
今日、ガラス製の光学素子は、デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズ、各種ミラーなどとして広範にわたって利用されている。かかるガラス製の光学素子は、ガラス素材を成形用金型で加圧成形するプレス成形法により製造されることが多くなってきている。その中でも、溶融ガラスを成形用金型で直接加圧成形してガラス製の光学素子を得るダイレクトプレス法は、高い生産効率を期待できることから注目されている。
ダイレクトプレス法を用いる場合には、高温の溶融ガラスに比べて低い温度を有する成形用金型を用いて挟み込むことで加圧成形を行なう。溶融ガラスは、その温度が低下するに伴って粘度が上昇するため、加圧成形時における溶融ガラスの温度の制御が成形性を高める上で非常に重要となる。加圧成形を繰り返すことにより成形用金型の温度が変動し、これが溶融ガラスの温度に影響を与えてしまうため、成形用金型の温度を制御して成形用金型の温度を安定させることにより、加圧成形時の溶融ガラスの温度を安定させる方法が用いられる。
成形用金型の温度を制御して溶融ガラスを加圧成形するガラス成形品の製造方法が開示された文献として、たとえば、特開2010−254519号公報(特許文献1)、特開2007−302549号公報(特許文献2)、特開2008−13392号公報(特許文献3)が挙げられる。
特許文献1に開示のガラス成形品の製造方法にあっては、溶融ガラスが供給された下型に上型を近接させて溶融ガラスを加圧成形する際に、上型に含まれる成形用金型(上金型)の温度を検知手段によって検知し、検知された結果に基づいて、上金型の温度が所定の温度に保つように、上金型の中央上方に配置された冷却ファンと上金型の周縁部に配置された加熱源とを制御する。上金型の温度上昇時においては加熱源に含まれる熱源をOFFにするとともに冷却ファンを駆動させる。
特許文献2に開示のガラス成形品の製造方法にあっては、溶融ガラスを加圧成形するための型面とは反対側に位置する成形用金型(上金型)の表面を覆うように接触し当該上金型を加熱する加熱源と、当該加熱源の一部を冷却することにより加熱源を介して上金型を冷却する冷却部とを制御することにより成形用金型の温度を制御する。
特許文献3に開示のガラス成形品の製造方法にあっては、上金型と、下型と、ガラス成形品の側面を成形するための側面用金型とを用いて溶融ガラスを加圧成形する際に、側面用金型の温度が下型の温度よりも低くなるように調整する。
特開2010−254519号公報 特開2007−302549号公報 特開2008−13392号公報
ガラス製の光学素子とは異なるが、近年、スマートフォンやタブレット端末に代表されるディスプレイ装置に具備されるカバーガラスのような大型で異形のガラス成形品を製造する場合においてもダイレクトプレス法が採用されている。
ダイレクトプレス法によって下型および上型を用いて連続的に溶融ガラスを加圧成形する場合には、下型においては加圧成形毎に異なるものが用いられるのに対して、上型においては共通のものが繰り返し用いられる。
カバーガラスのような大型で異形(矩形等)のガラス成形品をダイレクトプレス法により製造する場合には、多量の溶融ガラスを金型に供給する必要がある。多量の溶融ガラスが供給された金型は、溶融ガラスからの熱が伝達されることにより温度が上昇する。特に、カバーガラスを連続的に製造する場合には、共通して繰り返し使用する上型に含まれる成形用金型(上金型)に熱が蓄積されていき、上金型の温度が上昇していく。
上金型の温度が上昇しすぎると、加圧成形時の溶融ガラスの温度が高くなり、反りが発生しやすくなるという問題が発生する。また、加圧成形時に溶融ガラスが有する熱が上金型に伝達されにくくなるため、溶融ガラスの温度が下がりにくくなる。このため、溶融ガラスが硬化するまでに時間がかかってしまい、生産効率が低下するという問題が発生する。
カバーガラスのような大型で異形(矩形等)のガラス成形品をダイレクトプレス法により製造する場合には、ガラス製の光学素子を製造する場合と比較して上記の問題が顕著となり、その製造方法は困難を極める。
ここで特許文献1に開示の製造方法おいては、上金型の温度上昇時において冷却ファンを用いて上金型を冷却しているが、冷却ファンによって送風された冷気は成形用金型から熱を吸収して熱風となり冷却ファンに向けて膨張する。このため送風効率が低下し、連続して加圧成形する場合には十分に上金型を冷却することができず、上金型の温度上昇を抑制することが困難となる。これにより、上記の問題が発生してしまう。
特許文献2に開示の製造方法においては、加熱源の一部を冷却して当該加熱源を介して上金型を冷却する。上金型が冷却させるためには、加熱源が十分に冷却されるまで待つ必要が生じてしまう。このため生産効率が低下する。さらに、連続して溶融ガラスを加圧成形する場合には、短時間で上金型を冷却することが困難となる。このように特許文献2に開示の製造方法においても上金型の温度上昇を抑制することが困難となり、上記の問題が発生してしまう。
特許文献3に開示の製造方法においては、上金型、下型および側面用金型に含まれる加熱源のON/OFFのみを制御することにより上金型等の温度を調整する。このため、上金型が直接冷却されることがなく、カバーガラスを連続的に製造する場合には、上金型に溶融ガラスからの熱が蓄積され、上金型の温度が上昇する。これにより、上記の問題が発生してしまう。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、形状を安定させることができるとともに生産効率を向上させることができるガラス成形品の製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明に基づくガラス成形品の製造方法は、第1金型に供給される溶融ガラスを、当該第1金型とこれに対向する第2金型とを用いて挟み込んで加圧成形することによりガラス成形品を順次連続的に複数製造するガラス成形品の製造方法であって、連続的に上記ガラス成形品を製造するに先立って、上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程と、連続的に上記溶融ガラスを加圧成形することにより、上記ガラス成形品を順次製造する工程とを備える。上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程は、上記第2金型の外部に配置され、かつ、上記第2金型に熱的に接触することにより上記第2金型を加熱する加熱源と、上記溶融ガラスを加圧成形する型面とは反対側から上記第2金型に接触し上記第2金型を冷却する冷却板とを用いることにより、上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように調整し、上記ガラス成形品を順次製造する工程は、実質的に上記冷却板を用いた冷却のみを行なうことによって上記第2金型の温度が所定の温度範囲に収まるように上記第2金型の温度を調整しつつ上記ガラス成形品を順次製造する。
上記本発明に基づくガラス成形品の製造方法にあっては、上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程は、上記加熱源のみを用いて上記第2金型が所定の温度に到達するように上記第2金型を加熱する工程と、ダミーとなる上記溶融ガラスを加圧成形しつつ、上記加熱源および上記冷却板の双方を用いて、上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように上記第2金型を加熱および冷却する工程とを含むことが好ましい。
上記本発明に基づくガラス成形品の製造方法にあっては、上記冷却板は、内部において冷却媒体が流動することができるように構成されることが好ましい。この場合には、上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程において、上記冷却媒体の流量が制御されることにより上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように調整されることが好ましく、上記ガラス成形品を順次製造する工程において、上記冷却媒体の流量が制御されることにより上記第2金型の温度が所定の温度範囲に収まるように上記第2金型の温度が調整されることが好ましい。
本発明に基づくガラス成形品の製造装置は、第1金型に供給される溶融ガラスを、当該第1金型とこれに対向する第2金型とを用いて挟み込んで加圧成形することにより、ガラス成形品を順次連続的に複数製造するガラス成形品の製造装置であって、上記第2金型の外部に配置され、かつ、上記第2金型に熱的に接触することにより上記第2金型を加熱する加熱源と、上記溶融ガラスを加圧成形する型面とは反対側から上記第2金型に接触し上記第2金型を冷却する冷却板と、上記第2金型の温度を検知する検知手段と、上記加熱源による加熱動作および上記冷却板を用いた冷却動作を制御する制御部とを備える。上記制御部は、上記検知手段による検知結果に基づいて上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように上記加熱源による上記加熱動作および上記冷却板を用いた上記冷却動作を制御した後に、上記検知手段による検知結果に基づいて実質的に冷却のみを行なうことにより上記第2金型の温度が所定の温度範囲に収まるように上記冷却板を用いた上記冷却動作を制御する。
上記本発明に基づくガラス成形品の製造装置にあっては、上記制御部は、上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように調整するように上記加熱源による上記加熱動作および上記冷却板を用いた上記冷却動作を制御するにあたり、上記第2金型が所定の温度に到達するように上記加熱源による上記加熱動作のみを制御するとともに、ダミーとなる上記溶融ガラスを加圧成形しつつ、上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように上記加熱源による上記加熱動作および上記冷却板を用いた上記冷却動作の双方を制御することが好ましい。
上記本発明に基づくガラス成形品の製造装置にあっては、上記冷却板は、内部において冷却媒体が流動することができるように構成されることが好ましい。この場合には、上記制御部は、上記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように上記冷却媒体の流量を制御するとともに、上記第2金型の温度が所定の温度範囲に収まるよう上記冷却媒体の流量を制御することが好ましい。
本発明によれば、形状を安定させることができるとともに生産効率を向上させることができるガラス成形品の製造方法および製造装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係るガラス成形品の製造装置の概略図である。 図1に示す製造装置の平面的なレイアウトを示す図である。 図1に示す上型の概略図である。 図3に示す冷却板の平面図である。 本発明の実施の形態に係るガラス成形品の製造方法に従ったカバーガラスの製造フローを示す図である。 上金型の温度変化を示す図である。 加熱源および冷却板の動作状態を示す図である。 図5に示す上金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調査する工程のフローを示す図である。 図5に示すガラス成形品を順次製造する工程において上金型の温度が所定の温度範囲に収まるように上金型の温度を調整する際のフローを示す図である。 図5に示す溶融ガラスを切断して下型に供給する工程を示す図である。 図10に示す溶融ガラスを切断して下型に供給する工程の後状態を示す図である。 図5に示す上型を下降させる工程を示す図である。 図5に示す溶融ガラスを加圧成形する工程を示す図である。 図5に示す上型を上昇してガラス成形品を冷却する工程を示す図である。 図5に示すガラス成形品を離型する工程を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るガラス成形品の製造装置における上型の概略図である。 比較の形態に係るガラス成形品の製造装置における上型の概略図である。 本発明の効果を検証するために行なった検証実験の条件および結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の
形態は、スマートフォンやタブレット端末に具備される薄板状のカバーガラスの製造方法および製造装置に本発明を適用した場合を例示するものである。
図1は、この発明の実施の形態におけるガラス成形品の製造装置を示す概略構成図である。図2は、図1中に示す製造装置の平面的なレイアウトを示す図である。
図1および図2を参照して、まず、本実施の形態におけるガラス成形品の製造装置100の構成について説明する。なお、ガラス成形品の製造装置100は、いわゆるダイレクトプレス法に基づいてガラス成形品を製造するものである。
本実施の形態に係るガラス成形品の製造装置100は、素材供給部10と、切断部20と、加圧成形部30と、離型部40と、制御部60とを有し、これらが組み合わさって構成されている。
素材供給部10は、ガラス素材を溶融させて溶融ガラスを加圧成形部30に供給する。素材供給部10は、連続溶融炉11と、ノズル部12と、流出管13とを有する。
連続溶融炉11は、ガラス素材を溶融させて溶融ガラスを貯留する。ノズル部12は、連続溶融炉11において貯留された溶融ガラスを流出管13に導入する。流出管13は、その下端に流出口を有しており、その流出口から鉛直下方に向けて連続的に溶融ガラス70を流出させる。
切断部20は、素材供給部10から加圧成形部30に供給される溶融ガラスの量を適切な量に調整する。切断部20は、切断機構としてのカッター21と、カッター駆動機構22とを有する。
カッター21は、流出管13から流出する溶融ガラス70を切断し、当該切断部分を溶融ガラス70と分離させる。カッター21は、一対の平面形状の剪断刃によって構成され、これら一対の剪断刃が流出管13の下方において突き合わされることによって溶融ガラス70を切断する。カッター駆動機構22は、カッター21を駆動する。カッター駆動機構22としては、カッター21を切断動作させることが可能な駆動機構であれば特に限定されないが、たとえば、エアシリンダ、サーボモータ、油圧シリンダ、リニアモータ、ステッピングモータ等が利用される。
加圧成形部30は、第1金型としての下型31、上型32、下型駆動機構33および上型駆動機構34を有する。加圧成形部30は、素材供給部10により供給された溶融ガラスを下型31および上型32を用いて加圧成形する。
下型31は、後述する溶融ガラスを供給する工程において、素材供給部10により供給された溶融ガラスを受け止める。上型32は、後述する加圧成形工程時、下型31と対向して配置される。下型31は、上型32の鉛直下側に配置される。上型32と下型31とを近接させて、上型32に含まれる上金型320(図8参照)と下型31とで挟み込むことにより溶融ガラスが加圧成形される。
下型31および上金型320を形成する材料としては、耐熱合金(ステンレス合金等)、炭化タングステンを主成分とする超鋼材料、各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等)、カーボンを含む複合材料等、ガラス成形品を製造するための型として公知の材料の中から適宜選択して用いられる。下型31、上金型320は、同一の材料にて構成されてもよいし、それぞれ別の材料にて構成されてもよい。
下型31および上金型320の表面は、耐久性の向上や、溶融ガラスとの融着の防止を図る観点から、所定の被覆層にて覆われていることが好ましい。被覆層の材料は、特に制限されるものではないが、たとえば、種々の金属(クロム、アルミニウム、チタン等)、窒化物(窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化硼素等)、酸化物(酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化チタン等)等が用いられる。被覆層の成膜方法も、特に制限されないが、たとえば、真空蒸着法やスパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等が利用される。
下型駆動機構33は、図1および図2中の矢印で示すDR1方向(水平方向)に下型31を移動させる。これにより、下型31は、素材供給部10から滴下される溶融ガラスを受け止めるための位置(滴下ポジションP1)と、受け止めた溶融ガラスを加圧成形するために上型32と対向する位置(成形ポジションP2)と、ガラス成形品を冷却するための位置(冷却ポジションP3,P4,P5)と、ガラス成形品を取り出すための位置(取り出しポジションP6)との間で移動する。なお、下型31の移動方向は、図2中に示す旋回方向に限定されず、たとえば、直動方向であってもよい。
下型駆動機構33としては、下型31を移動させることが可能な駆動機構であれば特に限定されないが、たとえば、サーボモータ、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ、ステッピングモータ、またはこれらの組み合わせが利用される。図2中では、下型駆動機構33が、ターンテーブル38と、ターンテーブル38を回転駆動させる図示しないモータとによって構成される。
上型駆動機構34は、図1中に矢印で示すDR2方向(鉛直方向)に上型32を移動させる。これにより、上型32は、鉛直上方の位置と鉛直下方の位置との間を往復動することになり、上型32と下型31とが接近および離隔する。なお、このうちの鉛直上方の位置が、ガラス素材の加圧成形の前に上型32が待機する位置であり、このうちの鉛直下方の位置が、下型31とともに溶融ガラスを加圧成形する位置である。上型駆動機構34としては、上型32を移動させることが可能な駆動機構であれば特に限定されないが、たとえば、サーボモータ、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ、ステッピングモータ、またはこれらの組み合わせが利用される。
離型部40は、加圧成形部30により得られるガラス成形品を下型31から取り出す。離型部40は、吸着装置41を有する。吸着装置41は、取り出しポジションP6に移動された下型31と対向するように設けられている。吸着装置41としては、たとえば、真空吸着を利用した公知の手段が利用される。
制御部60は、ガラス成形品の製造装置100の各種機構の動作を制御する。より具体的には、上述のカッター駆動機構22、下型駆動機構33、上型駆動機構34、吸着装置41の動作を制御する。制御部60は、カッター21による溶融ガラス70の切断のタイミング、下型31の移動のタイミング、上型32の移動のタイミング、吸着装置41の動作のタイミング等、ガラス成形品の製造に係る一連のシーケンスを制御する。
図3は、図1に示す上型の概略図である。図4は、図3に示す冷却板の平面図である。図3および図4を参照して、上型32の詳細およびこれに含まれる冷却板340について説明する。
図3に示すように、上型32は、第2金型としての上金型320、加熱源330、冷却板340、冷却媒体導入出部350および検知手段360を含んでいる。
上金型320は、溶融ガラスを加圧成形する型面321と、型面321と反対側に位置する表面322とを有する。表面322は、その中心部に位置する中心領域322aと、中心領域322aの周囲に位置する周縁領域322bとを有する。
加熱源330は、上金型320の外部に配置され、かつ、上金型320に熱的に接触することにより上金型320を加熱する。加熱源330は、熱板331と、熱源332とを有する。
熱板331は、冷却板340を収容する収容部334と、これに連通する孔部333とを有する。収容部334は、熱板331の上金型320側に位置する主表面の一部が、上金型320の表面322に非接触となるように窪むことにより形成される凹部である。熱板331は、収容部334が上金型320の中心領域322aと面するように配置されるとともに、収容部334の周囲に位置する部分が、上金型320の周縁領域322bに接触するように配置される。熱板331は、熱源332からの熱を上金型320に伝達することにより、上金型320を加熱する。
熱源332としては、公知の加熱手段が適宜選択して用いられ、たとえば、熱板331の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒータや、熱板331の外側に接触させて使用するシート状のヒータ、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置等が用いられる。
図3および図4に示すように、冷却板340は、溶融ガラスを加圧成形する型面321とは反対側から上金型320に接触し当該上金型320を冷却する。冷却板340は、内部に冷却媒体を流動可能に構成されている。冷却板340は、本体部341と、供給口342、排出口343と、流通経路344とを有する。
本体部341は、収容部334に収容されている。本体部341は、上金型320の表面322の中心領域322aに接触するように配置される。本体部341において、本体部341が上金型320と接触する主表面と反対側の主表面の中央部には、供給口342および排出口343が設けられている。
供給口342および排出口343は、本体部341の内部に設けられた流通経路344によって接続されている。流通経路344は、上金型320を効率的に冷却できるように引き回しされている。流通経路344内を流通する冷却媒体が冷却板340を介して上金型320から熱を奪うことにより、上金型320が冷却される。
図3に示すように、冷却媒体導入出部350は、上型32外部に設けられた供給設備358から導入された冷却媒体を冷却板340に導入する。また、冷却板340から排出された冷却媒体を回収設備359に向けて導出する。
冷却媒体導入出部350は、導入経路352と導出経路353とが設けられた基体351、入口側ポート354、出口側ポート355、導入配管356および導出配管357を含む。
基体351は、熱板331に設けられた孔部333を収容部334と反対側から塞ぐように配置される。
入口側ポート354は、導入経路352に冷却媒体を導入するためのポートであり、一端側が供給設備358に接続されており、他端側が導入経路352の一端に接続されている。導入配管356は、冷却板340に冷却媒体を供給するための配管であり、一端側が導入経路352の他端側に接続されており、他端側が冷却板340の供給口342に接続されている。
出口側ポート355は、導出経路353から冷却媒体を導出するためのポートであり、一端側が回収設備359に接続されており、他端側が導出経路353の一端に接続されている。導出配管357は、冷却板340から冷却媒体を排出するための配管であり、一端側が導出経路353に接続されており、他端側が冷却板340の排出口343に接続されている。
以上のように入口側ポート354、出口側ポート355、導入配管356、導出配管357、冷却板340、供給設備358および回収設備359が接続されることにより、冷却媒体を流動させる回路が形成される。冷却媒体は、制御部60によって不図示のポンプが駆動されることに当該回路内を流動する。
冷却媒体としては、たとえば水を採用することができる。なお、冷却媒体は、水に限定されず、オイル等の液体や、空気、窒素などの気体であってもよい。
検知手段360は、たとえば型面321に近接するように上金型320の中心部に埋設されており、型面321近傍における上金型320の温度を測定する。検知手段360としては、サーミスタ等の温度センサを採用することができる。なお、検知手段360としては、型面321の温度を非接触で測定可能な非接触温度センサを採用してもよい。
制御部60は、加熱源330に含まれる熱源332を制御することにより、加熱源330の温度を制御することができるとともに、不図示のポンプを制御することにより、供給設備358から冷却板340に供給される冷却媒体の流量を制御することができる。すなわち、制御部60は、加熱源330による加熱動作および冷却板340を用いた冷却動作を制御することができる。また、制御部60には、検知手段360によって検知された検知結果(上金型320の温度)が入力される。
図5は、本実施の形態に係るガラス成形品の製造方法に従ったカバーガラスの製造フローを示す図である。図5を参照して、本実施の形態に係るガラス成形品の製造方法に従ったカバーガラスの製造フローについて説明する。
以下に示す本実施の形態に係るガラス成形品の製造方法は、いわゆるダイレクトプレス法に基づいてガラス成形品としてのカバーガラスを製造する方法であり、上述した本実施の形態に係るガラス成形品の製造装置100を用いて好適に実施できる。また、本実施の形態に係るガラス成形品の製造方法は、下型31に供給される溶融ガラスを、下型31とこれに対向する上型32とを用いて挟み込んで加圧成形することによりガラス成形品を順次連続的に複数製造するガラス成形品の製造方法である。
本実施の形態に係るガラス成形品の製造方法に従って製造されたカバーガラスは、そのガラス組成として、50[重量%]以上70[重量%]以下のSiOと、5[重量%]以上15[重量%]以下のAlと、0[重量%]以上5[重量%]以下のBと、2[重量%]以上20[重量%]以下のNaOと、0[重量%]以上10[重量%]以下のKOと、0[重量%]以上10[重量%]以下のMgOと、0[重量%]以上10[重量%]以下のCaOと、0[重量%]以上5[重量%]以下のBaOと、0[重量%]以上5[重量%]以下のTiOと、0[重量%]以上15[重量%]以下のZrOとを含有していることが好ましい。
カバーガラスが上記のようなガラス組成を有していれば、ガラス転移点をTg[℃]とした場合に、加圧成形にてガラスに転写される形状に大きく影響を及ぼす(Tg−30)[℃]以上(Tg+150)[℃]以下の温度範囲において適切なガラス粘性を維持し、良好な転写性を確保した状態で面転写を完了させることができ、またガラスの熱収縮による割れを抑制することができる。
当該ガラスの線膨張係数αは、100[℃]以上300[℃]以下の温度範囲において70[×10−7/℃]以上110[×10−7/℃]以下であることが好ましい。たとえば、100[℃]以上300[℃]以下の範囲で98[×10−7/℃]の線膨張係数αを有するガラスを使用してもよい。また、ガラス粘性をη[dPa・s]とすると、logη=11.0〜14.5であることが好ましい。本実施の形態においては、平板状のカバーガラスを製造する場合を例示するものであるが、上記のような特性を持つガラスは、湾曲した形状を有するカバーガラスの成形に特に適している。
上記ガラス成形品の一例として、スマートフォンに具備されるカバーガラスが挙げられる。カバーガラスは、代表的には、略矩形の平面視を有する平板形状に形成されている。カバーガラスは、略矩形の平面視に限られず、たとえば、矩形の角部が大きく面取りされた形状や多角形状の平面視を有してもよい。カバーガラスは、平板形状に限られず、たとえば、その外縁が全周に渡って一方の側に折り返されることによって、浅底の受け皿形状を有してもよい。
また、カバーガラスの外形は、平面視した状態において、40[mm]×40[mm]以上かつ300[mm]×300[mm]以下に収まる範囲の大きさであることが好ましい。このような範囲内において、後述する本実施の形態におけるガラス成形品の製造方法を好適に用いることができる。
図5に示すように、本実施の形態に係るガラス成形品の製造方法は、工程(S10)と工程(S20)とを備える。工程(S10)においては、連続的にガラス成形品を製造するに先立って、上金型320の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する。続いて、工程(S20)において、連続的に溶融ガラスを加圧成形することにより、ガラス成形品を順次製造する。工程(S20)の詳細については後述する。
連続的に溶融ガラスを加圧成形してガラス成形品を順次製造する際においては、共通して繰り返し使用する上金型320に溶融ガラスからの熱が加圧成形毎に伝達されることにより、上金型320の温度は下型31よりも上昇しやすくなる。
一般的に、ガラス転移点をTg[℃]とした場合に、上金型320の温度が、(Tg+100)[℃]を超えるような場合においては、溶融ガラスとの間で融着が発生し易くなったり、ガラス成形品において反りが発生しやすくなったりする場合が生じる。一方、上金型320の温度が(Tg−100)[℃]を下回るような場合には、高精度な転写面を形成することが困難になる。
このように、上金型320の温度は転写性および成形性に影響を与えるため、ガラス成形品を順次成形する工程においては、上金型320の温度が所定の温度範囲内に収まるように上金型320の温度を調整しつつガラス成形品を順次製造することが好ましい。なお、上金型320の温度を所定の温度範囲内に収めるためには、連続的にガラス成形品を製造するに先立って、上金型320の経時的な温度が所定の条件を満たすように予備的に調整する必要がある。
図6は、上金型の温度変化を示す図である。図7は、加熱源および冷却板の動作状態を示す図である。図8は、図5に示す上金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調査する工程のフローを示す図である。図9は、図5に示すガラス成形品を順次製造する工程において上金型の温度が所定の温度範囲に収まるように上金型の温度を調整する際のフローを示す図である。図6から図9を参照して、上金型320の温度を制御する方法について説明する。
上金型320の温度を制御するに際には、制御部60が、加熱源330による加熱動作および冷却板340を用いた冷却動作におけるON状態およびOFF状態を制御する。ここで加熱源330の加熱動作のON状態とは、制御部60が熱源332の出力を0%〜100%の範囲で適宜制御する状態を指す。加熱源330の加熱動作のOFF状態とは、制御部60が熱源332を停止した状態を維持し加熱を停止している状態を指す。また、冷却板340の冷却動作のON状態とは、制御部60が不図示のポンプを制御することにより供給設備358から冷却板340に供給される冷却媒体の流量を0%〜100%の範囲で適宜制御する状態を指す。冷却板340の冷却動作のOFF状態とは、制御部が不図示のポンプを停止した状態を維持し冷却を停止している状態を指す。
図6および図7に示すように、時間t0から時間t2までが上金型320の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程に相当する。また、時間t2以降がガラス成形品を順次製造する工程に相当する。
図8に示すように、上金型320の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程においては、まず、工程(S11)において、制御部60は、加熱源330のみを用いて上金型320を所定の温度まで加熱する。
具体的には、図6および図7に示すように、制御部60は、時間t0からt1かけて、加熱源330の加熱動作がON状態となり、冷却板340の冷却動作がOFF状態となるように制御する。これにより、上金型320が加熱源330によって、上金型320の温度TcがT1[℃]からT2[℃]となるように、加熱される。ここで、上金型320の温度Tcは、検知手段360によって検知される値である。
続いて、図8に示すように工程(S12)において、制御部60は、加熱源330および冷却板340の双方を用いて上金型320を加熱および冷却する。工程(S12)は、工程(S13)および工程(S14)を含んでいる。工程(S13)においては、ダミーとなる溶融ガラスが下型31に供給される。工程(S14)においては、下型31に供給されたダミーとなる溶融ガラスを上金型320と下型31とによって挟み込むことにより加圧成形する。このように、工程(S12)は、ダミーとなる溶融ガラスを加圧成形しながら、加熱源330および冷却板340の双方を用いて上金型320を加熱および冷却する。
次に、工程(S15)において、制御部60は、上金型320の経時的な温度変化が所定の条件が所定の条件を満たすか否かを判断する。ここで、上金型320の経時的な温度変化とは、検知手段360によって検知された上金型320の温度変化と時間の変化から算出される値である。具体的には、当該値は、図6に示す時間t1からt2に示す温度曲線のうち温度が下降している部分における各時間での温度曲線の傾きに相当する。
上金型320の経時的な温度変化が所定の条件を満たさないと判断された場合(工程(S15);NO)には、制御部60は、上金型320の経時的な温度変化が所定の条件を満たすまで、工程(S13)および工程(S14)を含む工程(S12)の動作を継続する。
具体的には、図6および図7に示すように、制御部60は、時間t1から時間t2にかけて、加熱源330の加熱動作がON状態を維持し、冷却板340の冷却動作がON状態となるように制御する。ここで、冷却板340内を流動する冷却媒体の流量を急に増加させると、上金型320の温度が急激に低下することが起こり得る。このため、本実施の形態においては、上型32と下型31とを用いてダミーとなる溶融ガラスを順次加圧成形することを繰り返しながら、溶融ガラスからの熱を上金型320に蓄積させつつ、徐々に上金型320の温度を冷却していく。
具体的には、徐々に熱源332の出力を減少させつつ、溶融ガラスを順次加圧成形しながら、冷却媒体の流量を徐々に増加させる。これにより、冷却板340からの冷却量を徐々に増加させる。この結果、溶融ガラスから上金型320に供給される熱量と、冷却板340から上金型320に加えられる冷却量との均衡が保たれるように調整することが可能となる。
このように上金型320の温度を調整することにより、図6に示すように上金型320の温度Tcは、一度上昇した後に、所定の温度にTaに近づくように減少していく。これにより、上金型320の経時的な温度変化がほぼ変動しない状態に近づけることが可能となり、所定の条件が満たされることとなる。
一方、図8に示すように、上金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすと判断された場合(工程(S15);YES)には、上金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程(S12)を終了し、ガラス成形品を順次成形する工程(S20)に移行する。
図6および図7に示すように、ガラス成形品を順次成形する工程においては、時間t2以降において、上金型320の温度が所定の温度範囲内に収まるように温度制御する必要が生じる。この際、上金型320の上限の温度をTu、下限の温度をTl、これら平均の温度であり目標となる設定温度をTaとする。
加圧成形毎に溶融ガラスから熱が上金型320に供給されていくため、冷却板340のみを用いて上金型320を冷却することとなる。このため、制御部60は、時間t2以降において加熱源330の加熱動作がOFF状態となり、冷却板340の冷却動作がON状態を維持するように制御する。
図9に示すように、ガラス成形品を順次成形する工程においては、まず、工程(S30)において、制御部60は、冷却板340のみを用いて上金型320を冷却する。続いて、工程(S31)において、制御部60は、検知手段360を用いて上金型320の温度Tcを測定する。
次に、工程(S32)において、制御部60は、上金型320の温度Tcが設定温度Taより小さいかを判断する。上金型320の温度Tcが設定温度Taより小さい場合には、溶融ガラスから上金型320に供給される熱量よりも冷却板340から上金型320に加えられる冷却量が多くなっており、上金型320の温度Tcが低下傾向にあると制御部60が察知する。一方、上金型320の温度Tcが設定温度Ta以上である場合には、冷却板340から上金型320に加えられる冷却量が溶融ガラスから上金型320に供給される熱量以下であり、上金型320の温度Tcが上昇傾向にあると制御部60が察知する。
上金型320の温度Tcが設定温度Taより小さいと判断した場合(工程(S32);YES)には、工程(S33)において、制御部60は、冷却板340内を流動する冷却媒体の流量を低減させる。これにより、溶融ガラスから上金型320に供給される熱量と、冷却板340から上金型320に加えられる冷却量との均衡が保たれる。
一方、上金型320の温度Tcが設定温度Ta以上であると判断した場合(工程(S32);NO)には、工程(S34)において、制御部60は、冷却板340内を流動する冷却媒体の流量を増加させる。これにより、溶融ガラスから上金型320に供給される熱量と、冷却板340から上金型320に加えられる冷却量との均衡が保たれる。
工程(S33)または工程(S34)が実行された後には、工程(S35)によって、制御部60は、検知手段360を用いて上金型320の温度Tcを測定する。続いて、工程(S36)において、制御部60は、検知手段360による検知結果に基づいて上金型320の温度が所定の温度範囲であるかを判断する。
上金型320の温度が所定の温度範囲でないと判断された場合(工程(S36);NO)には、制御部60は、上金型320の温度が所定の温度範囲に収まるまで、工程(S32)からの動作を繰り返す。
上金型320の温度が所定の温度範囲であると判断された場合(工程(S36);YES)には、制御部60は再度工程(S30)の動作に復帰する。
ガラス成形品を順次成形する工程において、上述の動作を継続して行うことにより、上金型320の温度Tcを設定温度Taとほぼ同一となるように制御することができる。このように、検知手段360による検知結果に基づいて、上金型320の温度Tcが所定の温度範囲に収まるように制御することにより、上金型320の温度の上昇ならびに下降を抑制することができる。
上金型320の温度が上昇することを抑制することにより、加圧成形時において溶融ガラスの温度が高い状態が維持されることを防止し、適正な粘度を有するように溶融ガラスを冷却することができる。この結果、ガラス成形品の反りを抑制することができ、安定した形状を有するガラス成形品を製造することができる。
また、加圧成形時において溶融ガラスの温度が高い状態が維持されることを防止することにより、加圧成形直後の溶融ガラスの温度を低くすることができる。これにより、当該溶融ガラスが硬化するまでの時間を短縮することができる。このため、生産効率を向上させることができる。
さらに、冷却板340を用いて直接上金型320を冷却することができるため、冷却効率が向上し、これにより上金型320の温度調整時の調整時間を短縮することができる。これの結果、加圧成形時から次の加圧成形時までの時間を短縮することが可能となり、生産効率を向上させることができる。
なお、下型31についても、不図示の加熱手段によって所定温度に加熱できるように構成されており、連続的に溶融ガラスを加圧成形することによりガラス成形品を順次製造する工程(S20)が実施されるまでに、所定の温度を保つように加熱されている。たとえば、下型31の温度は、加圧成形するガラス材料のガラス転移点Tg[℃]に対し、(Tg−100)[℃]以上(Tg+100)[℃]以下の範囲に設定する。この際、下型31の加熱温度は、上金型320の加熱温度と同一の温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
ガラス成形品を順次製造する際には、下型31は、生産毎に異なるものが用いられるため、上金型320と比較して加圧成形時に溶融ガラスに与える温度変動の影響は低い。このため、溶融ガラスの接触等による下型31の温度変動は許容できる。
下型31を加熱する加熱手段としては、公知の加熱手段を適宜選択して用いることができる。たとえば、被加熱部材の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒータや、被加熱部材の外側に接触させて使用するシート状のヒータ、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置等を加熱手段として用いることができる。
図10から図15は、図5に示すガラス成形品を順次製造する工程における各工程または所定の工程の後状態を示す図である。図10から図15を参照して、連続的に溶融ガラスを加圧成形することにより、ガラス成形品を順次製造する工程について説明する。
図5に示すように、まず、下型31を滴下ポジションP1(図1および図2を参照)に移動させる。下型31の現在位置を検出した結果、下型31が既に滴下ポジションP1に配置されている場合には、下型31の移動を行なわない。一方、下型31の現在位置を検出した結果、下型31が滴下ポジションP1以外の位置に配置されている場合には、制御部60からの指令により下型駆動機構33が作動し、下型31を滴下ポジションP1に移動させる。
図10は、図5に示す溶融ガラスを切断して下型に供給する工程を示す図である。次に、図5および図10に示すように、工程(S21)において流出管13から流出する溶融ガラス70を切断して下型31に溶融ガラス71を供給する。溶融した状態で連続溶融炉11内に貯留された溶融ガラスは、ノズル部12を経由して連続溶融炉11から流出し、自重により流出管13から、溶融ガラス70として液線状に落下する。流出管13から流出した溶融ガラス70をカッター21によって切断し、滴状の形状を有する溶融ガラス71を得る。溶融ガラス71は、下型31に向けて落下する。
図11は、図10に示す溶融ガラスを切断して下型に供給する工程の後状態を示す図である。図11に示すように、下型31に供給された溶融ガラス71は、下型31の型面31a上で濡れ広がる。下型31に滴下された溶融ガラス71の温度は、たとえば、800℃以上900℃以下の範囲である。
続いて、下型31を成形ポジションP2(図1および図2を参照)に移動させる。制御部60からの指令により下型駆動機構33が作動し、水平方向(図1および図2中に示すDR1方向)に下型31を移動させる。これにより、下型31を成形ポジションP2に移動させ、下型31と上型32とを距離を設けて対向配置する。
図12は、図5に示す上型を下降させる工程を示す図である。次に、図5および図12に示すように、工程(S22)において上型32を下降させる。制御部60からの指令により上型駆動機構34を作動させ、上型32を、図12中の矢印に示すように下型31へ向けて下降させる。
図13は、図5に示す溶融ガラスを加圧成形する工程を示す図である。続いて、図5および図12に示すように、工程(S23)において溶融ガラス71を加圧成形する。この際、上型32を鉛直下方に沿って移動させて下型31と上型32とを近接させることにより、溶融ガラス71を下型31と上型32とによって挟み込むことで加圧成形する。
加圧成形工程の開始時の溶融ガラス71の温度は、(Tg+50)℃以上(Tg+200)℃以下に設定されることが好ましい。たとえば、Tgが540℃の場合、加圧直前の溶融ガラス71の温度を680℃としてもよい。溶融ガラス71の温度は、たとえば放射温度計によって測定することができる。このような温度設定を得るためには、ガラス転移温度をTgに対し、上型32の温度を(Tg−60)℃以上(Tg−20)℃以下に設定し、下型31の温度を(Tg−80)℃以上(Tg−10)℃以下に設定するとよい。たとえば、Tgが540℃の場合、上型32の温度を500℃とし、下型31の温度を520℃としてもよい。また、加圧の際には、たとえば、溶融ガラス71には、略2トンの加圧力が略10秒間負荷される。これにより、溶融ガラス71が加圧成形され、ガラス成形品72が形成される。
図14は、図5に示す上型を上昇してガラス成形品を冷却する工程を示す図である。次に、図5および図14に示すように、工程(S24)において上型32を上昇させてガラス成形品72を冷却する。上型32を上昇させた後は、下型31を、冷却ポジションP3(図2を参照)に移動させる。所定の時間経過後、下型31を冷却ポジションP3から冷却ポジションP4(図2を参照)に移動させる。さらに所定の時間経過後、下型31を冷却ポジションP5(図2参照)に移動させる。
上型32が上昇動作のための移動を開始するときのガラス成形品72の温度は、(Tg−30)℃以上(Tg+100)℃以下に設定されることが好ましい。たとえば、Tgが540℃の場合、上型32の上昇動作の開始時のガラス成形品72の温度は、510℃以上640℃以下に設定されるとよい。当該温度が(Tg−30)℃より低くなる場合は、ガラス成形品72の熱収縮量が大きくなり割れなどの欠陥が発生しやすくなる。一方、当該温度が(Tg+100)℃より高くなる場合には、上昇動作に伴ってガラス成形品72の面形状が崩れたり、良好な転写性が得られなくなったりすることが懸念される。
図15は、図5に示すガラス成形品を離型する工程を示す図である。続いて、図5および図15に示すように、工程(S25)においてガラス成形品を離型する。この際、下型31を冷却ポジションP5から取り出しポジションP6(図1および図2を参照)に移動させて、下型31からガラス成形品72を取り出して回収する。ガラス成形品72の取り出し作業は、吸着装置41によってガラス成形品72を吸着して移動させることにより行なう。
次に、下型31から離型されたガラス成形品72に対して、適当な切断工程および/または研磨工程が施されることによって、カバーガラス等のガラス製品の最終形状が得られる。
以上のように本実施の形態に係るガラス成形品の製造方法は、上述の一連の工程を繰り返すことにより、複数のカバーガラスを順次製造することができる。
この際、上金型320に直接接触する冷却板340を用いて、上金型320の温度を制御することにより、上金型320の温度が加圧成形毎に溶融ガラスから供給される熱によって上昇することを抑制することができる。これにより、加圧成形時に上金型320の温度を適切に制御することができ、ガラス成形品の反りを抑制することができる。
また、上金型320の温度上昇を抑制することにより、加圧成形時において溶融ガラスの温度が高い状態が維持されることを防止し、加圧成形直後における溶融ガラスの温度を低くすることができる。これにより、当該溶融ガラスが硬化するまでの時間を短縮することができ、生産効率を向上させることができる。
さらに、上金型320の温度を制御する際の冷却効率が向上することにより、冷却時間を短縮することができる。このことによっても、加圧成形時から次の加圧成形時までの時間を短縮することが可能となり、生産効率を向上させることができる。
このように本実施の形態におけるガラス成形品の製造方法および製造装置100を利用することにより、ガラス成形品の形状を安定させることができるとともに生産効率を向上させることができる。
(実施の形態2)
図16は、本実施の形態に係るガラス成形品の製造装置における上型の概略図である。図16を参照して、本実施の形態に係るガラス成形品の製造装置100Aについて説明する。
図16に示すように、本実施の形態に係るガラス成形品の製造装置100Aは、実施の形態1に係るガラス成形品の製造装置と比較した場合に、上型32Aの構成が相違し、その他の構成はほぼ同様である。
本実施の形態に係る上型32Aにおいては、上金型320に冷却板340の収容部が設けられておらず、冷却板340は、溶融ガラスを加圧成形するための型面321と反対側に位置する上金型320の表面のほぼ全面を覆うように冷却板340が配置されている。また、上金型320に接触する側の主表面とは反対側に位置する冷却板340の主表面を覆うように加熱源330が配置されている。
このように加熱源330が配置された場合にあっては、加熱源330は、上金型320に熱的に接触している。冷却板340の冷却動作をOFFした状態で加熱源330を作動させることにより、冷却板340の本体部341を介して上金型320を効率よく加熱することができる。
冷却板340は、一端側の側面部に設けられた供給口342と、他端側の側面部に設けられた排出口343と、当該供給口342および当該排出口343を接続する流通経路344とを有する。流通経路344は、上金型320を効率的に冷却できるように引き回しされている。
供給口342は、入口側ポート354に接続されている。入口側ポート354は、流通経路344に冷却媒体を導入するためのポートであり、一端側が供給設備358に接続されており、他端側が供給口342に接続されている。
排出口343は、出口側ポート355に接続されている。出口側ポート355は、流通経路344から冷却媒体を排出するためのポートであり、一端側が回収設備359に接続されており、他端側が排出口343に接続されている。
本実施の形態に係るガラス成形品の製造方法は、上述した実施の形態1に係るガラス成形品の製造方法に基本的に準じたものであり、連続的にガラス成形品を製造するに先立って、上金型320の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整した後に、連続的に溶融ガラスを加圧成形することにより、ガラス成形品を順次製造する。この際、本実施の形態においても実施の形態1に係る方法と同様の方法で上金型320の温度が制御される。
本実施の形態においても、上金型320に直接接触する冷却板340を用いて、上金型320の温度を制御することにより、上金型320の温度が加圧成形毎に溶融ガラスから供給される熱によって上昇することを抑制することができる。これにより、加圧成形時に上金型320の温度を適切に制御することができ、ガラス成形品の反りを抑制することができる。
また、上金型320の温度上昇を抑制することにより、加圧成形時において溶融ガラスの温度が高い状態が維持されることを防止し、加圧成形直後における溶融ガラスの温度を低くすることができる。これにより、当該溶融ガラスが硬化するまでの時間を短縮することができ、生産効率を向上させることができる。
さらに、上金型320の温度を制御する際の冷却効率が向上することにより、冷却時間を短縮することができる。このことによっても、加圧成形時から次の加圧成形時までの時間を短縮することが可能となり、生産効率を向上させることができる。
このため、本実施の形態におけるガラス成形品の製造方法および製造装置100Aを利用することにより、ガラス成形品の形状を安定させることができるとともに生産効率を向上させることができる。
(比較の形態)
図17は、比較の形態に係るガラス成形品の製造装置における上型の概略図である。図17を参照して、比較の形態に係るガラス成形品の製造装置100Bについて説明する。
図17に示すように、比較の形態に係るガラス成形品の製造装置100Bは、実施の形態1と比較した場合に、冷却板340および導出配管357を備えていない点において相違し、その他の構成はほぼ同様である。
比較の形態に係るガラス成形品の製造装置100Bにあっては、孔部333が、基体351側に位置する熱板331の一方の主表面から、上金型320側に位置する他方の主表面に亘って連続して設けられている。孔部333は、上金型320の表面322の中心領域322aに面する。冷却媒体導入出部350の導入経路352の一端側に入口側ポート354が接続され、導入経路352の他端側に導入配管356の一端側が接続されている。導入配管356の他端側は、中心領域322aの上方に位置する。入口側ポート354および導入経路352を介して供給設備358から導入配管356に導入された冷却媒体が、導入配管356の他端側から型面321と反対側に位置する表面322の中心領域322aに吹きつけられることにより、上金型320が冷却される。上金型320の冷却に用いられた冷却媒体は、導出経路353を通って、これに接続された出口側ポート355を介して回収設備359に回収される。冷却媒体としては、空気、窒素などの気体が用いられる。
比較の形態におけるガラス成形品の製造方法は、上述した実施の形態1に係るガラス成形品の製造方法に基本的に準じたものであり、連続的にガラス成形品を製造するに先立って、上金型320の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整した後に、連続的に溶融ガラスを加圧成形することにより、ガラス成形品を順次製造する。この際、本実施の形態においても実施の形態1に係る方法と同様の方法で上金型320の温度が制御される。
しかしながら、冷却媒体を吹き付けることにより上金型320を冷却する方法にあっては、スポット的にしか上金型320を冷却することができず、冷却効率が悪くなる。また、上金型320に吹き付けられた冷却媒体は、上金型320から熱を吸収して熱風となり一部が導入配管356に向けて上昇することにより送風効率が低下する。このことによっても冷却効率が低下する。
このため、上金型320を十分に冷却することができず、連続してガラス成形品を製造する際には、上金型320の温度上昇を抑制することが困難となる。この結果、加圧成形直後の溶融ガラスの温度が高くなり、ガラス成形品に反りが発生しやすくなるとともに、当該溶融ガラスが硬化するまでの時間が増加し、生産効率が低下する。
(実験例)
図18は、本発明の効果を検証するために行なった検証実験の条件および結果を示す図である。実験例では、実施例1および比較例1の各条件に基づいて、計2種類のガラス成形品を製造し、これらガラス成形品の反り(平坦度)を測定した。より具体的には、実施例1および比較例1におけるガラス成形品に対して、反り(平坦度)の指標となるPV値を測定した。ここで、PV値とは、測定対象領域中の最大高さ(Peak)と最大谷深さ(Valley)との差を指す。
実施例1については、実施の形態1に係るガラス成形品の製造装置および製造方法を利用してガラス成形品を製造した。比較例1については、比較の形態に係るガラス成形品の製造装置および製造方法を利用してガラス成形品を製造した。
ガラス成形品の製造時においては、加圧成形時における上金型320の温度を検知手段360にて測定するとともに、加圧成形直後の溶融ガラスの温度を非接触温度センサにて測定した。上金型320の温度は、上金型320の中心に位置し、型面321から5mm内側に位置する部分を測定した。上記溶融ガラスの温度は、溶融ガラスの中心部と、その周囲に位置する周縁部とを測定した。
下型31に供給する溶融ガラスの重量を90gとし、加圧成形時から次の加圧成形時までの時間は15秒として、ガラス成形品を製造した。
加圧成形時における実施例1の上金型320の温度(550℃)は、比較例1の上金型320の温度(600℃)よりも低くなっていた。
実施例1における加圧成形直後の溶融ガラスの中心部の温度は、その周縁部の温度よりも低くなっており、中心部が冷却されていた。一方、比較例1における加圧成形直後のガラス成形品の中心部の温度は、その周縁部と同じ温度であり、中心部は冷却されていなかった。
また、実施例1における加圧成形直後のガラス成形品の中心部の温度および周縁部の温度は、いずれも比較例1における加圧成形直後のガラス成形品の中心部の温度および周縁部の温度よりも低くなっていた。
さらに、実施例1のガラス成形品のPV値(50〜90μm)は、比較例1のガラス成形品のPV値(200〜300μm)よりも低くなっていた。
以上の上金型320の温度測定および溶融ガラスの温度測定の結果に基づき、上金型320に直接接触する冷却板340を用いて、上金型320の温度を制御することにより、上金型320の温度が加圧成形毎に溶融ガラスから供給される熱によって上昇することを抑制することができることが実験的にも証明されたと言える。
さらに、ガラス成形品のPV値の結果に基づき、上金型320に直接接触する冷却板340を用いて加圧成形時に上金型320の温度を適切に制御することにより、ガラス成形品の反りを抑制することができることが実験的にも証明されたと言える。
また、比較例1においては、上金型320の冷却効率が悪いため、加圧成形時から次の加圧成形時までの時間を15秒とした場合において、上金型320を十分に冷却することができなかった。このため、加圧成形直後の溶融ガラスの温度が高くなり、当該溶融ガラスが硬化するまでの時間が掛かるとともに、ガラス成形品の生産品としての基準値を上回るようなガラス成形品の反りが発生したものと考察される。
これに対して、実施例1においては、冷却板340を用いることにより上金型320の冷却効率が向上し、加圧成形時から次の加圧成形時までの時間を15秒とした場合であっても上金型320を十分に冷却することができた。このため、加圧成形直後の溶融ガラスの温度の上昇を抑制でき、ガラス成形品の反りを抑制できたと考察される。
このような結果から、冷却板340を用いて上金型の温度を調整し、加圧成形直後の溶融ガラスの温度を適正に制御するで、加圧成形直後の溶融ガラスが硬化する時間を短縮させることができ、これにより生産効率が向上したと言える。また、上金型320の冷却効率を向上させることで、加圧成形時から次の加圧成形時までの時間を短縮でき、これにより生産効率が向上したと言える。
上述した本発明の実施の形態1および2においては、本発明が適用されて製造されるガラス成形品として、スマートフォンやタブレット端末に具備されるカバーガラスを例示して説明を行なったが、これに限定されるものではなく、たとえば他のディスプレイ装置のカバーガラスの製造や、モバイルコンピュータ、デジタルカメラ等に代表される電子機器等の外装カバーの製造に本発明が適用されてもよいし、各種レンズや光記録媒体の製造に本発明が適用されてもよい。
上述した本発明の実施の形態1および2においては、連続的に溶融ガラスを加圧成形することによりガラス成形品を順次製造する工程において、加熱源330を停止させて冷却板340のみを用いて上金型320を冷却する場合を例示して説明したが、加熱源330による加熱が完全に停止した状態のみに限定するものではない。加熱源330が複数に分割されているような場合には、冷却板340によって上金型320を冷却しつつ加熱源330によって局所的に上金型320を加熱する態様も含まれてもよい。また、加熱源330が単数である場合であっても、冷却板340を用いて上金型320の温度を冷却することができる限り、わずかに上金型320が加熱される態様も含まれる。このように、本実施の形態1および2においては、ガラス成形品を順次製造する工程は、実質的に冷却板340を用いた冷却のみを用いて上金型320の温度が所定の温度範囲に収まるように上金型320の温度を調整しつつガラス成形品を順次製造する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
10 素材供給部、11 連続溶融炉、12 ノズル部、13 流出管、20 切断部、21 カッター、22 カッター駆動機構、30 加圧成形部、31 下型、31a 型面、32,32A 上型、33 下型駆動機構、34 上型駆動機構、38 ターンテーブル、40 離型部、41 吸着装置、60 制御部、70,71 溶融ガラス、72 ガラス成形品、100,100A,100B 製造装置、320 上金型、330 加熱源、331 熱板、332 熱源、333 孔部、334 収容部、340 冷却板、341 本体部、342 供給口、343 排出口、344 流通経路、350 冷却媒体導入出部、351 基体、352 導入経路、353 導出経路、354 入口側ポート、355 出口側ポート、356 導入配管、357 導出配管、358 供給設備、359 回収設備、360 検知手段。

Claims (6)

  1. 第1金型に供給される溶融ガラスを、当該第1金型とこれに対向する第2金型とを用いて挟み込んで加圧成形することによりガラス成形品を順次連続的に複数製造するガラス成形品の製造方法であって、
    連続的に前記ガラス成形品を製造するに先立って、前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程と、
    連続的に前記溶融ガラスを加圧成形することにより、前記ガラス成形品を順次製造する工程とを備え、
    前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程は、前記第2金型の外部に配置され、かつ、前記第2金型に熱的に接触することにより前記第2金型を加熱する加熱源と、前記溶融ガラスを加圧成形する型面とは反対側から前記第2金型に接触し前記第2金型を冷却する冷却板とを用いることにより、前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように調整し、
    前記ガラス成形品を順次製造する工程は、実質的に前記冷却板を用いた冷却のみを行なうことによって前記第2金型の温度が所定の温度範囲に収まるように前記第2金型の温度を調整しつつ前記ガラス成形品を順次製造する、ガラス成形品の製造方法。
  2. 前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程は、前記加熱源のみを用いて前記第2金型が所定の温度に到達するように前記第2金型を加熱する工程と、ダミーとなる前記溶融ガラスを加圧成形しつつ、前記加熱源および前記冷却板の双方を用いて、前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように前記第2金型を加熱および冷却する工程とを含む、請求項1に記載のガラス成形品の製造方法。
  3. 前記冷却板は、内部において冷却媒体が流動することができるように構成され、
    前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように予備的に調整する工程において、前記冷却媒体の流量が制御されることにより前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように調整され、
    前記ガラス成形品を順次製造する工程において、前記冷却媒体の流量が制御されることにより前記第2金型の温度が所定の温度範囲に収まるように前記第2金型の温度が調整される、請求項1または2に記載のガラス成形品の製造方法。
  4. 第1金型に供給される溶融ガラスを、当該第1金型とこれに対向する第2金型とを用いて挟み込んで加圧成形することによりガラス成形品を順次連続的に複数製造するガラス成形品の製造装置であって、
    前記第2金型の外部に配置され、かつ、前記第2金型に熱的に接触することにより前記第2金型を加熱する加熱源と、
    前記溶融ガラスを加圧成形する型面とは反対側から前記第2金型に接触し前記第2金型を冷却する冷却板と、
    前記第2金型の温度を検知する検知手段と、
    前記加熱源による加熱動作および前記冷却板を用いた冷却動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記検知手段による検知結果に基づいて前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように前記加熱源による前記加熱動作および前記冷却板を用いた前記冷却動作を制御した後に、前記検知手段による検知結果に基づいて実質的に冷却のみを行なうことにより前記第2金型の温度が所定の温度範囲に収まるように前記冷却板を用いた前記冷却動作を制御する、ガラス成形品の製造装置。
  5. 前記制御部は、前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように前記加熱源による前記加熱動作および前記冷却板を用いた前記冷却動作を制御するにあたり、前記第2金型が所定の温度に到達するように前記加熱源による前記加熱動作のみを制御するとともに、ダミーとなる前記溶融ガラスを加圧成形しつつ、前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように前記加熱源による前記加熱動作および前記冷却板を用いた前記冷却動作の双方を制御する、請求項4に記載のガラス成形品の製造装置。
  6. 前記冷却板は、内部において冷却媒体が流動することができるように構成され、
    前記制御部は、前記第2金型の経時的な温度変化が所定の条件を満たすように前記冷却媒体の流量を制御するとともに、前記第2金型の温度が所定の温度範囲に収まるように前記冷却媒体の流量を制御する、請求項4または5に記載のガラス成形品の製造装置。
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