JP2011016327A - タイヤ加硫用モールド - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ加硫用モールドのビードリングにおいて、キャビティからの空気抜き性を維持してベアの発生を抑制しながら、メンテナンス性を向上する。
【解決手段】タイヤのビード部T1を成形するビードリング18を備えたタイヤ加硫用モールド10において、ビードリング18は、ビード部に当接する位置を分割位置としてタイヤ軸方向中央側のビード部分T3を成形する第1分割ビードリング34とタイヤ軸方向外方側のビード部分T4を成形する第2分割ビードリング36とに分割されてなる。そして、第1分割ビードリング34と第2分割ビードリング34の分割面42の少なくとも一方面に微小凹凸52を設け、該微小凹凸52により分割面42にキャビティ32内の空気を逃がす空気通路54を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤの加硫に用いられるタイヤ加硫用モールドに関するものである。
空気入りタイヤの加硫工程では、上下に分割される2つ割りタイプのモールドやトレッドリングが周方向に分割されるセグメントモールドが一般に使用されている。このようなモールドは、環状のトレッド成形部と一対のサイドプレートと、このサイドプレートに当接する一対のビードリングとにより構成されている。
加硫工程において、成形されたグリーンタイヤが加硫用モールド内にセットされ、モールドとブラダーとによって形成されるキャビティ内において、加熱加圧されて加硫タイヤが成形される。この加硫の際、モールドの内面とグリーンタイヤとの間に空気(エア)が残留すると、タイヤ表面にベアが発生し、タイヤの外観品質を低下させることになる。
従来、加硫用モールドの内面には、溝状のソーカット及びモールド内と外気とを連通するベントホールが設けられており、グリーンタイヤとモールド内面との間に滞留する空気は、ソーカットを通じて移動しベントホールからモールド外に排出されることでベアの発生を防止している。しかしながら、ベントホールに入り込んだゴムがタイヤ表面に多数のスピューを形成することになり、スピューの除去作業に多くの手間がかかってしまう。また、特にビード部では、スピューが残存すると、リムとの密着性が悪くなり、チューブレスタイヤの空気漏れを招くこともある。
このような問題を解決するため、ビードリングを分割型とし、分割面からキャビティ内の空気を抜くようにして、スピューを形成するベントホールを不要とした構成が提案されている。例えば、下記特許文献1には、分割型のビードリングの分割面に複数のシム(薄板)を配置することにより、該分割面に微小隙間を全周にわたって形成し、この隙間を介してモールド外に空気を排出することが開示されている。また、下記特許文献2には、分割面に空気透過用の微小隙間を形成し、溶接等で連結一体化した二重構造の分割型ビードリングが開示されている。
なお、下記特許文献3には、ビードリングに関するものではないが、トレッド表面にタイヤ周方向に連なるローレット状突起体を成形するローレット刻面をモールド表面に設け、加硫成形時にキャビティ内の空気をローレット加工された微細な溝に流しベントホールを通じてモールド外に排出することが開示されている。
特開2008−037053号公報 特開平06−234124号公報 特開2003−118319号公報
上記特許文献1の構成では、分割面に空気通路となる微小隙間を形成するために複数のシムを配置するものであるため、分割型ビードリングの掃除等のメンテナンスが困難であるという問題がある。すなわち、ビードリングの分割面を掃除する際に、複数のシムを取り外し、また掃除後にそれらを所定位置にセットする必要があり、作業が煩雑である。
上記特許文献2に記載の二重構造ビードリングでは、加硫圧力や熱膨張により微小間隙が閉じたり或いは開いたりすることがあり、空気抜き不良やゴム詰まり発生のおそれが考えられる。また、溶接等で一体化されると容易に分解できず、ビードリングの掃除が困難となる。
なお、上記特許文献3のようにトレッドを成形するモールド表面に空気の逃げ道となるローレット刻面を設ける技術はビードリングには不向きであり、また、スピューを形成するベントホールの設置も必要であり、上記従来の問題は解消されない。
本発明は、以上の点に鑑み、キャビティからの空気抜き性を維持してベアの発生を抑制しながら、メンテナンス性を向上することができるビードリングを備えたタイヤ加硫用モールドを提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤ加硫用モールドは、タイヤのビード部を成形するビードリングを備えたタイヤ加硫用モールドにおいて、前記ビードリングが、前記ビード部に当接する位置を分割位置としてタイヤ軸方向中央側のビード部分を成形する第1分割ビードリングとタイヤ軸方向外方側のビード部分を成形する第2分割ビードリングとに分割されてなり、前記第1分割ビードリングと前記第2分割ビードリングの分割面の少なくとも一方面に微小凹凸が設けられることで該微小凹凸により前記分割面に空気通路が形成されたものである。
上記構成によれば、第1分割ビードリングと第2分割ビードリングの分割面に微小凹凸を設けたので、上記従来のようにシムを設けなくても、該微小凹凸によって分割面間に微小な隙間が形成されて分割面間に空気が流れるようになり、従ってキャビティ内の空気を逃がすための空気通路を分割面に形成することができる。そのため、キャビティ内の空気を、該空気通路を経てモールド外に排出したり、あるいはまた後記の空気溜め凹所に溜め込むことができ、キャビティから空気を抜くことができる。
なお、上記微小凹凸による空気通路は、キャビティから排出された空気が流れ込むものであれば、キャビティに直接連結されていてもよく、あるいはまた、分割面間に設けられたスリット状の微小隙間を介してキャビティに連結されてもよい。
上記加硫用モールドにおいては、第1分割ビードリングと第2分割ビードリングの分割面の少なくとも一方面に、前記微小凹凸による空気通路と連通した空気溜め凹所が設けられてもよい。かかる空気溜め凹所を設けることにより、キャビティ内の空気を、モールド内に一時的に溜め込むことで空気抜け性を維持することができる。そのため、分割面からモールド外に空気を排出するためのエア抜き穴が不要となり、あるいはその配設数を少なくできるので、メンテナンス性を更に向上することができる。
本発明によれば、ビード部におけるキャビティからの空気抜き性を維持してベアの発生を抑制しながら、ビードリングのメンテナンス性を向上することができる。
タイヤ加硫用モールドの概略を示す断面図である。 第1の実施形態に係るモールドのビードリング部の拡大断面図である。 同ビードリング部の要部拡大断面図である。 第1の実施形態における第1分割ビードリングの平面図である。 第2の実施形態に係るモールドのビードリング部の要部拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るタイヤ加硫用モールドを図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、実施形態に係るタイヤ加硫用モールド10は、トレッド部を成形するトレッドリング12と、サイドウォール部を成形する上下一対のサイドプレート14,16と、サイドプレート14,16に当接しタイヤのビード部T1を成形する上下一対のビードリング18,20とから構成されている。なお、図1には、グリーンタイヤT及びゴム製の加硫ブラダー22が示されている。
モールド10は、その中心に設けたピストンロッド(図示せず)に上下一対のクランプリング24,26が固定されている。上部クランプリング24と下部クランプリング26との間にはブラダー22が装架されており、ブラダー22の一端部が上部クランプリング24とモールドリング28との間に把持され、他端部が下部クランプリング26と下側ビードリング20との間に把持されている。
トレッドリング12は、複数のトレッドセグメント30がリング状に連結され、加硫タイヤの離型時には周方向に複数のセグメント30に分割されて径方向外方に移動し、トレッド部の離型を容易にしてトレッドのブロック欠けなどを防止している。セグメント30の数は、通常3〜10個程度である。
上側サイドプレート14、下側サイドプレート16、上側ビードリング18及び下側ビードリング20はリング状をなしており、前記トレッドリング12と一体に組み立てられモールド10を形成している。
そして、モールド10の内面とブラダー22の間に形成されるキャビティ32にグリーンタイヤTが挿入され、ブラダー22を介して加圧されつつ加熱されグリーンタイヤTがモールド内面に押圧され加硫タイヤが加硫成形される。
ビードリング18,20は、グリーンタイヤTのビード部T1がブラダー22により押圧されることにより、ブラダー22との間でビード部T1を成形するものである。上側ビードリング18は、ビード部T1に当接する位置を分割位置として第1分割ビードリング34と第2分割ビードリング36とに分割され、下側ビードリング20は、ビード部T1に当接する位置を分割位置として第1分割ビードリング38と第2分割ビードリング40とに分割されている。そして、それぞれの第1分割ビードリング34,38と、第2分割ビードリング36,40とがボルトなどの連結部材で固定されることで、上側及び下側ビードリング18,20がそれぞれ一体に形成されている。
図2は、上側ビードリング18を示す拡大断面図である。図示するように、リング状のビードリング18は、タイヤ軸方向X中央側のビード部分T3を成形する第1分割ビードリング34と、タイヤ軸方向X外方側のビード部分T4を成形する第2分割ビードリング36とに、タイヤ周方向C(図4参照)に延びる分割面42によって分割されている。この例では、加硫成形時にビード部T1において最も空気の溜まりやすいビードヒール部T2を分割位置として、ビード底部T3が当接する第1分割ビードリング34と、ビード側部T4が当接する第2分割ビードリング36とに、上下に分割されている。
ビードリング18は、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄系合金など金属材料を使用し、鋳型、鋳物などの鋳造製法等で所定断面形状の第1分割ビードリング34と第2分割ビードリング36を製造し、これを連結一体化して二重構造のビードリングとすることで得られる。また、一体物のビードリング18を製造し、これを分割ビードリング34,36に周上で切断し製造することもできる。両分割ビードリング34,36の分割面42は平面又は平面の組み合わせにより形成することができる。両分割ビードリング34,36を連結一体化する方法は特に制限されないが、締結用ボルト等の連結部材を用いてビードリング18の周上数個所で締結する方法が一般的である。
以上の構成において、本実施形態のものでは、両分割ビードリング34,36の分割面42は、ビードヒール部T2に当接する位置からタイヤ中心に向かってタイヤ軸方向Xに対し傾斜して延びる傾斜面部44と、該傾斜面部44からタイヤ中心に向かってタイヤ軸方向Xに垂直に延びる水平面部46とにより構成されている。
傾斜面部44は、ビードヒール部T2からタイヤ径方向Y内方側に向かってタイヤ軸方向X外方側に傾斜してなり、図3に示すように、傾斜面部44において、第1分割ビードリング34と第2分割ビードリング36との間にはスリット状の微小隙間48が設けられている。この微小隙間48は、両分割ビードリング34,36の平面状の傾斜面部同士を所定の間隔をあけて対向させることにより形成されており、タイヤ周方向Cの全周にわたって略一定の隙間に形成されている。該微小隙間48は、図2に示すように、第2分割ビードリング36に設けられたリング状凸部50のテーパ状の外周面に、第1分割ビードリング34のテーパ状の内周面を隙間なく外嵌させた状態に、両分割ビードリング34,36を連結一体化させることにより形成することができる。
微小隙間48の間隔は、0.01〜0.1mmであることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.05mmである。この間隔が0.01mm未満であると、キャビティ32からの微小隙間48を通じた空気の排出が困難となり、逆に0.1mmを超えると、未加硫ゴムが微小隙間48に入り込みやすくなり、外観が損なわれたり、モールドの洗浄サイクルが短くなる。
該傾斜面部44の内周側に設けられた分割面42の水平面部46には、図3に示すように、第1分割ビードリング34側の分割面42Aに微小凹凸52が設けられており、該微小凹凸52により水平面部46にはキャビティ32内の空気を分割面42に逃がすための空気通路54が形成されている。微小凹凸52は、例えば、ショットブラスト(例えばサンドブラスト等)や放電加工等の金属表面を粗面化する表面凹凸加工により形成することができ、分割面42Aにランダムでありながら一様な凹凸を付与することができる。そのため、該微小凹凸52が形成された第1分割ビードリング34の分割面42Aは、微小凹凸52の無数の凸部で第2分割ビードリング36の平坦な分割面42Bに当接しつつ、当該平坦な分割面42Bとの間で微小凹凸52の無数の凹部同士が連通化させることにより、両者の合わせ面に空気通路54が形成される。
このような微小凹凸52の凹凸の程度としては、特に限定するものではないが、JIS B0601:2001に準拠して測定される最大高さRzが30〜200μmの表面粗さを持つものであることが好ましい。最大高さRzが30μm未満では、空気通路54によるエア抜き効果が小さくなり、逆に200μmを超えると、分割面同士42a,42bを重ね合わせたときに点接触部分が多くなって両分割ビードリング34,36の分割面42での嵌合当接が不十分となり、両分割ビードリング34,36が動きやすくなって精度が低下したり、加硫故障が発生しやすくなる。一例として、この例では、微小凹凸52は、最大高さRz=150μmとなるように粗面加工されている。
微小凹凸52による空気通路54は、上記傾斜面部44における微小隙間48に連通して設けられており、この例では、図2,4に示すように、微小凹凸52は水平面部46の全周にわたり、かつその幅方向(タイヤ径方向Y)の全体にわたって設けられている。なお、微小凹凸52は、空気通路54を上記微小隙間48に連通させることができれば、タイヤ周方向Cにおいて断続状に設けてもよく、またタイヤ径方向Yにおいて部分的に設けてもよい。
水平面部46にはまた、第1分割ビードリング34側の分割面42Aに、上記微小凹凸52による空気通路54と連通してキャビティ32内の空気を溜めるための空気溜め凹所56が設けられている。空気溜め凹所56は、ビードリング18を貫通しない非貫通の凹部であって、この例では半球状に形成されており、図4に示すように周方向Cに複数個設けられている。また、この例では、各空気溜め凹所56は、微小凹凸52で全周にわたって取り囲まれており、これにより、空気通路54から空気溜め凹所56に空気が流れ込みやすいようにしている。
空気溜め凹所56は、上記微小凹凸52の凹部とは明確に区別されるような大きな凹部であり、例えば、ビードリングの鋳造時に鋳型の成形面に凸部を設けることで形成したり、あるいは鋳造後に切削加工することで形成することができる。なお、空気溜め凹所56を形成した後に、その部分も含めてショットブラストや放電加工により微小凹凸52を設けることが好ましく、これにより微小凹凸52による空気通路54と空気溜め凹所56とを確実に連通化させることができる。
空気溜め凹所56の深さ、大きさ及び数は、加硫成形時にビード部T1近傍のキャビティ32内の空気を一時的に溜め込んでビード部でのベアの発生を抑制できるように、適宜に設定することができる。特に限定するものではないが、空気溜め凹所56の深さは1〜5mm程度であることが好ましく、直径は2〜12mm程度であることが好ましく、また、上記従来のシムによる嵌合面の隙間体積が約3000mmである点に鑑み、空気溜め凹所56は全体積が2000〜4000mm程度となるような数で設けることが好ましい。深さや直径が小さすぎると、キャビティ32内の空気を溜め込むのに十分な体積を確保することが難しい。また、深さや直径が大きすぎると、ビードリング18の強度が低下する。一例として、この例では、空気溜め凹所56は、半径3.8mmの半球状であり、周方向Cに24個設けられ、全体積が約2800mmに設定されている。なお、空気溜め凹所56の形状は、上記のような半球状に限定されるものではなく、種々の形状とすることができるが、半球状等の球帯状に形成すればビードリングの強度を確保しやすく好ましい。
図2に示すように、第1分割ビードリング34には、ブラダー22との当接面に溝状のソーカット58が設けられており、グリーンタイヤTの内側とブラダー22との間の空気を該ソーカット58を介して抜くように構成されている。ソーカット58は、図4に示すように、タイヤ周方向Cの複数箇所に所定の間隔で設けられており、この例では12箇所に設けられている。
各ソーカット58には、第1分割ビードリング34を厚み方向に貫通するようにタイヤ軸方向Xに延びる空気逃がし孔60が設けられている。空気逃がし孔60は、第1分割ビードリング34の上記微小凹凸52が設けられた水平面部46において開口することにより、微小凹凸52による空気通路54に連通している。そのため、グリーンタイヤTとブラダー22との間の空気を、ソーカット58及び空気逃がし孔60を通って空気通路54に導くことができ、空気通路54から空気溜め凹所56に溜め込むことができる。
下側ビードリング20における第1分割ビードリング38と第2分割ビードリング40の構成については、両者の分割面における空気抜き構成、及びブラダー側からの空気抜き構成を含めて、上述した上側ビードリング18の第1分割ビードリング34及び第2分割ビードリング36と同様であり、説明は省略する。
以上よりなる本実施形態のタイヤ加硫用モールド10であると、第1分割ビードリング34,38と第2分割ビードリング36,40の分割面42に微小凹凸52を設けたので、間隙形成用のシムを設けなくても、該微小凹凸52によって分割面42間に空気通路54を形成することができる。そのため、キャビティ32内の空気を、傾斜面部44の微小隙間48から空気通路54を経て空気溜め凹所56に溜め込むことができ、キャビティ32から空気を抜くことができる。そのため、ビード部T1におけるキャビティ32からの空気抜き性を維持してベアの発生を抑制することができる。
また、間隙形成用のシムを除去することができるので、ビードリング18,20の分割面42を掃除する際に、複数のシムの取り外し及び取り付けという煩雑な作業が不要となり、メンテナンス性に優れる。
また、空気溜め凹所56を設けてキャビティ32内の空気をモールド10内に一時的に溜め込むことで空気抜け性を維持するので、分割面42からモールド10外に空気を排出するためのエア抜き穴が不要となり、メンテナンス性を向上することができる。なお、空気溜め凹所56に加えて、分割面42からモールド10外に空気を排出するためのエア抜き穴を設けてもよく、これにより、空気抜け性をより確実にすることができる。また、この場合、空気溜め凹所56を設けない場合に比べれば、エア抜き穴の配設数を少なくできるので、メンテナンス性の低下を抑えることができる。
また、上記実施形態であると、微小凹凸52と空気溜め凹所56をともにタイヤ軸方向で中央側に位置する第1分割ビードリング34,38側の分割面に設けている。ビードリング18,20をブラスト処理で掃除する場合、モールド10を分割し、ビードリング18,20もそれぞれ第1及び第2分割リング34,36,38,40に分割し、分割面42が上になるようにして、該分割面にブラスト処理する。その際、第1分割ビードリング34,38は第2分割ビードリング36,40よりも小さく軽量であるので、第2分割ビードリング36,40は分割面42Bを上向きにして地面に置いたままとし、第1分割ビードリング34,38を、ブラスト処理後に、第2分割ビードリング36,40に被せるようにして両者を組み合わせる。このように第2分割ビードリング36,40の分割面42Bは常時上向きであるため、第1分割ビードリング34,38の分割面42Aに比べて、ブラスト粉や埃が溜まりやすい。そのため、本実施形態では、第1分割ビードリング34,38の分割面42Aに微小凹凸52と空気溜め凹所56を設けており、これにより、定期的な掃除時におけるメンテナンス性を向上することができる。また、微小凹凸52が損傷して交換が必要になったときにも、第1分割ビードリング34,38は小さく軽量であるため、交換しやすく、低コストである。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態の上側ビードリング18の要部拡大断面図である。この例では、第1の実施形態の構成に加えて、第2分割ビードリング36側の分割面42Bにも微小凹凸52が設けられている。このように、第1分割ビードリング34と第2分割ビードリング36の双方の分割面42A,42Bに微小凹凸52を設けたことにより、両分割面を重ね合わせて形成される空気通路54をより確実に連通化して、空気をよりスムーズに逃がすことができる。
また、この例では、第2分割ビードリング36側の分割面42Bにも空気溜め凹所56が設けられている。第2分割ビードリング36側の空気溜め凹所56は、第1分割ビードリング34側の空気溜め凹所56よりも小さく形成されており、また、この例では周方向で重ならないようにずらした位置に設けられている。
一例として、この例では、第1分割ビードリング34側において、微小凹凸52の最大高さRzが150μm、空気溜め凹所56は半径3mmの半球状で周方向Cに24個、全体積で約1400mmに設定され、第2分割ビードリング36側において、微小凹凸52の最大高さRzが120μm、空気溜め凹所56は半径2.8mmの半球状で周方向Cに24個、全体積で約1000mmに設定されている。
その他の構成及び作用効果は第1の実施形態と同様であり、説明は省略する。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、微小凹凸52を、第1分割ビードリング34,38側の分割面42A、又は、該分割面42Aと第2分割ビードリング36,40側の分割面42Bとの双方に設けたが、微小凹凸52は第2分割ビードリング36,40側の分割面42Bのみに形成してもよい。但し、微小凹凸52は、双方の分割面42A,42Bに設ける場合には第1分割ビードリング34,38側の方が第2分割ビードリング36,40側よりも最大高さRzが大きく設定されることが好ましく、又は、第1分割ビードリング34,38側のみに設けることが好ましい。上記のように第1分割ビードリング34,38の方が掃除の際にブラスト粉が溜まりにくく、メンテナンス性に優れるためである。また、一方の分割面42Aのみに設けるのが好ましい理由は、両側の分割面42A,42Bに微小凹凸52を設けると、両者を重ね合わせたときに点接触部分が多くなって、精度低下や加硫故障が懸念されるためである。
また、上記実施形態では、空気溜め凹所56を第1分割ビードリング34,38側の分割面42Aのみ、又は該分割面42Aと第2分割ビードリング36,40側の分割面42Bとの双方に設けたが、空気溜め凹所56は第2分割ビードリング36,40側の分割面42Bのみに設けてもよい。但し、微小凹凸52と同様の理由から、双方の分割面42A,42Bに設ける場合には第1分割ビードリング34,38側の方が第2分割ビードリング36,40側よりも大きい空気溜め凹所56を設けることが好ましく、又は、第1分割ビードリング34,38側のみに設けることが好ましい。また、本発明では、空気溜め凹所56を設けずに、微小凹凸52による空気通路54をモールド外に連通させるエア抜き穴を設けて、キャビティ32内の空気を、該空気通路54を経てモールド外に排出することで、空気抜き性を確保するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、分割面42として、スリット状の微小隙間48を形成した傾斜面部44を介して、微小凹凸52による空気通路54を形成した水平面部46を設けた構成を採用したが、このような微小隙間48を設けずに、微小凹凸による空気通路をキャビティに直接連結して、キャビティから該空気通路に空気を逃がすようにしてもよい。
その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
本発明のタイヤ加硫用モールドは、乗用車用タイヤを始めとして、ライトトラック、トラック・バス用、産業車両用、建設車両用、農耕機用など各種用途、サイズのタイヤ加硫成形に使用することができる。
10…タイヤ加硫用モールド、18,20…ビードリング、32…キャビティ
34,38…第1分割ビードリング、36,40…第2分割ビードリング
42…分割面、42A…第1分割ビードリング側の分割面
44…傾斜面部、46…水平面部、48…微小隙間
52…微小凹凸、54…空気通路、56…空気溜め凹所
T…グリーンタイヤ、T1…ビード部、
X…タイヤ軸方向、Y…タイヤ径方向、C…タイヤ周方向

Claims (5)

  1. タイヤのビード部を成形するビードリングを備えたタイヤ加硫用モールドにおいて、
    前記ビードリングは、前記ビード部に当接する位置を分割位置としてタイヤ軸方向中央側のビード部分を成形する第1分割ビードリングとタイヤ軸方向外方側のビード部分を成形する第2分割ビードリングとに分割されてなり、前記第1分割ビードリングと前記第2分割ビードリングの分割面の少なくとも一方面に微小凹凸が設けられることで該微小凹凸により前記分割面に空気通路が形成された
    ことを特徴とするタイヤ加硫用モールド。
  2. 前記第1分割ビードリングと前記第2分割ビードリングの分割面の少なくとも一方面に、前記微小凹凸による空気通路と連通した空気溜め凹所が設けられた
    請求項1記載のタイヤ加硫用モールド。
  3. 前記分割面が、前記ビード部に当接する位置からタイヤ中心に向かってタイヤ軸方向に対し傾斜して延びる傾斜面部と、該傾斜面部からタイヤ中心に向かってタイヤ軸方向に垂直に延びる水平面部とを備えてなり、前記傾斜面部において前記第1分割ビードリングと前記第2分割ビードリングとの間にスリット状の微小隙間が設けられ、前記水平面部において前記微小凹凸による空気通路が前記微小隙間に連通させて設けられた
    請求項1又は2記載のタイヤ加硫用モールド。
  4. 前記微小凹凸が前記第1分割ビードリング側の分割面に設けられた
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫用モールド。
  5. 前記空気溜め凹所が前記第1分割ビードリング側の分割面に設けられた
    請求項2記載のタイヤ加硫用モールド。
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