JP2011014779A - 剥離装置および剥離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の構造が簡単化でき、かつ一対の板状部材を確実に剥離できる剥離装置および剥離方法を提供すること。
【解決手段】振動体6によってくさび部材4を振動させた状態でくさび部材4でガラス板Gを上方に付勢することで、ガラス板Gを両面接着シートSから確実に剥離することができるとともに、両面接着シートSの接着剤がガラス板Gの表面に残らないようにできることから、ガラス板Gから接着剤を除去する別の後工程を不要にして剥離工程の短縮化を図ることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、互いに貼付された一対の板状部材から一方を剥離する剥離装置および剥離方法に関する。
従来、半導体製造工程において、半導体ウェハ(以下、単にウェハという)を極薄に研削する裏面研削の際、ウェハ表面に剛性を備えたガラス板や樹脂板などの板状部材を貼付することで、その平滑性を利用してウェハを極薄の状態まで研削することが行われている。この板状部材は、研削工程以外の工程(例えば、ダイシング工程等)では不要となることから、研削工程の後にウェハから剥離されることとなり、ウェハから板状部材を剥離する剥離装置(剥離方法)が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の剥離装置は、両面接着シートを介して互いに接着されたウェハ(第1板状部材)および板状部材(第2板状部材)からなる対象物をウェハの裏面側から保持するテーブルと、板状部材の側から対象物に振動を付与しつつ板状部材の表面に沿って転動するローラ(軸状部材)と、板状部材の表面に吸着して当該板状部材をウェハから離れる方向に引っ張る吸着パッドとを備えて構成されている。
特許文献2に記載の剥離装置は、裏面にダイシングテープが貼付されたウェハを支持体から剥離する装置であって、ウェハと支持体とを接着する両面粘着シートの基材フィルムとUV硬化樹脂層との間に挿入されるブレードと、このブレードに振動を付与する圧電素子と、ダイシングテープを介してウェハを支持体から離れる方向に引っ張るアームとを備えて構成されている。
特開2009−4611号公報 特開2006−32506号公報
ところで、従来の剥離装置では、前記特許文献1記載の装置のように、ローラで対象物に振動を付与しつつ吸着パッドで板状部材を引っ張る構成や、前記特許文献2記載の装置のように、ブレードで両面粘着シートに振動を付与しつつアームでウェハを引っ張る構成など、振動を付与するための手段と付勢力を付与するための手段とが別々に必要であった。このため、剥離装置の構造が複雑になったり、各手段の制御が煩雑になったりなどの不都合が生じる。
また、前記特許文献2記載の剥離装置では、両面粘着シートの基材フィルムとUV硬化樹脂層との間にブレードを挿入することから、大半の両面粘着シートはウェハ側に接着されて剥離されるが、UV硬化樹脂層の一部が支持体側に残ってしまうため、ウェハから両面粘着シートを除去するための後工程の他に、支持体からUV硬化樹脂層の一部を除去するための別の後工程が必要になる。このため、半導体ウェハの製造工程が冗長化するとともに製造装置も複雑化するという不都合が生じる。
本発明の目的は、装置の構造が簡単化でき、かつ一対の板状部材を確実に剥離できる剥離装置および剥離方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の剥離装置は、接着部材を介して第1板状部材と第2板状部材とが貼付された対象物から第2板状部材を剥離する剥離装置であって、前記第2板状部材および接着部材の少なくとも一方に当接して前記第1板状部材から離れる方向に前記第2板状部材を付勢する付勢手段と、前記付勢手段を所定の周波数で振動させる第1加振手段とを備える、という構成を採用している。
この際、本発明の剥離装置は、前記第1加振手段による前記付勢手段の振動方向を変更する第1振動方向変更手段を備えることが好ましい。
また、本発明の剥離装置は、前記第1板状部材の側から前記対象物を支持する支持手段と、前記支持手段を所定の周波数で振動させる第2加振手段とを備えることが好ましい。
さらに、本発明の剥離装置では、前記支持手段には、前記対象物を加熱する加熱手段が設けられていることが好ましい。
また、本発明の剥離装置は、前記第2加振手段による前記支持手段の振動方向を変更する第2振動方向変更手段を備えることが好ましい。
一方、本発明の剥離方法は、接着部材を介して第1板状部材と第2板状部材とが貼付された対象物から第2板状部材を剥離する剥離方法であって、前記第2板状部材および接着部材の少なくとも一方に当接させた付勢手段を所定の周波数で振動させつつ、この付勢手段で当該第2板状部材を前記第1板状部材から離れる方向に付勢して剥離することを特徴とする。
この際、本発明の剥離方法では、前記第1板状部材の側から前記対象物を支持する支持手段を所定の周波数で振動させつつ第2板状部材を剥離することが好ましい。
以上のような本発明によれば、付勢手段を所定の周波数で振動させつつ、この付勢手段で第2板状部材を第1板状部材から離れる方向に付勢して剥離することで、対象物に振動を付与する手段と第2板状部材を付勢する手段との両方の手段を付勢手段で兼用することができ、剥離装置の構造を簡単化することができる。
また、付勢手段で振動を加えつつ付勢することによって、この付勢手段の振動が第2板状部材を介して接着部材に伝播され、接着部材の分離を促進させて第2板状部材を第1板状部材から確実に剥離することができる。従って、第1板状部材および第2板状部材の両方に接着部材または接着部材の一部が分離して残ることがないため、残った接着部材を除去する別々の後工程を設ける必要がなくなり、製造装置の複雑化を抑制することができる。
さらに、対象物を支持する支持手段を所定の周波数で振動させつつ、付勢手段で第2板状部材を剥離するようにすれば、対象物全体を振動させることによって、第1板状部材や第2板状部材に部分的な振動が集中することが抑制でき、これらの破損を防止することができる。
また、剥離装置において、第1加振手段による付勢手段の振動方向を変更する第1振動方向変更手段や、第2加振手段による支持手段の振動方向を変更する第2振動方向変更手段が設けられていれば、対象物に応じて付勢手段や支持手段の振動方向を適宜な向きに変更することで、第1板状部材や第2板状部材に作用するストレスを低減させることができ、これらの破損を一層確実に防止することができる。さらに、支持手段に加熱手段が設けられていれば、この加熱手段によって接着部材を軟化させることができ、接着部材と第1または第2板状部材の剥離を容易にすることができる。
本発明の一実施形態に係る剥離装置の正面側部分断面図。 図1の剥離装置を図1中右側から見た側面側部分断面図。 図1、2の剥離装置の動作説明図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の剥離装置1は、互いに貼付された第1板状部材および第2板状部材からなる対象物Tから第2板状部材を剥離するものであって、本実施形態では、第1板状部材として半導体ウェハ(以下、ウェハW)が採用され、第2板状部材としてガラス板Gが採用され、ウェハWとガラス板Gとが接着部材としての両面接着シートSで貼付されて対象物Tが構成されている。ここで、ウェハWは、図中上側に位置する表面WAに回路が形成され、この表面WAに両面接着シートSを介してガラス板Gが貼付された状態で、図中下側に位置する裏面WBが研削されたものであって、研削工程の後に剥離装置1によってガラス板GがウェハWから剥離されることとなる。
剥離装置1は、対象物TをウェハWの裏面WB側から吸着保持する支持手段としてのテーブル2と、ウェハWからガラス板Gを剥離する剥離手段3とを備えて構成されている。剥離手段3は、ガラス板Gの下面側に当接してガラス板GをウェハWから離れる方向(図1中上方)に付勢する付勢手段としてのくさび部材4と、くさび部材4を対象物Tに対して上下左右に相対移動させる移動手段5と、くさび部材4を所定の周波数で振動させる第1加振手段としての振動体6と、振動体6によるくさび部材4の振動方向を変更する第1振動方向変更手段7とを備えて構成されている。一方、テーブル2は、その周縁が弾性部材21を介して載置台Dに載置されるとともに、このテーブル2の下側には、テーブル2を所定の周波数で振動させる第2加振手段としての振動体8と、振動体8によるテーブル2の振動方向を変更する第2振動方向変更手段9とが設けられ、テーブル2の内部には、保持した対象物Tを加熱する加熱手段としてのヒータ22が設けられている。
くさび部材4は、振動体6の出力軸61に回動モータ62を介して連結されており、回動モータ62の出力軸63に固定された固定部41を介して取り付けられたくさび本体42から構成されている。くさび本体42は、対象物Tに向かって鋭利に形成された先端部43と、この先端部43から上方かつ対象物Tから離れる側に傾斜するとともに緩やかな凸状の曲面を有した付勢面部44とを備えて形成されている。そして、くさび部材4は、移動手段5によって移動された際に、付勢面部44がガラス板Gの端縁下部に当接することで、ガラス板GをウェハWから離れる方向に付勢するようになっている。
移動手段5は、図示しないフレームに固定されて図1中左右に延びる左右移動用の直動モータ51と、この直動モータ51のスライダ52に固定された上下移動用の直動モータ53とを備えて構成され、直動モータ53の出力軸54には、第1振動方向変更手段7を支持する支持アーム56が固定されている。このような移動手段5では、直動モータ51がスライダ52を左右に駆動することにより、ウェハWの表面WAの面に沿う方向にくさび部材4を移動させ、直動モータ53が出力軸54を上下に駆動することにより、ウェハWの表面WAの面に直交する方向にくさび部材4を移動させるようになっている。
振動体6,8は、それぞれ本体内部に各種の振動モータや圧電素子(電歪素子)などの振動源を備え、その振動によって出力軸61,81が本体から出没する方向に往復振動するようになっている。これらの振動体6,8は、例えば、周波数(振動数)が0.01〜100kHzで振動幅が1μm〜10mmの振動性能を有するものを適用することができる。そして、振動体6は、その出力軸61に固定された回動モータ62を介してくさび部材4を適宜に設定した所定の周波数および振幅で振動させるものであり、振動体8は、その出力軸81に固定された回転支持体82と、テーブル2の底面に固定された伝達部材23と、これらを連結する伝達軸24とを介してテーブル2を適宜に設定した所定の周波数および振幅で振動させるものである。回転支持体82は、図示しない回転軸受機構により、伝達軸24と相対回転可能に設けられている。
第1振動方向変更手段7は、支持アーム56に固定された回動モータ71と、この回動モータ71の出力軸72に一端が固定された連結アーム73と、この連結アーム73の他端に固定された連結軸74とを有して構成され、この連結軸74が振動体6に固定されている。回動モータ71の出力軸72の回転中心は、回動モータ62の出力軸63の回動中心と同軸上に設けられている。これにより、回動モータ71の出力軸72を回転させることで、連結アーム73、連結軸74および振動体6が出力軸63,72を中心として回動する一方、回動モータ62の出力軸63を回動モータ71の駆動と同期して逆向きに回転させることで、くさび部材4は、その姿勢を維持したままその振動方向を変更できるようになっている。つまり、回動モータ71および回動モータ62を適宜に駆動することによって、振動体6は、図1に実線で示す出力軸61が上下方向となる位置から、図1に二点鎖線で示す出力軸61が左右方向となる位置まで回動するように構成され、くさび部材4の振動方向Aが任意に変更可能に構成されている。以上のように、振動体6を回動させてくさび部材4の振動方向Aを任意の角度に変更することで、くさび部材4の振動する距離をDAとした場合、距離DAのうち図1中上下方向成分DAzと同水平方向成分DAxとの割合が変更でき、ガラス板Gに向かって振動する上下方向成分DAzを適宜に減少させることで、当該ガラス板Gに作用するストレスを低減させてガラス板Gが破損することを防止することができるようになっている。
第2振動方向変更手段9は、載置台Dの凹部底面に設けられた固定部材D1を介して固定された回動モータ91と、この回動モータ91の出力軸92に一端が固定された連結アーム93と、この連結アーム93の他端に固定された連結軸94とを有して構成され、この連結軸94が振動体8に固定されている。回動モータ91の出力軸92の回転中心は、伝達軸24の軸心と同軸上に設けられており、回動モータ91の出力軸92を回転させることで、連結アーム93、連結軸94および振動体8が出力軸92および伝達軸24を回転中心として回動され、これによりテーブル2は、その振動方向を変更できるようになっている。つまり、回動モータ91を適宜に駆動することによって、振動体8は、図1に実線で示す出力軸81が上下方向となる位置から、図1に二点鎖線で示す出力軸81が左右方向となる位置まで回動するように構成され、テーブル2の振動方向Bが任意に変更可能に構成されている。以上のように、振動体8を回動させてテーブル2の振動方向Bを任意の角度に変更することで、テーブル2の振動する距離をDBとした場合、距離DBのうち図1中上下方向成分DBzと同水平方向成分DBxとの割合が変更でき、ウェハWに向かって振動する上下方向成分DBzを適宜に減少させることで、当該ウェハWに作用するストレスを低減させてウェハWが破損することを防止することができるようになっている。
以上の剥離装置1において、ウェハWからガラス板Gを剥離する手順としては、先ず、図1に示すように、テーブル2に対象物Tを吸着保持した状態で、移動手段5の直動モータ53を駆動してくさび部材4の高さ位置を調節する。ここでは、くさび本体42の先端部43がテーブル2の図1中上面よりも高く、かつ、ガラス板Gの図1中下面よりも低い位置に調整する。また、第1振動方向変更手段7の回動モータ71を駆動して振動体6を回動するとともに、回動モータ62を回転駆動してくさび部材4の姿勢を維持したままで、その振動方向Aが所定方向に向くように調整する。さらに、第2振動方向変更手段9の回動モータ91を駆動して振動体8を回動し、テーブル2の振動方向Bが所定方向に向くように調整する。
次に、テーブル2のヒータ22を加熱して両面接着シートSの接着層を軟化させるとともに、振動体6,8を駆動させてくさび部材4およびテーブル2をそれぞれ振動させる。この状態で、直動モータ51と直動モータ53とを駆動して、くさび部材4の付勢面部44をガラス板Gの外縁下部に当接させ、ガラス板Gを介して振動を両面接着シートSの接着層に伝播する。このとき、テーブル2側からも振動が両面接着シートSの接着層に伝播されるので、振動によるガラス板Gの剥離効果は大きくなる。そして、くさび部材4を図1中上方に付勢することで、図3中実線で示すように、ガラス板Gと両面接着シートSとの間に剥離の切っ掛けKができる。その後も振動体6,8による加振が行われると、切っ掛けKから接着部材の分離が促進されて、最終的に図3中二点鎖線出示すように、ガラス板Gが両面接着シートSから剥離する。このとき、接着部材の分離の促進具合に応じて、くさび部材4を図1中上方に移動させてもよいし、定位置に留めた状態としておいてもよい。また、振動体6,8の振動方向によって、剥離の切っ掛けKができ難かったり、接着部材の分離が促進されにくかったり、ガラス板GやウェハWに過剰なストレスを与えるおそれがある場合には、第1、第2振動方向変更手段7、9によって、振動体6,8の振動方向を変更することができる。
以上のようにしてガラス板GをウェハWから剥離したら、図示しない搬送手段でガラス板Gを除去し、ウェハWもその表面WAから両面接着シートSを除去する後工程に搬送されることとなる。
以上のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、振動体6,8によってくさび部材4およびテーブル2を振動させ、くさび部材4と対象物Tとが相対的に振動した状態において、くさび部材4でガラス板Gを上方に付勢することで、両面接着シートSをウェハWから確実に剥離することができる。そして、くさび部材4でガラス板Gに振動を加えつつ付勢することによって、ガラス板Gを分離することができ、その接着剤がガラス板Gの表面に残らないようにできることから、ガラス板Gから接着剤を除去する後工程を不要にし、剥離装置1による剥離工程の短縮化を図ることができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、対象物Tが半導体ウェハWとガラス板Gとが両面接着シートSで貼付されたものを例示したが、対象物を構成する第1板状部材および第2板状部材としては、ウェハWとガラス板Gとの組み合わせに限定されるものではなく、半導体ウェハ、ガラス板、鋼板、樹脂板等、各種の板状部材の組み合わせによって構成されたものであってもよく、半導体ウェハは、シリコンウェハや化合物ウェハ等が例示できる。また、接着部材としては、両面接着シートSに限らず、各種の接着剤や接着シートで構成されたものであってもよく、例えば、両面接着シートSに紫外線等のエネルギー線によって、その接着力が低下する接着剤を採用してもよい。この場合、ガラス板Gを除去する前に、紫外線等のエネルギー線を照射するように構成すればよい。
また、前記実施形態では、ウェハW側に両面接着シートSが残るようにガラス板Gを剥離する場合を説明したが、ガラス板G側に両面接着シートSが残るようにガラス板Gを剥離するように構成してもよい。
また、前記実施形態では、ガラス板Gの外縁が両面接着シートSよりも突出して設けられ、このガラス板Gの外縁下部にくさび部材4の付勢面部44を当接させるようにしたが、これに限らず、両面接着シートSの外縁にくさび部材4の先端部43を当接させてから、両面接着シートSの下側にくさび部材4を挿入し、付勢面部44で両面接着シートSおよびガラス板Gを付勢するようにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、振動体6,8によってくさび部材4およびテーブル2をそれぞれ振動させた状態で、くさび部材4がガラス板Gを付勢する構成としたが、振動体8や弾性部材21を省略してテーブル2が振動しないようにしてもよい。また、第1振動方向変更手段7や第2振動方向変更手段9は、本発明の必須要件ではなく、適宜省略することができる。
また、前記実施形態では、テーブル(支持手段)2が左右方向に移動不能に支持され、くさび部材(付勢手段)4が移動手段5によって左右移動可能に支持されていたが、付勢手段を左右移動不能でかつ支持手段を左右移動可能に設けてもよく、または付勢手段および支持手段をそれぞれ左右移動可能に設けてもよい。
さらに、第1、第2加振手段は、公知の超音波振動装置や、電動モータやエアを利用した公知のバイブレータ等を採用することができ、くさび部材4やテーブル2を介して対象物Tに振動を付与できるものであれば何ら限定されることはない。
また、第1、第2加振手段の周波数(振動数)や振動幅は、前記実施形態の数値に限定されることなく、対象物Tを構成するものの種類、性質、材質、厚さ寸法、硬さ等に応じて適宜な周波数、振動幅を設定することができる。振動幅を変更する場合、振動幅変更手段を設けてもよい。
さらに、第1、第2振動方向変更手段は、第1、第2加振手段の振動方向を変更可能な構成であれば上記実施形態以外の構成を採用することを妨げない。
また、くさび部材4やテーブル2の振動方向A,Bは、図1に示すような、上下方向や左右方向以外に、振動方向A,Bと図1中左右方向とがなす角度θが5°、10°、15°…というように、振動方向変更手段を介して任意に設定することができる。
また、前記実施形態では、第1、第2振動方向変更手段7,9によるくさび部材4やテーブル2の振動方向は、図1中上下方向から左右方向に至るまでの間で変更できる構成としたが、図1中紙面直交方向にも振動方向が変更できるように構成してもよい。このような構成とすることで、三次元空間内でいずれの方向にでも振動方向を変更することができる。
1 剥離装置
2 テーブル(支持手段)
4 くさび部材(付勢手段)
6 振動体(第1加振手段)
7 第1振動方向変更手段
8 振動体(第2加振手段)
9 第2振動方向変更手段
22 ヒータ(加熱手段)
G ガラス板(第2板状部材)
S 両面接着シート(接着部材)
T 対象物
W ウェハ(第1板状部材)

Claims (7)

  1. 接着部材を介して第1板状部材と第2板状部材とが貼付された対象物から第2板状部材を剥離する剥離装置であって、
    前記第2板状部材および接着部材の少なくとも一方に当接して前記第1板状部材から離れる方向に前記第2板状部材を付勢する付勢手段と、
    前記付勢手段を所定の周波数で振動させる第1加振手段とを備えることを特徴とする剥離装置。
  2. 前記第1加振手段による前記付勢手段の振動方向を変更する第1振動方向変更手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の剥離装置。
  3. 前記第1板状部材の側から前記対象物を支持する支持手段と、
    前記支持手段を所定の周波数で振動させる第2加振手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の剥離装置。
  4. 前記支持手段には、前記対象物を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の剥離装置。
  5. 前記第2加振手段による前記支持手段の振動方向を変更する第2振動方向変更手段を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の剥離装置。
  6. 接着部材を介して第1板状部材と第2板状部材とが貼付された対象物から第2板状部材を剥離する剥離方法であって、
    前記第2板状部材および接着部材の少なくとも一方に当接させた付勢手段を所定の周波数で振動させつつ、この付勢手段で当該第2板状部材を前記第1板状部材から離れる方向に付勢して剥離することを特徴とする剥離方法。
  7. 前記第1板状部材の側から前記対象物を支持する支持手段を所定の周波数で振動させつつ第2板状部材を剥離することを特徴とする請求項6に記載の剥離方法。
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