JP2011012110A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】優れた氷上性能を有するゴム組成物、及び、該ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対し、空隙率が75〜95%で平均粒径が1000μm以下の多孔性セルロース粒子を0.3〜20重量部配合してなるゴム組成物である。また、該ゴム組成物からなるトレッドを備えた空気入りタイヤである。多孔性セルロース粒子とともに、クルミ殻の粉砕物等の植物性粒状体や竹炭粉砕物等の植物の多孔質性炭化物の粉砕物を、併用してもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関し、より詳細には、例としてスタッドレスタイヤやスノータイヤなどの冬用タイヤ(ウインタータイヤ)のトレッドに好適に用いることのできるゴム組成物、及び、同ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤに関するものである。
氷雪路面では一般路面に比べて著しく摩擦係数が低下し滑りやすくなる。そのため、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤのトレッドに用いられるゴム組成物においては、氷上路面での接地性を高めるために、ガラス転移点の低いブタジエンゴム等の使用や軟化剤の配合により、低温でのゴム硬度を低く維持することがなされている。また、氷上摩擦力を高めるために、トレッドに発泡ゴムを使用したり、中空粒子や、ガラス繊維、植物性粒状体等の硬質材料を配合することがなされている。
例えば、下記特許文献1には、もみ殻の粉砕物のようなセルロース物質を含有する平均粒径20〜600μmの粉体加工品をゴム組成物に配合することが開示されている。同文では、高硬度である上記粉体加工品が氷表面を引っ掻くことによりスパイク効果を発揮し、更に摩耗の進行によりトレッド表面から粉体が脱落したときに生じるトレッド表面の空隙、凹凸及びエッジが氷表面との摩擦を高め、氷上グリップ性能を大幅に向上させるとある。
また、下記特許文献2には、種子の殻又は果実の核を粉砕してなる植物性粒状体などの引っ掻き効果のある粒子をゴム成分に添加して、引っ掻き効果により氷上摩擦性能を向上させることが開示されている。同文献では特に、レゾルシン・ホルマリン樹脂初期縮合物とラテックスの混合物を主成分とするゴム接着性改良剤で植物性粒状体を表面処理し、これによりトレッドゴムと化学的に結合させて、引っ掻き効果を向上する点が提案されている。
このように氷上性能を向上させるために、セルロース粒子をゴム組成物に配合することは知られているが、従来一般にセルロース粒子は主としてその引っ掻き効果を利用するものであり、氷上の水膜を効果的に除去する空隙率の高い多孔性セルロース粒子の使用は試みられていなかった。
一方、下記特許文献3には、氷上の水膜を更に効果的に除去するために、平均粒径10〜500μmの竹炭の粉砕物をゴム組成物に配合することが提案されている。
また、下記特許文献4には、同様に氷上の水膜を除去するために、平均粒径が100μm以下のセルロース微粉末をゴム組成物に配合することが提案されている。しかしながら、この文献においてセルロース微粉末として用いられているのはパルプの粉砕物であり、パルプを粉砕するだけでは、空隙率の高い多孔性セルロース粒子は得られないことから、氷上性能の改良効果が十分とは言えず、更なる改良が求められる。
特開平02−167353号公報 特開平10−007841号公報 特開2005−162865号公報 特開2005−029708号公報
上記のように従来、氷上性能を改良するために種々の方策が提案されているものの、最近益々厳しくなる市場の要求に対し、必ずしも十分なレベルに達しているとは言えない。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、優れた氷上性能を発揮することができるゴム組成物、及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討していく中で、空隙率の高い多孔性セルロース粒子を配合することで氷上性能が著しく向上することを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、空隙率が75〜95%で平均粒径が1000μm以下の多孔性セルロース粒子を0.3〜20重量部配合してなるものである。
また、本発明に係る空気入りタイヤは、かかるゴム組成物からなるトレッドを備えるものである。
本発明によれば、耐摩耗性の低下を抑えながら、氷上性能を著しく向上することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分として用いられるジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなど、タイヤトレッド用ゴム組成物において通常使用される各種ジエン系ゴムが挙げられる。これらジエン系ゴムは、いずれか1種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。
上記ゴム成分として、好ましくは、天然ゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドを用いることであり、特に好ましくは、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(BR)とのブレンドゴムを用いることである。その場合、BRの比率が少なすぎるとゴム組成物の低温特性が得難くなり、逆に多くなりすぎると加工性の悪化や耐引き裂き抵抗性が低下する傾向になるので、NR/BRの比率は重量比で30/70〜80/20、更には40/60〜70/30程度であることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、空隙率75〜95%で平均粒径が1000μm以下の多孔性セルロース粒子が配合される。多孔性セルロース粒子は、天然素材で生分解性があり、多孔質構造及び高い化学安定性を持つ特徴から、消臭剤、生ごみ処理基材、タバコフィルター基材などに用いられている。本発明では、かかる空隙率の高い多孔性セルロース粒子をゴム組成物に配合するものであり、例えばスタッドレスタイヤなどの空気入りタイヤのトレッドゴムに用いることにより、氷上性能を著しく向上させることができる。その理由は必ずしも明らかではないが、多孔性セルロース粒子の細孔が氷上路面の水膜を効果的に吸水および除水し、更に、砕けた粒子や細孔壁のエッジにより氷上路面を引っ掻く効果が発揮されるためと推測される。
このような多孔性セルロース粒子としては、レンゴー株式会社から「ビスコパール」として市販されており、また、特開2001−323095号公報や特開2004−115284号公報に記載されており、それらを好適に用いることができる。
詳細には、ビスコース等のアルカリ型セルロース溶液に多孔化剤を加え、セルロースの凝固・再生と多孔化剤による発泡とを同時進行させて得られたセルロース粒子を用いることが好ましい。多孔化剤としては、炭酸カルシウム等の炭酸塩が挙げられ、炭酸塩をアルカリ型セルロース溶液に均一に混合分散し、得られた分散液の液滴を塩酸等の酸性溶液と接触させることにより、酸によってセルロースの凝固・再生と炭酸塩の発泡・分解が同時に進行して、上記のような高い空隙率を持つ多孔性セルロース粒子が得られる。
多孔性セルロース粒子の空隙率が75%未満では、氷上性能の向上効果が不十分である。逆に、多孔性セルロース粒子の空隙率が95%を超えると、粒子の強度が弱くなり、ゴム成分との混合時に変形したり、破砕しやすくなる。該空隙率は、より好ましくは85〜95%である。
多孔性セルロース粒子の空隙率は、一定重量の試料(即ち、多孔性セルロース粒子)の体積をメスシリンダーで測定し、嵩比重を求めて、下記式から求めることができる。
空隙率[%]=(空隙体積[ml])/(試料の嵩体積[ml])×100
={(試料の嵩体積[ml])−(試料の実体積[ml])}/(試料の嵩体積[ml])×100
={1−(試料の実体積[ml])/(試料の嵩体積[ml])}×100
={1−(試料の嵩比重[g/ml])/(試料の真比重[g/ml])}×100
ここで、セルロースの真比重は1.5である。
多孔性セルロース粒子の粒径は、上記のように平均粒径が1000μm以下のものが用いられ、平均粒径が1000μmを超える大粒径のセルロース粒子では、耐摩耗性に劣る。平均粒径の下限は、特に限定されないが、5μm以上であることが好ましい。平均粒径は、より好ましくは100〜800μmであり、更に好ましくは200〜800μmである。
多孔性セルロース粒子としては、長径/短径の比が1〜2である球状粒子が好ましく用いられる。このような球状構造の粒子を用いることにより、ゴム組成物中への分散性を向上して、氷上性能の向上や耐摩耗性の維持に寄与することができる。長径/短径の比は、より好ましくは1〜1.5である。
多孔性セルロース粒子の平均粒径と、長径/短径の比は、次のようにして求められる。すなわち、多孔性セルロース粒子を顕微鏡で観察して画像を得て、この画像を用いて、粒子の長径と短径(長径と短径が同じ場合には、ある軸方向の長さとこれに直交する軸方向の長さ)を100個の粒子について測定し、その平均値を算出することで平均粒径が得られ、また、長径を短径で割った値の平均値により長径/短径の比が得られる。
多孔性セルロース粒子は、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.3〜20重量部の範囲内で配合することができる。該配合量が0.3重量部未満では、添加効果が不十分であり、逆に20重量部を超えると、耐摩耗性が悪化する。該配合量は、より好ましくは1〜15重量部である。
本発明のゴム組成物には、多孔性セルロース粒子とともに、種子の殻又は果実の核を粉砕してなる植物性粒状体、及び/又は、植物の多孔質性炭化物の粉砕物を更に配合してもよい。これらの植物性粒状体や多孔質性炭化物の粉砕物を併用することにより、氷上性能を更に向上することができる。
上記植物性粒状体としては、胡桃(クルミ)、椿などの種子の殻、あるいは桃、梅などの果実の核を公知の方法で粉砕してなる粉砕品を用いることができる。これらはモース硬度が2〜5程度であり、氷よりも硬いので、氷上路面に対して引っ掻き効果を発揮することができる。
植物性粒状体は、ゴムとのなじみを良くして脱落を防ぐために、ゴム接着性改良剤で表面処理されたものを用いることが好ましい。ゴム接着性改良剤としては、例えば、レゾルシン・ホルマリン樹脂初期縮合物とラテックスの混合物を主成分とするもの(RFL液)が挙げられる。
植物性粒状体の平均粒径は、特に限定されないが、引っ掻き効果を発揮するとともにトレッドからの脱落を防止するため、100〜600μmであることが好ましい。なお、平均粒径は、レーザ回折・散乱法により測定される値であり、例えば、光源として赤色半導体レーザ(波長680nm)を用いる島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置「SALD−2200」を用いて測定することができる。
上記多孔性炭化物の粉砕物は、木、竹などの植物を材料として炭化して得られる炭素を主成分とする固体生成物からなる多孔質性物質を粉砕してなるものであり、中でも竹炭の粉砕物(竹炭粉末)はその特有の多孔質性により優れた吸着性を発揮することから、氷上路面に発生する水膜を効果的に吸水、除去することができる。
竹炭の原料となる竹材としては、孟宗竹、苦竹、淡竹、紋竹などの各種の竹のほか、千鳥笹、仙台笹などの笹も含まれる。竹炭粉砕物は、竹材を窯を用いて蒸し焼きにして炭化して得られた竹炭を、公知の粉砕機(例えば、ボールミル)を用いて粉末状に粉砕することにより得ることができる。
上記多孔性炭化物の粉砕物の平均粒径は、特に限定されないが、10〜500μmであることが好ましい。なお、平均粒径は、植物性粒状体と同様、レーザ回折・散乱法により測定される値である。
これら植物性粒状体と多孔性炭化物の粉砕物を配合する場合、その配合量は、両者の合計量で、ジエン系ゴム100重量部に対して、0.3〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。
本発明のゴム組成物は、上記した各成分に加え、通常のゴム工業で使用されているカーボンブラックやシリカなどの補強剤や充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、老化防止剤(アミン−ケトン系、芳香族第2アミン系、フェノール系、イミダゾール系等)、加硫剤、加硫促進剤(グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系等)などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合することができる。
ここで、カーボンブラックとしては、スタッドレスタイヤのトレッド部に用いる場合は、ゴム組成物の低温性能、耐摩耗性やゴムの補強性などの観点から、窒素吸着比表面積(NSA)(JIS K6217−2)が70〜150m/gであり、かつDBP吸油量(JIS K6217−4)が100〜150ml/100gであるものが好ましく用いられる。具体的にはSAF,ISAF,HAF級のカーボンブラックが例示され、配合量としてはジエン系ゴム100重量部に対して10〜80重量部程度の範囲で使用されることが好ましい。
また、シリカを用いる場合は、湿式シリカ、乾式シリカ或いは表面処理シリカなどが使用され、配合量はゴムのtanδのバランスや補強性、電気伝導度の観点からジエン系ゴム100重量部に対して50重量部未満が好ましく、カーボンブラックとの合計量では10〜120重量部程度が好ましい。また、シリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用することが好ましい。
本発明のゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダなどの混合機を用いて混練し作製することができる。該ゴム組成物は、スタッドレスタイヤ、スノータイヤなどの冬用タイヤ(ウインタータイヤ)のトレッド部のためのゴム組成物として好適に用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いてゴム用押し出し機などによりタイヤのトレッド部を作製し未加硫タイヤを成型した後、常法に従い加硫工程を経ることで製造することができる。キャップベース構造のスタッドレスタイヤに適用される場合は、接地面側のキャップトレッドにのみに本発明のゴム組成物を適用すればよい。
このようにして得られた空気入りタイヤは、トレッドゴムに配合した多孔性セルロース粒子がトレッド表面に露出することで、上述した水膜除去効果や引っ掻き効果等により、トレッドゴムと路面との摩擦係数を高めて氷上性能を向上することができる。また、耐摩耗性を低下を抑えることができる。また、クルミ殻の粉砕物等の植物性粒状体や、竹炭粉砕物等の多孔性炭化物の粉砕物を併用することで、更なる氷上性能の向上を実現することができる。しかも、道路の損傷やアスファルトの粉塵を発生させることなく、天然素材を使用することにより、多孔性セルロース粒子の飛散によっても健康や環境に悪影響を及ぼさない。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。なお、下記の竹炭粉砕物、植物性粒状体、ジルコンビーズおよびセルロース微粉末の空隙率は、上記の多孔性セルロース粒子の空隙率の算出式によるものであり、真比重については、竹炭粉砕物は1.4、植物性粒状体は1.15、ジルコンビーズは6.0、セルロース微粉末は1.5とした。
・天然ゴム:RSS#3
・ブタジエンゴム:JSR株式会社製ハイシスブタジエンゴム「BR01」
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「シーストKH」(N339、HAF)
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」
・シランカップリング剤:デグサ社製「Si75」
・パラフィンオイル:株式会社ジャパンエナジー製「JOMOプロセスP200」。
・多孔性セルロース粒子1:レンゴー株式会社製「ビスコパールミニ」(平均粒径=400μm、粒子の長径/短径の比=1.11、空隙率=87%)
・多孔性セルロース粒子2:レンゴー株式会社製「ビスコパールミニ」(平均粒径=700μm、粒子の長径/短径の比=1.09、空隙率=80%)
・多孔性セルロース粒子3:レンゴー株式会社製「ビスコパールA」(平均粒径=2000μm、粒子の長径/短径の比=1.05、空隙率=93%)
・竹炭粉砕物:孟宗竹の竹炭(宮崎土晃株式会社製「1号炭」)をハンマーミルで粉砕し、得られた粉砕物をふるいにより分級した竹炭粉末(平均粒径=100μm、空隙率=46%)
・植物性粒状体:クルミ殻粉砕物(株式会社日本ウォルナット製「ソフトグリップ#46」)に対し、特開平10−7841号公報に記載に方法に準じてRFL処理液で表面処理を施したもの(処理後の植物性粒状体の平均粒径=300μm、空隙率=48%)
・ジルコンビーズ:東レ株式会社製「トレセラム」(平均粒径=400μm、空隙率=4%)
・セルロース微粉末:特開2005−29708号公報に開示の方法によりパルプをボールミルで粉砕した後ふるい分けしたセルロースパウダー(平均粒径=300μm、空隙率=34%)。
各ゴム組成物には、共通配合として、ジエン系ゴム100重量部に対し、ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS−20」)2重量部、亜鉛華(三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1種」)2重量部、老化防止剤(住友化学株式会社製「アンチゲン6C」)2重量部、ワックス(日本精鑞株式会社製「OZOACE0355」)2重量部、加硫促進剤(住友化学株式会社製「ソクシノールCZ」)1.5重量部、及び、硫黄(鶴見化学工業株式会社製「粉末硫黄」)2.1重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、硬度(23℃)を測定した。また、各ゴム組成物を用いてスタッドレスタイヤを作製し、耐摩耗性と、氷上路面における制動性能(氷上制動性能)を評価した。タイヤサイズは185/65R14として、そのトレッドに各ゴム組成物を適用し、常法に従い加硫成形することにより製造した。各使用リムは14×5.5JJとした。各測定・評価方法は次の通りである。
・硬度:JIS K6253に準拠して、160℃×20分で加硫したサンプル(厚みが12mm以上のもの)について、23℃での硬度を、タイプAデュロメータを用いて測定した。
・耐摩耗性:上記タイヤを2000ccの4WD車に装着し、2500km毎に左右ローテーションして、10000km走行後の残溝(4本のタイヤの残溝の平均値)を測定し、比較例2の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示す。
・氷上制動性能:上記タイヤを2000ccの4WD車に装着し、−3±3℃の氷盤路上で40km/h走行からABS作動させて制動距離を測定し(n=10の平均値)、制動距離の逆数について、比較例2の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど制動距離が短く、制動性能に優れることを示す。
Figure 2011012110
結果は表1に示す通りであり、多孔性セルロース粒子を配合した実施例1〜5であると、竹炭粉砕物やジルコンビーズを配合した比較例2,3に対して、耐摩耗性を大幅に悪化させることなく、氷上制動性能が大幅に向上していた。また、代表的なセルロース粒子である植物性粒状体を配合した比較例7やセルロース微粉末を配合した比較例8に対しても、氷上制動性能が大幅に向上していた。
また、多孔性セルロース粒子と植物性粒状体を併用した実施例6、多孔性セルロース粒子と竹炭粉砕物と植物性粒状体の三者を組み合わせた実施例7,8では、氷上制動性能の更なる向上効果が得られた。
なお、比較例4は、多孔性セルロース粒子であるが、平均粒径が大きいものであったため、耐摩耗性が大きく悪化した。また、多孔性セルロース粒子の配合量が少なすぎる比較例5では、氷上制動性能の改良効果が不十分であり、また、その配合量が多すぎる比較例6では、耐摩耗性が大幅に悪化していた。
本発明に係るゴム組成物は、スタッドレスタイヤ、スノータイヤなどの冬用タイヤ、産業車両用タイヤなどの各種空気入りタイヤを始めとして、靴底、マット類、床材等の防滑性が要求されるゴム製品に広く利用することができる。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対し、空隙率が75〜95%で平均粒径が1000μm以下の多孔性セルロース粒子を0.3〜20重量部配合してなるゴム組成物。
  2. 前記多孔性セルロース粒子は、長径/短径の比が1〜2である球状粒子である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 種子の殻又は果実の核を粉砕してなる植物性粒状体、及び/又は、植物の多孔質性炭化物の粉砕物を、更に配合してなる請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物からなるトレッドを備えた空気入りタイヤ。
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