JP2011011457A - 多層フッ素樹脂基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿度下等の過酷な環境においても絶縁層(フッ素樹脂層、ポリイミド樹脂層)と無機基板の接着に優れ、かつ耐熱性、難燃性、寸法安定性、電気特性、信頼性に優れた基板を提供する。
【解決手段】(B)ポリイミド樹脂層/(A)フッ素樹脂層/(C)無機基板がこの順に積層されてなる多層フッ素樹脂基板で、該多層フッ素樹脂基板中(A)層(B)層積層体の線膨張係数、(C)無機基板の線膨張係数、(A)層の厚さ比、を所定範囲内とする多層フッ素樹脂基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス基板やセラミック基板、半導体基板などの無機基板をコアなどに用いた多層構造を有する多層基板に関し、さらに詳しくは、ガラス基板やセラミック基板、半導体基板などの無機基板とポリイミドフィルムを、熱可塑性フッ素樹脂層を介して積層する事により絶縁層を形成してなる高周波用多層基板に関する。
一般に、高周波領域における信号伝送において、伝送速度の向上とノイズの低減が求められており、プリント回路やアンテナ基板においても基板材料、配線技術、回路形態等からの検討が進められている。
従来、高周波帯域用のプリント回路やアンテナ等に用いられる基板としては、ガラス繊維やアラミド繊維からなる織物、不織物、紙などの補強材と、プラスチックの中では最も小さい誘電率を有するフッ素樹脂からなる複合シートが知られている(特許文献1参照)。これらの基板は補強材とフッ素樹脂との密着性を確保することが難しいため界面に気泡などが出来やすくなり信頼性に欠けるという問題点があった。また、補強材の斑に起因するノイズも問題となっていた。これらの問題点を解決する方法として、フッ素樹脂のみからなる基板が開示されている(特許文献2参照)。しかし、フッ素樹脂の機械特性である引張り強度、伸度は室温でポリオレフィンと同等である。また、線膨張係数は60ppm/℃〜160ppm/℃であり(非特許文献1参照)、例えば線膨張係数が約2.0ppm/℃〜6.0ppm/℃であるガラス基板やセラミック基板、半導体基板などの無機基板と積層した際は、互いの線膨張係数の乖離が大きく、使用中に剥離してしまう恐れや反りが発生する恐れがあった。さらに、これらの問題点を解決する方法として、ポリイミド樹脂と積層し、フッ素樹脂の線膨張係数を抑制した例がある(特許文献3、4参照)(非特許文献2参照)。しかし、この方法で得られた積層体の線膨張係数は、銅箔を目標としているため、無機基板と積層した際の上記問題点を解決するものではない。
特開2003−171480号公報 特開平 07-038215号公報 特開2005-310973号公報 特開2006-059865号公報
「フッ素樹脂ハンドブック 改訂11版」、日本弗素樹脂工業会、P8〜P15 「プリント回路ハンドブック 全訂第2版」、近代科学社、P25−25〜P25−26
本発明は上記課題を解決し、高温高湿度下等の過酷な環境においても絶縁層(フッ素樹脂層、ポリイミド樹脂層)と無機基板の接着に優れ、かつ耐熱性、難燃性、寸法安定性、電気特性、信頼性に優れた基板を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、下記の構成によるものである。
1.(B)ポリイミド樹脂層/(A)フッ素樹脂層/(C)無機基板がこの順に積層されてなる多層フッ素樹脂基板において、該多層フッ素樹脂基板中(A)層(B)層積層体の線膨張係数が0ppm/℃〜10ppm/℃であり、(C)無機基板の線膨張係数が0ppm/℃〜10ppm/℃であり、(A)層の厚さ比{(A)層/(A)(B)層積層体}が1.0%〜35%であり、かつ該(A)層がテトラフルオロエチレン・パ−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)のいずれかからなる熱可塑性フッ素樹脂の層である多層フッ素樹脂基板。
2.(A)層が、官能基含有熱可塑性フッ素樹脂の層である1.の多層フッ素樹脂基板。
3.(B)層が、ポリイミドベンゾオキサゾール成分を有するポリイミドの層であり、線膨張係数が−10ppm/℃〜10ppm/℃である1.または2.の多層フッ素樹脂基板。
4.(A)層の厚みが1.0μm〜25μmであり、かつ(B)層の厚みが1.0μm〜75μmである1.〜3.いずれかの多層フッ素樹脂基板。
5.(A)層の室温での貯蔵弾性率:E’(A)と(B)層の室温での貯蔵弾性率:E’(B)の比{E’(A)/E’(B)}が2.0%〜20%である1.〜4.いずれかの多層フッ素樹脂基板。
6.(C)無機基板が、セラミック基板、ガラス基板、および/または半導体基板である1.〜5.いずれかの多層フッ素樹脂基板。
本発明の(B)ポリイミド樹脂層/(A)フッ素樹脂層/(C)無機基板がこの順に積層されてなる多層フッ素樹脂基板は、(A)層(B)層積層体がポリイミド樹脂の特長である低い線膨張係数、高い力学特性と、フッ素樹脂の特長である低い誘電率、低い吸水率を両立し、さらに、無機基板の線膨張係数である2ppm/℃〜6ppm/℃との乖離が小さいことから、高温高湿などの環境下においても、反りや歪みを殆ど生じなく、その結果得られたプリント回路やアンテナ基板などの品質、生産時の歩留まりも向上する。
即ち、本発明の多層フッ素樹脂基板は、高温高湿時において層間剥離が発生せず、かつ耐熱性、難燃性、寸法安定性、電気特性、信頼性に優れるため、極めて有意義である。
櫛型パターンの一例を示す概略図である。
以下、本発明を詳述する。
本発明で用いる(A)フッ素樹脂層は、フッ素樹脂溶融体を流延してフィルムとなす方法で得られるフッ素樹脂フィルム、また前記フッ素樹脂溶融体をポリイミド樹脂層(フィルム)に塗布して形成した層などであるが、取り扱いや生産性などからフッ素樹脂フィルムの形態が好ましい。
前記フッ素樹脂は、一般成形に用いられている従来公知の熱可塑性フッ素樹脂から適宜選択して使用することができる。
熱可塑性フッ素樹脂の例として、不飽和フッ素化炭化水素、不飽和フッ素化塩素化炭化水素、エーテル基含有不飽和炭化水素などの重合体又は共重合体、またはこれら不飽和フッ素化炭化水素類とエチレンの共重合体などを挙げることができる。具体的な例としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテ)、ビニリデンフルオライド及びビニルフルオライドから選ばれるモノマーの重合体又は共重合体、あるいはこれらモノマーとエチレンの共重合体などを挙げることができる。
熱可塑性フッ素樹脂のより具体的な例として、テトラフルオロエチレン・パ−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエテレン・エチレン共重合体(ECTFE)などを挙げることができる。
中でも、耐熱性、難燃性、および電気特性の点から、全フッ素の共重合体であるテトラフルオロエチレン・パ−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)が好ましい。
前記フッ素樹脂は、官能基含有熱可塑性フッ素樹脂を使用するのがより好ましい。 官能基を含有しない熱可塑性フッ素樹脂を用いると、実用に耐え得る接着性を得るためにポリイミドフィルムをホ−ニング処理、コロナ処理、プラズマ処理、イオンガン処理、エッチング処理等の表面処理を行う必要があるため、コストが高くなる恐れがある。
官能基を含有する熱可塑性フッ素樹脂としては、カルボン酸基又はその誘導基、水酸基、ニトリル基、シアナト基、カルバモイルオキシ基、ホスホノオキシ基、ハロホスホノオキシ基、スルホン酸基又はその誘導基及びスルホハライド基から選ばれる官能基を含有する熱可塑性フッ素樹脂(官能基含有フッ素樹脂)を挙げることができる。このように官能基含有フッ素樹脂は、通常前記一般成形に用いられる熱可塑性フッ素樹脂に、その性質を大きく損なわない範囲で前記官能基を含有させたものが使用される。このような官能基含有フッ素樹脂を得るには、例えば一般成形に用いられる前記例で示すような熱可塑性フッ素樹脂を合成しておき、後からこれら官能基を付加あるいは置換することにより導入するか、あるいは前記例示の熱可塑性フッ素樹脂の合成時にこれら官能基を持ったモノマーを共重合させることによって得ることができる。
前記官能基の具体例として、―COOH、−CH2COOH、−COOCH3、−CONH2、−OH、−CH2OH、−CN、−CH2O(CO)NH2、−CH2OCN、−CH2OP(O)(OH)2、−CH2OP(O)Cl2、−SO2Fなどの基を例示することができる。これらの官能基は、官能基を有するフッ素含有モノマーをフッ素樹脂製造時に共重合することによりフッ素樹脂中に導入するのが好ましい。
これら官能基を含有するモノマーは、官能基含有フッ素樹脂中に0.5〜10重量%の量で共重合されていることが好ましい、より好ましくは1.0〜5.0重量%である。官能基を含有するモノマーの、官能基含有フッ素樹脂中の分布は、均一でも不均一でも良い。官能基含有フッ素樹脂中における官能基含有モノマーの含有割合が少なすぎると相溶化剤としての効果が少なく、一方その含有割合が多くなると官能基含有フッ素樹脂同士の強い相互作用で架橋反応に類似した反応が起こる可能性があり、粘度が急に増加し溶融成形が困難になる場合がある。また、官能基含有モノマーの含有割合が多くなると官能基含有フッ素樹脂の耐熱性が悪くなる傾向がある。
前記官能基含有フッ素樹脂の粘度あるいは分子量にはとくに制限がないが、これら官能基含有フッ素樹脂を配合する一般成形用の熱可塑性フッ素樹脂の粘度あるいは分子量を越えない範囲であって、好ましくは同じレベルのものがよい。
前記フッ素樹脂は、帯電防止性を付与する帯電防止剤の0.1〜2質量%を含有することも好ましい。帯電防止剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤等の界面活性剤が好ましい。
前記フッ素樹脂は、誘電率や誘電正接を低くする無機フィラーを含有することも好ましい。無機フィラーとしては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルーン、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルーン、木粉、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。
前記無機フィラーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもより。無機フィラーの含有量はフッ素樹脂に対して1〜100質量%が好ましい。また、これらの無機フィラーが多孔質であることが誘電率や誘電正接がさらに低くなるので好ましい。
前記フッ素樹脂層の厚さは、1.0μm〜25μmが好ましく、より好ましくは1.0μm〜20μm、さらに好ましくは1.0μm〜17.5μmである。膜厚が25μmより厚いと、ポリイミド樹脂層と多層化しても、無機基板と同等レベルまで線膨張係数を抑えるのは困難である。一方、膜厚が1.0μmより薄いと、フッ素樹脂による電気特性の向上、吸水性の低減、接着性の向上等の表面改質効果が小さくなるため好ましくない。
前記フッ素樹脂層の貯蔵弾性率:E’(A)は特に限定されず、前記組成のフッ素樹脂を用いれば一般的に0.3GPa〜1.0GPaの値を取ることが知られている。
また、前記フッ素樹脂層の線膨張係数は特に限定されず、前記組成のフッ素樹脂を用いれば一般的に60ppm/℃〜160ppm/℃の値を取ることが知られている。
さらに、高周波対応の観点からフィルムの誘電率、および誘電正接は小さい方が好ましい。前記フッ素樹脂層の誘電率、および誘電正接は特に限定されず、前記組成のフッ素樹脂を用いれば一般的に低い値を取ることが知られている。具体的には、1MHzにおける誘電率は2.0〜2.2であり、1MHzおける誘電正接は3.0×10−4〜5.0×10−4である。
前記フッ素樹脂層の表面には、必要に応じてカップリング剤(アミノシラン、エポキシシランなど)による処理、サンドプラスト処理、ホ−リング処理、コロナ処理、プラズマ処理、イオンガン処理、エッチング処理などに供してもよい。
本発明で用いる(B)ポリイミド樹脂層は、例えば芳香族テトラカルボン酸類(無水物、酸、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)と芳香族ジアミン類(アミン、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を流延、乾燥、熱処理(イミド化)してフィルムとなす方法で得られるポリイミドフィルム、また前記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂層(フィルム)に塗布し乾燥、熱処理(イミド化)して形成した層などであるが、取り扱いや生産性などからポリイミドフィルムの形態が好ましい。
以下主にポリイミドフィルムについて詳述する。
前記ポリイミドは、特に限定されるものではないが、下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との組み合わせ。
B.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.ジフェニルエーテル骨格を有する芳香族ジアミン類とピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
中でも特にA.のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン残基を有するポリイ
ミドフィルムが好ましい。
前記のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類の分子構造は特に限定されるものではなく、具体的には以下のものが挙げられる。これらのジアミンは全ジアミンの70モル%以上することが好ましく、より好ましくは80モル%以上である。
Figure 2011011457
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これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましく、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールがより好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
さらに、全ジアミンの30モル%以下であれば下記に例示されるジアミン類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記の芳香族テトラカルボン酸無水物類の分子構造は特に限定されるものではなく、具体的には、以下のものが挙げられる。これらの酸無水物は全酸無水物の70モル%以上することが好ましく、より好ましくは80モル%以上である。
Figure 2011011457
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Figure 2011011457
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
さらに、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%以下であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
さらに、ポリイミドにシリカ粒子をナノ分散した、ポリイミド−シリカハイブリッド(荒川化学工業社製、商品名:コンポセラン)を用いてもよい。
前記の芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応(重合)させてポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの重量が、通常5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/または混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルム(自己支持性の前駆体フィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
支持体上に塗布したポリアミド酸を乾燥してグリーンシートを得る条件は特に限定はなく、温度としては70〜150℃が例示され、乾燥時間としては、5〜180分間が例示される。そのような条件を達する乾燥装置も従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。次いで、得られたグリーンシートから目的のポリイミドフィルムを得るために、イミド化反応を行わせる。その具体的な方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、必要により延伸処理を施した後に、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)が挙げられる。この場合の加熱温度は100〜500℃が例示され、フィルム物性の点から、より好ましくは、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
別のイミド化反応の例として、ポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることもできる。この方法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
前記ポリイミド樹脂層を形成するポリイミドフィルムの厚さは、1.0μm〜75μmが好ましく、より好ましくは1.0μm〜60μm、さらに好ましくは1.0μm〜50μmである。膜厚が75μmより厚いものは、電子部品の軽小化という目的からして好ましくない。また、積層体全体に対するポリイミドの比率が高くなり、吸水率や電気特性といった物性に悪影響を与えるため好ましくない。一方、膜厚が1.0μmより薄いと、搬送中に破断しやすく、また皺も入りやすいため製膜が非常に困難である。
前記ポリイミド樹脂層を形成するポリイミドフィルムの貯蔵弾性率:E’(B)は、特に限定されないが、6.0GPa以上が好ましく、より好ましくは7.0GPa以上、さらに好ましくは8.0GPa以上である。引張破断強度が6GPaより小さいと、ポリイミドフィルムによるフッ素樹脂層の補強効果が得られない恐れがある。
また、前記ポリイミド樹脂層を形成するポリイミドフィルムの線膨張係数は−10ppm/℃〜10ppm/℃であることが好ましく、より好ましくは−7.5ppm/℃〜7.5ppm/℃、さらに好ましくは−5ppm/℃〜5ppm/℃である。線膨張係数がこの範囲を超えると、半田付けなどの高温暴露において歪みや皺が発生する恐れがある。
前記ポリイミド樹脂層を形成するポリイミドフィルムには、必要に応じてカップリング剤(アミノシラン、エポキシシランなど)による処理、サンドプラスト処理、ホ−リング処理、コロナ処理、プラズマ処理、イオンガン処理、エッチング処理などに供してもよい。
本発明の多層フッ素樹脂基板における、(A)層(B)層積層体の線膨張係数は0ppm/℃〜10ppm/℃であることが好ましく、より好ましくは0ppm/℃〜9.0ppm/℃、さらに好ましくは0ppm/℃〜8.0ppm/℃である。線膨張係数がこの範囲を超えると、線膨張係数が2.0ppm/℃〜6.0ppm/℃であるガラス基板やセラミック基板、半導体基板などの無機基板と積層した際に、互いの線膨張係数の乖離が大きく、使用中に剥離してしまう恐れや、反りが発生する恐れがある。
(A)層(B)層積層体の線膨張係数を0ppm/℃〜10ppm/℃の範囲内にするためには、(A)層(B)層積層体における(A)層の厚さ比{全(A)層/(A)層(B)層積層体}が1.0%〜35%であり、かつ(A)層の室温での貯蔵弾性率:E’(A)と(B)層の室温での貯蔵弾性率:E’(B)の比{E’(A)/E’(B)}が2.0%〜20%であることが好ましく、より好ましくは厚さ比が5.0%〜35%、かつ貯蔵弾性率比が2.5%〜15%であり、さらに好ましくは厚さ比が10%〜35%、かつ貯蔵弾性率比が3.0%〜10%である。厚さ比、もしくは貯蔵弾性率比をこの範囲とすることで、目標とする線膨張係数の(A)層(B)層積層体を得ることができる。
本発明で用いる多層フッ素樹脂基板の積層方法は、特に限定されるものではないが、例えば、
(1)ポリイミドフィルム/フッ素樹脂フィルム/無機基板を配し、熱プレスにより積層させる方法
(2)共押し出しによる方法、ポリイミドフィルム上にフッ素樹脂を流延する方法、ポリイミドフィルムの前駆体フィルム上にフッ素樹脂を流延しイミド化する方法、などで得た(A)層(B)層積層体を、無機基板との熱プレスにより積層させる方法
(3)無機基板上にフッ素樹脂を設けた後に、ポリイミドフィルムを熱プレスにより積層させる方法
などが挙げられる。
本発明で用いる線膨張係数が0ppm/℃〜10ppm/℃の無機基板としては、ガラス基板、セラミック基板、半導体基板などが例示される。
ガラス基板としては、従来公知のガラス基板が使用でき、例えばソーダライムガラス、ソーダカリガラス、ソーダアルミケイ酸塩ガラス、アルミノボレ−トガラス、アルミノボロシリケートガラス、低膨張ガラス、石英ガラス等のガラスからなるものが挙げられる。またガラス基板にスルーホール、導体回路や抵抗やインダクタ、コンデンサを設けたものであってもよい。
セラミック基板としては、従来公知のセラミック基板が使用でき、例えばアルミナ、ジルコニア、ムライト、コディライト、ステアタイト、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックからなるものが挙げられる。またセラミック基板にスルーホール、導体回路や抵抗やインダクタ、コンデンサを設けたものであってもよい。
半導体基板としては、シリコンウェハーに代表される従来公知の半導体基板が使用でき、例えばシリコン(Si)ウェハー、ゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)、錫(Sn)、テルル(Te)などの元素系半導体や、ガリウム砒素(GeAs)、GaP、GaSb、AlP、AlAs、AlSb、InP、InAs、InSb、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、AlGaAs、GaInAs、AlInAs、AlGaInAs等の半導体からなるものが挙げられる。また半導体基板にスルーホール、導体回路や抵抗やインダクタ、コンデンサを設けたものであってもよい。
本発明の導体として用いる金属は、特に限定されるものではないが、銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、アルミニウム、鉄、クロム、亜鉛、錫、黄銅、白銅、青銅、モネル、モリブデン、タングステン、錫鉛系半田、錫銅系半田、錫銀系半田、等の単独又はそれらの合金が用いられる。特に、銅を用いるのが性能と経済性のバランスにおいて好ましい実施態様である。
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(又は、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.厚さ
測定対象のフィルムについて、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.貯蔵弾性率
測定対象のフィルムについて、下記条件で粘弾性測定(DMA)を行い、25℃における貯蔵弾性率:E’の値を求めた。
装置名 : ユービーエム社製 Rheogel−E4000
冶具 : 伸張冶具
試料長さ : 14mm
試料幅 : 5mm
周波数 : 10Hz
昇温開始温度 : 0℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : 窒素
4.線膨張係数(CTE)
測定対象のフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、90〜100℃、100〜110℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃から300℃までの全測定値の平均値をCTE(平均値)として算出した。
装置名 : MACサイエンス社製 TMA4000S
サンプル長さ : 10mm
サンプル幅 : 2mm
昇温開始温度 : 25℃
昇温終了温度 : 400℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : アルゴン
5.融点
測定対象のフィルムについて、下記条件で示差走査熱量測定(DSC)を行い、融点(Tm)をJIS K 7121に準拠して求めた。
装置名 : MACサイエンス社製 DSC3100S
パン : アルミパン(非気密型)
試料質量 : 4mg
昇温開始温度 : 30℃
昇温終了温度 : 400℃
昇温速度 : 20℃/min
雰囲気 : アルゴン
6.誘電率、誘電正接
測定対象のフッ素樹脂フィルムについて、3mm(厚さ)×200mm×120mmの大きさに切断し試験フィルムを作成した。試験フィルムの両面に導電ペーストを塗布して配線し、1MHzにおける誘電率および誘電正接を測定した。
7.剥離強度
ポリイミドフィルム/フッ素樹脂フィルム/無機基板間の剥離強度は下記条件で180°剥離試験を行うことで求めた。
装置名 : 島津製作所社製 オートグラフAG−IS
サンプル長さ : 100mm
サンプル幅 : 10mm
測定温度 : 25℃
剥離速度 : 50mm/min
雰囲気 : 大気
《基板の評価》耐湿熱性
ポリイミドフィルム/フッ素樹脂フィルム/無機基板から成る各多層フッ素樹脂基板につき、JEDEC LEVEL1条件下(85℃/85%RH−168hr+245℃/3sec×3回)で処理を行い、試験後の剥離強度を評価した。また、試験後の外観検査により、剥がれ,膨れ,変色の全く見られないものを○、剥がれ,膨れ,変色が僅か見られるものを△、剥がれ,膨れ,変色が見られるものを×とした。
《基板の評価》耐熱性
ポリイミドフィルム/フッ素樹脂フィルム/無機基板から成る各多層フッ素樹脂基板につき、ステンレスメッシュ性の籠に入れ、大気中で250℃−24hr、加熱処理を行い試験後の剥離強度を評価した。また、試験後の外観検査により、剥がれ,膨れ,変色の全く見られないものを○、剥がれ,膨れ,変色が僅か見られるものを△、剥がれ,膨れ,変色が見られるものを×とした。
《基板の評価》耐マイグレーション性
40μmピッチの櫛形パターン(図1)を形成したポリイミドフィルム/フッ素樹脂フィルム/無機基板から成る各テスト用多層フッ素樹脂基板に電圧(DC60V)を印荷し、85℃・85%RHの恒温恒湿槽(FX412Pタイプ、エタック社製)の中に入れ電圧負荷状態のまま5分毎に絶縁抵抗値を測定し、線間の抵抗値が100Mオーム以下に達する時間を測定し、1000時間以上を○、1000時間未満を×として評価した。
〔製造例1〕
(ポリイミドフィルムAの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液Aが得られた。この還元粘度は3.9dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Aを、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目475℃×4分間の熱処理を行い、テンター通過後20分間に6本のロールを通過させて両面フリーのプロセスを与え、最終的に500mm幅にスリットして、ポリイミドフィルムA1〜A4を得た。
得られたポリイミドフィルムA1〜A4の物性値を表1に示す。
次いで、スパッタリング、めっきを行った。
ポリイミドフィルムA1〜A4をA4サイズに切り取り、開口部を有するステンレス製の枠に挟んで固定した。この枠をスパッタリング装置内の基板ホルダーに固定した。基板ホルダーと、ポリイミドフィルムは密着するように固定する。このため、基板ホルダー内に冷媒を流すことによってポリイミドフィルムの温度を設定できる。次いで、ポリイミドフィルム表面のプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件はアルゴンガス中で、周波数13.56MHz、出力200W、ガス圧1×10−3Torrの条件であり、処理時の温度は2℃、処理時間は2分間であった。次いで、周波数13.56MHz、出力450W、ガス圧3×10−3Torrの条件、ニッケル−クロム(クロム10質量%)合金のターゲットを用い、アルゴン雰囲気下にてDCマグネトロンスパッタリング法により、1nm/秒のレートで厚さ7nmのニッケル−クロム合金被膜(下地層)を形成し、その後、基板の温度を2℃に設定するよう、基板のスパッタ面の裏面を2℃に温度コントロールした冷媒を中に流した。次いで、基板ホルダーのSUSプレートと接する状態でスパッタリングを行い、厚さ0.25μmの銅薄膜を形成させ、片面下地金属薄膜形成ポリイミドフィルムA1〜A4を得た。ここで、銅およびNiCr層の厚さは蛍光X線法によって確認した。得られた片面下地金属薄膜形成ポリイミドフィルムA1〜A4をプラスチック製の枠に固定し、硫酸銅めっき浴をもちいて、厚さ9μmの銅層を形成した。電解めっき条件は電解めっき液(硫酸銅80g/l、硫酸210g/l、HCl、光沢剤少量)に浸漬、電気を1.5Adm流した。引き続き120℃で10分間熱処理乾燥し、片面に銅層を形成したポリイミドフィルムである銅貼り積層板(CCL)A1〜A4を得た。
次いで、パターン形成を行った。
銅貼り積層板(CCL)A1〜A4を使用し、フォトレジスト(FR−200、シプレー社製)を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cmのスプレー圧でエッチングし、評価試験に必要な図1に示すような「櫛形パターン」である、導体幅と導体間隔は40μm/40μm、パターン本数は片側20本のテストパターンを形成後、洗浄、125℃、1時間のアニール処理を行い、パターン付銅貼り積層板A1〜A4を得た。
〔製造例2〕
(ポリイミドフィルムBの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ジアミノジフェニルエーテル200質量部、N−メチル−2−ピロリドン4170質量部を加えて完全に溶解させた後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え、25℃の反応温度で5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。この還元粘度は3.6dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Bを、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目400℃×4分間の熱処理を行い、テンター通過後20分間に6本のロールを通過させて両面フリーのプロセスを与え、最終的に500mm幅にスリットして、ポリイミドフィルムBを得た。
得られたポリイミドフィルムBの物性値を表1に示す。
次いで、製造例1と同様の方法でスパッタリング、めっき、およびパターン形成を行い、銅貼り積層板(CCL)B、パターン付銅貼り積層板Bを得た。
〔製造例3〕
(ポリイミドフィルムCの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、フェニレンジアミン108質量部、N−メチル−2−ピロリドン4010質量部を加えて完全に溶解させた後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)と、ジフェニルテトラカルボン酸二無水物292.5質量部を加え、25℃の反応温度で12時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。この還元粘度は4.3dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Cを、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目460℃×4分間の熱処理を行い、テンター通過後20分間に6本のロールを通過させて両面フリーのプロセスを与え、最終的に500mm幅にスリットして、厚さ25μmのポリイミドフィルムCを得た。
得られたポリイミドフィルムCの物性値を表1に示す。
次いで、製造例1と同様の方法でスパッタリング、めっき、およびパターン形成を行い、銅貼り積層板(CCL)C、パターン付銅貼り積層板Cを得た。
Figure 2011011457
〔製造例4〕
(フッ素樹脂フィルムの作成)
市販のフッ素樹脂を用い、従来公知の手法にてフッ素樹脂フィルムを作成した。
得られたフッ素樹脂フィルムの種類とその物性を表2、3に示す。
Figure 2011011457
Figure 2011011457
〔実施例1〕
150mm×150mmのサイズに切り出したポリイミドフィルムA1の片面に官能基含有フッ素樹脂フィルムD1を配し、フッ素樹脂フィルムの融点以上である330℃、5MPaにて30分間加熱加圧成形を行い、(A)層(B)層積層体を得た。得られた(A)層(B)層積層体の厚さ比、貯蔵弾性率比、および線膨張係数の評価結果を表4に示す。
一方、150mm×150mmのサイズに切り出したポリイミドフィルムA1の片面に官能基含有フッ素樹脂フィルムD1、ガラス基板(コーニング社製、商品名:1737ガラス、厚さ1.0mm、線膨張係数3.0ppm/℃)をこの順に配し、フッ素樹脂フィルムの融点以上である330℃、5MPaにて30分間加熱加圧成形を行い、多層フッ素樹脂基板を得た。得られた多層フッ素樹脂基板の耐湿熱性、耐熱性の評価結果を表4に示す。
さらに、150mm×150mmのサイズに切り出したパターン付銅貼り積層板A1のポリイミドフィルムA1面に官能基含有フッ素樹脂フィルムD1、ガラス基板(コーニング社製、商品名:1737ガラス、厚さ1.0mm、線膨張係数3.0ppm/℃)をこの順に配し、フッ素樹脂フィルムの融点以上である330℃、5MPaにて30分間加熱加圧成形を行い、テスト用多層フッ素樹脂基板を得た。得られたテスト用多層フッ素樹脂基板の耐マイグレーション性の評価結果を表4に示す。
〔実施例2〜4〕
官能基含有フッ素樹脂フィルムD1の代わりに官能基含有フッ素樹脂フィルムD2〜D4を使用する以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2011011457
〔実施例5〜8〕
ポリイミドフィルムA1の代わりにポリイミドフィルムA2を、パターン付銅貼り積層板A1の代わりにパターン付銅貼り積層板A2を使用する以外は、実施例1〜4と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2011011457
〔実施例9、10〕
ポリイミドフィルムA1の代わりにポリイミドフィルムA3を、パターン付銅貼り積層板A1の代わりにパターン付銅貼り積層板A3を使用する以外は、実施例2、3と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表6に示す。
〔実施例11〕
ガラス基板の代わりにセラミック基板(日本カーバイド工業社製、商品名:アルミナセラミック、厚さ1.0mm、線膨張係数6.0ppm/℃)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表6に示す。
〔実施例12〕
ガラス基板の代わりにシリコンウェハー(直径約100mm、厚さ0.25mm、線膨張係数2.0ppm/℃)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表6に示す。なお、フッ素樹脂フィルムは、シリコンウェハーのミラー面と接するよう積層した。
Figure 2011011457
〔実施例13〜16〕
A4サイズに切り出したポリイミドフィルムA1、およびパターン付銅貼り積層板A1を日放電子製プラズマ処理機にセットし、真空度:3×10Pa、ガス流量:1.5SLM、放電電力:12KW、ガス種:酸素 の条件で減圧プラズマ処理を行い、プラズマ処理ポリイミドフィルムA1、およびプラズマ処理パターン付銅貼り積層板A1を得た。
ポリイミドフィルムA1の代わりにプラズマ処理ポリイミドフィルムA1を、パターン付銅貼り積層板A1の代わりにプラズマ処理パターン付銅貼り積層板A1を、官能基含有フッ素樹脂フィルムD1の代わりに官能基未含有フッ素樹脂フィルムE(Fluon PFA、旭硝子社製)、F(ネオフロン PFA、ダイキン工業社製)、G(ネオフロン FEP、ダイキン工業社製)、H(EPE、ダイキン工業社製)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表7に示す。
Figure 2011011457
〔比較例1、2〕
ポリイミドフィルムA1の代わりにポリイミドフィルムB、Cを、パターン付銅貼り積層板A1の代わりにパターン付き銅貼り積層板B、Cを使用する以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表8に示す。
ポリイミドフィルムの線膨張係数が大きいと、得られる(A)層(B)層積層体の線膨張係数も大きくなり、ガラス基板の線膨張係数との乖離が大きくなるため、信頼性試験後の接着性および品位が低下した。
〔比較例3、4〕
官能基含有フッ素樹脂フィルムD1の代わりに官能基含有フッ素樹脂フィルムI(Fluon LM−ETFE AH2000、旭硝子社製)、J(ネオフロン EFEP RP5000、ダイキン工業社製)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表8に示す。
ETFEは、PFA、FEP、EPE等の全フッ素系の樹脂と比較して、耐熱性、耐湿熱性、および電気特性に劣るため、信頼性試験後の接着性および品位が低下した。
Figure 2011011457
〔比較例5、6〕
官能基未含有フッ素樹脂フィルムEの代わりに官能基未含有フッ素樹脂フィルムK(Fluon ETFE、旭硝子社製)、L(ネオフロン ETFE、ダイキン工業社製)を使用する以外は、実施例13と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表9に示す。
ETFEは、PFA、FEP、EPE等の全フッ素系の樹脂と比較して、耐熱性、耐湿熱性、および電気特性に劣るため、信頼性試験後の接着性および品位が低下した。
〔比較例7〜9〕
ポリイミドフィルムA1の代わりにポリイミドフィルムA4を、パターン付銅貼り積層板A1の代わりにパターン付き銅貼り積層板A4を使用する以外は、実施例1〜3と同様の方法で積層体を作成し、評価した。評価結果を表9に示す。
フッ素樹脂の厚さ比が大きすぎると、得られる(A)層(B)層積層体の線膨張係数も大きくなり、ガラス基板の線膨張係数との乖離が大きくなるため、信頼性試験後の接着性および品位が低下した。
Figure 2011011457
本発明の(B)ポリイミド樹脂層/(A)フッ素樹脂層/(C)無機基板がこの順に積層されてなる多層フッ素樹脂基板は、(A)層(B)層積層体がポリイミド樹脂の特長である低い線膨張係数、高い力学特性と、フッ素樹脂の特長である低い誘電率、低い吸水率を両立し、さらに、無機基板の線膨張係数である2ppm/℃〜6ppm/℃との乖離が小さいことから、高温高湿などの環境下においても、反りや歪みを殆ど生じなく、その結果得られたプリント回路やアンテナ基板などの品質、生産時の歩留まりも向上する。
即ち、本発明の多層フッ素樹脂基板は、高温高湿時において層間剥離が発生せず、かつ耐熱性、難燃性、寸法安定性、電気特性、信頼性に優れるため、産業上極めて有意義なものである。

Claims (6)

  1. (B)ポリイミド樹脂層/(A)フッ素樹脂層/(C)無機基板がこの順に積層されてなる多層フッ素樹脂基板において、該多層フッ素樹脂基板中(A)層(B)層積層体の線膨張係数が0ppm/℃〜10ppm/℃であり、(C)無機基板の線膨張係数が0ppm/℃〜10ppm/℃であり、(A)層の厚さ比{(A)層/(A)(B)層積層体}が1.0%〜35%であり、かつ該(A)層がテトラフルオロエチレン・パ−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)のいずれかからなる熱可塑性フッ素樹脂の層である多層フッ素樹脂基板。
  2. (A)層が、官能基含有熱可塑性フッ素樹脂の層である請求項1に記載の多層フッ素樹脂基板。
  3. (B)層が、ポリイミドベンゾオキサゾール成分を有するポリイミドの層であり、線膨張係数が−10ppm/℃〜10ppm/℃である請求項1または2に記載の多層フッ素樹脂基板。
  4. (A)層の厚みが1.0μm〜25μmであり、かつ(B)層の厚みが1.0μm〜75μmである請求項1〜3いずれかに記載の多層フッ素樹脂基板。
  5. (A)層の室温での貯蔵弾性率:E’(A)と(B)層の室温での貯蔵弾性率:E’(B)の比{E’(A)/E’(B)}が2.0%〜20%である請求項1〜4いずれかに記載の多層フッ素樹脂基板。
  6. (C)無機基板が、セラミック基板、ガラス基板、および/または半導体基板である請求項1〜5いずれかに記載の多層フッ素樹脂基板。
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