JP2007077231A - ポリイミドフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とが重縮合してなるポリイミド(A)30〜98質量部と、体積平均粒子径が1.2〜15.0μmの体質顔料(B)2〜70質量部とを主成分とするポリイミドフィルム、又はこのポリイミドフィルムの少なくとも一方の面の表層に体質顔料を含まないポリイミド(C)の層が形成されたポリイミドフィルム。
【選択図】なし
Description
一般に高分子素材は圧縮弾性率が低いため、曲げ応力が加わった場合に曲がりやすく、柔軟性がある反面、高い剛性、スティフネスが必要な場合には、厚みによりコシの強さを出すという選択をせざるを得ない。
材料の強度や弾性率を上げるために粉体を配合し粉体補強複合材料する手法は一般に知られている。ポリイミド樹脂に粉体を配合するアイデア(特許文献1参照)も、提案されている。当該文献には、ポリイミド基板がフィラーを混合したポリイミド系樹脂からなることを特徴とするポリイミド基板を有した電子部品が開示され、フィラーとしては高熱伝導材料、低線膨張係数材料、磁性体材料、誘電体材料が例示されているが、具体的な例示はない。フィラーを配合した液状樹脂を何らかの基板上にスクリーン印刷し、乾燥、熱処理、硬化させるもので、フィラーを含むポリイミド樹脂のフィルムを意図したものではなく、材料の強度に関する開示もされていない。
1.ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とが重縮合してなるポリイミド(A)30〜98質量部と、体質顔料(B)2〜70質量部とを主成分とするポリイミドフィルム。
2.体質顔料の体積平均粒子径が1.2〜15.0μmである1.記載のポリイミドフィルム。
3.上記1.又は2.記載のポリイミドフィルムの少なくとも一方の面の表層に体質顔料を含まないポリイミド(C)の層が形成されたポリイミドフィルム。
本発明のポリイミドフィルムに用いられるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上使用することが好ましい。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種又は二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0dl/g以上が好ましく、4.0dl/g以上がさらに好ましい。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥するなどによりポリイミドフィルムの前駆体フィルム(以下グリーンフィルムともいう)を得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜500℃が例示され、好ましくは200〜480℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、後述するプリント配線基板用ベース基板に用いることを考慮すると、通常1〜150μm、好ましくは3〜50μmである。 またスティフナーとして使用する場合には15〜150μm、さらには25〜150μm、なおさらには60〜150μmの厚みが好ましい。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
本発明のフィラー形状は特に限定されず、球形、不定形、鱗片状形態などを用いることができる、特にスティフナーとしての用途に用いる場合には鱗片状形態が好ましい。
また、本発明における体質顔料の配合量は、ポリイミド(A)が30〜98質量部と、体質顔料(B)が2〜70質量部とを主成分とする場合が好ましく、配合量がこの範囲に満たないと十分なスティフネスが得られず、この範囲を超えるとフィルムの強度が著しく低くなり、ハンドリングが困難となる。
体質顔料配合量は、ポリイミド(A)が40〜95質量部と、体質顔料(B)が5〜60質量部が好ましく、さらにはポリイミド(A)が50〜90質量部と、体質顔料(B)が10〜50質量部が好ましい。
本発明のポリイミドフィルムの表層(少なくとも一面)に形成されるポリイミドの層(C)は、体質顔料を含まないポリイミドの層であり、このポリイミドはベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とが重縮合してなるポリイミド(A)であってもよく、他の公知のポリイミドであってもよいが、好ましくは前記(A)のポリイミドである。
表層への形成(積層)方法は、両層の密着に問題が生じなければ、特に限定されるものではなくて、かつ他の層例えば接着剤層などを介することなく密着するものであればよく、例えば、共押し出しによる方法、一方の層であるポリイミドフィルム上に他方のポリアミド酸溶液を流延してこれをイミド化する方法、体質顔料を含むフィルム(以下、(b)層ともいう)上に、体質顔料を含まないポリイミド層(以下、(a)層ともいう)のポリアミド酸溶液をスプレーコートなどで塗布してイミド化する方法などが挙げられる。
多層の構成は、少なくとも(a)層、(b)層が積層されておれば良いが、(b)層上に(a)層が積層されたもの、(a)/(b)/(a)の構成である(b)層の両面に(a)層が積層されたものが好ましい。
本発明の多層ポリイミドフィルムにおける(a)/(b)の厚さの比は特に限定されないが、本発明の主旨からして(a)/(b)の厚さの比(三層構成の場合においても(a)は単層での計算である)は0.001〜0.5以下であり、より好ましくは0.3以下である。(a)/(b)の厚さの比が0.5を超えるとスティフネスや機械的強度が不足したり線膨張係数が大きくなりすぎる場合がある。一方0.001未満の場合、表面特性特に表面平滑性の改良効果が不足する場合がある。
本発明の多層ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、フレキシブルプリント回路板の基材として用いる場合は、機械的強度を主に担う(b)層の厚さが10〜150μmであると好適である。
ここで、「プリント配線基板用ベース基板」とは、絶縁板の少なくとも片面に金属層を積層してなる構成の略平板状の基板である。積層される金属層は、エッチング等の加工によって回路を形成することが意図される回路用の金属層であってもよいし、特に後加工をせずに絶縁板と一緒になって放熱等の目的に用いられる金属層であってもよい。
「プリント配線基板用ベース基板」の用途としては、FPC、TAB用キャリアテープ、COF用基材、CSP用基材などが好ましい。
ポリイミドフィルムの少なくとも片面に積層される金属は特に限定はなく、好ましくは銅、アルミニウム、ステンレス鋼などである。積層手段は特に問わず、以下のような手段が例示される。
・接着剤を用いて、ポリイミドフィルムに金属板を貼り付ける手段、
・ポリイミドフィルムに蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空コーティング技術を用いて金属層を形成する手段、
・無電解めっき、電気めっきなどの湿式メッキ法により金属層をポリイミドフィルムに形成する手段。
これらの手段を単独で、あるいは組み合わせることによってポリイミドフィルムの少なくとも片面に金属層を積層することができる。
なかでも、金属層を積層する方法としては、スパッタリングにより下地金属層を形成し、電気めっきにて厚付けする方法が好ましい態様として挙げられる。
この場合、下地金属としてはCu、Ni、Cr、Mo、Zn、Ti、Ag、Au、Fe等の単体又は合金を用いることができる。また、下地金属の上に導電化層としてCu等の良導体をさらにスパッタリングにて付着させてもよい。
下地層および導電化層の厚みは、好ましくは100〜5000Åである。
電気めっきする金属としては、Cuが好ましい。
本発明で使用する金属層の表面には、金属単体や金属酸化物などといった無機物の塗膜を形成してもよい。また金属層の表面を、カップリング剤(アミノシラン、エポキシシランなど)による処理、サンドプラスト処理、ホ−リング処理、コロナ処理、プラズマ処理、エッチング処理などに供してもよい。同様に、ポリイミドフィルムの表面をホ−ニング処理、コロナ処理、プラズマ処理、エッチング処理などに供してもよい。
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(又は、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。(ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は、N,N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解し、測定した。)
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
測定対象の体質顔料を分散媒に分散し、堀場製作所社製のレーザー散乱式粒度分布計LB−500により粒子径分布を求め、体積平均粒子径を求めた。
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件で示差走査熱量測定(DSC)を行い、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温終了温度 ; 600℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
測定対象のポリイミドフィルムを充分に乾燥したものを試料として、下記条件で熱天秤測定(TGA)を行い、試料の質量が5%減る温度を熱分解温度とみなした。
装置名 ; MACサイエンス社製TG−DTA2000S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 10mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、90℃〜100℃、100℃〜110℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(平均値)として算出した。
なお、MD方向、TD方向の意味は、流れ方向(MD方向;長尺フィルムの長さ方向)および幅方向(TD方向;長尺フィルムの幅方向)を示すものである。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
測定対象のポリイミドフィルムを、MD方向およびTD方向にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定した。
(体質顔料の予備分散)
タルク粉末250質量部、N−メチル−2−ピロリドン750質量部を混合し、5分間超音波照射を行い、さらにホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で5分間攪拌した後、15分間静置し、底に沈降した粗大粒子が入らないようにデカンテーションして別の容器をあけかえた。この操作を二回繰り返し、N−メチル−2−ピロリドンにて濃度を調整し、体質顔料粒子濃度20質量%のスラリーを得た。得られたスラリー中のタルクの体積平均粒子径は5.8μmであった。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、223質量部の5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを入れた。次いで、先のスラリー2090質量部を加えて完全に溶解させてから、217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて24時間攪拌すると、白褐色の粘調な体質顔料分散ポリアミド酸溶液Aが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は3.8dl/gであった。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックスDMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え,25℃の反応温度で36時間攪拌すると,褐色で粘調なポリアミド酸溶液bが得られた。このもののηsp/Cは5.2dl/gであった。
得られたポリアミド酸溶液Bに硫酸バリウム975質量部を加え、さらに12時間攪拌を継続し、白褐色の体質顔料分散ポリアミド酸溶液Bを得た。得られた体質顔料分散ポリアミド酸溶液をN,N−ジメチルアセトアミドにて希釈し、測定した硫酸バリウムの体積平均粒子径は7.3μmであった。
(体質顔料の予備分散)
タルク924質量部、N−メチル−2−ピロリドン2000質量部を容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである容器に入れホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、200質量部のジアミノジフェニルエーテルを入れた。次いで、2190質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液と217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて5時間攪拌すると、白褐色の粘調な体質顔料分散ポリアミド酸溶液Cが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は3.1dl/gであった。
(体質顔料の予備分散)
アルミナ粉末887質量部、N−メチル−2−ピロリドン420質量部を容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである容器に入れホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、108質量部のフェニレンジアミンを入れた。次いで、3600質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を420質量部と292.5質量部のジフェニルテトラカルボン酸二無水物を加えて、25℃にて12時間攪拌すると、白褐色の粘調な体質顔料分散ポリアミド酸溶液Dが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は4.5dl/gであった。
参考例1〜4で得た体質顔料分散ポリアミド酸溶液を、24時間減圧脱泡した後、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑材面上に、定量ギアポンプ用いて搬送し、コンマコーターを用いてコーティング(ギャップは、860μm、塗工幅1240mm)後、110℃にて30分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、厚さ43μm、幅1200mmのそれぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、ピンテンターに通し、第1段が200℃で5分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として450℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。熱処理炉内の最大風速は送風ノズル直下のフィルム面(表面から3cm程度上にて2.5m/秒とした。
なお風速の測定は「アネモマスター(登録商標)24−6111」(日本カノマックス株式会社製)を用いて風吹出し口の直下において該風速計の検出部を置いて測定したものである。なお、風速の測定は常温において送風系、駆動系を運転状態にして測定した値を充当したものである。これは風速検出部の耐熱性から高温での使用に問題があるためであり、送風系の制御をこの常温測定時の制御に相応して制御し、実風速を前記常温測定時の送風系制御値からの値を充当したものである。得られたフィルムの特性、製膜中の状態、目視観察したフィルムの表面状態を表1に示す。
実施例2で得られたグリーンフィルムの表面に参考例2で得られたポリアミド酸溶液bをコンマコーターを用いて乾燥厚みが7μmとなるように、塗布乾燥し、次いでグリーンフィルムを支持体より剥がし、剥がした面に同様に乾燥厚みが7μmとなるようにポリアミド酸溶液bを塗布乾燥した。
得られたグリーンフィルムは体質顔料を含むグリーンフィルムが、体質顔料を含まない厚さ7μmのポリアミド酸層にて挾まれた構造となる。さらにかかるグリーンフィルムを実施例2と同様の条件にて熱処理を行い、表面平滑な体質顔料フィラー含有フィルムを得た。得られたフィルムの特性、製膜中の状態、目視観察したフィルムの表面状態を表1に示す。
実施例1においてタルク粉末250質量部の代わりに鱗片状のマイカ粉末280質量部を用い、コンマコーターギャップを280ミクロン、乾燥時間を20分にした以外は同様に操作し、薄物体質顔料含有フィルムを得た。マイカの分散径は7.2μmであった。得られたフィルムの特性、製膜中の状態、目視観察したフィルムの表面状態を表1に示す。
参考例2で得られた体質顔料無添加のポリアミド酸溶液bを用いた他は実施例1と同様に操作し、体質顔料を含まないポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの特性、製膜中の状態、目視観察したフィルムの表面状態を表1に示す。
Claims (3)
- ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とが重縮合してなるポリイミド(A)が30〜98質量部と、体質顔料(B)が2〜70質量部とを主成分とするポリイミドフィルム。
- 体質顔料の体積平均粒子径が1.2〜15.0μmである請求項1記載のポリイミドフィルム。
- 請求項1又は2記載のポリイミドフィルムの少なくとも一方の面の表層に体質顔料を含まないポリイミド(C)の層が形成されたポリイミドフィルム。
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