JP5556416B2 - ポリイミドボード、金属積層ポリイミドボード、およびプリント配線板 - Google Patents
ポリイミドボード、金属積層ポリイミドボード、およびプリント配線板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5556416B2 JP5556416B2 JP2010141248A JP2010141248A JP5556416B2 JP 5556416 B2 JP5556416 B2 JP 5556416B2 JP 2010141248 A JP2010141248 A JP 2010141248A JP 2010141248 A JP2010141248 A JP 2010141248A JP 5556416 B2 JP5556416 B2 JP 5556416B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyimide
- thickness
- board
- polyimide board
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 0 *c(cc1C(O2)=O)ccc1C2=O Chemical compound *c(cc1C(O2)=O)ccc1C2=O 0.000 description 1
- YJDUJNZZWJMRJT-UHFFFAOYSA-N Nc(cc1C(O2)=O)ccc1C2=O Chemical compound Nc(cc1C(O2)=O)ccc1C2=O YJDUJNZZWJMRJT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
Description
その改善手法として、ガラス転移点が比較的低い熱可塑性ポリイミドフィルム同士を、接着剤を介さずに直接加熱圧着したポリイミドボードが提案されている。このポリイミドボードは、電気・電子分野、例えば多層プリント配線板のコア材として用いる際に要求される耐熱性、寸法安定性、接着性、孔あけ加工性、耐マイグレーション性、耐冷熱衝撃サイクル性を満足するものではなかった。さらに、厚みを大きくしようとすると、ますます接着性が低下し、しかも反りが大きくなるという問題点も指摘されている。(特許文献1参照)
1.複数枚の(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、(B)熱可塑性樹脂を介して交互に積層され、かつ厚さ方向に直径が10μm〜200μmの貫通孔を有するポリイミドボードにおいて、面方向での線膨張係数が−5ppm/℃〜15ppm/℃、厚さが50μm〜3000μm、かつ前記(A)層と(B)層を貫通する孔の直径比{(A)層を貫通する孔の直径(平均値)/(B)層を貫通する孔の直径(平均値)}が75%〜99%であるポリイミドボード。
2.(A)層と(B)層の5%重量減少温度の差{(A)層の5%重量減少温度−(B)層の5%重量減少温度}が5℃〜100℃である1.のポリイミドボード。
3.(A)層の全体に対する厚さ比[(A)層の合計厚さ/{(A)層の合計厚さ+(B)層の合計厚さ}]が40%〜98%である1.または2.のポリイミドボード。
4.(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られたポリイミドフィルムであり、面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜10ppm/℃、かつ厚さが5μm〜75μmである1.〜3.いずれかのポリイミドボード。
5.(B)熱可塑性樹脂が、ポリアリールケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドからなる群より選ばれた一種以上の樹脂であり、厚さが0.1μm〜50μmである1.〜4.いずれかのポリイミドボード。
6.(A)(B)層間の剥離強度が3N/cm以上である1.〜5.いずれかのポリイミドボード。
7.レーザーにより貫通孔が形成されてなることを特徴とする1.〜6.いずれかのポリイミドボード。
8.ドリルにより貫通孔が形成されてなることを特徴とする1.〜6.いずれかのポリイミドボード。
9.1.〜8.いずれかのポリイミドボードに金属層を積層した、金属積層ポリイミドボード。
10.金属が、銅または銅を主成分とする金属である9.の金属積層ポリイミドボード。
11.1.〜8.いずれかのポリイミドボード、または9.〜10.いずれかの金属積層ポリイミドボードを用いたプリント配線板。
12.1.〜8.いずれかのポリイミドボード、9.〜10.いずれかの金属積層ポリイミドボード、または11.のプリント配線板をコア材として用いた多層プリント配線板。
本発明で用いる(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムは、例えば、芳香族テトラカルボン酸類(無水物、酸、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)と芳香族ジアミン類(アミン、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を流延、乾燥、熱処理(イミド化)して得られるポリイミドフィルムである。ここで、非熱可塑性ポリイミドとは、(1)ポリマー鎖中の繰り返し単位中のイミド単位の濃度が高い、および(2)平面状の芳香族イミド基が直線的または平面的に配列し剛直分子鎖を形成する、ことにより、分子が強い会合状態にあるため、明確な融点およびガラス転移温度を示さないものを意味する。
前記ポリイミドは、特に限定されるものではないが、下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との組み合わせ。
B.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.ジフェニルエーテル骨格を有する芳香族ジアミン類とピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
中でもA.のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン残基を有するポリイミドフィルムが好ましい。
さらに、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%以下であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルム(自己支持性の前駆体フィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
MD方向での線膨張係数と、TD方向での線膨張係数の差は、なるべく小さいことが好ましい。
本来、厚さ方向での線膨張係数と面方向での線膨張係数の差は、なるべく小さいことが好ましいが、非熱可塑性ポリイミドフィルムは、面方向に配向しているため、厚さ方向での線膨張係数は一般的に大きくなる。
前記(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの引張破断伸度(MD方向での値と、TD方向での値の平均値)も、特に限定されないが、10%以上であることが好ましく、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上である。引張破断伸度が10%より低いと、搬送中にフィルム破断が起こりやすくなり、歩留まりが低下する恐れがある。
前記(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの引張弾性率(MD方向での値と、TD方向での値の平均値)も、特に限定されないが、6.0GPa以上であることが好ましく、より好ましくは6.5GPa以上、さらに好ましくは7.0GPa以上である。引張弾性率が6.0GPaより低いと、必然的に本発明のポリイミドボードの引張弾性率も低くなるため、例えば多層プリント配線板のコア材として用いる際には、補強効果が十分でなくなる恐れがある。
MD方向での引張破断強度、引張破断伸度、および引張弾性率と、TD方向での引張破断強度、引張破断伸度、および引張弾性率の差は、なるべく小さいことが好ましい。
中でも、非熱可塑性ポリイミドフィルムとの高い接着性を有する、ポリアリールケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドが好ましく、より好ましくは熱可塑性ポリイミドである。また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
・(A)のポリアミド酸溶液、(B)のポリアミド酸溶液を共押し出しすることで得られる(A)(B)多層ポリアミド酸フィルム(グリーンフィルム)を共にイミド化し、その後加熱圧着する方法
・(A)のポリアミド酸溶液、(B)のポリイミド溶液を共押し出しすることで得られる(A)(B)多層ポリアミド酸フィルム(グリーンフィルム)をイミド化し、その後加熱圧着する方法
・(A)のポリイミドフィルム表面に、(B)のポリアミド酸溶液を流延し、乾燥後イミド化し、その後加熱圧着する方法
・(A)のポリイミドフィルム表面に、(B)のポリイミド溶液を流延し、乾燥し、その後加熱圧着する方法
・(A)のポリアミド酸フィルム表面に、(B)のポリアミド酸溶液を流延し、共に乾燥後イミド化し、その後加熱圧着する方法
・(A)のポリアミド酸フィルム表面に、(B)のポリイミド溶液を流延し、乾燥後イミド化し、その後加熱圧着する方法
・(A)のポリイミドフィルム、(B)のポリイミドフィルムを加熱圧着する方法
・(A)のポリイミドフィルム表面に、(B)のポリアミド酸溶液を流延し、乾燥後イミド化し、その後加熱圧着する方法
・(A)のポリイミドフィルム表面に、(B)のポリイミド溶液を流延し、乾燥し、その後加熱圧着する方法
・(A)のポリイミドフィルム、(B)のポリイミドフィルムを加熱圧着する方法
が好ましい。
これらの手段を単独で、あるいは組み合わせることによって、本発明のポリイミドボードを得ることができる。
前記装置における加熱方法についても、所定の温度で加熱することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、熱媒循環方式、熱風加熱方式、誘電加熱方式等が挙げられる。また、加圧方式についても、所定の圧力を加えることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、油圧方式、空気圧方式、ギャップ間圧力方式等が挙げられる。
MD方向での線膨張係数と、TD方向での線膨張係数の差は、なるべく小さいことが好ましい。
本来、厚さ方向での線膨張係数と面方向での線膨張係数の差は、なるべく小さいことが好ましいが、非熱可塑性ポリイミドフィルムは、面方向に配向しているため、厚さ方向での線膨張係数は一般的に大きくなる。そのため、非熱可塑性ポリイミドフィルムを積層してなる本発明のポリイミドボードも、必然的に厚さ方向での線膨張係数>面方向での線膨張係数となる。
剥離強度が3N/cmより小さいと、製造プロセス時(特に、ドリルやレーザーによる孔あけ加工時)や、使用時に剥離が発生する恐れがある。
前記貫通孔の直径は、10μm〜200μmであることが好ましく、より好ましくは20μm〜150μm、さらに好ましくは30μm〜100μmである。直径が10μmより小さいと、レーザーおよびドリルでの孔あけ加工が困難となる。一方、直径が200μmより大きいと、多層基板に使用される際の性能(設計ルール)を満足しない。
なお、ここで言う貫通孔の直径は、貫通孔によりポリイミドボードの表面に形成される空隙(円形)の直径と、ポリイミドボードの裏面に形成される空隙(円形)の直径の平均値である。
前記(A)層と(B)層を貫通する孔の直径比{(A)層を貫通する孔の直径(平均値)/(B)層を貫通する孔の直径(平均値)}は、75%〜99%であることが好ましく、より好ましくは80%〜99%、さらに好ましくは85%〜99%である。直径比が前記の範囲内であれば、ポリイミドボードの厚さ方向の線膨張係数と、貫通孔の内壁に金属層を形成した際の金属層の線膨張係数との間に不整合が生じた場合でも、貫通孔の内壁に形成されたマクロな凹凸(竹状の構造体)によるアンカー効果により、冷熱衝撃サイクル試験後においても、剥離,亀裂が生じない。直径比が75%より小さいと、多層基板作製時に、スルーホール間で短絡が生じ、基板加工ができない。一方、直径比が99%より大きいと、前記貫通孔の内壁に明確な凹凸が形成されず、アンカー効果による接着性向上効果が期待できない。
・ポリイミドボードと金属箔を、加熱圧着する方法。
・ポリイミドボードに蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空コーティング技術を用いて金属層を形成する方法。
・ポリイミドボードに無電解メッキ、電解メッキなどの湿式メッキ法により金属層を形成する方法。
これらの手段を単独で、あるいは組み合わせることによって、本発明の金属積層ポリイミドボードを得ることができる。
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(または、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。(ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は、N,N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解し、測定した。)
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
下記条件で引張破壊試験を行い、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)について、それぞれ引張弾性率、引張破断強度、引張破断伸度を測定した。
装置名 : 島津製作所社製 オートグラフ AG−5000A
サンプル長さ : 100mm
サンプル幅 : 10mm
引張り速度 : 50mm/min
チャック間距離 : 40mm
下記条件でMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、40〜50℃、50〜60℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、50℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(ppm/℃)として算出した。
装置名 : ブルカーAXS社製 TMA4000S
サンプル長さ : 10mm
サンプル幅 : 2mm
初荷重 : 34.5g/mm2
昇温開始温度 : 30℃
昇温終了温度 : 350℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : アルゴン
下記条件で厚さ方向の伸縮率を測定し、40〜50℃、50〜60℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、50℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(ppm/℃)として算出した。
装置名 : TA instruments社製 Q400
サンプル長さ : 10mm
サンプル幅 : 10mm
初荷重 : 0.1N
昇温開始温度 : −55℃
昇温終了温度 : 350℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : 窒素
下記条件で動的粘弾性測定(DMA)を行い、tanδピークが最大値となる温度をガラス転移温度とした。
装置名 : ユービーエム社製 Rheogel−E4000
冶具 : 伸張冶具
サンプル長さ : 14mm
サンプル幅 : 5mm
周波数 : 10Hz
昇温開始温度 : 30℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : 窒素
下記条件で示差走査熱量測定(DSC)を行い、融点(Tm)をJIS K 7121に準拠して求めた。
装置名 : MACサイエンス社製 DSC3100S
パン : アルミパン(非気密型)
サンプル質量 : 4mg
昇温開始温度 : 30℃
昇温終了温度 : 400℃
昇温速度 : 20℃/min
雰囲気 : アルゴン
下記条件で熱天秤測定(TGA)を行い、150℃におけるサンプルの質量を100%とし、その点からサンプルの質量が5%減る温度を5%重量減少温度とした。
装置名 : MACサイエンス社製 TG−DTA2000S
パン : アルミパン(非気密型)
サンプル質量 : 10mg
昇温開始温度 : 30℃
昇温速度 : 20℃/min
雰囲気 : 窒素
作製した直後とPCT処理後(121℃、100%、2atom、96時間)、および熱処理後(150℃、168時間)の剥離強度を、下記の条件で180度剥離試験を行うことで求めた。
装置名 : 島津製作所社製 オートグラフAG−IS
サンプル長さ : 100mm
サンプル幅 : 3mm
測定温度 : 25℃
剥離速度 : 50mm/min
雰囲気 : 大気
各金属積層ポリイミドボードにつき、ドリル加工機(ND−6N210、日立ビアメカニクス社製)にて、ドリル(SSD、京セラ社製)を用い、2000回/秒の回転数、100m/秒の送り速度で、直径75μmの貫通孔を4000箇所あけ、孔あき金属積層ポリイミドボードを作製した。
得られた孔あき金属積層ポリイミドボードについて、AOI(AI−328、オプティマ社製)にて加工孔の全数検査を行い、設計孔に対する加工不良(孔サイズ、位置ずれ、バリ、切削詰まり)の個数を計測し、歩留り(1)(加工不良のない比率)を算出した。ここでの加工不良の判断基準は、設計値の直径75μmに対して、孔の直径が2μm以上もしくは−2μm以下、位置ずれが3μm以上もしくは−3μm以下、バリが5μm以上もしくは−5μm以下、切削詰まりが5μm以上もしくは−5μm以下、である。得られた歩留り(1)が、99%以上を○、90%以上99%未満△、90%未満を×として評価した。
また、前記の4000個の貫通孔からランダムに選んだ20個の貫通孔について、貫通孔により各金属積層ポリイミドボードの表裏面に形成される空隙(円形)の両方の中心点を通るよう、ミクロトームを用い、厚さ方向に切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影を行った。得られた断面SEM画像から、歩留り(2){(A)(B)層間に剥離,亀裂のない比率}を算出した。得られた歩留り(2)が、95%以上を○、85%以上95%未満△、85%未満を×として評価した。
さらに、得られた断面SEM画像から、(A)層を貫通する孔の直径{ポリイミドボード中の(A)層の層数×10個の貫通孔の平均値}、(B)層を貫通する孔の直径{ポリイミドボード中の(B)層の層数×10個の貫通孔の平均値}を計測した。得られた値より、(A)層と(B)層を貫通する孔の直径比{(A)層を貫通する孔の直径(平均値)/(B)層を貫通する孔の直径(平均値)}を算出した。
各金属積層ポリイミドボードにつき、レーザー加工機(HIPPO、Spectra−Physics社製)を用い、波長:355nm、周波数:50kHz、ショット数:3500、出力:2.5W、エネルギー密度:0.72J/cm2の加工条件で、直径75μmの貫通孔を4000箇所あけ、孔あき金属積層ポリイミドボードを作製した。
得られた孔あき金属積層ポリイミドボードについて、AOI(AI−328、オプティマ社製)にて加工孔の全数検査を行い、設計孔に対する加工不良(孔サイズ、位置ずれ、バリ、切削詰まり)の個数を計測し、歩留り(1)(加工不良のない比率)を算出した。ここでの加工不良の判断基準は、設計値の直径75μmに対して、孔の直径が2μm以上もしくは−2μm以下、位置ずれが3μm以上もしくは−3μm以下、バリが5μm以上もしくは−5μm以下、切削詰まりが5μm以上もしくは−5μm以下、である。得られた歩留り(1)が、99%以上を○、90%以上99%未満△、90%未満を×として評価した。
また、前記の4000個の貫通孔からランダムに選んだ20個の貫通孔について、貫通孔により各金属積層ポリイミドボードの表裏面に形成される空隙(円形)の両方の中心点を通るよう、ミクロトームを用い、厚さ方向に切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影を行った。得られた断面SEM画像から、歩留り(2){(A)(B)層間に剥離,亀裂のない比率}を算出した。得られた歩留り(2)が、95%以上を○、85%以上95%未満△、85%未満を×として評価した。
さらに、得られた断面SEM画像から、(A)層を貫通する孔の直径{ポリイミドボード中の(A)層の層数×10個の貫通孔の平均値}、(B)層を貫通する孔の直径{ポリイミドボード中の(B)層の層数×10個の貫通孔の平均値}を計測した。得られた値より、(A)層と(B)層を貫通する孔の直径比{(A)層を貫通する孔の直径(平均値)/(B)層を貫通する孔の直径(平均値)}を算出した。
各金属積層ポリイミドボードにつき、レーザー加工機(HIPPO、Spectra−Physics社製)を用い、波長:355nm、周波数:50kHz、ショット数:3500、出力:2.5W、エネルギー密度:0.72J/cm2の加工条件で、直径75μmの貫通孔を4000箇所あけ、孔あき金属積層ポリイミドボードを作製した。得られた、孔あき金属積層ポリイミドボードを、デスミア工程(表1)、無電解銅メッキ工程(表2)、電解銅メッキ工程(表3)により、厚さ10μmのスルーホールメッキを作成した。
得られたスルーホールメッキ孔あき金属積層ポリイミドボードを、JEDEC−STD020−Cに準拠し、オーブン(DKM300、ヤマト科学社製)にて125℃で24時間のベーキング、恒温恒湿槽(SH−221、エスペック社製)にて30℃−60%RHで192時間の調湿、リフロー炉(FT05、CIF社製)にて260℃で30秒間のリフローを3回、の処理を行った。試験後の外観を検査し、膨れ,皺,反り,変色の全く見られないものを○、膨れ,皺,反り,変色が僅か見られるものを△、膨れ,皺,反り,変色が見られるものを×として評価した。
また、前記の4000個の貫通孔からランダムに選んだ20個の貫通孔について、貫通孔により各金属積層ポリイミドボードの表裏面に形成される空隙(円形)の両方の中心点を通るよう、ミクロトームを用い、厚さ方向に切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影を行った。得られた断面SEM画像から、スルーホールメッキの剥離,断線がないものを○、スルーホールメッキの剥離,断線があるものを×として評価した。
各金属積層ポリイミドボードにつき、レーザー加工機(HIPPO、Spectra−Physics社製)を用い、波長:355nm、周波数:50kHz、ショット数:3500、出力:2.5W、エネルギー密度:0.72J/cm2の加工条件で、直径75μmの貫通孔を4000箇所あけ、孔あき金属積層ポリイミドボードを作製した。得られた、孔あき金属積層ポリイミドボードを、デスミア工程(表1)、無電解銅メッキ工程(表2)、電解銅メッキ工程(表3)により、厚さ10μmのスルーホールメッキを作成した。
得られたスルーホールメッキ孔あき金属積層ポリイミドボードを、JEDEC−STD020−Cに準拠し、オーブン(DKM300、ヤマト科学社製)にて125℃で24時間のベーキング、恒温恒湿槽(SH−221、エスペック社製)にて30℃−60%RHで192時間の調湿、リフロー炉(FT05、CIF社製)にて260℃で30秒間のリフローを3回、冷熱衝撃装置(TSE−11−A、エスペック社製)にて−55℃で15分間〜125℃で15分間を1サイクルとして1000サイクル、の処理を行った。試験後の外観を検査し、膨れ,皺,反り,変色の全く見られないものを○、膨れ,皺,反り,変色が僅か見られるものを△、膨れ,皺,反り,変色が見られるものを×として評価した。
また、前記の4000個の貫通孔からランダムに選んだ20個の貫通孔について、貫通孔により各金属積層ポリイミドボードの表裏面に形成される空隙(円形)の両方の中心点を通るよう、ミクロトームを用い、厚さ方向に切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影を行った。得られた断面SEM画像から、スルーホールメッキの剥離,断線がないものを○、スルーホールメッキの剥離,断線があるものを×として評価した。
(非熱可塑性ポリイミドフィルムA1〜A3の作成)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4400質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液Aが得られた。この還元粘度は3.9dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Aを、ダイコーターを用いて鏡面仕上げしたステンレススチール製の無端連続ベルト上に塗布し(塗工幅1240mm)、110℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、それぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるようにピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンにさしこむ事により把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なタルミ生じないようにピンシート間隔を調整し、最終ピンシート間隔が1140mm、となるように搬送し、1段目が170℃で2分、2段目が230℃で2分、3段目が485℃で4分の条件で加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈する非熱可塑性ポリイミドフィルムA1〜A3を得た。
得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムA1〜A3の物性値を表4に示す。
次いで、非熱可塑性ポリイミドフィルムA1〜A3をプラズマ処理機にセットし、真空に排気した後、酸素ガスを導入し、放電を起こして、両面プラズマ処理非熱可塑性ポリイミドフィルムA1〜A3を得た。なお、処理条件は、真空度30Pa、ガス流量1.5SLM、印加電圧110kHz、放電電力密度300Wmin/m2である。
(非熱可塑性ポリイミドフィルムBの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、パラフェニレンジアミン108質量部、N−メチル−2−ピロリドン4000質量部を加えて完全に溶解させた後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物292.5質量部を加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。この還元粘度は4.2dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Bを、ダイコーターを用いて鏡面仕上げしたステンレススチール製の無端連続ベルト上に塗布し(塗工幅1240mm)、110℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、それぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるようにピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンにさしこむ事により把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なタルミ生じないようにピンシート間隔を調整し、最終ピンシート間隔が1140mm、となるように搬送し、1段目が150℃で2分、2段目が220℃で2分、3段目が460℃で4分の条件で加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈する非熱可塑性ポリイミドフィルムBを得た。
得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムBの物性値を表4に示す。
次いで、非熱可塑性ポリイミドフィルムBをプラズマ処理機にセットし、真空に排気した後、酸素ガスを導入し、放電を起こして、両面プラズマ処理非熱可塑性ポリイミドフィルムBを得た。なお、処理条件は、真空度30Pa、ガス流量1.5SLM、印加電圧110kHz、放電電力密度300Wmin/m2である。
(非熱可塑性ポリイミドフィルムCの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ジアミノジフェニルエーテル200質量部、N−メチル−2−ピロリドン4170質量部を加えて完全に溶解させた後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。この還元粘度は3.6dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Cを、ダイコーターを用いて鏡面仕上げしたステンレススチール製の無端連続ベルト上に塗布し(塗工幅1240mm)、110℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、それぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるようにピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンにさしこむ事により把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なタルミ生じないようにピンシート間隔を調整し、最終ピンシート間隔が1140mm、となるように搬送し、1段目が150℃で2分、2段目が220℃で2分、3段目が400℃で4分の条件で加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈する非熱可塑性ポリイミドフィルムCを得た。
得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムCの物性値を表4に示す。
次いで、非熱可塑性ポリイミドフィルムCをプラズマ処理機にセットし、真空に排気した後、酸素ガスを導入し、放電を起こして、両面プラズマ処理非熱可塑性ポリイミドフィルムCを得た。なお、処理条件は、真空度30Pa、ガス流量1.5SLM、印加電圧110kHz、放電電力密度300Wmin/m2である。
(B)熱可塑性樹脂として、以下のものを使用した。
・TPIフィルムD : ミドフィルNS、クラボウ社製
・TPIワニスE : リカコートPN20A、新日本理化社製
・TPI前駆体ワニスF : スカイボンド705、IST社製
・PEIフィルムG : Ultem1000、ゼネラルエレクトリック社製
・PAIワニスH : バイロマックス HR16NN、東洋紡績社製
・PAIワニスI : バイロマックス HR14ET、東洋紡績社製
・PEEKフィルムJ : APTIV、ビクトレックス社製
・PEEK+PEIフィルムK : IBUKI、三菱樹脂社製
・PFAフィルムL : ネオフロンPFA、ダイキン工業社製
・FEPフィルムM : ネオフロンFEP、ダイキン工業社製
・ETFEフィルムN : ネオフロンETFE、ダイキン工業社製
ここで、TPIは熱可塑性ポリイミド、PEIはポリエーテルイミド、PAIはポリアミドイミド、PEEKはポリエーテルエーテルケトン、PFAはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、FEPはテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ETFEはテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体 をそれぞれ示す。
また、ガラス転移温度、融点、5%重量減少温度の評価は、ワニス状のサンプルはフィルム状に成形した後、測定を行った。その製膜条件は下記の通りである。
・TPIワニスE : TPIワニスEを、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート製フィルム(A−4100、東洋紡績社製)の無滑剤面上に、ベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いてコーティングし、100℃で10分の乾燥後、ポリエチレンテレフタレート製フィルムからTPIフィルムを剥離した。得られたTPIフィルムを、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて150℃で30分、200℃で30分、250℃で30分の熱処理を行い、厚さ20μmのTPIフィルムEを得た。
・TPI前駆体ワニスF : TPI前駆体ワニスFを、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート製フィルム(A−4100、東洋紡績社製)の無滑剤面上に、ベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いてコーティングし、100℃で10分の乾燥後、ポリエチレンテレフタレート製フィルムからTPI前駆体フィルムを剥離した。得られたTPI前駆体フィルムを、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて120℃で60分、200℃で10分、250℃で60分、350℃で30分の熱処理を行い、厚さ20μmのTPIフィルムFを得た。
・PAIワニスH、I : PAIワニスH、Iを、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート製フィルム(A−4100、東洋紡績社製)の無滑剤面上に、ベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いてコーティングし、100℃で10分の乾燥後、ポリエチレンテレフタレート製フィルムからPAIフィルムを剥離した。得られたPAIフィルムを、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて150℃で30分、200℃で30分、250℃で30分の熱処理を行い、厚さ20μmのPAIフィルムH、Iを得た。
得られた熱可塑性樹脂の物性値を表5、表6に示す。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ15μmのTPI−Dを、D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/Dとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ225μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ15μmのTPI−Dと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ249μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ15μmのTPI−Dを、A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ225μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボードをスパッタリング装置にセットし、周波数13.56MHz、出力450W、ガス圧0.4Paの条件で、ニッケル−クロム(クロム10質量%)合金のターゲットを用い、アルゴン雰囲気下にてDCマグネトロンスパッタリング法により、1nm/秒のレートで厚さ7nmのニッケル−クロム合金被膜(下地層)を形成した。次いで、スパッタリングを行い、厚さ0.25μmの銅薄膜を形成させ、下地金属薄膜形成ポリイミドボードを得た。ここで、銅およびNiCr層の厚さは蛍光X線法によって確認した。得られた下地金属薄膜形成ポリイミドボードを、硫酸銅めっき浴を用いて、厚さ5μmの銅層を形成した。電解めっき条件は電解めっき液(硫酸銅80g/l、硫酸210g/l、HCl、光沢剤少量)に浸漬、電気を1.5Adm2流した。引き続き120℃で10分間熱処理乾燥し、厚さ235μmの金属層積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
両面プラズマ処理PI−A2の両面に、TPI−Eをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが5μmになるようコーティングし、100℃で10分の乾燥後、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて150℃で30分、200℃で30分、250℃で30分の熱処理を行い、厚さ35μmのTPI−E/PI−A2/TPI−Eの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ210μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ234μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
両面プラズマ処理PI−A2の両面に、TPI−Fをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが5μmになるようコーティングし、100℃で10分の乾燥後、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて120℃で60分、200℃で10分、250℃で60分、350℃で30分の熱処理を行い、厚さ35μmのTPI−F/PI−A2/TPI−Fの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ210μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ234μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A3と、厚さ50μmのPEI−Gを、G/A3/G/A3/Gとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ250μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ50μmのPEI−Gと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/G/A3/G/A3/G/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ274μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
両面プラズマ処理PI−A2の両面に、PAI−Hをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが5μmになるようコーティングし、100℃で10分の乾燥後、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて150℃で30分、200℃で30分、250℃で30分の熱処理を行い、厚さ35μmのPAI−H/PI−A2/PAI−Hの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、330℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ210μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、330℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ234μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A3と、厚さ50μmのPEEK−Jを、J/A3/J/A3/Jとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ250μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A3と、厚さ50μmのPEEK−Jと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/J/A3/J/A3/J/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ274μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表8に示す。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A3と、厚さ50μmのPEEK−Kを、K/A3/K/A3/Kとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ250μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A3と、厚さ50μmのPEEK−Kと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/K/A3/K/A3/K/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ274μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表8に示す。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ12.5μmのPFA−Lを、L/A2/L/A2/L/A2/L/A2/L/A2/Lとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、330℃、2MPaにて30分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ200μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ12.5μmのPFA−Lと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/L/A2/L/A2/L/A2/L/A2/L/A2/L/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、330℃、2MPaにて30分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ224μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表8に示す。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ12.5μmのPFA−Mを、M/A2/M/A2/M/A2/M/A2/M/A2/Mとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、330℃、2MPaにて30分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ200μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ12.5μmのPFA−Mと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/M/A2/M/A2/M/A2/M/A2/M/A2/M/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、330℃、2MPaにて30分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ224μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表8に示す。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ15μmのTPI−Dを、D/A2/D/A2/Dとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ95μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ15μmのTPI−Dと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/D/A2/D/A2/D/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ119μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表8に示す。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ15μmのTPI−Dを、D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/Dとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ1015μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ15μmのTPI−Dと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/A2/D/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ1039μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表8に示す。
両面プラズマ処理PI−A2の両面に、TPI−Eをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが0.5μmになるようコーティングし、100℃で10分の乾燥後、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて150℃で30分、200℃で30分、250℃で30分の熱処理を行い、厚さ26μmのTPI−E/PI−A2/TPI−Eの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを8枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ208μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを8枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ232μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表9に示す。
両面プラズマ処理PI−A2の両面に、TPI−Eをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが1μmになるようコーティングし、100℃で10分の乾燥後、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて150℃で30分、200℃で30分、250℃で30分の熱処理を行い、厚さ27μmのTPI−E/PI−A2/TPI−Eの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを7枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ189μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを7枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ213μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表9に示す。
両面プラズマ処理PI−A2の両面に、TPI−Eをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが2μmになるようコーティングし、100℃で10分の乾燥後、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて150℃で30分、200℃で30分、250℃で30分の熱処理を行い、厚さ29μmのTPI−E/PI−A2/TPI−Eの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを7枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ203μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを7枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ227μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表9に示す。
実施例1で得られた金属積層ポリイミドボードを用い、6層プリント配線板を作製した。
金属積層ボードを2枚準備し、各々に位置決めピン用の孔加工を行った後、各々の両面にドライフィルムレジストをラミし、露光、現像、エッチング、レジスト剥離工程を経て、所定の回路パターンを形成した。各々を便宜上パターン形成された金属積層ポリイミドボードA、パターン形成された金属積層ポリイミドボードBとする。次いで
銅箔(厚さ12μm)
TPIフィルムD(厚さ20μm)
パターン形成された金属積層ポリイミドボードA
TPIフィルムD(厚さ40μm)
パターン形成された金属積層ポリイミドボードB
TPIフィルムD(厚さ20μm)
銅箔(厚さ12μm)
の順に位置決めして重ね合わせ、真空プレスして貼り合わせた。さらにレーザーにて所定位置に直径400μm狙いの貫通孔を開け、定法に従って無電解銅メッキにより貫通孔壁面の導電化を行い、電気銅メッキによりスルーホールを厚付けした後に、ドライフィルムレジストを用いたテンティング法により最外層の銅箔にパターン形成を行い導体層6層を有する多層プリント配線板を得た。得られたプリント配線板は、ソリのない良好な外観と十分なスティッフネスを示した。得られたプリント配線板のクロスセクションを観察したところ、孔径は、ポリイミドA2部分で398μm、TPIフィルムD部分で407μmであった。
実施例16で得られた6層の多層プリント配線板をコア層とし、さらに両面に2層のビルドアップ層を形成した。
具体的には、まず実施例16で得られた6層の多層プリント配線板の貫通スルーホール部分にエポキシ系の孔埋め材を充填して硬化させた後、両面に味の素ファインテクノ社のエポキシ系ビルドアップ材料ABFをラミネートし、レーザービア孔明けの後、無電解メッキによる下地導体形成、ドライフィルムレジストによるネガパターン形成、電気銅メッキによる厚付け、レジスト剥離と下地導体のクイックエッチングにて第一ビルドアップ層を形成した。次いで第一ビルドアップ層の銅箔表面を黒化処理した後、同様にセミアディティブ法により第2ビルドアップ層を形成、最後に感光性ソルダーレジストを形成し、層数10層のピルドアッププリント配線板を得た。得られたプリント配線板は、ソリのない良好な外観と十分なスティッフネスを示した。
両面プラズマ処理PI−A2の代わりに両面プラズマ処理PI−Bを使用する以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表9に示す。
(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの面方向での線膨張係数が大きいと、得られるポリイミドボードの面方向での線膨張係数も大きくなり、高温暴露において寸法が膨張または収縮するため、膨れ,皺,反りが発生した。
両面プラズマ処理PI−A2の代わりに両面プラズマ処理PI−Cを使用する以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表9に示す。
(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの面方向での線膨張係数が大きいと、得られるポリイミドボードの面方向での線膨張係数も大きくなり、高温暴露において寸法が膨張または収縮するため、膨れ,皺,反りが発生した。さらに、(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムと(B)熱可塑性樹脂の5%重量減少温度の差がなくなるため、貫通孔の内壁に明確な凹凸が形成されず、耐湿熱試験後、および冷熱衝撃サイクル試験後に、スルーホールメッキの剥離,断線が発生した。
両面プラズマ処理PI−A2の両面に、PAI−Iをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが5μmになるようコーティングし、100℃で10分の乾燥後、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて150℃で30分、200℃で30分、250℃で30分の熱処理を行い、厚さ35μmのPAI−I/PI−A2/PAI−Iの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、330℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ210μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、330℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ234μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表10に示す。
(B)熱可塑性樹脂の耐熱性が低いと、得られるポリイミドボードの耐熱性も低くなり、高温暴露において、膨れ,皺,反り,変色が発生した。さらに、(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムと(B)熱可塑性樹脂の5%重量減少温度の差も大きくなるため、(A)層と(B)層を貫通する孔の直径比は小さくなり、スルーホールメッキの剥離,断線がかえって多発する結果となった。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ12.5μmのPFA−Nを、N/A2/N/A2/N/A2/N/A2/N/A2/Nとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、300℃、2MPaにて30分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ200μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A2と、厚さ12.5μmのPFA−Nと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/N/A2/N/A2/N/A2/N/A2/N/A2/N/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、300℃、2MPaにて30分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ224μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表10に示す。
(B)熱可塑性樹脂の耐熱性が低いと、得られるポリイミドボードの耐熱性も低くなり、高温暴露において、膨れ,皺,反り,変色が発生した。さらに、(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムと(B)熱可塑性樹脂の5%重量減少温度の差も大きくなるため、(A)層と(B)層を貫通する孔の直径比は小さくなり、スルーホールメッキの剥離,断線がかえって多発する結果となった。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A1と、厚さ15μmのTPI−Dを、D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/Dとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ215μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A1と、厚さ15μmのTPI−Dと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ239μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表10に示す。
(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムと(B)熱可塑性樹脂の厚さ比が小さいと、得られるポリイミドボードの面方向での線膨張係数は大きくなり、高温暴露において寸法が膨張または収縮するため、膨れ,皺,反りが発生した。
150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A1と、厚さ25μmのTPI−Dを、D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/Dとなるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ200μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した、両面プラズマ処理PI−A1と、厚さ25μmのTPI−Dと、厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を、銅箔/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/A1/D/銅箔となるよう配した後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、5MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ224μmの金属積層ポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表10に示す。
(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムと(B)熱可塑性樹脂の厚さ比が小さいと、得られるポリイミドボードの面方向での線膨張係数は大きくなり、高温暴露において寸法が膨張または収縮するため、膨れ,皺,反りが発生した。
両面プラズマ処理PI−A2の両面に、TPI−Eをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが0.05μmになるようコーティングし、100℃で10分の乾燥後、イナートオーブン(DN6101、ヤマト科学社製)にて150℃で30分、200℃で30分、250℃で30分の熱処理を行い、厚さ25.1μmのTPI−E/PI−A2/TPI−Eの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを8枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ200.8μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを8枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、380℃、10MPaにて15分間、真空加熱加圧成形を行い、厚さ224.8μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表10に示す。
(B)熱可塑性樹脂の厚さが薄いと、(A)(B)層間の剥離強度は小さくなるため、ドリルやレーザーによる孔あけ加工時に剥離が生じた。そのため、以降の耐湿熱性、耐冷熱衝撃サイクル性の評価は未実施である。
Claims (12)
- 複数枚の(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、(B)熱可塑性樹脂を介して交互に積層され、かつ厚さ方向に直径が10μm〜200μmの貫通孔を有するポリイミドボードにおいて、面方向での線膨張係数が−5ppm/℃〜15ppm/℃、厚さが50μm〜3000μm、かつ前記(A)層と(B)層を貫通する孔の直径比{(A)層を貫通する孔の直径(平均値)/(B)層を貫通する孔の直径(平均値)}が75%〜99%であることを特徴とするポリイミドボード。
- (A)層と(B)層の5%重量減少温度の差{(A)層の5%重量減少温度−(B)層の5%重量減少温度}が5℃〜100℃である請求項1に記載のポリイミドボード。
- (A)層の全体に対する厚さ比[(A)層の合計厚さ/{(A)層の合計厚さ+(B)層の合計厚さ}]が40%〜98%である請求項1または2に記載のポリイミドボード。
- (A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られたポリイミドフィルムであり、面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜10ppm/℃、かつ厚さが5μm〜75μmである請求項1〜3いずれかに記載のポリイミドボード。
- (B)熱可塑性樹脂が、ポリアリールケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドからなる群より選ばれた一種以上の樹脂であり、厚さが0.1μm〜50μmである請求項1〜4いずれかに記載のポリイミドボード。
- (A)(B)層間の剥離強度が3N/cm以上である請求項1〜5いずれかに記載のポリイミドボード。
- レーザーにより貫通孔が形成されてなることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のポリイミドボード。
- ドリルにより貫通孔が形成されてなることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のポリイミドボード。
- 請求項1〜8いずれかに記載のポリイミドボードに金属層を積層した、金属積層ポリイミドボード。
- 金属が、銅または銅を主成分とする金属である請求項9に記載の金属積層ポリイミドボード。
- 請求項1〜8いずれかに記載のポリイミドボード、または請求項9〜10いずれかに記載の金属積層ポリイミドボードを用いたプリント配線板。
- 請求項1〜8いずれかに記載のポリイミドボード、または請求項9〜10いずれかに記載の金属積層ポリイミドボード、または請求項11記載のプリント配線板をコア材として用いた多層プリント配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010141248A JP5556416B2 (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | ポリイミドボード、金属積層ポリイミドボード、およびプリント配線板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010141248A JP5556416B2 (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | ポリイミドボード、金属積層ポリイミドボード、およびプリント配線板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012006149A JP2012006149A (ja) | 2012-01-12 |
JP5556416B2 true JP5556416B2 (ja) | 2014-07-23 |
Family
ID=45537296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010141248A Active JP5556416B2 (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | ポリイミドボード、金属積層ポリイミドボード、およびプリント配線板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5556416B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108901135A (zh) * | 2018-07-13 | 2018-11-27 | 深圳市景旺电子股份有限公司 | 一种非金属化大孔的制作方法 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5894811B2 (ja) * | 2012-02-03 | 2016-03-30 | 東レ・デュポン株式会社 | ポリイミドシートおよびその製造方法 |
CN103149921B (zh) * | 2013-02-26 | 2016-01-06 | 佛山市川东磁电股份有限公司 | 一种防水温度敏感控制器的液槽式试验装置及其测试方法 |
CN114574859A (zh) * | 2016-01-20 | 2022-06-03 | 梧州三和新材料科技有限公司 | 一种对连续非金属带材导电化和黑化处理的方法 |
KR101865723B1 (ko) * | 2016-02-24 | 2018-06-08 | 현대자동차 주식회사 | 연성 동박 적층판, 이를 포함하는 연성 인쇄 회로 기판 및 이의 제조 방법 |
KR20200044057A (ko) * | 2017-09-29 | 2020-04-28 | 후지필름 가부시키가이샤 | 적층체 |
US11376826B2 (en) | 2018-03-30 | 2022-07-05 | Arisawa Mfg. Co., Ltd. | Multi-layer film and metal laminate |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05267810A (ja) * | 1992-03-23 | 1993-10-15 | Nitto Denko Corp | 両面基板およびその製造方法 |
JPH11236456A (ja) * | 1998-02-20 | 1999-08-31 | Hitachi Chem Co Ltd | 樹脂シート、金属箔張り積層板及び多層プリント配線板 |
JP3827859B2 (ja) * | 1998-04-13 | 2006-09-27 | 三井化学株式会社 | ポリイミド−金属積層体及びその製造方法 |
JP4123665B2 (ja) * | 1999-12-27 | 2008-07-23 | 宇部興産株式会社 | 耐熱性樹脂ボ−ド及びその製造法 |
JP4721657B2 (ja) * | 2004-05-25 | 2011-07-13 | 東洋紡績株式会社 | ポリイミドベンゾオキサゾールフィルム |
JP4458275B2 (ja) * | 2005-08-30 | 2010-04-28 | 信越化学工業株式会社 | ポリイミド基板及びその製造方法 |
JP2008095000A (ja) * | 2006-10-13 | 2008-04-24 | Toyobo Co Ltd | 易接着高弾性ポリイミドフィルム及びその製造方法 |
JP2008279698A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Asahi Kasei Corp | 積層体及びその製造法 |
-
2010
- 2010-06-22 JP JP2010141248A patent/JP5556416B2/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108901135A (zh) * | 2018-07-13 | 2018-11-27 | 深圳市景旺电子股份有限公司 | 一种非金属化大孔的制作方法 |
CN108901135B (zh) * | 2018-07-13 | 2020-12-11 | 深圳市景旺电子股份有限公司 | 一种非金属化大孔的制作方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012006149A (ja) | 2012-01-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5625906B2 (ja) | 多層フッ素樹脂フィルムおよびプリント配線板 | |
TWI437937B (zh) | 銅配線聚醯亞胺膜之製造方法及銅配線聚醯亞胺膜 | |
JP5556416B2 (ja) | ポリイミドボード、金属積層ポリイミドボード、およびプリント配線板 | |
KR101076505B1 (ko) | 접착 필름 및 그의 이용 | |
JP5119401B2 (ja) | 熱可塑性ポリイミド層を有するフレキシブル積層板及びその製造方法 | |
JP2011051203A (ja) | 多層ポリイミドフィルムおよびプリント配線板 | |
JP2012210780A (ja) | ポリイミドボード、孔あきポリイミドボード、および金属積層ポリイミドボード | |
JP5476821B2 (ja) | 多層フッ素樹脂基板 | |
JP2011143595A (ja) | 金属化ポリイミドフィルム、及びそれを用いたフレキシブル配線板 | |
JP2006269615A (ja) | プリント配線板 | |
TWI788546B (zh) | 金屬積層板 | |
JP4757645B2 (ja) | 両面金属張積層板の製造方法 | |
JP2011011456A (ja) | 多層フッ素樹脂フィルムおよび多層フッ素樹脂基板 | |
JP2009269372A (ja) | 金属貼りポリイミド積層板およびプリント配線板 | |
JP3912619B2 (ja) | 接着シート、金属積層シートおよびプリント配線板 | |
JP2007098905A (ja) | 多層ポリイミドフィルム | |
JP5310345B2 (ja) | 積層体 | |
JP2007242851A (ja) | 部品内蔵多層基板 | |
JP2007001173A (ja) | 多層ポリイミドフィルム | |
JP2005135985A (ja) | プリント配線板の製造方法 | |
JP4876396B2 (ja) | プリント配線板 | |
JP2005131919A (ja) | フレキシブル金属箔積層体 | |
JP2009272583A (ja) | ポリイミド多層基板 | |
JP2009051035A (ja) | レーザ光溶着積層体とその製法 | |
JPH11177195A (ja) | フレキシブルプリント回路基板およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130606 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140131 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140204 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140507 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140520 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5556416 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |