JP2008279698A - 積層体及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた接着性を有し、かつ吸湿膨張係数が低い接着層を用い、回路形成時や使用時の寸法変化が少なく、信頼性の高い両面フレキシブルプリント配線板向けの積層体を提供する。
【解決手段】分子内にエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物を原料として得られる熱可塑性ポリイミドを接着層として用いた、両面フレキシブルプリント配線板向けのキャスト法両面積層板。
【選択図】なし
【解決手段】分子内にエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物を原料として得られる熱可塑性ポリイミドを接着層として用いた、両面フレキシブルプリント配線板向けのキャスト法両面積層板。
【選択図】なし
Description
本発明は、特に両面フレキシブルプリント配線板の材料として有用な、(金属−樹脂)積層体に関するものである。
ポリイミドは、優れた耐熱性のみならず、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性などの特性を併せ持つことから、フレキシブルプリント配線板、半導体素子の保護膜、集積回路の層間絶縁膜など、様々な電子デバイスに広く利用されている。また、ポリイミドフィルムの両面に電気配線を施した両面フレキシブルプリント配線板は、電子部品間を短い距離で接続できるため、電子機器の小型化、高密度化、信号伝搬の高速化を容易に実現することができる。
フレキシブルプリント配線板向けの材料である金属−樹脂積層体(以下、積層体)の製造方法は主に3つの様式に分類される。すなわち、金属箔上にポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布してポリイミド層を形成する方法(キャスト法)、金属箔とポリイミドフィルムとを接着層を介して接着する方法(ラミネート法)、ポリイミドフィルム上に蒸着法やスパッタリング法などを用いて金属層を形成させる方法(メタライズ法)である。これらのうち、耐屈曲性や柔軟性という観点から、ポリイミド層の厚さの設計自由度が高いキャスト法が注目されている。
フレキシブルプリント配線板向けの材料である金属−樹脂積層体(以下、積層体)の製造方法は主に3つの様式に分類される。すなわち、金属箔上にポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布してポリイミド層を形成する方法(キャスト法)、金属箔とポリイミドフィルムとを接着層を介して接着する方法(ラミネート法)、ポリイミドフィルム上に蒸着法やスパッタリング法などを用いて金属層を形成させる方法(メタライズ法)である。これらのうち、耐屈曲性や柔軟性という観点から、ポリイミド層の厚さの設計自由度が高いキャスト法が注目されている。
フレキシブルプリント配線板のポリイミド層には、吸湿に対する寸法安定性が要求される。ポリイミド層の吸湿による寸法変化に伴う回路の位置ずれは、高密度配線や多層配線にとって深刻な問題である。また、ポリイミド/導体界面でのコロージョン、イオンマイグレーション、絶縁破壊など、電気特性の低下によってさらに深刻な問題を引き起こす恐れがある。そのため、絶縁膜としてのポリイミド層はできるだけ吸湿膨張係数が低いことが求められている。低い吸湿膨張係数を実現する目的で、種々のポリイミドフィルムが提案されている(例えば、特許文献1)。
キャスト法においては、金属層とポリイミド層の2層からなる積層体を2枚用い、ポリイミド層同士を接着層を介して積層一体化することにより、両面フレキシブルプリント配線板向けの積層体とすることができる。このような積層体において、接着層として、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、機械的特性に優れたポリイミドを用いることが検討されている(例えば、特許文献2)。また、熱可塑性ポリイミドを接着層として用いることが検討されている(例えば、特許文献3)。このポリイミドにおいても、吸湿膨張係数ができるだけ低いことが好ましい。
キャスト法においては、金属層とポリイミド層の2層からなる積層体を2枚用い、ポリイミド層同士を接着層を介して積層一体化することにより、両面フレキシブルプリント配線板向けの積層体とすることができる。このような積層体において、接着層として、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、機械的特性に優れたポリイミドを用いることが検討されている(例えば、特許文献2)。また、熱可塑性ポリイミドを接着層として用いることが検討されている(例えば、特許文献3)。このポリイミドにおいても、吸湿膨張係数ができるだけ低いことが好ましい。
従来、ポリイミドに熱可塑性を付与するためには、分子内に屈曲構造や柔軟な構造を導入する手法が一般的である。しかし、このような熱可塑性ポリイミドは、一般に、分子の配向性が低く、吸湿膨張係数が高くなるという問題がある。特許文献2及び3に記載の熱可塑性ポリイミドも、分子内に屈曲構造や柔軟な構造を有するため、吸湿膨張係数が高いことが懸念される。逆に、分子内に剛直構造を導入して分子の配向性を高めると、他の素材との接着性が低下するほか、溶融成形するために高温を要するなどの問題が生ずる。このように、低い吸湿膨張係数、高い接着性を併せ持つ熱可塑性ポリイミドは今のところ殆ど知られていないのが現状である。
特開2006−328407号公報
特開平6−112610号公報
特開2005−329641号公報
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、低い吸湿膨張係数と高い接着性とを併せ持つ接着層を有する、両面フレキシブルプリント配線板向けの積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するテトラカルボン酸二無水物を原料とし、適度な剛直性と柔軟性をもつ構造を有する、分子の配向性を制御された熱可塑性ポリイミドが、低い吸湿膨張係数とポリイミドフィルムに対する高い接着性を併せ持ち、両面フレキシブルプリント配線板向けのキャスト法両面積層板用接着層として好適に用いることが可能であることを見いだし、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.第一の金属層と、
前記第一の金属層上に設けられた、ポリイミドから構成される第一の樹脂層と、
前記第一の樹脂層上に設けられた、エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物由来の繰り返し単位を含む熱可塑性ポリイミドから構成される第二の樹脂層と、
前記第二の樹脂層上に設けられた、ポリイミドから構成される第三の樹脂層と、
前記第三の樹脂層上に設けられた第二の金属層と、
を具備することを特徴とする積層体。
2.前記エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物が一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることを特徴とする、1に記載の積層体。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.第一の金属層と、
前記第一の金属層上に設けられた、ポリイミドから構成される第一の樹脂層と、
前記第一の樹脂層上に設けられた、エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物由来の繰り返し単位を含む熱可塑性ポリイミドから構成される第二の樹脂層と、
前記第二の樹脂層上に設けられた、ポリイミドから構成される第三の樹脂層と、
前記第三の樹脂層上に設けられた第二の金属層と、
を具備することを特徴とする積層体。
2.前記エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物が一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることを特徴とする、1に記載の積層体。
3.前記第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数が19ppm/%RH以下である、1又は2に記載の積層体。
4.1〜3のいずれかに記載の積層体を配線加工して得られるフレキシブルプリント配線板。
5.少なくとも下記(i)〜(iii)の工程を含むことを特徴とする、積層体の製造方法。
(i)金属層上にポリイミドあるいはその前駆体からなる層を設ける工程、
(ii)エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物由来の繰り返し単位を含む熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を、前記ポリイミドあるいはその前駆体からなる層に塗布し積層する工程、
(iii)工程(ii)を経て得られた積層体同士を貼り合わせ一体化する工程。
6.前記エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物が一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物である、5に記載の積層体の製造方法。
4.1〜3のいずれかに記載の積層体を配線加工して得られるフレキシブルプリント配線板。
5.少なくとも下記(i)〜(iii)の工程を含むことを特徴とする、積層体の製造方法。
(i)金属層上にポリイミドあるいはその前駆体からなる層を設ける工程、
(ii)エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物由来の繰り返し単位を含む熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を、前記ポリイミドあるいはその前駆体からなる層に塗布し積層する工程、
(iii)工程(ii)を経て得られた積層体同士を貼り合わせ一体化する工程。
6.前記エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物が一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物である、5に記載の積層体の製造方法。
7.5又は6に記載の方法により得られた積層体を配線加工することを特徴とする、フレキシブルプリント配線板の製造方法。
本発明によると、エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物由来の繰り返し単位を含む、低い吸湿膨張係数と高い接着性を併せ持つ熱可塑性ポリイミドを接着層として用いることにより、回路形成時や使用時の寸法変化が少なく、かつ信頼性の高い両面フレキシブルプリント配線板に好適な積層体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、これらは本発明の実施形態の一例であり、これらの内容に限定されない。
本発明の積層体は、第一の金属層と、前記第一の金属層上に設けられた、ポリイミドから構成される第一の樹脂層と、前記第一の樹脂層上に設けられた、熱可塑性ポリイミドから構成される第二の樹脂層と、前記第二の樹脂層上に設けられた、ポリイミドから構成される第三の樹脂層と、前記第三の樹脂層上に設けられた第二の金属層とからなる。
本発明の積層体は、第一の金属層と、前記第一の金属層上に設けられた、ポリイミドから構成される第一の樹脂層と、前記第一の樹脂層上に設けられた、熱可塑性ポリイミドから構成される第二の樹脂層と、前記第二の樹脂層上に設けられた、ポリイミドから構成される第三の樹脂層と、前記第三の樹脂層上に設けられた第二の金属層とからなる。
<第一の金属層及び第二の金属層>
本発明の積層体に用いる金属層は特に限定されず、公知の金属箔、合金箔全てが適用可能である。具体的には、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などが適用できる。これらのうち、電解銅箔、圧延銅箔、キャリア付き銅箔などの銅箔が、コスト面、入手性、加工性の観点から好ましい。
金属層の厚さは、製造時の取り扱いの容易さ、製品を使用する際の耐屈曲性や柔軟性などの観点から、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜35μm、さらに好ましくは5〜20μmである。
金属層の表面には、接着性の向上や防錆性能などを目的として、粗化処理、メッキ処理、クロメート処理、アルミニウムアルコラート処理、アルミニウムキレート処理、シランカップリング剤処理などの表面処理が施されていてもよい。
第一の金属層と第二の金属層の種類、厚さ及び表面処理方法は、同じでも異なっていてもよい。
本発明の積層体に用いる金属層は特に限定されず、公知の金属箔、合金箔全てが適用可能である。具体的には、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などが適用できる。これらのうち、電解銅箔、圧延銅箔、キャリア付き銅箔などの銅箔が、コスト面、入手性、加工性の観点から好ましい。
金属層の厚さは、製造時の取り扱いの容易さ、製品を使用する際の耐屈曲性や柔軟性などの観点から、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜35μm、さらに好ましくは5〜20μmである。
金属層の表面には、接着性の向上や防錆性能などを目的として、粗化処理、メッキ処理、クロメート処理、アルミニウムアルコラート処理、アルミニウムキレート処理、シランカップリング剤処理などの表面処理が施されていてもよい。
第一の金属層と第二の金属層の種類、厚さ及び表面処理方法は、同じでも異なっていてもよい。
<ポリイミドから構成される第一の樹脂層及び第三の樹脂層>
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層を構成するポリイミドは特に限定されず、公知のものを使用することが可能である。ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体の溶液を前記金属層に塗布し、次いで脱水閉環反応(イミド化反応)を進行させてポリイミドへ転換することによって製造することができる。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層を構成するポリイミドは特に限定されず、公知のものを使用することが可能である。ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体の溶液を前記金属層に塗布し、次いで脱水閉環反応(イミド化反応)を進行させてポリイミドへ転換することによって製造することができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、公知のものを使用することができる。具体的にはピロメリット酸、ベンゼンテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−オキシジフタル酸、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、4,4’−(イソプロピリデン)ジフタル酸、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸、4,4’−(4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸などが脱水環化した構造を有する酸二無水物、及びこれらの化合物における水素原子のすべてあるいは一部がアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基などの他の置換基で置換されているものを挙げることができる。
低吸湿膨張係数を有するポリイミドを得るという観点から、前記テトラカルボン酸二無水物の一部又は全部を、エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物で置き換えることが好ましい。エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物としては下記一般式(3)、(4)で表されるものが好適に用いられる。
これらエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物の含有量は、ポリイミドの吸湿膨張係数の観点から、ポリイミドに含まれるテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位100mol%に対し、20mol%〜100mol%が好ましく、50mol%〜80mol%がより好ましい。
テトラカルボン酸二無水物は、単独で用いても2種類以上を用いてもよい。
ジアミンとしては公知のものを使用できる。例えば1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、キシリレンジアミン、ジアミノナフタレン類、ジアミノアントラセン類、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル)ベンゼン、4,4’−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル)ジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、trans及びcis−1,4−ジアミノシクロヘキサン、trans及びcis−1,3−ジアミノシクロヘキサン、trans及びcis−1,2−ジアミノシクロヘキサン、3−メチル−trans及びcis−1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−メチル−3−アミノメチル−5,5’−ジメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,3’−メチル−4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(アミノメチル)ノルボルナン、ビス−(アミノメチル)−トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸メチル、3,5−ジアミノ安息香酸メチルなどを挙げることができる。また、前記ジアミン類に含まれる水素原子の一部がメチル基、エチル基、及びハロゲン基からなる群から選択される基で置換されたものも使用できる。
テトラカルボン酸二無水物は、単独で用いても2種類以上を用いてもよい。
ジアミンとしては公知のものを使用できる。例えば1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、キシリレンジアミン、ジアミノナフタレン類、ジアミノアントラセン類、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル)ベンゼン、4,4’−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル)ジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、trans及びcis−1,4−ジアミノシクロヘキサン、trans及びcis−1,3−ジアミノシクロヘキサン、trans及びcis−1,2−ジアミノシクロヘキサン、3−メチル−trans及びcis−1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−メチル−3−アミノメチル−5,5’−ジメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,3’−メチル−4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(アミノメチル)ノルボルナン、ビス−(アミノメチル)−トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸メチル、3,5−ジアミノ安息香酸メチルなどを挙げることができる。また、前記ジアミン類に含まれる水素原子の一部がメチル基、エチル基、及びハロゲン基からなる群から選択される基で置換されたものも使用できる。
低い吸湿膨張係数及び熱膨張係数を有するポリイミドを得るという観点から、ジアミンの一部に、エステル基を有するジアミン及び/又はベンゾオキサゾール構造を有するジアミンを用いることがより好ましい。エステル基を有するジアミンとしては下記一般式(5)〜(7)で表されるものが好適に用いられる。
これらエステル基を有するジアミンの含有量は、ポリイミドの吸湿膨張係数の観点から、ポリイミド層に含まれるジアミンに由来する繰り返し単位100mol%に対し、60mol%〜99mol%が好ましく、80mol%〜95mol%がより好ましい。
ベンゾオキサゾール構造を有するジアミンとしては下記一般式(8)〜(10)で表されるものが好適に用いられる。
ベンゾオキサゾール構造を有するジアミンとしては下記一般式(8)〜(10)で表されるものが好適に用いられる。
これらベンゾオキサゾール構造を有するジアミンの含有量は、ポリイミドの吸湿膨張係数及び熱膨張係数という観点から、ポリイミドに含まれるジアミンに由来する繰り返し単位100mol%に対し、1mol%〜40mol%が好ましく、5mol%〜20mol%がより好ましい。
前記ジアミンは、単独で用いても2種類以上を用いてもよい。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層を構成するポリイミドの末端は、ジカルボン酸無水物あるいはモノアミンなどの末端封止剤で封止された構造となっていてもよい。末端封止剤としては特に限定されず、公知のものが用いられる。
末端封止に用いられるジカルボン酸無水物としては、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、ジフェニルエーテルジカルボン酸無水物、ジフェニルジカルボン酸無水物、ジフェニルスルホンジカルボン酸無水物、ナフタレンジカルボン酸無水物、アントラセンジカルボン酸無水物、4−フェニルエチニル無水フタル酸、3−フェニルエチニル無水フタル酸、フェニルエチニルナフタレンジカルボン酸無水物、フェニルエチニルジフェニルテトラカルボン酸無水物、フェニルエチニルジフェニルエーテルジカルボン酸無水物、フェニルエチニルベンゾフェノンジカルボン酸無水物、フェニルエチニルジフェニルスルホンジカルボン酸無水物、フェニルエチニルアントラセンジカルボン酸無水物やこれらの芳香族環上に置換基を有するものを挙げることができる。これらジカルボン酸無水物は単独で用いても2種以上を併用しても構わない。
前記ジアミンは、単独で用いても2種類以上を用いてもよい。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層を構成するポリイミドの末端は、ジカルボン酸無水物あるいはモノアミンなどの末端封止剤で封止された構造となっていてもよい。末端封止剤としては特に限定されず、公知のものが用いられる。
末端封止に用いられるジカルボン酸無水物としては、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、ジフェニルエーテルジカルボン酸無水物、ジフェニルジカルボン酸無水物、ジフェニルスルホンジカルボン酸無水物、ナフタレンジカルボン酸無水物、アントラセンジカルボン酸無水物、4−フェニルエチニル無水フタル酸、3−フェニルエチニル無水フタル酸、フェニルエチニルナフタレンジカルボン酸無水物、フェニルエチニルジフェニルテトラカルボン酸無水物、フェニルエチニルジフェニルエーテルジカルボン酸無水物、フェニルエチニルベンゾフェノンジカルボン酸無水物、フェニルエチニルジフェニルスルホンジカルボン酸無水物、フェニルエチニルアントラセンジカルボン酸無水物やこれらの芳香族環上に置換基を有するものを挙げることができる。これらジカルボン酸無水物は単独で用いても2種以上を併用しても構わない。
末端封止に用いられるモノアミンとしては、例えばアニリン、アミノフェノール、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、2−アミノジフェニルエーテル、3−アミノジフェニルエーテル、4−アミノジフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノジフェニルスルホン、3−アミノジフェニルスルホン、4−アミノジフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセンが挙げられる。これらモノアミンは単独で用いても2種以上を併用しても構わない。
前記ポリイミドの合成方法、第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドの合成方法については後述する。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層を構成するポリイミドは、非熱可塑性ポリイミドであることがより好ましい。ここで「非熱可塑性」とは、400℃以下にガラス転移温度を有しないか、ガラス転移温度を有する場合であっても、ガラス転移温度以上の加熱によって弾性率の大きな低下がなく、可塑化しない(溶融流動しない)ことを指す。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層の吸湿膨張係数は、20ppm/%RH以下が好ましく、10ppm/%RH以下がより好ましく、8ppm/%RH以下がさらに好ましく、5ppm/%RH以下が特に好ましい。本発明において、吸湿膨張係数は湿度を10%RH〜80%RHに変化させた際の寸法変化から算出される値である。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層を構成するポリイミドは、非熱可塑性ポリイミドであることがより好ましい。ここで「非熱可塑性」とは、400℃以下にガラス転移温度を有しないか、ガラス転移温度を有する場合であっても、ガラス転移温度以上の加熱によって弾性率の大きな低下がなく、可塑化しない(溶融流動しない)ことを指す。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層の吸湿膨張係数は、20ppm/%RH以下が好ましく、10ppm/%RH以下がより好ましく、8ppm/%RH以下がさらに好ましく、5ppm/%RH以下が特に好ましい。本発明において、吸湿膨張係数は湿度を10%RH〜80%RHに変化させた際の寸法変化から算出される値である。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層の厚さは、2μm以上125μm以下であることが好ましい。積層体の剛性、製造時の取り扱いの容易さの観点から5μm以上であることがより好ましい。また、フレキシブルプリント配線板の耐屈曲性、柔軟性の観点から75μm以下がより好ましく、25μm以下がさらに好ましく、12μm以下が特に好ましい。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層において、金属層と接していない側の表面が、サンドブラスト、ウェットブラスト及びバフ研磨などの物理的手法、並びにコロナ放電処理、プラズマ放電処理及びUVオゾン処理などの化学的手法で処理されていてもよい。これらの処理によってフィルム表面を粗化したり、カルボキシル基などの接着に寄与し得る官能基を形成させることによって、第二の樹脂層との接着性をさらに向上させることができる。
本発明に係る第一の樹脂層及び第三の樹脂層において、金属層と接していない側の表面が、サンドブラスト、ウェットブラスト及びバフ研磨などの物理的手法、並びにコロナ放電処理、プラズマ放電処理及びUVオゾン処理などの化学的手法で処理されていてもよい。これらの処理によってフィルム表面を粗化したり、カルボキシル基などの接着に寄与し得る官能基を形成させることによって、第二の樹脂層との接着性をさらに向上させることができる。
コロナ放電処理は、公知の方法が採用される。電極としては、ステンレス電極、アルミニウム電極、クォーツ電極、ロール電極、ワイヤー電極などの公知の電極が適用される。また、処理ロールはシリコンライニングロール、EPTライニングロール、ハイパロンゴムライニングロール、セラミックコーティングロール、シリコンスリープロールなどの公知の処理ロールが適用される。コロナ放電処理雰囲気ガス、処理密度は特に限定されない。コロナ放電処理条件に関しては、任意の条件が選択可能であるが、放電出力を生産速度と処理幅で割った値である放電密度が40W・min/m2以上で電気処理することが好ましく、より好ましくは放電密度が80W・min/m2以上である。
プラズマ放電処理の方法は、グロー放電などの公知の方法が採用され、プラズマ放電処理のガス種類、ガス圧、処理密度は特に限定されない。また、プラズマ放電処理の条件は任意に選択することが可能であるが、グロー放電によるプラズマ放電処理の場合、放電出力20〜2000W・min/m2、圧力1Torr以下が好ましい。プラズマ放電処理の雰囲気ガスも任意に選択することが可能であるが、好ましくはテトラフルオロメタン、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水素、又はこれらの2種以上の混合気体など、非反応性ガスあるいは反応性ガスが採用される。
バフ研磨処理は、公知の装置を適用することができ、バフロール種、バフ圧、バフロール回転数は特に限定されない。
コロナ放電処理やプラズマ放電処理の前に、サンドブラスト処理やウェットブラスト処理やバフ研磨処理を行ってもよい。
第一の樹脂層と第三の樹脂層の組成、厚さ及び表面処理方法は、同じでも異なっていてもよい。
バフ研磨処理は、公知の装置を適用することができ、バフロール種、バフ圧、バフロール回転数は特に限定されない。
コロナ放電処理やプラズマ放電処理の前に、サンドブラスト処理やウェットブラスト処理やバフ研磨処理を行ってもよい。
第一の樹脂層と第三の樹脂層の組成、厚さ及び表面処理方法は、同じでも異なっていてもよい。
<熱可塑性ポリイミドから構成される第二の樹脂層>
本発明に係る第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドは、分子内にエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位を含む。これにより、熱可塑性ポリイミドと第一の樹脂層及び第三の樹脂層との接着性が増す。また、熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数が低下する。エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位の含有量は、熱可塑性ポリイミドに含まれるテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位100mol%に対し、吸湿膨張係数やガラス転移温度などの物性のバランスという観点から、好ましくは50mol%〜100mol%、より好ましくは60mol%〜99mol%、さらに好ましくは80mol%〜95mol%である。なお、「熱可塑性」とは、100℃〜400℃の範囲にガラス転移温度を有し、ガラス転移温度以上の加熱によって溶融流動し成形加工が可能であることを指す。
本発明に係るエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物は、分子内に少なくとも1つのエステル基、及び4つのカルボキシル基を有するテトラカルボン酸が脱水環化した構造をもつテトラカルボン酸二無水物であれば特に限定されず使用可能であるが、吸湿膨張係数を低下させるという観点から、特に好適なのは、下記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物である。
本発明に係る第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドは、分子内にエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位を含む。これにより、熱可塑性ポリイミドと第一の樹脂層及び第三の樹脂層との接着性が増す。また、熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数が低下する。エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位の含有量は、熱可塑性ポリイミドに含まれるテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位100mol%に対し、吸湿膨張係数やガラス転移温度などの物性のバランスという観点から、好ましくは50mol%〜100mol%、より好ましくは60mol%〜99mol%、さらに好ましくは80mol%〜95mol%である。なお、「熱可塑性」とは、100℃〜400℃の範囲にガラス転移温度を有し、ガラス転移温度以上の加熱によって溶融流動し成形加工が可能であることを指す。
本発明に係るエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物は、分子内に少なくとも1つのエステル基、及び4つのカルボキシル基を有するテトラカルボン酸が脱水環化した構造をもつテトラカルボン酸二無水物であれば特に限定されず使用可能であるが、吸湿膨張係数を低下させるという観点から、特に好適なのは、下記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物である。
上記R2としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましく、熱可塑性ポリイミドの耐熱性という観点からメチル基がより好ましい。
式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位の含有量に特に規定はないが、熱可塑性ポリイミドに含まれるエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位100mol%に対し、吸湿膨張係数やガラス転移温度などの物性のバランスという観点から、好ましくは1mol%〜100mol%、より好ましくは10mol%〜99mol%、さらに好ましくは30mol%〜95mol%、特に好ましくは50mol%〜90mol%である。
式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位の含有量に特に規定はないが、熱可塑性ポリイミドに含まれるエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位100mol%に対し、吸湿膨張係数やガラス転移温度などの物性のバランスという観点から、好ましくは1mol%〜100mol%、より好ましくは10mol%〜99mol%、さらに好ましくは30mol%〜95mol%、特に好ましくは50mol%〜90mol%である。
本発明に係る第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドは、前記エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物に由来する繰り返し単位を含んでいても構わない。このようなテトラカルボン酸二無水物としては、公知のものを使用することができ、具体的には、第一の樹脂層及び第三の樹脂層を構成するポリイミドで前述したものが挙げられる。
本発明に係る第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを原料として得られるが、ジアミンとしては特に限定されず、公知のものを使用できる。具体的には、第一の樹脂層及び第三の樹脂層を構成するポリイミドで前述したものが挙げられる。中でも、吸湿膨張係数を下げるという観点から、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルが好ましい。
本発明に係る第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを原料として得られるが、ジアミンとしては特に限定されず、公知のものを使用できる。具体的には、第一の樹脂層及び第三の樹脂層を構成するポリイミドで前述したものが挙げられる。中でも、吸湿膨張係数を下げるという観点から、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルが好ましい。
また、熱可塑性ポリイミドの末端は、ジカルボン酸無水物あるいはモノアミンなどの末端封止剤で封止された構造となっていてもよい。末端封止剤としては特に限定されず、公知のものが用いられ、具体的には前述のようなものが挙げられる。
本発明に係る第二の樹脂層の厚さは、接着性及び製造工程における溶剤の乾燥の観点から、0.1〜30μmが好ましく、0.3〜15μmがより好ましく、0.5〜8μmがさらに好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
フレキシブルプリント配線板において配線とデバイスとの接続には、通常、はんだが使用される。そのため、本発明に係る熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は、共晶はんだの融点である183℃以上であることが好ましく、また、さらに高融点の鉛フリーはんだを使用可能にするためには、ガラス転移温度が200℃以上であることがより好ましい。ここで、ガラス転移温度は熱機械分析法(TMA)で測定した値である。
本発明に係る熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数の値としては、19ppm/%RH以下が好ましく、16ppm/%RH以下がより好ましく、10ppm/%RH以下がさらに好ましい。
本発明に係る第二の樹脂層の厚さは、接着性及び製造工程における溶剤の乾燥の観点から、0.1〜30μmが好ましく、0.3〜15μmがより好ましく、0.5〜8μmがさらに好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
フレキシブルプリント配線板において配線とデバイスとの接続には、通常、はんだが使用される。そのため、本発明に係る熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は、共晶はんだの融点である183℃以上であることが好ましく、また、さらに高融点の鉛フリーはんだを使用可能にするためには、ガラス転移温度が200℃以上であることがより好ましい。ここで、ガラス転移温度は熱機械分析法(TMA)で測定した値である。
本発明に係る熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数の値としては、19ppm/%RH以下が好ましく、16ppm/%RH以下がより好ましく、10ppm/%RH以下がさらに好ましい。
次に、第一の樹脂層と第三の樹脂層を構成するポリイミド、及び第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミド(以下、これらをまとめて「ポリイミド類」と称す)、並びにそれらの前駆体の合成方法について述べる。
本発明に係るポリイミド類は、前記のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、実質的に等モル量、有機溶媒中に溶解させ反応させて得られるポリアミド酸を前駆体とし、さらに脱水環化反応(イミド化反応)を行うことで得られる。
この反応に用いられる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、クレゾール、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。
安全性、取り扱い上の容易さなどの観点から特に好適なのは、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンである。また、これらの溶媒にベンゼン、キシレン、ヘキサン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの溶媒を任意の割合で混合して用いてもよい。
反応は、通常5〜80wt%の溶質濃度で、−20℃〜150℃の温度にて、10分〜24時間の範囲で行われる。必要に応じて、前記末端封止剤を反応系に添加してもよい。
本発明に係るポリイミド類は、前記のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、実質的に等モル量、有機溶媒中に溶解させ反応させて得られるポリアミド酸を前駆体とし、さらに脱水環化反応(イミド化反応)を行うことで得られる。
この反応に用いられる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、クレゾール、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。
安全性、取り扱い上の容易さなどの観点から特に好適なのは、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンである。また、これらの溶媒にベンゼン、キシレン、ヘキサン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの溶媒を任意の割合で混合して用いてもよい。
反応は、通常5〜80wt%の溶質濃度で、−20℃〜150℃の温度にて、10分〜24時間の範囲で行われる。必要に応じて、前記末端封止剤を反応系に添加してもよい。
得られるポリアミド酸の重合度は、好適には2〜600である。なお、この重合度は、GPCで測定される重量平均分子量に基づき算出可能である。重合度の調整は、通常の縮重合系ポリマーの場合と同様に、モノマー成分のモル比を調整することにより制御可能である。例えば、テトラカルボン酸二無水物1molに対して、0.8〜1.2molのジアミンを使用する。好ましくはテトラカルボン酸二無水物1molに対して、ジアミン0.9〜1.1molを用いる。
得られるポリアミド酸は、その溶液の粘度が0.2〜200,000mPa・sであることが好ましく、0.3〜50,000mPa・sであることがより好ましく、0.5〜30,000mPa・sであることがさらに好ましい。ポリアミド酸溶液の粘度は、コーン&プレート型回転粘度計(E型粘度計)を用い、23℃で計測した値である。
得られるポリアミド酸は、その溶液の粘度が0.2〜200,000mPa・sであることが好ましく、0.3〜50,000mPa・sであることがより好ましく、0.5〜30,000mPa・sであることがさらに好ましい。ポリアミド酸溶液の粘度は、コーン&プレート型回転粘度計(E型粘度計)を用い、23℃で計測した値である。
ポリイミド類が溶剤可溶性である場合には、予め溶液中で前記ポリアミド酸のイミド化反応を行っておくことが可能である。これにより溶液の安定性が向上することや、後述の塗布工程の際に熱処理を簡略化できるという利点がある。ここで「溶剤可溶性」とは、使用する溶媒に室温〜100℃の温度範囲において1wt%以上溶解することをいう。
溶液中でイミド化反応を行う方法は特に限定されず、公知の方法が用いられる。具体的には、加熱によりイミド化反応を進行させる方法や、あるいは無水酢酸、トリフルオロ酢酸、ポリリン酸、五酸化リン、五塩化リン、塩化チオニルなどに代表される化学的転化剤(脱水剤)や、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン、γ−バレロラクトンなどに代表される触媒を添加することによって、ポリアミド酸の脱水環化反応を促進しイミド化を進行させる方法を用いることができる。
溶液中でイミド化反応を行う方法は特に限定されず、公知の方法が用いられる。具体的には、加熱によりイミド化反応を進行させる方法や、あるいは無水酢酸、トリフルオロ酢酸、ポリリン酸、五酸化リン、五塩化リン、塩化チオニルなどに代表される化学的転化剤(脱水剤)や、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン、γ−バレロラクトンなどに代表される触媒を添加することによって、ポリアミド酸の脱水環化反応を促進しイミド化を進行させる方法を用いることができる。
一方、ポリイミド類が溶剤可溶性でない場合は、ポリアミド酸の溶液を塗布、乾燥した後にイミド化反応を行う必要がある。これについては積層体の製造方法で後述する。
なお、ポリイミド類の前駆体の安定性の向上を目的として、ポリアミド酸をポリアミド酸エステルやポリイソイミドで代替することもできる。この手法は、例えば「日本ポリイミド研究会編・最新ポリイミド〜基礎と応用〜」(株式会社エヌ・ティー・エス)などに記載されている。
ポリイミド類あるいはその前駆体の溶液には、添加剤として脱水剤、シリカなどのフィラー、及びシランカップリング剤などの表面改質剤などを加えてもよい。またポリイミド類の前駆体の溶液には、後述のイミド化反応を効率的に進行させるためにイミド化促進剤を添加してもよい。
なお、ポリイミド類の前駆体の安定性の向上を目的として、ポリアミド酸をポリアミド酸エステルやポリイソイミドで代替することもできる。この手法は、例えば「日本ポリイミド研究会編・最新ポリイミド〜基礎と応用〜」(株式会社エヌ・ティー・エス)などに記載されている。
ポリイミド類あるいはその前駆体の溶液には、添加剤として脱水剤、シリカなどのフィラー、及びシランカップリング剤などの表面改質剤などを加えてもよい。またポリイミド類の前駆体の溶液には、後述のイミド化反応を効率的に進行させるためにイミド化促進剤を添加してもよい。
<積層体の製造方法>
本発明に係る積層体の製造方法について述べる。
本発明に係る積層体の製造方法は、まず、第一の金属層の上に、ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布した後、乾燥し、必要に応じてイミド化反応を行うことによって、ポリイミドから構成される第一の樹脂層を形成する。
ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を第一の金属層へ塗布する方法は特に限定されず、公知の種々のコーティング方式、例えばブレードコーター、ダイコーター、ナイフコーター、含浸コーター、コンマコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リップコーター、キャップコーター、バーコーター、スクイズコーター、スライドコーター、カーテンコーターなどを使用して行うことができる。
ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布後、乾燥させる。乾燥方法や条件は特に限定されないが、例えば熱風や赤外線を用い、好ましくは溶媒の沸点以上(通常は100℃〜400℃の範囲)で10秒〜10時間加熱する。
ポリイミドの前駆体を塗布した場合には、乾燥と同時あるいは後に、イミド化反応を進行させ、ポリイミドの前駆体をポリイミドに転換する。この反応は、通常、加熱により促進される。反応条件に特に制限はなく、公知の条件が適用できるが、通常100℃〜400℃にて0.5時間〜24時間の加熱が実用的である。また、必要に応じて窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスの雰囲気下で行うことができる。
以上の方法により、金属層及び第一の樹脂層からなる積層体(以下、二層積層体と称す)を得ることができる。
本発明に係る積層体の製造方法について述べる。
本発明に係る積層体の製造方法は、まず、第一の金属層の上に、ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布した後、乾燥し、必要に応じてイミド化反応を行うことによって、ポリイミドから構成される第一の樹脂層を形成する。
ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を第一の金属層へ塗布する方法は特に限定されず、公知の種々のコーティング方式、例えばブレードコーター、ダイコーター、ナイフコーター、含浸コーター、コンマコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リップコーター、キャップコーター、バーコーター、スクイズコーター、スライドコーター、カーテンコーターなどを使用して行うことができる。
ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布後、乾燥させる。乾燥方法や条件は特に限定されないが、例えば熱風や赤外線を用い、好ましくは溶媒の沸点以上(通常は100℃〜400℃の範囲)で10秒〜10時間加熱する。
ポリイミドの前駆体を塗布した場合には、乾燥と同時あるいは後に、イミド化反応を進行させ、ポリイミドの前駆体をポリイミドに転換する。この反応は、通常、加熱により促進される。反応条件に特に制限はなく、公知の条件が適用できるが、通常100℃〜400℃にて0.5時間〜24時間の加熱が実用的である。また、必要に応じて窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスの雰囲気下で行うことができる。
以上の方法により、金属層及び第一の樹脂層からなる積層体(以下、二層積層体と称す)を得ることができる。
次に、金属層、第一の樹脂層、及び第二の樹脂層からなる積層体(以下、三層積層体と称す)の製造方法について述べる。
三層積層体は、前記二層積層体のポリイミド上に熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布することで製造してもよいし、前記二層積層体を製造する過程において、ポリイミドの前駆体をポリイミドに転換する工程を行わずに、熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布してもよい。二層積層体の製造にポリイミド前駆体の溶液を用いる場合、前駆体をポリイミドに転換する工程を行わずに、熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布するほうが好ましい。これにより、第一の樹脂層と第二の樹脂層との接着性が高くなる上、熱処理のプロセスを簡略化できるという利点がある。熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布及び乾燥する方法は、前述の通りである。
形成した第一の樹脂層、第二の樹脂層の少なくとも一方がポリイミド類の前駆体である場合には、前述の方法でポリイミド類の前駆体をポリイミドや熱可塑性ポリイミドに転換する。
以上の方法により、金属層、第一の樹脂層及び第二の樹脂層からなる三層積層体を得ることができる。
三層積層体は、前記二層積層体のポリイミド上に熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布することで製造してもよいし、前記二層積層体を製造する過程において、ポリイミドの前駆体をポリイミドに転換する工程を行わずに、熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布してもよい。二層積層体の製造にポリイミド前駆体の溶液を用いる場合、前駆体をポリイミドに転換する工程を行わずに、熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布するほうが好ましい。これにより、第一の樹脂層と第二の樹脂層との接着性が高くなる上、熱処理のプロセスを簡略化できるという利点がある。熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を塗布及び乾燥する方法は、前述の通りである。
形成した第一の樹脂層、第二の樹脂層の少なくとも一方がポリイミド類の前駆体である場合には、前述の方法でポリイミド類の前駆体をポリイミドや熱可塑性ポリイミドに転換する。
以上の方法により、金属層、第一の樹脂層及び第二の樹脂層からなる三層積層体を得ることができる。
こうして得られた二層積層体や三層積層体の2枚を貼り合わせ一体化することで、本発明の積層体を得ることができる。一体化には2種類の様式がある。
第一の様式としては、三層積層体の熱可塑性ポリイミドと、二層積層体のポリイミドとを接触させ圧着する。これにより、第二の樹脂層を薄膜化することができ、積層体の耐熱性を向上させることができる。また、二層積層体を用いることにより、第二の樹脂層を形成するプロセスを簡略化でき、製造コストを削減できる。
第二の様式としては、三層積層体を2枚用い、それぞれの熱可塑性ポリイミド同士を接触させ圧着する。これには高い接着性が得られるという利点がある。
これらの様式は、積層体に求められる特性や価格によって、適宜選択される。
圧着する方法としては、プレス法が好ましい。プレス法としては、平板真空プレス法、平板非真空プレス法、ロールプレス法、ダブルベルトプレス法などが挙げられ、中でもダブルベルトプレス法、ロールプレス法がより好ましい。プレスの条件は特に限定されず、第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドが十分流動する温度にて、ダブルベルトプレス法や、ロールプレス法により連続的に熱圧着することによって行われることが好ましい。ダブルベルトプレス法では、ベルト面間圧は1〜10MPaが好ましく、2〜6MPaがより好ましい。ロールプレス法では、熱ロール線間圧力は1〜500N/mmが好ましく、10〜300N/mmがより好ましい。金属層や樹脂層の熱劣化を防止するために、熱圧着は窒素やアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。
以上の方法により、第一の金属層、ポリイミドから構成される第一の樹脂層、熱可塑性ポリイミドから構成される第二の樹脂層、ポリイミドから構成される第三の樹脂層、及び第二の金属層の5層からなる積層体を製造することができる。
第一の様式としては、三層積層体の熱可塑性ポリイミドと、二層積層体のポリイミドとを接触させ圧着する。これにより、第二の樹脂層を薄膜化することができ、積層体の耐熱性を向上させることができる。また、二層積層体を用いることにより、第二の樹脂層を形成するプロセスを簡略化でき、製造コストを削減できる。
第二の様式としては、三層積層体を2枚用い、それぞれの熱可塑性ポリイミド同士を接触させ圧着する。これには高い接着性が得られるという利点がある。
これらの様式は、積層体に求められる特性や価格によって、適宜選択される。
圧着する方法としては、プレス法が好ましい。プレス法としては、平板真空プレス法、平板非真空プレス法、ロールプレス法、ダブルベルトプレス法などが挙げられ、中でもダブルベルトプレス法、ロールプレス法がより好ましい。プレスの条件は特に限定されず、第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドが十分流動する温度にて、ダブルベルトプレス法や、ロールプレス法により連続的に熱圧着することによって行われることが好ましい。ダブルベルトプレス法では、ベルト面間圧は1〜10MPaが好ましく、2〜6MPaがより好ましい。ロールプレス法では、熱ロール線間圧力は1〜500N/mmが好ましく、10〜300N/mmがより好ましい。金属層や樹脂層の熱劣化を防止するために、熱圧着は窒素やアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。
以上の方法により、第一の金属層、ポリイミドから構成される第一の樹脂層、熱可塑性ポリイミドから構成される第二の樹脂層、ポリイミドから構成される第三の樹脂層、及び第二の金属層の5層からなる積層体を製造することができる。
本発明に係る両面フレキシブルプリント配線板を作製するには、上記で得られた積層体の第一の金属層及び第二の金属層を配線加工する。配線加工は、少なくとも以下の工程により行うことができる。
第一の金属層及び第二の金属層上に、ドライフィルムレジストやレジストインキなどを用いてエッチングレジスト層を形成する。次いで現像を行い、エッチングレジスト層を所望の形状にパターニングする。現像により金属層が露出した部分を塩化銅や塩化鉄などの薬液で溶解させ、エッチングレジスト層を除去する。さらに、両面の金属層間の導通を行うための穴を開け、さらに穴の側面にめっきを施すことで両面を導通させる。
一般に、フレキシブルプリント配線板においては、配線形成後に部品を実装した基板を加衝撃環境下で取り扱う際の故障発生を低減させ、また配線形成後の基板を高頻度屈曲環境下で取り扱う際の故障発生を低減させるなどの観点から、導体層−樹脂層界面の接着性(JIS C6471 8.1のAに規定されるピール強度)が0.6N/mm以上であることが必要である。本発明によれば、導体層−樹脂層界面の接着力が0.6N/mm以上である、加工性に優れる両面フレキシブルプリント配線板を得ることが可能である。
第一の金属層及び第二の金属層上に、ドライフィルムレジストやレジストインキなどを用いてエッチングレジスト層を形成する。次いで現像を行い、エッチングレジスト層を所望の形状にパターニングする。現像により金属層が露出した部分を塩化銅や塩化鉄などの薬液で溶解させ、エッチングレジスト層を除去する。さらに、両面の金属層間の導通を行うための穴を開け、さらに穴の側面にめっきを施すことで両面を導通させる。
一般に、フレキシブルプリント配線板においては、配線形成後に部品を実装した基板を加衝撃環境下で取り扱う際の故障発生を低減させ、また配線形成後の基板を高頻度屈曲環境下で取り扱う際の故障発生を低減させるなどの観点から、導体層−樹脂層界面の接着性(JIS C6471 8.1のAに規定されるピール強度)が0.6N/mm以上であることが必要である。本発明によれば、導体層−樹脂層界面の接着力が0.6N/mm以上である、加工性に優れる両面フレキシブルプリント配線板を得ることが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例における物性評価は、次のようにして行った。
(1)吸湿膨張係数
金属製の塗工台に、厚さ12μmの銅箔(商品名USLP−SE、日本電解株式会社製)を、マット面側が表面になるように静置した。塗工台の表面温度を90℃に設定し、濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を、ドクターブレード用いて銅箔マット面に塗布した。その後、塗工台で10分間静置し、さらに乾燥器中で120℃にて10分間加熱乾燥することで、タック性のない熱可塑性ポリイミド前駆体フィルム(厚さ約45μm)が得られた。続いて熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/minで、150℃で30分間、200℃で60分間、350℃で60分間加熱してイミド化を行い、銅箔付き熱可塑性ポリイミドフィルムを得た。この銅箔付きフィルムを塩化第二鉄水溶液(鶴見曹達株式会社製)に浸漬して銅箔をエッチング除去することにより、厚さ約25μmの(第二の樹脂層を構成する)熱可塑性ポリイミドフィルムを得た。
アルバック理工株式会社製熱機械分析装置(TM−9400)及び湿度雰囲気調整装置(HC−1)を用いて、23℃、荷重5gにて湿度10%RH〜80%RHに変化させた際の、幅3mm、長さ30mm(チャック間長さ15mm)の熱可塑性ポリイミドフィルムの寸法変化を測定し、吸湿膨張係数を算出した。
金属製の塗工台に、厚さ12μmの銅箔(商品名USLP−SE、日本電解株式会社製)を、マット面側が表面になるように静置した。塗工台の表面温度を90℃に設定し、濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を、ドクターブレード用いて銅箔マット面に塗布した。その後、塗工台で10分間静置し、さらに乾燥器中で120℃にて10分間加熱乾燥することで、タック性のない熱可塑性ポリイミド前駆体フィルム(厚さ約45μm)が得られた。続いて熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/minで、150℃で30分間、200℃で60分間、350℃で60分間加熱してイミド化を行い、銅箔付き熱可塑性ポリイミドフィルムを得た。この銅箔付きフィルムを塩化第二鉄水溶液(鶴見曹達株式会社製)に浸漬して銅箔をエッチング除去することにより、厚さ約25μmの(第二の樹脂層を構成する)熱可塑性ポリイミドフィルムを得た。
アルバック理工株式会社製熱機械分析装置(TM−9400)及び湿度雰囲気調整装置(HC−1)を用いて、23℃、荷重5gにて湿度10%RH〜80%RHに変化させた際の、幅3mm、長さ30mm(チャック間長さ15mm)の熱可塑性ポリイミドフィルムの寸法変化を測定し、吸湿膨張係数を算出した。
(2)ピール強度
80℃に保温された平滑なプレートに保持されたポリイミドフィルム(商品名アピカル(登録商標)17FP、株式会社カネカ製)上に、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を、R.D.Specialties製の#22ワイヤーロッドを用いて塗布して10分放置後、空気循環式の乾燥炉で120℃10分乾燥させ、さらに窒素雰囲気下にて150℃30分間、続いて200℃60分間、続いて350℃60分間加熱処理することでイミド化を行い、熱可塑性ポリイミド層を形成し、積層体aを得た。
80℃に保温された平滑なプレート上で、マット面側が表面になるように保持された銅箔(商品名USLP−SE、厚さ12μm、日本電解株式会社製)上に、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を、R.D.Specialties製の#22ワイヤーロッドを用いて塗布して10分放置後、空気循環式の乾燥炉で120℃10分乾燥させ、さらに窒素雰囲気下にて150℃30分間、続いて200℃60分間、続いて350℃60分間、加熱処理することでイミド化を行い、熱可塑性ポリイミド層を形成し、積層体bを得た
積層体aの熱可塑性ポリイミド層と積層体bの熱可塑性ポリイミド層同士が接触するように重ね合わせ、真空プレス機にて真空下325℃にて4.4MPaで30分、次いで5.9MPaで20分間プレスを行うことで、積層体を得た。
80℃に保温された平滑なプレートに保持されたポリイミドフィルム(商品名アピカル(登録商標)17FP、株式会社カネカ製)上に、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を、R.D.Specialties製の#22ワイヤーロッドを用いて塗布して10分放置後、空気循環式の乾燥炉で120℃10分乾燥させ、さらに窒素雰囲気下にて150℃30分間、続いて200℃60分間、続いて350℃60分間加熱処理することでイミド化を行い、熱可塑性ポリイミド層を形成し、積層体aを得た。
80℃に保温された平滑なプレート上で、マット面側が表面になるように保持された銅箔(商品名USLP−SE、厚さ12μm、日本電解株式会社製)上に、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を、R.D.Specialties製の#22ワイヤーロッドを用いて塗布して10分放置後、空気循環式の乾燥炉で120℃10分乾燥させ、さらに窒素雰囲気下にて150℃30分間、続いて200℃60分間、続いて350℃60分間、加熱処理することでイミド化を行い、熱可塑性ポリイミド層を形成し、積層体bを得た
積層体aの熱可塑性ポリイミド層と積層体bの熱可塑性ポリイミド層同士が接触するように重ね合わせ、真空プレス機にて真空下325℃にて4.4MPaで30分、次いで5.9MPaで20分間プレスを行うことで、積層体を得た。
この積層体を、長さ140mm、幅10mmに切り出し、幅1mmのビニールテープを銅箔面上の長手方向に貼付してマスキングした。これを塩化第二鉄水溶液(鶴見曹達株式会社製)に浸漬して銅箔層をエッチング処理し、ビニールテープを除去した後に水洗することで、幅1mmの銅箔パターンを形成した。得られた試料を、熱風乾燥機を用い105℃にて1時間乾燥させた後、積層体と同一サイズのガラスエポキシ基板(FR−4、厚さ3mm)に両面粘着テープを用いて貼り付けた。幅1mmの銅箔パターンを剥離しながら、剥離に要する応力を測定した。測定はJIS C6471 8.1のA(90°剥離法)に規定された方法で、剥離速度を50mm/minとした。同一組成につき2個の試験片について測定し、その平均値をピール強度とした。
本測定法では、積層体の最も強度の低い界面で剥離が起こる。ゆえに、剥離が起こった界面以外では、得られたピール強度以上の凝集破壊強度及び接着(ピール)強度を有するとみなすことができる。
本測定法では、積層体の最も強度の低い界面で剥離が起こる。ゆえに、剥離が起こった界面以外では、得られたピール強度以上の凝集破壊強度及び接着(ピール)強度を有するとみなすことができる。
[実施例1]
ポリテトラフルオロエチレンで被覆された碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに窒素導入管を取り付け、内部を窒素で置換した。このフラスコに、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(以下、BAPP)16.2g(39.5mmol)、及びN−メチル−2−ピロリドン(脱水)(和光純薬工業株式会社製)(以下、NMP)199.0gを加え、常温で撹拌し溶解させた。さらに1,4−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル)二無水物(以下、TAHQ)18.3g(40.0mmol)を加え、室温にて1時間撹拌した後に、80℃に昇温してさらに3時間撹拌し反応させることにより、濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を得た。また、この溶液の一部をさらにNMPにて150%に希釈し、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を得た。
得られた濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を用いて、前記方法に従い熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数を測定したところ、8.5ppm/%RHと低い値であった。
また、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を用いて、前記方法に従いピール強度の測定を行った結果、1.47N/mmであり、剥離界面は熱可塑性ポリイミド層の内部であった。このことから、熱可塑性ポリイミド層の凝集破壊強度が1.47N/mmであり、したがって熱可塑性ポリイミド層とポリイミドフィルムとのピール強度は1.47N/mm以上であることが分かった。
ポリテトラフルオロエチレンで被覆された碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに窒素導入管を取り付け、内部を窒素で置換した。このフラスコに、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(以下、BAPP)16.2g(39.5mmol)、及びN−メチル−2−ピロリドン(脱水)(和光純薬工業株式会社製)(以下、NMP)199.0gを加え、常温で撹拌し溶解させた。さらに1,4−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル)二無水物(以下、TAHQ)18.3g(40.0mmol)を加え、室温にて1時間撹拌した後に、80℃に昇温してさらに3時間撹拌し反応させることにより、濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を得た。また、この溶液の一部をさらにNMPにて150%に希釈し、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を得た。
得られた濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を用いて、前記方法に従い熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数を測定したところ、8.5ppm/%RHと低い値であった。
また、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を用いて、前記方法に従いピール強度の測定を行った結果、1.47N/mmであり、剥離界面は熱可塑性ポリイミド層の内部であった。このことから、熱可塑性ポリイミド層の凝集破壊強度が1.47N/mmであり、したがって熱可塑性ポリイミド層とポリイミドフィルムとのピール強度は1.47N/mm以上であることが分かった。
[実施例2]
窒素置換されたグローブボックス中にて、容量50mlのガラス製スクリュー管にBAPP1.22g(2.97mmol)、及びNMP14.1gを加え、常温で撹拌し、溶解させた。さらに2,5−トリレンビス(トリメリット酸モノエステル)二無水物(以下、TAMHQ)1.42g(3.00mmol)を加え、窒素導入管を取り付けたキャップで密栓し、マグネチックスターラーを用いて、窒素気流下、室温にて1時間撹拌し、反応させることにより、濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を得た。またこの溶液の一部をさらにNMPにて150%に希釈し、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を得た。
得られた濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を用いて、前記方法に従い熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数を測定したところ、15.5ppm/%RHと低い値であった。
また、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を用いて、前記方法に従いピール強度の測定を行った結果、1.40N/mmであり、剥離界面はポリイミドフィルムと両面粘着テープとの界面であった。このことから、熱可塑性ポリイミド層の凝集破壊強度、及び熱可塑性ポリイミド層とポリイミドフィルムとのピール強度は共に1.40N/mm以上であることが分かった。
窒素置換されたグローブボックス中にて、容量50mlのガラス製スクリュー管にBAPP1.22g(2.97mmol)、及びNMP14.1gを加え、常温で撹拌し、溶解させた。さらに2,5−トリレンビス(トリメリット酸モノエステル)二無水物(以下、TAMHQ)1.42g(3.00mmol)を加え、窒素導入管を取り付けたキャップで密栓し、マグネチックスターラーを用いて、窒素気流下、室温にて1時間撹拌し、反応させることにより、濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を得た。またこの溶液の一部をさらにNMPにて150%に希釈し、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を得た。
得られた濃度15wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を用いて、前記方法に従い熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数を測定したところ、15.5ppm/%RHと低い値であった。
また、濃度10wt%の熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を用いて、前記方法に従いピール強度の測定を行った結果、1.40N/mmであり、剥離界面はポリイミドフィルムと両面粘着テープとの界面であった。このことから、熱可塑性ポリイミド層の凝集破壊強度、及び熱可塑性ポリイミド層とポリイミドフィルムとのピール強度は共に1.40N/mm以上であることが分かった。
本発明は、電子デバイスの配線基材、特にフレキシブルプリント配線板に適用することができる。
Claims (7)
- 第一の金属層と、
前記第一の金属層上に設けられた、ポリイミドから構成される第一の樹脂層と、
前記第一の樹脂層上に設けられた、エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物由来の繰り返し単位を含む熱可塑性ポリイミドから構成される第二の樹脂層と、
前記第二の樹脂層上に設けられた、ポリイミドから構成される第三の樹脂層と、
前記第三の樹脂層上に設けられた第二の金属層と、
を具備することを特徴とする積層体。 - 前記第二の樹脂層を構成する熱可塑性ポリイミドの吸湿膨張係数が19ppm/%RH以下である、請求項1又は2に記載の積層体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体を配線加工して得られるフレキシブルプリント配線板。
- 少なくとも下記(i)〜(iii)の工程を含むことを特徴とする、積層体の製造方法。
(i)金属層上にポリイミドあるいはその前駆体からなる層を設ける工程、
(ii)エステル基を有するテトラカルボン酸二無水物由来の繰り返し単位を含む熱可塑性ポリイミドあるいはその前駆体の溶液を、前記ポリイミドあるいはその前駆体からなる層に塗布し積層する工程、
(iii)工程(ii)を経て得られた積層体同士を貼り合わせ一体化する工程。 - 請求項5又は6に記載の方法により得られた積層体を配線加工することを特徴とする、フレキシブルプリント配線板の製造方法。
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JP2007127163A JP2008279698A (ja) | 2007-05-11 | 2007-05-11 | 積層体及びその製造法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012006149A (ja) * | 2010-06-22 | 2012-01-12 | Toyobo Co Ltd | ポリイミドボード、金属積層ポリイミドボード、およびプリント配線板 |
WO2020066595A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | 金属張積層板の製造方法及び回路基板の製造方法 |
CN113402882A (zh) * | 2015-02-10 | 2021-09-17 | 日产化学工业株式会社 | 剥离层形成用组合物 |
-
2007
- 2007-05-11 JP JP2007127163A patent/JP2008279698A/ja active Pending
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WO2020066595A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | 金属張積層板の製造方法及び回路基板の製造方法 |
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