JP2012210780A - ポリイミドボード、孔あきポリイミドボード、および金属積層ポリイミドボード - Google Patents

ポリイミドボード、孔あきポリイミドボード、および金属積層ポリイミドボード Download PDF

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武史 吉田
Tetsuo Okuyama
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Toshiyuki Tsuchiya
俊之 土屋
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Abstract

【課題】有機物からなるセラミック、およびガラス代替材として、寸法安定性、力学特性(曲げ弾性率)に優れ、かつ安価なポリイミドボード、および孔あきポリイミドボードを提供する。
【解決手段】複数枚の(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、(B)エポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂を介して交互に積層されたポリイミドボードにおいて、面方向での線膨張係数が−5ppm/℃〜10ppm/℃、厚さが50μm〜3000μm、かつ曲げ弾性率が15GPa以上であることを特徴とするポリイミドボード。
【選択図】なし

Description

本発明は、寸法安定性、力学特性(曲げ弾性率)、接着性に優れた安価なポリイミドボードに関するものであり、さらに詳しくは、前記セラミック、およびガラス様の物性を有する、有機物からなるセラミック、およびガラス代替材としてのポリイミドボード、および孔あきポリイミドボードに関するものである。
ポリイミドフィルムは、−269℃〜300℃までの広い温度範囲での物性変化が極めて少ないために、電気・電子分野での応用、用途が拡大している。電気分野では、例えば車両用モーターや産業用モーター等のコイル絶縁、航空機電線および超導電線の絶縁等に使用されている。一方、電子分野では、例えばフレキシブルプリント基板や、半導体実装用フィルムキャリヤーのベースフィルム等に利用されている。このようにポリイミドフィルムは、種々の機能性ポリマーフィルムの中でも極めて信頼性の高いものとして、電気・電子分野で広く利用されている。
ポリイミドフィルムは、主として流延による溶液製膜で製造されており、その製法上厚いフィルムを作ることは困難であったり、またはその生産性が極度に劣ったりしていた。
その改善手法として、ガラス転移点が比較的低い熱可塑性ポリイミドフィルム同士を、接着剤を介さずに直接加熱圧着したポリイミドボードが提案されている。このポリイミドボードは、セラミック、およびガラス代替材として用いる際に要求される寸法安定性、力学特性(曲げ弾性率)、接着性を満足するものではなかった。さらに、厚みを大きくしようとすると、ますます接着性が低下し、しかも反りが大きくなるという問題点も指摘されている。(特許文献1参照)
この問題を解決するため、複数枚の非熱可塑性ポリイミドフィルムをアクリル樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤で積層したポリイミドボードが提案されている。このポリイミドボードは、接着性は十分であるものの、力学特性(曲げ弾性率)が著しく低下するため実用的ではなかった。さらに、寸法安定性も十分とは言えなかった。
また、複数枚の非熱可塑性ポリイミドフィルムをポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂、あるいはアクリレート樹脂の少なくとも1種からなる熱可塑性接着剤で積層したポリイミドボードが提案されている。このポリイミドボードは、接着性は十分であるものの、力学特性(曲げ弾性率)、寸法安定性を満足するものではなかった。(特許文献2参照)
また、2枚以上の熱圧着性多層ポリイミドフィルム(表層:熱可塑性ポリイミド、基体層:非熱可塑性ポリイミド)を加熱圧着したポリイミドボードが提案されている。このポリイミドボードも同様に、力学特性(曲げ弾性率)、寸法安定性を満足するものではなかった。(特許文献3参照)
これらの改良として、プラズマ表面処理されたポリイミドフィルムを少なくとも2枚重ね、接着剤を介さずに直接加熱圧着したポリイミドボードが提案されている。このポリイミドボードは、層間の接着剤を介さないため、寸法安定性は十分であるものの、力学特性(曲げ弾性率)を満足するものではなかった。(特許文献4参照)
特公平5−59815号公報 特許第4168562号公報 特許第4123665号公報 特開2002−234126号公報
本発明は、有機物からなるセラミック、およびガラス代替材として、寸法安定性、力学特性(曲げ弾性率)に優れ、かつ安価なポリイミドボード、および孔あきポリイミドボードを提供することをその課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記の構成からなる。
1.複数枚の(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、(B)エポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂を介して交互に積層されたポリイミドボードにおいて、面方向での線膨張係数が−5ppm/℃〜10ppm/℃、厚さが50μm〜3000μm、かつ曲げ弾性率が15GPa以上であることを特徴とするポリイミドボード。
2.{(A)層の合計厚さ/((A)層の合計厚さ+(B)層の合計厚さ)}で定義される(A)層の厚さ比が40%〜95%である1.のポリイミドボード。
3.(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られたポリイミドフィルムであり、面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜10ppm/℃、かつ厚さが5μm〜75μmである1.または2.のポリイミドボード。
4.(B)エポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂が、少なくともエポキシ主剤、硬化剤、硬化促進剤、無機微粒子からなり、厚さが1μm〜50μmである1.〜3.いずれかのポリイミドボード。
5.(B)エポキシ樹脂中の無機微粒子の含有率が50質量%〜95質量%、かつ平均粒子径が0.05〜2.5μmである1.〜4.いずれかのポリイミドボード。
6.無機微粒子が、SiOである1.〜5.いずれかのポリイミドボード。
7.(A)(B)層間の剥離強度が3N/cm以上である1.〜6.いずれかのポリイミドボード。
8.1.〜7.いずれかのポリイミドボードの厚さ方向に、直径が10μm〜200μmの貫通孔が形成されてなる孔あきポリイミドボード。
9.レーザーにより貫通孔が形成されてなることを特徴とする8.の孔あきポリイミドボード。
10.ドリルにより貫通孔が形成されてなることを特徴とする8.の孔あきポリイミドボード。
11.1.〜10.いずれかに記載のポリイミドボードまたは穴あきポリイミドボードに金属層を積層した、金属積層ポリイミドボード。
12.金属が、銅または銅を主成分とする金属である11.の金属積層ポリイミドボード。
後述の実施例等の結果からも明らかなように、以上の手段により、従来のポリイミドボードでは不可能であった、寸法安定性、力学特性(曲げ弾性率)、接着性に優れ、かつ安価な、有機物からなるセラミック、およびガラス代替材としてのポリイミドボード、および孔あきポリイミドボードを得ることができる。
以下、本発明を詳述する。
本発明で用いる(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムは、例えば、芳香族テトラカルボン酸類(無水物、酸、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)と芳香族ジアミン類(アミン、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を流延、乾燥、熱処理(イミド化)して得られるポリイミドフィルムである。ここで、非熱可塑性ポリイミドとは、(1)ポリマー鎖中の繰り返し単位中のイミド単位の濃度が高い、および(2)平面状の芳香族イミド基が直線的または平面的に配列し剛直分子鎖を形成する、ことにより、分子が強い会合状態にあるため、明確な融点およびガラス転移温度を示さないものを意味する。
前記ポリイミドは、特に限定されるものではないが、下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との組み合わせ。
B.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.ジフェニルエーテル骨格を有する芳香族ジアミン類とピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
中でもA.のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン残基を有するポリイミドフィルムが好ましい。
前記のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類の分子構造は特に限定されるものではなく、具体的には以下のものが挙げられる。これらのジアミンは全ジアミンの70モル%〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは80モル%〜100モル%である。
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましく、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールがより好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
さらに、全ジアミンの30モル%以下であれば下記に例示されるジアミン類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記の芳香族テトラカルボン酸無水物類の分子構造は特に限定されるものではなく、具体的には、以下のものが挙げられる。これらの酸無水物は全酸無水物の70モル%〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは80モル%〜100モル%である。
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%以下であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
前記の芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応(重合)させてポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの重量が、通常5重量%〜40重量%であることが好ましく、より好ましくは10重量%〜30重量%である。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0℃〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/または混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、10Pa・s〜2000Pa・sであることが好ましく、より好ましくは100Pa・s〜1000Pa・sである。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり0.001モル〜1.0モルであることが好ましい。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルム(自己支持性の前駆体フィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
支持体上に塗布したポリアミド酸を乾燥してグリーンシートを得る条件は特に限定はなく、温度としては70℃〜150℃が例示され、乾燥時間としては、5分〜180分が例示される。そのような条件を達する乾燥装置も従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱等を挙げることができる。次いで、得られたグリーンシートから目的のポリイミドフィルムを得るために、イミド化反応を行わせる。その具体的な方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、必要により延伸処理を施した後に、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)が挙げられる。この場合の加熱温度は100℃〜500℃が例示され、フィルム物性の点から、より好ましくは、150℃〜250℃で3分〜20分処理した後に350℃〜500℃で3分〜20分処理する2段階熱処理が挙げられる。
別のイミド化反応の例として、ポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることもできる。この方法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100℃〜200℃による3分〜20分の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200℃〜400℃による3分〜20分の熱処理である。
前記(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの厚さは、5μm〜75μmであることが好ましく、より好ましくは10μm〜75μm、さらに好ましくは20μm〜75μmである。膜厚が75μmより厚いと、製膜・乾燥工程において、フィルム表面と内部の残存溶媒量にバラツキが生じ、品位、および物性が低下する恐れがある。一方、膜厚が5μmより薄いと、ハンドリングが困難である。また、本発明の厚さが50μm〜3000μmのポリイミドボードを得るために、多くの枚数を積層する必要が有り、工程が煩雑化する恐れがある。
前記(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの面方向での線膨張係数(MD方向での値と、TD方向での値の平均値)は、−10ppm/℃〜10ppm/℃であることが好ましく、より好ましくは−7.5ppm/℃〜7.5ppm/℃、さらに好ましくは−5ppm/℃〜5ppm/℃である。線膨張係数がこの範囲を超えると、半田付け等の高温暴露において寸法が膨張または収縮するため、歪みや皺が発生する恐れがある。また、本発明のポリイミドボードの面方向での線膨張係数を、セラミック、およびガラスと同等の2ppm/℃〜6ppm/℃へ制御するのが困難となる。
MD方向での線膨張係数と、TD方向での線膨張係数の差は、なるべく小さいことが好ましい。
前記(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの引張破断強度(MD方向での値と、TD方向での値の平均値)は、特に限定されないが、200MPa以上であることが好ましく、より好ましくは300MPa以上、さらに好ましくは400MPa以上である。引張破断強度が200MPaより低いと、搬送中にフィルム破断が起こりやすくなり、歩留まりが低下する恐れがある。
前記(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの引張破断伸度(MD方向での値と、TD方向での値の平均値)も、特に限定されないが、10%以上であることが好ましく、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上である。引張破断伸度が10%より低いと、搬送中にフィルム破断が起こりやすくなり、歩留まりが低下する恐れがある。
前記(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの引張弾性率(MD方向での値と、TD方向での値の平均値)も、特に限定されないが、6.0GPa以上であることが好ましく、より好ましくは6.5GPa以上、さらに好ましくは7.0GPa以上である。引張弾性率が6.0GPaより低いと、本発明のポリイミドボードの弾性率も必然的に低くなるため、セラミック、およびガラス代替材として用いるには、十分でなくなる恐れがある。
MD方向での引張破断強度、引張破断伸度、および引張弾性率と、TD方向での引張破断強度、引張破断伸度、および引張弾性率の差は、なるべく小さいことが好ましい。
前記(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムには、接着性を向上させるために必要に応じてカップリング剤(アミノシラン、エポキシシラン等)による処理、サンドブラスト処理、ウェットブラスト処理、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、イオンガン処理、エッチング処理、フレーム処理等に供してもよい。中でも大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理が好ましく、より好ましくは真空プラズマ処理である。これらの処理は単独で行ってもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムのプラズマ処理は、内部電極型低温プラズマ発生装置中で、電極間に少なくとも1,000ボルト以上の放電電圧を与えてグロー放電を行い、ポリイミドフィルム表面を低温プラズマ雰囲気と接触させる方法が好ましい。低温プラズマ処理のためのプラズマ用ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素、酸素、空気、亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、水蒸気、水素、亜硫酸ガス、シアン化水素等が例示され、これらは単独または二種以上のものを混合して使用することができる。中でも、含酸素無機ガスの使用が好ましく、より好ましくは二酸化炭素と水蒸気である。装置内におけるガス雰囲気の圧力は0.001トール〜10トールの範囲が好ましく、より好ましくは0.1トール〜1.0トールである。このようなガス圧力下で放電電極間に例えば、周波数10KHz〜2GHzの高周波で、10W〜100KWの電力を与えることにより安定なグロー放電を行わせることができ、放電周波数帯域は、高周波以外に低周波、マイクロ波、直流等を用いることができる。低温プラズマ発生装置としては、内部電極型であることが好ましいが、場合によって外部電極型であってもよいし、またコイル炉等の容量結合、誘導結合のいずれであってもよい。電極の形状については特に限定されるものではなく、それらは平板状、リング状、棒状、シリンダー状等種々可能であり、さらには処理装置の金属内壁を一方の電極としてアースした形状のものであってもよい。電極間に1,000ボルト以上の電圧を印加し、安定な低温プラズマ状態を維持するには、入力電極にかなりの耐電圧を持った絶縁被覆を施す必要がある。このようにしてポリイミドフィルムをプラズマ表面処理する場合、そのプラズマ処理するフィルム面は、片面でもよいが、その両面をプラズマ表面処理するのが好ましい。
本発明で用いる(B)熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、グアナリン樹脂、スルホアミド樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂 等)、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂(ウレタン樹脂、ウレア樹脂、チオウレタン樹脂 等)、ポリイミド樹脂(マレイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ナジイミド樹脂 等)、エポキシ樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フラン樹脂、ケイ素樹脂(シリコーン樹脂 等) 等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
中でも、耐熱性、価格のバランスが良く、かつ非熱可塑性ポリイミドフィルムとの高い接着性を有する、エポキシ樹脂が好ましい。なお、ポリイミド樹脂(マレイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ナジイミド樹脂 等)は、耐熱性には優れるが、価格、接着性の面で好ましくない。
本発明で用いるエポキシ樹脂のエポキシ主剤としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物およびこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのエポキシ主剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
前記エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノール系化合物等が挙げられる。使用できる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン等のアミン系化合物;ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂等のアミド系化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類等のビスフェノール類;テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の多価フェノール系化合物;フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール等との重縮合物およびこれらの変性物;上記のフェノール類と4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物であるフェノールアラルキル樹脂およびこれらの変性物、その他イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体、テルペンとフェノール類の縮合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの硬化剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
中でも、フェノール樹脂が好ましい。
前記エポキシ樹脂における硬化剤の含有量は、エポキシ主剤のエポキシ基1当量に対して0.7当量〜1.2当量が好ましい。硬化剤の含有量がこの範囲を超えると、エポキシ樹脂組の硬化が不完全となり、良好な硬化物性が得られない恐れがある。
前記エポキシ樹脂は、さらに硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤としては、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記エポキシ樹脂における硬化促進剤の含有量は、必要に応じて適宜選択されるが、エポキシ主剤100質量部に対して0.1質量部〜10質量部であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂は、必要に応じてバインダー樹脂を配合することもできる。バインダー樹脂としては、例えば、ブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのバインダー樹脂は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記エポキシ樹脂におけるバインダー樹脂の含有量は、必要に応じて適宜選択されるが、エポキシ樹脂の硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、エポキシ主剤100質量部に対して通常0質量部〜50質量部であり、好ましくは0質量部〜20質量部である。
前記(B)熱硬化性樹脂は、さらにシランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
前記(B)熱硬化性樹脂には、寸法安定性、力学特性(曲げ弾性率)を向上させる目的で、無機微粒子を添加するのが好ましい。無機微粒子としては、例えば、結晶性シリカ(SiO2)、溶融シリカ(SiO2)、TiO2、B23、Al23、Sb23、BeO、MgO、CaO、SrO等の金属酸化物、Si、BN、AlN等の金属窒化物、SiC等の金属炭化物、アルカリ土類金属(Be、Mg、Ca、Sr、Ra)のオルトリン酸塩化合物、同じくアルカリ土類金属の炭酸塩、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ta、W、Pt、Au、Pb、Bi、C、Si等の金属または半金属、鉱物類およびこれらの合金、カーボンナノチューブ(CNT)等が挙げられる。これら無機微粒子は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。中でも、性能と価格のバランスが良い、SiO2が好ましい。
前記(B)熱硬化性樹脂における無機微粒子の含有量は、50質量%〜95質量%が好ましく、より好ましくは55質量%〜95質量%、さらに好ましくは60質量%〜95質量%である。含有量は50質量%より小さいと、寸法安定性、力学特性(曲げ弾性率)の向上効果が十分得られない恐れがある。一方、含有量が95質量%より大きいと、無機微粒子を均一に分散させるのが困難になる。また、十分な接着性が得られない恐れがある。
前記(B)熱硬化性樹脂における無機微粒子の平均粒子径は0.05μm〜2.5μmが好ましく、より好ましくは0.05μm〜1.5μm、さらに好ましくは0.05μm〜1.0μmである。平均粒子径が2.5μmより大きいと、熱硬化性樹脂の寸法安定性、力学特性(曲げ弾性率)をかえって低下させる恐れがある。一方、平均粒子径が0.05μmより小さいと、無機微粒子の二次凝集によって粗大化しやすいため、好ましくない。
前記(B)熱硬化性樹脂中に無機粒子を含有させる手段としては、例えば、(B)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合は、未硬化エポキシ樹脂溶液(Aステージ)中に無機微粒子を配合する手段等がある。
前記(B)熱硬化性樹脂の厚さは、1μm〜50μmであることが好ましく、より好ましくは2μm〜50μm、さらに好ましくは5μm〜50μmである。膜厚が50μmより厚いと、一般的に非熱可塑性ポリイミドフィルムより、面方向での線膨張係数が大きい、熱硬化性樹脂の厚さ比が増加するため、本発明のポリイミドボードの面方向での線膨張係数が大きくなる恐れや、反りが発生する恐れがある。一方、膜厚が1μmより薄いと、十分な接着性が得られない恐れがある。
前記(B)熱硬化性樹脂には、接着性を向上させるために必要に応じてカップリング剤(アミノシラン、エポキシシラン等)による処理、サンドブラスト処理、ウェットブラスト処理、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、イオンガン処理、エッチング処理、フレーム処理等に供してもよい。中でも大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理が好ましく、より好ましくは真空プラズマ処理である。これらの処理は単独で行ってもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムを(B)熱硬化性樹脂を介して交互に積層する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、(B)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合は、以下のような方法が考えられる。
・(A)のポリイミドフィルム表面に、(B)の未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液を流延・乾燥し(Bステージ)、その後加熱圧着により貼り合わせる方法
・(A)のポリイミドフィルムと、(B)の半硬化(Bステージ)エポキシ樹脂フィルムを加熱圧着により貼り合わせる方法
これらの手段を単独で、あるいは組み合わせることによって、本発明のポリイミドボードを得ることができる。
(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムを(B)熱硬化性樹脂を介して交互に積層する際に用いる加熱圧着装置も、被積層材料を加熱して圧力を加えてラミネートする装置であれば特に限定されるものではなく、例えば、単動プレス装置、多段プレス装置、単動真空プレス装置、多段真空プレス装置、オートクレーブ装置、熱ロールラミネート機、ダブルベルトプレス機等が挙げられる。中でも、得られる積層体に気泡等の欠点が生じにくい点から単動真空プレス装置、多段真空プレス装置が好ましい。また面内の圧力むらの軽減のために、鏡面板、クッション板等をポリイミドボードの上下または内部に用いても差し支えない。
前記装置における加熱方法についても、所定の温度で加熱することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、熱媒循環方式、熱風加熱方式、誘電加熱方式等が挙げられる。また、加圧方式についても、所定の圧力を加えることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、油圧方式、空気圧方式、ギャップ間圧力方式等が挙げられる。
熱圧着条件は、用いる熱硬化性樹脂の種類により、任意の条件が選択可能である。
本発明のポリイミドボードの厚さは、50μm〜3000μmが好ましく、より好ましくは75μm〜2000μm、さらに好ましくは100μm〜1000μmである。本発明の方法で膜厚が3000μmより厚いポリイミドボードを製造するのは、コスト面で現実的ではない。一方、膜厚が50μmより薄いと、従来からある一般的な溶液製膜で非熱可塑性ポリイミドフィルムが製膜できるため、本発明のポリイミドボードを用いる効果は少ない。
前記ポリイミドボードにおける{(A)層の合計厚さ/((A)層の合計厚さ+(B)層の合計厚さ)}で定義される(A)層の厚さ比は、40%〜95%が好ましく、より好ましくは50%〜95%、さらに好ましくは55%〜95%である。厚さ比が40%より小さいと、一般的に(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムより、面方向での線膨張係数が大きい(B)熱硬化性樹脂の体積比率が増加するため、本発明のポリイミドボードの面方向での線膨張係数が大きくなる恐れや、反りが発生する恐れがある。また、孔あけ加工時の加工不良が発生する恐れもある。一方、厚さ比が95%より大きいと、必然的に(B)熱硬化性樹脂の膜厚が薄くなるため、十分な接着性が得られない恐れがある。また、十分な曲げ弾性率が得られなくなる恐れもある。
前記ポリイミドボードの面方向での線膨張係数(MD方向での値と、TD方向での値の平均値)は、−5ppm/℃〜10ppm/℃であることが好ましく、より好ましくは0ppm/℃〜10ppm/℃、さらに好ましくは2ppm/℃〜6ppm/℃である。線膨張係数がこの範囲を超えると、セラミック、およびガラスの2ppm/℃〜6ppm/℃との乖離が大きくなるため、セラミック、およびガラス代替材としてはふさわしくない。
MD方向での線膨張係数と、TD方向での線膨張係数の差は、なるべく小さいことが好ましい。
前記ポリイミドボードの曲げ弾性率は、15GPa以上であることが好ましく、より好ましくは17.5GPa以上、さらに好ましくは20GPa以上である。曲げ弾性率が15GPaより小さいと、ハンドリング性に問題が生じる恐れがある。一方、曲げ弾性率の上限は特に限定されないが、セラミック、およびガラスと同等である100GPa〜400GPa程度が目安である。
前記ポリイミドボードにおける(A)(B)層間の剥離強度は、3N/cm以上であることが好ましく、より好ましくは4N/cm、さらに好ましくは5N/cm以上である。
剥離強度が3N/cmより小さいと、製造プロセス時(特に、ドリルやレーザーによる孔あけ加工時)や、使用時に剥離が発生する恐れがある。
本発明のポリイミドボードは、必要に応じて、厚さ方向に貫通孔を有してもよい。
前記貫通孔の直径は、10μm〜200μmであることが好ましく、より好ましくは20μm〜150μm、さらに好ましくは30μm〜100μmである。直径が10μmより小さいと、レーザーおよびドリルでの孔あけ加工が困難となる。一方、直径が200μmより大きいと、多層基板に使用される際の性能(設計ルール)を満足しない。
なお、ここで言う貫通孔の直径は、貫通孔によりポリイミドボードの表面に形成される空隙(円形)の直径と、ポリイミドボードの裏面に形成される空隙(円形)の直径の平均値である。
前記貫通孔の形成法は、特に限定されるものではなく、プラズマエッチング等の放電処理、アルカリエッチング等の薬液処理、ブラストまたはレーザー等の物理処理、ドリル等の機械加工等が挙げられる。中でも、微細孔加工に適している点から、ドリル加工やレーザー加工が好ましく、微細加工性と加工コストを両立する点から、炭酸ガスレーザー、UVレーザー、エキシマーレーザーがより好ましい。
前記貫通孔の孔表面および内壁には、バリやスミア等の変質層がないものが好ましい。レーザーまたはドリル加工後の貫通孔の表面および内壁には、バリや変質層が生成するが、これは一般的なデスミアプロセスで取り除くことが可能である。デスミアプロセスは、特に限定されるものではなく、プラズマエッチング等の放電処理、アルカリエッチング等の薬液処理、ブラスト等の物理処理が挙げられる。これらのプロセスを行うことで、バリやスミアは完全に除去することが可能となる。
前記貫通孔のテーパーとは、前記ポリイミドボードの{(表面孔直径―裏面孔直径)/ポリイミドボードの厚さ}である。テーパーは、多層基板に使用する際には信頼性の観点から、小さい方が好ましい。ただし、使用目的に応じて制御することが一般的であり、その程度は特に限定されない。
本発明で用いる金属は、導電性である金属であれば特に限定されないが、例えば銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、アルミニウム、鉄、クロム、亜鉛、錫、黄銅、白銅、青銅、モネル、モリブデン、タングステン、錫鉛系半田、錫銅系半田、錫銀系半田、等の単独、またはそれらの合金が用いられる。中でも、銅を用いるのが性能と価格のバランスにおいて好ましい実施態様である。
前記金属層の厚さは、特に限定されないが、1μm〜50μmであることが好ましく、より好ましくは1μm〜25μm、さらに好ましくは1μm〜18μmである。
本発明の金属積層ポリイミドボードの金属積層方法は特に限定されるものではないが、例えば、以下のような方法が考えられる。
・ポリイミドボードと金属箔を、加熱圧着する方法。
・ポリイミドボードに蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の真空コーティング技術を用いて金属層を形成する方法。
・ポリイミドボードに無電解メッキ、電解メッキ等の湿式メッキ法により金属層を形成する方法。
これらの手段を単独で、あるいは組み合わせることによって、本発明の金属積層ポリイミドボードを得ることができる。
本発明の金属積層ポリイミドボードは、通常の方法によって、例えば導電性の金属層、または必要に応じてその上に形成される後付けの厚膜金属層側にフォトレジストを塗布し乾燥後、露光、現像、エッチング、フォトレジスト剥離の工程により、配線回路パターンを形成し、さらに必要に応じてソルダーレジスト塗布、可塑および無電解スズメッキを行い、フレキシブルプリント配線板、それらを多層化した多層プリント配線板、また半導体チップを直接この上に実装したプリント配線板が得られる。これら回路の作成、多層化、半導体チップの実装における方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方式から適宜選択し実施すればよい。
前記金属層、または必要に応じてその上に形成される後付けの厚膜金属層の表面には、金属単体や金属酸化物等といった無機物の塗膜を形成してもよい。また、必要に応じてカップリング剤(アミノシラン、エポキシシラン等)による処理、サンドブラスト処理、ウェットブラスト処理、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、イオンガン処理、エッチング処理、フレーム処理等に供してもよい。これらの処理は単独で行ってもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイミドボードの用途は特に限定されるものではないが、従来セラミック、およびガラスが用いられていた、基板材料、機械的治具、機械的部品に好ましく用いることができる。
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(または、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。(ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は、N,N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解し、測定した。)
2.ポリイミドフィルム、ポリイミドボードの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度、引張破断伸
下記条件で引張破壊試験を行い、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)について、それぞれ引張弾性率、引張破断強度、引張破断伸度を測定した。
装置名 : 島津製作所社製 オートグラフ AG−5000A
サンプル長さ : 100mm
サンプル幅 : 10mm
引張り速度 : 50mm/min
チャック間距離 : 40mm
4.ポリイミドフィルム、ポリイミドボードの面方向での線膨張係数(CTE)
下記条件でMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、40〜50℃、50〜60℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、50℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(ppm/℃)として算出した。
装置名 : ブルカーAXS社製 TMA4000S
サンプル長さ : 10mm
サンプル幅 : 2mm
初荷重 : 34.5g/mm
昇温開始温度 : 30℃
昇温終了温度 : 350℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : アルゴン
5.ポリイミドボードの曲げ弾性率
ASTM D−790に準拠して評価を行った。
6.ポリイミドボードの剥離強度測定
下記の条件で180度剥離試験を行ない、剥離強度を求めた。
装置名 : 島津製作所社製 オートグラフAG−IS
サンプル長さ : 100mm
サンプル幅 : 3mm
測定温度 : 25℃
剥離速度 : 50mm/min
雰囲気 : 大気
7.無機微粒子の平均粒子径
測定対象の無機微粒子を溶媒に分散し、堀場製作所社製のレーザー散乱式粒度分布計LB−500により粒子径分布を求め、重量平均粒子径を算出した。
《基板の評価》搬送性
150mm□の各ポリイミドボードの(任意の1辺の)端から10mmを把持しながら片持ちで搬送した。その際、反対側の1辺の把持面からの垂れ下がり量が10mmより小さいものを○、10mm以上を×として評価した。
《基板の評価》耐冷熱衝撃サイクル性
各金属積層ポリイミドボードを、JEDEC−STD020−Cに準拠し、オーブン(DKM300、ヤマト科学社製)にて125℃で24時間のベーキング、恒温恒湿槽(SH−221、エスペック社製)にて30℃−60%RHで192時間の調湿、リフロー炉(FT05、CIF社製)にて260℃で30秒間のリフローを3回、冷熱衝撃装置(TSE−11−A、エスペック社製)にて−55℃で15分間〜125℃で15分間を1サイクルとして1000サイクル、の処理を行った。試験後の外観を検査し、膨れ,皺,反り,変色の全く見られないものを○、膨れ,皺,反り,変色が僅か見られるものを△、膨れ,皺,反り,変色が見られるものを×として評価した。
《基板の評価》ドリル孔あけ加工性
各金属積層ポリイミドボードにつき、ドリル加工機(ND−6N210、日立ビアメカニクス社製)にて、ドリル(SSD、京セラ社製)を用い、2000回/秒の回転数、100m/秒の送り速度で、直径75μmの貫通孔を4000箇所あけ、孔あき金属積層ポリイミドボードを作製した。
得られた孔あき金属積層ポリイミドボードについて、AOI(AI−328、オプティマ社製)にて加工孔の全数検査を行い、設計孔に対する加工不良(孔サイズ、位置ずれ、バリ、切削詰まり)の個数を計測し、歩留り1(加工不良のない比率)を算出した。ここでの加工不良の判断基準は、設計値の直径75μmに対して、孔の直径が2μm以上もしくは−2μm以下、位置ずれが3μm以上もしくは−3μm以下、バリが5μm以上もしくは−5μm以下、切削詰まりが5μm以上もしくは−5μm以下、である。得られた歩留り1が、99%以上を○、90%以上99%未満△、90%未満を×として評価した。
また、前記の4000個の貫通孔からランダムに選んだ20個の貫通孔について、貫通孔により各金属積層ポリイミドボードの表裏面に形成される空隙(円形)の両方の中心点を通るよう、ミクロトームを用い、厚さ方向に切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影を行った。得られた断面SEM画像から、歩留り2{(A)(B)層間に剥離,亀裂のない比率}を算出した。得られた歩留り2が、95%以上を○、85%以上95%未満△、85%未満を×として評価した。
《基板の評価》レーザー孔あけ加工性
各金属積層ポリイミドボードにつき、レーザー加工機(HIPPO、Spectra−Physics社製)を用い、波長:355nm、周波数:50kHz、ショット数:3500、出力:2.5W、エネルギー密度:0.72J/cmの加工条件で、直径75μmの貫通孔を4000箇所あけ、孔あき金属積層ポリイミドボードを作製した。
得られた孔あき金属積層ポリイミドボードについて、AOI(AI−328、オプティマ社製)にて加工孔の全数検査を行い、設計孔に対する加工不良(孔サイズ、位置ずれ、バリ、切削詰まり)の個数を計測し、歩留り1(加工不良のない比率)を算出した。ここでの加工不良の判断基準は、設計値の直径75μmに対して、孔の直径が2μm以上もしくは−2μm以下、位置ずれが3μm以上もしくは−3μm以下、バリが5μm以上もしくは−5μm以下、切削詰まりが5μm以上もしくは−5μm以下、である。得られた歩留り1が、99%以上を○、90%以上99%未満△、90%未満を×として評価した。
また、前記の4000個の貫通孔からランダムに選んだ20個の貫通孔について、貫通孔により各金属積層ポリイミドボードの表裏面に形成される空隙(円形)の両方の中心点を通るよう、ミクロトームを用い、厚さ方向に切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影を行った。得られた断面SEM画像から、歩留り2{(A)(B)層間に剥離,亀裂のない比率}を算出した。得られた歩留り2が、95%以上を○、85%以上95%未満△、85%未満を×として評価した。
〔参考例1〜3〕
(非熱可塑性ポリイミドフィルムA1〜A3の作成)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4400質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液Aが得られた。この還元粘度は3.9dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Aを、ダイコーターを用いて鏡面仕上げしたステンレススチール製の無端連続ベルト上に塗布し(塗工幅1240mm)、110℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、それぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるようにピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンにさしこむ事により把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なタルミ生じないようにピンシート間隔を調整し、最終ピンシート間隔が1140mm、となるように搬送し、1段目が170℃で2分、2段目が230℃で2分、3段目が485℃で4分の条件で加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈する非熱可塑性ポリイミドフィルムA1〜A3を得た。
得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムA1〜A3の物性値を表1に示す。
〔参考例4〕
(非熱可塑性ポリイミドフィルムBの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、パラフェニレンジアミン108質量部、N−メチル−2−ピロリドン4000質量部を加えて完全に溶解させた後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物292.5質量部を加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。この還元粘度は4.2dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Bを、ダイコーターを用いて鏡面仕上げしたステンレススチール製の無端連続ベルト上に塗布し(塗工幅1240mm)、110℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、それぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるようにピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンにさしこむ事により把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なタルミ生じないようにピンシート間隔を調整し、最終ピンシート間隔が1140mm、となるように搬送し、1段目が150℃で2分、2段目が220℃で2分、3段目が460℃で4分の条件で加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈する非熱可塑性ポリイミドフィルムBを得た。
得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムBの物性値を表1に示す。
〔参考例5〕
(非熱可塑性ポリイミドフィルムCの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ジアミノジフェニルエーテル200質量部、N−メチル−2−ピロリドン4170質量部を加えて完全に溶解させた後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。この還元粘度は3.6dl/gであった。
このポリアミド酸溶液Cを、ダイコーターを用いて鏡面仕上げしたステンレススチール製の無端連続ベルト上に塗布し(塗工幅1240mm)、110℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、それぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるようにピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンにさしこむ事により把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なタルミ生じないようにピンシート間隔を調整し、最終ピンシート間隔が1140mm、となるように搬送し、1段目が150℃で2分、2段目が220℃で2分、3段目が400℃で4分の条件で加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈する非熱可塑性ポリイミドフィルムCを得た。
得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムCの物性値を表1に示す。
以下、非熱可塑性ポリイミドフィルムA1をPI−A1、非熱可塑性ポリイミドフィルムA2をPI−A2、非熱可塑性ポリイミドフィルムA3をPI−A3、非熱可塑性ポリイミドフィルムBをPI−B、非熱可塑性ポリイミドフィルムCをPI−Cと、それぞれ略す。
〔参考例6〜19〕
下記無機微粒子を表2、および表3に示した組成比となるようトルエンと混合した後、サンドミル処理をして分散液を作成した。この分散液に、下記エポキシ主剤、硬化剤、硬化促進剤、および分散液と、等重量のメチルエチルケトンを、それぞれ表2および表3に示した組成比となるように加え、30℃で攪拌、混合して25重量%の接着剤溶液を作製した。

D.エポキシ主剤
D1. ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER828、ジャパンエポキシレジン社製)
D2. ビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER807、ジャパンエポキシレジン社製)
D3. フェノールノボラック型エポキシ樹脂(jER152、ジャパンエポキシレジン社製)
D4. o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EOCN104S、日本化薬社製)

E.硬化剤、硬化促進剤
E1. フェノールノボラック樹脂(KH6021、大日本インキ化学工業社製)
E2. フェノールノボラック樹脂(CKM2400、昭和高分子社製)
E3. DDS:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン
E4. TPP:トリフェニルホスフィン
E5. C11z:2−ウンデシルイミダゾール

F.無機微粒子
F1. シリカ(平均粒径:0.2μm、球状シリカ)(SO−C1、アドマテックス社製)
F2. シリカ(平均粒径:0.3μm、球状シリカ)(SO−E1、アドマテックス社製)
F3. シリカ(平均粒径:0.5μm、球状シリカ)(SO−E2、アドマテックス社製)
F4. シリカ(平均粒径:1.5μm、球状シリカ)(SO−C5、アドマテックス社製)
F5. シリカ(平均粒径:2.7μm、破砕シリカ)(SYLYSIA310P、富士シリシア化学社製)
〔実施例1〕
参考例2で得られたPI−A2の両面に、参考例6で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液Gをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが5μmになるようコーティングし、100℃にて10分間乾燥し、厚さ35μmの半硬化(Bステージ)エポキシ樹脂G/PI−A2/半硬化(Bステージ)エポキシ樹脂Gの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、170℃、0.5MPaにて5分間、真空加熱加圧成形を行った。次いで、オーブン(DKM300、ヤマト科学社製)にて100℃で1時間、170℃で2時間の加熱硬化処理を行い、厚さ210μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを6枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、170℃、0.5MPaにて5分間、真空加熱加圧成形を行った。次いで、オーブン(DKM300、ヤマト科学社製)にて100℃で1時間、170℃で2時間の加熱硬化処理を行い、厚さ234μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表4に示す。
〔実施例2〜12〕
参考例6で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液Gの代わりに参考例7〜15、18、19で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液H〜P、S、Tを用いる以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表4、表5に示す。
〔実施例13、14〕
参考例6で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液Gの塗布膜厚を5μmの代わりに10μm(実施例13)、15μm(実施例14)にし、3層フィルムの積層枚数を6枚の代わりに4枚にする以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表6に示す。
〔実施例15、16〕
参考例6で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液Gの塗布膜厚を5μmの代わりに2μm(実施例15)、1μm(実施例16)にし、3層フィルムの積層枚数を6枚の代わりに7枚にする以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表6に示す。
〔実施例17〕
3層フィルムの積層枚数を6枚の代わりに3枚にする以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表6に示す。
〔実施例18〕
参考例3で得られたPI−A3の両面に、参考例6で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液Gをベーカー式アプリケーター(SA−201、テスター産業社製)を用いて、乾燥後の厚みが25μmになるようコーティングし、100℃にて10分間乾燥し、厚さ100μmの半硬化(Bステージ)エポキシ樹脂G/PI−A3/半硬化(Bステージ)エポキシ樹脂Gの3層フィルムを得た。150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを10枚重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、170℃、0.5MPaにて5分間、真空加熱加圧成形を行った。次いで、オーブン(DKM300、ヤマト科学社製)にて100℃で1時間、170℃で2時間の加熱硬化処理を行い、厚さ1000μmのポリイミドボードを得た。
一方、150mm□のサイズに切り出した3層フィルムを10枚重ね、さらにその表裏面に厚さ12μmの電解銅箔(U−WZ、古河電工社製)を重ねた後、小型真空プレス機(IMC−11FD、井元製作所社製)を用い、170℃、0.5MPaにて5分間、真空加熱加圧成形を行った。次いで、オーブン(DKM300、ヤマト科学社製)にて100℃で1時間、170℃で2時間の加熱硬化処理を行い、厚さ1024μmのポリイミドボードを得た。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表6に示す。
〔比較例1、2〕
参考例2で得られたPI−A2の代わりに参考例4、5で得られたPI−B(比較例1)、PI−C(比較例2)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムの面方向での線膨張係数が大きいと、得られるポリイミドボードの面方向での線膨張係数も大きくなり、高温暴露において寸法が膨張または収縮するため、膨れ,皺,反りが発生した。
〔比較例3、4〕
参考例6で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液Gの代わりに参考例16、17で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液Q(比較例3)、R(比較例4)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
比較例3において、無機微粒子の平均粒子径が大きすぎると、ポリイミドボードの線膨張係数が増加するため、高温暴露において、膨れ,皺,反りがやや発生した。また、曲げ弾性率も低下するため、搬送性に問題が生じた。
比較例4において、無機微粒子の含有率が少なすぎると、同様にポリイミドボードの線膨張係数が増加するため、高温暴露において、膨れ,皺,反りが発生した。また、曲げ弾性率も低下するため、搬送性に問題が生じた。
〔比較例5〕
参考例2で得られたPI−A2の代わりに参考例1で得られたPI−A1を、参考例6で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液Gの塗布膜厚を5μmの代わりに10μmにし、3層フィルムの積層枚数を6枚の代わりに7枚にする以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
(A)層の厚さ比が小さすぎると、無機微粒子を多く含んだ(B)層の厚さ比が大きくなり、孔あけ加工時に加工不良が多発した。そのため、以降の孔断面SEM画像は未実施である。
〔比較例6〕
参考例6で得られた未硬化(Aステージ)エポキシ樹脂溶液Gの塗布膜厚を5μmの代わりに0.5μmにし、3層フィルムの積層枚数を6枚の代わりに8枚にする以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成し、評価した。
得られたポリイミドボード、金属積層ポリイミドボードの評価結果を表7に示す。
(B)層の厚さが薄すぎると、十分な接着性が得られないため、孔あけ加工時に(A)(B)層間剥離が発生した。
本発明の複数枚の(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、(B)エポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂を介して交互に積層されたポリイミドボードにおいて、面方向での線膨張係数が−5ppm/℃〜10ppm/℃、厚さが50μm〜3000μm、かつ曲げ弾性率が15GPa以上であることを特徴とするポリイミドボードは、寸法安定性、力学特性(曲げ弾性率)、接着性に優れ、かつ安価な、有機物からなるセラミック、およびガラス代替材であるため、例えば、従来セラミック、およびガラスが用いられていた、基板材料、機械的治具、機械的部品等に好ましく用いることができ、産業界への寄与は大きい。

Claims (12)

  1. 複数枚の(A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、(B)エポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂を介して交互に積層されたポリイミドボードにおいて、面方向での線膨張係数が−5ppm/℃〜10ppm/℃、厚さが50μm〜3000μm、かつ曲げ弾性率が15GPa以上であることを特徴とするポリイミドボード。
  2. {(A)層の合計厚さ/((A)層の合計厚さ+(B)層の合計厚さ)}で定義される(A)層の厚さ比が40%〜95%である請求項1に記載のポリイミドボード。
  3. (A)非熱可塑性ポリイミドフィルムが、芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られたポリイミドフィルムであり、面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜10ppm/℃、かつ厚さが5μm〜75μmである請求項1または2に記載のポリイミドボード。
  4. (B)エポキシ樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂が、少なくともエポキシ主剤、硬化剤、硬化促進剤、無機微粒子からなり、厚さが1μm〜50μmである請求項1〜3いずれかに記載のポリイミドボード。
  5. (B)エポキシ樹脂中の無機微粒子の含有率が50質量%〜95質量%、かつ平均粒子径が0.05〜2.5μmである請求項1〜4いずれかに記載のポリイミドボード。
  6. 無機微粒子が、SiOである請求項1〜5いずれかに記載のポリイミドボード。
  7. (A)(B)層間の剥離強度が3N/cm以上である請求項1〜6いずれかに記載のポリイミドボード。
  8. 請求項1〜7いずれかに記載のポリイミドボードの厚さ方向に、直径が10μm〜200μmの貫通孔が形成されてなる孔あきポリイミドボード。
  9. レーザーにより貫通孔が形成されてなることを特徴とする請求項8に記載の孔あきポリイミドボード。
  10. ドリルにより貫通孔が形成されてなることを特徴とする請求項8に記載の孔あきポリイミドボード。
  11. 請求項1〜10いずれかに記載のポリイミドボードまたは穴あきポリイミドボードに金属層を積層した、金属積層ポリイミドボード。
  12. 金属が、銅または銅を主成分とする金属である請求項11に記載の金属積層ポリイミドボード。
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