JP2011011041A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続波を利用して目標位置から生体内情報を抽出する技術において、不要波成分を低減する。
【解決手段】FM変調器20は、変調信号に基づいて周波数変調処理された連続波の送信信号を出力する。受信ミキサ30は、生体内の目標位置との間の相関関係が調整された参照信号を用いて、受信信号に対して復調処理を施すことにより、その目標位置に対応した復調信号を得る。高調波生成部40と位相振幅調整部42は、変調信号に基づいて、変調信号とその高調波信号に対応した補正信号を生成する。そして、加算部46,48において、目標位置に対応した復調信号に対して補正信号が加算され、これにより、その復調信号に含まれる不要波成分が低減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特に、連続波を利用する超音波診断装置に関する。
超音波診断装置の連続波を利用した技術として、連続波ドプラが知られている。連続波ドプラでは、例えば、数MHzの正弦波である送信波が生体内へ連続的に放射され、生体内からの反射波が連続的に受波される。反射波には、生体内における運動体(例えば血流など)によるドプラシフト情報が含まれる。そこで、そのドプラシフト情報を抽出して周波数解析することにより、運動体の速度情報を反映させたドプラ波形などを形成することができる。
連続波を利用した連続波ドプラは、パルス波を利用したパルスドプラに比べて一般に高速の速度計測の面で優れている。こうした事情などから、本願の出願人は、連続波ドプラに関する研究を重ねてきた。その成果の一つとして、特許文献1において、周波数変調処理を施した連続波ドプラ(FMCWドプラ)に関する技術を提案している。
一方、連続波ドプラでは、連続波を利用していることにより位置計測が困難である。例えば、従来の一般的な連続波ドプラの装置(FMCWドプラを利用しない装置)では、位置計測を行うことができなかった。これに対し、本願の出願人は、特許文献2において、FMCWドプラにより選択的に生体内組織の所望の位置からドプラ情報を抽出することができる極めて画期的な技術を提案している。
特開2005−253949号公報 特開2008−289851号公報
特許文献1や特許文献2に記載されたFMCWドプラの技術は、それまでにない超音波診断の可能性を秘めた画期的な技術である。本願発明者は、この画期的な技術の改良についてさらに研究を重ねてきた。特に、連続波を利用して目標位置から生体内情報を抽出する技術に注目して研究を重ねてきた。
本発明は、このような背景において成されたものであり、その目的は、連続波を利用して目標位置から生体内情報を抽出する技術において、不要波成分を低減することにある。
上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波診断装置は、変調信号に基づいて変調された連続波の送信信号を出力する送信信号出力部と、前記送信信号に対応した超音波の送信波を生体に送波してその送信波に伴う受信波を生体から受波することにより受信信号を得る送受波部と、生体内の目標位置との間の相関関係が調整された参照信号を用いて、受信信号に対して復調処理を施すことにより、当該目標位置に対応した復調信号を得る受信信号処理部と、前記変調信号に基づいて当該変調信号とその高調波信号に対応した補正信号を生成する補正信号生成部と、前記補正信号に基づいて前記目標位置に対応した復調信号に含まれる不要波成分を低減する補正処理部と、不要波成分を低減された復調信号から生体内情報を抽出する生体内情報抽出部と、を有することを特徴とする。
望ましい態様において、前記補正信号生成部は、前記変調信号とその高調波信号の位相を調整して前記補正信号を生成する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記補正信号生成部は、前記変調信号とその高調波信号の振幅を調整して前記補正信号を生成する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記補正処理部は、前記目標位置に対応した復調信号と前記補正信号とを合成することにより、当該復調信号に含まれる固定組織からの不要波成分を低減する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記送信信号出力部は、前記変調信号を用いて搬送波信号を周波数変調処理することにより得られる連続波の送信信号を出力する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記送信信号出力部は、前記変調信号として周期的な信号列を用いて搬送波信号に対してデジタル変調処理を施すことにより得られる連続波の送信信号を出力し、前記受信信号処理部は、前記相関関係が調整された参照信号を用いて前記受信信号に対して目標位置を対象とした選択的な復調処理を施す、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記受信信号処理部は、前記目標位置に応じて前記信号列から形成される参照信号を用いて、前記受信信号に含まれる目標位置に対応した信号列パターンと前記参照信号の信号列パターンとを互いに一致させることにより、前記選択的な復調処理を実現する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記受信信号処理部は、前記選択的な復調処理により得られた信号に対して、前記搬送波信号から形成される参照波信号を用いて検波処理を施すことにより、前記目標位置に対応した復調信号を得る、ことを特徴とする。
本発明により、連続波を利用して目標位置から生体内情報を抽出する技術において、不要波成分を低減することが可能になる。
本発明の好適な超音波診断装置を示す図である。 周波数変調処理された送信波と受信波を説明するための図である。 kβが深さdに依存して正弦波状に変化する様子を示す図である。 FM連続波の周期性がドプラ周波数へ与える影響を説明する図である。 周波数変調の影響を受けたドプラ信号を説明するための図である。 固定目標からの信号の影響を受けたドプラ信号を説明するための図である。 固定目標からの信号を含んだドプラ信号の時間変化波形を示す図である。 固定目標からの信号の低減を説明するための図である。 固定目標の信号が低減されたドプラ信号の時間変化波形を示す図である。 本発明の別の好適な超音波診断装置を示す図である。 PSKにより形成される連続波の送信信号を説明するための図である。 選択的なPSKの復調処理を説明するための図である。 乗算器出力の電圧と参照信号列の位相の関係を説明するための図である。 PSKを利用した場合の各信号の周波数スペクトラムを示す図である。 固定組織から得られる受信信号に対する処理を説明するための図である。 固定組織から得られる信号の周波数スペクトラムを示す図である。 固定組織からの信号の影響を受けたドプラ信号を示す図である。 固定組織からの信号の低減を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
図1には、本発明の好適な超音波診断装置が示されており、図1は、その超音波診断装置の全体構成を示す機能ブロック図である。送信用振動子10は生体内へ送信波を連続的に送波し、また、受信用振動子12は生体内からの反射波を連続的に受波する。このように、送信および受信がそれぞれ異なる振動子で行われて、いわゆる連続波ドプラ法による送受信が実行される。なお、送信用振動子10は複数の振動素子を備えており、これら複数の振動素子が制御されて超音波の送信ビームが形成される。また、受信用振動子12も複数の振動素子を備えており、これら複数の振動素子により得られた信号が処理されて受信ビームが形成される。
送信ビームフォーマ(送信BF)14は、送信用振動子10が備える複数の振動素子に対して送信信号を出力する。送信ビームフォーマ14には、例えば正弦波によるFM変調処理が施されたFM連続波(FMCW波)が入力される。送信ビームフォーマ14は、FM連続波に対して、各振動素子に応じた遅延処理を施して各振動素子に対応した送信信号を形成する。なお、送信ビームフォーマ14において形成された各振動素子に対応した送信信号に対して、必要に応じて電力増幅処理が施されてもよい。こうして、FM連続波による送信ビームが形成される。
FM変調器20は、送信ビームフォーマ14にFM連続波を出力する。FM変調器20は、変調波生成部24から供給される変調信号を用いて、RF波発振器22から供給されるRF波(搬送波信号)に対して周波数変調を施すことにより、FM連続波を発生する。このFM連続波の波形等については後に詳述する。
受信ビームフォーマ(受信BF)16は、受信用振動子12が備える複数の振動素子から得られる複数の受波信号を整相加算処理して受信ビームを形成する。つまり、受信ビームフォーマ16は、各振動素子から得られる受波信号に対してその振動素子に応じた遅延処理を施し、複数の振動素子から得られる複数の受波信号を加算処理することにより受信ビームを形成する。なお、各振動素子から得られる受波信号に対して低雑音増幅等の処理を施してから、受信ビームフォーマ16に複数の受波信号が供給されてもよい。こうして受信ビームに沿った受信RF信号が得られる。
受信ミキサ30は受信RF信号に対して直交検波を施して複素ベースバンド信号を生成する回路であり、2つのミキサ32,34で構成される。各ミキサは受信RF信号を所定の参照信号と混合する回路である。
受信ミキサ30の各ミキサに供給される参照信号は、FM変調器20から出力されるFM連続波に基づいて生成される。つまり、FM変調器20から出力されるFM連続波が遅延回路25において遅延処理され、ミキサ32には遅延処理されたFM連続波が直接供給され、一方、ミキサ34には遅延処理されたFM連続波がπ/2シフト回路26を経由して供給される。
π/2シフト回路26は遅延処理されたFM連続波の位相をπ/2だけずらす回路である。この結果、2つのミキサ32,34の一方から同相信号成分(I信号成分)が出力され、他方から直交信号成分(Q信号成分)が出力される。なお、受信ミキサ30の後段に設けられたLPF(ローパスフィルタ)36,38により、同相信号成分および直交信号成分の各々の高周波数成分がカットされ、検波後の必要な帯域のみの復調信号が抽出される。
LPF36,38から出力される復調信号には、例えば固定組織から得られる成分が含まれており、血流などの移動組織からの信号に注目した計測においては固定組織から得られる成分が不要波成分となる。そこで、加算部46,48において、その不要波成分が低減される(望ましくは完全に除去される)。加算部46,48は、高調波生成部40と位相振幅調整部42とπ/2シフト回路44を介して得られる補正信号を利用して不要波成分を低減する。なお、不要波成分の低減については、後にさらに詳述する。
FFT処理部(高速フーリエ変換処理部)50は、不要波成分が低減された復調信号(同相信号成分および直交信号成分)の各々に対してFFT演算を実行する。その結果、FFT処理部50において復調信号が周波数スペクトラムに変換される。なお、FFT処理部50から出力される周波数スペクトラムは、回路の設定条件などにより周波数分解能δfの周波数スペクトラムデータとして出力される。
ドプラ情報解析部52は、周波数スペクトラムに変換された復調信号からドプラ信号を抽出する。後に詳述するが、本実施形態では、変調波生成部24における変調処理と遅延回路25における遅延処理により目標位置が設定され、ドプラ情報解析部52において目標位置からのドプラ信号が選択的に抽出される。ドプラ情報解析部52は、例えば、時間的に変化するドプラ信号の表示波形を形成する。なお、生体内の各深さ(各位置)ごとにドプラ信号を抽出して、例えば、超音波ビーム(音線)上の各深さごとに生体内組織の速度を算出し、リアルタイムで出力してもよい。また、超音波ビームを走査させて二次元的あるいは三次元的に生体内組織の各位置の速度を算出してもよい。
表示部54は、ドプラ情報解析部52において形成されたドプラ信号の波形などを表示する。なお、図1に示す超音波診断装置内の各部は、システム制御部60によって制御される。つまり、システム制御部60は、送信制御や受信制御や表示制御などを行う。
以上、概説したように、本実施形態では、連続波(CW)を変調波でFM変調した超音波(FMCW波)を送受波して受信信号が得られて、目標位置からのドプラ情報が選択的に抽出される。そこで、目標位置からのドプラ情報が選択的に抽出される原理について詳述する。なお、図1に示した部分(構成)については、以下の説明においても図1の符号を利用する。
周波数fのRF波(搬送波)に対して、周波数fの正弦波によりFM変調を施したFMCW送信波は次式のように表現できる。
Figure 2011011041
数1式において、Δfは周波数変動幅の0−P値(ゼロピーク値:最大周波数偏移)であり、最大周波数偏移Δfと変調周波数fの比であるβはFMの変調指数である。
また、ドプラシフトを伴う場合のFMCW受信波は、生体における往復の減衰をαとすると次式で表現できる。
Figure 2011011041
なお、数2式においてfに対するドプラシフトは、fのシフト分fに比較して小さいので無視している。
図2は、周波数変調処理された送信波と受信波を説明するための図である。図2(a)は、FMCW送信波(送信信号)の波形(数1式参照)を示しており、横軸が時間軸であり縦軸が振幅である。また、図2(b)は、FMCW送信波(送信信号)とFMCW受信波(受信信号)の各々についての瞬時周波数変化を示している。図2(b)の横軸は時間軸であり縦軸は周波数(瞬時周波数)である。なお、図2(a)と図2(b)の時間軸は互いに揃えられている。
図2(b)に示されるように、送信信号(破線)は、周期T=1/fで周波数を変化させた連続波となっている。また、受信信号(実線)は、送信信号から、位相角でφだけ遅れている。なお、図2(b)においては、数2式で示した受信信号の減衰やドプラシフトを省略している。
数2式で表される受信波形は、超音波振動子を介して受信される信号波形(受信RF信号)である。FMCWドプラでは、受信RF信号に対する復調処理において、FMCW送信波を参照信号として受信波と乗算を行う。図1を利用して説明したように、FM変調器20から出力されるFM連続波が遅延回路25において遅延処理され、参照信号として、ミキサ32には遅延処理されたFM連続波が直接供給され、一方、ミキサ34には遅延処理されたFM連続波がπ/2シフト回路26を経由して供給される。したがって、ミキサ32へ供給される参照信号vrI(t)と、ミキサ34へ供給される参照信号vrQ(t)は、次式のように表現できる。
Figure 2011011041
数3式において、φmrは、遅延回路25における遅延処理により任意に設定できる参照信号の位相を示しており、φ0rは、任意に設定した参照信号の位相に対応して決まる搬送波の位相変化量を示している。
受信ミキサ30では、復調処理として直交検波が行われる。つまり、ミキサ32において、受信RF信号v(t)と参照信号vrI(t)の乗算に相当する処理が実行され、また、ミキサ34において、受信RF信号v(t)と参照信号vrQ(t)の乗算に相当する処理が実行される。
ミキサ32における受信RF信号v(t)と参照信号vrI(t)の乗算vDI(t)は次式のように表現される。なお、次式の計算途中において、周波数2fの成分が消去されている。これは、LPF36によって除去される。
Figure 2011011041
ここで、ベッセル関数に関する次の公式を利用する。
Figure 2011011041
数5式の公式を用いると、数4式はさらに次式のように計算される。
Figure 2011011041
一方、ミキサ34における受信RF信号v(t)と参照信号vrQ(t)の乗算vDQ(t)は次式のように表現される。なお、次式の計算途中において、周波数2fの成分が消去されている。これは、LPF38によって除去される。
Figure 2011011041
ここで、数6式のvDI(t)と数7式のvDQ(t)とに基づいて、複素ベースバンド信号を定義する。まず、vDI(t)とvDQ(t)に含まれている直流(DC)成分、変調周波数fの偶数次高調波成分を次式のように表現する。
Figure 2011011041
次に、vDI(t)とvDQ(t)に含まれている変調周波数fの成分、変調周波数fの奇数次高調波成分を次式のように表現する。
Figure 2011011041
数8式と数9式から、直交検波後のベースバンド信号において、ドプラシフトfを含んだドプラ信号は、DC成分と変調周波数fの成分と変調周波数fの高調波成分とからなる複数の成分の各々についての両側帯波として出現することがわかる。通信工学ではこの種の信号形式を両側帯波搬送波除去変調(Double-Sideband Suppressed-Carrier, DSB-SC)と呼んでいる。
ここで、受信信号と参照信号の位相を互いに揃えた場合、つまり、遅延回路25における遅延処理によりφmrを調整してφと一致させた場合(φmr=φ)を考える。φmrとφを一致させた場合には、数4式におけるkが0となる。この結果を数5式のベッセル関数に適用すると、次式のように、0次のベッセル関数の値のみが1となり、それ以外のベッセル関数の値は0となる。
Figure 2011011041
数10式に示す結果を数8式と数9式に適用すると次式のとおりとなる。
Figure 2011011041
数11式は、参照波(参照信号)の位相φmrを送受信間の位相差φに設定すると、圧縮変換により、DC成分(直流信号成分)に対応したドプラ信号のみが抽出できることを示している。その結果として得られる複素ドプラ周波数fの値と極性は、血流などの流体の速度とその極性を表わしている。また、ドプラ信号の振幅は、搬送波および参照波の位相に依存しないこともわかる。
この事実は以下のように解釈することもできる。図1における遅延回路25は、参照波(参照信号)における変調波の位相φmrを、送受信間の変調波の位相差φに設定する役目を持っている。しかし、この遅延回路25は変調波の位相ばかりでなく、搬送波の位相も同時に変化させる。この値がφ0rである。搬送波の位相は、参照波における変調波の位相φmrに応じて変化するので、送受信間の変調波の位相差に応じた特定の値に定めることができない。しかし、数11式に示されているように、φ0rは、φと同様に、どんな値になろうとも、直交検波する限りは、ドプラ信号の振幅、周波数およびその極性に影響を与えない。
そのため、例えば、変調信号(変調波)のみを目標位置の深さに応じた遅延量だけ遅延処理して遅延変調信号を形成し、その遅延変調信号を用いて搬送波信号を変調処理することにより参照信号を形成し、その参照信号とπ/2だけ位相をずらした参照信号とを用いて復調処理を施すようにしてもよい。
そして、本実施形態においては、以下に説明するように、PWドプラ(パルスドプラ)と同様に特定位置のドプラ情報をCWドプラと類似の比較的良好なSNRで得ることができる。数6式から数9式において、ドプラ信号の振幅を支配するJ(kβ)の因数であるkβについて考察する。数4式におけるkの定義からkβは次式のように表現できる。
Figure 2011011041
数12式は、kβが深さdに依存して正弦波状に変化することを意味している。
図3は、kβが深さdに依存して正弦波状に変化する様子を示す図である。第1次ベッセル関数の性質により、kβが0のときにJ(kβ)が最大値となる。図3において実線で示されるkβの波形は、体表からの深さdが正の範囲において0となる深さが3箇所ある。これら3箇所の深さから得られるドプラ信号の振幅が最大となることを意味している。
数12式などから、目的とする深さからの受信信号の位相φと、参照波の位相φmrとを一致させるとkβを0とすることができ、kβが0となる深さにおいてJ(kβ)が最大となりドプラ信号の振幅が最大となる。つまり、遅延回路25において、目的とする深さからの受信信号の位相φと参照波の位相φmrを一致させることにより、目的とする深さからのドプラ信号の振幅が最大となるようにして、そのドプラ信号を選択的に抽出することができる。
以上のように、ドプラ信号が選択的に抽出される目標位置は、遅延回路25における遅延処理に基づいて決定される。図1のシステム制御部60は、目標位置の深さに応じて遅延回路25における遅延時間を制御する。
さらに、本実施形態においては、FM連続波の周期性に伴うドプラ信号の不要波が除去され、必要とされるドプラ信号が抽出される。そこで、その抽出処理について以下に詳述する。なお、図1に示した部分(構成)については、以下の説明においても図1の符号を利用する。
まず、ドプラ法の基本原理において、移動体(例えば血流)に関するドプラ周波数(ドプラシフト周波数)は、計測に利用される超音波の周波数と移動体の速度に比例する。本実施形態においては、FM連続波を利用しており、FM連続波は、図2を利用して説明したように、周波数(瞬時周波数)が周期的に変化している。そのため、移動体の速度が一定の場合においても、FM連続波を利用してその移動体のドプラ周波数を計測すると、FM連続波の周期性に伴ってドプラ周波数が周期的に変動する。
図4は、FM連続波の周期性がドプラ周波数へ与える影響を説明する図である。図4には、ドプラシフトの影響を受けていないFM連続波70と、ドプラシフトの影響を受けたFM連続波72が図示されている。なお、図4の横軸は時間軸であり、図4の縦軸にはFM連続波70,72の瞬時周波数が示されている。
本実施形態における超音波の送信信号は、その瞬時周波数がFM連続波70のように周期的に正弦波状に変化する。そのため、移動体の速度が一定の場合においても、ドプラシフトが周期的に変化し、その結果としてFM連続波72のような波形が得られる。つまり、FM連続波70の瞬時周波数が低い(小さい)時刻においては、比較的小さいドプラ周波数fdLとなり、FM連続波70の瞬時周波数が高い(大きい)時刻においては、比較的大きいドプラ周波数fdHとなる。
このように、FM連続波70を利用して得られるドプラ周波数の変動は、FM連続波70の周期性に対応した周期的なものとなる。特に、移動体の速度が大きい場合には、ドプラ周波数fdLとドプラ周波数fdHの差も大きくなり、ドプラ周波数の周期性が比較的顕著になる。一方、移動体の速度が小さい場合にはドプラ周波数fdLとドプラ周波数fdHの差が小さくなり、ドプラ周波数の周期性が比較的目立たなくなる。
本実施形態における超音波の送信信号は、周波数fのRF波(搬送波)に対して、周波数fの正弦波によりFM変調を施したFMCW送信波であり、その信号は前述の数1式のとおりである。その送信信号(FMCW送信波)の瞬時角周波数は、数1式の位相項を時間微分して次式のように表現される。
Figure 2011011041
ここで、ドプラシフトを音速(超音波の速度)cと移動体の速度vの比だけ、瞬時周波数が変化する量として定義する。この場合、相対速度vに対するドプラ周波数変化は往復で速度2vとして次式で表現される。
Figure 2011011041
数14式で表現されるドプラ周波数変化を瞬時位相に変換すると次式となる。
Figure 2011011041
数15式で表現される瞬時位相は、移動体からの受信波の瞬時位相に対して、初項で表現される搬送波fによるドプラシフトに加え、第2項で表現される変調波によるドプラシフトが追加されることを意味している。なお、第3項は積分定数であり、ドプラ周波数の位相を意味する。一般に、血流などの速度計測では、ドプラ周波数の位相情報までは必要としない。また、時間的に変化しない位相成分であるため、速度計測において物理的に大きな意味を含んでいないと考える。
受信波は、送受信時間差(目標位置までの往復の伝播時間)τだけ送信波よりも遅れて到着するため、送受信時間差τを考慮すると、受信波は次式のように表現される。
Figure 2011011041
受信ミキサ30では、送信波に実質的に同じ波形の参照波(参照信号)と受信波との乗算(次式)に相当する処理が実行される。
Figure 2011011041
数17式から2fの周波数成分をローパスフィルタで除去すると、受信ミキサ30の出力(例えばLPF36の出力)は次式のように表現することができる。
Figure 2011011041
数18式の結果について、さらに計算を進めると、次式のようになる。
Figure 2011011041
数19式は、ドプラ信号が、新たに定義された変調度β´(数18式参照)と変調周波数fにより周波数変調された信号に等しいことを意味している。
図5は、周波数変調の影響を受けたドプラ信号を説明するための図であり、図5には、数19式に対応したドプラ信号の周波数スペクトラムが示されている。なお、図5の横軸は周波数であり縦軸は電力である。
図5や数19式に示されるように、変調信号の影響を受けたドプラ信号には、変調周波数fのゼロ次成分である直流成分J(β´)に加え、1次成分J(β´),2次成分J(β´),3次成分J(β´),・・・の折り返し成分が含まれている。なお、直流成分は周波数0からドプラ周波数fだけ離れた位置に現れており、1次成分は周波数fからドプラ周波数fだけ離れた位置に現れており、2次成分は周波数2fからドプラ周波数fだけ離れた位置に現れている。
ところで、実際のドプラ計測では、移動組織から得られるドプラ信号よりも固定目標からの反射信号の方が圧倒的に大きい。例えば、ドプラ信号よりも固定目標からの反射信号の大きさが50〜70dB程度大きくなる。固定目標とは、骨や血管壁などの生体組織に加えて、プローブと体表間の不整合に伴う成分も無視できない。実際のドプラ計測では、こうした固定目標からの比較的大きな信号が観測対象となるドプラ信号に重畳される。
図6は、固定目標からの信号の影響を受けたドプラ信号を説明するための図である。図6は、図5に示したドプラ信号の周波数スペクトラムに固定目標からの信号80が重畳された状態を示している。
固定目標からの信号80も周波数変調の影響を受けている。つまり、固定目標からの信号80には、変調周波数fのゼロ次成分に対応した直流成分80(0),1次成分80(1),2次成分80(2),3次成分80(3),・・・が含まれている。
図7は、固定目標からの信号を含んだドプラ信号の時間変化波形を示す図であり、図6の周波数スペクトラムの時間変化を示している。つまり、図7には、ドプラ信号の直流成分と1次成分(−1次成分)と2次成分の各々についての時間変化波形が示されている。横軸に示す時間の経過に伴って測定対象である血流などの速度が変化すると、速度の変化に応じてドプラ周波数fも変化する。そのため、図7に示す各成分の波形は、横軸に示す時間の経過に従って縦軸に示す周波数方向に変化している。
さらに、図7には、固定目標からの信号80も含まれている。つまり、直流成分80(0)と1次成分80(1)と2次成分80(2)と3次成分80(3)が含まれている。移動目標に比べて、固定目標からの信号80の電力が非常に大きいため、電力値に対応した輝度で図7に示す波形を表示部54に表示すると、固定目標からの信号80がドプラ信号の表示の障害となる。特に、心臓壁のように多少の運動を伴う固定目標が存在すると、固定目標からの信号80が周波数軸方向に広がってしまい、本来観測したい移動組織からのドプラ信号の障害となる。そこで、図1の超音波診断装置は、固定目標からの信号80を低減させる機能を備えている。
図8は、固定目標からの信号の低減を説明するための図であり、図8には、図6に示した固定目標からの信号80の影響を受けたドプラ信号に加えて、その固定目標からの信号80を低減するための補正信号90が図示されている。
図6を利用して説明したように、固定目標からの信号80には、変調周波数fの1次成分80(1),2次成分80(2),3次成分80(3)が含まれている。図8に示す補正信号90はこれらの成分の各々に対応している。つまり、1次成分80(1)に対応した1次補正信号90(1)、2次成分80(2)に対応した2次補正信号90(2)、3次成分80(3)に対応した3次補正信号90(3)が図示されている。
図8に示す補正信号90は、固定目標からの信号80を相殺するように生成される。つまり、1次補正信号90(1)は、その位相が1次成分80(1)の位相から180度だけ異なり、その振幅が1次成分80(1)の振幅に等しくなるように形成される。そのため、1次成分80(1)を含んだ信号に1次補正信号90(1)を加算することにより、1次成分80(1)が除去される。
同様に、2次補正信号90(2)は、その位相が2次成分80(2)の位相から180度だけ異なり、その振幅が2次成分80(2)の振幅に等しくなるように形成され、3次補正信号90(3)は、その位相が3次成分80(3)の位相から180度だけ異なり、その振幅が3次成分80(3)の振幅に等しくなるように形成される。これにより、2次補正信号90(2)で2次成分80(2)が除去され、3次補正信号90(3)で3次成分80(3)が除去される。
補正信号90は、図1の高調波生成部40と位相振幅調整部42とπ/2シフト回路44において形成される。
高調波生成部40は、変調波生成部24から得られる周波数fの変調信号に基づいて変調信号とその高調波信号に対応した信号を生成する。つまり、高調波生成部40は、周波数fの変調信号から、例えばPLL(Phase Locked Loop)により、周波数fの信号と周波数2fの信号と周波数3fの信号を生成する。
位相振幅調整部42は、高調波生成部40において生成された各信号の位相と振幅を調整する。例えば、周波数fの信号の位相と振幅が調整されて図8の1次補正信号90(1)が形成され、周波数2fの信号の位相と振幅が調整されて図8の2次補正信号90(2)が形成され、周波数3fの信号の位相と振幅が調整されて図8の3次補正信号90(3)が形成される。
形成された1次補正信号90(1)と2次補正信号90(2)と3次補正信号90(3)は加算部46へ供給され、加算部46において復調信号に加算される。こうして、図8に示すように固定目標からの信号80が重畳された復調信号から、補正信号90の加算により、1次成分80(1)と2次成分80(2)と3次成分80(3)が低減される。望ましくは、これらの成分が完全に除去される。
位相振幅調整部42による位相と振幅の調整は、ユーザ操作に応じて行われてもよい。例えば、図7に示した固定目標からの信号80を含んだドプラ信号の時間変化波形が表示部54に表示され、ユーザがその画像を見ながら、固定目標からの信号80が低減されるように、補正信号90の位相と振幅を適宜調整する。その際、1次補正信号90(1)と2次補正信号90(2)と3次補正信号90(3)の各信号ごとに、位相と振幅が調整されてもよい。
また、位相振幅調整部42による位相と振幅の調整は、位相振幅調整部42自身が自動で行うようにしてもよい。例えば、固定目標からの信号80が極小となるように、位相振幅調整部42が補正信号90の位相と振幅を変化させて、最適な位相と振幅に絞り込むようにしてもよい。位相の絞り込みと振幅の絞り込みはどちらが先であってもよい。また、1次補正信号90(1)と2次補正信号90(2)と3次補正信号90(3)の各信号ごとに、位相と振幅を絞り込むようにしてもよい。
なお、位相振幅調整部42において調整された信号は、π/2シフト回路44へも出力されており、π/2シフト回路44を介して加算部48へ供給される。加算部48には、LPF38から直交信号成分の復調信号が出力されているため、その直交信号成分の復調信号に合わせて、π/2シフト回路44において各補正信号の位相がπ/2だけシフトされる。そして、加算部48においても、図8に示した固定目標からの信号80が重畳された復調信号から、補正信号90の加算により、1次成分80(1)と2次成分80(2)と3次成分80(3)が低減される。望ましくは、これらの成分が完全に除去される。
ちなみに、固定目標からの信号80に含まれる直流成分80(0)は、例えばウォールモーションフィルタなどの公知の技術により低減することができる。また、高調波生成部40と位相振幅調整部42において4次以上の補正信号を形成して、固定目標からの4次以上の信号を低減するようにしてもよい。
図9は、固定目標の信号が低減されたドプラ信号の時間変化波形を示す図である。固定目標からの信号を含んだドプラ信号の時間変化波形(図7)から、固定目標からの信号を除去することにより、図9に示すように、ドプラ信号の直流成分と1次成分(−1次成分)と2次成分の各々についての時間変化波形が明瞭に映し出される。
なお、図7にも示したように、固定目標からの信号80は、直流成分80(0)と1次成分80(1)と2次成分80(2)と3次成分80(3)を含んでおり、各成分は周波数軸上の所定の位置に出現し、また、時間的に殆ど変動しない。そのため、例えば、図7の時間変化波形を表示する段階で、周波数0、周波数f(−f)、周波数2f、周波数3fの各周波数に対応した表示部分の輝度のみを、固定目標からの信号の大きさに応じて小さくしておくことにより、図9に相当する表示態様を実現することもできる。輝度値の調整はユーザ操作に応じて行われてもよい。
以上のとおり、FM変調処理が施されたFM連続波(FMCW波)を利用する超音波診断装置について説明したが、FM変調処理に代えて、デジタル変調処理を利用してもよい。つまり、位相シフトキーイング(PSK)や周波数シフトキーイング(FSK)などのデジタル変調処理が利用されてもよい。そこで、デジタル変調処理を利用した超音波診断装置について以下に説明する。
図10には、本発明の別の好適な超音波診断装置が示されており、図10は、デジタル変調処理を利用した超音波診断装置の全体構成を示す機能ブロック図である。図1の超音波診断装置と比較して、図10の超音波診断装置では、FM変調器20に代えてデジタル変調処理部20´が設けられており、変調波生成部24に代えてパターン発生部24´が設けられており、さらに、復調処理部28が新たに設けられている。図10のブロック図に含まれる他の構成は、図1の構成と同じであり、図10と図1との間において同じ符号の構成が互いに対応関係にある。そこで、図1と同じ構成についての説明を適宜省略して図10に係る超音波診断装置について説明する。
図10の超音波診断装置においても、送信用振動子10が生体内へ送信波を連続的に送波し、また、受信用振動子12が生体内からの反射波を連続的に受波することにより、いわゆる連続波ドプラ法による送受信が実行される。但し、図10の超音波診断装置においては、デジタル変調された連続波が利用される。
デジタル変調処理部20´は、パターン発生部24´から供給される周期的な信号列に基づいて、RF波発振器22から供給されるRF波(搬送波信号)に対してデジタル変調処理を施して連続波を発生する。デジタル変調処理部20´における変調処理としては位相シフトキーイング(PSK)や周波数シフトキーイング(FSK)などが好適である。デジタル変調処理部20´は、デジタル変調された連続波を送信ビームフォーマ14に出力する。そして、受信ビームフォーマ16において受信ビームに沿った受信RF信号が得られる。
復調処理部28は、参照信号列を用いて復調処理を実行する。復調処理部28において利用される参照信号列は、デジタル変調処理部20´で利用される周期的な信号列に基づいて形成される。つまり、パターン発生部24´からデジタル変調処理部20´へ出力される信号列と同じ信号列が遅延回路25へ出力され、遅延回路25においてその信号列が遅延処理され、そして、遅延処理された信号列が参照信号列として復調処理部28に供給される。
遅延回路25は、目標位置の深さに応じた遅延量だけ信号列に遅延処理を施して参照信号列(遅延処理された信号列)を出力する。遅延回路25は、例えばn段のシフトレジスタによって形成することができる。この場合、シフトレジスタのn段のタップから目標位置の深さに応じた遅延量のタップが選択され、選択されたタップから目標位置の深さに応じた参照信号列(遅延処理された信号列)が出力される。
こうして、復調処理部28は、生体内の目標位置に応じて信号列から形成される参照信号列を用いて、受信RF信号に対して目標位置を対象とした選択的な復調処理を施す。なお、復調処理部28における復調処理については後の原理説明でさらに詳述する。
復調処理部28において形成された信号は受信ミキサ30へ出力される。受信ミキサ30は、復調処理部28から得られる信号に対して直交検波を施して複素ベースバンド信号を生成する回路であり、2つのミキサ32,34で構成される。各ミキサは、処理対象となる信号を所定の参照波信号と混合する回路である。
受信ミキサ30の各ミキサに供給される参照波信号は、デジタル変調処理部20´で利用されるRF波(搬送波信号)に基づいて形成される。つまり、RF波発振器22からデジタル変調処理部20´へ出力されるRF波が受信ミキサ30側へも出力され、ミキサ32にはRF波発振器22から出力されたRF波が直接供給され、一方、ミキサ34にはRF波発振器22から出力されたRF波がπ/2シフト回路26を経由して供給される。
こうして、2つのミキサ32,34の一方から同相信号成分(I信号成分)が出力され、他方から直交信号成分(Q信号成分)が出力され、また、LPF(ローパスフィルタ)36,38により、同相信号成分および直交信号成分の各々の高周波数成分がカットされて検波後の必要な帯域のみの復調信号が抽出される。さらに、加算部46,48は、高調波生成部40と位相振幅調整部42とπ/2シフト回路44を介して得られる補正信号を利用して不要波成分を低減する。
デジタル変調処理部20´における変調方式としては、位相シフトキーイング(PSK)などが好適である。そこで、位相シフトキーイングにより目標位置からのドプラ情報が選択的に抽出される原理について詳述する。なお、既に図10に示した構成(部分)については、以下の説明においても図10の符号を利用する。
図11は、位相シフトキーイング(PSK)により形成される連続波の送信信号を説明するための図である。図11(A)には、RF波発振器22から出力されるRF信号(RF波)の波形が示されている。RF信号は、一定の周波数(例えば5MHz程度)の連続波である。図11(B)には、パターン発生部24´から出力される周期的な信号列の一例が示されている。パターン発生部24´は、例えば図11(B)に示すような、ランダムに値を変化させた2値符号(擬似ランダム信号)を発生する。
図11(C)には、PSK変調器として機能するデジタル変調処理部20´において形成される変調された連続波(送信信号)が示されている。デジタル変調処理部20´は、図11(A)のRF信号に対して、図11(B)の2値符号に基づいて位相シフトキーイング(PSK)の変調処理を施す。デジタル変調処理部20´は、2値符号が「1」のビット期間においてRF信号の位相をそのままとし、2値符号が「−1」のビット期間においてRF信号の位相を反転する(180度ずらす)ことにより、図11(C)の送信信号を形成する。こうして、例えば図11(C)の送信信号に対応した連続波の超音波が送信用振動子10から出力され、受信用振動子12を介して生体内から受信信号が得られる。
本実施形態では、パターン発生部24´から出力された信号列に対して、目標位置に応じた遅延処理を施して参照信号列を形成し、復調処理部28においてその参照信号列を用いて、目標位置を対象とした選択的なPSKの復調処理が行われる。
図12は、選択的なPSKの復調処理を説明するための図である。復調処理部28による選択的な復調処理においては、受信信号に含まれる目標位置に対応した信号列パターンと参照信号列の信号列パターンとを互いに一致させることにより、これら2つの信号列パターンの相関が高められている。相関性を鋭くする(高める)ためには、周期的な信号列である擬似ランダム信号の符号系列として、PN(Pseudo Noise)系列、M系列、Gorey系列など、パルス圧縮などで実用化されている符号系列を用いればよい。簡単な例としてn=3のPN符号を用いた場合の選択性について、図12を用いて説明する。
n=3の場合のPN符号の長さは7(=2―1)ビットである。このシーケンスが際限なく繰り返すので、この擬似ランダムパターンは繰り返し周期の逆数の線スペクトラムを持っている。この信号を用いて周波数fの搬送波に0−πの2相のPSK変調をかけると、その時間波形は、先に説明した図11(C)のようになる。
目標位置から得られる受信信号は、送信信号が目標位置の深さに応じた遅延時間だけ遅れ、また組織によって減衰した信号である。その減衰を無視すると、目標位置からの受信信号として、例えば図12の受信信号の波形が得られる。なお、図12において受信信号の上段に示される2値符号は、目標位置から得られる受信信号に対応した2値符号、つまり目標位置に対応した信号列パターンである。
復調処理部28において利用される参照信号列は、送信信号を形成する際に利用された信号列、つまりパターン発生部24´から出力された信号列を遅延回路25において遅延処理した信号である。図12には、φ〜φまでの遅延量だけ信号列を遅延処理して形成される参照信号列(φ)〜(φ)が示されている。
各参照信号列の下段には、その参照信号列を用いて復調処理部28が受信信号に対してPSKの復調処理を実行した際に得られる出力信号が示されている。復調処理部28は、参照信号列の符号が「1(High)」のビット期間において受信信号の位相をそのままとし、参照信号列の符号が「−1(Low)」のビット期間において受信信号の位相を反転する(180度ずらす)ことにより、出力信号を形成する。
図12から、目標位置に対応した信号列パターンと参照信号列の信号パターンが一致している場合に、つまり参照信号列(φ)と参照信号列(φ)を利用した場合に、PSK変調処理される前のRF波と同じ波形(正弦波)の出力信号が得られている。例えば、送信用振動子10から送波された超音波が目標位置に到達して受信用振動子12まで戻ってくる往復の伝播時間だけ信号列を遅延処理することにより、参照信号列(φ)と参照信号列(φ)が得られる。一方、他の参照信号列を利用した場合には、ランダムに位相を変化(反転)させた出力信号が得られている。
このように、参照信号列の信号パターンを目標位置の信号列パターンに一致させることにより、目標位置から得られる受信信号をRF波と同じ波形に復調することができる。また、目標位置から得られる受信信号と他の位置から得られる受信信号は、互いに時間的にずれている(位相がずれている)。そのため、復調処理部28において、目標位置に対応させた参照信号列により、目標位置から得られる受信信号のみが選択的にRF波と同じ波形に復調される。
なお、図11や図12においては、PSKによる変調と復調の一例として、0−πの2相のPSKについて説明したが、本発明においては、4相、8相、16相などの多数相のPSKを利用するようにしてもよい。
復調処理部28において形成された信号は、受信ミキサ30へ出力され、RF波に対応した参照波信号と混合(乗算処理)される。図12を利用して説明したように、目標位置に対応させた参照信号列を利用することにより、目標位置から得られる受信信号のみが選択的にRF波と同じ波形に復調されている。
そのため、受信ミキサ30の乗算処理においては、RF波(参照波信号)と同じ波形である目標位置の信号についての乗算結果(ミキサ出力)の直流成分が最大になる。一方、目標位置以外からの信号は、位相をランダムに変化させたままであるため、受信ミキサ30における乗算結果(ミキサ出力)として、正と負の電圧がランダムに発生し、時間的な平均電圧は非常に小さくなる。
図13は、乗算器出力(ミキサ出力)の電圧と参照信号列の位相との関係を説明するための図である。図13においては、参照信号列(PNパターン)の繰り返し周期ごとに乗算器出力のピーク値が出現し、ピーク値以外に対応する位相では、乗算器出力が極端に小さくなっている。なお、図13の例におけるPNパターンの長さは7ビットである。
図14は、PSKを利用した場合の各信号の周波数スペクトラムを示す図である。図14(A)は、受信信号の周波数スペクトラムを示している。受信信号は、生体内における減衰を無視すると、送信信号と同じ波形となる。本実施形態における送信信号はPSK変調された連続波である。したがって、受信信号の周波数スペクトラムも、PSK変調された連続波の周波数スペクトラムとなる。周波数fは、RF信号の周波数である。RF信号の周波数fを中心として広がっている側帯波の周波数間隔は、PSK変調において利用された周期的な信号列(図11(B)の2値符号)の繰り返し周波数fである。また周波数fを中心として広がっている側帯波の電力が0(ゼロ)となる、いわゆるヌル(null)点が存在する。周波数fからヌル点までの周波数間隔は、周期的な信号列(図11(B)の2値符号)の1ビットの時間間隔τの逆数となる。
図14(B)は、受信ミキサ30における検波処理により得られるベースバンド信号の周波数スペクトラムを示している。図14(B)に示すベースバンド信号としての直流付近の信号成分と、RF信号の周波数fの2倍の高調波成分が含まれている。ドプラ信号は、これらの成分に付着した形で出現する。なお、LPF36,38において、周波数fの2倍の高調波成分がカットされて直流付近の信号成分のみが抽出される。つまり、図14(B)に示す周波数スペクトラムの周波数0の近傍の信号が抽出される。
直流信号成分には、ドプラ信号の他に、固定組織からの反射波に起因するクラッタ信号が含まれている。特に、体表や骨からの反射波は、ドプラ信号よりも数十dBも大きい場合があり、ドプラ信号を測定する際の妨害となる。クラッタ信号は、図14(B)に示すように、周期的な信号列(図11(B)の2値符号)の繰り返し周波数fとその高調波成分を含んでおり、ドプラ信号に重畳される。
クラッタ信号は、復調処理部28において目標位置を対象とした選択的な復調処理を施した場合においても、受信ミキサ30から出力されるベースバンド信号内に現れる。復調処理部28における選択的な復調処理は、測定対象となる例えば血流などからの受信信号の信号列パターンと参照信号列の信号列パターンとを互いに一致させる処理であり、測定対象とは異なる位置に存在する組織などについては、信号列パターンに関する一致は成立していない。したがって、復調処理部28から出力される信号の時間波形は、図12に示す波形のうちの、信号列パターンが一致してない場合の出力信号、つまり、参照信号列(φ)と参照信号列(φ)以外の参照信号列に対応した出力信号のように、最小で1ビット(期間τ)ごとに変動する。その結果、ベースバンド信号の周波数スペクトラムは、図14(B)に示すように、1/τごとに電力が0(ゼロ)となるスペクトラムを形成する。
ところで、クラッタ信号の発生原因となる固定組織は生体内において連続的に存在している。そのため、固定組織から得られる受信信号の信号列パターンと、参照信号の信号列パターンとの間の位相差(時間差)は、1ビットの整数倍とは限らない。
図15は、固定組織から得られる受信信号に対する処理を説明するための図である。固定組織から得られる受信信号は、送信信号が固定組織の深さに応じた遅延時間だけ遅れ、また組織によって減衰した信号である。その減衰を無視すると、固定組織からの受信信号として例えば図15に示すような受信信号の波形が得られる。
復調処理部28において利用される参照信号列は、送信信号を形成する際に利用された信号列、つまりパターン発生部24´から出力された信号列を遅延回路25において遅延処理された信号である。その遅延処理された信号として、図15には、参照信号(φ)が示されている。
そして、参照信号の下段には、その参照信号を用いて復調処理部28が受信信号に対してPSKの復調処理を実行した際に得られる出力信号が示されている。また、出力信号の下段には、受信ミキサ30で利用される参照波信号(直交検波用参照信号)と、さらにその下段には、受信ミキサ30から出力されるベースバンド信号(直交検波出力)が図示されている。
図15に示す例においては、固定組織から得られる受信信号の信号列パターンと参照信号の信号列パターンとの間の位相差(時間差)が1ビット以下となっている。そのため、例えばベースバンド信号(直交検波出力)が1ビット以下の時間間隔でランダムに変動する。この様子を周波数スペクトラムで示すと次のようになる。
図16は、固定組織から得られる信号の周波数スペクトラムを示す図である。図16内に示すξ(遅延時間差)は、固定組織から得られる受信信号の信号列パターンと、参照信号の信号列パターンとの間の位相差(時間差)であり、τは、信号列パターンの1ビットの期間である。
例えば「ξ=nτ」の波形は、遅延時間差が1ビットの整数倍となる深さに存在する固定組織からの信号を示しており、1/τごとに電力が0(ゼロ)となるスペクトラムを形成する。これに対し、他の波形は、1ビット以下の遅延時間差を含んでいるため、1/τ以上の周波数帯域に広がったスペクトラムを形成している。
図16には、3パターンの波形のみを示しているが、実際に組織から得られるベースバンド信号には、連続的に多数の深さに亘って存在する固定組織から得られる信号が含まれるため、固定組織に起因する信号(クラッタ信号)は広帯域に広がっている。
なお、図16においては各波形を連続スペクトラム状に描いているが、実際には、図14を利用して説明したように、PSK変調において利用された周期的な信号列の繰り返し周波数fとその高調波成分からなる複数の線スペクトラムにより、図16の各波形が形成されている。
図17は、固定組織からの信号の影響を受けたドプラ信号を示す図である。図17は、直流成分の近傍における周波数スペクトラムを示している。
PSK変調において利用された周期的な信号列の繰り返し周波数fの影響により、ドプラ信号は、直流成分D以外に、周波数fの1次成分Dや2次成分Dなどを含んでいる。また、固定組織からの信号80も周波数fの影響を受けている。つまり、固定組織からの信号80には、周波数fのゼロ次成分に対応した直流成分80(0),1次成分80(1),2次成分80(2),3次成分80(3)などが含まれている。
PSK変調の場合、ドプラ信号の直流成分Dに比べ、他の成分(D,Dなど)の電力は、例えば30〜40dB程度低くなり、直流成分Dの測定に及ぼす悪影響は比較的小さい。これに対し、固定組織に起因するクラッタ信号の電力は、ドプラ信号よりも50〜70dB程度大きくなる場合もある。そこで、PSK変調を利用した図10の超音波診断装置においても、固定組織からの信号80を低減させる処理を実行している。
図18は、固定組織からの信号の低減を説明するための図であり、図18には、図17に示した固定組織からの信号80の影響を受けたドプラ信号に加えて、その固定組織からの信号80を低減するための補正信号90が図示されている。
図17を利用して説明したように、固定組織からの信号80には、周波数fの1次成分80(1),2次成分80(2),3次成分80(3)が含まれている。図18に示す補正信号90はこれらの成分の各々に対応している。つまり、1次成分80(1)に対応した1次補正信号90(1)、2次成分80(2)に対応した2次補正信号90(2)、3次成分80(3)に対応した3次補正信号90(3)が図示されている。
図18に示す補正信号90は、固定組織からの信号80を相殺するように生成される。つまり、1次補正信号90(1)は、その位相が1次成分80(1)の位相から180度だけ異なり、その振幅が1次成分80(1)の振幅に等しくなるように形成される。そのため、1次成分80(1)を含んだ信号に1次補正信号90(1)を加算することにより1次成分80(1)が除去される。
同様に、2次補正信号90(2)は、その位相が2次成分80(2)の位相から180度だけ異なり、その振幅が2次成分80(2)の振幅に等しくなるように形成され、3次補正信号90(3)は、その位相が3次成分80(3)の位相から180度だけ異なり、その振幅が3次成分80(3)の振幅に等しくなるように形成される。これにより、2次補正信号90(2)で2次成分80(2)が除去され、3次補正信号90(3)で3次成分80(3)が除去される。
補正信号90は、図10の高調波生成部40と位相振幅調整部42とπ/2シフト回路44において形成される。
高調波生成部40は、パターン発生部24´から得られる周期的な信号列に基づいて、その信号列の繰り返し周波数fとその高調波信号に対応した信号を生成する。つまり、高調波生成部40は、周波数fの信号と周波数2fの信号と周波数3fの信号を生成する。
位相振幅調整部42は、高調波生成部40において生成された各信号の位相と振幅を調整する。例えば、周波数fの信号の位相と振幅が調整されて図18の1次補正信号90(1)が形成され、周波数2fの信号の位相と振幅が調整されて図18の2次補正信号90(2)が形成され、周波数3fの信号の位相と振幅が調整されて図18の3次補正信号90(3)が形成される。
形成された1次補正信号90(1)と2次補正信号90(2)と3次補正信号90(3)は加算部46へ供給され、加算部46において復調信号に加算される。こうして、図18に示すように固定組織からの信号80が重畳された復調信号から、補正信号90の加算により、1次成分80(1)と2次成分80(2)と3次成分80(3)が低減される。望ましくは、これらの成分が完全に除去される。
位相振幅調整部42による位相と振幅の調整は、ユーザ操作に応じて行われてもよい。例えば、固定組織からの信号80を含んだドプラ信号の時間変化波形が表示部54に表示され、ユーザがその画像を見ながら、固定組織からの信号80が低減されるように、補正信号90の位相と振幅を適宜調整する。その際、1次補正信号90(1)と2次補正信号90(2)と3次補正信号90(3)の各信号ごとに、位相と振幅が調整されてもよい。
また、位相振幅調整部42による位相と振幅の調整は、位相振幅調整部42自身が自動で行うようにしてもよい。例えば、固定組織からの信号80が極小となるように、位相振幅調整部42が補正信号90の位相と振幅を変化させて、最適な位相と振幅に絞り込むようにしてもよい。位相の絞り込みと振幅の絞り込みはどちらが先であってもよい。また、1次補正信号90(1)と2次補正信号90(2)と3次補正信号90(3)の各信号ごとに、位相と振幅を絞り込むようにしてもよい。
なお、位相振幅調整部42において調整された信号は、π/2シフト回路44へも出力されており、π/2シフト回路44を介して加算部48へ供給される。加算部48には、LPF38から直交信号成分の復調信号が出力されているため、その直交信号成分の復調信号に合わせて、π/2シフト回路44において各補正信号の位相がπ/2だけシフトされる。そして、加算部48においても、図18に示した固定組織からの信号80が重畳された復調信号から、補正信号90の加算により、1次成分80(1)と2次成分80(2)と3次成分80(3)が低減される。望ましくは、これらの成分が完全に除去される。さらに、加算部46へ供給される同相信号用の補正信号と、加算部48へ供給される直交信号用の補正信号を、独立に調整できるようにしてもよい。
ちなみに、固定組織からの信号80に含まれる直流成分80(0)は、例えばウォールモーションフィルタなどの公知の技術により低減することができる。また、高調波生成部40と位相振幅調整部42において4次以上の補正信号を形成して、固定組織からの4次以上の信号を低減するようにしてもよい。
このように、固定組織からの信号(クラッタ信号)を低減させることにより、例えば図9に示した波形と同様に、ドプラ信号の時間変化波形を明瞭に映し出すことができる。なお、ドプラ信号の時間変化波形を表示する段階で、周波数0、周波数f(−f)、周波数2f、周波数3fの各周波数に対応した表示部分の輝度のみを、固定目標からの信号の大きさに応じて小さくしておくことにより、図9に相当する表示態様を実現することもできる。輝度値の調整はユーザ操作に応じて行われてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した本発明の好適な実施形態等は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
20 FM変調器、22 RF波発振器、24 変調波生成部、25 遅延回路、40 高調波生成部、42 位相振幅調整部、46,48 加算部、50 FFT処理部、52 ドプラ情報解析部。

Claims (8)

  1. 変調信号に基づいて変調された連続波の送信信号を出力する送信信号出力部と、
    前記送信信号に対応した超音波の送信波を生体に送波してその送信波に伴う受信波を生体から受波することにより受信信号を得る送受波部と、
    生体内の目標位置との間の相関関係が調整された参照信号を用いて、受信信号に対して復調処理を施すことにより、当該目標位置に対応した復調信号を得る受信信号処理部と、
    前記変調信号に基づいて当該変調信号とその高調波信号に対応した補正信号を生成する補正信号生成部と、
    前記補正信号に基づいて前記目標位置に対応した復調信号に含まれる不要波成分を低減する補正処理部と、
    不要波成分を低減された復調信号から生体内情報を抽出する生体内情報抽出部と、
    を有する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1に記載の超音波診断装置において、
    前記補正信号生成部は、前記変調信号とその高調波信号の位相を調整して前記補正信号を生成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項1または2に記載の超音波診断装置において、
    前記補正信号生成部は、前記変調信号とその高調波信号の振幅を調整して前記補正信号を生成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記補正処理部は、前記目標位置に対応した復調信号と前記補正信号とを合成することにより、当該復調信号に含まれる固定組織からの不要波成分を低減する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記送信信号出力部は、前記変調信号を用いて搬送波信号を周波数変調処理することにより得られる連続波の送信信号を出力する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記送信信号出力部は、前記変調信号として周期的な信号列を用いて搬送波信号に対してデジタル変調処理を施すことにより得られる連続波の送信信号を出力し、
    前記受信信号処理部は、前記相関関係が調整された参照信号を用いて前記受信信号に対して目標位置を対象とした選択的な復調処理を施す、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項6に記載の超音波診断装置において、
    前記受信信号処理部は、前記目標位置に応じて前記信号列から形成される参照信号を用いて、前記受信信号に含まれる目標位置に対応した信号列パターンと前記参照信号の信号列パターンとを互いに一致させることにより、前記選択的な復調処理を実現する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 請求項7に記載の超音波診断装置において、
    前記受信信号処理部は、前記選択的な復調処理により得られた信号に対して、前記搬送波信号から形成される参照波信号を用いて検波処理を施すことにより、前記目標位置に対応した復調信号を得る、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
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