JP2011007482A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011007482A
JP2011007482A JP2010119180A JP2010119180A JP2011007482A JP 2011007482 A JP2011007482 A JP 2011007482A JP 2010119180 A JP2010119180 A JP 2010119180A JP 2010119180 A JP2010119180 A JP 2010119180A JP 2011007482 A JP2011007482 A JP 2011007482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
heat exchanger
compressor
expansion valve
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010119180A
Other languages
English (en)
Inventor
Meiji Kojima
明治 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2010119180A priority Critical patent/JP2011007482A/ja
Publication of JP2011007482A publication Critical patent/JP2011007482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】本発明の課題は、暖房運転時に室内熱交換器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように膨張弁の開度を制御する空気調和装置において、暖房能力の制御幅を拡大することにある。
【解決手段】空気調和装置(1)は、圧縮機(31)と室内熱交換器(33)と室内膨張弁(EV1)と室外熱交換器(21)とが順次接続されることによって構成される冷媒回路(10)を有しており、暖房運転時に、圧縮機(31)の運転容量が、圧縮機(31)の運転容量の最大値付近である目標過冷却度変更開始容量まで増加した場合には、目標過冷却度を大きくする。
【選択図】図5

Description

本発明は、空気調和装置に関する。特に、本発明は、暖房運転時に室内熱交換器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように膨張弁の開度を制御する空気調和装置に関する。
従来より、特許文献1(特開2005−188790号公報)に示されるような、空気調和装置がある。この空気調和装置は、主として、圧縮機と四路切換弁と室外熱交換器と膨張弁と室外熱交換器とが接続されることによって構成される冷媒回路を有している。そして、この空気調和装置は、圧縮機、四路切換弁、室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器、四路切換弁の順に冷媒が循環する暖房運転時に、室内熱交換器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように、膨張弁の開度を制御している(以下、この制御を「膨張弁による過冷却度制御」とする)。ここで、目標過冷却度は、ある一定の値に予め設定されている。
上記従来の空気調和装置においては、室内側の熱負荷等に応じて、暖房運転時に要求される暖房能力が変化する。このような要求される暖房能力の変化に対しては、例えば、運転容量を可変することが可能な圧縮機を採用し、圧縮機の運転容量を変更する制御(以下、「圧縮機の運転容量制御」とする)を行なうこと等が考えられる。
しかし、目標過冷却度をある一定の値に予め設定した上で膨張弁による過冷却度制御を行いつつ圧縮機の運転容量制御を行うだけでは、以下のような問題が生じるおそれがある。すなわち、圧縮機の運転容量が最大付近になってしまうと、それ以上に暖房能力を増加させることが困難になり、要求される暖房能力まで暖房能力を増加させることができなくなるという問題が生じるおそれがある。また、圧縮機の運転容量が最小付近になってしまうと、それ以下に暖房能力を減少させることが困難になり、要求される暖房能力まで暖房能力を減少させることができなくなるという問題が生じるおそれがある。
このように、目標過冷却度をある一定の値に予め設定した上で膨張弁による過冷却度制御を行いつつ圧縮機の運転容量制御を行うだけでは、圧縮機の運転容量の可変範囲までしか暖房能力の制御幅が得られず、要求される暖房能力を得ることができない場合がある。このため、暖房能力の制御幅を拡大することが望まれている。
本発明の課題は、暖房運転時に室内熱交換器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように膨張弁の開度を制御する空気調和装置において、暖房能力の制御幅を拡大することにある。
第1の観点にかかる空気調和装置は、運転容量を可変することが可能な圧縮機と室内熱交換器と第1膨張弁と室外熱交換器とが順次接続されることによって構成される冷媒回路を備えた空気調和装置において、圧縮機、室内熱交換器、第1膨張弁、室外熱交換器の順に冷媒が循環する暖房運転時に、室内熱交換器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように、第1膨張弁の開度を制御し(以下、この制御を「第1膨張弁による過冷却度制御」とする)、暖房運転時に、圧縮機の運転容量が、圧縮機の運転容量の最大値付近である目標過冷却度変更開始容量まで増加した場合には、目標過冷却度を大きくする。
この空気調和装置では、圧縮機の運転容量が最大値付近である目標過冷却度変更開始容量まで増加している場合において、第1膨張弁による過冷却度制御における目標過冷却度を大きくすることによって、室内熱交換器における冷媒量を増加させて冷媒回路の高圧を上昇させることができる。すなわち、この空気調和装置では、圧縮機の運転容量を変更する制御(以下、「圧縮機の運転容量制御」とする)だけでは、圧縮機の運転容量が最大値付近になってしまい、要求される暖房能力まで暖房能力を増加させることができなくなっている状況において、室内熱交換器における冷媒量を増加させて冷媒回路の高圧を上昇させることができ、その結果、暖房能力を増加させることができる。ここで、冷媒回路の高圧とは、圧縮機の吐出側から室内熱交換器を経由して第1膨張弁に流入するまでの間を流れる高圧の冷媒を代表する圧力又はこの圧力に等価な状態量である凝縮温度等を意味する。また、圧縮機は、暖房運転時に要求される暖房能力に応じて、運転容量を変更する制御(以下、「圧縮機の運転容量制御」とする)が行われる。
これにより、この空気調和装置では、第1膨張弁による過冷却度制御における目標過冷却度を変更する制御によって、要求される暖房能力が得られやすくなり、暖房能力の制御幅を拡大することができる。
第2の観点にかかる空気調和装置は、第1の観点にかかる空気調和装置において、圧縮機の運転容量が、暖房運転における冷媒回路の高圧が目標高圧に近づくように変更される。
この空気調和装置では、冷媒回路の高圧が目標高圧に近づくように圧縮機の運転容量を変更することによって、暖房能力を増減させている。このため、この空気調和装置では、暖房能力に相当する冷媒回路の高圧と要求される暖房能力に相当する目標高圧とのずれを、上記の目標過冷却度を変更する制御で補うことによって、暖房能力の制御幅を拡大していることになる。
これにより、この空気調和装置では、冷媒回路の高圧が目標高圧に近づくように圧縮機の運転容量制御を行う構成において、上記の目標過冷却度を変更する制御によって、暖房能力の制御幅を拡大することができる。
第3の観点にかかる空気調和装置は、第2の観点にかかる空気調和装置において、目標過冷却度が、目標高圧に相当する目標凝縮温度から室内温度を差し引いた温度値である目標過冷却度最大値を超えない値に設定される。
この空気調和装置では、目標過冷却度を変更するのに際して、目標過冷却度が現実的でない値に設定されるのを防ぐことができる。
第4の観点にかかる空気調和装置は、第2又は第3の観点にかかる空気調和装置において、目標過冷却度が、圧縮機、室外熱交換器、第1膨張弁、室内熱交換器の順に冷媒が循環するデフロスト運転後の暖房運転再開後に変更される。
この空気調和装置では、デフロスト運転後の暖房運転再開後においても、上記の目標過冷却度を変更する制御が行われる。
第5の観点にかかる空気調和装置は、第2〜第4の観点にかかる空気調和装置において、目標過冷却度が、圧縮機の運転開始、又は、圧縮機、室外熱交換器、第1膨張弁、室内熱交換器の順に冷媒が循環するデフロスト運転後の暖房運転再開から目標過冷却度を大きくする変更を許可する目標過冷却度変更開始時間が経過するまで変更されない。
圧縮機の運転開始直後やデフロスト運転後の暖房運転再開直後は、冷媒回路内の冷媒の循環状態が安定していない。このため、この空気調和装置において、圧縮機の運転開始直後やデフロスト運転後の暖房運転再開直後から、上記の圧縮機の運転容量制御による暖房能力の増減と目標過冷却度の変更とを同時に行うと、冷媒回路の高圧が急激に上昇し過ぎる等の問題が生じるおそれがある。
そこで、この空気調和装置では、圧縮機の運転開始、又は、デフロスト運転後の暖房運転再開から目標過冷却度変更開始時間が経過するまで、目標過冷却度を変更しないようにしている。
これにより、この空気調和装置では、冷媒回路内の冷媒の循環状態が安定しないままで、冷媒回路の高圧が急激に上昇し過ぎる等の問題が生じるのを避けることができる。
第6の観点にかかる空気調和装置は、第1〜第5の観点のいずれかにかかる空気調和装置において、第1膨張弁と室外熱交換器との間には、第2膨張弁が接続されており、暖房運転時に、室外熱交換器の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度になるように、第2膨張弁の開度を制御する。
この空気調和装置では、上記の目標過冷却度を変更する制御によって、暖房運転時に、室内熱交換器における冷媒量が変動するため、室外熱交換器における冷媒量が変動しやすく、室外熱交換器の出口における冷媒の状態が安定しにくくなっている。
しかし、この空気調和装置では、室外熱交換器の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度になるように第2膨張弁の開度を制御しているため、室外熱交換器の出口における冷媒の状態を安定させることができる。
これにより、この空気調和装置では、上記の目標過冷却度を変更する制御によって、暖房運転時に室内熱交換器における冷媒量の変動が生じたとしても、圧縮機の吸入側における冷媒が湿り状態やガス欠状態になるのを抑えることができる。
第7の観点にかかる空気調和装置は、第6の観点にかかる空気調和装置において、第1膨張弁と第2膨張弁との間には、冷媒を溜めることが可能なレシーバが接続されている。
この空気調和装置では、上記の目標過冷却度を変更する制御によって、暖房運転時に、室内熱交換器における冷媒量が変動するため、その変動幅が大きい場合には、室外熱交換器における冷媒量が大幅に変動することになる。このため、この空気調和装置では、室外熱交換器の出口における冷媒の過熱度を目標過熱度に制御しにくくなるおそれがある。
しかし、この空気調和装置では、レシーバを設けているため、暖房運転時に室内熱交換器における冷媒量の変動をレシーバで吸収して、室外熱交換器における冷媒量の変動を抑えることができる。
これにより、この空気調和装置では、上記の目標過冷却度を変更する制御によって、暖房運転時に室内熱交換器における冷媒量の変動が生じたとしても、室外熱交換器の出口における冷媒の過熱度を目標過熱度に制御しにくくなるのを避けることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の観点にかかる空気調和装置では、第1膨張弁による過冷却度制御における目標過冷却度を変更する制御によって、要求される暖房能力が得られやすくなり、暖房能力の制御幅を拡大することができる。
第2の観点にかかる空気調和装置では、冷媒回路の高圧が目標高圧に近づくように圧縮機の運転容量制御を行う構成において、目標過冷却度を変更する制御によって、暖房能力の制御幅を拡大することができる。
第3の観点にかかる空気調和装置では、目標過冷却度を変更するのに際して、目標過冷却度が現実的でない値に設定されるのを防ぐことができる。
第4の観点にかかる空気調和装置では、デフロスト運転後の暖房運転再開後においても、上記の目標過冷却度を変更する制御が行われる。
第5の観点にかかる空気調和装置では、冷媒回路内の冷媒の循環状態が安定しないままで、冷媒回路の高圧が急激に上昇し過ぎる等の問題が生じるのを避けることができる。
第6の観点にかかる空気調和装置では、目標過冷却度を変更する制御によって、暖房運転時に室内熱交換器における冷媒量の変動が生じたとしても、圧縮機の吸入側における冷媒が湿り状態やガス欠状態になるのを抑えることができる。
第7の観点にかかる空気調和装置では、目標過冷却度を変更する制御によって、暖房運転時に室内熱交換器における冷媒量の変動が生じたとしても、室外熱交換器の出口における冷媒の過熱度を目標過熱度に制御しにくくなるのを避けることができる。
本発明の一実施形態及びその変形例にかかる空気調和装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態及びその変形例にかかる空気調和装置の制御ブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の室内膨張弁の制御を主に示すフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の目標過冷却度及び圧縮機の運転容量の経時変化を示すグラフである。 本発明の変形例にかかる空気調和装置の室内膨張弁の制御を主に示すフローチャートである。 本発明の変形例にかかる空気調和装置の目標過冷却度及び圧縮機の運転容量の経時変化を示すグラフである。 本発明の他の実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。
以下、本発明にかかる空気調和装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、室内の冷房や暖房に使用される装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、室内ユニット3と、室外ユニット2と室内ユニット3とを接続する液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6とを有している。すなわち、本実施形態の空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と室内ユニット3と冷媒連絡管5、6とが接続されることによって構成されている。
<室内ユニット>
室内ユニット3は、室内に設置されている。室内ユニット3は、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、室内ユニット3の構成について説明する。室内ユニット3は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室内側冷媒回路10aを有している。この室内側冷媒回路10aは、主として、圧縮機31と、切換機構32と、第1膨張弁としての室内膨張弁EV1と、室内熱交換器33と、アキュムレータ34とを有している。
圧縮機31は、圧縮機用モータ31aによって駆動される容積式圧縮機である。圧縮機用モータ31aは、インバータ回路(図示せず)を介して電力の供給を受けて駆動されるようになっており、運転周波数fを変更することで、圧縮機31の運転容量G(圧縮機31から吐出される冷媒の流量)を可変することが可能になっている。
切換機構32は、室内熱交換器33を冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転状態と室内熱交換器33を冷媒の凝縮器として機能させる暖房運転状態とを切り換え可能な四路切換弁である。ここで、図1の切換機構32における実線が冷房運転状態を示し、図1の切換機構32における破線が暖房運転状態を示す。切換機構32は、圧縮機31の吐出側、圧縮機31の吸入側、ガス冷媒連絡管6、及び、室内熱交換器33のガス側に接続されている。尚、切換機構32は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせる等によって、上記と同様の冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
室内熱交換器33は、冷房運転時に冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時に冷媒の凝縮器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。室内熱交換器33のガス側は、切換機構32に接続されており、室内熱交換器33の液側は、室内膨張弁EV1に接続されている。
室内膨張弁EV1は、冷房運転時に室内熱交換器33に流入する冷媒を減圧し、暖房運転時に室内熱交換器33から流出する冷媒を減圧する電動膨張弁である。室内膨張弁EV1は、室内熱交換器33の液側と液冷媒連絡管5との間に接続されている。
アキュムレータ34は、冷媒回路10内を循環する冷媒を圧縮機31に吸入される前に一時的に溜めるための容器である。アキュムレータ34は、切換機構32と圧縮機31の吸入側との間に接続されている。
また、室内ユニット3は、ユニット内に室内空気を吸入して、室内熱交換器33において冷媒と熱交換させた後に、供給空気として室内に供給するための室内ファン35を有している。室内ファン35は、本実施形態において、室内ファン用モータ35aによって駆動される遠心ファンや多翼ファン等である。
また、室内ユニット3には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室内ユニット3には、吸入圧力センサ37と、吐出圧力センサ38と、吸入温度センサ39と、吐出温度センサ40と、室内熱交温度センサ41と、室内温度センサ42とが設けられている。吸入圧力センサ37は、圧縮機31の吸入圧力Psを検出する圧力センサである。吐出圧力センサ38は、圧縮機31の吐出圧力Pdを検出する圧力センサである。吸入温度センサ39は、圧縮機31の吸入温度Tsを検出する温度センサである。吐出温度センサ40は、圧縮機31の吐出温度Tdを検出する温度センサである。室内熱交温度センサ41は、室内熱交換器33が冷媒の凝縮器として機能する際の出口における冷媒の温度Toを検出する温度センサである。室内温度センサ42は、室内ユニット3内に吸入される室内空気の温度Trを検出する温度センサである。
さらに、室内ユニット3は、室内ユニット3を構成する各部の動作を制御する室内側制御部36を有している。そして、室内側制御部36は、室内ユニット3の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータ、メモリや圧縮機用モータ31aを制御するインバータ回路等を有している。室内側制御部36は、室外ユニット2との間で伝送線7aを介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、室外に設置されている。室外ユニット2は、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して室内ユニット3に接続されており、室内ユニット3との間で冷媒回路10を構成している。
次に、室外ユニット2の構成について説明する。室外ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室外側冷媒回路10bを有している。この室外側冷媒回路10bは、主として、室外熱交換器21と、第2膨張弁としての室外膨張弁EV2と、レシーバ23とを有している。
室外熱交換器21は、冷房運転時に冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時に冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器21のガス側は、ガス冷媒連絡管6に接続されており、室外熱交換器21の液側は、室外膨張弁EV2に接続されている。
室外膨張弁EV2は、冷房運転時に室外熱交換器21から流出する冷媒を減圧し、暖房運転時に室外熱交換器21に流入する冷媒を減圧する電動膨張弁である。室外膨張弁EV2は、室外熱交換器21の液側とレシーバ23との間に接続されている。
レシーバ23は、室内膨張弁EV1と室外膨張弁EV2との間を流れる冷媒を溜めることが可能な容器であり、冷媒回路10における冷媒量分布の変動を吸収することが可能である。レシーバ23は、室外膨張弁EV2と液冷媒連絡管5との間に接続されている。
また、室外ユニット2は、ユニット内に室外空気を吸入して、室外熱交換器21において冷媒と熱交換させた後に、室外に排出するための室外ファン24を有している。室外ファン24は、本実施形態において、室外ファン用モータ24aによって駆動されるプロペラファン等である。
さらに、室外ユニット2は、室外ユニット2を構成する各部の動作を制御する室外側制御部25を有している。そして、室外側制御部25は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室内ユニット3の室内側制御部36との間で伝送線7aを介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。すなわち、室内側制御部36と室外側制御部25との間を接続する伝送線7aとによって、空気調和装置1全体の運転制御を行う制御部7が構成されている。
制御部7は、図2に示すように、各種センサ37〜42の検出信号を受けることができるように接続されるとともに、これらの検出信号等に基づいて各種機器及び弁24a、31a、32、35a、EV1、EV2を制御することができるように接続されている。ここで、図2は、空気調和装置1の制御ブロック図である。
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管5、6は、空気調和装置1をビル等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管であり、設置場所や室外ユニット2と室内ユニット3との組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。
以上のように、圧縮機31、室内熱交換器32及び室内膨張弁EV1等を有する室内側冷媒回路10aと、室外熱交換器21等を有する室外側冷媒回路10bとが接続されることによって、空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。そして、空気調和装置1は、室内側制御部36と室外側制御部25とから構成される制御部7によって、室外ユニット2及び室内ユニット3の各機器の制御を行うことができるようになっている。
(2)空気調和装置の基本動作
次に、空気調和装置1の冷房運転、暖房運転、及び、デフロスト運転の基本動作について、図1を用いて説明する。
<冷房運転>
冷房運転を行う場合には、切換機構32が冷房運転状態(図1の切換機構32の実線で示された状態)に切り換えられる。より具体的には、切換機構32は、圧縮機31の吐出側が切換機構32を経由してガス冷媒連絡管6に接続され、圧縮機31の吸入側がアキュムレータ34及び切換機構32を経由して室内熱交換器33のガス側に接続された状態に切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、圧縮機31、室外ファン24及び室内ファン35を起動すると、冷媒回路10内の低圧のガス冷媒は、室内ユニット3の圧縮機31に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。この高圧のガス冷媒は、切換機構32及びガス冷媒連絡管6を経由して室内ユニット3から室外ユニット2に送られる。室外ユニット2に送られた高圧のガス冷媒は、冷媒の凝縮器としての室外熱交換器21に送られる。この高圧のガス冷媒は、室外熱交換器21において、室外ファン24によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却されることによって凝縮して、高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、第2膨張弁としての室外膨張弁EV2に送られ、室外膨張弁EV2において減圧される。室外膨張弁EV2において減圧された冷媒は、レシーバ23において一時的に溜められた後に、液冷媒連絡管5を経由して室外ユニット2から室内ユニット3に送られる。室内ユニット3に送られた冷媒は、第1膨張弁としての室内膨張弁EV1によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器としての室内熱交換器33に送られ、室内熱交換器33において、室内ファン35によって供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して、低圧のガス冷媒となる。この際、室内空気は、室内熱交換器33における冷媒との熱交換によって冷却されて室内に供給される。そして、室内熱交換器33において蒸発した低圧のガス冷媒は、切換機構32を経由してアキュムレータ34に送られ、再び、圧縮機31に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
<暖房運転>
暖房運転を行う場合には、切換機構32が暖房運転状態(図1の切換機構32の破線で示された状態)に切り換えられる。より具体的には、切換機構32は、圧縮機31の吐出側が切換機構32を経由して室内熱交換器33のガス側に接続され、圧縮機31の吸入側がアキュムレータ34及び切換機構32を経由してガス冷媒連絡管6に接続された状態に切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、圧縮機31、室外ファン24及び室内ファン35を起動すると、冷媒回路10内の低圧のガス冷媒は、室内ユニット3の圧縮機31に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。この高圧のガス冷媒は、切換機構32を経由して冷媒の凝縮器としての室内熱交換器33に送られる。この高圧のガス冷媒は、室内熱交換器33において、室内ファン35によって供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって凝縮して、高圧の液冷媒となる。この際、室内空気は、室内熱交換器33における冷媒との熱交換によって加熱されて室内に供給される。そして、室内熱交換器33において凝縮した高圧の液冷媒は、第1膨張弁としての室内膨張弁EV1に送られ、室内膨張弁EV1において減圧される。室内膨張弁EV1において減圧された冷媒は、液冷媒連絡管5を経由して室内ユニット3から室外ユニット2に送られる。室外ユニット2に送られた冷媒は、レシーバ23において一時的に溜められた後に、第2膨張弁としての室外膨張弁EV2によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器としての室外熱交換器21に送られ、室外熱交換器21において、室外ファン24によって供給される室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して、低圧のガス冷媒となる。この低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管6を経由して室外ユニット2から室内ユニット3に送られる。室内ユニット3に送られた低圧のガス冷媒は、切換機構32を経由してアキュムレータ34に送られ、再び、圧縮機31に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
そして、このような暖房運転において、空気調和装置1では、室内熱交換器33の出口における冷媒の過冷却度SCが目標過冷却度SCsになるように、室内膨張弁EV1の開度を制御している(以下、この制御を「室内膨張弁EV1による過冷却度制御」とする)。ここで、室内熱交換器33の出口における冷媒の過冷却度SCは、吐出圧力センサ38によって検出される吐出圧力Pdと室内熱交温度センサ41によって検出される室内熱交換器33の出口における冷媒の温度Toから算出される。より具体的には、まず、吐出圧力センサ38によって検出される吐出圧力Pdを冷媒の飽和温度に換算して、冷媒回路10の高圧Pcに相当する凝縮温度Tcを得る。ここで、高圧Pcとは、暖房運転時において、圧縮機31の吐出側から室内熱交換器33を経由して室内膨張弁EV1に流入するまでの間を流れる高圧の冷媒を代表する圧力又はこの圧力に等価な状態量である凝縮温度Tcを意味する。そして、室内熱交温度センサ41によって検出される室内熱交換器33の出口における冷媒の温度Toから凝縮温度Tcを差し引くことによって過冷却度SCを得る。
また、空気調和装置1では、室内側の熱負荷等に応じて空気調和装置1に要求される暖房能力が変化するため、このような暖房運転時に要求される暖房能力の変化に対応できるようにする必要がある。そこで、空気調和装置1では、冷媒回路10の高圧Pcに相当する凝縮温度Tcが目標高圧に相当する目標凝縮温度Tcsに近づくように、圧縮機31の運転容量Gを変更する制御を行っている(以下、この制御を「圧縮機31の運転容量制御」とする)。この圧縮機31の運転容量制御は、凝縮温度Tcが目標凝縮温度Tcsに近い状態で暖房運転が行われている場合には、空気調和装置1は、要求される暖房能力を概ね満たす状態になっているとみなすことができるという特性を利用した制御である。っここで、圧縮機31の運転容量Gの制御は、圧縮機用モータ31aの運転周波数fを変更することによって行われる。また、圧縮機31の運転容量Gは、運転周波数f等から算出される。
<デフロスト運転>
デフロスト運転を行う場合には、切換機構32が暖房運転状態(図1の切換機構32の破線で示された状態)から冷房運転状態(図1の切換機構32の実線で示された状態)に切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、冷媒回路10内の低圧のガス冷媒は、室内ユニット3の圧縮機31に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。この高圧のガス冷媒は、切換機構32及びガス冷媒連絡管6を経由して室内ユニット3から室外ユニット2に送られる。室外ユニット2に送られた高圧のガス冷媒は、冷媒の凝縮器としての室外熱交換器21に送られる。この高圧のガス冷媒は、室外熱交換器21において、室外熱交換器21に付着した氷や霜と熱交換を行って冷却されることによって凝縮して、高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、第2膨張弁としての室外膨張弁EV2に送られ、室外膨張弁EV2において減圧される。室外膨張弁EV2において減圧された冷媒は、レシーバ23において一時的に溜められた後に、液冷媒連絡管5を経由して室外ユニット2から室内ユニット3に送られる。室内ユニット3に送られた冷媒は、第1膨張弁としての室内膨張弁EV1によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器としての室内熱交換器33に送られ、室内熱交換器33において、室内ファン35によって供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して、低圧のガス冷媒となる。この際、室内空気は、室内熱交換器33における冷媒との熱交換によって冷却されて室内に供給される。そして、室内熱交換器33において蒸発した低圧のガス冷媒は、切換機構32を経由してアキュムレータ34に送られ、再び、圧縮機31に吸入される。このようにして、暖房運転時に室外熱交換器21に付着した氷や霜を融解させることによって室外熱交換器21から除去するデフロスト運転が行われる。
<暖房運転時の暖房能力制御の問題点>
しかし、空気調和装置1の暖房運転において、尚、目標過冷却度SCsをある一定の値に予め設定した上で室内膨張弁EV1による過冷却度制御を行う場合には、圧縮機31の運転容量制御を行ったとしても、以下のような問題が生じるおそれがある。すなわち、圧縮機31の運転容量制御によって圧縮機31の運転容量Gが最大値Gx付近になっても凝縮温度Tcが目標凝縮温度Tcsまで上昇していない場合には、要求される暖房能力に対して暖房能力が不足することになる。逆に、圧縮機31の運転容量制御によって圧縮機31の運転容量Gが最小値Gm付近になっても凝縮温度Tcが目標凝縮温度Tcsまで低下していない場合には、要求される暖房能力に対して暖房能力が過剰になる。そして、このような場合には、要求される暖房能力まで暖房能力を増加させたり、要求される暖房能力まで暖房能力を減少させることができなくなるという問題が生じるおそれがある。
このように、目標過冷却度SCsをある一定の値に予め設定した上で室内膨張弁EV1による過冷却度制御を行いつつ圧縮機31の運転容量制御を行うだけでは、圧縮機31の運転容量Gの可変範囲までしか暖房能力の制御幅が得られず、要求される暖房能力を得ることができない場合がある。
そこで、空気調和装置1では、このような問題を解決するために、室内膨張弁EV1による過冷却度制御において、暖房能力を増加させる場合には目標過冷却度SCsを大きくし、暖房能力を減少させる場合には目標過冷却度SCsを小さくするようにしている。
(3)室内膨張弁、圧縮機及び室外膨張弁の制御
次に、空気調和装置1の暖房運転時における第1膨張弁としての室内膨張弁EV1及び第2膨張弁としての室外膨張弁EV2の制御について、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図3は、本実施形態にかかる空気調和装置1の室内膨張弁EV1の制御を主に示すフローチャートである。また、図4は、本実施形態にかかる空気調和装置1の目標過冷却度SCs及び圧縮機31の運転容量Gの経時変化を示すグラフである。
<室内膨張弁の動作>
まず、図3に示すように、ステップS1において、圧縮機31の運転が開始されたか、又は、デフロスト運転後の運転再開であるかどうかを判定する。そして、圧縮機31の運転が開始される、又は、デフロスト運転後の運転が再開されると、圧縮機31による運転容量制御も開始されて、ステップS2に移行する。ここで、「圧縮機31の運転開始」とは、空気調和装置1の運転が停止している状態から運転が開始される場合だけでなく、室内温度Trが所定の目標温度に達して圧縮機31の運転が一時的に停止された状態(いわゆるサーモオフ状態)も含んでいる。
これにより、図4に示すように、圧縮機31の運転容量Gが最小値Gmから徐々に増加し、凝縮温度Tcも目標凝縮温度Tcsに近づく方向に変化する。尚、ここでは、圧縮機31の運転が開始される場合を例にして説明するが、デフロスト運転後の運転が再開される場合においても、圧縮機31の運転が開始される場合と同様である。
次に、ステップS2において、室内膨張弁EV1による過冷却度制御が、目標過冷却度SCsが初期値A1で設定された状態で開始されて、ステップS3に移行する。
次に、ステップS3において、圧縮機31の運転開始から圧縮機31の運転容量Gが目標過冷却度変更開始容量G1まで増加したか、又は、圧縮機31の運転開始から目標過冷却度変更開始時間t1が経過したかどうかを判定する。そして、この条件を満たすと(運転容量Gが目標過冷却度変更開始容量G1まで増加した場合を図4に示す)、ステップS4に移行する。ここで、目標過冷却度変更開始容量G1は、圧縮機31の運転容量Gの可変範囲の30%〜70%程度の値に設定され、目標過冷却度変更開始時間t1は、5分〜15分程度の値に設定される。
これにより、冷媒回路10内の冷媒の循環状態が安定するまで、目標過冷却度SCsを初期値A1に設定した上で室内膨張弁EV1による過冷却度制御を行うとともに圧縮機31の運転容量制御が行われる。
次に、ステップS4において、目標過冷却度SCsを初期値A1に補正値Bを加算することによって変更する。ここで、補正値Bは、圧縮機31の運転容量Gが増加するにつれて大きくなるように設定されている。より具体的には、補正値Bは、運転容量Gが増加するにつれて大きくなるような圧縮機31の運転容量Gの一次関数として設定されている。尚、目標過冷却度SCsは、目標凝縮温度Tcsから室内温度Trを差し引いた温度値(この値を「目標過冷却度最大値SCx」とする)以上にすることができない。このため、ステップS4において演算された目標過冷却度SCsがSCx−α(ここで、αは定数)以上になる場合には、目標過冷却度SCsを算出された補正値Bを加算した値ではなく、SCx−αに変更し、目標過冷却度SCsが現実的でない値に設定されるのを防ぐようにしている。そして、目標過冷却度SCsが変更されると、ステップS5に移行する。
次に、ステップS5において、圧縮機31の運転容量Gの変化が生じたか、又は、目標過冷却度SCsの変更から再変更時間t2が経過したかどうかを判定する。そして、この条件を満たすと(運転容量Gの変化が生じた場合を図4に示す)、ステップS4に戻り、目標過冷却度SCsの変更を繰り返す。ここで、再変更時間t2は、数秒から数分程度の値に設定される。
これにより、図4に示すように、目標過冷却度SCsは、暖房運転時における暖房能力を増加させる場合(すなわち、圧縮機31の運転容量制御が暖房能力を増加させる方向に行われている場合)には大きくなるように変更される。また、暖房能力を減少させる場合(すなわち、圧縮機31の運転容量制御が暖房能力を減少させる方向に行われている場合)には小さくなるように変更される。このため、空気調和装置1では、室内膨張弁EV1による過冷却度制御における目標過冷却度SCsが大きくなることで、室内熱交換器33における冷媒量が増加して、冷媒回路10の高圧(すなわち、凝縮温度Tc)が上昇する。すなわち、この空気調和装置1では、室内膨張弁EV1による過冷却度制御における目標過冷却度SCsを大きくすることで、暖房能力(すなわち、凝縮温度Tc)を増加させることができる。その結果、空気調和装置1では、圧縮機31の運転容量制御を行うだけでは、要求される暖房能力(すなわち、目標凝縮温度Tcs)まで暖房能力を増加させることができないような場合であっても、要求される暖房能力まで増加させやすくなり、暖房能力を増加させる方向の制御幅を拡大することができる。また、空気調和装置1では、室内膨張弁EV1による過冷却度制御における目標過冷却度SCsが小さくなることで、室内熱交換器33における冷媒量が減少して、冷媒回路10の高圧が低下する。すなわち、この空気調和装置1では、室内膨張弁EV1による過冷却度制御における目標過冷却度SCsを小さくすることで、暖房能力を減少させることができる。その結果、空気調和装置1では、圧縮機31の運転容量制御を行うだけでは、要求される暖房能力まで暖房能力を減少させることができないような場合であっても、要求される暖房能力まで減少させやすくなり、暖房能力を減少させる方向の制御幅を拡大することができる。
しかも、目標過冷却度SCsを大きくする方向は、圧縮機31の運転容量制御が暖房能力を増加させる方向に動作している場合と同じであるため、圧縮機31の運転容量制御による暖房能力の増加と目標過冷却度SCsの変更による暖房能力の増加とが同時に行われる。したがって、空気調和装置1では、要求される暖房能力まで速やかに暖房能力を増加させることができる。また、目標過冷却度SCsを小さくする方向は、圧縮機31の運転容量制御が暖房能力を減少させる方向させる方向に動作している場合と同じであるため、圧縮機31の運転容量制御による暖房能力の減少と目標過冷却度SCsの変更による暖房能力の減少とが同時に行われる。したがって、空気調和装置1では、要求される暖房能力まで速やかに暖房能力を減少させることができる。
<室外膨張弁の制御>
本実施形態では、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御によって、暖房運転時に、室内熱交換器33における冷媒量が変動する。より具体的には、暖房能力を増加させる場合には、室内熱交換器33内に溜まる冷媒量が増加し、暖房能力を減少させる場合には、室内熱交換器33内に溜まる冷媒量が減少する。このため、室外熱交換器21における冷媒量が変動しやすく、室外熱交換器21の出口における冷媒の状態が安定しにくくなっている。
そこで、本実施形態では、上記の目標過冷却度SCsの変更を伴う室内膨張弁EV1による過冷却度制御とともに、冷媒の蒸発器としての室外熱交換器21の出口における冷媒の過熱度SHが目標過熱度SHsになるように室外膨張弁EV2の開度を制御するようにしている(以下、この制御を「室外膨張弁EV2による過熱度制御」とする)。ここで、室外熱交換器21の出口における冷媒の過熱度SHは、吸入圧力センサ37によって検出される吸入圧力Psと吸入温度センサ39によって検出される圧縮機31の吸入側(すなわち、室外熱交換器21の出口)における冷媒の温度Tsから算出される。より具体的には、まず、吸入圧力センサ37によって検出される吸入圧力Psを冷媒の飽和温度に換算して、冷媒回路10の低圧Peに相当する蒸発温度Teを得る。ここで、低圧Peとは、暖房運転時において、室外膨張弁EV2から室外熱交換器21を経由して圧縮機31の吸入側に流入するまでの間を流れる低圧の冷媒を代表する圧力又はこの圧力に等価な状態量である蒸発温度Teを意味する。そして、吸入温度センサ39によって検出される吸入温度Tsから蒸発温度Teを差し引くことによって過熱度SHを得る。
これにより、空気調和装置1では、室外熱交換器21の出口における冷媒の状態を安定させることができる。このため、空気調和装置1では、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御によって、暖房運転時に室内熱交換器21における冷媒量の変動が生じたとしても、圧縮機21の吸入側における冷媒が湿り状態やガス欠状態になるのを抑えることができる。
しかも、本実施形態では、室内膨張弁EV1と室内膨張弁EV2との間に冷媒を溜めることが可能なレシーバ23が接続されている。
これにより、空気調和装置1では、暖房運転時に室内熱交換器33における冷媒量の変動をレシーバ23で吸収して、室外熱交換器21における冷媒量の変動を抑えることができる。このため、空気調和装置1では、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御によって、暖房運転時に室内熱交換器33における冷媒量の変動が生じたとしても、室外熱交換器21の出口における冷媒の過熱度SHを目標過熱度SHsに制御しにくくなるのを避けることができる。
(4)空気調和装置の特徴
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
<A>
本実施形態の空気調和装置1では、第1膨張弁としての室内膨張弁EV1による過冷却度制御における目標過冷却度SCsを大きくすることによって、室内熱交換器33における冷媒量を増加させて冷媒回路10の高圧Pcを上昇させることができる。また、室内膨張弁EV1による過冷却度制御における目標過冷却度SCsを小さくすることによって、室内熱交換器33における冷媒量を減少させて冷媒回路10の高圧Pcを低下させることができる。すなわち、この空気調和装置1では、室内熱交換器33における冷媒量を増減させて冷媒回路10の高圧Pcを昇降させることができ、その結果、暖房能力(すなわち、凝縮温度Tc)を増減させることができる。
これにより、この空気調和装置1では、室内膨張弁EV1による過冷却度制御における目標過冷却度SCsを変更する制御によって、要求される暖房能力が得られやすくなり、暖房能力の制御幅を拡大することができる。
<B>
本実施形態の空気調和装置1では、圧縮機31の運転容量制御によって、暖房能力を増加させる場合には、圧縮機31の運転容量を増加させ、暖房能力を減少させる場合には、圧縮機31の運転容量を減少させることができる。しかも、この空気調和装置1では、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御を行うようにしている。
これにより、この空気調和装置1では、上記の圧縮機の運転容量制御を行うだけでは、要求される暖房能力に制御することができないような場合であっても、要求される暖房能力が得られやすくなり、暖房能力の制御幅を拡大することができる。
<C>
本実施形態の空気調和装置1では、目標過冷却度SCsを圧縮機31の運転容量Gの関数にすることによって、圧縮機31の運転容量Gに応じて目標過冷却度SCsを変更するようにしている。
これにより、この空気調和装置1では、上記の圧縮機31の運転容量制御による暖房能力の増減と上記の目標過冷却度SCsの変更による暖房能力の増減とを互いに関連づけて適切に行うことができる。
特に、本実施形態の空気調和装置1では、目標過冷却度SCsを圧縮機31の運転容量Gが増加するにつれて大きくなるように変更することによって、上記の圧縮機31の運転容量制御と同時に、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御を行うことができる。
これにより、この空気調和装置1では、上記の圧縮機31の運転容量制御による暖房能力の増減と上記の目標過冷却度SCsの変更による暖房能力の増減とが同時に行われるため、要求される暖房能力を速やかに得ることができる。また、目標過冷却度SCsを変更する制御による暖房能力の増加によって、圧縮機31の運転容量Gが少ない状態で、要求される暖房能力を得ることができる。
<D>
本実施形態の空気調和装置1では、圧縮機31の運転開始直後やデフロスト運転後の暖房運転再開直後は、冷媒回路10内の冷媒の循環状態が安定していない。このため、この空気調和装置1において、圧縮機31の運転開始直後やデフロスト運転後の暖房運転再開直後から、上記の圧縮機31の運転容量制御による暖房能力の増減と目標過冷却度SCsの変更による暖房能力の増減とを同時に行うと、冷媒回路10の高圧Pcが急激に上昇し過ぎる等の問題が生じるおそれがある。
そこで、この空気調和装置1では、圧縮機31の運転開始やデフロスト運転後の暖房運転再開直後から圧縮機31の運転容量Gが目標過冷却度変更開始容量G1まで増加するか、又は、圧縮機31の運転開始から目標過冷却度変更開始時間t1が経過するまで、目標過冷却度SCsを変更しないようにしている。
これにより、この空気調和装置1では、冷媒回路10内の冷媒の循環状態が安定しないままで、冷媒回路10の高圧Pcが急激に上昇し過ぎる等の問題が生じるのを避けることができる。
<E>
本実施形態の空気調和装置1では、冷媒回路10の高圧Pc(ここでは、凝縮温度Tc)が目標高圧(ここでは、目標凝縮温度Tcs)に近づくように圧縮機31の運転容量Gを変更することによって、暖房能力を増減させている。このため、この空気調和装置1では、暖房能力に相当する冷媒回路10の高圧Pcと要求される暖房能力に相当する目標高圧とのずれ(すなわち、凝縮温度Tcと目標凝縮温度Tcs)を、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御で補うことによって、暖房能力の制御幅を拡大していることになる。
これにより、この空気調和装置1では、冷媒回路10の高圧Pc(ここでは、凝縮温度Tc)が目標高圧(ここでは、目標凝縮温度Tcs)に近づくように圧縮機31の運転容量制御を行う構成において、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御によって、暖房能力の制御幅を拡大することができる。
<F>
本実施形態の空気調和装置1では、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御によって、暖房運転時に、室内熱交換器33における冷媒量が変動するため、室外熱交換器21における冷媒量が変動しやすく、室外熱交換器21の出口における冷媒の状態が安定しにくくなっている。
しかし、この空気調和装置1では、室外熱交換器21の出口における冷媒の過熱度SHが目標過熱度SHsになるように第2膨張弁としての室外膨張弁EV2の開度を制御しているため、室外熱交換器21の出口における冷媒の状態を安定させることができる。
これにより、この空気調和装置1では、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御によって、暖房運転時に室内熱交換器33における冷媒量の変動が生じたとしても、圧縮機31の吸入側における冷媒が湿り状態やガス欠状態になるのを抑えることができる。
<G>
本実施形態の空気調和装置1では、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御によって、暖房運転時に、室内熱交換器33における冷媒量が変動するため、その変動幅が大きい場合には、室外熱交換器21における冷媒量が大幅に変動することになる。このため、この空気調和装置1では、室外熱交換器21の出口における冷媒の過熱度SHを目標過熱度SHsに制御しにくくなるおそれがある。
しかし、この空気調和装置1では、レシーバ23を設けているため、暖房運転時に室内熱交換器33における冷媒量の変動をレシーバ23で吸収して、室外熱交換器21における冷媒量の変動を抑えることができる。
これにより、この空気調和装置1では、上記の目標過冷却度SCsを変更する制御によって、暖房運転時に室内熱交換器33における冷媒量の変動が生じたとしても、室外熱交換器21の出口における冷媒の過熱度SHを目標過熱度SHsに制御しにくくなるのを避けることができる。
(5)変形例
上記の実施形態では、目標過冷却度SCsを圧縮機31の運転容量Gの関数にすることによって、圧縮機31の運転容量Gに応じて目標過冷却度SCsを変更するようにしているが、これに代えて、圧縮機31の運転容量Gが最大値Gx付近や最小値Gm付近になった場合(ここでは、圧縮機31の運転容量Gが最大値Gx付近になった場合のみについて説明する)に目標過冷却度SCsを変更する制御を行うようにしてもよい。
次に、本変形例の空気調和装置1の暖房運転時における第1膨張弁としての室内膨張弁EV1の制御について、図1、図2、図5及び図6を用いて説明する。ここで、図5は、本変形例にかかる空気調和装置1の室内膨張弁EV1の制御を主に示すフローチャートである。また、図6は、本変形例にかかる空気調和装置1の目標過冷却度SCs及び圧縮機31の運転容量Gの経時変化を示すグラフである。尚、空気調和装置1の構成や第2膨張弁としての室外膨張弁EV2の制御については、上記の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、図5に示すように、ステップS11において、圧縮機31の運転が開始されたか、又は、デフロスト運転後の運転再開であるかどうかを判定する。そして、圧縮機31の運転が開始される、又は、デフロスト運転後の運転が再開されると、圧縮機31による運転容量制御も開始されて、ステップS12に移行する。
これにより、図6に示すように、圧縮機31の運転容量Gが最小値Gmから徐々に増加し、凝縮温度Tcも目標凝縮温度Tcsに近づく方向に変化する。尚、ここでは、上記の実施形態と同様に、圧縮機31の運転が開始される場合を例にして説明するが、デフロスト運転後の運転が再開される場合においても、圧縮機31の運転が開始される場合と同様である。
次に、ステップS12において、室内膨張弁EV1による過冷却度制御が、目標過冷却度SCsが初期値A2で設定された状態で開始されて、ステップS13に移行する。
次に、ステップS13において、圧縮機31の運転開始から圧縮機31の運転容量Gが目標過冷却度変更開始容量G2まで増加し、かつ、圧縮機31の運転開始から目標過冷却度変更開始時間t3が経過したかどうかを判定する。そして、この条件を満たすと(例えば、運転容量Gが目標過冷却度変更開始容量G2まで増加すると同時に目標過冷却度変更開始時間t3が経過した場合を図6に示す)、ステップS14に移行し、この条件を満たさない場合には、ステップS15に移行する。ここで、目標過冷却度変更開始容量G2は、圧縮機31の運転容量Gの最大値Gx付近の値に設定され、目標過冷却度変更開始時間t3は、5分〜15分程度の値に設定される。
次に、ステップS14において、目標過冷却度SCsを初期値A2に補正値Cを加算することによって大きくする。ここで、目標過冷却度SCsは、目標凝縮温度Tcsから室内温度Trを差し引いた温度値(この値を「目標過冷却度最大値SCx」とする)以上にすることができない。このため、ステップS14において演算された目標過冷却度SCsがSCx−α(ここで、αは定数)以上になる場合には、目標過冷却度SCsを算出された補正値Cを加算した値ではなく、SCx−αに変更し、目標過冷却度SCsが現実的でない値に設定されるのを防ぐようにしている。
これにより、図6に示すように、圧縮機31の運転容量Gが最大値Gx付近の目標過冷却度変更開始容量G2に到達した状態において、目標過冷却度SCsが大きくなり、圧縮機31の運転容量制御では、要求される暖房能力まで暖房能力を増加させることができなくなっている状況においても、暖房能力を増加させることができ、これにより、暖房能力を増加させる方向の制御幅を拡大することができる。
次に、ステップS15において、上記の目標過冷却度SCsを小さくする変更によって、圧縮機31の運転容量Gが最大値Gx付近の目標過冷却度変更開始容量G2よりも減少した状態になったかどうかを判定する。そして、この条件を満たすと、ステップS16において、目標過冷却度SCsを初期値A2から補正値Dを減算することによって小さくして、制御安定待ち時間t4が経過したかどうかを判定するためのステップS17に移行し、再び、ステップS13に戻る。ここで、制御安定待ち時間t4は、数秒〜数分程度の値に設定される。
以上のように、本変形例の空気調和装置1では、上記の実施形態とは異なり、圧縮機31の運転容量制御では、要求される暖房能力まで暖房能力を増加させることができなくなっている状況になった場合のみ、目標過冷却度SCsを大きくする変更によって、暖房能力を増加させることができる。
(6)他の実施形態
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
<A>
上記の実施形態では、目標過冷却度SCsを変更する制御を、暖房能力を増加させる方向及び暖房能力を減少させる方向の両方に適用しているが、暖房能力を増加させる方向、及び暖房能力を減少させる方向のいずれか一方のみに適用してもよい。
<B>
上記の変形例では、目標過冷却度SCsを変更する制御を、圧縮機31の運転容量Gが最大値Gx付近に増加した場合にのみ適用しているが、圧縮機31の運転容量Gが最小値Gm付近に減少した場合に適用したり、圧縮機31の運転容量Gが最大値Gx付近に増加した場合及び圧縮機31の運転容量Gが最小値Gm付近に減少した場合の両方に適用してもよい。
<C>
上記の実施形態及びその変形例では、室内ユニット3に圧縮機31が設けられたリモートコンデンサ型の空気調和装置1に本発明を適用した例を説明したが、これに限定されず、室外ユニット2に圧縮機31が設けられたセパレート型の空気調和装置等の他のユニット構成の空気調和装置に本発明を適用してもよい。
<D>
上記の実施形態及びその変形例では、高圧Pc及び凝縮温度Tcとして、吐出圧力センサ38によって検出される吐出圧力Pd及びこれを冷媒の飽和温度に換算した温度を使用したが、これに限定されず、例えば、室内熱交換器33に温度センサを設けている場合には、この温度センサによって検出される冷媒温度を凝縮温度Tcとして、及び、飽和圧力に換算して高圧Pcとして使用する等のように、他のセンサ類によって検出される温度や圧力を使用してもよい。また、上記の実施形態及びその変形例では、低圧Pe及び蒸発温度Teとして、吸入圧力センサ37によって検出される吸入圧力Ps及びこれを冷媒の飽和温度に換算した温度を使用したが、これに限定されず、例えば、室外熱交換器21や冷媒の蒸発器としての室外熱交換器21の出口に温度センサを設けている場合には、これら温度センサによって検出される冷媒温度を蒸発温度Teとして、及び、飽和圧力に換算して低圧Peとして使用する等のように、他のセンサ類によって検出される温度や圧力を使用してもよい。
<E>
上記の実施形態及びその変形例では、レシーバ23を有する冷媒回路10を備えた空気調和装置1に本発明を適用した例を説明したが、これに限定されず、レシーバを有しない冷媒回路を備えた空気調和装置に本発明を適用してもよい。
例えば、図7に示すような冷媒回路110を備えた空気調和装置101に本発明を適用してもよい。ここで、空気調和装置101は、セパレート型の空気調和装置であり、主として、室外ユニット102と、室内ユニット103と、室外ユニット102と室内ユニット103とを接続する液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6とを有している。すなわち、空気調和装置101の蒸気圧縮式の冷媒回路110は、室外ユニット102と室内ユニット103と冷媒連絡管5、6とが接続されることによって構成されている。
そして、室内ユニット103は、主として、冷媒回路110の一部を構成する室内側冷媒回路110aを有している。この室内側冷媒回路110aは、主として、第1膨張弁としての室内膨張弁EV1と、室内熱交換器33とを有している。室外ユニット102は、主として、冷媒回路110の一部を構成する室外側冷媒回路110bを有している。この室外側冷媒回路110bは、主として、圧縮機31と、切換機構32と、室外熱交換器21と、第2膨張弁としての室外膨張弁EV2と、アキュムレータ34とを有している。すなわち、空気調和装置101では、室外ユニット102が、室外ユニット2に設けられていたレシーバ23を有しておらず、また、室内ユニット3に設けられていた圧縮機31、切換機構32及びアキュムレータ34を有する点で(すなわち、室内ユニット103に圧縮機31、切換機構32及びアキュムレータ34が設けられていない)、上記の実施形態及びその変形例の空気調和装置1とは異なっている。
また、室外ユニット102には、上記の実施形態及びその変形例の空気調和装置1とは異なり、過冷却熱交換器26と、バイパス冷媒管27と、液側閉鎖弁28と、ガス側閉鎖弁29とが設けられている。過冷却熱交換器26は、冷房運転時に室外熱交換器21において凝縮した冷媒を冷却する熱交換器である。過冷却熱交換器26は、室外膨張弁EV2と液側閉鎖弁28との間に接続されている。バイパス冷媒管27は、室外熱交換器21において凝縮した冷媒の一部を分岐して圧縮機31の吸入側に戻す冷媒管である。バイパス冷媒管27は、冷房運転時に室外熱交換器21において凝縮した冷媒の一部を室外膨張弁EV2と過冷却熱交換器26との間の位置から分岐させて過冷却熱交換器26のバイパス冷媒管27側の入口に接続された入口管27aと、過冷却熱交換器26のバイパス冷媒管27側の出口から圧縮機31の吸入側に戻すように圧縮機31の吸入側(より具体的には、アキュムレータ34の上流側)に接続された出口管27bとを有している。この出口管27bには、バイパス冷媒管27を流れる冷媒を減圧するためのバイパス膨張機構としてのバイパス膨張弁EV3が設けられている。バイパス膨張弁EV3は、電動膨張弁からなる。これにより、過冷却熱交換器26は、冷房運転時に室外熱交換器21において凝縮した冷媒をバイパス膨張弁EV3において減圧された冷媒と熱交換させることによって冷却するようになっている。液側閉鎖弁28及びガス側閉鎖弁29は、外部の機器・配管(具体的には、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁28は、過冷却熱交換器26に接続されている。ガス側閉鎖弁29は、切換機構32に接続されている。
尚、空気調和装置101の構成は、上記の点を除いては、上記の実施形態及びその変形例の空気調和装置1の構成と同様である。このため、空気調和装置101では、冷房運転時に、過冷却熱交換器26及びバイパス冷媒管27を用いて、室外熱交換器21において凝縮した冷媒をさらに冷却して過冷却状態にした後に、室内熱交換器33に送る動作を行う点を除いては、上記の実施形態及びその変形例の空気調和装置1と同様の冷房運転、暖房運転、及び、デフロスト運転が行われる。そして、空気調和装置101においても、上記の実施形態及びその変形例の空気調和装置1と同様に、圧縮機31の運転開始時やデフロスト運転後の運転再開時を含む暖房運転時の暖房能力制御の問題が生じる。このため、空気調和装置101においても、上記の実施形態及びその変形例の空気調和装置1と同様の室内膨張弁EV1、圧縮機31及び室外膨張弁EV2の制御を行うようにしており、これにより、上記の実施形態及びその変形例の空気調和装置1と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、暖房運転時に室内熱交換器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように膨張弁の開度を制御する空気調和装置に広く適用可能である。
1、101 空気調和装置
10、110 冷媒回路
21 室外熱交換器
23 レシーバ
31 圧縮機
33 室内熱交換器
EV1 室内膨張弁(第1膨張弁)
EV2 室外膨張弁(第2膨張弁)
特開2005−188790号公報

Claims (7)

  1. 運転容量を可変することが可能な圧縮機(31)と、室内熱交換器(33)と、第1膨張弁(EV1)と、室外熱交換器(21)とが順次接続されることによって構成される冷媒回路(10、110)を備えた空気調和装置において、
    前記圧縮機、前記室内熱交換器、前記第1膨張弁、前記室外熱交換器の順に冷媒が循環する暖房運転時に、前記室内熱交換器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように、前記第1膨張弁の開度を制御し、
    前記暖房運転時に、前記圧縮機の運転容量が、前記圧縮機の運転容量の最大値付近である目標過冷却度変更開始容量まで増加した場合には、前記目標過冷却度を大きくする、
    空気調和装置(1、101)。
  2. 前記圧縮機(31)の運転容量は、前記暖房運転における前記冷媒回路(10、110)の高圧が目標高圧に近づくように変更される、請求項1に記載の空気調和装置(1、101)。
  3. 前記目標過冷却度は、前記目標高圧に相当する目標凝縮温度から室内温度を差し引いた温度値である目標過冷却度最大値を超えない値に設定される、請求項2に記載の空気調和装置(1、101)。
  4. 前記目標過冷却度は、前記圧縮機(31)、前記室外熱交換器(21)、前記第1膨張弁(EV1)、前記室内熱交換器(33)の順に冷媒が循環するデフロスト運転後の前記暖房運転再開後に変更される、請求項2又は3に記載の空気調和装置(1、101)。
  5. 前記目標過冷却度は、前記圧縮機(31)の運転開始、又は、前記圧縮機、前記室外熱交換器(21)、前記第1膨張弁(EV1)、前記室内熱交換器(33)の順に冷媒が循環するデフロスト運転後の前記暖房運転再開から前記目標過冷却度を大きくする変更を許可する目標過冷却度変更開始時間が経過するまで変更されない、請求項2〜4のいずれか1項に記載の空気調和装置(1、101)。
  6. 前記第1膨張弁(EV1)と前記室外熱交換器(21)との間には、第2膨張弁(EV2)が接続されており、
    前記暖房運転時に、前記室外熱交換器の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度になるように、前記第2膨張弁の開度を制御する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和装置(1、101)。
  7. 前記第1膨張弁(EV1)と前記第2膨張弁(EV2)との間には、冷媒を溜めることが可能なレシーバ(23)が接続されている、請求項6に記載の空気調和装置(1)。
JP2010119180A 2009-05-29 2010-05-25 空気調和装置 Pending JP2011007482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010119180A JP2011007482A (ja) 2009-05-29 2010-05-25 空気調和装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009131337 2009-05-29
JP2010119180A JP2011007482A (ja) 2009-05-29 2010-05-25 空気調和装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011007482A true JP2011007482A (ja) 2011-01-13

Family

ID=43564348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010119180A Pending JP2011007482A (ja) 2009-05-29 2010-05-25 空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011007482A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013093979A1 (ja) 2011-12-22 2013-06-27 三菱電機株式会社 空気調和装置
CN105910357A (zh) * 2016-04-25 2016-08-31 广东美的暖通设备有限公司 空调系统及其阀体控制方法
EP3267129A1 (en) 2016-07-07 2018-01-10 Fujitsu General Limited Air conditioner
WO2019038804A1 (ja) * 2017-08-21 2019-02-28 三菱電機株式会社 空気調和装置
WO2020158888A1 (ja) * 2019-01-31 2020-08-06 株式会社富士通ゼネラル 空気調和機

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62141471A (ja) * 1985-12-13 1987-06-24 三菱電機株式会社 ヒ−トポンプ装置
JPH02126044A (ja) * 1988-07-11 1990-05-15 Daikin Ind Ltd 空気調和装置の運転制御装置
JPH04327761A (ja) * 1991-04-30 1992-11-17 Daikin Ind Ltd 空気調和装置
JPH08271024A (ja) * 1995-03-31 1996-10-18 Toshiba Ave Corp 空気調和機
JPH11157327A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Denso Corp 冷凍サイクル装置
JP2001324237A (ja) * 2000-05-12 2001-11-22 Denso Corp 冷凍サイクル装置
JP2004132610A (ja) * 2002-10-10 2004-04-30 Mitsubishi Electric Corp 暖房システム及び暖房システム付き住宅
JP2005315560A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 Daikin Ind Ltd 空気調和システム
JP2006112753A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Mitsubishi Electric Corp 冷凍空調装置
JP2007263440A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Mitsubishi Electric Corp 空気調和装置
JP2008070053A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Samsung Electronics Co Ltd 空気調和装置
JP2009014208A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Daikin Ind Ltd 冷凍装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62141471A (ja) * 1985-12-13 1987-06-24 三菱電機株式会社 ヒ−トポンプ装置
JPH02126044A (ja) * 1988-07-11 1990-05-15 Daikin Ind Ltd 空気調和装置の運転制御装置
JPH04327761A (ja) * 1991-04-30 1992-11-17 Daikin Ind Ltd 空気調和装置
JPH08271024A (ja) * 1995-03-31 1996-10-18 Toshiba Ave Corp 空気調和機
JPH11157327A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Denso Corp 冷凍サイクル装置
JP2001324237A (ja) * 2000-05-12 2001-11-22 Denso Corp 冷凍サイクル装置
JP2004132610A (ja) * 2002-10-10 2004-04-30 Mitsubishi Electric Corp 暖房システム及び暖房システム付き住宅
JP2005315560A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 Daikin Ind Ltd 空気調和システム
JP2006112753A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Mitsubishi Electric Corp 冷凍空調装置
JP2007263440A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Mitsubishi Electric Corp 空気調和装置
JP2008070053A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Samsung Electronics Co Ltd 空気調和装置
JP2009014208A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Daikin Ind Ltd 冷凍装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013093979A1 (ja) 2011-12-22 2013-06-27 三菱電機株式会社 空気調和装置
US10018389B2 (en) 2011-12-22 2018-07-10 Mitsubishi Electric Corporation Air-conditioning apparatus
CN105910357A (zh) * 2016-04-25 2016-08-31 广东美的暖通设备有限公司 空调系统及其阀体控制方法
CN105910357B (zh) * 2016-04-25 2018-11-20 广东美的暖通设备有限公司 空调系统及其阀体控制方法
EP3267129A1 (en) 2016-07-07 2018-01-10 Fujitsu General Limited Air conditioner
US10495331B2 (en) 2016-07-07 2019-12-03 Fujitsu General Limited Air conditioner
WO2019038804A1 (ja) * 2017-08-21 2019-02-28 三菱電機株式会社 空気調和装置
WO2020158888A1 (ja) * 2019-01-31 2020-08-06 株式会社富士通ゼネラル 空気調和機
JP2020122627A (ja) * 2019-01-31 2020-08-13 株式会社富士通ゼネラル 空気調和機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013088590A1 (ja) 室外機及び空気調和装置
JP4767199B2 (ja) 空気調和システムの運転制御方法並びに空気調和システム
JP2010002109A (ja) 冷凍空調装置
WO2014061132A1 (ja) 空気調和装置
CN110337570B (zh) 空调装置
JP6187514B2 (ja) 冷凍装置
US20180023870A1 (en) Air conditioning device
WO2019017299A1 (ja) 空調システム
JP2013178046A (ja) 空気調和装置
CN110741208A (zh) 空调装置
WO2014061131A1 (ja) 空気調和装置
JP2011007482A (ja) 空気調和装置
JP5593905B2 (ja) 冷凍装置
JP2016041987A (ja) 圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置
WO2014038059A1 (ja) 空気調和装置
WO2015076331A1 (ja) 空気調和機
WO2019021464A1 (ja) 空気調和装置
JP6400223B2 (ja) 空気調和機および空気調和機の制御方法
AU2018309957B2 (en) Air conditioning apparatus
JPWO2018167961A1 (ja) 空気調和機
JP6048549B1 (ja) 冷凍装置
JP6115594B2 (ja) 空調室内機
JP2007298218A (ja) 冷凍装置
JP7183381B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2018173195A (ja) 冷凍装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120903

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130402