JP2009014208A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膨張機(31)が機械的に連結された圧縮機(30)を備えた冷凍装置において、気液分離器(35)内の圧力を最適な状態に保つことにより、膨張機(31)の動力回収量をできるだけ減少させることなく、蒸発器(41)の熱交換量を安定させる
【解決手段】冷凍装置に、冷媒回路(10)の運転状態に基づいて、室内膨張弁(51)の手前側が液シールされる範囲で中間圧が最低値となるような目標中間圧を算出する中間圧目標値算出部(71)と、該中間圧目標値算出部(71)で算出された目標中間圧に応じてガス量調整弁(36)の開度範囲を制限する上限開度算出部(78)と、上限開度算出部(78)で制限された開度範囲で、冷媒回路(10)の中間圧が目標中間圧となるようにガス量調整弁(36)を調整するガス量調整弁制御部(79)とを設ける
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置に関し、特に、冷媒回路の膨張機が圧縮機に機械的に連結された冷凍装置の運転制御技術に関するものである。
従来より、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置が知られている。
例えば、特許文献1には、膨張機が連結軸により機械的に接続された圧縮機(以下、膨張圧縮機という。)を備えた冷凍装置が開示されている。
具体的に、特許文献1に開示された冷媒回路には、上記膨張圧縮機、室外熱交換器、ブリッジ回路、気液分離器、室内膨張弁、及び室内熱交換器が設けられている。又、上記気液分離器内の圧力調整を行うために減圧弁が設けられている。
この冷媒回路を備えた空調機の冷房運転では、上記膨張圧縮機の圧縮機から吐出された高圧冷媒が室外熱交換器へ流れる。室外熱交換器では、高圧冷媒が空気へ放熱して冷却される。室外熱交換器で冷却された高圧冷媒は、ブリッジ回路を介して、上記膨張圧縮機の膨張機へ流入する。上記膨張機に流入した高圧冷媒は、該膨張機で膨張(減圧)して中間圧の二相冷媒になる。このとき、上記膨張機において、高圧冷媒の膨張に伴う動力が回収される。尚、上記膨張圧縮機において、この回収した動力は圧縮機の駆動に用いられる。そして、上記膨張機から流出した中間圧の二相冷媒は、上記気液分離器に流入する。
上記気液分離器では、中間圧の二相冷媒が、ガス冷媒と液冷媒とに分離される。気液分離器で分離された液冷媒は、室内膨張弁を通過する際に低圧まで減圧されてから室内熱交換器を流れる。室内熱交換器では、冷媒が空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内の冷房が行われる。上記室内熱交換器を通過した冷媒は、上記四路切換弁を介して上記膨張圧縮機の圧縮機の吸入側に向かって流れる。一方、気液分離器で分離されたガス冷媒は、減圧弁で減圧された後、上記膨張圧縮機の圧縮機の吸入側に向かって流れる。そして、上記室内熱交換器を通過した冷媒と減圧弁で減圧されたガス冷媒とが合流して、上記膨張圧縮機の圧縮機に吸入された後、高圧まで圧縮されて膨張圧縮機から再び吐出される。このように、冷媒が冷媒回路内を循環することにより、蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
特開2006−308207号公報
しかしながら、上記減圧弁を開くと、上記気液分離器から流出するガス冷媒が増えて、該気液分離器内の圧力(中間圧)が低下し、上記膨張機の動力回収量は増えるが、気液分離器から流出する液冷媒が減少する場合がある。そして、このように気液分離器内の圧力が低下した状態で、室内膨張弁を開いても液冷媒が増加しないこともある。つまり、上記ガス冷媒の流出量が多すぎると、液冷媒の流出量は減少してしまう。すると、蒸発器側膨張弁の開度変化に対する過熱度変化の感度が非常に鈍くなり、過熱度制御をうまく行えなくなる場合がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、膨張機が機械的に連結された圧縮機を備えた冷凍装置において、気液分離器内の圧力を最適な状態に保つことにより、膨張機の動力回収量をできるだけ減少させることなく、蒸発器の熱交換量を安定させることである。
第1の発明は、圧縮機(30)と、放熱器(44)と、該圧縮機(30)に機械的に連結された膨張機(31)と、該膨張機(31)から流出する冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器(35)と、蒸発器(41)と、該気液分離器(35)から蒸発器(41)に向かう液冷媒の流量を調整するとともに該液冷媒を減圧する膨張機構(51)と、該気液分離器(35)から圧縮機(30)の吸入側に向かうガス冷媒の流量を調整するとともに該ガス冷媒を減圧する流量調整弁(36)とを有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置を前提としている。
そして、上記冷凍装置の冷媒回路(10)の運転状態に基づいて、上記膨張機構(51)の手前側が液シールされる範囲で中間圧が最低値となるような目標中間圧を算出する算出手段(71)と、該算出手段(71)で算出された目標中間圧に応じて上記流量調整弁(36)の開度範囲を制限する制限手段(78,81)と、該制限手段(78,81)で制限された開度範囲で、上記冷媒回路(10)の中間圧が上記目標中間圧となるように上記流量調整弁(36)を調整する調整手段(79,80)とを備えている。
第1の発明では、上記流量調整弁(36)の開度範囲内で、上記冷媒回路(10)の中間圧を目標中間圧となるように、上記流量調整弁(36)を調整することができる。したがって、気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量を制限することにより、該気液分離器(35)内における液冷媒の流出量を確保することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記制限手段(78,81)は、上記目標中間圧に応じて上記流量調整弁(36)の上限開度値を算出し、上記開度範囲が、該上限開度値以下となるように設定する設定部(74)を備えていることを特徴としている。
第2の発明では、上記流量調整弁(36)の上限開度値を設定することにより、該上記流量調整弁(36)の開度範囲を規定している。つまり、上記流量調整弁(36)の開度は、上限開度値より大きくなることがないので、確実に気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量を制限することにより、該気液分離器(35)内における液冷媒の流出量を確保することができる。
第3の発明は、第1の発明において、上記制限手段(78,81)は、上記目標中間圧に応じて、上記膨張機構(51)の開度に対する上記流量調整弁(36)の上限開度比率及び下限開度比率を算出し、上記開度範囲が、該下限開度比率以上であり、且つ上限開度比率以下となるように設定する設定部(74)を備えていることを特徴としている。
第3の発明では、上記流量調整弁(36)の上限開度比率及び下限開度比率を設定することにより、該上記流量調整弁(36)の開度範囲を規定している。つまり、現在の膨張機構(51)の開度を考慮した上で、気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量を制限することにより、該気液分離器(35)内における液冷媒の流出量を確保することができる。
第4の発明は、第1から第3の何れか1つの発明において、上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記膨張機構(51)に対する上記流量調整弁(36)の制御周期を現在の周期より長く設定する第1設定手段(73)を備えていることを特徴としている。
第5の発明は、第1から第3の何れか1つの発明において、上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記流量調整弁(36)に対する上記膨張機構(51)の制御ゲインを現在より高く設定する第2設定手段(75)を備えていることを特徴としている。
第6の発明は、第1から第3の何れか1つの発明において、上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記膨張機構(51)に対する上記流量調整弁(36)の制御周期を現在の周期より長く設定する第1設定手段(73)と、上記流量調整弁(36)に対する上記膨張機構(51)の制御ゲインを現在より高く設定する第2設定手段(75)を備えていることを特徴としている。
第4から6の発明では、目標中間圧が低くなるほど、上記気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量の変化を、液冷媒の流出量の変化よりも緩やかにすることができる。
第7の発明は、圧縮機(30)と、放熱器(44)と、該圧縮機(30)に機械的に連結された膨張機(31)と、該膨張機(31)から流出する冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器(35)と、蒸発器(41)と、該気液分離器(35)から蒸発器(41)に向かう液冷媒の流量を調整するとともに該液冷媒を減圧する膨張機構(51)と、該気液分離器(35)から圧縮機(30)の吸入側に向かうガス冷媒の流量を調整するとともに該ガス冷媒を減圧する流量調整弁(36)とを有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置を前提としている。
そして、上記冷凍装置において、上記流量調整弁(36)で減圧されたガス冷媒と、上記膨張機構(51)で減圧する前の液冷媒とを熱交換して該液冷媒を過冷却する熱交換器(45)と、上記冷媒回路(10)の運転状態に基づいて、上記膨張機構(51)の手前側が液シールされる範囲で中間圧が最低値となるような目標中間圧を算出する算出手段(71)と、上記冷媒回路(10)の中間圧が上記目標中間圧となるように上記流量調整弁(36)を調整する調整手段(79,80)とを備えていることを特徴としている。
第7の発明では、上記熱交換器(45)を設けることにより、上記膨張機構(51)で減圧する前の液冷媒を過冷却することができる。つまり、上記流量調整弁(36)の開度範囲を限定することなく、上記冷媒回路(10)の中間圧を目標中間圧に近づけることができる。
第8の発明は、第7の発明において、上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記膨張機構(51)に対する上記流量調整弁(36)の制御周期を現在の周期より長く設定する第1設定手段(73)を備えていることを特徴としている。
第9の発明は、第7の発明において、上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記流量調整弁(36)に対する上記膨張機構(51)の制御ゲインを現在より高く設定する第2設定手段(75)を備えていることを特徴としている。
第10の発明は、第7の発明において、上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記膨張機構(51)に対する上記流量調整弁(36)の制御周期を現在の周期より長く設定する第1設定手段(73)と、上記流量調整弁(36)に対する上記膨張機構(51)の制御ゲインを現在より高く設定する第2設定手段(75)を備えていることを特徴としている。
第8から10の発明では、目標中間圧が低くなるほど、上記膨張機構(51)に対する上記流量調整弁(36)の制御周期を現在の周期より長く設定される。したがって、気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量の変化を、液冷媒の流出量の変化よりも緩やかにすることができる。
本発明によれば、上記気液分離器(35)内における液冷媒の流出量を確保しつつ、上記冷媒回路(10)の中間圧を目標中間圧となるように、上記流量調整弁(36)を調整することができる。したがって、上記膨張機(31)の動力回収量をできるだけ減少させることなく、蒸発器(41)の熱交換量を安定させることができる。
第2の発明によれば、上記流量調整弁(36)の上限開度値で、該上記流量調整弁(36)の開度範囲を規定することにより、確実に気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量を制限することができる。したがって、上記膨張機(31)の動力回収量をできるだけ減少させることなく、蒸発器(41)の熱交換量を確実に安定させることができる。
第3の発明によれば、現在の膨張機構(51)の開度を考慮した上で、気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量を制限することができる。したがって、蒸発器(41)の熱交換量をより一層確実に安定させつつ、上記膨張機(31)の動力回収量をできるだけ減少させないようにすることができる。
第4から6の発明によれば、気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量の変化が、液冷媒の流出量の変化よりも緩やかになるので、上記流量調整弁(36)を調整する際に、上記冷媒回路(10)の中間圧をより安定して目標中間圧に近づけることができる。
第7の発明によれば、上記流量調整弁(36)の開度範囲を限定することなく、上記気液分離器(35)内における液冷媒の流出量を確保しつつ、上記冷媒回路(10)の中間圧を目標中間圧となるように、上記流量調整弁(36)を調整することができる。したがって、上記膨張機(31)の動力回収量をできるだけ減少させることなく、蒸発器(41)の熱交換量を安定させることができる。
第8から10の発明によれば、気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量の変化が、液冷媒の流出量の変化よりも緩やかになるので、上記流量調整弁(36)を調整する際に、上記冷媒回路(10)の中間圧をより安定して目標中間圧に近づけることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る冷凍装置によって構成された空調機(20)である。空調機(20)は、図1に示すように、1台の室外ユニット(64)と3台の室内ユニット(61)とを備えている。上記空調機(20)は、冷却運転である冷房運転と、加熱運転である暖房運転とを選択することができるように構成されている。
本実施形態の空調機(20)は、冷媒として二酸化炭素(CO)が充填された冷媒回路(10)を備えている。この冷媒回路(10)では、冷媒(CO)を循環させて蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。この冷凍サイクルでは、冷凍サイクルの高圧が二酸化炭素の臨界圧力よりも高い値に設定される。
冷媒回路(10)は、3つの室内回路(11)と、1つの室外回路(14)とを備えている。これらの室内回路(11)は、第1連絡管(15)及び第2連絡管(16)によって室外回路(14)に対して互いに並列に接続されている。具体的に、第1連絡管(15)は、一端が室外回路(14)の第1閉鎖弁(17)に接続され、他端が3つに分岐して各室内回路(11)の液側端に接続されている。第2連絡管(16)は、一端が室外回路(14)の第2閉鎖弁(18)に接続され、他端が3つに分岐して各室内回路(11)のガス側端に接続されている。
《室外回路の構成》
室外回路(14)は、室外ユニット(64)に収容されている。室外回路(14)には、圧縮・膨張ユニット(26)、室外熱交換器(放熱器)(44)、気液分離器(35)、内部熱交換器(45)、四路切換弁(25)、及びブリッジ回路(24)が設けられている。また、室外ユニット(64)には、室外熱交換器(44)に室外空気を送るための室外ファン(50)が設けられている。
圧縮・膨張ユニット(26)は、縦長で円筒形の密閉容器であるケーシング(21)を備えている。ケーシング(21)内では、圧縮機(30)と膨張機(31)と電動機(32)とが収容されている。ケーシング(21)内では、圧縮機(30)、電動機(32)、及び膨張機(31)が1本の駆動軸によって互いに連結されている。
圧縮機(30)及び膨張機(31)は、何れも容積型の流体機械(揺動ピストン型のロータリ流体機械、ローリングピストン型のロータリ流体機械、スクロール流体機械など)によって構成されている。圧縮機(30)は、吸入した冷媒をその臨界圧力以上にまで圧縮する。膨張機(31)は、流入した冷媒を膨張させて動力(膨張動力)を回収する。圧縮機(30)は、膨張機(31)で回収された動力と、電動機(32)へ通電して得られる動力との両方によって駆動される。電動機(32)には、図示しないインバータから交流電力が供給される。圧縮機(30)は、電動機(32)へ供給される交流の周波数を変更することで、その容量が可変に構成されている。圧縮機(30)と膨張機(31)とは、常に同じ回転速度で回転する。
膨張機(31)の流入側には、膨張流入ライン(53)の出口端が接続されている。膨張流入ライン(53)の入口端は、ブリッジ回路(24)に接続されている。膨張機(31)の流出側には、膨張流出ライン(49)の入口端が接続されている。膨張流出ライン(49)の出口端は、気液分離器(35)に接続されている。
また、上記冷媒回路(10)には、上記膨張流入ライン(53)から分岐して、上記膨張機(31)をバイパスして膨張流出ライン(49)上に接続されるバイパスライン(54)が設けられている。そして、このバイパスライン(54)には、バイパスライン(54)の冷媒流量、を調節するバイパス量調節弁(40)が設けられている。このバイパス量調整弁(40)は、開度可変の電子膨張弁によって構成されている。
上記室外熱交換器(44)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器(45)によって構成されている。室外熱交換器(44)へは、室外ファン(50)によって室外空気が供給される。室外熱交換器(44)では、室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(44)のガス側には、四路切換弁(25)の第3のポートに接続されている。室外熱交換器(44)の液側には、熱源側ライン(38)の一端が接続されている。熱源側ライン(38)の他端は、ブリッジ回路(24)に接続されている。
上記気液分離器(35)は、縦長で円筒状の密閉容器である。気液分離器(35)では、上記膨張流出ライン(49)の出口端が、気液分離器(35)の上寄りの位置に接続されている。また、気液分離器(35)の底部には、ブリッジ回路(24)に延びる液供給管(38)が接続されている。気液分離器(35)の頂部には、圧縮機(30)の吸入側に接続されたガス供給管(37)が接続されている。このガス供給管(37)には、開度可変の電子膨張弁によって構成されたガス量調整弁(流量調整弁)(36)が設けられている。
気液分離器(35)では、膨張機(31)から流入した冷媒が、液冷媒とガス冷媒とに分離される。そのうち液冷媒は、気液分離器(35)の底部から液供給管(38)を介して、ブリッジ回路(24)へ流入する一方、ガス冷媒は、気液分離器(35)の頂部から上記ガス供給管(37)を介して、圧縮機(30)に吸入される。気液分離器(35)では、膨張機(31)からブリッジ回路(24)へ向かう冷媒が一時的に貯留される。
内部熱交換器(45)は、第1流路(46)と第2流路(47)とが互いに隣接するように形成され、各流路(46,47)を流れる冷媒同士が熱交換するように構成されている。そして。上記第1流路(46)は上記液供給管(38)の途中に配置され、上記第2流路(47)は、上記ガス供給管(37)の途中に配置されている。
ブリッジ回路(24)は、第1接続ライン(52a)と第2接続ライン(52b)と第3接続ライン(52c)と第4接続ライン(52d)とをブリッジ状に接続した回路である。第1接続ライン(52a)は、熱源側ライン(38)の他端と膨張流入ライン(53)の入口端とを接続している。第2接続ライン(52b)は、熱源側ライン(38)の他端と液供給管(38)の出口端とを接続している。第3接続ライン(52c)は、第1閉鎖弁(17)からブリッジ回路(24)へ延びる冷媒配管の端部と液供給管(38)の出口端とを接続している。第4接続ライン(52d)は、第1閉鎖弁(17)からブリッジ回路(24)へ延びる冷媒配管の端部と膨張流入ライン(53)の入口端とを接続している。
なお、この実施形態では、ブリッジ回路(24)における第3接続ライン(52c)と第4接続ライン(52d)との接続箇所から後述する各室内熱交換器(41)に至るまでの冷媒配管が、利用側ライン(39)を構成している。具体的に、利用側ライン(39)は、ブリッジ回路(24)と第1閉鎖弁(17)との間の冷媒配管、第1連絡管(15)、及び各室内回路(11)の液側端と室内熱交換器(41)との間の冷媒配管から構成されている。
第1接続ライン(52a)には、膨張流入ライン(53)の入口端から熱源側ライン(38)の他端へ向かう冷媒の流れを禁止する第3逆止弁(CV-3)が設けられている。第2接続ライン(52b)には、室外膨張弁(43)が設けられている。第3接続ライン(52c)には、利用側ライン(39)の他端から液供給管(38)の出口端へ向かう冷媒の流れを禁止する第1逆止弁(CV-1)が設けられている。第4接続ライン(52d)には、膨張流入ライン(53)の入口端から利用側ライン(39)の他端へ向かう冷媒の流れを禁止する第2逆止弁(CV-2)が設けられている。
四路切換弁(25)の第1のポートは、圧縮機(30)の吸入側に接続されている。第2のポートは、第2閉鎖弁(18)に接続されている。第3のポートは、室外熱交換器(44)に接続されている。第4のポートは、圧縮機(30)の吐出側に接続されている。四路切換弁(25)は、第1のポートと第2のポートとが連通して第3のポートと第4のポートとが連通する状態(図1に実線で示す第1状態)と、第1のポートと第3のポートとが連通して第2のポートと第4のポートとが連通する状態(図1に破線で示す第2状態)とが切り換え自在に構成されている。
また、図示しないが、室外回路(14)には、圧縮機(30)の吐出側に吐出圧力センサ(19)が設けられ、圧縮機(30)の吸入側には、吸入圧力センサ(27)が設けられている。また、上記気液分離器(35)とガス量調整弁(36)との間の冷媒配管(42)には、上記冷媒回路(10)の中間圧を検知するための中間圧飽和温度センサ(28)が設けられている。尚、中間圧を検知するためのセンサは中間圧飽和温度センサ(28)に限られず、例えば、直接、圧力センサで、中間圧を測定してもよい。
《室内回路の構成》
各室内回路(11)は、各室内ユニット(61)に1つずつ収容されている。各室内回路(11)には、そのガス側端から液側端へ向かって順に、室内熱交換器(41)と室内膨張弁(膨張機構)(51)とが設けられている。各室内ユニット(61)には、各室内熱交換器(41)に室内空気を送るための室内ファン(55)がそれぞれ設けられている。
室内熱交換器(41)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器(45)によって構成されている。室内熱交換器(41)へは、室内ファン(55)によって室内空気が供給される。室内熱交換器(41)では、室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。また、室内膨張弁(51)は、開度可変の電子膨張弁によって構成されている。
また、図示しないが、各室内回路(11)には、室内熱交換器(41)の液側に室内液温度センサが、室内熱交換器(41)のガス側に室内ガス温度センサがそれぞれ設けられている。
−運転動作−
次に、上記空調機(20)の運転動作について説明する。この空調機(20)では、冷房運転と暖房運転とが切り換え可能になっている。尚、図3は冷房運転時のサイクル線図を示し、図4は暖房運転時のサイクル線図を示している。
《冷房運転》
冷房運転時には、上記四路切換弁(25)が、図1に実線で示す第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(30)を運転すると、室外熱交換器(44)が放熱器となり、各室内熱交換器(41)が蒸発器となって冷凍サイクルが行われる。又、冷房運転中は、上記室外膨張弁(43)の開度は全閉状態となる。一方、上記各室内膨張弁(51)の開度は、上記各室内熱交換器(41)の出口冷媒過熱度が各目標過熱度となるように調整される。この上記室内膨張弁(51)の開度調整は、本発明の特徴であり、詳しく後述する。
上記圧縮機(30)から吐出された超臨界状態の高圧冷媒は、上記四路切換弁(25)を介して室外熱交換器(44)に流れて室外空気へ放熱する。放熱した高圧冷媒は、熱源側ライン(38)、第1接続ライン(52a)、膨張流入ライン(53)の順に流通して、膨張機(31)に流入する。膨張機(31)では、冷媒の膨張に伴って動力が回収される。
ここで、バイパス量調整弁(40)が全閉状態ではない場合、即ち、バイパスライン(54)が連通しているときには、膨張流入ライン(53)を流通する冷媒の一部は、膨張機(31)へ流入することなく、該膨張機(31)をバイパスして膨張流出ライン(49)へ流入する。このように、冷媒に膨張機(31)をバイパスさせることによって、圧縮機(30)が吐出する冷媒流量と膨張機(31)が吸入する冷媒流量とをバランスさせている。
上記膨張機(31)を通過又はバイパスした冷媒は、膨張流出ライン(49)を介して気液分離器(35)に流入して液冷媒とガス冷媒とに分離される。気液分離器(35)内の液冷媒は、液供給管(38)から流出して内部熱交換器(45)の第1流路(46)に流入する。一方、気液分離器(35)内のガス冷媒は、ガス供給管(37)から流出し、ガス量調整弁(36)で減圧された後に内部熱交換器(45)の第2流路(47)に流入する。尚、ガス量調整弁(36)の開度調整は、本発明の特徴であり、詳しく後述する。
上記内部熱交換器(45)では、第1流路(46)の冷媒と第2流路(47)の冷媒との間で熱交換が行われる。第1流路(46)の液冷媒は、第2流路(47)の減圧されたガス冷媒によって冷却されて過冷却状態になる。一方、第2流路(47)の冷媒は、第1流路(46)の冷媒によって加熱されて過熱状態になる。
第1流路(46)を通過した液冷媒は、第3接続ライン(52c)、利用側ライン(39)の順に流通して、各室内回路(11)へ分配される。各室内回路(11)へ分配された液冷媒は、室内膨張弁(51)で減圧された後に室内熱交換器(41)へ流入する。室内熱交換器(41)では、冷媒と室内空気と間で熱交換が行われる。この熱交換により、冷媒は室内空気から吸熱して蒸発する一方、室内空気は冷却されて室内へ供給される。各室内熱交換器(41)で蒸発した冷媒は、第2連絡管(16)で合流した後、室外回路(14)へ流入する。室外回路(14)へ流入した冷媒は、第2流路(47)で過熱状態になった冷媒と合流し、圧縮機(30)へ吸入される。圧縮機(30)に吸入された冷媒は、再び圧縮されて吐出される。
尚、この実施形態では、室外膨張弁(43)が、室外熱交換器(44)から膨張機(31)へ向かう冷媒が流通しない第2接続ライン(52b)に配置されている。このため、室外熱交換器(44)で放熱した冷媒は、室外膨張弁(43)を通過することなく膨張機(31)へ流入するので、室外膨張弁(43)が原因で、冷房運転時に膨張機(31)で回収される動力が失われることがない。
《暖房運転》
暖房運転時には上記四路切換弁(25)が、図1に破線で示す第2状態に設定される。この状態で、圧縮機(30)を運転すると、上記各室内熱交換器(41)が放熱器となり、室外熱交換器(44)が蒸発器となって冷凍サイクルが行われる。このとき、上記室内膨張弁(51)の開度は、各室内熱交換器(41)の出口過冷却度が所定の値となるように調整される。一方、上記室外膨張弁(43)の開度は、上記室外熱交換器(44)の出口冷媒過熱度が目標過熱度となるように調整される。この上記室外膨張弁(43)の開度調整は、本発明の特徴であり、詳しく後述する。
上記圧縮機(30)から吐出された超臨界状態の高圧冷媒は、上記四路切換弁(25)から第2連絡管(16)を経て各室内回路(11)へ分配される。各室内回路(11)へ分配された冷媒は、室内熱交換器(41)で室内空気と熱交換を行う。この熱交換により、冷媒は室内空気へ放熱して冷却される一方、室内空気は加熱されて室内へ供給される。各室内熱交換器(41)で放熱した冷媒は、利用側ライン(39)で合流し、室外回路(14)へ流入する。
室外回路(14)へ流入した冷媒は、第4接続ライン(52d)、膨張流入ライン(53)の順に流通して、膨張機(31)に流入する。膨張機(31)では、冷媒の膨張に伴って動力が回収される。
ここで、バイパス量調整弁(40)が全閉状態ではない場合、即ち、バイパスライン(54)が連通しているときには、冷房運転時と同様に、膨張流入ライン(53)を流通する冷媒の一部は、膨張機(31)へ流入することなく、該膨張機(31)をバイパスして膨張流出ライン(49)へ流入する。このように、冷媒に膨張機(31)をバイパスさせることによって、圧縮機(30)が吐出する冷媒流量と膨張機(31)が吸入する冷媒流量とをバランスさせている。
上記膨張機(31)を通過又はバイパスした冷媒は、膨張流出ライン(49)を介して気液分離器(35)に流入して液冷媒とガス冷媒とに分離される。気液分離器(35)内の液冷媒は、液供給管(38)から流出して内部熱交換器(45)の第1流路(46)に流入する。一方、気液分離器(35)内のガス冷媒は、ガス供給管(37)から流出し、ガス量調整弁(36)で減圧された後に内部熱交換器(45)の第2流路(47)に流入する。尚、ガス量調整弁(36)の開度調整は、本発明の特徴であり、詳しく後述する。
上記内部熱交換器(45)では、第1流路(46)の冷媒と第2流路(47)の冷媒との間で熱交換が行われる。第1流路(46)の液冷媒は、第2流路(47)の減圧されたガス冷媒によって冷却されて過冷却状態になる。一方、第2流路(47)の冷媒は、第1流路(46)の冷媒によって加熱されて過熱状態になる。
第1流路(46)を通過した液冷媒は、第2接続ライン(52b)、熱源側ライン(38)の順に流通して、室外熱交換器(44)へ流入する。その際、第2接続ライン(52b)では、冷媒が室外膨張弁(43)を通過する際に減圧される。
室外熱交換器(44)に流入した冷媒は、室外空気と熱交換を行う。この熱交換により、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(44)で蒸発した冷媒は、上記四路切換弁(25)を通過後、第2流路(47)で過熱状態になった冷媒と合流して、圧縮機(30)へ吸入される。圧縮機(30)に吸入された冷媒は、再び圧縮されて吐出される。
〈ガス量調節弁及び室内膨張弁の開度制御〉
次に、上記コントローラ(1)によるガス量調整弁(36)及び室内膨張弁(51)の開度制御動作について、図5の制御ブロック図により説明する。本実施形態では、上記コントローラ(1)によってガス量調整弁(36)の開度を調整することにより、上記気液分離器(35)内の圧力、即ち上記冷媒回路(10)の中間圧を制御するとともに、内部熱交換器(45)へ流入するガス冷媒の流量を調整して、該内部熱交換器(45)の能力調整を行っている。一方、上記コントローラ(1)によって、冷房運転時の室内膨張弁(51)の開度を調整することにより、室内熱交換器(41)の能力調整を行っている。又、暖房運転時は、室外膨張弁(43)の開度を調整することにより、圧縮機(30)へ液冷媒が吸入されないようにしている。
上記コントローラ(1)は、目標算出部(71,76)と制御値算出部(73,74,75)とPID制御部(72,77)と開度判定部(制限手段)(78)と弁制御部(調整手段)(78,79)とを備えている。尚、上記PID制御部(72,77)は、ガス量調節弁用(72)と室内膨張弁用(77)(暖房時は、室外膨張弁用(77))があり、上記弁制御部(78,79)も、ガス量調節弁用(79)と室内膨張弁用(78)(暖房時は、室外膨張弁用(78))がある。
上記目標算出部(71,76)は、上記空調機の運転情報に応じて、ガス量調整弁(36)及び室内膨張弁(51)の開度を制御するための目標値を算出するものであり、中間圧目標値算出部(算出手段)(71)と過熱度目標値算出部(76)とを備えている。
上記中間圧目標値算出部(71)は、上記膨張機(31)の膨張比や上記膨張機(31)の入口条件を入力すると、上記冷媒回路(10)の中間圧の目標値(以下、目標中間圧)Pmsを出力するものである。尚、この目標中間圧Pmsは、上記室内膨張弁(51)の手前側が液シールされる範囲で中間圧が最低値となるような値である。
上記過熱度目標値算出部(76)は、室内ユニット(61)ごとに設けられた室内リモコン(図示なし)の設定温度に対する室内温度の温度偏差(空調能力要求値)に基づいて、室内熱交換器(41)の出口過熱度目標値SHsを出力する。
上記制御値算出部(73,74,75)は、上記目標中間圧Pmsに応じて、ガス量調整弁(36)及び室内膨張弁(51)の開度を制御するために必要な制御値を算出するものであり、上記上限開度算出部(設定部)(74)と上記制御周期算出部(第1設定部)(73)と上記ゲインスケジュール算出部(第2設定部)(75)とを備えている。
上記上限開度算出部(74)は、上記目標中間圧Pmsを入力すると、その目標中間圧Pmsに応じて、上記ガス量調整弁(36)の上限開度値EVmaxを出力する。つまり、ガス量調整弁(36)の開度範囲を上限開度値EVmax以下に限定する。上記制御周期算出部(73)は、上記目標中間圧Pmsを入力すると、上記ガス量調整弁用のPID制御部(72)の制御周期値Tを出力する。この制御周期値Tが大きくすると、ガス量調整弁(36)の開度変化は緩やかになる。上記ゲインスケジュール算出部(75)は、上記目標中間圧Pmsを入力すると、上記室内膨張弁用(暖房時は、室外膨張弁用)のPID制御部(77)の制御ゲイン値gを出力する。この制御ゲイン値gを下げると、上記室内膨張弁用のPID制御部(77)の入出力比が小さくなり、該室内膨張弁用のPID制御部(77)の応答性が緩やかになる。
上記ガス量調整弁用のPID制御部(72)は、上記目標中間圧Pmsと、上記ガス量調整弁用の弁制御部(79)からフィードバックされた現在の実測中間圧値Pmとの偏差e2が入力されると、その偏差e2を上記ガス量調整弁(36)の開度変更値ΔEVに変換して出力する。この変換の際、上記制御周期算出部(73)から上記ガス量調整弁用のPID制御部(72)へ入力される制御周期値Tが考慮される。
上記室内膨張弁用のPID制御部(77)は、上記過熱度目標値SHsと、上記室内膨張弁用の弁制御部(80)からフィードバックされた現在の実測過熱度SHとの偏差e1が入力されると、その偏差e1を上記室内膨張弁(51)の開度変更値ΔEVに変換して出力する。この変換の際、上記ゲインスケジュール算出部(75)から上記室内膨張弁用のPID制御部(77)へ入力される制御ゲイン値gが考慮される。
上記開度判定部(78)は、上記ガス量調整弁(36)の開度変更値ΔEVと、上記ガス量調整弁用の弁制御部からフィードバックされた現在の開度値EVと、上記ガス量調整弁(36)の上限開度値EVmaxとが入力されると、変更しようとする開度値(EV+ΔEV)と上限開度値EVmaxとを比較し、変更しようとする開度値(EV+ΔEV)が上限開度値EVmax以下であれば、入力された上記開度変更値ΔEVをそのまま出力する。一方、変更しようとする開度値(EV+ΔEV)が上限開度値EVmaxより大きければ、上限開度値EVmaxから現在の開度値EVを差し引いた開度値(EVmax−EV)を出力する。つまり、上記ガス量調整弁(36)の開度が、上限開度を超えないように制御される。
上記ガス量調整弁用の弁制御部(79)は、上記開度判定部(78)から出力された開度変更値ΔEVが入力されると、該開度変更値ΔEVに基づいて、上記ガス量調整弁(36)の開度を変更するとともに、変更後の開度値EVと実測中間圧値Pmとが出力される。
上記室内膨張弁用の弁制御部(80)は、上記室内膨張弁用のPID制御部(77)から出力された開度変更値ΔEVが入力されると、該開度変更値ΔEVに基づいて、上記室内膨張弁(51)の開度を変更するとともに、変更後の実測過熱度SHを出力する。
このように、上記コントローラ(1)は、上記膨張機(31)が効率よく動力回収できるようにするとともに、上記室内熱交換器(41)が空調負荷に対応した能力を発揮できるように、上記ガス量調整弁(36)と室内膨張弁(51)とを制御する。
−実施形態の効果−
本実施形態では、上記ガス量調整弁(36)の上限開度値を設定することにより、該上記流量調整弁(36)の開度範囲を規定している。つまり、上記ガス量調整弁(36)の開度は、上限開度値より大きくなることがないので、確実に気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量を制限することにより、該気液分離器(35)内における液冷媒の流出量を確保することができる。したがって、上記膨張機(31)の動力回収量をできるだけ減少させることなく、蒸発器(41)の熱交換量を確実に安定させることができる。
又、本実施形態では、目標中間圧が低くなるほど、上記気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量の変化を、液冷媒の流出量の変化よりも緩やかにすることができる。したがって、上記流量調整弁(36)を調整する際に、上記冷媒回路(10)の中間圧をより安定して目標中間圧に近づけることができる。
−実施形態の変形例1−
図6は、実施形態の変形例1に係るコントローラ(1)の制御ブロック図である。
本実施形態と、実施形態の変形例1との違いは、上記上限開度算出部(74)に代えて開度比範囲算出部(82)が設けられている点である。又、上記開度比範囲算出部(82)が設けられることにより、上記開度判定部(78)の制御内容が変更されるとともに、室内膨張弁(51)における現在の開度値EVが、上記室内膨張弁(51)制御部から追加して出力される。以下、変更点のみについて説明する。
上記開度比範囲算出部(82)は、上記目標中間圧Pmsを入力すると、その目標中間圧Pmsに応じて、上記ガス量調整弁(36)の開度比範囲を算出する。そして、その開度比範囲から別途入力された上記室内膨張弁(51)の現在の開度値EVに基づいて、ガス量調整弁(36)の上限開度比Rmaxと下限開度比Rminとが出力される。ここで、開度比とは、上記ガス量調整弁(36)と上記室内膨張弁(51)との開度比率のことである。
上記開度判定部(81)では、上限開度値EVmaxに代えて、上限開度比Rmax及び下限開度比Rminが入力され、この上限開度比Rmax及び下限開度比Rminに基づいて開度判定が行われる。上述した変更しようとする開度値(EV+ΔEV)が、下限開度比Rminから得られる下限開度値(EV×Rmin)より小さければ、該下限開度値(EV×Rmin)から現在の開度値EVを差し引いた開度値(EV×Rmin−EV)を出力する。又、変更しようとする開度値(EV+ΔEV)が、上限開度比Rmaxから得られる上限開度値(EV×Rmax)より大きければ、現在の開度値EVから上限開度値(EV×Rmax)を差し引いた開度値(EV−EV×Rmax)を出力する。又、変更しようとする開度値(EV+ΔEV)が、下限開度値(EV×Rmin)以上であり、且つ限開度値(EV×Rmax)以下であれば、入力された上記開度変更値ΔEVをそのまま出力する。
実施形態の変形例1によれば、上記ガス量調整弁(36)の上限開度比率及び下限開度比率を設定することにより、該上記流量調整弁(36)の開度範囲を規定している。つまり、現在の膨張弁の開度を考慮した上で、気液分離器(35)内のガス冷媒の流出量を制限することにより、該気液分離器(35)内における液冷媒の流出量を確保することができる。したがって、蒸発器(41)の熱交換量をより一層確実に安定させつつ、上記膨張機(31)の動力回収量をできるだけ減少させないようにすることができる。
−実施形態の変形例2−
図7は、実施形態の変形例2に係るコントローラ(1)の制御ブロック図である。
本実施形態と、実施形態の変形例2との違いは、上記上限開度算出部(74)に代えてSC(サブクール)目標値算出部(83)が設けられている点である。又、上記SC目標値算出部(83)が設けられることにより、上記中間圧目標値算出部(71)の制御内容が変更される。以下、変更点のみについて説明する。
上記SC目標値算出部(83)は、上記空調機の運転状態に応じて、最適なサブクール目標値SCsを出力する。尚、この目標値SCsは予め定められた定数であってもよい。そして、上記中間圧目標値算出部(71)は、このサブクール目標値、及び上記膨張機(31)の膨張比や上記膨張機(31)の入口条件から、目標中間圧Pmsを出力するものである。尚、この目標中間圧Pmsは、上記膨張機(31)を最も効率よく動力回収させつつ、上記内部熱交換器(45)を最も効率よく熱交換させるための値である。
実施形態の変形例2によれば、上記膨張弁で減圧する前の液冷媒を確実に過冷却することができる。つまり、本実施形態とは違い、上記ガス量調整弁(36)の開度範囲を限定することなく、上記冷媒回路(10)の中間圧を目標中間圧に近づけることができる。したがって、上記膨張機(31)の動力回収量をできるだけ減少させることなく、蒸発器(41)の熱交換量を安定させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、室外ユニット(64)に対して複数の室内ユニット(61)が設けられているが、これに限定されず、図2に示すように、室内ユニット(61)が1台のみ設けられていても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
又、上記実施形態では、上記制御値算出部は、上記上限開度算出部(74)と上記制御周期算出部(73)と上記ゲインスケジュール算出部(75)とを備えているが、これに限定されず、上記上限開度算出部(74)のみ、上記上限開度算出部(74)と上記制御周期算出部(73)、又は上記上限開度算出部(74)と上記ゲインスケジュール算出部(75)であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えた冷凍装置に関し、特に、冷媒回路(10)の膨張機(31)が圧縮機(30)に機械的に連結された冷凍装置について有用である。
本発明の実施形態における空調機の冷媒回路図である。 本発明の実施形態における空調機の冷媒回路図である。 本発明の実施形態における空調機の冷房運転時のサイクル図である。 本発明の実施形態における空調機の暖房運転時のサイクル図である。 本発明の実施形態におけるコントローラの制御ブロック図である。 実施形態の変形例1におけるコントローラの制御ブロック図である。 実施形態の変形例2におけるコントローラの制御ブロック図である。
符号の説明
1 コントローラ
10 冷媒回路
19 吐出圧力センサ
20 空調機
24 ブリッジ回路
25 四路切換弁
27 吸入圧力センサ
28 中間圧飽和温度センサ
30 圧縮機
31 膨張機
35 気液分離器
36 ガス量調整弁 (流量調整弁)
41 室内熱交換器 (蒸発器)
44 室外熱交換器 (放熱器)
45 内部熱交換器 (熱交換器)
51 室内膨張弁(膨張機構)
71 中間圧目標値算出部 (算出手段)
73 制御周期算出部 (第1設定手段)
74 上限開度算出部 (設定部)
75 ゲインスケジュール算出部 (第2設定手段 )
78 開度判定部(制限手段)
79 ガス量調整弁制御部(調整手段)

Claims (10)

  1. 圧縮機(30)と、放熱器(44)と、該圧縮機(30)に機械的に連結された膨張機(31)と、該膨張機(31)から流出する冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器(35)と、蒸発器(41)と、該気液分離器(35)から蒸発器(41)に向かう液冷媒の流量を調整するとともに該液冷媒を減圧する膨張機構(51)と、該気液分離器(35)から圧縮機(30)の吸入側に向かうガス冷媒の流量を調整するとともに該ガス冷媒を減圧する流量調整弁(36)とを有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、
    上記冷媒回路(10)の運転状態に基づいて、上記膨張機構(51)の手前側が液シールされる範囲で中間圧が最低値となるような目標中間圧を算出する算出手段(71)と、該算出手段(71)で算出された目標中間圧に応じて上記流量調整弁(36)の開度範囲を制限する制限手段(78,81)と、該制限手段(78,81)で制限された開度範囲で、上記冷媒回路(10)の中間圧が上記目標中間圧となるように上記流量調整弁(36)を調整する調整手段(79,80)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記制限手段(78,81)は、上記目標中間圧に応じて上記流量調整弁(36)の上限開度値を算出し、上記開度範囲が、該上限開度値以下となるように設定する設定部(74)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記制限手段(78,81)は、上記目標中間圧に応じて、上記膨張機構(51)の開度に対する上記流量調整弁(36)の上限開度比率及び下限開度比率を算出し、上記開度範囲が、該下限開度比率以上であり、且つ上限開度比率以下となるように設定する設定部(82)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記膨張機構(51)に対する上記流量調整弁(36)の制御周期を現在の周期より長く設定する第1設定手段(73)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記流量調整弁(36)に対する上記膨張機構(51)の制御ゲインを現在より高く設定する第2設定手段(75)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記膨張機構(51)に対する上記流量調整弁(36)の制御周期を現在の周期より長く設定する第1設定手段(73)と、上記流量調整弁(36)に対する上記膨張機構(51)の制御ゲインを現在より高く設定する第2設定手段(75)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  7. 圧縮機(30)と、放熱器(44)と、該圧縮機(30)に機械的に連結された膨張機(31)と、該膨張機(31)から流出する冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器(35)と、蒸発器(41)と、該気液分離器(35)から蒸発器(41)に向かう液冷媒の流量を調整するとともに該液冷媒を減圧する膨張機構(51)と、該気液分離器(35)から圧縮機(30)の吸入側に向かうガス冷媒の流量を調整するとともに該ガス冷媒を減圧する流量調整弁(36)とを有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、
    上記流量調整弁(36)で減圧されたガス冷媒と、上記膨張機構(51)で減圧する前の液冷媒とを熱交換して該液冷媒を過冷却する熱交換器(45)と、上記冷媒回路(10)の運転状態に基づいて、上記膨張機構(51)の手前側が液シールされる範囲で中間圧が最低値となるような目標中間圧を算出する算出手段(71)と、上記冷媒回路(10)の中間圧が上記目標中間圧となるように上記流量調整弁(36)を調整する調整手段(79,80)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  8. 請求項7において、
    上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記膨張機構(51)に対する上記流量調整弁(36)の制御周期を現在の周期より長く設定する第1設定手段(73)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  9. 請求項7において、
    上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記流量調整弁(36)に対する上記膨張機構(51)の制御ゲインを現在より高く設定する第2設定手段(75)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  10. 請求項7において、
    上記目標中間圧が現在よりも低く設定されると、上記膨張機構(51)に対する上記流量調整弁(36)の制御周期を現在の周期より長く設定する第1設定手段(73)と、上記流量調整弁(36)に対する上記膨張機構(51)の制御ゲインを現在より高く設定する第2設定手段(75)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
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