JP2018173195A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】対象空間の空気温度を目標温度に調節する冷凍装置において、エネルギー効率の低下及び対象空間の空気温度のオーバーシュートを招くことなく冷媒回路内の冷凍機油を圧縮機構に戻す油回収制御を行う。
【解決手段】冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)と、庫内熱交換器(53)において冷媒と熱交換する庫内の空気温度が目標温度になるように少なくとも圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を制御するコントローラ(9)とを備えた冷凍装置(1)において、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に、コントローラ(9)が圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を冷媒回路(10)内の冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻る所定の油回収運転容量以上に保つ油回収制御を行う起動時油回収モードを有するように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)と、庫内熱交換器(53)において冷媒と熱交換する庫内の空気温度が目標温度になるように少なくとも圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を制御するコントローラ(9)とを備えた冷凍装置(1)において、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に、コントローラ(9)が圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を冷媒回路(10)内の冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻る所定の油回収運転容量以上に保つ油回収制御を行う起動時油回収モードを有するように構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置に関し、特に、圧縮機構から冷媒と共に吐出された冷凍機油を圧縮機構に戻す油回収技術に係るものである。
従来、圧縮機構と熱源側熱交換器と膨脹機構と利用側熱交換器とを有して冷凍サイクルを行う冷媒回路を備え、対象空間の空気温度を目標温度に調節する冷凍装置が知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。
上記冷凍装置では、圧縮機構において摺動部の潤滑に用いられた冷凍機油が、冷媒と共に吐出される。冷凍機油は、冷媒回路内において液冷媒が流れる部分では、液冷媒と混ざり合って液冷媒と共に流れるが、低圧圧力状態のガス冷媒が流れる部分(蒸発器の伝熱管や吸入配管)では、ガス冷媒と混ざり合わず、管内面に付着して滞留するおそれがある。特に、冷媒循環量が少ない条件下では、冷凍機油が、蒸発器の伝熱管や吸入配管の内面に付着して圧縮機構に戻らなくなる可能性が高く、圧縮機構において油切れ(冷凍機油が不足した状態)が生じるおそれがあった。
そこで、上述のような冷凍装置では、通常、対象空間の空気温度が目標温度付近である場合等、冷媒循環量が少なく圧縮機構に冷凍機油が戻り難い状況が続くと、圧縮機構の運転容量を上げて冷媒回路における冷媒循環量を増大させることによって、冷凍機油をガス冷媒で押し流して圧縮機構に戻す油回収制御を行っていた。
しかしながら、上記冷凍装置では、通常、対象空間の空調負荷に応じた空調能力となるように、圧縮機構の運転容量を調節している。そのため、冷媒回路における冷媒循環量が少なくなるのは、対象空間の空調負荷が小さく、要求される空調能力が低いときである。このような状況で圧縮機構の運転容量を上げる油回収制御を行うと、要求される空調能力が低いにも拘わらず、空調能力を増大させることとなり、エネルギー効率が悪い。また、対象空間の空気温度が目標温度に近づいているにも拘わらず、空調能力を増大させるため、対象空間の空気温度がオーバーシュートするおそれがあった。例えば、対象空間が冷蔵庫の庫内空間である場合には、庫内の空気温度が目標温度付近である状況で油回収制御を行うと、庫内空気を必要以上に冷却してしまい、庫内の空気温度が冷凍温度域まで低下して冷蔵庫内の商品が損傷するおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象空間の空気温度を目標温度に調節する冷凍装置において、エネルギー効率の低下及び対象空間の空気温度のオーバーシュートを招くことなく冷媒回路内の冷凍機油を圧縮機構に戻す油回収制御を行うことにある。
第1の発明は、圧縮機構(21a,21b,21c)と熱源側熱交換器(25)と膨脹機構(31,52)と利用側熱交換器(53)とを有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)と、上記利用側熱交換器(53)において冷媒と熱交換する対象空間の空気温度が目標温度になるように少なくとも上記圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を制御する制御部(9)とを備えた冷凍装置であって、上記圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に、上記制御部(9)が上記圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を上記冷媒回路(10)内の冷凍機油が上記圧縮機構(21a,21b,21c)に戻る所定の油回収運転容量以上に保つ油回収制御を行う起動時油回収モードを有している。
第1の発明では、冷媒回路(10)において冷凍サイクルが行われ、利用側熱交換器(53)において冷媒と対象空間の空気とが熱交換することにより、該対象空間の空気温度が目標温度に調節される。また、冷凍装置(1)が起動時油回収モードを有することにより、制御部(9)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に油回収制御を行う。油回収制御では、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が、冷媒回路(10)内の冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような所定の油回収運転容量以上に保たれる。これにより、冷媒回路(10)における冷媒循環量が増大し、冷媒回路(10)の伝熱管や冷媒配管の内面に付着して滞留していた冷凍機油が冷媒によって押し流されて圧縮機構(21a,21b,21c)に戻ることとなる。
第2の発明は、第1の発明において、上記冷媒回路(10)は、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(24)を備え、上記冷媒回路(10)は、上記切換機構(24)で冷媒の循環方向を切り換えることによって、上記利用側熱交換器(53)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる冷却運転と、上記利用側熱交換器(53)が放熱器となる冷凍サイクルが行われる加熱運転とが切り換わるように構成され、上記切換機構(24)による切換時に、上記制御部(9)が上記油回収制御を行う起動時油回収モードを有している。
第2の発明では、切換機構(24)によって冷媒回路(10)における冷媒の循環方向が切り換わることにより、利用側熱交換器(53)が蒸発器となって対象空間の空気を冷却する冷却運転と、利用側熱交換器(53)が凝縮器(放熱器)となって対象空間の空気を加熱する加熱運転とが切り換わる。また、冷凍装置(1)が切換時油回収モードを有することにより、制御部(9)は、切換機構(24)による運転切換時に油回収制御を行う。油回収制御では、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が、冷媒回路(10)内の冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような所定の油回収運転容量以上に保たれる。これにより、冷媒回路(10)における冷媒循環量が増大し、冷媒回路(10)の伝熱管や冷媒配管の内面に付着して滞留していた冷凍機油が冷媒によって押し流されて圧縮機構(21a,21b,21c)に戻ることとなる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記制御部(9)は、所定の油回収不要条件が成立している場合には、上記油回収制御を行わないように構成されている。
第3の発明では、所定の油回収不要条件が成立すると、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び切換機構(24)による切換時であっても、制御部(9)は、油回収制御を行わないようにしている。
第4の発明は、第3の発明において、上記制御部(9)は、上記対象空間の空気温度と上記目標温度との差が所定の温度差未満である場合、上記油回収不要条件が成立していると判定するように構成されている。
第4の発明では、対象空間の空気温度と目標温度との差が所定の温度差未満である場合、即ち、対象空間の空調負荷が小さい場合、比較的低い空調能力で空調負荷を処理することができる。そのため、このような場面で圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を上げるような油回収制御を行うことは、消費エネルギーの無駄が多く、エネルギー効率の観点から好ましくない。よって、制御部(9)は、対象空間の空調負荷が小さい場合には、油回収制御を行わないようにしている。
第5の発明は、第3又は第4の発明において、上記制御部(9)は、上記油回収制御を行ってから所定時間が経過していない場合、上記油回収不要条件が成立していると判定するように構成されている。
第5の発明では、油回収制御が行ってからさほど時間が経過していない場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)において油切れが生じるおそれがない。そのため、このような場合にわざわざ油回収制御を行うことは、消費エネルギーの無駄が多く、エネルギー効率の観点から好ましくない。よって、制御部(9)は、油回収制御を行ってから所定時間が経過していない場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時であっても切換機構(24)による運転切換時であっても、油回収制御を行わないこととしている。
第1の発明によれば、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を、冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような比較的高い運転容量(油回収運転容量以上)に保つ油回収制御を、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に行う起動時油回収モードを設けることとした。圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時は、空調負荷が比較的大きく、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が比較的高くなる。このように空調負荷に応じて空調能力を上げる必要のある圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うことにより、油回収制御を行う際の消費エネルギーの無駄が低減される。従って、冷媒回路(10)内の冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻す油回収制御を、エネルギー効率の低下を招くことなく行うことができる。
また、第1の発明によれば、空調負荷が比較的大きく、空調能力を上げる必要のある圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に油回収制御を行うため、この油回収制御によって対象空間の空気温度が目標温度から大きく外れてしまうことがなく、安定的な温度制御を行うことができる。従って、冷媒回路(10)内の冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻す油回収制御を、対象空間の空気温度のオーバーシュートを招くことなく行うことができる。
また、第2の発明によれば、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を、冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような比較的高い運転容量(油回収運転容量以上)に保つ油回収制御を、冷却運転と加熱運転との運転切換時に行う切換時油回収モードを設けることとした。冷却運転と加熱運転との運転切換時は、空調負荷が比較的大きく、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が比較的高くなる。このように空調負荷に応じて空調能力を上げる必要のある運転切換時に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うことにより、油回収制御を行う際の消費エネルギーの無駄が低減される。従って、冷媒回路(10)内の冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻す油回収制御を、エネルギー効率の低下を招くことなく行うことができる。
また、第2の発明によれば、空調負荷が比較的大きく、空調能力を上げる必要のある冷却運転と加熱運転との運転切換時に油回収制御を行うため、この油回収制御によって対象空間の空気温度が目標温度から大きく外れてしまうことがなく、安定的な温度制御を行うことができる。従って、冷媒回路(10)内の冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻す油回収制御を、対象空間の空気温度のオーバーシュートを招くことなく行うことができる。
ところで、油回収制御の必要のない場合や圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を低く保ちたい場合に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うと、消費エネルギーの無駄が増大し、エネルギー効率が低下する上、対象空間の空気温度がオーバーシュートするおそれがある。
そこで、第3の発明では、所定の油回収不要条件が成立している場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時又は切換機構(24)による切換時であっても、油回収制御を行わないようにしている。このように、所定の油回収不要条件が成立している場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行わないことにより、消費エネルギーの無駄を低減することができ、エネルギー効率の低下を抑制することができる。また、対象空間の空気温度のオーバーシュートも抑制することができる。
ところで、対象空間の空調負荷が小さい場合には、この空調負荷を処理するために必要となる空調能力が低くなる。そして、このような必要とされる空量能力が低い場合に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うと、消費エネルギーの無駄が増大し、エネルギー効率が低下する上、対象空間の空気温度がオーバーシュートするおそれがある。
そこで、第4の発明では、対象空間の空調負荷が小さい場合には、油回収制御を行わないようにしている。空調負荷が低いために必要な空調能力も低い場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行わないことにより、消費エネルギーの無駄を低減することができ、エネルギー効率の低下を抑制することができる。また、対象空間の空気温度のオーバーシュートも抑制することができる。
ところで、油回収制御を行ってからさほど時間が経過していない場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)において油切れが生じるおそれがない。
そこで、第5の発明では、油回収制御を行ってからさほど時間が経過しておらず、圧縮機構(21a,21b,21c)において油切れが生じるおそれのない場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時であっても冷却運転と加熱運転との運転切換時であっても油回収制御を行わないようにしている。このように、圧縮機構(21a,21b,21c)において油切れが生じるおそれのない場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行わないことにより、消費エネルギーの無駄を低減することができ、エネルギー効率の低下を抑制することができる。また、対象空間の空気温度のオーバーシュートも抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
実施形態1の冷凍装置(1)は、複数の冷蔵倉庫を冷却するものである。図1に示すように、冷凍装置(1)は、庫外ユニット(2)と、複数の庫内ユニット(3)と、コントローラ(制御部)(9)とを備えている。庫外ユニット(2)は屋外に設置され、複数の庫内ユニット(3)は、複数の冷蔵倉庫に1つずつ設置されている。また、庫外ユニット(2)には、庫外回路(20)が設けられている。各庫内ユニット(3)には、庫内回路(50)がそれぞれ設けられている。冷凍装置(1)では、庫外回路(20)に対して複数の庫内回路(50)が並列に接続されることによって、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)が構成されている。
実施形態1の冷凍装置(1)は、複数の冷蔵倉庫を冷却するものである。図1に示すように、冷凍装置(1)は、庫外ユニット(2)と、複数の庫内ユニット(3)と、コントローラ(制御部)(9)とを備えている。庫外ユニット(2)は屋外に設置され、複数の庫内ユニット(3)は、複数の冷蔵倉庫に1つずつ設置されている。また、庫外ユニット(2)には、庫外回路(20)が設けられている。各庫内ユニット(3)には、庫内回路(50)がそれぞれ設けられている。冷凍装置(1)では、庫外回路(20)に対して複数の庫内回路(50)が並列に接続されることによって、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)が構成されている。
具体的には、庫外回路(20)と各庫内回路(50)とは、第1連絡配管(14)及び第2連絡配管(15)によって互いに接続されている。第1連絡配管(14)の一端は、庫外回路(20)の一端部に設けられた第1閉鎖弁(11)に接続され、該第1連絡配管(14)の他端は分岐して、各庫内回路(50)の一端にそれぞれ接続されている。また、第2連絡配管(15)の一端は、庫外回路(20)の他端部に設けられた第2閉鎖弁(12)に接続され、該第2連絡配管(15)の他端は分岐して、各庫内回路(50)の他端にそれぞれ接続されている。
〈庫外ユニット〉
庫外ユニット(2)の庫外回路(20)には、第1〜第3圧縮機(圧縮機構)(21a〜21c)と、四路切換弁(24)と、庫外熱交換器(熱源側熱交換器)(25)と、レシーバ(27)と、過冷却熱交換器(28)と、過冷却用減圧弁(減圧弁)(29)と、室外膨張弁(膨脹機構)(31)とが設けられている。
庫外ユニット(2)の庫外回路(20)には、第1〜第3圧縮機(圧縮機構)(21a〜21c)と、四路切換弁(24)と、庫外熱交換器(熱源側熱交換器)(25)と、レシーバ(27)と、過冷却熱交換器(28)と、過冷却用減圧弁(減圧弁)(29)と、室外膨張弁(膨脹機構)(31)とが設けられている。
各圧縮機(21a,21b,21c)は、いずれも全密閉式高圧ドーム型のスクロール圧縮機で構成されている。また、第1〜第3圧縮機(21a〜21c)には、それぞれ圧縮室の中間圧位置に開口する(圧縮途中の圧縮室に開口する)ように設けられた中間ポート(5,6,7)を有する圧縮機部と該圧縮機部を駆動する電動機とがそれぞれ設けられている。
第1圧縮機(21a)の電動機には、該電動機の回転数を所定範囲内で自在に変更可能なインバータが接続されている。このインバータにより電動機の回転周波数を調整して、第1圧縮機(21a)の運転容量を増減させることができる。また、第2圧縮機(21b)及び第3圧縮機(21c)の電動機には、インバータは設けられておらず、該電動機の回転数は一定である。したがって、第2圧縮機(21b)及び第3圧縮機(21c)の運転容量は一定となる。
各圧縮機(21a,21b,21c)の吐出側には、それぞれ吐出管(22a,22b,22c)が接続されている。各吐出管(22a,22b,22c)には、それぞれ逆止弁(CV)が設けられている。これらの吐出管(22a,22b,22c)は、吐出合流管(22)を介して四路切換弁(24)の第1ポートに接続されている。逆止弁(CV)は、各圧縮機(21a,21b,21c)から吐出合流管(22)へ向かう冷媒の流れのみを許容する向きに設けられている。
また、各吐出管(22a,22b,22c)には、それぞれ逆止弁(CV)の上流側に油分離器(38a,38b,38c)が設けられている。各油分離器(38a,38b,38c)は、圧縮機(21a,21b,21c)の高圧冷媒から冷凍機油を分離するためのものである。そして、各油分離器(38a,38b,38c)には、冷凍機油を流出するための油流出管(39a,39b,39c)がそれぞれ接続されている。これら3つの油流出管(39a,39b,39c)は、油流出合流管(39d)の一端で合流している。油流出合流管(39d)の他端は、後述する第2インジェクション配管(38)におけるガス抜き管(48)の接続部に接続されている。また、各油流出管(39a,39b,39c)には、油分離器(38a,38b,38c)の側から順に逆止弁(CV)とキャピラリチューブ(CP)とが設けられている。これら3つの油流出管(39a,39b,39c)と油流出合流管(39d)とで油戻し回路(39)が構成される。また、各油流出管(39a,39b,39c)に設けられた逆止弁(CV)は、油流出合流管(39d)へ向かう冷凍機油の流れのみを許容する向きに設けられている。
各圧縮機(21a,21b,21c)の吸入側には、それぞれ吸入管(23a,23b,23c)が接続されている。これらの吸入管(23a,23b,23c)は、吸入合流管(23)を介して四路切換弁(24)の第2ポートに接続されている。
四路切換弁(24)の第3ポートには庫外熱交換器(25)の一端が、該四路切換弁(24)の第4ポートには第2閉鎖弁(12)がそれぞれ接続されている。この四路切換弁(24)は、第1ポートと第3ポートが互いに連通し且つ第2ポートと第4ポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートが互いに連通し且つ第2ポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。
なお、詳細については後述するが、本実施形態1では、四路切換弁(24)を第2状態から第1状態に切り換えると、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われ、庫内空気を冷却する冷却運転が行われる。逆に、四路切換弁(24)を第1状態から第2状態に切り換えると、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が放熱器となる冷凍サイクルが行われ、庫内熱交換器(53)を加熱するデフロスト運転(加熱運転)が行われる。
庫外熱交換器(25)の他端は、第1冷媒配管(32)を介してレシーバ(27)の頂部に接続されている。庫外熱交換器(25)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。庫外熱交換器(25)の近傍には、室外ファン(26)が設けられている。そして、庫外熱交換器(25)は、室外ファン(26)によって送られた室外空気と該庫外熱交換器(25)内を流れる冷媒とを熱交換するように構成されている。第1冷媒配管(32)には逆止弁(CV)が設けられており、該逆止弁(CV)は庫外熱交換器(25)からレシーバ(27)へ向かう冷媒の流れのみを許容する向きに設けられている。
過冷却熱交換器(28)は、高圧側流路(28a)と減圧側流路(28b)とを有し、高圧側流路(28a)及び減圧側流路(28b)を流れる冷媒同士が熱交換するように構成されている。
高圧側流路(28a)の流入端は、レシーバ(27)の底部に接続されている。また、高圧側流路(28a)の流出端は、第2冷媒配管(33)を介して第1閉鎖弁(11)に接続されている。第2冷媒配管(33)には逆止弁(CV)が設けられており、該逆止弁(CV)は過冷却熱交換器(28)から第1閉鎖弁(11)へ向かう冷媒の流れのみを許容する向きに設けられている。一方、減圧側流路(28b)の流入端及び流出端は、それぞれ本発明に係るインジェクション管路(40)に接続されている。
インジェクション管路(40)は、各圧縮機(21a,21b,21c)に冷媒をインジェクションするためのものであり、第1インジェクション配管(本配管)(37)と第2インジェクション配管(38)と第1〜第3分岐インジェクション配管(枝配管)(37a,37b,37c)とを備えている。
第1インジェクション配管(37)は、第2冷媒配管(33)における逆止弁(CV)の上流側から分岐して、減圧側流路(28b)の流入端に接続されている。また、第1インジェクション配管(37)には過冷却用減圧弁(減圧手段)(29)が設けられている。この過冷却用減圧弁(29)は、開度可変な電子膨張弁により構成されている。
第2インジェクション配管(38)の一端に、減圧側流路(28b)の流出端が接続され、該第2インジェクション配管(38)の他端は、第1〜第3分岐インジェクション配管(37a,37b,37c)に分岐している。第1〜第3分岐インジェクション配管(37a,37b,37c)は、それぞれ各圧縮機(21a,21b,21c)の中間ポート(5,6,7)に接続されている。
第1〜第3分岐インジェクション配管(37a,37b,37c)には、それぞれ第1〜第3流量調整弁(流量調整手段)(30a,30b,30c)が設けられている。なお、第1〜第3流量調整弁(30a,30b,30c)は、開度可変な電子膨張弁により構成されている。
レシーバ(27)は、上述したように庫外熱交換器(25)と過冷却熱交換器(28)との間に配置され、四路切換弁(24)が第1状態のときに庫外熱交換器(25)で凝縮した高圧冷媒を一時的に貯留できるようになっている。また、レシーバ(27)の頂部には、電磁弁(SV)を有するガス抜き管(48)の一端が接続されている。ガス抜き管(48)の他端は、第2インジェクション配管(38)の途中に接続されている。このガス抜き管(48)は、電磁弁(SV)を開状態とすることで、レシーバ(27)から第2インジェクション配管(38)へガス冷媒が流れるようになっている。
第2冷媒配管(33)における逆止弁(CV)と第1閉鎖弁(11)の間には、第3冷媒配管(35)の一端が接続されている。第3冷媒配管(35)の他端は、第1冷媒配管(32)における逆止弁(CV)の下流側に接続されている。第3冷媒配管(35)には逆止弁(CV)が設けられており、該逆止弁(CV)は第1閉鎖弁(11)から第1冷媒配管(32)へ向かう冷媒の流れのみを許容する向きに設けられている。
また、第1冷媒配管(32)と第2冷媒配管(33)との間には、レシーバ(27)及び過冷却熱交換器(28)をバイパスする第4冷媒配管(36)が接続されている。上記第4冷媒配管(36)の一端は第1冷媒配管(32)における逆止弁(CV)の上流側に接続されている。上記第4冷媒配管(36)の他端は第2冷媒配管(33)における第1インジェクション配管(37)の接続部よりも上流側に接続されている。この第4冷媒配管(36)には、室外膨張弁(31)が設けられている。室外膨張弁(31)は、開度が調節可能な電子膨張弁である。
庫外回路(20)には、各種センサや圧力スイッチが設けられている。具体的には、各吐出管(22a,22b,22c)には、それぞれ吐出管温度センサ(61)と高圧圧力スイッチ(62)が設けられている。吐出管温度センサ(61)は吐出管(22a,22b,22c)の温度を検出するものであり、高圧圧力スイッチ(62)は吐出圧力を検出して異常高圧時には冷凍装置(1)を緊急停止させるものである。吸入合流管(23)には、該吸入合流管(23)の温度を検出するための吸入管温度センサ(63)が設けられている。
各吐出管(22a,22b,22c)の合流箇所(即ち、吐出合流管(22)の流入端)には、圧縮機(21a,21b,21c)の吐出圧力を検出するための吐出圧力センサ(64)が設けられている。各吸入管(23a,23b,23c)の合流箇所には、圧縮機(21a,21b,21c)の吸入圧力を検出するための吸入圧力センサ(65)が設けられている。室外ファン(26)の近傍には、外気温度を検出するための外気温センサ(67)が設けられている。
また、第2冷媒配管(33)には、第1液温度センサ(68)が設けられている。第1インジェクション配管(37)における過冷却用減圧弁(29)の下流側には、第2液温度センサ(69)が設けられている。各液温度センサ(68,69)は、液冷媒の温度を検出するものである。
〈庫内ユニット〉
2つの庫内ユニット(3)は同様に構成されている。各庫内ユニット(3)の庫内回路(50)は、一端側から他端側へ向かって順に、加熱用配管(51)、庫内膨張弁(52)及び庫内熱交換器(53)が設けられている。
2つの庫内ユニット(3)は同様に構成されている。各庫内ユニット(3)の庫内回路(50)は、一端側から他端側へ向かって順に、加熱用配管(51)、庫内膨張弁(52)及び庫内熱交換器(53)が設けられている。
加熱用配管(51)は、庫内熱交換器(53)の下方に設けられたドレンパン(55)に取り付けられている。このドレンパン(55)は、庫内熱交換器(53)から滴下する結露水を回収するものである。ここで、ドレンパン(55)に加熱用配管(51)が取り付けられているのは、結露水が凍結して生成される氷塊を、加熱用配管(51)を流通する高圧冷媒の熱を利用して融解するためである。
庫内膨張弁(52)は、開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。
庫内熱交換器(53)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成され、該庫内熱交換器(53)の近傍には、庫内ファン(54)が設けられている。そして、上記庫内熱交換器(53)は、冷媒が庫内ファン(54)によって送られた庫内空気と該庫内熱交換器(53)内を流れる冷媒とを熱交換するように構成されている。
また、庫内回路(50)には、3つの温度センサが設けられている。具体的には、庫内熱交換器(53)の伝熱管には、冷媒の蒸発温度を検出するための蒸発温度センサ(72)が設けられている。庫内回路(50)におけるガス側端の近傍には、ガス冷媒の温度を検出するための冷媒温度センサ(73)が設けられている。庫内ファン(54)の近傍には、庫内の温度を検出するための庫内温度センサ(74)が設けられている。
〈コントローラ〉
コントローラ(制御部)(9)は、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が蒸発器となる冷凍サイクルを行って庫内空気を冷却する冷却運転と、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が凝縮器(放熱器)となる冷凍サイクルを行って庫内熱交換器(53)に付着した霜を取るためのデフロスト運転(加熱運転)とを行うように構成されている。また、コントローラ(9)には、各センサ(61〜69,71〜74)及び高圧圧力スイッチ(62)の検出値が入力され、コントローラ(9)は、これらの検出値に基づいて、圧縮機構(第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c))の運転容量の制御(台数制御、インバータの運転周波数の制御)、ファン(26,54)の回転周波数の制御、及び各種の弁(24,29,31,52,SV)の切換や開度調節を行いながら、冷凍装置(1)の運転(本実施形態では、冷却運転とデフロスト運転)を制御する。
コントローラ(制御部)(9)は、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が蒸発器となる冷凍サイクルを行って庫内空気を冷却する冷却運転と、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が凝縮器(放熱器)となる冷凍サイクルを行って庫内熱交換器(53)に付着した霜を取るためのデフロスト運転(加熱運転)とを行うように構成されている。また、コントローラ(9)には、各センサ(61〜69,71〜74)及び高圧圧力スイッチ(62)の検出値が入力され、コントローラ(9)は、これらの検出値に基づいて、圧縮機構(第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c))の運転容量の制御(台数制御、インバータの運転周波数の制御)、ファン(26,54)の回転周波数の制御、及び各種の弁(24,29,31,52,SV)の切換や開度調節を行いながら、冷凍装置(1)の運転(本実施形態では、冷却運転とデフロスト運転)を制御する。
例えば、コントローラ(9)は、冷却運転では、庫内熱交換器(53)における冷却能力が冷却負荷に応じた能力となるように、第1〜第3圧縮機(圧縮機構)(21a,21b,21c)の運転容量を制御する。なお、ここで、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量とは、本実施形態のように圧縮機構が複数の圧縮機(21a,21b,21c)で構成されている場合、複数の圧縮機(21a,21b,21c)の運転周波数の合計値を言う。
具体的には、コントローラ(9)は、庫内温度センサ(74)によって検出される各冷蔵倉庫の庫内の空気温度から各冷蔵倉庫の庫内の設定温度SP(目標温度)を減じた値(冷却負荷)が大きい場合、庫内熱交換器(53)における冷却能力が冷却負荷に対して不足しているとして圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を増大させる。具体的には、第1圧縮機(21a)のインバータの回転周波数を増大させる、又は、停止中の第2圧縮機(21b)又は第3圧縮機(21c)の運転を開始する。一方、コントローラ(9)は、冷却負荷が小さい場合、庫内熱交換器(53)における冷却能力が冷却負荷に対して過剰であるとして圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を低減する。例えば、第1圧縮機(21a)のインバータの回転周波数を低減する、又は、第2圧縮機(21b)又は第3圧縮機(21c)の運転を停止する。
また、コントローラ(9)は、所定の油回収条件が成立すると、圧縮機構(21a,21b,21c)から冷媒と共に吐出されて冷媒回路(10)の伝熱管や冷媒配管の内面に付着して滞留していた冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻すための油回収制御を行うように構成されている。なお、油回収制御の詳細については後述する。
本実施形態では、コントローラ(9)は、冷凍装置(1)の各要素を本願で開示するように制御するマイクロコンピュータと、実施可能な制御プログラムが記憶されたメモリやハードディスク等とを含んでいる。なお、ここで説明するコントローラ(9)は、冷凍装置(1)の制御部の一例であり、コントローラ(9)の詳細な構造やアルゴリズムは、本発明に係る機能を実行するどのようなハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであってもよい。
−運転動作−
冷凍装置(1)では、コントローラ(9)によって、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が蒸発器となる冷凍サイクルを行って庫内空気を冷却する冷却運転が行われる。また、冷凍装置(1)では、冷却運転中に所定のデフロスト条件が成立すると、コントローラ(9)によって、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が凝縮器(放熱器)となる冷凍サイクルを行って庫内熱交換器(53)に付着した霜を取るためのデフロスト運転が行われる。
冷凍装置(1)では、コントローラ(9)によって、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が蒸発器となる冷凍サイクルを行って庫内空気を冷却する冷却運転が行われる。また、冷凍装置(1)では、冷却運転中に所定のデフロスト条件が成立すると、コントローラ(9)によって、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が凝縮器(放熱器)となる冷凍サイクルを行って庫内熱交換器(53)に付着した霜を取るためのデフロスト運転が行われる。
〈冷却運転〉
冷却運転では、コントローラ(9)によって、四路切換弁(24)が第1状態に切り換えられ、3台の圧縮機(21a,21b,21c)のうち少なくとも1台が駆動されて、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。また、冷却運転では、コントローラ(9)によって、過冷却用減圧弁(29)及び庫内膨張弁(52)の開度が適宜調節される一方、室外膨張弁(31)が全閉状態に設定される。各電磁弁(SV)は、運転状態に応じて開閉される。
冷却運転では、コントローラ(9)によって、四路切換弁(24)が第1状態に切り換えられ、3台の圧縮機(21a,21b,21c)のうち少なくとも1台が駆動されて、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。また、冷却運転では、コントローラ(9)によって、過冷却用減圧弁(29)及び庫内膨張弁(52)の開度が適宜調節される一方、室外膨張弁(31)が全閉状態に設定される。各電磁弁(SV)は、運転状態に応じて開閉される。
なお、コントローラ(9)は、庫内熱交換器(53)における冷却能力が庫内の冷却負荷に応じた能力となるように、第1〜第3圧縮機(圧縮機構)(21a,21b,21c)の運転容量を制御する。具体的には、コントローラ(9)は、庫内熱交換器(53)における冷却能力が庫内の冷却負荷に応じた能力となるように、第1圧縮機(21a)の運転容量の増減や第2圧縮機(21b)及び第3圧縮機(21c)の起動と停止の切換を行う。例えば、庫内の冷却負荷が小さい場合には、第2圧縮機(21b)及び第3圧縮機(21c)は、運転が停止される。以下では、3台全ての圧縮機(21a,21b,21c)を駆動する場合について説明する。
冷却運転では、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)が駆動されると、冷媒回路(10)において図1に示す実線の矢印の方向に冷媒が流れる。このとき、冷媒回路(10)において、庫外熱交換器(25)が凝縮器(放熱器)として機能し、且つ各庫内熱交換器(53)が蒸発器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
具体的には、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)で圧縮された高圧ガス冷媒が各吐出管(22a,22b,22c)から吐出される。各吐出管(22a,22b,22c)から吐出された高圧ガス冷媒は各油分離器(38a,38b,38c)に流入する。該各油分離器(38a,38b,38c)では、高圧冷媒から冷凍機油が分離される。この分離した冷凍機油は、一旦各油分離器(38a,38b,38c)内に貯留された後、各油流出管(39a,39b,39c)及び油流出合流管(39d)を通って第2インジェクション配管(38)へ流入する。そして、第2インジェクション配管(38)に流入した冷凍機油は分流して、各分岐インジェクション配管(37a,37b,37c)を通過した後、各中間ポート(5,6,7)を介して各圧縮機(21a,21b,21c)に吸入される。
一方、冷凍機油が分離された高圧冷媒は、各油分離器(38a,38b,38c)を流出して上記吐出合流管(22)で合流する。上記吐出合流管(22)で合流した高圧冷媒は、四路切換弁(24)を介して庫外熱交換器(25)へ流入する。庫外熱交換器(25)では、高圧冷媒が室外空気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、第1冷媒配管(32)、レシーバ(27)及び過冷却熱交換器(28)の高圧側流路(28a)を順に通過した後で第2冷媒配管(33)へ流入する。第2冷媒配管(33)に流入した冷媒は、一部が第1インジェクション配管(37)へ流れ、残りが上記第1閉鎖弁(11)を介して第1連絡配管(14)へ流れる。
第1インジェクション配管(37)に流入した高圧冷媒(分岐冷媒)は、上記過冷却用減圧弁(29)で所定の圧力まで減圧されて中間圧冷媒となった後、上記過冷却熱交換器(28)の減圧側流路(28b)へ流入する。過冷却熱交換器(28)では、その中間圧冷媒と高圧側流路(28a)を流れる高圧冷媒とが熱交換する。これにより、上記高圧冷媒が冷却されて過冷却度が大きくなる一方、上記中間圧冷媒が加熱されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、上記過冷却熱交換器(28)を流出した後、第2インジェクション配管(38)を介して第1〜第3分岐インジェクション配管(37a,37b,37c)に分流する。
そして、各分岐インジェクション配管(37a,37b,37c)に流入した中間圧冷媒は、その流量が上記各流量調整弁(30a,30b,30c)で調整された後、各圧縮機(21a,21b,21c)における中間圧位置の圧縮室にインジェクションされる。ここで、コントローラ(9)により、吐出管温度センサ(61)で検知した温度が所定の温度範囲になるように、上記各流量調整弁(30a,30b,30c)の弁開度が調整される。
一方、上記第1連絡配管(14)の方へ流れた高圧冷媒は、各庫内回路(50)へ分流する。庫内回路(50)へ流入した高圧冷媒は、加熱用配管(51)を流通する。その際、ドレンパン(55)では、加熱用配管(51)を流れる冷媒によって結露水が凍結した氷塊が加熱用配管(51)の冷媒によって融解される。これにより、加熱用配管(51)を流れる高圧冷媒がさらに過冷却される。加熱用配管(51)を流出した高圧冷媒は、上記庫内膨張弁(52)で減圧されて低圧冷媒になった後、庫内熱交換器(53)へ流入する。
上記庫内熱交換器(53)では、低圧冷媒が庫内空気と熱交換して蒸発する。これにより、庫内空気が冷却される。各庫内熱交換器(53)で蒸発した冷媒は、第2連絡配管(15)を介して再び庫外回路(20)へ流入する。庫外回路(20)へ流入した低圧冷媒は、四路切換弁(24)を介して吸入合流管(23)へ流れ、吸入管(23a,23b,23c)から各圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入される。各圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入された低圧冷媒は、中間ポート(5,6,7)から流入した中間圧冷媒とともに、所定の圧力まで圧縮されて高圧冷媒となる。そして、この高圧冷媒は、圧縮機(21a,21b,21c)から再び吐出される。このように冷媒が循環することにより、各冷蔵倉庫の庫内を設定温度SP(目標温度)に維持する冷却運転が行われる。
〈デフロスト運転〉
デフロスト運転では、コントローラ(9)によって、四路切換弁(24)が第1状態から第2状態に切り換えられ、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)が駆動されて、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が凝縮器(放熱器)となる冷凍サイクルが行われる。また、デフロスト運転では、コントローラ(9)によって、室外膨張弁(31)の開度が適宜調節される一方、庫内膨張弁(52)が全開状態に設定されると共に過冷却用減圧弁(29)が全閉状態に設定される。
デフロスト運転では、コントローラ(9)によって、四路切換弁(24)が第1状態から第2状態に切り換えられ、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)が駆動されて、冷媒回路(10)において庫内熱交換器(53)が凝縮器(放熱器)となる冷凍サイクルが行われる。また、デフロスト運転では、コントローラ(9)によって、室外膨張弁(31)の開度が適宜調節される一方、庫内膨張弁(52)が全開状態に設定されると共に過冷却用減圧弁(29)が全閉状態に設定される。
デフロスト運転では、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)が駆動されると、冷媒回路(10)において冷却運転とは逆向きに冷媒が流れる。このとき、冷媒回路(10)において、各庫内熱交換器(53)が凝縮器(放熱器)として機能し、且つ庫外熱交換器(25)が蒸発器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
具体的には、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)で圧縮された高圧ガス冷媒が各吐出管(22a,22b,22c)から吐出される。各吐出管(22a,22b,22c)から吐出された高圧ガス冷媒は、各油分離器(38a,38b,38c)に流入し、冷却運転と同様にして高圧冷媒から分離された冷凍機油が、各中間ポート(5,6,7)を介して各圧縮機(21a,21b,21c)に吸入される。
一方、冷凍機油が分離された高圧冷媒は、吐出合流管(22)で合流し、第2連絡配管(15)を介して各庫内回路(50)の各庫内熱交換器(53)に流入する。各庫内熱交換器(53)では、高圧冷媒が各庫内熱交換器(53)に付着した霜に放熱して凝縮する一方、霜は融解される。つまり、各庫内熱交換器(53)が除霜される。各庫内熱交換器(53)で凝縮した高圧冷媒は、加熱用配管(51)を流通する。その際、ドレンパン(55)では、加熱用配管(51)を流れる冷媒によって結露水が凍結した氷塊が加熱用配管(51)の冷媒によって融解される。加熱用配管(51)を流出した高圧冷媒は、第1連絡配管(14)を介して再び庫外回路(20)へ流入する。
庫外回路(20)へ流入した高圧冷媒は、第3冷媒配管(35)、レシーバ(27)、過冷却熱交換器(28)の高圧側流路(28a)、第2冷媒配管(33)を順に通過した後、第4冷媒配管(36)へ流入する。第4冷媒配管(36)に流入した高圧冷媒は、室外膨張弁(31)で減圧されて低圧冷媒になった後、庫外熱交換器(25)へ流入する。庫外熱交換器(25)では、低圧冷媒が庫外空気と熱交換して蒸発する。庫外熱交換器(25)で蒸発した低圧冷媒は、四路切換弁(24)を介して吸入合流管(23)へ流れ、吸入管(23a,23b,23c)から各圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入される。各圧縮機(21a,21b,21c)へ吸入された低圧冷媒は、所定の圧力まで圧縮されて高圧冷媒となる。そして、この高圧冷媒は、圧縮機(21a,21b,21c)から再び吐出される。このように冷媒が循環することにより、庫内熱交換器(53)に付着した霜を除去するデフロスト運転が行われる。
<油回収制御>
本実施形態では、コントローラ(9)は、所定の油回収制御の開始条件が成立すると、圧縮機構(21a,21b,21c)から冷媒と共に吐出されて冷媒回路(10)の伝熱管や冷媒配管の内面に付着して滞留していた冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻すための油回収制御を行う。
本実施形態では、コントローラ(9)は、所定の油回収制御の開始条件が成立すると、圧縮機構(21a,21b,21c)から冷媒と共に吐出されて冷媒回路(10)の伝熱管や冷媒配管の内面に付着して滞留していた冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻すための油回収制御を行う。
油回収制御では、コントローラ(9)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を、所定の油回収運転容量以上に保つ。ここで、所定の油回収運転容量は、冷媒回路(10)の伝熱管や冷媒配管の内面に付着して滞留していた冷凍機油が圧縮機構、即ち、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)に戻るような冷媒循環量(又は流速)が確保される運転容量を言う。具体的には、例えば、冷媒回路(10)の低圧圧力LP(吸入圧力センサ(65)の検出値)と吸入冷媒の温度T(冷媒温度センサ(73)の検出値)とから吸入冷媒の比体積を算出し、この算出した比体積から冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような冷媒循環量になる圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を求め、この運転容量を油回収運転容量とする。また、冷凍機油が吸入冷媒と共に圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような吸入冷媒の流速になる圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を求め、この運転容量を油回収運転容量としてもよい。
なお、所定の油回収運転容量は、上述のように算定して求めてもよく、試運転を行って導出してもよい。
[油回収制御の開始条件]
本実施形態では、コントローラ(9)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時(本実施形態では、冷却運転の開始時)及び運転切換時(本実施形態では、デフロスト運転から冷却運転への切換時)に、コントローラ(9)が所定の油回収不要条件が成立していると判定すると、油回収制御の開始条件が成立したと判定し、油回収制御を開始する。
本実施形態では、コントローラ(9)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時(本実施形態では、冷却運転の開始時)及び運転切換時(本実施形態では、デフロスト運転から冷却運転への切換時)に、コントローラ(9)が所定の油回収不要条件が成立していると判定すると、油回収制御の開始条件が成立したと判定し、油回収制御を開始する。
また、本実施形態では、コントローラ(9)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時でない場合(例えば、冷却運転中)であっても、上記油回収制御が所定の第1の時間(例えば、8時間)以上行われていない場合、所定の開始条件が成立したと判定し、油回収制御を開始する。
このような油回収制御の開始条件により、冷凍装置(1)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に上記油回収制御を行う起動時油回収モードと、運転切換時に上記油回収制御を行う切換時油回収モードと、上記油回収制御が所定の第1の時間以上行われていない場合に上記油回収制御を行う標準油回収モードとを有することとなる。
[油回収不要条件]
本実施形態では、コントローラ(9)は、所定の油回収不要条件が成立していると判定すると、起動時及びデフロスト運転から冷却運転への運転切換時であっても、上述の油回収制御を行わない。
本実施形態では、コントローラ(9)は、所定の油回収不要条件が成立していると判定すると、起動時及びデフロスト運転から冷却運転への運転切換時であっても、上述の油回収制御を行わない。
具体的には、コントローラ(9)は、各冷蔵倉庫の庫内(対象空間)の空気温度(庫内温度センサ(74)の検出値)と各冷蔵倉庫の庫内の設定温度SP(目標温度)との差(庫内の冷却負荷)が、所定の温度差未満(本実施形態では、5℃未満)である場合、上記油回収不要条件が成立していると判定する。このように冷却負荷が小さい場合、比較的低い冷却能力で冷却負荷を処理することができる。そのため、このような場面で圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を上げるような油回収制御を行うことは、消費エネルギーの無駄が多く、エネルギー効率の観点から好ましくない。また、庫内の空気温度がオーバーシュートするおそれもある。よって、コントローラ(9)は、庫内の冷却負荷が小さい場合には、油回収制御を行わない。
また、コントローラ(9)は、前回の油回収制御が行われてから(終了してから)第2の時間T2(例えば、6時間)が経過していない場合、つまり、次回の油回収制御まで所定の第3の時間T3(例えば、2時間)以上ある場合にも、油回収不要条件が成立していると判定する。このように油回収制御が行われてからさほど時間が経過していない場合、圧縮機構(21a,21b,21c)において油切れが生じるおそれがない。そのため、油切れのおそれのない場面でわざわざ油回収制御を行うことは、消費エネルギーの無駄が多く、エネルギー効率の観点から好ましくない。よって、コントローラ(9)は、油回収制御を行ってから所定の第2の時間が経過していない場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時であっても運転切換時であっても、油回収制御を行わない。
なお、上記第2の時間T2は、油回収制御の開始条件となる第1の時間T1よりも当然に短い(T2<T1)ものであり、本実施形態では、第2の時間T2は、第3の時間T3よりも長い(T2>T3)ものである。
[油回収制御の終了条件]
本実施形態では、コントローラ(9)は、油回収制御の開始後(圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が油回収運転容量に到達した後)、所定の第4の時間T4(例えば、5分)が経過すると、所定の終了条件が成立したと判定し、油回収制御を終了する。
本実施形態では、コントローラ(9)は、油回収制御の開始後(圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が油回収運転容量に到達した後)、所定の第4の時間T4(例えば、5分)が経過すると、所定の終了条件が成立したと判定し、油回収制御を終了する。
油回収制御の終了条件は、上述のものに限られない。油回収制御の終了条件は、例えば、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)のいずれか又は全てにおいて冷凍機油が貯留される油溜まりに油面センサを設け、該油面センサによって計測された冷凍機油の油面の高さが所定の高さ以上になると、成立したと判定されるものであってもよい。
[起動時及び運転切換時の油回収制御の実行例]
コントローラ(9)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時に、上述した油回収不要条件が成立していると判定すると、通常のプルダウン制御を行う。具体的には、コントローラ(9)は、消費電力を無駄に増大させずに、庫内熱交換器(53)における冷却能力が冷却負荷に応じた冷却能力になるように、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を段階的に増加させる。
コントローラ(9)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時に、上述した油回収不要条件が成立していると判定すると、通常のプルダウン制御を行う。具体的には、コントローラ(9)は、消費電力を無駄に増大させずに、庫内熱交換器(53)における冷却能力が冷却負荷に応じた冷却能力になるように、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を段階的に増加させる。
一方、コントローラ(9)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時に、上述した油回収不要条件が成立していないと判定すると、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を油回収運転容量以上に保つ油回収制御を行う。なお、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時には、コントローラ(9)は、プルダウン制御に準じた油回収制御を行う。
具体的には、コントローラ(9)は、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動直後又は運転切換直後には、まず、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を油回収運転容量に制御する。そして、コントローラ(9)は、冷却負荷に対して冷却能力が不足する場合、即ち、各冷蔵倉庫の庫内(対象空間)の空気温度(庫内温度センサ(74)の検出値)と各冷蔵倉庫の庫内の設定温度SP(目標温度)との差(庫内の冷却負荷)が大きい場合、消費電力が無駄に増大しないように、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を段階的に上げていく。一方、冷却負荷に対して冷却能力が過剰な場合、即ち、各冷蔵倉庫の庫内(対象空間)の空気温度(庫内温度センサ(74)の検出値)と各冷蔵倉庫の庫内の設定温度SP(目標温度)との差(庫内の冷却負荷)が小さい場合であっても、コントローラ(9)は、上述した油回収制御の終了条件が成立するまでは、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を、油回収運転容量未満の運転容量に低下させることなく、油回収運転容量以上の運転容量に保つ。
なお、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量は、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)のうち稼働させる台数を変更すること(台数制御)によって行ってもよく、運転周波数がインバータによって変更可能に構成された第1圧縮機(21a)の運転周波数を変更すること(周波数制御)によって行ってもよく、台数制御と周波数制御とを組み合わせて行ってもよい。
[第1の時間経過後の油回収制御の実行例]
また、コントローラ(9)は、油回収制御の終了時点からの経過時間を計測する。そして、前回の油回収制御の終了時点から第1の時間T1(例えば、8時間)が経過すると、つまり、第1の時間T1以上油回収制御が行われていない場合、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を油回収運転容量以上に保つ油回収制御を行う。起動時でも運転切換時でもない冷却運転中には、コントローラ(9)は、冷却運転中の運転容量制御に準じた油回収制御を行う。
また、コントローラ(9)は、油回収制御の終了時点からの経過時間を計測する。そして、前回の油回収制御の終了時点から第1の時間T1(例えば、8時間)が経過すると、つまり、第1の時間T1以上油回収制御が行われていない場合、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を油回収運転容量以上に保つ油回収制御を行う。起動時でも運転切換時でもない冷却運転中には、コントローラ(9)は、冷却運転中の運転容量制御に準じた油回収制御を行う。
具体的には、コントローラ(9)は、前回の油回収制御の実行から第1の時間T1経過後、まず、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を油回収運転容量に制御する。そして、コントローラ(9)は、庫内の冷却負荷に対して冷却能力が不足する場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を上げる。一方、コントローラ(9)は、庫内の冷却負荷に対して冷却能力が過剰な場合であっても、上述した油回収制御の終了条件が成立するまでは、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を、油回収運転容量未満の運転容量に低下させることなく、油回収運転容量以上の運転容量に保つ。
以上のようにして、上記冷凍装置(1)では、まず、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に所定の油回収不要条件が成立していなければ、油回収制御が行われ、デフロスト運転から冷却運転への運転切換時にも所定の油回収不要条件が成立していなければ、油回収制御が行われる。油回収制御では、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が、冷媒回路(10)内の冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような油回収運転容量以上に保たれる。これにより、冷媒回路(10)における冷媒循環量が増大し、冷媒回路(10)の伝熱管や冷媒配管の内面に付着して滞留していた冷凍機油が冷媒によって押し流されて圧縮機構(21a,21b,21c)に戻ることとなる。
また、上記冷凍装置(1)では、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を、冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような比較的高い運転容量(油回収運転容量以上)に保つ油回収制御を、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時に行うこととしている。圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時は、空調負荷(冷却負荷)が比較的大きく、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が比較的高くなる。このように空調負荷に応じて空調能力を上げる必要のある圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うことにより、油回収制御を行う際の消費エネルギーの無駄が低減される。また、空調負荷が比較的大きく、空調能力を上げる必要のある圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時に油回収制御を行うことにより、該油回収制御によって庫内の空気温度が設定温度SP(目標温度)から大きく外れてしまうこともない。
また、上記冷凍装置(1)では、前回の油回収制御の終了時点から第1の時間T1が経過すると、油回収制御を行うこととしているが、第1の時間T1が経過するまでの間に、運転が切り換わって油回収制御が行われた場合には、第1の時間T1の計測時間がリセットされ、油回収制御は行われない。このように、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時に、所定の油回収不要条件が成立していなければ必ず油回収制御を行うこととしたため、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時に比べて、空調負荷に対して無駄となる消費エネルギーを費やしてしまう冷却運転中の油回収制御の発生頻度が低減される。
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を、冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような比較的高い運転容量(油回収運転容量以上)に保つ油回収制御を、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に行う起動時油回収モードを設けることとした。圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時は、空調負荷が比較的大きく、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が比較的高くなる。このように空調負荷に応じて空調能力を上げる必要のある圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うことにより、油回収制御を行う際の消費エネルギーの無駄が低減される。従って、冷媒回路(10)内の冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻す油回収制御を、エネルギー効率の低下を招くことなく行うことができる。
本実施形態1によれば、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を、冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような比較的高い運転容量(油回収運転容量以上)に保つ油回収制御を、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に行う起動時油回収モードを設けることとした。圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時は、空調負荷が比較的大きく、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が比較的高くなる。このように空調負荷に応じて空調能力を上げる必要のある圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うことにより、油回収制御を行う際の消費エネルギーの無駄が低減される。従って、冷媒回路(10)内の冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻す油回収制御を、エネルギー効率の低下を招くことなく行うことができる。
また、本実施形態1によれば、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を、冷凍機油が圧縮機構(21a,21b,21c)に戻るような比較的高い運転容量(油回収運転容量以上)に保つ油回収制御を、冷却運転と加熱運転との運転切換時に行う切換時油回収モードを設けることとした。冷却運転と加熱運転との運転切換時は、空調負荷が比較的大きく、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量が比較的高くなる。このように空調負荷に応じて空調能力を上げる必要のある運転切換時に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うことにより、油回収制御を行う際の消費エネルギーの無駄が低減される。従って、冷媒回路(10)内の冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻す油回収制御を、エネルギー効率の低下を招くことなく行うことができる。
また、本実施形態1によれば、空調負荷が比較的大きく、空調能力を上げる必要のある冷却運転と加熱運転との運転切換時に油回収制御を行うため、この油回収制御によって対象空間の空気温度が目標温度から大きく外れてしまうことがなく、安定的な温度制御を行うことができる。従って、冷媒回路(10)内の冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻す油回収制御を、対象空間の空気温度のオーバーシュートを招くことなく行うことができる。
ところで、油回収制御の必要のない場合や圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を低く保ちたい場合に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うと、消費エネルギーの無駄が増大し、エネルギー効率が低下する上、対象空間の空気温度がオーバーシュートするおそれがある。
そこで、本実施形態1では、所定の油回収不要条件が成立している場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時又は切換機構(24)による切換時であっても、油回収制御を行わないようにしている。このように、所定の油回収不要条件が成立している場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行わないことにより、消費エネルギーの無駄を低減することができ、エネルギー効率の低下を抑制することができる。また、対象空間の空気温度のオーバーシュートも抑制することができる。
また、本実施形態1によれば、空調負荷が比較的大きく、空調能力を上げる必要のある圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及びデフロスト運転から冷却運転への運転切換時に油回収制御を行うため、この油回収制御によって対象空間の空気温度が目標温度から大きく外れてしまうことがなく、安定的な温度制御を行うことができる。従って、冷媒回路(10)内の冷凍機油を圧縮機構(21a,21b,21c)に戻す油回収制御を、対象空間の空気温度のオーバーシュートを招くことなく行うことができる。
ところで、庫内の空調負荷が小さい場合には、この空調負荷を処理するために必要となる空調能力が低くなる。そして、このような必要とされる空量能力が低い場合に、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行うと、消費エネルギーの無駄が増大し、エネルギー効率が低下する上、庫内(対象空間)の空気温度がオーバーシュートするおそれがある。
そこで、本実施形態1では、庫内の空調負荷が小さい場合には、油回収制御を行わないようにしている。空調負荷が低いために必要な空調能力も低い場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行わないことにより、消費エネルギーの無駄を低減することができ、エネルギー効率の低下を抑制することができる。また、庫内(対象空間)の空気温度のオーバーシュートも抑制することができる。
ところで、油回収制御を行ってからさほど時間が経過していない場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)において油切れが生じるおそれがない。
そこで、本実施形態1では、油回収制御を行ってからさほど時間が経過しておらず、圧縮機構(21a,21b,21c)において油切れが生じるおそれのない場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時であってもデフロスト運転から冷却運転への運転切換時であっても油回収制御を行わないようにしている。このように、圧縮機構(21a,21b,21c)において油切れが生じるおそれのない場合には、圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を比較的高く保つ油回収制御を行わないことにより、消費エネルギーの無駄を低減することができ、エネルギー効率の低下を抑制することができる。また、庫内(対象空間)の空気温度のオーバーシュートも抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、圧縮機構を3つの圧縮機、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)で構成し、これらの台数制御及びインバータが接続された第1圧縮機(21a)の回転周波数を制御することによって、圧縮機構の運転容量を調節していた。しかしながら、本発明に係る圧縮機構は上述のものに限定されず、1台の容量可変の圧縮機で構成されていてもよく、複数の固定容量の圧縮機で構成されていてもよい。また、本発明に係る圧縮機構は、複数の容量可変の圧縮機で構成されていてもよい。
上記実施形態では、圧縮機構を3つの圧縮機、第1〜第3圧縮機(21a,21b,21c)で構成し、これらの台数制御及びインバータが接続された第1圧縮機(21a)の回転周波数を制御することによって、圧縮機構の運転容量を調節していた。しかしながら、本発明に係る圧縮機構は上述のものに限定されず、1台の容量可変の圧縮機で構成されていてもよく、複数の固定容量の圧縮機で構成されていてもよい。また、本発明に係る圧縮機構は、複数の容量可変の圧縮機で構成されていてもよい。
上記実施形態では、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時であっても、所定の油回収不要条件が成立している場合には、油回収制御を行わないようにしていたが、圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時及び運転切換時に必ず油回収制御を実行するようにしてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、複数の圧縮機を有して蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置について有用である。
1 冷凍装置
9 コントローラ(制御部)
10 冷媒回路
21a 第1圧縮機(圧縮機構)
21b 第2圧縮機(圧縮機構)
21c 第3圧縮機(圧縮機構)
24 四路切換弁(切換機構)
25 庫外熱交換器(熱源側熱交換器)
31 室外膨張弁(膨脹機構)
52 庫内膨張弁(膨脹機構)
53 庫内熱交換器(利用側熱交換器)
9 コントローラ(制御部)
10 冷媒回路
21a 第1圧縮機(圧縮機構)
21b 第2圧縮機(圧縮機構)
21c 第3圧縮機(圧縮機構)
24 四路切換弁(切換機構)
25 庫外熱交換器(熱源側熱交換器)
31 室外膨張弁(膨脹機構)
52 庫内膨張弁(膨脹機構)
53 庫内熱交換器(利用側熱交換器)
Claims (5)
- 圧縮機構(21a,21b,21c)と熱源側熱交換器(25)と膨脹機構(31,52)と利用側熱交換器(53)とを有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)と、上記利用側熱交換器(53)において冷媒と熱交換する対象空間の空気温度が目標温度になるように少なくとも上記圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を制御する制御部(9)とを備えた冷凍装置であって、
上記圧縮機構(21a,21b,21c)の起動時に、上記制御部(9)が上記圧縮機構(21a,21b,21c)の運転容量を上記冷媒回路(10)内の冷凍機油が上記圧縮機構(21a,21b,21c)に戻る所定の油回収運転容量以上に保つ油回収制御を行う起動時油回収モードを有している
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
上記冷媒回路(10)は、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(24)を備え、
上記冷媒回路(10)は、上記切換機構(24)で冷媒の循環方向を切り換えることによって、上記利用側熱交換器(53)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる冷却運転と、上記利用側熱交換器(53)が放熱器となる冷凍サイクルが行われる加熱運転とが切り換わるように構成され、
上記切換機構(24)による切換時に、上記制御部(9)が上記油回収制御を行う起動時油回収モードを有している
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1又は2において、
上記制御部(9)は、所定の油回収不要条件が成立している場合には、上記油回収制御を行わないように構成されている
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3において、
上記制御部(9)は、上記対象空間の空気温度と上記目標温度との差が所定の温度差未満である場合、上記油回収不要条件が成立していると判定するように構成されている
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3又は4において、
上記制御部(9)は、上記油回収制御を行ってから所定時間が経過していない場合、上記油回収不要条件が成立していると判定するように構成されている
ことを特徴とする冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017070115A JP2018173195A (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | 冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018173195A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021065112A1 (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | ダイキン工業株式会社 | 熱源ユニット及び冷凍装置 |
WO2023036614A1 (de) * | 2021-09-10 | 2023-03-16 | BSH Hausgeräte GmbH | Betreiben eines drehzahlgesteuerten verdichters eines haushalts-kältegeräts |
-
2017
- 2017-03-31 JP JP2017070115A patent/JP2018173195A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021065112A1 (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | ダイキン工業株式会社 | 熱源ユニット及び冷凍装置 |
WO2023036614A1 (de) * | 2021-09-10 | 2023-03-16 | BSH Hausgeräte GmbH | Betreiben eines drehzahlgesteuerten verdichters eines haushalts-kältegeräts |
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