JP2013036682A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高段側圧縮機構及び低段側圧縮機構を備え、熱源ユニットに対して第1利用ユニット及び第2利用ユニットが並列に接続された冷凍装置において、除霜に要する時間を短縮する。
【解決手段】冷凍装置1の制御部4は、高段側圧縮機構31を停止する一方で低段側圧縮機構81を運転し低段側圧縮機構81から吐出される冷媒を第1利用側熱交換器23に供給しつつ、第2利用側熱交換器23cにおける蒸発温度が目標蒸発温度となるように低段側圧縮機構81を制御する除霜運転モードを実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高段側圧縮機構及び低段側圧縮機構を備え、熱源ユニットに対して第1利用ユニット及び第2利用ユニットが並列に接続された冷凍装置に関する。
従来、高段側圧縮機構及び低段側圧縮機構(ブースタ圧縮機)を備えた冷凍装置が知られている。例えば特許文献1に開示されている冷凍装置では、熱源ユニットに対して複数の利用ユニットが並列に接続されている。これらの利用ユニットでは、熱交換器に着いた霜を除去するための除霜が行われる。一般に、このタイプの冷凍装置における除霜運転としては、例えば、開閉弁を閉じて除霜の対象となる利用ユニットへの冷媒の供給を停止し、ファンを回転させて周囲の空気を熱交換器に送るオフサイクルデフロストが採用されている。
特開2009−281680号公報
しかしながら、上記のようなオフサイクルデフロストでは、例えば熱交換器の周囲の雰囲気温度が低い場合、除霜に長時間を要するという問題がある。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高段側圧縮機構及び低段側圧縮機構を備え、熱源ユニットに対して第1利用ユニット及び第2利用ユニットが並列に接続された冷凍装置において、除霜に要する時間を短縮することである。
本発明の冷凍装置は、高段側圧縮機構(31)と熱源側熱交換器(33)とを含む熱源ユニット(3)と、第1利用側熱交換器(23)を含む第1利用ユニット(2)と、第2利用側熱交換器(23c)と前記第2利用側熱交換器(23c)において蒸発した冷媒を圧縮する低段側圧縮機構(81)とを含み、前記熱源ユニット(3)に対して前記第1利用ユニット(2)と互いに並列に接続された第2利用ユニット(2c)と、前記高段側圧縮機構(31)及び前記低段側圧縮機構(81)を制御する制御部(4)と、を備えている。
前記制御部(4)は、前記高段側圧縮機構(31)を停止する一方で前記低段側圧縮機構(81)を運転し前記低段側圧縮機構(81)から吐出される冷媒を前記第1利用側熱交換器(23)に供給しつつ、第2利用側熱交換器(23c)における蒸発温度が目標蒸発温度となるように前記低段側圧縮機構(81)を制御する除霜運転モードを実行する。
この構成では、熱源ユニット(3)に対して第1利用ユニット(2)と第2利用ユニット(2c)が互いに並列に接続されているので、高段側圧縮機構(31)が停止している状態では、第1利用ユニット(2)と第2利用ユニット(2c)との間を冷媒が循環する回路が形成されることになる。そして、制御部(4)は、高段側圧縮機構(31)を停止する一方で低段側圧縮機構(81)を運転し低段側圧縮機構(81)から吐出される冷媒を第1利用側熱交換器(23)に供給して第1利用側熱交換器(23)の除霜をする。すなわち、低段側圧縮機構(81)から吐出される高温高圧の冷媒を用いて第1利用側熱交換器(23)の除霜を行うので、除霜に要する時間を短縮することができる。しかも、この除霜中においても制御部(4)は、第2利用側熱交換器(23c)における蒸発温度が目標蒸発温度となるように前記低段側圧縮機構(81)を制御するので、第2利用ユニット(2c)の冷却を引き続き行うことができる。
また、前記冷凍装置において、前記制御部(4)は、前記除霜運転モードにおいて前記第1利用側熱交換器(23)の除霜が完了したことを示す信号を受けたときに前記高段側圧縮機構(31)の運転を再開する制御を行うのが好ましい。
この構成では、除霜完了の信号に基づいた適切なタイミングで通常運転に復帰することができる。
また、前記冷凍装置において、前記除霜運転モードにおける前記低段側圧縮機構(81)から吐出される冷媒の状態量を検出する第1センサ(PL)をさらに備え、前記制御部(4)は、前記除霜運転モードにおいて前記第1センサ(PL)の検出値が予め定められた値より大きくなったときに前記高段側圧縮機構(31)の運転を再開する制御を行うのが好ましい。
この構成では、低段側圧縮機構(81)から吐出される冷媒の状態量(例えば圧力、温度など)が過度に高くなるのを防止することできるので、低段側圧縮機構(81)のオーバーロードを適切に防止できる。
また、前記冷凍装置において、前記低段側圧縮機構(81)に吸入される冷媒の状態量を検出する第2センサ(PL2)と、前記第1利用側熱交換器(23)に空気を送るファン(28)と、をさらに備え、前記制御部(4)は、前記除霜運転モードにおいて前記第2センサ(PL2)の検出値が予め定められた値よりも小さくなったときに、前記低段側圧縮機構(81)を停止し、前記ファン(28)を運転する制御を行うのが好ましい。
この構成では、第2センサ(PL2)(例えば圧力センサ、温度センサなど)の検出値が予め定められた値よりも小さくなったときに前記低段側圧縮機構(81)を停止するので、第2利用ユニット(2c)において目標蒸発温度に比べて実際の蒸発温度が過度に低くなるのを抑制できる。また、前記低段側圧縮機構(81)は停止されるものの、第1利用ユニット(2)においてファン(28)を運転するので、引き続き利用側熱交換器の除霜(いわゆるオフサイクルデフロスト)を行うことができる。
また、前記冷凍装置において、前記第1利用ユニット(2)は、開閉可能な減圧機構と、前記減圧機構をバイパスするバイパス経路とをさらに含んでいるのが好ましい。
この構成では、前記減圧機構をバイパスするバイパス経路を備えているので、第1利用ユニット(2)における冷却を停止する手段として減圧機構を全閉にする方法を採用できる。そして、減圧機構を全閉にすることにより第1利用ユニット(2)における冷却を停止した後、制御部(4)は、前記除霜運転モードを実行するために前記高段側圧縮機構(31)を停止する一方で前記低段側圧縮機構(81)を運転する。この除霜運転モードにおいて、減圧機構を全閉にした状態でもバイパス経路を通じて冷媒を流通させることができる。
本発明によれば、高段側圧縮機構及び低段側圧縮機構を備え、熱源ユニットに対して第1利用ユニット及び第2利用ユニットが並列に接続された冷凍装置において、除霜に要する時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路図であり、通常運転モードにおける冷媒回路中の冷媒の流れを示している。 前記冷凍装置において、除霜運転モードにおける冷媒回路中の冷媒の流れを示している。 前記除霜運転モードにおける制御例1を示すフローチャートである。 前記除霜運転モードにおける制御例2を示すフローチャートである。 前記除霜運転モードにおける制御例3を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係る冷凍装置1について図面を参照して説明する。
<冷凍装置の全体構成>
図1に示すように、冷凍装置1は、熱源ユニット3と、第1利用ユニット2と、第2利用ユニット2cと、制御部4とを備えている。第1利用ユニット2と第2利用ユニット2cは、熱源ユニット3に対して互いに並列に接続されている。
本実施形態では、第1利用ユニット2は、2つの冷蔵ユニット2a,2bを含み、第2利用ユニット2cは、1つの冷凍ユニット2cを含む。冷蔵ユニット2aは、冷蔵ユニット回路20aを備えている。冷蔵ユニット2bは、冷蔵ユニット回路20bを備えている。冷凍ユニット2cは、冷凍ユニット回路20cを備えている。熱源ユニット3は、熱源ユニット回路30を備えている。熱源ユニット回路30の一端には閉鎖弁13が設けられており、熱源ユニット回路30の他端には閉鎖弁14が設けられている。冷凍装置1は、熱源ユニット回路30と、冷蔵ユニット回路20a、冷蔵ユニット回路20b及び冷凍ユニット回路20cとが液側連絡配管11及びガス側連絡配管12により接続されて構成される冷媒回路10を備えている。
液側連絡配管11の一端は、閉鎖弁13に接続されている。ガス側連絡配管12の一端は、閉鎖弁14に接続されている。液側連絡配管11は、他端側において分岐して冷蔵ユニット回路20a,20b及び冷凍ユニット回路20cの液側の端部に接続されている。ガス側連絡配管12は、他端側において分岐して冷蔵ユニット回路20a、冷蔵ユニット回路20b及び冷凍ユニット回路20cのガス側の端部に接続されている。具体的には次の通りである。
液側連絡配管11は、分岐管11abと分岐管11cに分岐している。分岐管11abは、さらに分岐管11aと分岐管11bに分岐している。ガス側連絡配管12は、分岐管12abと分岐管12cに分岐している。分岐管12abは、さらに分岐管12aと分岐管12bに分岐している。
冷蔵ユニット回路20aの液側の端部は、分岐管11aに接続されており、冷蔵ユニット回路20aのガス側の端部は、分岐管12aに接続されている。冷蔵ユニット回路20bの液側の端部は、分岐管11bに接続されており、冷蔵ユニット回路20bのガス側の端部は、分岐管12bに接続されている。冷凍ユニット回路20cの液側の端部は、分岐管11cに接続されており、冷凍ユニット回路20cのガス側の端部は、分岐管12cに接続されている。
<熱源ユニット>
熱源ユニット回路30は、高段側圧縮機構31と、熱源側熱交換器33と、レシーバ34と、過冷却熱交換器35と、過冷却用膨張弁36と、膨張弁37とを備えている。
高段側圧縮機構31は、3つ圧縮機31L,31M,31Rを含む。圧縮機31L,31M,31Rとしては、例えば全密閉式高圧ドーム型のスクロール圧縮機を用いることができる。これらの圧縮機31L,31M,31Rは、熱源ユニット回路30において互いに並列に接続されている。圧縮機31Lは、インバータの出力周波数を変化させて電動機の回転数を変化させることによって容量が可変な可変容量圧縮機である。圧縮機31M,31Rは、電動機が常時一定の所定回転数で運転され、容量が変更不能な固定容量圧縮機である。
圧縮機31L,31M,31Rは、吸入管61L,61M,61Rから流入した冷媒を圧縮し、圧縮した高圧の冷媒を吐出管62L,62M,62Rへ吐出する。吐出管62L,62M,62Rには、圧縮機31L,31M,31Rから吐出合流管62に向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁CVがそれぞれ設けられている。吐出合流管62は、熱源側熱交換器33の一端(ガス側の端部)に接続されている。
熱源側熱交換器33としては、例えばクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器を用いることができる。熱源側熱交換器33の近傍には、ファン38が配置されている。このファン38により送られる室外空気と熱源側熱交換器33内を流れる冷媒との間で熱交換が行われる。熱源側熱交換器33の他端(液側の端部)は、第1液管65を介してレシーバ34の頂部に接続されている。
レシーバ34は、熱交換器33と過冷却熱交換器35との間に配置され、熱交換器33で凝縮した高圧冷媒を一時的に貯留する。レシーバ34と過冷却熱交換器35とは第2液管66により接続されている。
過冷却熱交換器35としては、例えばプレート型熱交換器を用いることができる。過冷却熱交換器35は、高圧側流路35H及び低圧側流路35Lを流れる冷媒同士を熱交換させる。
高圧側流路35Hの流入端は、第2液管66によってレシーバ34の底部に接続されている。高圧側流路35Hの流出端は、第3液管67を介して閉鎖弁13に接続されている。第2液管66には、レシーバ34の底部から高圧側流路35Hの流入端に向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁CVが設けられている。第2液管66には、逆止弁CVとレシーバ34の底部との間から分岐管63が分岐している。分岐管63は、さらに3つの分岐管63a,63b,63cに分岐している。
分岐管63aは、低圧側流路35Lの流入端に接続されている。過冷却用膨張弁36は、分岐管63aに設けられている。過冷却用膨張弁36としては、例えば開度が調整可能な電子膨張弁を用いることができる。低圧側流路35Lの流出端は、インジェクション管68の一端(流入端)に接続されている。
分岐管63bは、インジェクション管68に接続されている。膨張弁37は、分岐管63bに設けられている。分岐管63cは、第3液管67に接続されている。分岐管63cには、第3液管67から分岐管63に向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁CVが設けられている。
インジェクション管68の他端(流出端)は、3つの分岐インジェクション管68L,68M,68Rに分岐している。分岐インジェクション管68L,68M,68Rは、圧縮機31L,31M,31Rの中間圧の圧縮室にそれぞれ接続されている。インジェクション管68,68L,68M,68Rは、過冷却熱交換器35から圧縮機31L,31M,31Rにおける中間圧の圧縮室にガス冷媒を注入する。
可変容量の圧縮機31Lに接続される分岐インジェクション管68Lには、膨張弁EVが設けられている。固定容量の圧縮機31M,31Rに接続される分岐インジェクション管68M,68Rには、逆止弁CV及び電磁弁SVが設けられている。これらの逆止弁CVは、圧縮機31M,31Rに向かう冷媒の流れのみを許容する。
吐出管62L,62M,62Rには、逆止弁CVの上流側に油セパレータ91L,91M,91Rが設けられている。油セパレータ91L,91M,91Rは、圧縮機31L,31M,31Rから吐出された冷媒から冷凍機油を分離させる。油セパレータ91L,91M,91Rには、それぞれ油戻し管92L,92M,92Rが接続されている。
油戻し管92L,92M,92Rは、油戻し合流管92の一端(流入端)に合流している。油戻し合流管92の他端(流出端)は、インジェクション管68に接続されている。したがって、油戻し合流管92は、圧縮機31L,31M,31Rの中間圧の圧縮室に連通している。
油戻し管92Lには、キャピラリチューブCPが設けられている。油戻し管92Mには、油セパレータ91Mから順に、逆止弁CVとキャピラリチューブCPが設けられている。油戻し管92Rには、油セパレータ91Rから順に、逆止弁CVとキャピラリチューブCPが設けられている。油戻し管92M,92Rに設けられた逆止弁CVは、油戻し合流管92へ向かう冷凍機油の流れのみを許容する。
油セパレータ91L,91M,91Rで分離された冷凍機油は、油戻し管92L,92M,92Rを介して油戻し合流管92に合流した後、圧縮機31L,31M,31Rの中間圧の圧縮室に流入する。つまり、油セパレータ91L,91M,91Rからの冷凍機油は、吸入管61L,61M,61Rを介さずに、圧縮機31L,31M,31Rの中間圧の圧縮室へ戻されるため、低圧冷媒で冷却されることによって粘度が上昇することが回避される。
熱源ユニット回路30は、各種センサを備えている。具体的に、吐出管62L,62M,62Rには、それぞれ吐出管62L,62M,62Rの温度を検出する吐出管温度センサTL,TM,TRが設けられている。吸入管61には、吸入管61の温度を検出する吸入管温度センサT6が設けられている。第3液管67には、液冷媒の温度を検出する温度センサT7が設けられている。
ファン38の近傍には、外気温度を検出するための外気温センサToutが設けられている。分岐管63aにおける過冷却用膨張弁36の下流側には、過冷却熱交換器35に流入される冷媒の温度を検出する第1液温センサT1が設けられている。インジェクション管68には、過冷却熱交換器35から流出される冷媒の温度を検出する第2液温センサT2が設けられている。
吸入管61には、圧縮機31L,31M,31Rに分かれて吸入される低圧冷媒の圧力を検出する低圧圧力センサPLが設けられている。吐出管62L,62M,62Rの合流箇所即ち、吐出合流管62の流入端には、圧縮機31L,31M,31Rから吐き出されて合流された高圧冷媒の圧力を検出する高圧圧力センサPHが設けられている。
<第1利用ユニット>
第1利用ユニット2は、冷蔵ユニット2aと冷蔵ユニット2bとを含む。冷蔵ユニット2aの冷蔵ユニット回路20aは、冷蔵用熱交換器(第1利用側熱交換器)23と、利用側膨張弁27とを備えている。冷蔵用熱交換器23の液側の端部は、液管71を介して分岐管11aに接続されている。冷蔵用熱交換器23のガス側の端部は、ガス管72を介して分岐管11aに接続されている。
冷蔵用熱交換器23としては、例えばクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器を用いることができる。冷蔵用熱交換器23の近傍にはファン28が設けられている。冷蔵用熱交換器23は、ファン28によって送られる室内空気と冷蔵用熱交換器23内に循環される冷媒との間で熱交換を行う。
利用側膨張弁27は、液管71に設けられている。利用側膨張弁27としては、例えば開度が調整可能な電子膨張弁を用いることができる。冷蔵用熱交換器23の液側の端部と液管71には、液管71に設けられた利用側膨張弁27の部位をバイパスするバイパス管73が接続されている。バイパス管73には、冷蔵用熱交換器23の液側の端部から液管71に向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁CVが設けられている。
室内ファン28の近傍には、室内の温度を検出する室内温度センサTinが設けられている。ガス管72には、ガス冷媒の温度を検出する温度センサTeが設けられている。
冷蔵ユニット2bの冷蔵ユニット回路20bは、冷蔵用熱交換器(第1利用側熱交換器)23と、利用側膨張弁27とを備えている。冷蔵用熱交換器23の液側の端部は、液管71を介して分岐管11bに接続されている。冷蔵用熱交換器23のガス側の端部は、ガス管72を介して分岐管11bに接続されている。それ以外の構成については、冷蔵ユニット2aと同様であるので、説明を省略する。
<第2利用ユニット>
第2利用ユニット2cは、1つの冷凍ユニット2cを含む。冷凍ユニット2cの冷凍ユニット回路20cは、冷凍用熱交換器(第2利用側熱交換器)23cと、利用側膨張弁27と、ブースタユニット2dとを備えている。冷凍ユニット回路20cの液側の端部は、分岐管11cに接続されている。冷凍ユニット回路20cのガス側の端部は、分岐管12cに接続されている。
冷凍用熱交換器23cとしては、冷蔵ユニット2a,2bの冷蔵用熱交換器23,23と同様の熱交換器を用いることができる。冷凍用熱交換器23cの液側の端部には液管76が接続されている。利用側膨張弁27は、液管76に設けられている。冷凍用熱交換器23cのガス側の端部にはガス管77が接続されている。ファン28の近傍には、室内の温度を検出する室内温度センサTinが設けられている。
(ブースタユニット)
ブースタユニット2dは、ブースタ回路20dを備えている。ブースタ回路20dは、ブースタ圧縮機(低段側圧縮機構)81と、過冷却熱交換器100とを備えている。
ブースタ圧縮機81は、冷凍用熱交換器23cにおいて蒸発した冷媒を圧縮する。ブースタ圧縮機81は、例えばインバータの出力周波数を変化させて電動機の回転数を変化させることによって容量が可変な可変容量圧縮機である。ブースタ圧縮機81は、2段圧縮式の冷凍サイクルにおける低段側圧縮機構を構成している。
ブースタ圧縮機81の吸入側には吸入管78の一端が接続されている。ブースタ圧縮機81の吐出側には吐出管79の一端が接続されている。吸入管78の他端は、ガス管77に接続されている。吐出管79の他端は、閉鎖弁82を介して分岐管12cに接続されている。
吐出管79には、オイルセパレータ84と逆止弁CVとが設けられている。オイルセパレータ84には、冷媒中から分離した冷凍機油をブースタ圧縮機81の吸入側に戻すための油戻し管85が接続されている。油戻し管85には、キャピラリーチューブ86が設けられている。
ブースタ回路20dには、吸入管78と吐出管79とを接続するバイパス管87が設けられている。バイパス管87には、逆止弁CVが設けられている。バイパス管87は、ブースタ圧縮機81が故障した際等において、吸入管78の冷媒を、ブースタ圧縮機81をバイパスさせて吐出管79へ送るためのものである。
ブースタ回路20dには、液管74と液管75とがさらに設けられている。液管74の一端は、分岐管11cに接続されている。液管74の他端は、閉鎖弁83を介して後述する過冷却熱交換器100に接続されている。液管74には、この液管74から分岐するインジェクション管93の一端が接続されている。
過冷却熱交換器100は、第1流路101と第2流路102とを有している。第1流路101の一端は、液管74の他端に接続されている。第1流路101の他端は、液管75に接続されている。すなわち、第1流路101は、熱源側熱交換器33で凝縮した後の高圧液冷媒が流れる流路である。
第2流路102の上流側の端部には、第1インジェクション管93の他端が接続されている。第2流路102の下流側の端部には、接続管94の一端が接続されている。接続管94の他端は、吐出管79に接続されている。第1インジェクション管93には膨張弁(電子膨張弁)EV1が設けられている。すなわち、第2流路102は、熱源側熱交換器33で凝縮した後の高圧液冷媒が膨張弁EV1で減圧され、この減圧された冷媒が流れる流路である。
第1インジェクション管93は、膨張弁EV1で減圧した冷媒をブースタ圧縮機81の吐出側に供給するものである。すなわち、第1インジェクション管93は、液管74の液冷媒の一部を、冷凍用熱交換器23cを通過させずにブースタ圧縮機81に接続された吐出管79に供給する。
ブースタ回路20dには、第2インジェクション管95がさらに設けられている。第2インジェクション管95の流入端は、第1インジェクション管93における膨張弁EV1より上流側と接続されている。第2インジェクション管95の流出端は、ガス管78におけるバイパス管87より上流側に接続されている。第2インジェクション管95には、膨張弁(電子膨張弁)EV2が設けられている。
第2インジェクション管95は、膨張弁EV2で減圧した冷媒をブースタ圧縮機81の吸入側へ供給する。第2インジェクション管95は、液管74の液冷媒の一部を、冷凍用熱交換器23cを通過させずにブースタ圧縮機81の吸入側へ供給する。
ブースタ回路20dには、接続管96がさらに設けられている。接続管96は、第1インジェクション管93と吐出管79とを接続している。接続管96には、第1インジェクション管93から吐出管79に向かう冷媒の流れのみを許容する逆止弁CVが設けられている。
ブースタ回路20dには、吸入管78を流れる冷媒の圧力を検知する低圧圧力センサPL2と、吐出管79を流れる冷媒の温度を検知する温度センサT3と、第1インジェクション管93から第2流路102に流入する冷媒の温度を検知する温度センサT4と、第2流路102から接続管94に流出した冷媒の温度を検知する温度センサT5とが設けられている。
<制御部>
制御部4は、例えば中央演算処理装置(CPU)と、ROMやRAM等のメモリとを備えたマイクロコンピュータで構成されている。制御部4には、温度センサT1〜T7,Te,TL,TM,TR,Tout,Tin及び圧力センサPL,PL2,PH,Pinの検出値を示す制御信号が入力される。制御部4は、これらの制御信号に基づいて高段側圧縮機構及び低段側圧縮機構の運転制御、各膨張弁の開度制御、各電磁弁の開閉制御などを行う。
<運転動作>
次に、冷凍装置1の運転動作について説明する。この冷凍装置1は、通常運転モードと、除霜運転モードとを切り換え可能である。通常運転モードでは、冷蔵ユニット2a,2bの冷蔵庫内を冷却し、冷凍ユニット2cの冷凍庫内を冷却する。除霜運転モードでは、冷蔵ユニット2a,2bにおいて除霜を行いつつ、冷凍ユニット2cの冷凍庫内を冷却する。冷蔵庫としては、例えば冷蔵ショーケースが挙げられ、冷凍庫としては、例えば冷凍ショーケースが挙げられる。
<通常運転モード>
図1は、通常運転モードにおける冷媒の流れを示している。この通常運転モードでは、制御部4は、高段側圧縮機構の3つの圧縮機31L,31M,31Rのうちの少なくとも1つと、ブースタ圧縮機81とを運転させ、各膨張弁、各電磁弁SV、各ファンなどを冷蔵庫及び冷凍庫の負荷に応じて適宜調節する。これにより、図1における矢印方向に冷媒が循環する。具体的には、以下の通りである。
圧縮機31L,31M,31Rによって圧縮された高圧の冷媒は、吐出管62L,62M,62R及び吐出合流管62を通って熱源側熱交換器33に流入する。
吐出管62L,62M,62Rに設けられた油セパレータ91L,91M,91Rは、吐出管62L,62M,62Rを流れる高圧の冷媒から冷凍機油を分離して貯留する。貯留された冷凍機油は、油戻し管92L,92M,92R及び油戻し合流管92を通ってインジェクション管68に流入する。
熱源側熱交換器33は、流入した高圧冷媒を室外空気に放熱させ、高圧冷媒を凝縮させる。凝縮した冷媒は、第1液管65を通ってレシーバ34に導入され、レシーバ34の底部から第2液管66に流入する。第2液管66に流入した冷媒は、一部が分岐管63に流入し、残りは過冷却熱交換器35の高圧側流路35Hに流入する。
分岐管63に流入した冷媒は、分岐管63a,63bに分流する。分岐管63aに流入した冷媒は、膨張弁36により減圧された後、過冷却熱交換器35の低圧側流路35Lに流入する。分岐管63bに流入した冷媒は、膨張弁37により減圧された後、インジェクション管68に流入する。
過冷却熱交換器35では、高圧側流路35Hを流れる冷媒と低圧側流路35Lを流れる冷媒とが熱交換して、高圧側流路35Hを流れる冷媒が過冷却され、低圧側流路35Lを流れる冷媒が蒸発する。低圧側流路35Lにおいて蒸発したガス冷媒は、インジェクション管68に流入する。
高圧側流路35Hにおいて過冷却された液冷媒は、第3液管67に流入し、一部が分岐管63cに流入して分岐管63に戻り、残りは液側連絡配管11に流入する。
液側連絡配管11に流入した冷媒は、分岐管11abと分岐管11cに分流する。分岐管11abに流入した冷媒は、さらに分岐管11a,11bに分流する。分岐管11aに流入した冷媒は、冷蔵ユニット2aの冷蔵ユニット回路20aに流入し、分岐管11bに流入した冷媒は、冷蔵ユニット2bの冷蔵ユニット回路20bに流入する。分岐管11cに流入した冷媒は、冷凍ユニット2cの冷凍ユニット回路20cに流入する。
冷蔵ユニット回路20a,20bに流入した冷媒は、膨張弁27,27によりそれぞれ減圧された後、冷蔵用熱交換器23,23にそれぞれ流入する。各冷蔵用熱交換器23は、流入した低圧冷媒を冷蔵庫内空気から吸熱させ、低圧冷媒を蒸発させる。これにより、冷蔵庫内空気が冷却される。蒸発した冷媒は、ガス側連絡配管12を通って熱源ユニット回路30に戻る。各冷蔵庫では、例えば庫内温度が5℃程度に維持される。この場合、冷蔵用熱交換器23,23における冷媒の目標蒸発温度は、例えば−5℃程度に設定される。
冷凍ユニット回路20cに流入した冷媒は、ブースタユニット2dの液管74を流れる。この冷媒は、過冷却熱交換器100の第1流路101を通過した後、液管76を流れ、膨張弁27により減圧された後、冷凍用熱交換器23cに流入する。第1流路101を通過する冷媒は、第2流路102を流れる冷媒、すなわち液管74からインジェクション管93に分流して膨張弁EV1により減圧されて第2流路102を流れる冷媒と熱交換することにより過冷却される。第2流路102を通過した冷媒は、吐出管79に合流する。
冷凍用熱交換器23cでは、冷媒が冷凍庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、冷凍庫内空気が冷却される。この冷凍庫では、例えば庫内温度が−10℃程度に維持される。この場合、冷凍用熱交換器23cにおける冷媒の目標蒸発温度は、例えば−20℃程度に設定される。冷凍用熱交換器23cで蒸発した冷媒は、ガス管77を通ってブースタユニット2dに送られる。
ブースタユニット2dに流入した冷媒は、吸入管78を通ってブースタ圧縮機81に吸入され、ブースタ圧縮機81において圧縮される。圧縮された冷媒は、吐出管79に吐出される。吐出管79に吐出された冷媒は、分岐管12cを通ってガス側連絡配管12に流入する。ガス側連絡配管12では、ブースタ圧縮機81から吐出された冷媒と、上述の冷蔵用熱交換器23,23で蒸発した冷媒とが合流する。合流した冷媒は、熱源ユニット回路30に流入する。
熱源ユニット回路30に流入した冷媒は、吸入管61に流入した後、吸入管61L,61M,61Rに分流する。吸入管61L,61M,61Rに流入した冷媒は、圧縮機31L,31M,31Rに吸入され、圧縮機31L,31M,31Rにおいて圧縮された後、再び吐出管62L,62M,62Rに吐出される。
一方、インジェクション管68に流入したガス冷媒は、油戻し合流管92に流入した冷凍機油とともに、分岐インジェクション管68L,68M,68Rを通って圧縮機31L,31M,31Rにおける中間圧の圧縮室に導入される。ガス冷媒のインジェクション量は、過冷却用膨張弁36の開度によって調整される。冷凍装置1の通常運転モードでは、冷媒が冷媒回路10を上記のように循環する。
<除霜運転モード>
(制御例1)
図2は、除霜運転モードにおける冷媒回路10中の冷媒の流れを示している。図3は、除霜運転モードにおける制御例1を示すフローチャートである。制御部4は、上述した通常運転モード(ステップS1)において、全ての冷蔵ユニット2a,2bがオフである信号を受けると(ステップS2)、除霜運転モードに移行する(ステップS3)。
全ての冷蔵ユニット2a,2bがオフである信号を制御部4が受けるケースとしては、例えば、制御部4が、予め定められた条件に基づいて冷蔵ユニット2a,2bが着霜したと判断し、冷蔵ユニット2a,2bの冷却を停止させる場合が挙げられる。この場合、制御部4は、例えば冷蔵ユニット2a,2bの膨張弁27,27を全閉状態とし、全ての冷蔵ユニット2a,2bの冷却を停止し、膨張弁27,27を全閉状態とする。制御部4は、膨張弁27,27が全閉状態になったことを示す信号を受ける。膨張弁27,27が全閉状態とされることにより、冷蔵ユニット回路20a,20bには冷媒が流入しないので、冷蔵ユニット2a,2bの冷却が停止される。
着霜の判断基準としては、次のような条件が例示できる。例えば、制御部4は、通常運転モードにおいて、温度センサTeが検出する冷蔵用熱交換器23における冷媒の温度(蒸発温度)が予め定められた値TS1よりも小さい状態の積算時間が予め定められた時間よりも長くなった場合には、利用側熱交換器23において着霜が生じたと判断する。
除霜運転モードに移行すると、制御部4は、高段側圧縮機構31(圧縮機31L,31M,31R)の運転を停止する一方でブースタ圧縮機(低段側圧縮機構)81の運転を継続する(ステップS4)。また、制御部4は、冷蔵ユニット回路20a,20bのファン28,28を停止させる。なお、除霜運転モードではファン28,28の運転を継続させてもよい。
高段側圧縮機構31が停止すると、冷媒は、熱源ユニット回路30には流入しなくなり、図2に示すように冷蔵ユニット回路20a,20bと冷凍ユニット回路20cとの間を矢印の方向に循環する。この場合、冷凍用熱交換器23cは、蒸発器として機能し、冷蔵用熱交換器23,23は、凝縮器として機能する。
除霜運転モードでは、制御部4は、ブースタ圧縮機81から吐出される冷媒を冷蔵用熱交換器23,23に供給しつつ、冷凍用熱交換器23cにおける蒸発温度が目標蒸発温度となるようにブースタ圧縮機81、各膨張弁などを制御する。
除霜運転モードにおける冷媒の流れは次の通りである。ブースタ圧縮機81から吐出管79に吐出された高温高圧のガス冷媒は、分岐管12cに流入し、分岐管12aと分岐管12bに分流する。分岐管12aに流入したガス冷媒は、冷蔵ユニット回路20aに流入し、ガス管72を経由して冷蔵用熱交換器23に流入する。
冷蔵用熱交換器23では、高温の冷媒が流れることにより、冷蔵用熱交換器23の表面に付着した霜が融解し、図略のドレンパンに収容される。一方、ガス冷媒は、冷蔵用熱交換器23において凝縮して液冷媒となり、冷蔵用熱交換器23からバイパス管73に流出する。バイパス管73を流れる液冷媒は、液管71及び分岐管11aを経由して分岐管11abに流入する。
分岐管12bを通じて冷蔵ユニット回路20bに流入したガス冷媒は、上述した冷蔵ユニット回路20aと同様に、ガス管72を経由して冷蔵用熱交換器23に流入して液冷媒となる。この液冷媒は、バイパス管73、液管71及び分岐管11bを経由して分岐管11abに流入し、冷蔵ユニット回路20aから流入した液冷媒と合流する。
分岐管11abにおいて合流した液冷媒は、分岐管11cを経由して冷凍ユニット回路20cの液管74に流入する。この液冷媒は、過冷却熱交換器100の第1流路101を通過した後、液管76を流れ、膨張弁27により減圧された後、冷凍用熱交換器23cに流入する。
第1流路101を通過する冷媒は、第2流路102を流れる冷媒、すなわち液管74からインジェクション管93に分流して膨張弁EV1により減圧されて第2流路102を流れる冷媒と熱交換することにより過冷却される。第2流路102を通過した冷媒は、吐出管79に合流する。
冷凍用熱交換器23cでは、冷媒が冷凍庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、冷凍庫内空気が冷却される。この冷凍庫では、例えば庫内温度が−10℃程度に維持される。この場合、冷凍用熱交換器23cにおける冷媒の目標蒸発温度は、例えば−20℃程度に設定される。冷凍用熱交換器23cで蒸発した冷媒は、ガス管77を通ってブースタユニット2dに送られる。
ブースタユニット2dに流入した冷媒は、吸入管78を通ってブースタ圧縮機81に吸入され、ブースタ圧縮機81において圧縮される。圧縮された冷媒は、吐出管79に吐出される。制御例1の除霜運転モードでは、冷媒が冷蔵ユニット回路20a,20bと冷凍ユニット回路20cとを上記のように循環する。
制御部4は、予め定められた条件によって冷蔵ユニット回路20a,20bにおける除霜が完了したことを示す信号を受けたとき(ステップS5)、除霜運転モードを終了し、高段側圧縮機構31の運転を再開し、通常運転モードに移行する。除霜完了の判断条件としては、次のような条件が例示できる。
例えば、制御部4は、除霜運転モードにおいて、温度センサTeが検出する冷蔵用熱交換器23における冷媒の温度(蒸発温度)が予め定められた値TS3よりも大きくなると、冷蔵用熱交換器23において除霜が完了したと判断することができる。また、制御部4は、除霜運転時に、低圧圧力センサPL(図1参照)が検出する低圧圧力(吸入圧力)が予め定められた値よりも大きくなると、冷蔵用熱交換器23において除霜が完了したと判断してもよい。また、制御部4は、除霜運転開始からの経過時間が予め定められた値を超えると、冷蔵用熱交換器23において除霜が完了したと判断してもよい。
(制御例2)
図4は、除霜運転モードにおける制御例2を示すフローチャートである。この制御例2では、ブースタ圧縮機81から吐出されるガス冷媒の圧力を低圧圧力センサPL(図1参照)により検出し、この検出値が予め定められた基準値PS1より大きくなったときに、制御部4は、高段側圧縮機構31の運転を再開し、通常運転モードに移行する制御を行う。制御例2では、この点が制御例1と異なっており、図4に示すステップS11〜S14の動作は、図3に示すステップS1〜S4の動作と同様である。
ステップS15では、制御部4は、予め定められた条件によって冷蔵ユニット回路20a,20bにおける除霜が完了したことを示す信号を受けたとき(ステップS15でYES)、除霜運転モードを終了し、高段側圧縮機構31の運転を再開し、通常運転モードに移行する。一方、除霜が未完であり上記信号を受けていない場合には、制御部4は、ステップS16の判断を行う。
ステップS16において、低圧圧力センサPLの検出値が基準値PS1より大きい場合、制御部4は、この時点では除霜が未完であるがブースタ圧縮機81を保護するために除霜運転モードを終了し、高段側圧縮機構31の運転を再開して通常運転モードに移行する制御を行う。一方、低圧圧力センサPLの検出値が基準値PS1以下である場合、制御部4は、除霜運転モードを継続する。
(制御例3)
図5は、除霜運転モードにおける制御例3を示すフローチャートである。この制御例3では、ブースタユニット2dにおける低圧圧力センサPL2の検出値P1が予め定められた基準値PS2よりも小さくなったときに、ブースタ圧縮機(低段側圧縮機構)81を停止し、冷蔵ユニット回路20a,20bのファン28,28を運転する制御を行う。制御例3では、この点が制御例1と異なっており、図5に示すステップS21〜S24の動作は、図3に示すステップS1〜S4の動作と同様である。
ステップS25では、制御部4は、予め定められた条件によって冷蔵ユニット回路20a,20bにおける除霜が完了したことを示す信号を受けたとき(ステップS25でYES)、除霜運転モードを終了し、高段側圧縮機構31の運転を再開し、通常運転モードに移行する。一方、除霜が未完であり上記信号を受けていない場合には、制御部4は、ステップS26の判断を行う。
ステップS26において、低圧圧力センサPL2の検出値が基準値PS2より小さい場合、制御部4は、ブースタ圧縮機81を停止し、冷蔵ユニット回路20a,20bのファン28,28を運転する(ステップS27)。すなわち、ステップS27では、ファン28,28を回転させて周囲の空気を熱交換器に送る除霜(いわゆるオフサイクルデフロスト)を行う。
制御部4は、予め定められた条件によって冷蔵ユニット回路20a,20bにおける除霜が完了したことを示す信号を受けたとき(ステップS28でYES)、除霜運転モードを終了し、高段側圧縮機構31の運転を再開し、通常運転モードに移行する。一方、制御部4は、除霜が未完であり上記信号を受けていない場合には、制御部4は、ステップS29の判断を行う。
制御部4は、ステップS29において低圧圧力センサPL2の検出値が予め定められた基準値PS3より大きい場合には、ステップS24に進み、ブースタ圧縮機81の運転を再開する。一方、制御部4は、低圧圧力センサPL2の検出値が基準値PS3以下である場合には、ステップS28に進む。なお、基準値PS3は、基準値PS2よりも大きな値であり、ハンチング現象を抑制するための基準値である。
本実施形態をまとめると以下のようになる。
本実施形態では、制御部4は、高段側圧縮機構31を停止する一方でブースタ圧縮機81を運転しブースタ圧縮機81から吐出される冷媒を冷蔵用熱交換器23,23に供給して冷蔵用熱交換器23,23の除霜をする。すなわち、ブースタ圧縮機81から吐出される高温高圧の冷媒を用いて冷蔵用熱交換器23,23の除霜を行うので、除霜に要する時間を短縮することができる。しかも、この除霜中においても制御部4は、冷凍用熱交換器23cにおける蒸発温度が目標蒸発温度となるようにブースタ圧縮機81を制御するので、冷凍ユニット2cの冷却を引き続き行うことができる。
本実施形態における除霜運転モードでは、熱源ユニット3において熱を空気中に放出するのではなく、ブースタ圧縮機81において生成された熱を、冷蔵ユニットの冷蔵用熱交換器の除霜のためのエネルギーとして回収している。
本実施形態では、除霜運転モードにおいて冷蔵用熱交換器23,23を除霜する際の凝縮温度は比較的低くてよい。したがって、除霜運転モードでは、低段側圧縮機構81のみによる単段運転で除霜を行いつつ、冷凍ユニットを冷却することができる。したがって、高段側圧縮機構及び低段側圧縮機構の両方を運転して除霜運転を行う場合に比べて、高段側圧縮機構31を停止する分、省エネルギー化を図ることができる。
また、本実施形態では、制御部4は、除霜運転モードにおいて冷蔵用熱交換器23,23の除霜が完了したことを示す信号を受けたときに高段側圧縮機構31の運転を再開する制御を行うので、除霜完了の信号に基づいた適切なタイミングで通常運転モードに復帰することができる。
また、本実施形態では、除霜運転モードにおけるブースタ圧縮機81から吐出される冷媒の圧力を検出する低圧圧力センサPLを備え、制御部4は、除霜運転モードにおいて低圧圧力センサPLの検出値が予め定められた基準値PS1より大きくなったときに高段側圧縮機構31の運転を再開する制御を行う。したがって、ブースタ圧縮機81から吐出される冷媒の吐出圧力が過度に高くなるのを防止することできるので、ブースタ圧縮機81のオーバーロードを適切に防止できる。
また、本実施形態では、ブースタ圧縮機81に吸入される冷媒の吸入圧力を検出する低圧圧力センサPL2と、冷蔵用熱交換器23,23に空気を送るファン28,28とをさらに備え、制御部4は、除霜運転モードにおいて低圧圧力センサPL2の検出値が予め定められた基準値PS2よりも小さくなったときに、ブースタ圧縮機81を停止し、ファン28,28を運転する制御を行う。したがって、冷凍ユニット2cにおいて目標蒸発温度に比べて実際の蒸発温度が過度に低くなるのを抑制できる。また、ブースタ圧縮機81は停止されるものの、冷蔵ユニット2a,2bにおいてファン28,28を運転するので、引き続き冷蔵用熱交換器23,23の除霜(いわゆるオフサイクルデフロスト)を行うことができる。
また、本実施形態では、冷蔵ユニット2a,2bは、膨張弁27,27と、膨張弁27,27をバイパスするバイパス管73,73とを備えているので、冷蔵ユニット2a,2bにおける冷却を停止する手段として膨張弁27,27を全閉にする方法を採用できる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
例えば、前記実施形態では、制御例1〜3を例示したが、これに限定されない。例えば、制御例2,3では、低圧圧力センサPL、低圧圧力センサPL2などの検出値と基準値とを比較して除霜運転モードを制御しているが、温度などの他の冷媒状態量を検出して基準値と比較することによって除霜運転モードを制御してもよい。
また、前記実施形態では、冷蔵ユニット回路20a,20bにおいてバイパス管73,73を設けた場合を例示したが、バイパス管73,73は、省略することもできる。
また、前記実施形態では、冷凍装置1が過冷却熱交換器35及び過冷却熱交換器100を備えている場合を例示したが、これらの過冷却熱交換器は、一方又は両方を省略することもできる。また、圧縮機構31への中間インジェクションを省略してもよい。
1 冷凍装置
10 冷媒回路
11 液側連絡配管
12 ガス側連絡配管
2 第1利用ユニット
2a,2b 冷蔵ユニット
2c 冷凍ユニット(第2利用ユニット)
20a,20b 冷蔵ユニット回路
23 冷蔵用熱交換器
23c 冷凍用熱交換器
28 ファン
3 熱源ユニット
30 熱源ユニット回路
31 高段側圧縮機構
31L,31M,31R 圧縮機
33 熱源側熱交換器
4 制御部
73 パイパス管
81 ブースタ圧縮機(低段側圧縮機構)
PL,PL2 低圧圧力センサ

Claims (5)

  1. 高段側圧縮機構(31)と熱源側熱交換器(33)とを含む熱源ユニット(3)と、
    第1利用側熱交換器(23)を含む第1利用ユニット(2)と、
    第2利用側熱交換器(23c)と前記第2利用側熱交換器(23c)において蒸発した冷媒を圧縮する低段側圧縮機構(81)とを含み、前記熱源ユニット(3)に対して前記第1利用ユニット(2)と互いに並列に接続された第2利用ユニット(2c)と、
    前記高段側圧縮機構(31)及び前記低段側圧縮機構(81)を制御する制御部(4)と、を備えた冷凍装置であって、
    前記制御部(4)は、前記高段側圧縮機構(31)を停止する一方で前記低段側圧縮機構(81)を運転し前記低段側圧縮機構(81)から吐出される冷媒を前記第1利用側熱交換器(23)に供給しつつ、第2利用側熱交換器(23c)における蒸発温度が目標蒸発温度となるように前記低段側圧縮機構(81)を制御する除霜運転モードを実行する冷凍装置。
  2. 前記制御部(4)は、前記除霜運転モードにおいて前記第1利用側熱交換器(23)の除霜が完了したことを示す信号を受けたときに前記高段側圧縮機構(31)の運転を再開する制御を行う、請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記除霜運転モードにおける前記低段側圧縮機構(81)から吐出される冷媒の状態量を検出する第1センサ(PL)をさらに備え、
    前記制御部(4)は、前記除霜運転モードにおいて前記第1センサ(PL)の検出値が予め定められた値より大きくなったときに前記高段側圧縮機構(31)の運転を再開する制御を行う、請求項1又は2に記載の冷凍装置。
  4. 前記低段側圧縮機構(81)に吸入される冷媒の状態量を検出する第2センサ(PL2)と、
    前記第1利用側熱交換器(23)に空気を送るファン(28)と、をさらに備え、
    前記制御部(4)は、前記除霜運転モードにおいて前記第2センサ(PL2)の検出値が予め定められた値よりも小さくなったときに、前記低段側圧縮機構(81)を停止し、前記ファン(28)を運転する制御を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  5. 前記第1利用ユニット(2)は、開閉可能な減圧機構と、前記減圧機構をバイパスするバイパス経路とをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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