JP2001324237A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置

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JP2001324237A
JP2001324237A JP2000140559A JP2000140559A JP2001324237A JP 2001324237 A JP2001324237 A JP 2001324237A JP 2000140559 A JP2000140559 A JP 2000140559A JP 2000140559 A JP2000140559 A JP 2000140559A JP 2001324237 A JP2001324237 A JP 2001324237A
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refrigerant
pressure
heat exchanger
air
compressor
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JP2000140559A
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Hiroshi Ishikawa
石川  浩
Kunio Iritani
邦夫 入谷
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機へのガスインジェクションによる暖房
能力の向上と、圧縮機へのオイル戻り性の向上とを両立
させる。 【解決手段】 少なくとも暖房モード時に冷媒を凝縮さ
せて空気を加熱する室内凝縮器12を通過した高圧冷媒
の一部をバイパスさせて第1減圧装置26により中間圧
に減圧し、室内凝縮器12通過後の高圧冷媒と第1減圧
装置26通過後の中間圧冷媒とを冷媒−冷媒熱交換器2
3により熱交換させ、この熱交換によりガス化した中間
圧ガス冷媒を圧縮機22にガスインジェクションする。
更に、暖房モード時に冷凍サイクルの高圧圧力に関連す
る物理量を検出し、この検出値に基づいて決定される上
限値以下に室内熱交換器12を通過する風量を制限す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスインジェクシ
ョンにより暖房能力の向上を図るヒートポンプ式の冷凍
サイクル装置に関し、例えば、電気自動車用空調装置に
用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気自動車等の車両では、エンジ
ン廃熱(温水)を熱源として車室内の暖房を行うことが
できないので、ヒートポンプ式の冷凍サイクル装置を装
備して、凝縮器での冷媒凝縮熱により車室内を暖房する
ようにしている。
【0003】しかし、冬季の寒冷地使用のごとく外気温
が−10°C以下に低下するような使用環境では、ヒー
トポンプサイクルにおいて蒸発器として作用する室外熱
交換器での吸熱量が低下して、圧縮機吸入圧力が低下す
るので、冷媒比容積が大きくなり、冷媒循環量が減少す
るので、暖房能力が低下するという問題があった。この
ため、寒冷地使用では車室内の暖房能力が不足してしま
う。
【0004】そこで、本出願人では、特開平9−395
50号公報において、暖房時に、サイクル高圧冷媒を中
間圧に減圧し、この中間圧冷媒を気液分離器にてガス冷
媒と液冷媒とに分離し、この中間圧のガス冷媒を圧縮機
にガスインジェクションすることにより、暖房時での圧
縮機の圧縮仕事量を増大させて、暖房能力を増大させる
ようにした冷凍サイクル装置を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来装
置では、暖房時に、気液分離器で分離された中間圧ガス
冷媒を温度式膨張弁により低圧まで減圧し、この低圧冷
媒を室外熱交換器で蒸発させ、圧縮機への吸入冷媒の過
熱度を温度式膨張弁により調整しているが、中間期での
暖房低負荷時には、圧縮機回転数の低下により室外熱交
換器を流れる冷媒の流量(流速)が低下して室外熱交換
器に冷媒中のオイルが溜まりやすくなる。その結果、圧
縮機へのオイル戻りが悪化する恐れがあった。
【0006】本発明は上記点に鑑みて、圧縮機へのガス
インジェクションによる暖房能力の向上と、圧縮機への
オイル戻り性の向上とを両立させることを目的とする。
【0007】また、本発明は、ガスインジェクションに
伴う圧縮機の過圧縮を防止することを他の目的とする。
【0008】また、本発明は、ガスインジェクション併
用のヒートポンプ式冷凍サイクル装置において、室外熱
交換器の着霜抑制を良好に行うことを他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、請求項1に記載の発明で
は、圧縮機(22)として吐出ポート(22a)および
吸入ポート(22b)の他に、冷凍サイクル中間圧側の
ガス冷媒を導入するガスインジェクションポート(22
c)を有する圧縮機(22)を用い、室内へ向かって空
気が流れる空調通路(2)内に、暖房モード時に圧縮機
(22)の吐出ポート(22a)から吐出された高圧の
ガス冷媒により空気を加熱する室内熱交換器(12)を
設置し、暖房モード時に室内熱交換器(12)通過後の
高圧冷媒の一部をバイパスさせるとともに、この一部の
高圧冷媒を第1減圧装置(26)により中間圧に減圧
し、室内熱交換器(12)通過後の高圧冷媒と第1減圧
装置(26)通過後の中間圧冷媒とを冷媒−冷媒熱交換
器(23)により熱交換させ、この冷媒−冷媒熱交換器
(23)にて冷却された高圧冷媒を第2減圧装置(2
7)により低圧まで減圧し、この第2減圧装置(27)
通過後の低圧冷媒を室外熱交換器(24)にて外気と熱
交換させる。
【0010】そして、暖房モード時に室外熱交換器(2
4)を通過した低圧冷媒の気液をアキュームレータ(2
5)にて分離し、このアキュームレータ(25)からオ
イルが溶け込んだ液冷媒と低圧ガス冷媒とを圧縮機(2
2)の吸入ポート(22b)に向けて流出させるように
し、冷媒−冷媒熱交換器(23)における熱交換により
ガス化した中間圧ガス冷媒を暖房モード時に圧縮機(2
2)のガスインジェクションポート(22c)に導入す
る。
【0011】さらに、暖房モード時に冷凍サイクルの高
圧圧力に関連する物理量を検出し、この検出値に基づい
て決定される上限値(BP)以下に、室内熱交換器(1
2)を通過する風量を制限することを特徴とする。
【0012】これによると、冷媒−冷媒熱交換器(2
3)における熱交換によりガス化した中間圧ガス冷媒を
用いて、圧縮機(22)へのガスインジェクションを実
施することにより暖房時での圧縮機(22)の圧縮仕事
量を増大させて、暖房能力を増大できる。
【0013】しかも、冷媒−冷媒熱交換器(23)を用
いたガスインジェクションであるため、従来技術のよう
に中間圧冷媒の気液を分離する気液分離器が不要とな
り、圧縮機(22)吸入側に配置したアキュームレータ
(25)から圧縮機(22)の吸入ポート(22b)に
サイクル低圧冷媒を送り込むことができる。そして、ア
キュームレータ(25)によりオイルが溶け込んだ液冷
媒を低圧ガス冷媒に確実に混入させることができる。
【0014】その結果、圧縮機回転数の低下により室外
熱交換器(24)を流れる冷媒の流量(流速)が低下し
て室外熱交換器(24)に冷媒中のオイルが溜まりやす
い暖房低負荷時においても、圧縮機(22)へのオイル
戻り性を良好に確保でき、圧縮機(22)の耐久性向上
に貢献できる。
【0015】さらに、このような特徴を持つガスインジ
ェクション併用のヒートポンプ式冷凍サイクル装置にお
いて、請求項1に記載の発明では、暖房モード時に冷凍
サイクルの高圧圧力に関連する物理量を検出し、この検
出値に基づいて決定される上限値(BP)以下に、室内
熱交換器(12)を通過する風量を制限するようにして
いるから、この風量制限により室内熱交換器(12)の
空気側放熱能力が低下して高圧圧力が上昇し、これに伴
ってガスインジェクション流量が増加するので、暖房能
力を速やかに立ち上げることが可能となる。
【0016】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、室内熱交換器(12)の通過風量を設定する風量
設定手段(52)を有し、この風量設定手段(52)に
より設定された設定風量(BO)よりも上限値(BP)
を優先させることを特徴とする。
【0017】これにより、設定風量(BO)の如何にか
かわらず、室内熱交換器(12)の通過風量を上限値
(BP)以下に制限することができる。
【0018】より具体的には、請求項3に記載の発明の
ように、設定風量(BO)と上限値(BP)との大小を
判定し、設定風量(BO)が上限値(BP)より大きい
と判定されたときは、室内熱交換器(12)の通過風量
を上限値(BP)とし、設定風量(BO)が上限値(B
P)より小さいと判定されたときは、室内熱交換器(1
2)の通過風量を設定風量(BO)とすればよい。
【0019】請求項4に記載の発明のように、室内熱交
換器(12)の通過風量は、送風機(7)の風量制御に
より制御することができる。
【0020】また、請求項5に記載の発明のように、空
気通路(2)内に、室内熱交換器(12)を通過する空
気と、室内熱交換器(12)をパイパスする空気とを振
り分けるドア手段(16、17)を配置し、室内熱交換
器(12)の通過風量をドア手段(16、17)の開度
により制御するようにしてもよい。
【0021】請求項6に記載の発明では、請求項1と同
様の特徴を持つガスインジェクション併用のヒートポン
プ式冷凍サイクル装置において、さらに、室内熱交換器
(12)における暖房能力が所定値以下であると判定し
たときに、前記ガスインジェクションポート(22c)
への中間圧ガス冷媒流量(すなわち,ガスインジェクシ
ョン流量)を増加させることを特徴とする。
【0022】請求項6に記載の発明によると、請求項1
と同様に、ガスインジェクションにより暖房能力を増大
できると同時に、暖房低負荷時においてもアキュームレ
ータ(25)により圧縮機(22)へのオイル戻り性を
良好に確保できる。
【0023】さらに、暖房能力が所定値以下のとき(暖
房能力不足時)には中間圧ガス冷媒流量(ガスインジェ
クション流量)を増加させることにより、圧縮機(2
2)の圧縮仕事量をより一層増加させて暖房能力を向上
できる。
【0024】請求項7に記載の発明では、請求項6にお
いて、暖房能力が所定値以下であるという判定を圧縮機
(22)の最高回転数域において行うことを特徴とす
る。
【0025】これによると、圧縮機(22)の回転数調
整により暖房能力制御を行っていても、圧縮機(22)
が最高回転数域にあることを確認して暖房能力不足を的
確に判定することができる。
【0026】請求項8に記載の発明では、請求項6また
は7において、圧縮機(22)の負荷が所定値以上であ
ると判定したときに、ガスインジェクションポート(2
2c)への中間圧ガス冷媒流量を減少させることを特徴
とする。
【0027】これにより、ガスインジェクションによる
圧縮機(22)の過負荷状態を回避できる。
【0028】請求項9に記載の発明のように、請求項8
の中間圧ガス冷媒流量の減少は、具体的には第1減圧手
段(26)の開度減少もしくは第2減圧装置(27)の
開度増加により行うことができる。
【0029】請求項10に記載の発明では、請求項6な
いし9のいずれか1つにおいて、圧縮機(22)の温度
が所定値以上であると判定したときに、ガスインジェク
ションポート(22c)への中間圧ガス冷媒流量を増加
させることを特徴とする。
【0030】後述の図9に例示するように、圧縮機(2
2)の吐出冷媒温度はガスインジェクションにより引き
下げることができるので、圧縮機(22)の温度が過度
に上昇することを中間圧ガス冷媒流量(ガスインジェク
ション流量)の増加により未然に防止できる。
【0031】請求項11に記載の発明のように、請求項
6ないし10のいずれか1つにおいて、中間圧ガス冷媒
流量の増加は、具体的には第1減圧装置(26)の開度
増加もしくは第2減圧装置(27)の開度減少により行
うことができる。
【0032】請求項12に記載の発明では、請求項1、
6と同様の特徴を持つガスインジェクション併用のヒー
トポンプ式冷凍サイクル装置において、さらに、暖房モ
ード時に圧縮機(22)の圧縮比が所定値以下であると
きは、ガスインジェクションポート(22c)への中間
圧ガス冷媒流量を減少させるか零にすることを特徴とす
る。
【0033】請求項12に記載の発明によると、請求項
1、6と同様に、ガスインジェクションにより暖房能力
を増大できると同時に、暖房低負荷時においてもアキュ
ームレータ(25)により圧縮機(22)へのオイル戻
り性を良好に確保できる。
【0034】さらに、圧縮比が小さいときに中間圧ガス
冷媒流量(ガスインジェクション流量)を減少させるか
零にすることにより圧縮機(22)の過圧縮を防止し
て、サイクル効率の悪化を防止できる。
【0035】より具体的には、請求項13に記載の発明
のように、圧縮機(22)の圧縮比の判定値として第1
所定値(A)とこの第1所定値(A)より大きい第2所
定値(B)とを設定し、圧縮機(22)の圧縮比が第2
所定値(B)より低下して第1所定値(A)に近づくに
つれて中間圧ガス冷媒流量の減少度合いを大きくし、圧
縮機(22)の圧縮比が第1所定値(A)より低下する
と、中間圧ガス冷媒流量を零にする。
【0036】これによると、圧縮比が大きくなる暖房高
負荷時にはガスインジェクション流量を増大して暖房能
力を向上でき、一方、圧縮比が小さくなる暖房低負荷時
には圧縮比の減少につれてガスインジェクション流量を
減少して圧縮機(22)の過圧縮を確実に防止できる。
【0037】請求項14に記載の発明では、請求項1、
6、12と同様の特徴を持つガスインジェクション併用
のヒートポンプ式冷凍サイクル装置において、さらに、
暖房モード時に圧縮機(22)の吐出圧力の判定値とし
て外気温により決定された所定圧力を設定し、圧縮機
(22)の実際の吐出圧力が前記所定圧力より低下した
ときは、ガスインジェクションポート(22c)への中
間圧ガス冷媒流量を減少させるか零にすることを特徴と
する。
【0038】請求項14に記載の発明によると、請求項
1、6、12と同様に、ガスインジェクションにより暖
房能力を増大できると同時に、暖房低負荷時においても
アキュームレータ(25)により圧縮機(22)へのオ
イル戻り性を良好に確保できる。
【0039】暖房モード時に室外熱交換器(24)では
外気から吸熱して低圧冷媒を蒸発させるため、圧縮機
(22)の吸入圧力は外気温との間に相関関係を持って
いる。従って、外気温により決定された所定圧力よりも
実際の吐出圧力が低下したときは圧縮比が小さい状態で
あると推定できる。そこで、このような推定条件を満足
するときに中間圧ガス冷媒流量(ガスインジェクション
流量)を減少することにより圧縮機(22)の過圧縮を
防止することができる。
【0040】請求項15に記載の発明では、請求項1、
6、12、14と同様の特徴を持つガスインジェクショ
ン併用のヒートポンプ式冷凍サイクル装置において、さ
らに、暖房モード時に室内熱交換器(12)の加熱度合
いの判定値として外気温により決定された所定加熱度合
いを設定し、室内熱交換器(12)の実際の加熱度合い
が所定加熱度合いより低下したときは、ガスインジェク
ションポート(22c)への中間圧ガス冷媒流量を減少
させるか零にすることを特徴とする。
【0041】請求項15に記載の発明によると、請求項
1、6、12、14と同様に、ガスインジェクションに
より暖房能力を増大できると同時に、暖房低負荷時にお
いてもアキュームレータ(25)により圧縮機(22)
へのオイル戻り性を良好に確保できる。
【0042】暖房モード時に室内熱交換器(12)の加
熱度合いは圧縮機(22)の吐出圧力と相関関係がある
から、室内凝縮器12の加熱度合いが低下することは吐
出圧力Pdが低下することを意味している。従って、外
気温により決定された所定の加熱度合いよりも実際の加
熱度合いが低下したときは圧縮比が小さい状態であると
推定できる。そこで、このような推定条件を満足すると
きに中間圧ガス冷媒流量(ガスインジェクション流量)
を減少することにより圧縮機(22)の過圧縮を防止す
ることができる。
【0043】請求項16に記載の発明のように、請求項
12ないし15のいずれか1つにおいて、中間圧ガス冷
媒流量は第1減圧装置(26)もしくは第2減圧装置
(27)の開度制御により制御することができる。
【0044】請求項17に記載の発明では、請求項1、
6、12、14、15と同様の特徴を持つガスインジェ
クション併用のヒートポンプ式冷凍サイクル装置におい
て、さらに、暖房モード時に室外熱交換器(24)の着
霜を判定し、室外熱交換器(24)の着霜量が所定量よ
り大きいときは、圧縮機(22)の回転数を低下するこ
とを特徴とする。
【0045】請求項17に記載の発明によると、請求項
1、6、12、14、15と同様に、ガスインジェクシ
ョンにより暖房能力を増大できると同時に、暖房低負荷
時においてもアキュームレータ(25)により圧縮機
(22)へのオイル戻り性を良好に確保できる。
【0046】さらに、暖房モード時に室外熱交換器(2
4)の着霜量が所定量より大きいときは圧縮機(22)
の回転数を低下することにより、室外熱交換器(24)
における冷媒蒸発圧力(圧縮機吸入圧)が上昇して、室
外熱交換器(24)の着霜を抑制できる。
【0047】請求項18に記載の発明では、請求項17
において、室内を予め暖房しておくプレ暖房モードを設
定するプレ暖房設定手段(61)を有し、プレ暖房モー
ドが実行されたときに、室外熱交換器(24)の着霜量
が所定量より大きいときは、圧縮機(22)の回転数を
低下することを特徴とする。
【0048】これにより、プレ暖房モード時においても
圧縮機(22)の回転数低下により室外熱交換器(2
4)の着霜を抑制できる。
【0049】請求項19に記載の発明では、請求項17
または18において、室外熱交換器(24)の着霜量が
所定量より大きいときは、ガスインジェクションポート
(22c)への中間圧ガス冷媒流量を増加させることを
特徴とする。
【0050】請求項17または18のように室外熱交換
器(24)の着霜抑制のために、圧縮機(22)の回転
数を低下させると、室外熱交換器(24)の着霜を抑制
できる反面、サイクル内の冷媒循環量が減少して暖房能
力低下の原因となる。そこで、請求項19では、室外熱
交換器(24)の着霜量が所定量より大きいときに圧縮
機(22)の回転数を低下させるととともに中間圧ガス
冷媒流量(ガスインジェクション流量)を増加させる制
御を行う。
【0051】このため、ガスインジェクション流量の増
加により圧縮機(22)の圧縮仕事量が増加して冷媒循
環量減少を補うことができ、圧縮機回転数低下時の暖房
能力減少を抑制することができる。
【0052】請求項20に記載の発明では、室外熱交換
器(24)の着霜量が所定量以下であるときは、冷媒−
冷媒熱交換器(23)通過後の高圧冷媒の過冷却度を第
2減圧装置(27)の開度制御により制御することを特
徴とする。
【0053】これにより、室外熱交換器(24)の着霜
量が少ないときには高圧冷媒の過冷却度をサイクル効率
のよくなる範囲に制御することを優先して、サイクル効
率の向上を図ることができる。
【0054】請求項21に記載の発明のように、請求項
17ないし20のいずれか1つにおいて、中間圧ガス冷
媒流量の増加は具体的には第1減圧装置(26)の開度
増加もしくは第2減圧装置(27)の開度減少により行
うことができる。
【0055】請求項22に記載の発明では、室外熱交換
器(24)の着霜量の判定値として暖房モード(通常暖
房モード)時における第1の判定値(TO1)およびプ
レ暖房モード時における第2の判定値(TO2)を設定
し、第2の判定値(TO2)を第1の判定値(TO1)
に比較して室外熱交換器(24)の着霜量が小さくなる
ように設定することを特徴とする。
【0056】これにより、プレ暖房制御では、通常暖房
制御時よりも着霜判定条件を緩めに設定することで霜の
発生を確実に抑制した状態で、車室内を継続してプレ暖
房することができる。このため、その後、通常暖房制御
を行うときに、室外熱交換器(24)で着霜が生じてい
ない状態で暖房運転を起動でき、十分な暖房能力を発揮
させることができる。一方、通常暖房制御時では、プレ
暖房制御よりも着霜条件を厳しくするため、着霜抑制の
ために圧縮機(22)の回転数が低下する頻度を少なく
することができる。
【0057】請求項23に記載の発明では、空気通路
(2)内において室内熱交換器(12)の上流側に、少
なくとも冷房モード時に低圧冷媒を蒸発させる室内蒸発
器(11)を配置するとともに、空気通路(2)内に、
室内熱交換器(12)を通過する空気と、室内熱交換器
(12)をパイパスする空気とを振り分けるドア手段
(16、17)を配置し、冷房モード時にドア手段(1
6、17)により室内熱交換器(12)への空気流れを
遮断して、空気が室内熱交換器(12)をパイパスして
流れることにより、圧縮機(22)の吐出ガス冷媒が冷
房モード時にも室内熱交換器(12)を通過するように
したことを特徴とする。
【0058】このように、暖房モード以外に冷房モード
時にも暖房用室内熱交換器(12)を圧縮機(22)の
吐出ガス冷媒が通過する冷媒流路構成とすることによ
り、圧縮機(22)の吐出ガス冷媒が常に暖房用室内熱
交換器(12)を通過して室外熱交換器(24)側へ向
かう一方向に流れる。その結果、冷房、暖房切替のため
の四方弁等を廃止でき、冷媒流路構成を簡素化できる。
【0059】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0060】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は、本発明
を電気自動車用空調装置に適用した第1実施形態で、空
調ユニット1は電気自動車の車室内に設置されるもの
で、その空調ダクト2は、車室内に空調空気を導く空調
通路を構成するものである。この空調ダクト2の一端側
に内外気を吸入する吸入口3、4、5が設けられてい
る。内気吸入口4と外気吸入口5は、内外気切替ドア6
により切替開閉される。
【0061】上記吸入口3〜5に隣接して、空調ダクト
2内に空気を送風する送風機7が設置されており、この
送風機7は図示しないモ−タとこのモータにより駆動さ
れるファン7a、7bにより構成される。
【0062】一方、空調ダクト2の他端側には車室内へ
通ずる複数の吹出口、すなわち車室内乗員の足元部に向
かって空調空気を吹き出すフット吹出口8、車室内乗員
の上半身に向かって空調空気を吹き出すフェイス吹出口
9および車両フロントガラスの内面に空調空気を吹き出
すデフロスタ吹出口10が形成されている。
【0063】また、送風機7よりも空気下流側における
空調ダクト2内には冷房用蒸発器11が設けられてい
る。この冷房用蒸発器11は、冷凍サイクル21の一部
を構成する室内熱交換器であり、後述する冷房運転およ
び除湿運転モード時に、内部を流れる冷媒の吸熱作用に
よって、空調ダクト2内の空気を除湿、冷却する冷却器
として機能する。
【0064】また、冷房用蒸発器11よりも空気下流側
における空調ダクト2内には暖房用凝縮器12が設けら
れている。この暖房用凝縮器12は、冷凍サイクル21
の一部を構成する室内熱交換器であり、後述する暖房運
転および除湿運転モード時に、内部を流れる冷媒の放熱
作用によって、空調ダクト2内の空気を加熱する加熱器
として機能する。
【0065】また、空調ダクト2内の空気流路は、仕切
り壁13によりフット吹出口8側の第1空気流路14
と、フェイス吹出口9およびデフロスタ吹出口10側の
第2空気流路15とに仕切られている。この空気流路1
4、15の2分割は冬季の暖房時に次の内外気2層モー
ドを実施するためである。すなわち、冬季暖房時にフッ
ト吹出口8側の第1空気流路14には内気吸入口3から
温度の高い内気を吸入して足元へ温度を吹き出すことに
より暖房負荷を軽減すると同時に、デフロスタ吹出口1
0側の第2空気流路15には外気吸入口5から湿度の低
い外気を吸入して、フロントウインドの曇りを確実に防
止する内外気2層モードを実施するために、空気流路1
4、15の2分割を行っている。
【0066】ドア16、17は凝縮器12を通る空気通
路と凝縮器12をバイパスするバイパス通路12aとを
切り替える通路切替ドアであり、一方のドア17は空気
流路14、15の仕切り部材の役割を兼ねている。ま
た、18は空気流路14、15の下流側に配置されたド
アで、空気流路14、15の仕切り作用と空気流路1
4、15の連通状態とを切り替えるドアである。なお、
前記した各吹出口8、9、10は図示しない吹出口切替
ドアにより開閉される。
【0067】ところで、上記冷凍サイクル21は、冷房
用の蒸発器11と暖房用の凝縮器12とで冷房および暖
房を行うヒートポンプ式冷凍サイクルとして構成されて
おり、蒸発器11と凝縮器12の他に以下の機器を備え
ている。すなわち、冷媒圧縮機22、気液2相の中間圧
冷媒を高圧冷媒と熱交換してガス化する冷媒−冷媒熱交
換器23、室外熱交換器24、サイクル低圧冷媒(圧縮
機吸入冷媒)の気液を分離して余剰液冷媒を溜めておく
アキュムレータ(気液分離器)25、凝縮器12通過後
の高圧冷媒の一部をバイパスさせて中間圧に減圧する第
1減圧装置26、冷媒−冷媒熱交換器23の出口の高圧
冷媒を暖房時に低圧まで減圧する第2減圧装置27、冷
房時に室外熱交換器24からの凝縮後の高圧冷媒を低圧
まで減圧する第3減圧装置29、および冷房、暖房での
冷媒流れを切り替える電磁弁(冷媒経路切替手段)28
a、28bが冷凍サイクル21に備えられている。
【0068】なお、室外熱交換器24は電気自動車の車
室外に設置され、電動室外ファン24aにより送風され
る外気と熱交換するようになっている。また、上記冷媒
圧縮機22は、電動式圧縮機であって、図示しない交流
モータを一体に密封ケース内に内蔵し、このモータによ
り駆動されて冷媒の吸入、圧縮、吐出を行う。この冷媒
圧縮機22の交流モータにはインバータ30により交流
電圧が印加され、このインバータ30により交流電圧の
周波数を調整することによってモータ回転速度を連続的
に変化させるようになっている。従って、インバータ3
0は圧縮機22の回転数調整手段をなすものであり、こ
のインバータ30には、車載バッテリ31からの直流電
圧が印加される。インバータ30は空調用制御装置40
によって通電制御される。
【0069】冷媒圧縮機22には圧縮した冷媒を吐出す
る吐出ポート22a、サイクル低圧側の冷媒を吸入する
吸入ポート22b、および中間圧のガス冷媒をインジェ
クションするガスインジェクションポート22cが備え
られている。このガスインジェクションポート22c
は、ガスインジェクション通路22dを介して冷媒−冷
媒熱交換器23に連通している。
【0070】第1減圧装置26および第2減圧装置27
は電気的に弁開度が調整される電気式膨張弁からなり、
この電気式膨張弁は例えば、ステップモータのような電
気駆動手段を有し、この電気駆動手段により弁体の変位
量を調整して、この弁体により冷媒絞り通路の開度を調
整するものである。また、第3減圧装置29は固定絞り
手段であり、図示の例では、上流側のキャピラリチュー
ブ29aと下流側のオリフィス29bとの組み合わせか
らなる。
【0071】アキュムレータ25はU状の冷媒出口管2
5aを有しており、余剰液冷媒を底部側に溜めてガス冷
媒をU状の冷媒出口管25aの上端開口部から吸入する
ことにより圧縮機22への液バックを防止する。また、
同時に、アキュムレータ25のU状の冷媒出口管25a
の底部に設けた小径のオイル戻し穴(図示せず)から、
オイルが一部溶け込んだ液冷媒を吸入してガス冷媒に混
合することより、圧縮機22へのオイル戻り性を確保す
るように構成されている。
【0072】また、冷媒−冷媒熱交換器23と室外熱交
換器24を接続する高圧側の冷媒配管32には、冷媒−
冷媒熱交換器23出口の高圧冷媒の温度および圧力を検
出するための冷媒温度センサ41aと高圧センサ41b
が設置されている。このセンサ41a、41bの出力信
号は空調用制御装置40に入力され、第2減圧装置27
の開度を制御することで冷媒−冷媒熱交換器23出口の
高圧冷媒の過冷却度(サブクール)を制御する。
【0073】また、前記したインジェクション通路22
dには、第1減圧装置26で減圧された中間圧冷媒の温
度および圧力を検出する中間圧冷媒温度センサ41f、
中間圧センサ41gが設置されている。このセンサ41
f、41gの出力信号は空調用制御装置40に入力さ
れ、第1減圧装置26の開度を制御することで、冷媒−
冷媒熱交換器出口の中間圧冷媒の過熱度(スーパヒー
ト)を制御する。
【0074】空調用制御装置40はマイクロコンピュー
タとその周辺回路にて構成されるもので、空調用制御装
置40には、上記センサ41a、41b、41f、41
gの他に、外気温センサ41c、蒸発器直後の空気温度
を検出する蒸発器温度センサ41d、圧縮機22の吐出
ガス温度を検出する吐出温度センサ41e、室外熱交換
器24出口の冷媒温度センサ41h、インバータ30の
電流センサ41i等のセンサ群41からセンサ信号が入
力されるようになっている。
【0075】また、空調用制御装置40には、空調操作
パネル50(図2参照)から乗員(ユーザ)により操作
される各レバーの設定状況に応じた信号も入力されるよ
うになっている。
【0076】なお、図1にはインバータ30と空調用制
御装置40との間の電気的接続のみを示し、他の機器と
空調用制御装置40との電気的接続を図示していない
が、第1、第2減圧装置26、27、電磁弁28a、2
8b、ドア6、16、17、18、図示しない吹出口切
替ドア、送風機7、および室外ファン24aの作動も制
御装置40により制御される。電磁弁28a、28b
は、制御装置40により開閉制御されて冷媒循環経路を
冷房、暖房、除湿の各運転モードに対応して切り替え
る。
【0077】図2に示す空調操作パネル50には、乗員
により手動操作される以下の操作部材が設けられてい
る。51は車室内への吹出空気の温度の目標値を設定す
る温度設定レバーで、本例では、電動式圧縮機22の回
転数調整の目標値を設定するように構成されている。
【0078】また、温度設定レバー51の操作位置によ
り設定される目標値に対し、電磁弁28a、28bおよ
び通路切替ドア16、17の開閉を制御し、冷凍サイク
ルの運転モードの切替および凝縮器12または蒸発器1
1での熱交換量を制御する。
【0079】各運転モードの切替は例えば図3に示すよ
うにレバー51を左から右に移動させることにより冷房
モード、除湿モード、暖房モードを順次設定する。ま
た、図4、5、6に示すように温度設定レバー51の操
作位置の移動により、冷房時には目標蒸発器吹出温度が
設定され、除湿時および暖房時には目標高圧圧力が設定
されるようになっている。
【0080】温度設定レバー51の操作位置信号は制御
装置40に入力され、そして制御装置40は、センサ群
41により検出される実際の蒸発器吹出空気温度または
高圧圧力が上記目標値と一致するように圧縮機22の回
転数を制御して、吹出空気温度を制御する。
【0081】52は送風機7の風量切替レバーで、乗員
により操作される風量設定手段としての役割を果たすも
のである。53は圧縮機22の運転を断続するエアコン
スイッチ、54は吹出口8、9、10の切替ドア(図示
せず)を開閉する空調吹出モード切替レバー、55は内
外切替ドア6を開閉する内外気切替レバーである。
【0082】一方、前記した冷媒−冷媒熱交換器23は
例えば図7に示すように、内部通路23aと外部通路2
3bとを同心状に形成した二重通路構造の円筒形状にな
っている。内部通路23aは中心部に位置して室外熱交
換器24へ向かう主流の冷媒(高圧冷媒)が流れる。こ
れに対し、外部通路23bは、内部通路23aの外周側
の円周方向に並列配置された多数の小通路から形成され
ており、外部通路23bにはインジェクション通路22
dを通りインジェクションポート22cに導かれる中間
圧冷媒が流れる。
【0083】ここで、内部通路23aおよび外部通路2
3bを形成する管状体23cはアルミニウム等の熱伝導
性に優れた金属にて成形(例えば、押出し成形)され、
かつ、管状体23cの外表面には断熱材23dが固着さ
れているので、内部通路23a内の高圧冷媒と外部通路
23b内の中間圧冷媒との相互間のみで良好に熱交換を
行うことができる。
【0084】この冷媒−冷媒熱交換器23は、ガスイン
ジェクションを必要としないときには、第1減圧装置2
6を全閉することにより、内部通路23aのみに高圧冷
媒が流れるので、高圧側配管32の一部として使われ
る。
【0085】次に、上記構成において本第1実施形態の
作動を説明する。エアコンスイッチ53が投入される
と、その信号が制御装置40に投入され、圧縮機22を
起動する。この状態にて温度設定レバー51が図3のP
H2からPH1の位置にあると、制御装置40は暖房モ
ードと判定して電磁弁28a、28bおよび通路切替ド
ア16、17を図8の暖房運転時の状態に制御する。
【0086】この暖房モード時における冷媒流れを図1
のサイクルにて説明すると、図1中の黒色矢印は暖房運
転時の冷媒流れ経路を示しており、圧縮機22から吐出
された高温高圧の過熱ガス冷媒は、まず、室内に設定さ
れた凝縮器12に流入する。ここで、高圧ガス冷媒が送
風機7により送風される空気と熱交換(放熱)して凝縮
する。ガス冷媒の凝縮により加熱された温風は主にフッ
ト吹出口8より車室内へ吹き出され、車室内の暖房を行
う。
【0087】凝縮器12から流出した高圧の二相冷媒の
一部はインジェクション通路22dにバイパスされ、こ
こで第1減圧装置26に流入し、中間圧PMまで減圧さ
れる。中間圧PMまで減圧された二相冷媒は冷媒−冷媒
熱交換器23の外部通路23bを通り、内部通路23a
を通る室内凝縮器12出口の高圧冷媒と熱交換(吸熱)
することでガス化されインジェクションポート22cに
流入する。
【0088】一方、冷媒−冷媒熱交換器23の内部通路
23aを通る高圧冷媒は外部通路23bを通る冷媒と熱
交換(放熱)し、過冷却される。暖房時には冷房用電磁
弁28bが閉じているため、この過冷却された高圧冷媒
は第2減圧装置27に流入し、第2減圧装置27により
低圧PLまで減圧され室外熱交換器24に流入する。そ
して、この低圧冷媒が室外熱交換器24を通る際に室外
ファン24aの送風空気(外気)から吸熱して蒸発す
る。
【0089】室外熱交換器24で蒸発したガス冷媒は、
暖房用電磁弁28aを通過してアキュムレータ25に流
入し、暖房負荷の変動により生じる液冷媒はアキュムレ
ータ25内に溜められる。アキュムレータ25ではその
U状の冷媒出口管25aの上端開口部からガス冷媒を吸
入するとともに、U状の冷媒出口管25aの底部に設け
たオイル戻し穴(図示せず)から、オイルが一部溶け込
んだ液冷媒を吸入してガス冷媒に混合し、このガス冷媒
を冷媒吸入通路22fから圧縮機22の吸入ポート22
bに吸入させる。これにより、中間期の暖房低負荷時の
ように冷媒流量が少ない条件のもとでも、圧縮機22へ
確実にオイルを戻すことができる。
【0090】図9は上記した暖房運転時における冷凍サ
イクルの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、第1減
圧装置(電気式膨張弁)26の開度は、中間圧冷媒の温
度センサ41fおよひ圧力センサ41gの検出信号に基
づいて制御装置40により制御されて、圧縮機22のイ
ンジェクションポート22cに流入するガスインジェク
ション冷媒の過熱度SHが所定量になるように冷媒流量
を制御する。すなわち、ガスインジェクション冷媒の過
熱度SHが大きくなれば、第1減圧装置(電気式膨張
弁)26の開度を増大し、逆に過熱度SHが小さくなれ
ば、第1減圧装置(電気式膨張弁)26の開度を減少さ
せる。
【0091】また、第2減圧装置27の開度は制御装置
40により制御されて、冷媒−冷媒熱交換器23の内部
通路23aを出た高圧冷媒の過冷却度SCが所定量にな
るように冷媒−冷媒熱交換器23での交換熱量を制御す
る。すなわち、高圧冷媒の過冷却度SCが大きくなれ
ば、第2減圧装置27の開度を増大して高圧を低下させ
て過冷却度SCを減少させる。逆に、高圧冷媒の過冷却
度SCが小さくなれば、第2減圧装置27の開度を減少
して高圧を上昇させて、過冷却度SCを増加させる。
【0092】なお、図9において、Giはインジェクシ
ョン通路22dからインジェクションポート22cにガ
スインジェクションされる冷媒流量、Geは室外熱交換
器(暖房時の蒸発器)24を通して圧縮機22に吸入さ
れる冷媒流量、Δi1 は冷媒−冷媒熱交換器23で吸熱
するガスインジェクション側の中間圧冷媒のエンタルピ
差で、Δi2 は冷媒−冷媒熱交換器23で放熱して、第
2減圧装置27に向かう高圧冷媒のエンタルピ差であ
る。
【0093】ところで、従来の一般的なヒートポンプシ
ステムでは、暖房時に外気温度が低くなると、吸入圧力
が低下して冷媒比容積が大きくなるため、圧縮機22で
吸入する冷媒循環量G1が減少し、暖房能力が低下す
る。また、吸入圧力の低下により圧縮比が大きくなるた
め、圧縮機22の吐出冷媒温度Tdが図9のT1 点まで
上昇する。このため、圧縮機22保護のため、圧縮機2
2を最大能力(最大回転数)で使用できない。
【0094】これに対して、本第1実施形態において
は、室内凝縮器12の出口冷媒の一部を減圧し、冷媒−
冷媒熱交換器23にて熱交換し、ガス化させ、このガス
冷媒をガスインジェクション通路22dを通して圧縮機
22の圧縮過程途中に戻す(ガスインジェクション)た
め、圧縮機22で吸入する冷媒循環量Geに、ガスイン
ジェクションされる冷媒量Giが加わって、圧縮仕事が
なされることになる。これにより、圧縮仕事量が増加
し、凝縮器12での冷媒放熱量が増加すると同時に、圧
縮機22の圧縮過程の途中に中間圧のガス冷媒がインジ
ェクションされるため、途中まで圧縮加熱されたガス冷
媒が中間圧ガス冷媒により冷却され、吐出冷媒温度Td
が図9のT2 点まで低下する。このため、圧縮機22を
最大能力(最大回転数)で使用することが可能となる。
以上により、低外気温時における暖房能力を効果的に向
上できる。
【0095】次に、温度設定レバー51が図3のPC1
からPC2の位置にあると、制御装置40は冷房モード
と判定して電磁弁28a、28bおよびエアミックスド
ア16、17を図8の冷房運転の状態に制御する。
【0096】この冷房モードにおける冷媒流れを図1の
サイクルにて説明すると、図1の白抜き矢印は冷房運転
時の冷媒流れ経路を示しており、圧縮機22から吐出さ
れた高温高圧の過熱ガス冷媒は、まず、室内に設定され
た凝縮器12に流入する。しかし、通路切替ドア16、
17が凝縮器12側の空気通路を全閉するため、凝縮器
12でガス冷媒は送風機7により送風される空気と熱交
換(放熱)しない。
【0097】送風機7の送風空気は全量、バイパス通路
12aを流れるので、圧縮機22からの吐出ガス冷媒
は、高温高圧の過熱状態のまま、冷媒−冷媒熱交換器2
3の内部通路23aに流入する。
【0098】このとき、圧縮機22へのインジェクショ
ン通路22dに設置されている第1減圧装置(電気式膨
張弁)26が全閉状態に制御されているため、圧縮機2
2からの吐出ガス冷媒はインジェクション通路22dに
分岐されることなく、その全量が冷媒−冷媒熱交換器2
3の内部通路23aに流入する。しかし、外部通路23
bに中間圧の低温冷媒が流れないため、内部通路22a
を通る冷媒は冷却されず高温高圧の過熱ガス冷媒のまま
冷媒−冷媒熱交換器23から流れ出し、開弁状態にある
冷房用電磁弁28bを通り室外熱交換器24に流入す
る。
【0099】この室外熱交換器24では、室外ファン2
4aの送風空気(外気)と高圧ガス冷媒とが熱交換(放
熱)して冷媒が凝縮する。そして、室外熱交換器24で
凝縮した冷媒は、暖房用電磁弁28aの閉弁により第3
減圧装置29を通過し、ここで低圧PLまで減圧された
後、蒸発器11に流入する。
【0100】この蒸発器11にて冷媒が送風機7の送風
空気から吸熱して蒸発する。蒸発器11にて吸熱され冷
却された冷風は、上記したように下流側の室内凝縮器1
2は通過せず、そのバイパス通路12aを冷風のまま通
過して、主にフェイス吹出口9から車室内へ吹き出して
車室内を冷房する。
【0101】一方、蒸発器11で蒸発したガス冷媒はア
キュムレータ25に流入し、このアキュムレータ25か
らガス冷媒は冷媒吸入通路22fを通過して圧縮機22
の吸入ポート22bに吸入される。
【0102】最後に、温度設定レバー51が図3のPD
1からPD2の位置にあると、制御装置40は除湿モー
ドと判定して電磁弁28a、28bおよび通路切替ドア
16、17を図8の除湿運転時の状態に制御する。
【0103】この除湿モードにおける冷媒流れを図1の
サイクルにて説明すると、図1の斜線付き矢印は除湿運
転時の冷媒流れ経路を示しており、圧縮機22から吐出
された高温高圧の過熱ガス冷媒は、通路切替ドア16、
17の開により室内に設定された凝縮器12に流入す
る。ここで、高圧ガス冷媒が送風機7の送風空気と熱交
換(放熱)して凝縮する。
【0104】除湿モードでは、圧縮機22へのインジェ
クション通路22dに設定されている第1減圧装置26
が全閉状態に制御され、冷媒がインジェクション通路2
2dを流れないため、凝縮器12で凝縮した高圧冷媒の
全量が冷媒−冷媒熱交換器23の内部通路23aを通過
する。このとき、内部通路23aを通過する冷媒は冷却
されず、室内凝縮器12を出たときの状態のまま、冷媒
−冷媒熱交換器23を通過する。そして、冷房用電磁弁
28bの閉弁により高圧冷媒は第2減圧装置27に流入
し、この第2減圧装置27により中間圧に減圧され室外
熱交換器24に流入する。
【0105】ここで、第2減圧装置27により作られる
中間圧は、除湿モードにおいて高い吹出温度が必要な第
1除湿モードD1 では、外気温度に対する冷媒の飽和圧
力より低く設定することにより、図10のモリエル線図
に示すように室外熱交換器24を蒸発器として作用させ
て吸熱側に設定できる。すなわち、第2減圧装置27の
開度を小さくして減圧量を大きくすることにより中間圧
が低く設定される。
【0106】そして、室外熱交換器24を流れ出た中間
圧冷媒は、暖房用電磁弁28aの閉弁により第3減圧装
置29に流入し、低圧PLまで減圧される。この減圧さ
れた低圧冷媒は、蒸発器11に流入し、送風機7の送風
空気から吸熱して蒸発した後、アキュムレータ25に流
入する。アキュムレータ25からガス冷媒は冷媒吸入通
路22fを通過して圧縮機22の吸入ポート22bに吸
入される。
【0107】除湿モードでは、室内空調ユニット1内に
設定された蒸発器11および凝縮器12にともに冷媒が
流れて、送風機7の送風空気はまず蒸発器11で冷却、
除湿され、その後に凝縮器12にて再加熱され、温風と
なる。この温風は主にデフ吹出口10より車室内へ吹き
出され、窓ガラスの曇り止めを行うとともに、車室内を
除湿暖房する。
【0108】ところで、除湿モードの中で、高い吹出温
度が必要な第1除湿モードD1 では、図10のモリエル
線図から理解されるように、圧縮機22の動力L、室外
熱交換器24の吸熱量Qeh、および室内蒸発器11で
の吸熱量Qeの総和が室内凝縮器12から放熱(放熱量
Qc)できるため、目的の高い吹出温度を作り出すこと
ができる。
【0109】一方、除湿モードの中で、低い吹出温度が
必要な第2除湿モードD2 では、第2減圧装置27によ
り作られる中間圧を、外気温度に対する冷媒の飽和圧力
よりも高く設定することにより、図11のモリエル線図
に示すように室外熱交換器24を凝縮器として作用させ
て放熱側に設定できる。すなわち、第2減圧装置27の
弁開度を大きくして減圧量を小さくすることにより中間
圧が高く設定される。
【0110】このように室外熱交換器24が凝縮器とな
り放熱側として作用するため、圧縮機22の動力Lおよ
び室内蒸発器11での吸熱量Qeの合計と、室外熱交換
器24での放熱量Qehと室内凝縮器12での放熱量Q
cの合計とが等しくなる。従って、室内凝縮器12での
放熱量Qcは、第1除湿モードD1 の場合より減少する
ので、目的とする低い吹出温度を作り出すことができ
る。
【0111】このように、第2減圧装置27の弁開度の
調整により中間圧を制御することにより除湿時の吹出温
度をリニアに制御できる。
【0112】次に、暖房モード時における室内凝縮器1
2の通過風量(室内吹出風量)の制御について説明す
る。図12は、制御装置40のマイクロコンピュータに
より実行される風量制御のフローチャートであり、車両
のキースイッチがオンされて制御装置40に電源が供給
されると、図12のルーチンが起動される。そして、ま
ずステップS101にて、空調操作パネル50の温度設
定レバー51の設定位置を読み込む。
【0113】次のステップS102にて、図6の特性
(ROMに記憶されているマップ)に従って、温度設定
レバー51の設定位置に対応した暖房時の目標高圧圧力
POを決定する。
【0114】次のステップS103にて、高圧センサ4
1bの検出する実際の高圧圧力を読み込む。次のステッ
プS104にて、実際の高圧圧力が上記目標高圧圧力P
Oとなるように、圧縮機22の回転数制御を行う。具体
的には、実際の高圧圧力と上記目標高圧圧力POとの偏
差を算出して、この偏差に対応して、圧縮機22の電動
モータへの供給電力をインバータ30により制御する。
【0115】次のステップS105にて、空調操作パネ
ル50の風量切替レバー52の設定風量BOを読み込
む。
【0116】次のステップS106にて、図13の特性
(ROMに記憶されているマップ)に従って、高圧セン
サ41bの検出する実際の高圧圧力に基づいて送風機風
量の上限値BPを決定する。ここで、図13の特性につ
いて具体的に説明すると、横軸は高圧センサ41bの検
出する実際の高圧圧力であり、そして、横軸の目盛り位
置のPO−4ΔPO〜PO−1ΔPOは、上述した目標
高圧圧力POから所定値ΔPOの4倍、3倍、2倍、1
倍の値をそれぞれマイナスした圧力値を意味している。
【0117】縦軸は送風機7の風量レベルの上限値BP
であり、LoからHiに向かって順次風量が増大する。
例えば、実際の高圧圧力がPO−3ΔPOとPO−2Δ
POの間にあるときは、送風機風量の上限値BPをMe
1レベルに決定する。
【0118】次のステップS107にて、上記設定風量
BOが上記上限値BPより大きいか判定する。設定風量
BOが上限値BPより大きいときは、ステップS108
に移行して、送風機7の風量を強制的に上限値BPとす
る。
【0119】ここで、上限値BPは図13の特性から理
解されるように、実際の高圧圧力が低下する程小さい値
にしてあるから、実際の高圧圧力が低下するにつれて、
送風機7の風量は強制的により小さい値に制限されるこ
とになる。つまり、低外気温時における暖房開始直後に
おいて、使用者が設定風量BOを図13に示す例えばH
iレベルに設定しても、実際の高圧圧力が低いときは、
上限値BPにより送風機7の風量が強制的に小さい値に
制限される。
【0120】この送風機7の風量制限により室内凝縮器
12の通過風量も制限され、室内凝縮器12の空気側放
熱能力が減少するので、この空気側放熱能力の減少にバ
ランスするレベルまで高圧圧力が上昇する。つまり、大
風量(例えばHiレベル)の設定時に比較して室内凝縮
器12の通過風量の制限によって高圧圧力が上昇する。
【0121】この高圧圧力の上昇により中間圧が高くな
り、それに伴ってガスインジェクション流量が増大す
る。このガスインジェクション流量の増大により室内熱
交換器14への循環冷媒量が増大して暖房能力を向上で
きる。しかも、室内凝縮器12への循環冷媒量の増大に
より高圧圧力が一層上昇し、暖房能力がさらに向上する
という好循環を作りだすことができる。
【0122】一方、ステップS107にて上記設定風量
BOが上記上限値BPより小さいと判定されたときはス
テップS109に移行して、送風機7の風量を設定風量
BOとする。
【0123】なお、実際の高圧圧力が図13に示す「P
O−4ΔPO」よりも低下したときは、風量レベルがO
FFとなり、送風機7が停止され、高圧圧力の急速上昇
を図る。
【0124】以上説明したように、本第1実施形態で
は、暖房モード時において、使用者が設定風量BOを大
風量(例えばHiレベル)に設定しても、冷凍サイクル
の実際の高圧圧力に基づいて決定した上限値BP以内
に、送風機7の風量(室内凝縮器12の通過風量)を制
限することができるため、大風量の設定時に比較して高
圧圧力を上昇させて、ガスインジェクション流量が増大
でき、暖房能力を向上できる。
【0125】次に、上記した第1実施形態による他の効
果について説明する。
【0126】暖房低負荷時(圧縮機低回転数域)での
オイル戻り性の改善効果圧縮機吸入側の低圧冷媒が温度
膨張弁により過熱度制御されている従来技術では、例え
ば、中間期のような暖房低負荷時でのサイクルバランス
を考えると、圧縮機回転数の低下により室外熱交換器を
通過する低圧冷媒の流量(流速)の低下により室外熱交
換器にオイルが溜まってしまい、圧縮機にオイルが戻り
にくくなる場合がある。しかし、本実施形態によると、
冷媒−冷媒熱交換器23の採用により、ガスインジョク
ションのための気液分離器を必要としないため、圧縮機
吸入側にアキュムレータ25を設けて、このアキュムレ
ータ25により圧縮機吸入冷媒の過熱度SH=0に制御
できる。そして、アキュムレータ25の出口管25aの
オイル戻し穴から一定量のオイルを含む液冷媒を圧縮機
22に戻すことができるので、圧縮機22へのオイル戻
り性を暖房低負荷時でも良好に維持することができる。
【0127】サイクル冷媒循環経路の簡素化冷房モー
ド時に通路切替ドア16、17により凝縮器12への空
気流れを遮断してバイパス通路12aを空気が通過する
ようにしているため、凝縮器12は高圧冷媒が流れる冷
媒通路の一部となる。そのため、暖房、冷房、除湿の全
モードを通じて、凝縮器12に冷媒が流れたままとなる
ので、圧縮機22の吐出ガス冷媒を常に凝縮器12を通
して室外熱交換器24へ向かう一方向に流すことができ
る。その結果、冷媒流れ方向逆転のための四方弁の廃
止、あるいは、冷媒流れ経路切替用の逆止弁、電磁弁等
の弁装置の数を低減することが可能となり、冷媒配管構
成を簡素化できる。
【0128】(第2実施形態)第1実施形態では、暖房
モード時に、凝縮器12を通る空気通路と室内凝縮器1
2をバイパスするバイパス通路12aとを切り替える通
路切替ドア16、17を、常にバイパス通路12aを全
閉し、凝縮器12側の空気通路を全開する例について説
明したが、第2実施形態ではこの通路切替ドア16、1
7の開度を制御して室内凝縮器12の通過風量を制御で
きるようにしたものである。
【0129】通路切替ドア16、17はサーボモータ等
の電気アクチュエータにより駆動制御されるものであっ
て、制御装置40により、図14に示す特性(ROMに
記憶されているマップ)に従って、高圧センサ41bの
検出する実際の高圧圧力に基づいて通路切替ドア16、
17の開度が決定される。
【0130】図14の横軸は図13と同じく高圧圧力で
あり、図14の縦軸は通路切替ドア16、17の開度で
ある。図14の縦軸において、開度100%は通路切替
ドア16、17が図1の実線位置に操作されて、送風機
7の送風空気が全量、室内凝縮器12を通過する位置で
あり、これに対し、最小開度の20%は、送風機7の送
風空気の20%が室内凝縮器12を通過し、80%の風
量がバイパス通路12aを通過する開度位置を意味して
いる。
【0131】このように、第2実施形態によれば、実際
の高圧圧力に基づいて決定される開度位置に通路切替ド
ア16、17を操作することにより、室内凝縮器12の
通過風量を実際の高圧圧力に基づいて決定される上限値
BP以内に制限できることになる。従って、送風機7の
風量は使用者が設定した設定風量BOのまま、暖房運転
を行っても、室内凝縮器12の通過風量の制限により、
高圧圧力を上昇させて、暖房能力を向上させることがで
きる。
【0132】なお、第2実施形態では、通路切替ドア1
6、17の最小開度を20%にしているので、高圧圧力
が低下しても、室内凝縮器12の通過風量が零になるこ
とはない。
【0133】(第1、第2実施形態の変形例)なお、第
1実施形態では、図13に示すように、上限値BPの風
量レベルを切り換える切換点をすべて高圧圧力に連動し
て設定しているが、最も低圧側の切換点(PO−4ΔP
O)を予め設定した所定値(例えば、7kg/cm2
に固定してもよい。このようにすれば、風量レベルをO
FFからLoレベルに切り換える切換点を高圧圧力と関
係なく常に同一の高圧圧力に固定できる。
【0134】同様に、第2実施形態においても、エアミ
ックスドア開度の最小開度側の切換点の高圧圧力(PO
−4ΔPO)を予め設定した所定値(例えば、7kg/
cm 2 )に固定してもよい。
【0135】また、第1実施形態では、実際の高圧圧力
が図13に示す「PO−4ΔPO」よりも低下したとき
は、送風機7を停止しているが、送風機7を停止せず
に、第2実施形態のように、所定の最小風量が室内凝縮
器12を通過するようにしてもよい。
【0136】このようにすれば、高圧圧力の低下時に、
送風機7が停止している時間が長くなって、空調装置が
故障しているのではないかと、使用者が誤認することが
ない。
【0137】なお、第1、第2実施形態では、サイクル
高圧圧力を高圧センサ41bにて直接検出しているが、
高圧圧力ではなく、室内凝縮器12吹出直後の空気温度
を温度センサにて検出し、この検出温度に基づいて、室
内凝縮器12の通過風量の上限値BPを決定するように
してもよい。同様に、圧縮機吐出冷媒ガスの温度を温度
センサにて検出してもよい。要は、サイクル高圧圧力に
関連する物理量であるならば、どのようなものを検出し
てもよい。
【0138】また、第1、第2実施形態では、送風機7
の風量を手動操作される風量切替レバー52にて設定す
るようにしているが、車室内への目標吹出空気温度に基
づいて送風機7の風量を自動設定する方式は自動車用空
調装置において周知であり、このような風量自動設定方
式のものにおいても、本発明を同様に実施できる。この
場合は、図12のフローチャートにおいて、ステップS
105の設定風量BOが上記の自動設定の風量になるの
で、ステップS109にて自動設定の風量にて送風機7
が作動する。
【0139】(第3実施形態)第3実施形態は電気膨張
弁からなる第1減圧装置26の開度制御に関する。特
に、暖房能力不足時に第1減圧装置26の開度をガスイ
ンジェクション流量を増大するように制御するものであ
る。
【0140】図15は、制御装置40のマイクロコンピ
ュータにより実行される制御のフローチャートであり、
車両のキースイッチがオンされて制御装置40に電源が
供給されると、まずステップS110にてセンサ群41
からの検出信号、空調操作パネル50からの操作信号等
を読み込む。
【0141】次のステップS115にて、温度設定レバ
ー51の設定位置に応じて、図3に示すように冷凍サイ
クル21の運転モードを決定する。次のステップS12
0では、上記ステップS115で決定した運転モードが
冷房、暖房、除湿のうち、いずれのモードであるかを判
定する。
【0142】そして、冷房モードであると判定されたと
きはステップS130に進み、温度設定レバー51の設
定位置に応じた目標蒸発器吹出温度TEOを、ROMに
記憶された図4に示すマップに基づいて決定する。次の
ステップS140にて、蒸発器温度センサ41d(図
1)が検出した温度(冷房用室内蒸発器11を通過した
直後の空気温度)が上記TEOとなるようにインバータ
30を制御して圧縮機22の回転数を制御する。
【0143】次に、上記ステップS120にて暖房モー
ドであると判定されたときについて説明する。ステップ
S180では、温度設定レバー51の設定位置に応じた
目標高圧圧力POを、ROMに記憶された図6に示すマ
ップに基づいて決定する。次のステップS190にて、
高圧センサ41bの検出した高圧圧力が上記POとなる
ように、インバータ30を制御して圧縮機22の回転数
を制御する。
【0144】次のステップS200では、第2減圧装置
27入口側の高圧冷媒の過冷却度SCを高圧冷媒温度セ
ンサ41aおよび高圧センサ41bの検出信号に基づい
て算出する。次のステップS210では、上記高圧冷媒
の目標過冷却度SCOを、ROMに記憶された図16
(a)のマップにより空調ダクト2(室内凝縮器12)
への吸込空気温度に基づいて算出する。ここで、吸込空
気温度検出のために専用のセンサを設けてもよいが、暖
房モード時には冷房用室内蒸発器11に冷媒が流れない
ので、吸込空気温度を蒸発器温度センサ41dにより検
出してもよい。
【0145】次のステップS220では、ステップS2
00で算出した実際の過冷却度SCがステップS210
で算出した目標過冷却度SCOとなるように、第2減圧
装置(電気式膨張弁)27の開度を増減制御する。
【0146】ここで、上記図16(a)のマップのよう
に目標過冷却度SCOを吸込空気温度が低下するにつれ
て増大するのは次の理由からである。すなわち、暖房モ
ード時には、窓ガラス曇り止めのために空調ダクト2の
内外気吸入モードが内外気2層モードが選択され、ま
た、冷房用室内蒸発器11に冷媒が流れないので、暖房
用室内凝縮器12の吸込空気温度は外気温の低下につれ
て低下する。そして、吸込空気温度が低いと、暖房用室
内凝縮器12内の冷媒温度と吸込空気温度との温度差が
大きいため、目標過冷却度SCOを増大、すなわち、第
2減圧装置(電気式膨張弁)27の開度を減少しても高
圧圧力の上昇を小さく抑えることができる。そのため、
圧縮機22の動力Wを大きく増大させることなく、効果
的に室内凝縮器12の放熱能力Qを増大できる。
【0147】以上により、吸込空気温度の低温時(低外
気温時)に目標過冷却度SCOを大きくすると、室内凝
縮器12での入口、出口間の冷媒エンタルピ差が増大し
て室内凝縮器12の放熱能力Qを効果的に増大できる。
その結果、圧縮機22の動力Wの増大を小さく抑えて放
熱能力Qを増大でき、冷凍サイクル21の暖房時COP
(=上記放熱能力Q/圧縮機22の動力W)を増加でき
る。
【0148】上記ステップS180〜220の制御によ
って、基本的には暖房能力は圧縮機回転数で制御され、
且つ、冷凍サイクル21の効率(COP)が向上するよ
うに第2減圧装置(電気式膨張弁)27の開度制御(高
圧冷媒の過冷却度制御)が行われる。
【0149】しかし、暖房起動時のように、車室内の暖
房効果を急速に立ち上げる必要がある時は、圧縮機回転
数が最高回転でありながら、高圧圧力が上記目標高圧圧
力POに達しない状態、すなわち、暖房能力不足の状態
が発生することがある。このような暖房能力不足のとき
には、多少、冷凍サイクル21の効率を落としてでも、
暖房能力を向上させることを優先させなければならな
い。
【0150】そこで、本第3実施形態では、次のステッ
プS230にて暖房能力不足の状態か否かを判定する。
具体的には、圧縮機回転数が最高回転数域にありなが
ら、高圧センサ41bにより検出した高圧圧力が上記目
標高圧圧力POに達しているのか否かを判定する。つま
り、圧縮機回転数が最高回転数域にあり、且つ、高圧圧
力が上記目標高圧圧力POに達していないときは暖房能
力不足であると判定し、ステップS240に進み、第1
減圧装置(電気式膨張弁)26の開度を所定量増加させ
る。ここで、圧縮機回転数は制御装置40により制御さ
れるインバータ30の周波数信号に基づいて算出するこ
とができる。
【0151】上記のように暖房能力不足時に第1減圧装
置(電気式膨張弁)26の開度を増大すると、圧縮機2
2へのガスインジェクション流量が増えるため、圧縮機
22の仕事量が増えて暖房用室内凝縮器12での冷媒放
熱量が増加する。これによって、冷凍サイクル21の効
率(COP)は低下するものの、暖房能力は向上でき、
暖房能力不足を解消できる。
【0152】また、上記ステップS240の処理によっ
て第1減圧装置(電気式膨張弁)26の開度を増大して
いくと、ガスインジェクション流量が増えていき、上記
のように圧縮機22の仕事量(負荷)が増えていくの
で、インバータ30の負荷が大きくなっていく。
【0153】そこで、次のステップS250にてインバ
ータ30が過負荷状態か否かを判定する。具体的には、
インバータ30の電流センサ41iにより検出したイン
バータ出力電流(線電流)が所定電流以上か否かを判定
する。そして、出力電流(線電流)が所定電流以上とな
り、インバータ30が過負荷状態であると判定されたと
きは、次のステップS260にて、第1減圧装置(電気
式膨張弁)26の開度を所定量減少させる。これによっ
て、圧縮機22へのガスインジェクション流量が減るの
で、インバータ30の過負荷状態の継続を防止できる。
【0154】また、次のステップS270では圧縮機2
2が許容温度以上に過熱されているか否かを判定する。
具体的には、吐出冷媒温度センサ41eにより検出した
吐出冷媒温度が所定温度以上か否かを判定する。そし
て、吐出冷媒温度が所定温度以上となり、圧縮機22が
許容温度以上に過熱されていると判定されたときは、ス
テップS280にて第1減圧装置(電気式膨張弁)26
の開度を所定量増加させる。これによって、ガスインジ
ェクション流量が増え、吐出温度が下がるので、圧縮機
22の過熱状態の継続を防止できる。
【0155】以上説明したように、暖房モード時におい
て暖房能力が足りているときには、冷凍サイクル21の
効率(COP)が向上するように第2減圧装置(電気式
膨張弁)27の開度制御(高圧冷媒の過冷却度制御)を
行い、一方、暖房起動時(急速暖房初期)のように暖房
能力が不足しているときには、第1減圧装置(電気式膨
張弁)26の開度を大きくしてガスインジェクション流
量を増やし、暖房能力を向上させるようにしているの
で、冷凍サイクル21の効率向上と暖房能力の確保を両
立することができる。
【0156】次に、ステップS120にて除湿モードが
判定されたときについて説明する。ステップS290で
は、温度設定レバー51の設定位置に応じた目標高圧圧
力POを、ROMに記憶された図5に示すマップに基づ
いて決定する。そして、次のステップS300にて、高
圧センサ41bにより検出した高圧圧力が上記POとな
るようにインバータ30を制御して圧縮機22の回転数
を制御する。
【0157】次のステップS310では、第2減圧装置
(電気式膨張弁)27入口側の高圧冷媒の過冷却度SC
を高圧冷媒温度センサ41aと高圧センサ41bの検出
信号に基づいて算出する。
【0158】次のステップS320では、ROMに記憶
された図16(b)のマップに基づいて蒸発器温度セン
サ41dにより検出した蒸発器温度(蒸発器吹出空気温
度)に対応する目標過冷却度SCOを算出する。この図
16(b)のマップのように蒸発器温度の低下につれて
目標過冷却度SCOを増大させることにより、上記暖房
モード時と同様の理由から冷凍サイクル21の除湿時C
OPを向上できる。
【0159】すなわち、除湿モードでは蒸発器温度セン
サ41dにより検出される蒸発器温度が室内凝縮器12
の吸込空気温度となる。そして、蒸発器温度の低下につ
れて目標過冷却度SCOを増大させても、高圧圧力の上
昇を小さく抑えたまま、室内凝縮器12の放熱能力Qを
増大できる。そのため、蒸発器温度の低下につれて目標
過冷却度SCOを増大させると、圧縮機22の動力Wを
大きく増大させることなく、室内凝縮器12での入口、
出口間の冷媒エンタルピ差が増大して室内凝縮器12の
放熱能力Qを効果的に増大できる。その結果、冷凍サイ
クル21の除湿時COPを増加できる。
【0160】(第4実施形態)上記第3実施形態では、
第1、第2減圧装置26、27をともに電気膨張弁で構
成する場合のサイクル制御について説明したが、第4実
施形態では、図17に示すように第1、第2減圧装置2
6、27のうち、第1減圧装置26を、その上流側に配
置された開閉弁としての電磁弁26aと下流側に配置さ
れた固定絞り26bとにより構成している。具体的に
は、電磁弁26aの弁口直後に微小断面積の絞り通路を
形成することにより、電磁弁26aに固定絞り26bを
一体に構成できる。この電磁弁26aは暖房モード時に
開弁し、冷房時および除湿時に閉弁する。
【0161】第4実施形態では、第1減圧装置26が固
定絞りであるため、暖房モード時に第1減圧装置26の
開度制御を行うことはできない。そこで、電気膨張弁か
らなる第2減圧装置27の開度制御により第3実施形態
と同様の制御機能を発揮できるようにしている。
【0162】図18は第4実施形態によるサイクル制御
を示すフローチャートで、図15との相違点は、図15
のステップS240、S260、S280における第1
減圧装置26の開度制御をそれぞれ、ステップS240
a、S260a、S280aにおける第2減圧装置27
の開度制御に変更している。
【0163】すなわち、ステップS230で暖房能力の
不足が判定されると、ステップS240aにて第2減圧
装置27の開度を所定量減少させる。これにより、圧縮
機22へのガスインジェクション流量が増えるため、圧
縮機22の仕事量が増えて暖房用室内凝縮器12での冷
媒放熱量が増加し、暖房能力を向上できる。
【0164】また、ステップS250でインバータ30
の過負荷が判定されると、ステップS260aにて第2
減圧装置27の開度を所定量増加させる。これにより、
圧縮機22へのガスインジェクション流量が減り、圧縮
機22の仕事量が減るので、インバータ30の過負荷状
態の継続を防止できる。
【0165】また、ステップS270で圧縮機22の過
熱が判定されると、ステップS280aにて第2減圧装
置27の開度を所定量減少させる。これによって、ガス
インジェクション流量が増え、吐出温度が下がるので、
圧縮機22の過熱状態の継続を防止できる。
【0166】このように、第2減圧装置27の開度制御
によってもガスインジェクション流量を増減して暖房能
力の不足、インバータ30の過負荷、および圧縮機22
の過熱への対応を行うことができる。
【0167】(第3、第4実施形態の変形例)上記第
3、第4実施形態ては、暖房能力不足を高圧圧力に基づ
いて判定するようにしたが、暖房用室内凝縮器12を通
過した直後の空気温度に基づいて判定するようにしても
良い。要は、暖房用室内凝縮器12における暖房能力に
関連した物理量に基づいて判定すれば良い。
【0168】(第5実施形態)第5実施形態はガスイン
ジェクションに伴う圧縮機22の過圧縮を防止する制御
に関するものである。まず、最初に、この圧縮機22の
過圧縮現象をスクロール型圧縮機について説明すると、
スクロール型圧縮機22では、周知のように固定スクロ
ールと可動スクロールとの間に圧縮室(作動室)を形成
しており、この圧縮室(作動室)は圧縮途中では吐出ポ
ート1aに連通しないようになっている。
【0169】そのため、圧縮機吸入圧力Psと圧縮機吐
出圧力Pdとの比で表される圧縮比が小さいときに、ガ
スインジェクションを行うと、図19(b)に示すよう
に、圧縮室内にて、吸入冷媒が吐出圧力以上に圧縮され
る現象、すなわち過圧縮現象が発生することがある。一
方、圧縮比が大きいときは図19(a)に示すようにガ
スインジェクションを行っても過圧縮現象が発生しな
い。
【0170】この過圧縮は、サイクル運転上、不要な圧
縮仕事を行うことになるから、サイクル効率悪化の原因
となる。
【0171】この点に鑑みて、第5実施形態では、図1
に示すように第1、第2減圧装置26、27をともに電
気膨張弁で構成する冷凍サイクル装置において、ガスイ
ンジェション量を制御することにより、ガスインジョク
ションによる圧縮機22の過圧縮を効果的に抑制しよう
とするものである。
【0172】第5実施形態では圧縮比(吐出圧力Pd/
吸入圧力Ps)算出のために、圧縮機22の高圧圧力
(吐出圧力Pdに対応)を高圧センサ41bにより検出
するとともに、圧縮機22の吸入圧力Psを吸入圧セン
サ(図示せず)により検出する。
【0173】図20(a)は第5実施形態によるサイク
ル制御を示すフローチャートで、空調用制御装置40に
より実行されるものである。まず、ステップS400に
て上記センサで検出された吐出圧力Pdおよび吸入圧力
Psを読み込み、次のステップS410にて、吐出圧力
Pdと吸入圧力Psの比により圧縮比(Pd /Ps)を
算出する。
【0174】次のステップS420にて図20(b)の
マップに示すように圧縮比に基づいて第1減圧装置(電
気膨張弁)26の目標開度を算出する。具体的には、圧
縮比の判定値として、第1所定値Aとこの第1所定値A
より十分大きい第2所定値Bとを設定し、そして、ステ
ップS400で算出した圧縮比が第2所定値Bより大き
いときは第1減圧装置(電気膨張弁)26の目標開度を
全開とする。
【0175】圧縮比が第2所定値Bと第1所定値Aの間
であるときは圧縮比が減少するにつれて第1減圧装置
(電気膨張弁)26の目標開度を減少させ、圧縮比が第
1所定値Aより小さいときは第1減圧装置(電気膨張
弁)26の目標開度を全閉とする。
【0176】次のステップS430にて第1減圧装置
(電気膨張弁)26の開度が上記目標開度となるように
第1減圧装置(電気膨張弁)26に制御出力を加える。
【0177】ここで、第1減圧装置26の開度制御を図
20(b)に基づいてさらに詳述すると、第1、第2の
所定値A、Bはスクロール型圧縮機22のスクロールの
形状で定まる内部圧縮比(つまり、圧縮室が最大となる
吸入開始直後の圧縮室容積と、圧縮室が最小となり、吐
出ポート22aに連通するときの吐出開始直後の圧縮室
容積との比)に応じて予め設定されるもので、通常、第
1所定値Aは内部圧縮比と等しいか、やや大きい値と
し、第2所定値Bは第1所定値Aより大きい値とする。
【0178】圧縮比が第2所定値Bより大きいときは、
過圧縮の恐れがないので、第1減圧装置26の開度を全
開に維持して、ガスインジェクション流量を最大とする
ことにより、ガスインジェションによる暖房能力の向上
を図る。
【0179】一方、圧縮比が第2所定値Bより低下する
と、圧縮比の低下に従って、第1減圧装置26の開度を
連続的に減少させ、ガスインジェクション流量を減少さ
せる。そして、内部圧縮比と等しいか、やや大きい値で
ある第1所定値Aより圧縮比が低下すると、第1減圧装
置26を全閉して、ガスインジェクション流量を零とす
る。
【0180】以上のように圧縮比に応じてガスインジェ
クション流量を制御できるので、圧縮比が大きくなる高
負荷運転時には、ガスインジェクション流量を最大にし
て、ガスインジェションによる暖房能力の向上を図るこ
とができる。一方、圧縮比が小さくなる低負荷運転時に
は、圧縮比の低下に伴って、ガスインジェクション流量
を減少、もしくは零とすることにより、過圧縮の発生を
未然に防止して、過圧縮によるサイクル効率の悪化を防
止できる。
【0181】(第6実施形態)上記第5実施形態では、
図1に示すように第1、第2減圧装置26、27をとも
に電気膨張弁で構成する冷凍サイクル装置において、第
1減圧装置26の開度制御によりガスインジェクション
流量を制御する場合について説明したが、第6実施形態
では、図17に示すように第1、第2減圧装置26、2
7のうち、第1減圧装置26を、上流側の電磁弁26a
と下流側の固定絞り26bとにより構成する冷凍サイク
ル装置において、第2減圧装置27の開度制御によりガ
スインジェクション流量を制御するものである。
【0182】図21は第6実施形態による第2減圧装置
27の開度制御を示すもので、第2減圧装置27の開度
増大によりガスインジェクション流量が減少、第2減圧
装置27の開度減少増大によりガスインジェクション流
量が増大するという関係にあるので、第6実施形態では
ステップS420aにおいて、第2減圧装置27の目標
開度を次のように決定する。
【0183】すなわち、ステップS400で算出した圧
縮比が第1所定値Aより小さいときに第2減圧装置27
の目標開度を全開とし、そして、圧縮比が第1所定値A
と第2所定値Bとの間であるときは圧縮比が増加するに
つれて第2減圧装置27の目標開度を減少させ、圧縮比
が第2所定値Bより大きいときに第2減圧装置27の目
標開度を50%以下の小開度θ(例えば、30〜40%
程度の開度)とする。
【0184】そして、ステップS430aにて第2減圧
装置27の開度が上記目標開度となるように第2減圧装
置27に制御出力を加える。このように第2減圧装置2
7の開度を制御しても、ガスインジェクション流量を圧
縮比の低下とともに減少させて過圧縮の発生を未然に防
止できる。また、圧縮比が第2所定値Bより大きいとき
でも、第2減圧装置27の開度を所定の小開度θに維持
することにより、室外熱交換器24での外気吸熱作用を
継続できる。
【0185】(第5、第6実施形態の変形例)第5、第
6実施形態では、スクロール型圧縮機22の過圧縮を防
止する制御に関するものであるが、スクロール型圧縮機
22以外にも、圧縮途中で圧縮室(作動室)が吐出ポー
トに連通しないタイプの圧縮機は種々あり、このような
タイプの圧縮機全般に第5、第6実施形態による過圧縮
防止制御を同様に適用できることはもちろんである。
【0186】また、第5、第6実施形態では、スクロー
ル型圧縮機22の吐出圧力Pdおよび吸入圧力Psを直
接検出して、この検出信号に基づいて圧縮比を算出して
いるが、吐出圧力Pdと相関関係のある冷媒凝縮温度、
および吸入圧力Psと相関関係のある冷媒蒸発温度を検
出し、これらの冷媒凝縮温度および冷媒蒸発温度を検出
して、圧縮比を算出するようにしてもよい。
【0187】また、暖房モード時には蒸発器となる室外
熱交換器24で外気から吸熱して低圧冷媒を蒸発させる
ため、室外熱交換器24の冷媒蒸発圧力、すなわち、圧
縮機22の吸入圧力Psは外気温と相関関係を持つ。具
体的には、外気温の低下により吸入圧力Psが低下する
という関係がある。従って、吐出圧力Pdの判定値とし
て外気温の低下により低下する所定圧力をマップ等から
設定し、実際の吐出圧力Pdがこの外気温により決定さ
れる所定圧力より低いときは圧縮比が小さいときである
と推定できる。
【0188】そこで、上記の推定条件を満足するときは
ガスインジェクション流量が小さくなるように、または
ガスインジェクション流量が零となるように第1減圧装
置26または第2減圧装置27の開度を制御するように
してもよい。
【0189】また、暖房モード時には室内凝縮器12の
加熱度合い(具体的には室内凝縮器12の吹出空気温
度)は吐出圧力Pdと相関関係があるから、室内凝縮器
12の加熱度合いが低下することは吐出圧力Pdが低下
することを意味している。従って、室内凝縮器12の加
熱度合いの判定値として外気温の低下により低下する所
定の加熱度合いをマップ等から設定し、実際の凝縮器加
熱度合いがこの外気温により決定される所定の加熱度合
いより低いときは圧縮比が小さいときであると推定でき
る。
【0190】そこで、上記の推定条件を満足するときは
ガスインジェクション流量が小さくなるように、または
ガスインジェクション流量が零となるように第1減圧装
置26または第2減圧装置27の開度を制御するように
してもよい。
【0191】また、図20(b)に示す弁開度制御特性
では、圧縮比が第2の所定値Bより低下すると、弁開度
を次第に減少させ、圧縮比が第1の所定値Aより低下す
ると、弁開度を零にするようにしているが、圧縮比が所
定値(例えば、AとBの中間値)より大きいと、第1減
圧装置26が全開し、圧縮比が所定値(ヒステリシス幅
あり)より小さくなると、第1減圧装置26が全閉する
ようにしてもよい。
【0192】同様に、図21(b)に示す弁開度制御特
性においても、圧縮比が所定値(ヒステリシス幅あり)
より増減することにより、第2減圧装置27の開度が全
開と所定の小開度θの間で変化するようにしてもよい。
【0193】(第7実施形態)第7実施形態は暖房モー
ドにおいて蒸発器となる室外熱交換器24の着霜抑制制
御に関する。
【0194】第7実施形態は図1に示すように第1、第
2減圧装置26、27をともに電気膨張弁で構成する冷
凍サイクル装置において、第1減圧装置26の開度制御
によりガスインジェクション流量を制御するものに関す
る。
【0195】また、第7実施形態の冷凍サイクル装置
は、予め設定された運転時刻になると車室内の空調運転
を自動的に起動して所定のプレ空調制御を行うことがで
きるようになっている。このため、マイクロコンピュー
タ等からなる空調用制御装置40には、図22に示すよ
うにプレ空調操作パネル60が接続されている。このプ
レ空調操作パネル60は車室内に空調操作パネル50と
隣接して設置されており、プレ空調操作パネル60には
プレ空調制御を設定するためのプレ空調制御設定スイッ
チ61(プレ暖房設定手段)が設けられている。
【0196】また、プレ空調操作パネル60には、上記
運転時刻を設定する運転時刻設定器62、およびプレ空
調制御の運転時間を設定する運転時間設定器63が設け
られている。
【0197】なお、このプレ空調制御の詳細は後述する
が、プレ空調制御は、車両走行用の車載バッテリ31に
外部電源70から充電が行われているときのみ、つまり
バッテリ31の充電端子が外部電源70に接続されてい
るときのみに行われるようになっている。
【0198】次に、第7実施形態による冷凍サイクル装
置の制御を説明すると、空調操作パネル50の操作信号
に基づく通常空調制御は、図15に示す第3実施形態の
空調制御と同じでよいので、説明を省略する。
【0199】図23は図15の空調制御の暖房モードが
選択されたとき、すなわち、通常暖房モードにおける室
外熱交換器24の除霜制御を示すもので、図15のステ
ップS270または280の次に図23のステップS5
00の処理が行われる。このステップ500では室外熱
交換器24に霜が付着しているか否かを判定するための
基準値である着霜判定値T01として、外気温度Tam
から所定値ΔT1をマイナスした値(Tam−ΔT1)
を設定する。所定値ΔT1は例えば、18℃程度であ
る。
【0200】次に、ステップS510では室外熱交換器
24の出口冷媒温度センサ41hで検出された冷媒温度
(室外熱交換器温度)が上記着霜判定値T01より低い
か否かを判定し,これにより、通常暖房モード時に室外
熱交換器24に所定量の霜が付着したか否かを判定す
る。
【0201】そして、ステップS510において、室外
熱交換器24の出口冷媒温度が上記着霜判定値TO1よ
り高いと判定されたとき(判定結果:NO)は室外熱交
換器24に霜が付着していない場合であり、図15のス
テップS180に戻る。
【0202】一方、ステップS510において、室外熱
交換器24の出口冷媒温度が上記着霜判定値より低いと
判定されたとき(判定結果:YES)は室外熱交換器2
4に霜が付着している場合であり、ステップS520に
進み、圧縮機22の回転数を室内熱交換器24に霜が付
着したと判定される前よりも所定量低下させる。
【0203】この圧縮機22の回転数低下により室外熱
交換器24における冷媒蒸発圧力(圧縮機吸入圧)が上
昇して、室外熱交換器24の着霜を抑制することができ
る。
【0204】このように圧縮機22の回転数を低下させ
ると、室外熱交換器24の着霜を抑制できる反面、冷凍
サイクル21の冷媒循環量が減少して暖房能力低下の原
因となる。そこで、本実施形態では次のステップS53
0にて、第1減圧装置(電気式膨張弁)26の開度を室
外熱交換器24に霜が付着したと判定される前よりも所
定量大きくする。この結果、圧縮機22へのガスインジ
ェクション流量が増加するので、圧縮機22の圧縮仕事
量が増加して冷媒循環量減少を補う働きを発揮し、暖房
能力の減少を抑制することができる。
【0205】以上は通常空調(暖房)制御について説明
したが、次に、プレ空調制御について説明する。このプ
レ空調制御は、車室内を暖房するプレ暖房制御だけでな
く、車室内を冷房するプレ冷房制御をも行えるようにな
っている。具体的には、プレ空調制御が起動すると、外
気温に応じてプレ冷房制御を行うか、プレ暖房制御を行
うかが決定される。例えば外気温が10℃以下であるな
らば、プレ暖房制御を行い、例えば外気温が28℃以上
ならばプレ冷房制御を行う。また、例えば外気温が10
℃より高く28℃より低い場合は、プレ空調制御を行わ
ない。
【0206】図24は第7実施形態によるプレ暖房制御
の処理内容を表すフローチャートであり、このプレ暖房
制御と上記した図23の通常暖房制御との相違点は、ス
テップS180a、ステップS500a、ステップS5
10aにある。
【0207】先ず、ステップS180aでは、目標高圧
圧力POを決定するのであるが、プレ暖房制御では目標
高圧圧力POは予め設定された固定値とする。例えば、
図6のマップで決定される目標高圧圧力POの最大値と
最小値との中間圧力となるように、目標高圧圧力POを
設定し、固定する。また、このプレ暖房制御では、送風
機7の駆動用モータの印加電圧を一定として車室内への
吹出風量を一定とする。
【0208】そして、ステップS190では高圧センサ
41bにより検出した高圧圧力が上記目標高圧圧力PO
となるようにインバータ30を制御して圧縮機22の回
転数を制御する。ステップS200〜S220の制御は
図15と同じである。
【0209】次に、ステップS500aでは、室外熱交
換器24に霜が付着しているか否かを判定するための基
準値である着霜判定値T02として、外気温度Tamか
ら所定値ΔT2をマイナスした値(Tam−ΔT2)を
設定する。所定値ΔT2は図23の所定値ΔT1より小
さい値(ΔT2<ΔT1)であり、例えば、15℃程度
である。
【0210】従って、このプレ暖房制御における着霜判
定値T02は、通常暖房制御に比べて同じ外気温である
ならば、高い温度となるため、プレ暖房制御では通常暖
房制御に比べて着霜判定の基準を緩くして早めに着霜抑
制の制御を行うようにしてある。
【0211】次に、ステップS510aでは上記着霜判
定値T02に基づいて室外熱交換器24の着霜有無の判
定を行い、着霜有りと判定したときは、ステップS52
0、ステップS530に進み、図23と同様な処理を行
って室外熱交換器24の着霜抑制制御を行う。次に、ス
テップS540において図22の運転時間設定器63に
て設定された運転時間が経過したかどうかを判定し、設
定運転時間が経過すると、プレ暖房制御が終了する。
【0212】以上のように第7実施形態では、プレ暖房
制御では、通常暖房制御時よりも着霜判定条件を緩めに
設定することで霜の発生を確実に抑制した状態で、車室
内を継続してプレ暖房することができる。このため、そ
の後、通常暖房制御を行うときに、室外熱交換器24に
着霜が生じていない状態で暖房運転を起動でき、十分な
暖房能力を発揮させることができる。
【0213】一方、通常暖房制御時では、プレ暖房制御
よりも着霜条件を厳しくするため、着霜抑制のために圧
縮機22の回転数が低下する頻度を少なくすることがで
きる。
【0214】また、第7実施形態では、バッテリ31に
充電が行われているときのみにプレ暖房制御を行うよう
にしているため、プレ暖房制御時にバッテリ31の充電
容量を低下せずにすむ。よって、プレ暖房制御の実施に
より電気自動車の走行距離を短くせずにすむ。
【0215】(第8実施形態)第8実施形態は、第7実
施形態と同様に室外熱交換器24の着霜抑制制御に関す
るものであるが、第8実施形態では、図17に示すよう
に第1、第2減圧装置26、27のうち、第1減圧装置
26を、上流側の電磁弁26aと下流側の固定絞り26
bとにより構成する冷凍サイクル装置に関する。
【0216】これに伴って、通常暖房制御およびプレ暖
房制御をそれぞれ図25、図26のように変更する。図
25は図23に対応する通常暖房制御の図で、図23の
制御との相違点はステップ530aであり、第2減圧装
置(電気膨張弁)27の開度を減少させることにより、
ガスインジェクション流量を増加させる点である。
【0217】また、図26は図24にに対応するプレ暖
房制御の図で、図24の制御との相違点はステップ53
0aであり、第2減圧装置(電気膨張弁)27の開度を
減少させることにより、ガスインジェクション流量を増
加させる点である。他の点は第7実施形態と同じであ
る。
【0218】(第7、第8実施形態の変形例)なお、第
7、第8実施形態では暖房モードにおいて、蒸発器とな
る室外熱交換器24の除霜制御について説明したが、冷
房モードおよび除湿モードにおいて室内蒸発器11の除
霜のために第7、第8実施形態による制御を適用でき
る。
【0219】また、第7、第8実施形態では室外熱交換
器24の着霜判定のために、室外熱交換器24の出口冷
媒温度を検出しているが、室外熱交換器24のフィン表
面温度、吹出空気温度等を検出して室外熱交換器24の
着霜判定を行うようにしてもよい。
【0220】(他の実施形態)上述の各実施形態では、
凝縮器12への空気流れとバイパス通路12aへの空気
流れを切り替えるドア手段として、連動操作される2枚
の板状の通路切替ドア16、17を用いているが、この
ドア手段として、1枚の板状ドア、さらにはフィルム状
ドア等を用いてもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す冷凍サイクル図で
ある。
【図2】第1実施形態で使用する空調制御パネルの正面
図である。
【図3】図2の空調制御パネルにおける温度設定レバー
の作動領域と運転モードとの特性図である。
【図4】同温度設定レバーの冷房領域の特性図である。
【図5】同温度設定レバーの除湿領域の特性図である。
【図6】同温度設定レバーの暖房領域の特性図である。
【図7】第1実施形態で使用する冷媒−冷媒熱交換器の
具体例を示す断面図である。
【図8】第1実施形態で使用する弁・ドアの作動説明用
の図表である。
【図9】第1実施形態における暖房モードの冷凍サイク
ルの作動を示すモリエル線図である。
【図10】第1実施形態における第1除湿モードD1
冷凍サイクルの作動を示すモリエル線図である。
【図11】第1実施形態における第2除湿モードD2
冷凍サイクルの作動を示すモリエル線図である。
【図12】第1実施形態の制御フローチャートである。
【図13】第1実施形態による風量上限値の特性図であ
る。
【図14】第2実施形態による通風路切替ドア位置の特
性図である。
【図15】第3実施形態の制御フローチャートである。
【図16】第3実施形態における暖房時目標過冷却度の
特性図である。
【図17】第4実施形態の冷凍サイクル図である。
【図18】第4実施形態の制御フローチャートである。
【図19】第5実施形態で用いるスクロール型圧縮機の
過圧縮現象の説明図である。
【図20】(a)は第5実施形態の制御フローチャー
ト、(b)は第5実施形態の第1減圧装置の目標開度の
特性図である。
【図21】(a)は第6実施形態の制御フローチャー
ト、(b)は第6実施形態の第2減圧装置の目標開度の
特性図である。
【図22】第7実施形態の要部電気結線図である。
【図23】第7実施形態の制御フローチャートである。
【図24】第7実施形態の制御フローチャートである。
【図25】第8実施形態の制御フローチャートである。
【図26】第8実施形態の制御フローチャートである。
【符号の説明】
11…蒸発器、12…凝縮器、16、17…通路切替ド
ア、22…圧縮機、22c…ガスインジェクションポー
ト、22d…ガスインジェクション用通路、23…冷媒
−冷媒熱交換器、24…室外熱交換器、25…アキュム
レータ、26…第1減圧装置、27…第2減圧装置、2
9…第3減圧装置。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内へ向かって空気が流れる空調通路
    (2)と、 前記空調通路(2)内に空気を送風する送風機(7)
    と、 圧縮した冷媒を吐出する吐出ポート(22a)、冷凍サ
    イクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(22b)、
    および冷凍サイクル中間圧側のガス冷媒を導入するガス
    インジェクションポート(22c)を有する圧縮機(2
    2)と、 前記空調通路(2)内に設置され、暖房モード時に前記
    圧縮機(22)の吐出ポート(22a)から吐出された
    高圧のガス冷媒により空気を加熱する室内熱交換器(1
    2)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒の一部をバイパスさせ、この一部の高圧冷媒を
    中間圧に減圧する第1減圧装置(26)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒と前記第1減圧装置(26)通過後の中間圧冷
    媒とを熱交換する冷媒−冷媒熱交換器(23)と、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    て冷却された高圧冷媒を低圧まで減圧する第2減圧装置
    (27)と、 前記暖房モード時に前記第2減圧装置(27)通過後の
    低圧冷媒と外気とを熱交換する室外熱交換器(24)
    と、 前記暖房モード時に前記室外熱交換器(24)を通過し
    た低圧冷媒の気液を分離して、オイルが溶け込んだ液冷
    媒と低圧ガス冷媒とを前記吸入ポート(22b)に向け
    て流出させるアキュームレータ(25)とを備え、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    おける熱交換によりガス化した中間圧ガス冷媒を前記ガ
    スインジェクションポート(22c)に導入するように
    なっており、 さらに、前記暖房モード時に冷凍サイクルの高圧圧力に
    関連する物理量を検出し、この検出値に基づいて決定さ
    れる上限値(BP)以下に、前記室内熱交換器(12)
    を通過する風量を制限することを特徴とする冷凍サイク
    ル装置。
  2. 【請求項2】 前記室内熱交換器(12)の通過風量を
    設定する風量設定手段(52)を有し、 この風量設定手段(52)により設定された設定風量
    (BO)よりも前記上限値(BP)を優先させることを
    特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 前記設定風量(BO)と、前記上限値
    (BP)との大小を判定し、 前記設定風量(BO)が前記上限値(BP)より大きい
    と判定されたときは、前記室内熱交換器(12)の通過
    風量を前記上限値(BP)とし、 前記設定風量(BO)が前記上限値(BP)より小さい
    と判定されたときは、前記室内熱交換器(12)の通過
    風量を前記設定風量(BO)とすることを特徴とする請
    求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 【請求項4】 前記室内熱交換器(12)の通過風量
    を、前記送風機(7)の風量制御により制御することを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷
    凍サイクル装置。
  5. 【請求項5】 前記空気通路(2)内に、前記室内熱交
    換器(12)を通過する空気と、前記室内熱交換器(1
    2)をパイパスする空気とを振り分けるドア手段(1
    6、17)を配置し、 前記室内熱交換器(12)の通過風量を前記ドア手段
    (16、17)の開度により制御することを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル
    装置。
  6. 【請求項6】 室内へ向かって空気が流れる空調通路
    (2)と、 前記空調通路(2)内に空気を送風する送風機(7)
    と、 圧縮した冷媒を吐出する吐出ポート(22a)、冷凍サ
    イクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(22b)、
    および冷凍サイクル中間圧側のガス冷媒を導入するガス
    インジェクションポート(22c)を有する圧縮機(2
    2)と、 前記空調通路(2)内に設置され、暖房モード時に前記
    圧縮機(22)の吐出ポート(22a)から吐出された
    高圧のガス冷媒により空気を加熱する室内熱交換器(1
    2)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒の一部をバイパスさせ、この一部の高圧冷媒を
    中間圧に減圧する第1減圧装置(26)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒と前記第1減圧装置(26)通過後の中間圧冷
    媒とを熱交換する冷媒−冷媒熱交換器(23)と、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    て冷却された高圧冷媒を低圧まで減圧する第2減圧装置
    (27)と、 前記暖房モード時に前記第2減圧装置(27)通過後の
    低圧冷媒と外気とを熱交換する室外熱交換器(24)
    と、 前記暖房モード時に前記室外熱交換器(24)を通過し
    た低圧冷媒の気液を分離して、オイルが溶け込んだ液冷
    媒と低圧ガス冷媒とを前記吸入ポート(22b)に向け
    て流出させるアキュームレータ(25)とを備え、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    おける熱交換によりガス化した中間圧ガス冷媒を前記ガ
    スインジェクションポート(22c)に導入するように
    なっており、 さらに、前記室内熱交換器(12)における暖房能力が
    所定値以下であると判定したときに、前記ガスインジェ
    クションポート(22c)への中間圧ガス冷媒流量を増
    加させることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  7. 【請求項7】 前記暖房能力が所定値以下であるという
    判定を前記圧縮機(22)の最高回転数域において行う
    ことを特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 【請求項8】 前記圧縮機(22)の負荷が所定値以上
    であると判定したときに、前記ガスインジェクションポ
    ート(22c)への中間圧ガス冷媒流量を減少させるこ
    とを特徴とする請求項6または7に記載の冷凍サイクル
    装置。
  9. 【請求項9】 前記中間圧ガス冷媒流量の減少を、前記
    第1減圧手段(26)の開度減少もしくは前記第2減圧
    装置(27)の開度増加により行うことを特徴とする請
    求項8に記載の冷凍サイクル装置。
  10. 【請求項10】 前記圧縮機(22)の温度が所定値以
    上であると判定したときに、前記ガスインジェクション
    ポート(22c)への中間圧ガス冷媒流量を増加させる
    ことを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1つに記
    載の冷凍サイクル装置。
  11. 【請求項11】 前記中間圧ガス冷媒流量の増加を、前
    記第1減圧装置(26)の開度増加もしくは前記第2減
    圧装置(27)の開度減少により行うことを特徴とする
    請求項6ないし10のいずれか1つに記載の冷凍サイク
    ル装置。
  12. 【請求項12】 室内へ向かって空気が流れる空調通路
    (2)と、 前記空調通路(2)内に空気を送風する送風機(7)
    と、 圧縮した冷媒を吐出する吐出ポート(22a)、冷凍サ
    イクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(22b)、
    および冷凍サイクル中間圧側のガス冷媒を導入するガス
    インジェクションポート(22c)を有する圧縮機(2
    2)と、 前記空調通路(2)内に設置され、暖房モード時に前記
    圧縮機(22)の吐出ポート(22a)から吐出された
    高圧のガス冷媒により空気を加熱する室内熱交換器(1
    2)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒の一部をバイパスさせ、この一部の高圧冷媒を
    中間圧に減圧する第1減圧装置(26)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒と前記第1減圧装置(26)通過後の中間圧冷
    媒とを熱交換する冷媒−冷媒熱交換器(23)と、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    て冷却された高圧冷媒を低圧まで減圧する第2減圧装置
    (27)と、 前記暖房モード時に前記第2減圧装置(27)通過後の
    低圧冷媒と外気とを熱交換する室外熱交換器(24)
    と、 前記暖房モード時に前記室外熱交換器(24)を通過し
    た低圧冷媒の気液を分離して、オイルが溶け込んだ液冷
    媒と低圧ガス冷媒とを前記吸入ポート(22b)に向け
    て流出させるアキュームレータ(25)とを備え、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    おける熱交換によりガス化した中間圧ガス冷媒を前記ガ
    スインジェクションポート(22c)に導入するように
    なっており、 さらに、前記暖房モード時に前記圧縮機(22)の圧縮
    比が所定値以下であるときは、前記ガスインジェクショ
    ンポート(22c)への中間圧ガス冷媒流量を減少させ
    るか零にすることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  13. 【請求項13】 前記圧縮機(22)の圧縮比の判定値
    として第1所定値(A)とこの第1所定値(A)より大
    きい第2所定値(B)とを設定し、 前記圧縮機(22)の圧縮比が前記第2所定値(B)よ
    り低下して前記第1所定値(A)に近づくにつれて前記
    中間圧ガス冷媒流量の減少度合いを大きくし、 前記圧縮機(22)の圧縮比が前記第1所定値(A)よ
    り低下すると、前記中間圧ガス冷媒流量を零にすること
    を特徴とする請求項12に記載の冷凍サイクル装置。
  14. 【請求項14】 室内へ向かって空気が流れる空調通路
    (2)と、 前記空調通路(2)内に空気を送風する送風機(7)
    と、 圧縮した冷媒を吐出する吐出ポート(22a)、冷凍サ
    イクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(22b)、
    および冷凍サイクル中間圧側のガス冷媒を導入するガス
    インジェクションポート(22c)を有する圧縮機(2
    2)と、 前記空調通路(2)内に設置され、暖房モード時に前記
    圧縮機(22)の吐出ポート(22a)から吐出された
    高圧のガス冷媒により空気を加熱する室内熱交換器(1
    2)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒の一部をバイパスさせ、この一部の高圧冷媒を
    中間圧に減圧する第1減圧装置(26)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒と前記第1減圧装置(26)通過後の中間圧冷
    媒とを熱交換する冷媒−冷媒熱交換器(23)と、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    て冷却された高圧冷媒を低圧まで減圧する第2減圧装置
    (27)と、 前記暖房モード時に前記第2減圧装置(27)通過後の
    低圧冷媒と外気とを熱交換する室外熱交換器(24)
    と、 前記暖房モード時に前記室外熱交換器(24)を通過し
    た低圧冷媒の気液を分離して、オイルが溶け込んだ液冷
    媒と低圧ガス冷媒とを前記吸入ポート(22b)に向け
    て流出させるアキュームレータ(25)とを備え、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    おける熱交換によりガス化した中間圧ガス冷媒を前記ガ
    スインジェクションポート(22c)に導入するように
    なっており、 さらに、前記暖房モード時に前記圧縮機(22)の吐出
    圧力の判定値として外気温により決定された所定圧力を
    設定し、前記圧縮機(22)の実際の吐出圧力が前記所
    定圧力より低下したときは、前記ガスインジェクション
    ポート(22c)への中間圧ガス冷媒流量を減少させる
    か零にすることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  15. 【請求項15】 室内へ向かって空気が流れる空調通路
    (2)と、 前記空調通路(2)内に空気を送風する送風機(7)
    と、 圧縮した冷媒を吐出する吐出ポート(22a)、冷凍サ
    イクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(22b)、
    および冷凍サイクル中間圧側のガス冷媒を導入するガス
    インジェクションポート(22c)を有する圧縮機(2
    2)と、 前記空調通路(2)内に設置され、暖房モード時に前記
    圧縮機(22)の吐出ポート(22a)から吐出された
    高圧のガス冷媒により空気を加熱する室内熱交換器(1
    2)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒の一部をバイパスさせ、この一部の高圧冷媒を
    中間圧に減圧する第1減圧装置(26)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒と前記第1減圧装置(26)通過後の中間圧冷
    媒とを熱交換する冷媒−冷媒熱交換器(23)と、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    て冷却された高圧冷媒を低圧まで減圧する第2減圧装置
    (27)と、 前記暖房モード時に前記第2減圧装置(27)通過後の
    低圧冷媒と外気とを熱交換する室外熱交換器(24)
    と、 前記暖房モード時に前記室外熱交換器(24)を通過し
    た低圧冷媒の気液を分離して、オイルが溶け込んだ液冷
    媒と低圧ガス冷媒とを前記吸入ポート(22b)に向け
    て流出させるアキュームレータ(25)とを備え、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    おける熱交換によりガス化した中間圧ガス冷媒を前記ガ
    スインジェクションポート(22c)に導入するように
    なっており、 さらに、前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)
    の加熱度合いの判定値として外気温により決定された所
    定加熱度合いを設定し、前記室内熱交換器(12)の実
    際の加熱度合いが前記所定加熱度合いより低下したとき
    は、前記ガスインジェクションポート(22c)への中
    間圧ガス冷媒流量を減少させるか零にすることを特徴と
    する冷凍サイクル装置。
  16. 【請求項16】 前記中間圧ガス冷媒流量を前記第1減
    圧手段(26)もしくは前記第2減圧装置(27)の開
    度制御により制御することを特徴とする請求項12ない
    し15のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置
  17. 【請求項17】 室内へ向かって空気が流れる空調通路
    (2)と、 前記空調通路(2)内に空気を送風する送風機(7)
    と、 圧縮した冷媒を吐出する吐出ポート(22a)、冷凍サ
    イクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(22b)、
    および冷凍サイクル中間圧側のガス冷媒を導入するガス
    インジェクションポート(22c)を有する圧縮機(2
    2)と、 前記空調通路(2)内に設置され、暖房モード時に前記
    圧縮機(22)の吐出ポート(22a)から吐出された
    高圧のガス冷媒により空気を加熱する室内熱交換器(1
    2)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒の一部をバイパスさせ、この一部の高圧冷媒を
    中間圧に減圧する第1減圧装置(26)と、 前記暖房モード時に前記室内熱交換器(12)通過後の
    高圧冷媒と前記第1減圧装置(26)通過後の中間圧冷
    媒とを熱交換する冷媒−冷媒熱交換器(23)と、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    て冷却された高圧冷媒を低圧まで減圧する第2減圧装置
    (27)と、 前記暖房モード時に前記第2減圧装置(27)通過後の
    低圧冷媒と外気とを熱交換する室外熱交換器(24)
    と、 前記暖房モード時に前記室外熱交換器(24)を通過し
    た低圧冷媒の気液を分離して、オイルが溶け込んだ液冷
    媒と低圧ガス冷媒とを前記吸入ポート(22b)に向け
    て流出させるアキュームレータ(25)とを備え、 前記暖房モード時に前記冷媒−冷媒熱交換器(23)に
    おける熱交換によりガス化した中間圧ガス冷媒を前記ガ
    スインジェクションポート(22c)に導入するように
    なっており、 さらに、前記暖房モード時に前記室外熱交換器(24)
    の着霜を判定し、前記室外熱交換器(24)の着霜量が
    所定量より大きいときは、前記圧縮機(22)の回転数
    を低下することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  18. 【請求項18】 室内を予め暖房しておくプレ暖房モー
    ドを設定するプレ暖房設定手段(61)を有し、 前記プレ暖房モードが実行されたときに、前記室外熱交
    換器(24)の着霜量が所定量より大きいときは、前記
    圧縮機(22)の回転数を低下することを特徴とする請
    求項17に記載の冷凍サイクル装置。
  19. 【請求項19】 前記室外熱交換器(24)の着霜量が
    所定量より大きいときは、前記ガスインジェクションポ
    ート(22c)への中間圧ガス冷媒流量を増加させるこ
    とを特徴とする請求項17または18に記載の冷凍サイ
    クル装置。
  20. 【請求項20】 前記室外熱交換器(24)の着霜量が
    所定量以下であるときは、前記冷媒−冷媒熱交換器(2
    3)通過後の高圧冷媒の過冷却度を前記第2減圧装置
    (27)の開度制御により制御することを特徴とする請
    求項17ないし19のいずれか1つに記載の冷凍サイク
    ル装置。
  21. 【請求項21】 前記中間圧ガス冷媒流量の増加を前記
    第1減圧装置(26)の開度増加もしくは前記第2減圧
    装置(27)の開度減少により行うことを特徴とする請
    求項17ないし20のいずれか1つに記載の冷凍サイク
    ル装置。
  22. 【請求項22】 前記室外熱交換器(24)の着霜量の
    判定値として前記暖房モード時における第1の判定値
    (TO1)および前記プレ暖房モード時における第2の
    判定値(TO2)を設定し、 前記第2の判定値(TO2)を前記第1の判定値(TO
    1)に比較して前記室外熱交換器(24)の着霜量が小
    さくなるように設定することを特徴とする請求項18に
    記載の冷凍サイクル装置。
  23. 【請求項23】 前記空気通路(2)内において前記室
    内熱交換器(12)の上流側に、少なくとも冷房モード
    時に低圧冷媒を蒸発させる室内蒸発器(11)を配置す
    るとともに、 前記空気通路(2)内に、前記室内熱交換器(12)を
    通過する空気と、前記室内熱交換器(12)をパイパス
    する空気とを振り分けるドア手段(16、17)を配置
    し、 前記冷房モード時に前記ドア手段(16、17)により
    前記室内熱交換器(12)への空気流れを遮断して、空
    気が前記室内熱交換器(12)をパイパスして流れるこ
    とにより、前記圧縮機(22)の吐出ガス冷媒が前記冷
    房モード時にも前記室内熱交換器(12)を通過するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1ないし4および6な
    いし22のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
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