JP2011003931A - 固体撮像素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チャネルストップ部90は、複数回の不純物イオン注入工程によって形成されており、半導体基板100の深さ方向(バルク深さ方向)に多段階の不純物領域90A、90B、90C、90Dが形成される。チャネルストップ部90は、多段階の不純物領域90A、90B、90C、90Dが、半導体基板表面側に位置するほど不純物濃度を高くし、最下層90Dの底が光電変換部10Bより下方のオーバーフローバリア領域92と接触するように、光電変換部10Bの底の深さより深く形成される。
【選択図】図5
Description
この固体撮像素子は、半導体基板400上に画素部(撮像領域部)410、CCD垂直転送部420、CCD水平転送部430、出力部440等を設けたものである。
画素部410は、それぞれ光電変換部(フォトダイオード)を含む多数の画素412を2次元マトリクス状に配置したものであり、各画素列に沿って複数のCCD垂直転送部420が設けられ、各画素412によって蓄積された信号電荷がCCD垂直転送部420側に読み出され、このCCD垂直転送部420の駆動によって垂直方向に順次転送される。
また、CCD垂直転送部420の終端部にはCCD水平転送部430が設けられ、各CCD垂直転送部420から転送されてきた信号電荷が各行毎にCCD水平転送部430に読み出され、このCCD垂直転送部420の駆動によって水平方向に順次転送される。
出力部440は、CCD垂直転送部420によって転送された信号電荷をFDで受け止め、このFDの電位をアンプトランジスタで検出することにより、電気信号に変換して出力する。
図示のように、各画素の受光部510を構成するフォトダイオード領域には、半導体基板400の表層に形成されたP+型不純物領域510Aと、このP+型不純物領域510Aの下層に形成されたN型不純物領域510Bが設けられている。
そして、各フォトダイオード領域の垂直転送方向両側近傍に、P型不純物領域であるチャネルストップ部520が設けられている。
なお、半導体基板400の上面には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介してCCD垂直転送部420の転送電極550等が設けられているが、本発明には直接関係しないため、詳しい説明は省略する。
また、図8は、水平転送方向の画素と垂直転送部の間に設けられたチャネルストップ部の具体例を示す断面図であり、図6のB−B線断面を示している。
図示のように、各画素のフォトダイオード領域は、図7に示すものと同様に、P+型不純物領域510AとN型不純物領域510Bとを含んでいる。
また、フォトダイオード領域の側部には、読み出しゲート部530を介してCCD垂直転送部420が形成されている。
CCD垂直転送部420は、上層のN型不純物領域420Aと下層のP型不純物領域420Bとで構成されている。
そして、このCCD垂直転送部420と、その隣の画素列のフォトダイオード領域との間にP型不純物領域であるチャネルストップ部520が設けられている。
このため、上述のような半導体基板の表面だけに形成された従来のチャネルストップ部の構造では、フォトダイオード領域で光電変換された電荷が隣接画素へ混ざる現象(以下、混色現象と呼ぶ)を有効に防止できないという問題があった。
そして、この混色現象を防止するためには、チャネルストップ部の不純物イオン注入時のエネルギーを高くして、半導体基板の深さ方向(バルク深さ方向)の深い領域までチャネルストップ部を形成する必要があるが、エネルギーを高くしてイオン注入を行うと、表面側のP型不純物の濃度が薄くなり、基板表面で起きるスミア成分を抑えることができなくなり、スミア現象の悪化に繋がる。
また、エネルギーを高くしてイオン注入を行うことにより、P型不純物の拡散が起きやすくなり、受光部(フォトダイオード領域)の電荷蓄積領域を狭め、感度の低下、飽和信号量の低下を引き起こすという問題がある。
注入工程によって、前記半導体基板の深さ方向に不純物領域を多段階に形成することでチャネルストップ部を構成し、前記チャネルストップ部の最下層の底が、オーバーフローバリア領域と接触するように前記光電変換部の底の深さより深くなるように形成することから、隣接画素や画素と転送部との間の信号電荷の漏洩を有効に防止できる。
複数回の不純物イオン注入工程で、注入エネルギーが相対的に高い不純物イオン注入工程における不純物イオン濃度を、注入エネルギーが相対的に低い不純物イオン注入工程における不純物イオン濃度より低くしいることにより、チャネルストップ部を構成する各層の不純物領域を最適な不純物濃度で形成でき、例えば基板表面でのスミア対策を有効に施すことが可能になる。また、チャネルストップ部では基板表面に向かって不純物濃度が高くなる濃度勾配が形成され、オーバーフローバリア領域に溜まった電荷(例えば正孔)を多段階の不純物領域によるチャネルストップ部を通して効率よく基板表面に排出できる。
チャネルストップ部がオーバーフローバリア領域と接触し、かつチャネルストップ部の多段階の不純物領域が半導体基板表面側に位置するほど不純物濃度を高くして形成されるので、各層で最適な不純物濃度を有し、例えば基板表面でのスミア対策を有効に施すことが可能である。また、チャネルストップ部では基板表面に向かって不純物濃度が高くなる濃度勾配が形成され、オーバーフローバリア領域に溜まった電荷を多段階の不純物領域によるチャネルストップ部を通して効率よく基板表面に排出できる。
チャネルストップ部をオーバーフローバリア領域に接触させ、複数回の不純物イオン注入工程で、注入エネルギーが相対的に高い不純物イオン注入工程における不純物イオン濃度を、注入エネルギーが相対的に低い不純物イオン注入工程における不純物イオン濃度より低くしている。このことにより、チャネルストップ部を構成する各層の不純物領域を最適な不純物濃度で形成でき、例えば基板表面でのスミア対策を有効に施すことが可能である。また、チャネルストップ部では基板表面に向かって不純物濃度が高くなる濃度勾配が形成され、オーバーフローバリア領域に溜まった電荷(例えば正孔)を多段階の不純物領域によるチャネルストップ部を通して効率よく基板表面に排出することができる。
チャネルストップ部がオーバーフローバリア領域と接触し、かつチャネルストップ部の多段階の不純物領域が半導体基板表面側に位置するほど不純物濃度を高くして形成されるので、各層で最適な不純物濃度を有し、例えば基板表面でのスミア対策を有効に施すことが可能である。また、チャネルストップ部では基板表面に向かって不純物濃度が高くなる濃度勾配が形成され、オーバーフローバリア領域に溜まった電荷を多段階の不純物領域によるチャネルストップ部を通して効率よく基板表面に排出することができる。
まず、本実施の形態の説明の前に、図1及び図2を用いて本発明の基本例について説明する。図1及び図2は、基本例による製造方法で作成した固体撮像素子の断面図であり、図1は垂直転送方向の各画素間に設けられたチャネルストップ部を示し、図2は水平転送方向の各画素間に設けられたチャネルストップ部を示している。なお、固体撮像素子の全体的な構成は、図6に示した従来例と同様であるものとし、図1は図6のA−A線断面、図2は図6のB−B線断面に対応しているものである。
なお、受光部10における光電変換は、N型不純物領域10BとP+型不純物領域10Aとの間の空乏領域、N型不純物領域10Bとその下層のP型不純物領域(図示せず)との間の空乏領域にて主に行われる。
このチャネルストップ部20は、複数回の不純物イオン注入工程によって形成されており、半導体基板の深さ方向(バルク深さ方向)に4層の不純物領域20A、20B、20C、20Dを形成することにより、半導体基板100の深い領域までP型領域を設け、不正な電荷の移動を防止するようにしたものである。
また、フォトダイオード領域の側部には、読み出しゲート部30を介してCCD垂直転送部40が形成されている。
CCD垂直転送部40は、上層のN型不純物領域40Aと下層のP型不純物領域40Bとで構成されている。
そして、このCCD垂直転送部40と、その隣の画素列のフォトダイオード領域との間に、多段状のP型不純物領域であるチャネルストップ部50が設けられている。
なお、図1及び図2において、半導体基板100の上面には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介してCCD垂直転送部の転送電極60等が設けられているが、本発明には直接関係しないため、詳しい説明は省略する。
これにより、半導体基板100の深い位置にまでチャネルストップ部20、50を形成でき、各素子間の信号電荷の漏洩を防止でき、混色を抑制することが可能となる。
また、各イオン注入工程における不純物濃度を適宜設定できるため、例えば注入エネルギーが相対的に高い不純物イオン注入工程における不純物イオン濃度を、注入エネルギーが相対的に低い不純物イオン注入工程における不純物イオン濃度より低くすることにより、特に注入エネルギーを低くして形成する基板表面付近での不純物濃度を十分に確保できるようにし、スミア現象を抑制することが可能となる。
また、各チャネルストップ部20、50を形成する際の複数回行うイオン注入工程の順番も特に限定されないものとする。
また、イオン注入時のマスクについては、一般的なレジストマスクの他に種々の形態のものを用いることができるものであり、特に限定しないものとする。
また、各イオン注入工程の具体的なエネルギー、不純物濃度の値は、適宜設定できるものであり、特に限定しないものとする。
また、全ての層で不純物濃度を変えるのではなく、一部の層だけで不純物濃度を変えるようにしてもよい。
図3は、この場合の例を示す垂直転送方向のチャネルストップ部の例を示す断面図である。なお、チャネルストップ部70以外は図1と共通の構成であるので、同一符号を付して説明は省略する。
なお、エネルギーや不純物濃度については、上述した図1の例と同様に設定可能である。
また、チャネルストップ部70の全ての層の幅を変えるようにしてもよいが、例えば図3に示す不純物領域70Aと70Bとが同じ幅であるように、一部の層の幅だけを変えるようにしてもよい。この場合には、幅の同じ層を共通のマスクで形成することが可能となる。
また、図示は省略するが、水平転送方向のチャネルストップ部についても同様に、多段階のイオン注入を幅を変えて行うようにしてもよい。
(1)図1〜図3に示すように、垂直方向の画素間チャネルストップ部、及び水平方向の受光部と垂直転送部との間のチャネルストップ部のイオン注入をエネルギーを変えて複数回行い、多段にイオン注入を行うことにより、光電変換された電荷が隣接画素へ混ざる混色現象を防ぐことができる。
(2)図3に示すように、高エネルギーでイオン注入する領域を小さくすることにより、受光部の電荷蓄積領域を狭めずに、感度、飽和信号量の低下を生じることなく、混色現象を防ぐことができる。
(3)図1〜図3に示すように、チャネルストップ部を高エネルギーでイオン注入することにより、電荷が蓄積された時のオーバーフローバリアの変動を小さくすることができ、出力特性にニーポイント(Qknee)が生じるのを抑制することができる。
(4)水平方向の受光部と垂直転送部との間のチャネルストップ部をエネルギーを変えて打つことにより、表面側で生じるスミア現象とバルク中で生じるスミア現象を抑制することができる。
また、当然ながら多段にイオン注入した各不純物領域は厳密には上下に存在する他の不純物領域との重なり部分を有していてもよい。
さらに、上述した実施の形態例では、本発明をCCD固体撮像素子に適用した例を説明したが、本発明はCCD固体撮像素子に限らず、CMOS固体撮像素子についても同様に適用し得るものである。
Claims (14)
- 半導体基板上に設けられた光電変換部を含む複数の画素と、前記画素によって生成された信号電荷を電荷検出部に転送する転送部と、前記複数の画素の光電変換部の近傍に設けられ、前記光電変換部から隣接素子への電荷の移動を防止するチャネルストップ部とを有する固体撮像素子の製造方法であって、
前記チャネルストップ部を、注入エネルギーを変えた複数回の不純物イオン注入工程に
よって、前記半導体基板の深さ方向に多段階の不純物領域を形成することで構成し、
前記チャネルストップ部の最下層の底が、前記光電変換部より下方のオーバーフローバリア領域と接触するように前記光電変換部の底の深さより深く形成し、
前記複数回の不純物イオン注入工程において、注入エネルギーが相対的に高い不純物イオン注入工程における不純物イオン濃度は、注入エネルギーが相対的に低い不純物イオン注入工程における不純物イオン濃度より低い
固体撮像素子の製造方法。 - 前記複数回の不純物イオン注入工程において、注入エネルギーが相対的に高い不純物イオン注入工程におけるイオン注入面積は、注入エネルギーが相対的に低い不純物イオン注入工程におけるイオン注入面積より小さい
請求項1記載の固体撮像素子の製造方法。 - 前記固体撮像素子は、前記複数の画素が半導体基板に2次元配列で形成されるとともに、前記転送部が前記2次元配列された画素の各画素列に沿って形成される複数の垂直転送部と、前記複数の垂直転送部の最終段に形成された水平転送部とを有して構成されるCCD型固体撮像素子である
請求項1又は2記載の固体撮像素子の製造方法。
の製造方法。 - 前記チャネルストップ部を前記2次元配列された画素の画素列方向に隣接する各光電変換部の間に形成する
請求項3記載の固体撮像素子の製造方法。 - 前記チャネルストップ部を前記2次元配列された画素の各画素列の光電変換部と隣接画素列の垂直転送部との間に形成する
請求項4記載の固体撮像素子の製造方法。 - 前記チャネルストップ部は、前記2次元配列された画素の画素列方向に隣接する各光電変換部の間に形成する垂直方向チャネルストップ部と、各画素列の光電変換部と隣接画素列の垂直転送部との間に形成する水平方向チャネルストップ部を有し、
前記垂直方向チャネルストップ部と前記水平方向チャネルストップ部は半導体基板の同じ深さにおいて異なる不純物濃度となるように形成する、
請求項3記載の固体撮像素子の製造方法。 - 前記固体撮像素子は、前記複数の画素が半導体基板に2次元配列で形成されるとともに、各画素内に電荷検出部と画素トランジスタとを有し、前記転送部が各画素内で光電変換部から電荷検出部に信号電荷を転送する転送トランジスタよりなるCMOS型固体撮像素子である
請求項1又は2記載の固体撮像素子の製造方法。 - 半導体基板上に設けられた光電変換部を含む複数の画素と、
前記画素によって生成された信号電荷を電荷検出部に転送する転送部と、
前記複数の画素の光電変換部の近傍に設けられ、前記光電変換部から隣接素子への電荷
の移動を防止するチャネルストップ部とを有し、
前記チャネルストップ部が前記半導体基板の深さ方向に多段階の不純物領域によって形
成され、
前記チャネルストップ部の最下層の底が、前記光電変換部より下方のオーバーフローバリア領域と接触するように前記光電変換部の底の深さより深く形成され、
前記多段階の不純物領域が半導体基板表面側に位置するほど不純物濃度を高くして形成されている
ことを特徴とする固体撮像素子。 - 前記多段階の不純物領域の面積が下方に位置する不純物領域ほど小さい
請求項8記載の固体撮像素子。 - 前記複数の画素が半導体基板に2次元配列で形成されるとともに、前記転送部が前記2次元配列された画素の各画素列に沿って形成される複数の垂直転送部と、前記複数の垂直転送部の最終段に形成された水平転送部とを有して構成されるCCD型固体撮像素子である
請求項8又は9記載の固体撮像素子。 - 前記チャネルストップ部が前記2次元配列された画素の画素列方向に隣接する各光電変換部の間に形成されている
請求項10記載の固体撮像素子。 - 前記チャネルストップ部が前記2次元配列された画素の各画素列の光電変換部と隣接画素列の垂直転送部との間に形成されている
請求項11記載の固体撮像素子。 - 前記チャネルストップ部は、前記2次元配列された画素の画素列方向に隣接する各光電変換部の間に形成されている垂直方向チャネルストップ部と、各画素列の光電変換部と隣接画素列の垂直転送部との間に形成されている水平方向チャネルストップ部を有し、
前記垂直方向チャネルストップ部と前記水平方向チャネルストップ部は半導体基板の同じ深さにおいて異なる不純物濃度を有する、
請求項10記載の固体撮像素子。 - 前記複数の画素が半導体基板に2次元配列で形成されるとともに、各画素内に電荷検出部と画素トランジスタとを有し、前記転送部が各画素内で光電変換部から電荷検出部に信号電荷を転送する転送トランジスタよりなるCMOS型固体撮像素子である
請求項8又は9記載の固体撮像素子。
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