JP2010533572A - 従属栄養アンモニア酸化バクテリアを用いて汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法 - Google Patents
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Abstract
【選択図】なし
Description
従来の生化学的方法での廃水処理による炭素、窒素汚染物を除去する微生物学的な原理とプロセスの原理は、従属栄養バクテリアでの“アンモニア化成”反応によって炭素を離脱し、独立栄養バクテリアでのアンモニア酸化と亜硝酸酸化といった“硝化(硝酸化成)”反応、(通性)嫌気的従属栄養バクテリアでの“脱硝化”によって窒素を離脱する工程の組合せである。以下のように簡単に記述できる、
1.多属種の従属栄養微生物の成長を利用して有機性Nを無機性Nに転化することを完了 する、すなわちアンモニア化成作用。
2.絶対好気的独立栄養微生物が好気的条件下で成長することを利用してNH3−N酸化 及びNO2 -−N酸化を完了することを総称として硝化作用(硝酸化成)という。 その二つの独立過程は、主にニトロソモナス属(Nitrosomonas)とニトロバクター属(Nitrobacter)を代表的な独立栄養バクテリアとし、それらによって個別に完了できる。
3.多属種の従属栄養微生物によって酸化態窒素をN2ガスに還元する脱窒過程を利用す る、すなわち通常の脱硝化作用のこと。
簡単にいうと、微生物学の観点から見ると、生化学的に炭素、窒素汚染物を除去する方法は、“従属栄養”→“独立栄養”→“従属栄養” バクテリアを利用するモードである。
そのために、近年、先進国の国々は生物による脱窒素の研究を強化し、理論と技術の両方に一連の突破があって、Sharonを代表的とした新型の脱窒素技術が続々と出て来て、廃水の脱窒素効率がある程度上がり、運転コストを低減できた。
従来の硝化プロセスでは、アンモニアを硝酸塩に完全に酸化して(NH4 +→NO2 -→NO3 -、“全硝化”という。)、その主な目的は窒素の酸素消耗能力を根絶すること並びに亜硝酸塩の生物への毒害作用を避けることにある。但し、廃水の脱窒素において全硝化が必ずしも必要ではなく、アンモニアを亜硝酸塩(NH4 +→NO2 -)に酸化しても同じ効果を得られる。生物的脱窒素にとって、硝化過程中の“NO2 -→NO3 -”と脱硝化過程中の“NO3 -→NO2 -”は硝化―脱硝化プロセスから省略できる。アンモニア酸化を亜硝酸塩の段階にコントロールする硝化作用をショートカット硝化(SHORT−CUT NITRIFICATION)という。1997年オランダDELFT工業大学がショートカット硝化−脱硝化プロセスを開発して、都市汚水処理場のような余剰汚泥の嫌気的消化液中にある高窒素濃度の処理難題をある程度解決できた。
よって、汚泥の処理または処置の困難は従来の生化学的な汚水処理の欠点の一つである。汚水の生化学的な処理で生成した汚泥が従来技術の必然な産物であり、汚泥の処理は今まで解決し難い重要な技術的な問題点である。
本発明は、各種の汚水処理の全過程において汚泥の排出の必要がない、伝統的な活性汚泥法での余剰汚泥が処理し難いことを基本的に解決できる。
本発明は、従来の二段階の生化学的な処理システムを利用して、炭素、窒素汚染物の除去を完了でき、新しい反応器を構成する必要がなく、単一の反応器においても、炭素、窒素汚染物の除去目的を達成できる。
本発明は、“成長”理論が指導した炭素、窒素汚染物の除去にあたる温度制限を克服し、特にSharon技術に30〜40℃においてショートカット硝化を行う厳しい条件を克服できる。本発明は、各種類の廃水が6〜40℃の広い温度範囲においても、ショートカット硝化と脱硝化を比較的理想的に実現できる。
本発明は、炭素源の制御により、好気的または嫌気的な条件においてアンモニア性窒素のショートカット硝化、ショートカット脱硝化を何れでも比較的理想的に実現できる。
従属栄養アンモニア酸化バクテリア(HAOB)を用いて汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法であって、
A)従属栄養アンモニア酸化バクテリアを含有する天然土壌を有機性炭素、窒素物質及び/または無機性アンモニア性窒素を含有する従属栄養バクテリアの培地に接種し、反応器中で曝気し、培地にアンモニア性窒素が存在した場合には、PH値を6.5〜8.5になるように、数回分けて有機性炭素源を前記反応器に投入し、アンモニア性窒素が≦3mg/Lになり、且つNO2 -−Nの蓄積が最大値になった場合には、曝気を停止し、系の中においてNO2 -−N、NO3 -−Nの総量が<1mg/Lになるまで嫌気的状態を維持し、有機性炭素源を投入して、脱硝化を行うという従属栄養アンモニア酸化バクテリア活性汚泥の培養工程、及び、
B)工程Aで得られた活性汚泥を有機性炭素、窒素汚染物質及び/または無機性アンモニア性窒素汚染物を含有する汚染水の生化学反応器に接種し、曝気を行い、汚染水中に有機性炭素を含有しない場合には、有機性炭素源を投入し、アンモニア酸化反応を行い、NO2 -−Nが蓄積になる場合には、NO2 -−Nの蓄積を無くすまでに曝気を停止し、嫌気的状態を維持し、有機性炭素源を投入して、脱硝化を行うという汚水中の炭素、窒素汚染物の除去工程を含み、
前記従属栄養アンモニア酸化バクテリアは、窒素代謝過程中に、アンモニア化成→アンモニア酸化→亜硝酸または硝酸還元による脱硝化、脱窒素の機能を持つ従属栄養バクテリア類であり、PM平板で成長できて、且つグリース試薬(Griess Reagent)で陽性を示し、有機性炭素源の存在下、好気的条件でアンモニアを窒素、NO2 -またはNO3 -に直接に酸化でき、好気的状態または嫌気的状態で主にNO2 -またはNO3 -を電子受容体とし、BODを電子供給体とし、脱硝化脱窒素を実現することを特徴とする汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
独立栄養理論が自然界の各種な矛盾現象を説明できないが、本発明人より前に高い活性の従属栄養型亜硝酸バクテリを発見できなく、独立栄養理論が微生物学及び産業実践を指導する主流になってきた。
2.NH3+O2→N2過程の脱窒素を発生することを示す。
3.適切な炭素源(例えば、ピルビン酸)が存在する際、バッチ式1回の培養でNH3+ O2→NO2―の亜硝化現象を示す。
4.NO2―+O2→NO3―の硝化現象を示す。
5.NO2―−NまたはNO3―−Nを電子供給体とし、CODなどは電子受容体として 好気的または嫌気的での反硝化による脱窒素、NO2―+COD→N2―↑+CO2 ↑を示す。
1、好気的アンモニア酸化過程中の最大出力仕事の計算
上の図に示した電子移動モード及びその関係する熱力学の計算に基づき、アンモニア酸化過程のN2O、NO又はNO2などガス状態の中間生成物の損失を略して、窒素ガスN2、NO2 -またはNO3 -をアンモニア酸化の最終生成物と見なし、その中窒素ガスN2がアンモニア酸化の必然な生成物の一つである。アンモニア酸化過程の物質バランスとエネルギーバランスにより、下記の式に簡略できる:
そして、アンモニア酸化の必須な中間生成物NH2OH、及び最終生成物N2、NO2 -またはNO3 -の総自由エネルギー変化量△G0'N総が以下の式に表すことができる。
−a△G0'N1=n△G0'C=−22KJの時、即ち、有機性炭素源の酸化生成エネルギーがアンモニアをNH2OHに酸化する必要なエネルギーを満足する場合には、△G0'N1+n△G0'C=0。
よって、従属栄養型アンモニア酸化の炭素、窒素共同酸化の最大正味仕事△G0'maxは以下の一般式に表示できる。
A)活性汚泥中に、優勢な菌種としてアンモニアをNO3 -またはN2に完全に酸化できる従属栄養型アンモニア酸化バクテリア、例えば、本発明に挙れたバチルス・シュードファーマスを用いる。
1)アンモニアをN2とNO3 -に完全に酸化する時、2c+d+e=1mol、d=0 mol。
この結果は、炭素源の酸化生成エネルギーが≧+43.4KJの時に、アンモニア酸化をNO3 -の蓄積ないショートカット硝化段階に制御できると説明している。
炭素源の酸化生成エネルギーが≧+71KJの時に、アンモニアを唯一の生成物とするN2に完全に酸化できることが分かる。
1) n△G0'C= −22KJの場合には、N2−N : NO2 -−N =0.58:0.42;
2)−22KJ<n△G0'C<0の場合には、生成したN2 −N <0.58mol,但しNO2 -−N >0.42mol;
3)n△G0'C<−22KJの場合には、生成したN2−N >0.58mol,但し NO2 -−N <0.42mol;
4)同様に、n△G0'C= 0 KJの場合には、前記アンモニア酸化の全ての過程が発生できない。
例えば、BODが欠乏して、無機性のアンモニア性窒素が豊富である汚水に対して、ピルビン酸(CH3COCOOH)又は無水酢酸ナトリウム(NaAc)を外部投入炭素源として、アンモニア酸化生成物の計算結果は表3に示した。
前記の従属栄養アンモニア酸化バクテリア及びその代謝メカニズムを産業上に応用することは、汚水から炭素、窒素汚染物を除去する技術に突破的な発展を導く。
そして、曝気(若しくはアンモニア酸化)と曝気停止(脱硝化)過程は以下に示した制御原則を利用できる。
沈殿装置を設置しない。さらに説明する点として、嫌気的段階で脱硝化により脱窒を行う時、N2の脱出よる汚泥が上昇する。この現象が脱硝化プロセスによく見られて、本発明はこの現象を利用して、汚泥の上昇により固―液分離を自発的に行い、同時に水の重力を利用して、反応器の下部から自発的に排出し、余計の電力消耗を低減し、二次沈殿池の設置と汚泥または混合液の還流などの操作も不要になる。
1)従属栄養アンモニア酸化バクテリアの生理特性と炭素、窒素の分解代謝原理に基づ き、非細胞の成長条件下で炭素と窒素汚染物の同時除去を実現できる。
2)種々の汚水処理の全過程において汚泥を排出する必要がない、伝統な活性汚泥法で の余剰汚泥の後処理の困難性を基本的に解消した。
3)本発明の活性汚泥を使用し、伝統な活性汚泥法の二段階生化学的な処理システムに おいて、炭素、窒素栄養物を除去できて、新たに反応器を構築する必要がなく、汚水処理の建設投資コストを最大限に低減し、単一の生化学的な反応器にて、本発明の目的を実現し、且つ現行の種々の生化学的な反応器に適用する。
4)いわゆる“成長”理論で指導した炭素、窒素廃水除去方法に関する温度制限を克服 できる。特にSHARON法の30〜40℃でショートカット硝化の厳しい条件を緩和し、本発明では種々の廃水が6〜40℃の温度範囲内にショートカット硝化と脱硝化の何れも理想的に実現できる。
5)炭素源の制御により、好気的または嫌気的条件下で、アンモニア性窒素のショート カット硝化とショートカット脱硝化何れかをよく制御できる。
6)SHARON法に比べて、本発明は非常に高いショートカット脱硝化速度を有し、 従来脱硝化方法に、NO2 -−Nが30mg/L以上なると、脱硝化を抑制するという問題を同時に解消できる。
7)本発明は酸素の供給量と脱硝化に必要する有機物質を最大限に節約できる。
8)活性汚泥を容易に、大規模的に速く培養できて、反応器の起動時間が短く、作業自 由度が高く、制御が簡単である。
9)汚泥の膨張が発生しなく、汚泥を沈殿する必要がなく、泥水の分離目的を達成でき る。
(1)沈泥土壌
土壌分類の名称:粘土質(clay loam)の黄潮土(yellow fluvo−aquic soil)
採取箇所:河南省封丘県趙崗郷の農田農耕層土壌、GPS:北緯35.2' 、東経114.5'。
接種物の主な物性を表4に示す。
土壌分類名称:中性のグライ質水田土壌(Gleyic Anthraquic soil)
採取箇所:江蘇省常熟市新庄郷の農田農耕層土壌、GPS:北緯31.33' 、東経123.38'。
接種物の主な物性を表5に示す。
酵母エキス トリプトン (NH4)2SO4
2.36g 2.36g 2.50g
水道水で配合し、加熱で有機性物質を溶解し、容量2500mlの一定の容器に定量し、PH値を7.0〜7.2に調整する。CODcr=1.99×103mg/L,TKN=424 mg/L,NH4 +−N=212 mg/L。
(2)模擬都市廃水の構成と主な性質。
(1)に得た汚水を10倍希釈する。CODcr=1.99×102mg/L,TKN=42.4 mg/L,NH4 +−N=21.2 mg/L。
(3)模擬高濃度の化学肥料工場廃水。
尿素および(NH4)2SO4で化学肥料工場廃水を調合し、TKN=1000N mg/L、その中、尿素−N=NH4 +−N=500 mg/L、水道水で配合し、PH値が約7.0、殺菌の必要がない。
(4)産業排水―グルタミン酸ソーダ廃水試料の由来及び主な汚染物の組成
廃水試料は江蘇省××市××会社(Group)のグルタミン酸ソーダ工場の製造廃水(高濃度の元廃水)から採取される。それをSBR生化学的な反応器に入れて処理する。その廃水の主な汚染物の組成を表7に示す。
この産業廃水が、江蘇省南京市××製鉄(Group)化工公司の汚水処理場に生化学的な処理する前の調節池から採取した、ある月の汚染物の平均組成が表8に示す。
実験室の小規模反応器の構築
図2に示したように、ビーカー一つ(3L)を反応器にし、有効容積が2.5Lで、電磁気式攪拌器で攪拌する。市販の酸素供給ポンプ(仕事率2.5W)を焼着き砂中子の曝気ノズル一つと接続して空気を供給する。恒温槽:SDC−6恒温槽で、反応器を28±0.5℃または15±0.5℃に制御する。
PVC材質のバケット一つ(150L)を反応器にし、泥水の有効容積が100Lで、機械攪拌機で60rpmの回転速度で攪拌する。曝気時に、電磁気式空気圧縮機で焼着き砂中子の曝気ノズル六つにより40L/minの速度で空気を反応器に続けて供給する。季節によって室温の15±2℃または30±2℃にて実験を行う。
本実施例は烏柵土壌を接種物として活性汚泥の培養を行う。
活性汚泥の培養に使用する有機性従属栄養酸化バクテリアの予培地基質の組成が以下である。
酵母エキス トリプトン (NH4)2SO4 NaH2PO4 K2HPO4
2.36g 2.36g 2.50g 0.63g 1.80g
FeSO4・7H2O MnSO4・H2O MgSO4・7H2O
0.03g 0.03g 0.09g
上記の予培地は水道水で配合し、加熱で有機性物質を溶解し、容量2500mlの容器に定量し、PH値を約7.0〜7.2に調整する。殺菌処理する必要がない。CODcr=1.99×103mg/L、TKN=TN=424 mg/L、有機性窒素(orgN):無機性窒素(inorganN)=1:1。
前記の培養は実験室の小規模反応器を用いて行う以外に、中規模の反応器を用いても同様な正常運行結果を得た。綿状の汚泥が形成され、沈降性もよい。
本比較例は、異なる培地と温度で、一回のみのバッチ式培養、いかなる有機性物質を投入しない状態に、アンモニア酸化バクテリア活性汚泥の窒素転化の活性を比較する。
2種類の天然土壌試料2.0g/L(乾燥分に換算)を実施例1の本発明の活性汚泥予培地基質(すなわち表9、表10のH)と完全に無機性で改良されたスティーヴンソン培地基質(すなわち表9、表10のA)に接種し、28℃で、同じ反応器、同じ反応条件で一回のみのバッチ式培養を行い、途中でNaOHを加えてPH値を調整する以外に、いかなる有機性物質を投入しない。
改良されたスティーヴンソン培地の組成を以下に示す。培地中のTN=NH4 +−N=400 mg/L、殺菌しない。
(NH4)2SO4 NaH2PO4 K2HPO4 MgSO4.7H2O MnSO4.H2O FeSO4.7H2O
5.0g 0.625g 1.875g 0.075g0.025g 0.025g
水道水 PH値
2500mL 7.0〜7.2
2種類の接種物が異なる培地基質における窒素転化状況を比較した結果を表9に示した。
同様な操作を15℃で行い、35日間培養した後の結果を表10に示した。
本実施例は、実施例1で得た烏柵土壌の活性汚泥を用いて模擬高濃度有機性炭素窒素廃水を処理する。
実施例1で得た活性汚泥を接種物として、図1のプロセスフローを利用して、模擬高濃度有機性炭素窒素廃水に対して処理を行う。アンモニア性窒素濃度が3mg/L以下になる時点に(NO2 -−N、NO3 -−Nが蓄積しない)反応を中止し、水を捨て泥を残して、次の処理過程に入る。このように繰り返しを行う。12ケ月間連続した過程に、汚泥を全く排出していない。関連条件および結果を表11に示した。
表12は模擬高濃度有機性炭素窒素廃水の処理前後の状況である。
実施例3〜5は、実施例2の方法と同じ、烏柵土壌の活性汚泥を用いてグルタミン酸ソーダ廃水、模擬化学肥料工場廃水と模擬都市廃水を連続的に処理する。
表13には、表11において第五回目処理後の全部の活性汚泥が単一曝気ノズルで異なる温度における前記汚水を処理した条件と結果を示した。
実施例6〜10によって本発明に適用する温度および活性汚泥の接種量を説明する。
実施例2〜5では、初期汚泥の濃度が2000mg/Lであった。実施例6〜10で用いた試験条件は実施例2〜5に比べて、初期汚泥の濃度が6000mg/Lである以外は同じである。
表14に、単一曝気ノズルで、異なる温度の条件で、活性汚泥接種量を増やして種々の廃水の炭素、窒素汚染物を連続処理する結果を示した。
表15および表16は、28℃で、単一曝気ノズルで、異なる汚泥濃度の模擬高濃度の有機性炭素、窒素廃水と模擬化学肥料工場廃水を処理した結果の比較を示した。
同様に、表17に15℃で、異なる汚泥濃度で模擬高濃度の都市廃水を処理する結果を示した。
異なる温度での水の飽和溶存酸素量を考えて、その結果を表18に示した。
実施例11には、異なる曝気量で、異なる濃度の活性汚泥の接種で、模擬高濃度の有機性炭素、窒素廃水を処理することを比較して、その処理結果を表19に示した。
一、沈泥土壌を接種物にする活性汚泥の培養
沈泥土壌を接種物にする活性汚泥の培養は実施例1に記載した方法と同様に行うことができる。但し、沈泥土壌と烏柵土壌との二種類土壌は、理化性質、微生物の組成に区別があり、特に高い亜硝化活性の従属栄養アンモニア酸化バクテリアの種類が違うため(沈泥土壌には主にバチルス・シュードファーマス(Bacillus pseudofirmus NH−2)であり、烏柵土壌が主にアースロバクター・グロビフォルミス(Arthrobacter globiformis WR−2)である。)、培養時間、投入した炭素源量が少々違う。
二、沈泥土壌活性汚泥接種により模擬高濃度の有機性炭素、窒素廃水を連続低処理する
前記の培養方法より15℃、中規模試験条件で、沈泥土壌を23日間連続的に培養して、ろ過して得た汚泥を接種物として、模擬高濃度の有機性炭素、窒素廃水を連続的処理し、その実施した結果は表23を参照する。
同様の方法で、実施例13の汚泥をろ過して、汚泥接種量4000mg/Lで種々の廃水を連続的に処理し、その結果を下の表に示した。
実施例14〜18において最終処理した後、ろ過して得た汚泥を接種物として、温度と接種量を変化させて、模擬都市廃水と模擬高濃度の有機性炭素、窒素廃水を処理した結果を表25に示した。
本実施例は、本発明の記載の方法に従って、コークス廃水を生物学的な脱窒処理を行う。
コークス廃水が特殊な産業廃水であり、CODが高く、NH3−Nが高いことを特徴とする。上に記述した種々の廃水処理方法を完全に用いて、NH3−Nの除去目的に達成できない。
江蘇省南京市にある製鉄グループ化工会社は、通常の活性汚泥法を利用して、抽出によるフェノールの除去とアンモニアの蒸発を行ったコークス廃水を処理し、水理学的な滞留時間が12時間以上、廃水が曝気処理を行った後の汚染物の除去実態を表27に示した。
1.活性汚泥法の自体がBODを除去することを主要な目的にする生化学的な処理方法で あるため、生分解可能のフェノール、シアン、チオシアン酸塩を処理することには有効である。生分解の難しい複雑な有機物の除去に向いていないことが理解できる。
2.活性汚泥法には、NH3−Nの除去率が24.4%であり、実際に有機物を除去する と同時に、従属栄養アンモニア酸化バクテリアの非成長過程中の従属栄養アンモニアの酸化は、N2として脱出するが、通常に思われるNH3として揮発する物理化学の 吹き出しではない。
処理効果を表28に示した。
以上の各実施例をまとめて、本発明に適用し、種々の廃水を処理した炭素、窒素汚染物の除去効果を次の表29に示した。
好気的な同時硝化脱硝化脱窒プロセス(SND)は、曝気と攪拌の条件下で、NH3−NをNO2 -−Nに酸化し、かつNO2 -−Nが一定量(30〜50mg/L)に蓄積した時、グリース試薬の反応が陰性(NO2 -−Nが0.5mg/L以下、好気的脱硝化が発生する意を表す。)と示すまで適量の炭素源(例えば無水酢酸ナトリウム)を投入する。炭素源投入量は、NO2 -が完全に消失した後から5〜10分で、グリース試薬の反応が陽性(NO2 -−Nが0.5mg/L以上)と示した時点として計上して、好気的脱硝化に必要な時間も記録する。このような上記の運転操作を繰り返し、最終にはNH3−N、NO2 -−Nがそれぞれ3mg/Lと0.5mg/L以下になった時、反応を停止し、無水酢酸ナトリウムの総消耗量とショートカット脱硝化脱窒時間を合計する。
烏柵土壌の活性汚泥を接種物とし、接種量が4000mg/L以下、28℃、単一曝気ノズルで運転して、グルタミン酸ソーダ廃水(NH4 +−N=500mg/L)を処理したショートカット脱硝化脱窒の比較結果を表30に示した。
つまり、本発明と比べて、好気的なSND脱硝化脱窒プロセスが利用される場合は、投入に必要な炭素源の量が大きく、曝気のエネルギー消耗が大きく、速度が遅い。
Claims (15)
- 従属栄養アンモニア酸化バクテリア(HAOB)を用いて汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法であって、
A)従属栄養アンモニア酸化バクテリアを含有する天然土壌を有機性炭素、窒素物質及び/または無機性アンモニア性窒素を含有する従属栄養バクテリアの培地に接種し、反応器中で曝気し、培地にアンモニア性窒素が存在した場合には、PH値が6.5〜8.5になるように、数回に分けて有機性炭素源を前記反応器に投入し、アンモニア性窒素が≦3mg/Lになり、且つNO2 -−Nの蓄積が最大値になった場合には、曝気を停止し、系の中においてNO2 -−N、NO3 -−Nの総量が<1mg/Lになるまで嫌気的状態を維持し、有機性炭素源を投入して脱硝化を行うという従属栄養アンモニア酸化バクテリア活性汚泥の培養工程、及び、
B)工程Aで得られた活性汚泥を有機性炭素、窒素汚染物質及び/または無機性アンモニア性窒素汚染物を含有する汚染水の生化学反応器に接種し、曝気を行い、汚染水中に有機性炭素を含有しない場合には、有機性炭素源を投入し、アンモニア酸化反応を行い、NO2 -−Nが蓄積になる場合には、NO2 -−Nの蓄積を無くすまでに曝気を停止し、嫌気的状態を維持し、有機性炭素源を投入して、脱硝化を行うという汚水中の炭素、窒素汚染物の除去工程
を含み、
前記従属栄養アンモニア酸化バクテリアは、窒素代謝過程中に、アンモニア化成→アンモニア酸化→亜硝酸または硝酸還元による脱硝化、脱窒素の機能を持つ従属栄養バクテリア類であり、PM平板で成長できて、且つグリース試薬で陽性を示し、有機性炭素源の存在下、好気的条件でアンモニアを窒素、NO2 -またはNO3 -に直接に酸化でき、好気的状態または嫌気的状態で主にNO2 -またはNO3 -を電子受容体とし、BODを電子供給体とし、脱硝化脱窒素を実現することを特徴とする汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。 - 前記従属栄養アンモニア酸化バクテリア活性汚泥に、高いニトロソ化活性のバチルス・シュードファーマス NH−2(Bacillus pseudofirmus NH−2)が優勢の菌群であり、その寄託登記番号がCCTCC M203101であることを特徴とする請求項1に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記従属栄養アンモニア酸化バクテリア活性汚泥に、高いニトロソ化活性のアルスロバクター・グロビフォルミスWR−2(Arthrobacter globiformis WR−2)が優勢の菌群であり、その寄託登記番号がCCTCC M202043であることを特徴とする請求項1に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記工程Aの従属栄養アンモニア酸化バクテリア活性汚泥の培養が、20〜40℃で行われることを特徴とする請求項1に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記工程Bのアンモニア酸化反応において、反応器中のNO2 -−Nの蓄積濃度が、0.5〜125mg/Lの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記工程Bにおいて、汚染水中の炭素、窒素汚染物が除去されるまで、前記アンモニア酸化反応と脱硝化を繰返して行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記工程Bの汚染水中の炭素、窒素汚染物の除去が、6〜40℃で行われることを特徴とする請求項1に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記工程Bにおいて、前記生化学反応器が、懸濁式または付着式の単一バッチ式反応器または連続式反応器またはそれらの組合せであることを特徴とする請求項1に記載されている汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記従属栄養アンモニア酸化バクテリア活性汚泥が、前記生化学反応器に保たれることを特徴とする請求項1に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記生化学反応器において、泥―水が自発的に分離し、処理後の汚染水が前記生化学反応器から直接に排出されることを特徴とする請求項1に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記工程Bの炭素、好気的条件下で生化学反応器中の有機性炭素源の量によってアンモニア酸化の生成物を制御することを特徴とする請求項1に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- アンモニア性窒素1molを酸化することを基準にし、前記好気的条件の生化学反応器中の有機性炭素源は、その酸化生成エネルギーが22KJ/molである場合には、アンモニア酸化の生成物がN2−NとNO2 -−Nとなり、モル比が58:42で、その酸化生成エネルギーが22KJ/moより小さい場合には、アンモニア酸化の生成物中にNO2 -−Nのモル%比が42〜99%で、その酸化生成エネルギーが22KJ/moより大きい場合には、アンモニア酸化の生成物中にN2−Nのモル%比が58〜99%であることを特徴とする請求項11に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 前記工程Bのアンモニア酸化反応はNO3 -−Nを全く蓄積しないように制御されることを特徴とする請求項12に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- アンモニア性窒素1molを酸化することを基準にし、前記好気的条件の生化学反応器中の有機性炭素源の酸化生成エネルギーが43.4KJ/mol以上であることを特徴とする請求項13に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
- 当該方法がコークス化工の汚染水処理に用いることを特徴とする請求項1に記載の汚染水中の炭素、窒素汚染物を除去する方法。
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